20~30代の「更年期障害」の治療法は? 女性ホルモン(エストロゲン)や漢方薬はどう使うのか?

 更年期障害といえば40代後半から50代の病気と思われがちだが、20〜30代で同様の症状が現れる「若年性更年期障害」の患者も増えている。その症状と原因、治療、予防について、ポートサイド女性総合クリニック「ビバリータ」院長・清水なほみ医師に訊いた。 

・若年性更年期障害の治療法は? 

――前回は「若年性更年期障害」の主な症状を教えてもらいました。治療法はいかがでしょうか? 

 卵巣機能低下の場合は、20代や30代ではピルなどのホルモン剤を使います。また漢方治療を行う場合もあります。めまい、頭痛、ほてりの症状に対する漢方治療は全体の3割です。 

 早発卵巣機能不全の場合は、投薬期間が長期になるのでホルモン補充療法を行います。自覚症状の改善という意味では、プラセンタ療法や自律神経調整薬を使う場合もあります。 

――ホルモン補充療法を詳しく教えてください。 

 更年期障害の治療のために、閉経前後に体内で不足してきた女性ホルモン(エストロゲン)を補充する療法です。エストロゲン欠乏によるのぼせ、ほてり、発汗、性交痛などの症状はもとより、関節痛や気分の変調などの症状の改善にも有効です。いわば、足りなくなってきたエストロゲンそのものを補うことによって軽減させる治療法です。

  主な効果は、更年期症状の改善以外に、意欲や集中力の低下を回復させ気分の落ち込みを緩和したり、悪玉コレステルロールを減らし善玉コレステルロールを増やして血液のしなやかさを保ち動脈硬化症を防ぎます。また皮膚のコラーゲンを増やして肌の潤いを保つなどの働きがあります。 

 例えば、30代で閉経になった患者さんには、50歳までの約20年間、ピルの投薬またはホルモン補充療法を行うことがあります。また40歳で閉経した患者さんには、ピルを使用することによる血栓症のリスクを少なくするため、ピルは使わずにホルモン補充療法を10年間続ける場合もあります。 

・ホルモン補充療法に副作用は? 

――ホルモン補充療法には副作用がありますか? 

 頭痛、むくみ、吐き気、不正出血、乳房の張りや痛み、腹部の張りなどの症状が現れることもあります。また長期に渡って使用していると、血栓症が起こる場合があります。血栓症とは血管内にできた血のかたまり(血栓)が血管に突然つまる病気で、命に関わることもあります。そのため、リスクを最低限に抑える「最少有効量」、つまり必要最低量の薬を使用します。 

――漢方治療の方法を症状別に教えてください。 

 「お血」による症状がメインの場合は、「駆お血剤」である桂枝茯苓丸や当帰芍薬散を使うことが多いです。精神的に不安定になりやすく、「お血」による症状も出ている場合は加味逍遥散を選択したりします。めまいや頭痛などの「水毒」症状がメインの場合は、利水作用がある五苓散や苓桂朮甘湯を用いたりします。 

 

・漢方やホルモン補充療法が合わない場合はプラセンタ療法 

――プラセンタ療法のメリットを教えてください。 

 漢方やホルモン補充療法が合わないという患者さんに使用することがあります。漢方の味が苦手、1日3回服用が面倒、また下痢などの症状を訴える患者さんに勧めているのがプラセンタ療法です。ほてり、疲れやすい、元気がでない、ぐっすり眠れないなどの症状の患者さんに効果的です。プラセンタを美容や健康の増進のために使用する場合は自費ですが、更年期の症状の方には保険も適用されます。 

 またプラセンタ療法以外にサプリメントを使用する場合もあります。ミネラルや鉄分、亜鉛を補いう総合ビタミン剤や、大豆イソフラボンやピクノジェノールなどのサプリメントが効果的です。ピクノジェノールは、フランス南西部のボルドー地方の大西洋岸に生息する海岸松の樹皮より抽出される水溶性フラボノイドのことです。優れた抗酸化作用を発揮することで注目され、この抗酸化作用はビタミンCやEよりも強いことがわかっています。 

――最新の検査法や治療法は何でしょうか? 

 ピルの種類が若干増えた程度で、特に最新の治療はありません。基本的には足りないホルモンを補うという方法になります。 

 早発卵巣機能不全を予測する検査として、いくつかのホルモン検査のなかで近年、注目されているのが AMH(抗ミュラー管ホルモン)を測る検査です。 AMHは発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンです。血中AMHの値は、卵巣内にどれぐらい卵の数が残っているのかを示し、つまり卵巣の予備能の目安です。ただし、数値が表すのはあくまでも卵子の在庫の目安で「妊娠能力」の目安にはなりません。
(インタビュー・文=夏目かをる)

清水なほみ(しみず・なほみ)
2001年、広島大学医学部医学科卒業。広島大学附属病院産婦人科、中国がんセンター産婦人科、ウィミンズウェルネス銀座クリニック、虎の門病院産婦人科を経て、2010年9月「ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~」を開業。日本産科婦人科学会専門医、 日本不妊カウンセリング学会認定カウンセラー。所属学会:日本産婦人科学会・日本性感染症学会・日本思春期学会・日本不妊カウンセリング学会。ポートサイド女性総合クリニック「ビバリータ」院長

※初出/健康・医療情報でQOLを高める「ヘルスプレス」

美容院クーポンは“価格破壊”の時代へ! 爆安サロンが顧客をつかむ驚きの仕掛け

お安い金額で、イイことしたい! 得したい!」という女の欲望を刺激する、「クーポン雑誌」「クーポンサイト」が巷に溢れまくっている現代――。しかしあまりの安さに、「こんなに安くて大丈夫?」「逆に損するなんてやーよ!」と、クーポンに半信半疑の人もいるはず。そんなあなたに向けて、女が特に気になる「美容・健康クーポン」を、世界で最も「安い!」に弱い大阪出身の女性ライターが、覆面調査員としてレポートしちゃいます!

 若い頃は、美容院に行く頻度といえば、3カ月~半年に一度だったものの、いつの間にか白髪が気になるお年頃となり、最近では月イチになってしまった。まぁ、年を重ねた女にとっては普通のことだろうが、正直美容院代が惜しくて惜しくてしょうがない!! そんなときは、やはりクーポンのありがたさが身にしみる。

 こと美容院クーポンに関していえば、クーポンサイト「ポ●●レ」が最もお得であると筆者は思っている。その理由は、なんといっても、4,000円以上のクーポンに使える1,000円ギフト券がプレゼントされる“ありがとうキャンペーン”がおいしいからだ。というわけで今回は、価格破壊もここまで来たか……と絶句してしまった、激安美容院に潜入した。

潜入その1
施術後に驚きの宣告……/神楽坂・T
【メニュー】カット+(リタッチカラーorパーマ)+トリートメント
【クーポン価格】2,800円(82%オフ)

 何なんだ、この爆安価格は……と、思わず目がテンになってしまったT。“1,000円オフギフト券”を使わせないほどの安さに、即購入した。同店は、大人の街・神楽坂にあり、白を基調としたシンプルな内装は、清潔感にあふれていて好印象。とてもじゃないけれど、爆安美容院には見えない。

 美容師はほとんど女性だったが、筆者の担当になったのは、やや夜の匂いのするイケメンの青年。なんでも美容師歴は足かけ7年、出身地は東北だと教えてくれた。まずは、髪質チェック、カウンセンリングからスタート。高級サロンでも、ここまで熱心に髪質を見てくれないけど……と驚いていると、なんでも髪質別でシャンプー&コンディショナーを展開している「コタ」の商品を使用するそう。ちなみに筆者は、クセ有り&ダメージ有り&乾燥有りの髪質ゆえ、“超しっとり”系のシャンプー&コンディショナーを使ってもらうことに。これだけでも、クーポン価格分は回収できていると思ってしまうほどのサービスだ。

 席に移り、まずはカラーから。最近、美容院クーポンを使用しても、「白髪染め」には別料金を設定している店舗は少なくない。白髪が気になる人は、ぜひクーポン購入時に注意してもらいたいポイントである。そして、次はシャンプーへ。そろそろ2,800円程度に見合う手の抜き方をされるのかと思いきや、超念入りな施術で驚くばかり。さらにトリートメントもしてもらえるとあって、まさに極上体験だとしみじみ感動してしまった。そしてカットも、クセ毛を無視して、短く切りすぎるということもなく、整える程度終了。整った髪の状態を見て、ニンマリしてしまった筆者である。

 ここで終われば、なかなかお目にかかれない最高の美容院クーポンだと感服した……が、なんと担当者が「2週間後にカットの状態をチェックしたいので、来店してほしい」と言い出すではないか! そう、2,800円の爆安の秘密は、リピート率を上げる点にあったようだ。一瞬ひるんだが、その際、通常は3,500円のシャンプー&ブローを付けるという。そのお得感に釣られ、2週間後に来店を約束してしまった。ちなみに3回目以降に同コースを受けるとすると、割引価格でも8,000円也。初回、2回目と、あの丁寧なシャンプーをタダ同然でつけているわけだから、当然とはいえ、高いと感じてしまう。ちなみに、このクーポン、半年以上来店がない方も利用可とのこと。半年後にまた行くか、と心に決めた。

クーポン満足度評価/★★★☆☆
リピーター思案評価/★★★☆☆
※とにかく格安さなら、過去最高かも!

潜入その2
当たり美容院クーポンの条件が発覚?/原宿・A
【メニュー】グロッサカット+カラー+4stepアルカリ除去トリートメント 白髪染め可
【クーポン価格】4,000円※ありがとうキャンペーンクーポン使用で3,000円(75%オフ)

 続いて潜入したのは、明治神宮前駅徒歩2分にあるA。ヘアメイク事務所を併設し、モデルや女優の顧客も多い人気サロンだという。なぜ、そんな有名サロンがクーポンを……と疑問がわいたが、20周年を記念してのことらしい。

 店内は、有名店ならではの落ち着きに満ちた雰囲気で、担当者は女性。まず、メニューにあった「グロッサカット」なるものが一体何なのか聞いてみると、なんでも“ツヤ”にとことんこだわったカットで、髪を痛ませないことをコンセプトにしているそうだ。

 同店は、ほかにも特別感を得られる工夫が随所にみられた。まずカラー剤が、他店とは違ってツンとした匂いがまったくない。また、トリートメントは自社開発のオリジナルのものが使用され、シャンプーも頭皮マッサージを加えたスパ的要素のあるものだった。仕上がりも、えっと驚くほど艶やかな髪質になっていた。これがたったの3,000円とは恐れ入る。常にクーポンサイトに載っているサロンより、期間限定など掲載のサロンの方がお得度は高めなのかもしれない。

 ちなみに、美容院クーポンを利用する際のポイントだが、筆者の経験では、カット付きのものであっても、基本的に揃える程度が無難。店舗によっては、クーポン客はアシスタント等のカットモデルにされてしまうことが少なくない。もちろん中には、ベテラン級の美容師が担当してくれることもあるが、個性の強いベテランの場合は、顧客の気持ちを無視して自分の作品にされてしまうので要注意。クーポンは、相性のいい美容師を探すために使うと考える程度がよいのではないだろうか。そして、最後に1つ。原宿・Aは駅近だったが、傾向として「駅からやや遠い」「わかりにくい場所」の美容院クーポンは、「腕は確かなのに、地理的な問題で顧客が少ない」場合が多い。美容院クーポン選びの参考にしていただければ幸いだ。

クーポン満足度評価/★★★☆☆
リピーター思案評価/★★★☆☆
※ぜひもう一度(クーポン価格で)行きたいサロン!

吉原杏(よしわら・あんず)
大阪生まれ、大阪育ち。好きなモノは小銭。好きな場所はリサイクルショップに100円均一。美容・健康オタクとしてプチ整形、数々のダイエット法に挑戦したことも。数々の携帯小説家、『株一年生~ゼロからわかる株の教科書~』(オープンアップス)などのアプリ作家として活動。

「大きな胸を小さく見せるブラ」が大人気! 巨乳は女性らしさの象徴? それとも太って見える?

 ワコールが販売している「大きな胸を小さく見せるブラ」が大ヒットを飛ばしている。 2010年4月、インターネットで限定販売され、2000枚を完売。追加販売の6000枚も瞬く間に完売。このウルトラヒットに気を良くして、2011年9月からネット限定販売を再スタートした。 

 ワコールウェブストアの販売集計では、累計16万4000枚(2010年4月~2016年2月)。2016年上半期の「人気ブラジャーランキング」の堂々トップだ。 

 なぜ大ブレークしているのだろう? 

 商品化の前にワコールが行ったアンケート調査によれば、「バストをコンパクトに見せたい」と答えた人が10.7%。販売後に実施した「ブラに求める機能は?」というアンケートでは、「バストを小さく見せたい」と答えた人が18%だった。 

 「大きな胸を小さく見せるブラ」は、大きな胸を小さく見せたいと悩んでいた女性のためのブラジャーだ。カップには厚みを抑えた不織布を使用したり、控えめのボリューム感を出したりしている。小花刺繍をあしらって愛らしいカラーバリエーションも出色。ヒットの理由は明白だ。 

 だが、男性の常識的な視点に立てば、圧倒的なニーズは「バストを大きく見せたい」のはずだ。女性は女性らしく見られたいと思っている。そう多くの男性は思い込んでいるからだ。 

 しかし、実態はまるで違う。 

 バストが大きいと太って見える。シャツのボタンの間に隙間ができる。女性らしさよりも、一人の人間として見られたい。小さなブラジャーを着けて、動きを軽快にしたい。小さく見せるだけでなく、脇をすっきりさせた機能性やデザインも欲しい……。 

 どうだろう、これが女性たちの偽りのないホンネなのだ。このような切実な願望を抱いている女性が多い現実を男性は気づいてない。常識や思い込みの陰に隠れて見えない、女性の根強い願望に驚いてしまうばかりだ。 

・バストが大きいと女性らしい? 太って見える? 

 また、雑誌『主婦の友』が実施した「バストの大きさと外見に関する意識調査」(2011年9月)がある。Dカップ以上をバストが大きい女性、それ以下を小さい女性と定義して回答を得た。 

 「バストが大きい女性は、小さい女性に比べてメリットが多いと思うか?」との問いに、「思う」と答えたのは、バストが大きい女性が32.9%、小さい女性が47.0%だった。メリットが多いと思うと答えた女性に具体的に尋ねたところ、「女性らしいボディラインに見える=84.6%」、「色っぽく見える=69.1%」とのこと。 

 一方、「バストが大きいとデメリットになることがある」と答えたのは、バストが大きい女性が85.8%、小さい女性が88.6%。具体的なデメリットを尋ねたところ、「太って見える」と答えたのは、バストが大きい女性が71.8%、バストが小さい女性が49.5%とのこと。 

 バストが大きい女性は、太って見えるのを特に気にしているので、バストを小さく見せたい欲求が強いことが裏づけられた。 

 ただし、女性や男性のバスト感覚については、さまざまな研究や見解がある――。「Bカップ以下の小さなバストが好きな人は、能力があり、野心的で知性と謙虚さを兼ね備えている」「巨乳が好きな人は、高いIQと精神的な強靭さを持ち合わせている」「理想的な女性のバストサイズはCカップだ」「経済的に豊かでパートナーに従順さを求める男性は、小さなバストを好み、性差の意識が強く、独立心が強い男性は大きなバストを好む傾向がある」「日本は温泉文化があるので、女性が互いにおっぱいを見比べる機会が多い」……。 

 バストの形も十人十色、サイズも百人百態。おっぱいは男性を魅惑する女性のシンボル、憧れの性的アイコンであり続ける。

 ワコール「大きな胸を小さく見せるブラ」。あなたのおっぱい感覚はどのあたりだろう?

※初出/健康・医療情報でQOLを高める「ヘルスプレス」

 

社会学者・古市憲寿さんの「ハーフは劣化が早い」発言を美容医療の立場から考える

 先日、社会学者・古市憲寿氏が出演したテレビ番組内で「ハーフってなんで劣化するのが早いんでしょうね」と発言したところ、ネット上で「差別発言ではないか?」と非難された騒動がありました。一緒に番組に出演していた、あるタレントさんの幼少時代の写真を見た流れでのコメントだったようです。

 この場合に使われた「劣化」は、おそらく「見た目の老化」のことを指しているのでしょう。最近メディアなどでも用いられている「劣化」という言葉――。時間を経て、あるいは年齢を重ねて、見た目が以前と変わったことに対して使われています。つまり、以前より老けて見えることは“マイナス”であると捉えたものなのでしょう。

 しかし、そもそもこのようなケースで用いられる「劣化」の定義とは、いったい何なのでしょう? 皆さんは、この言葉についてどのような印象をお持ちですか?

・見た目の老化症状は「劣化」ではなく「グッドエイジング」

 年齢とともに見た目が変わっていくことを「老化」と呼びます。見た目だけなく、人間は加齢とともに身体の機能も衰えるため、「老化」という言葉は広い意味を持ちます。見た目に限ると、顔のシワ、シミ、たるみなどは老化の代表です。

 鏡を見ながら頬のラインを引っ張りあげて、シワやフェイスラインを伸ばしてみたり、昔のアルバムを眺めて、ため息交じりに「老けたなあ」と感じたりした経験は、多くの方がお持ちではないでしょうか。

 ですが、今回、私が触れたいのは、これを否定的に「劣化」と呼ばなくてもよいのでは、ということです。だって老化は人間の道筋、老化しない人間なんていないのですから。

 たとえば、年齢を重ねることを“人生経験”と考えてみてはどうでしょう。年月とともに熟成していくワインのように、人間こそ年月とともに味わいを増していくことができるはず。「劣化」と言うよりは、むしろ「グッドエイジング」として向き合った方が幸せではないかと思うのです。

・老化しない人間なんていない
 とはいいながら、美容クリニックには、シワやシミ、たるみを何とかしたいという多くの患者さんがご相談にいらっしゃいます。「シワが目立ってきて、気分が落ち込む」「数年前の自分に戻りたい」といった悩みを持つ方と毎日お会いしているので、その心情は十分に理解しています。そうした悩みを手助けする手段となりえるのが美容医療なのです。

 「老化した自分を何とかしたい」という気持ちが分かるからこそ、私たちは美容医療で応えます。年々気を揉んでいたシワが目立たなくなった患者さんはとても喜んでくれます。「鏡を見るのも嬉しい! 毎日が楽しくなった」「年齢より若く見えるねと言われた!」などと、イキイキした表情で話してくれます。医師としてうれしい瞬間のひとつです。

 つまり、老化症状が改善されたことで、見た目だけでなく内面的な変化をもたらすことも実感できるのが、美容医療の現場です。

・メラニンの少ない白色人は紫外線ダメージを受けやすく老化が進みやすい
 冒頭の記事に絡めて、ちょっと医学的観点からのお話しを付け加えさせてください。

 ハーフの方だから云々、ではなく、私たち日本人のような黄色人種と、欧米人のような白色人種で比較すると、白色人はメラニンの量が少ないという事実があります。シワやたるみの一番の原因は紫外線です。メラニンは紫外線から肌を保護する役割を持つため、メラニンの少ない白色人は紫外線のダメージを受けやすく、老化が進みやすいともいえるのです。

 「老化=劣化」とネガティブにならず、「グッドエイジング」で人生を重ねていきたい、医療で美や若々しさをもたらすことを仕事とする私が言うのは矛盾もありそうですが、年齢を重ねながらも見た目も気持ちも美しくありたいという患者さんと日々接するからこそ、そんな風に感じるのです。

伊藤康平(いとう・こうへい)
聖心美容クリニック東京院院長。日本美容外科学会(JSAS)専門医、日本美容外科学会(JSAPS)会員、日本美容外科医師会会員、日本外科学会専門医など.冷静・的確なカウンセリングや美容外科医としてのセンス、技術に定評。年代を問わず幅広い支持を受けている。趣味は車やスキー、オーディオなどの電化製品、料理、熱帯魚観賞と幅広く。
聖心美容クリニック www.biyougeka.com

※初出/健康・医療情報でQOLを高める「ヘルスプレス

社会学者・古市憲寿さんの「ハーフは劣化が早い」発言を美容医療の立場から考える

 先日、社会学者・古市憲寿氏が出演したテレビ番組内で「ハーフってなんで劣化するのが早いんでしょうね」と発言したところ、ネット上で「差別発言ではないか?」と非難された騒動がありました。一緒に番組に出演していた、あるタレントさんの幼少時代の写真を見た流れでのコメントだったようです。

 この場合に使われた「劣化」は、おそらく「見た目の老化」のことを指しているのでしょう。最近メディアなどでも用いられている「劣化」という言葉――。時間を経て、あるいは年齢を重ねて、見た目が以前と変わったことに対して使われています。つまり、以前より老けて見えることは“マイナス”であると捉えたものなのでしょう。

 しかし、そもそもこのようなケースで用いられる「劣化」の定義とは、いったい何なのでしょう? 皆さんは、この言葉についてどのような印象をお持ちですか?

・見た目の老化症状は「劣化」ではなく「グッドエイジング」

 年齢とともに見た目が変わっていくことを「老化」と呼びます。見た目だけなく、人間は加齢とともに身体の機能も衰えるため、「老化」という言葉は広い意味を持ちます。見た目に限ると、顔のシワ、シミ、たるみなどは老化の代表です。

 鏡を見ながら頬のラインを引っ張りあげて、シワやフェイスラインを伸ばしてみたり、昔のアルバムを眺めて、ため息交じりに「老けたなあ」と感じたりした経験は、多くの方がお持ちではないでしょうか。

 ですが、今回、私が触れたいのは、これを否定的に「劣化」と呼ばなくてもよいのでは、ということです。だって老化は人間の道筋、老化しない人間なんていないのですから。

 たとえば、年齢を重ねることを“人生経験”と考えてみてはどうでしょう。年月とともに熟成していくワインのように、人間こそ年月とともに味わいを増していくことができるはず。「劣化」と言うよりは、むしろ「グッドエイジング」として向き合った方が幸せではないかと思うのです。

・老化しない人間なんていない
 とはいいながら、美容クリニックには、シワやシミ、たるみを何とかしたいという多くの患者さんがご相談にいらっしゃいます。「シワが目立ってきて、気分が落ち込む」「数年前の自分に戻りたい」といった悩みを持つ方と毎日お会いしているので、その心情は十分に理解しています。そうした悩みを手助けする手段となりえるのが美容医療なのです。

 「老化した自分を何とかしたい」という気持ちが分かるからこそ、私たちは美容医療で応えます。年々気を揉んでいたシワが目立たなくなった患者さんはとても喜んでくれます。「鏡を見るのも嬉しい! 毎日が楽しくなった」「年齢より若く見えるねと言われた!」などと、イキイキした表情で話してくれます。医師としてうれしい瞬間のひとつです。

 つまり、老化症状が改善されたことで、見た目だけでなく内面的な変化をもたらすことも実感できるのが、美容医療の現場です。

・メラニンの少ない白色人は紫外線ダメージを受けやすく老化が進みやすい
 冒頭の記事に絡めて、ちょっと医学的観点からのお話しを付け加えさせてください。

 ハーフの方だから云々、ではなく、私たち日本人のような黄色人種と、欧米人のような白色人種で比較すると、白色人はメラニンの量が少ないという事実があります。シワやたるみの一番の原因は紫外線です。メラニンは紫外線から肌を保護する役割を持つため、メラニンの少ない白色人は紫外線のダメージを受けやすく、老化が進みやすいともいえるのです。

 「老化=劣化」とネガティブにならず、「グッドエイジング」で人生を重ねていきたい、医療で美や若々しさをもたらすことを仕事とする私が言うのは矛盾もありそうですが、年齢を重ねながらも見た目も気持ちも美しくありたいという患者さんと日々接するからこそ、そんな風に感じるのです。

伊藤康平(いとう・こうへい)
聖心美容クリニック東京院院長。日本美容外科学会(JSAS)専門医、日本美容外科学会(JSAPS)会員、日本美容外科医師会会員、日本外科学会専門医など.冷静・的確なカウンセリングや美容外科医としてのセンス、技術に定評。年代を問わず幅広い支持を受けている。趣味は車やスキー、オーディオなどの電化製品、料理、熱帯魚観賞と幅広く。
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社会学者・古市憲寿さんの「ハーフは劣化が早い」発言を美容医療の立場から考える

 先日、社会学者・古市憲寿氏が出演したテレビ番組内で「ハーフってなんで劣化するのが早いんでしょうね」と発言したところ、ネット上で「差別発言ではないか?」と非難された騒動がありました。一緒に番組に出演していた、あるタレントさんの幼少時代の写真を見た流れでのコメントだったようです。

 この場合に使われた「劣化」は、おそらく「見た目の老化」のことを指しているのでしょう。最近メディアなどでも用いられている「劣化」という言葉――。時間を経て、あるいは年齢を重ねて、見た目が以前と変わったことに対して使われています。つまり、以前より老けて見えることは“マイナス”であると捉えたものなのでしょう。

 しかし、そもそもこのようなケースで用いられる「劣化」の定義とは、いったい何なのでしょう? 皆さんは、この言葉についてどのような印象をお持ちですか?

・見た目の老化症状は「劣化」ではなく「グッドエイジング」

 年齢とともに見た目が変わっていくことを「老化」と呼びます。見た目だけなく、人間は加齢とともに身体の機能も衰えるため、「老化」という言葉は広い意味を持ちます。見た目に限ると、顔のシワ、シミ、たるみなどは老化の代表です。

 鏡を見ながら頬のラインを引っ張りあげて、シワやフェイスラインを伸ばしてみたり、昔のアルバムを眺めて、ため息交じりに「老けたなあ」と感じたりした経験は、多くの方がお持ちではないでしょうか。

 ですが、今回、私が触れたいのは、これを否定的に「劣化」と呼ばなくてもよいのでは、ということです。だって老化は人間の道筋、老化しない人間なんていないのですから。

 たとえば、年齢を重ねることを“人生経験”と考えてみてはどうでしょう。年月とともに熟成していくワインのように、人間こそ年月とともに味わいを増していくことができるはず。「劣化」と言うよりは、むしろ「グッドエイジング」として向き合った方が幸せではないかと思うのです。

・老化しない人間なんていない
 とはいいながら、美容クリニックには、シワやシミ、たるみを何とかしたいという多くの患者さんがご相談にいらっしゃいます。「シワが目立ってきて、気分が落ち込む」「数年前の自分に戻りたい」といった悩みを持つ方と毎日お会いしているので、その心情は十分に理解しています。そうした悩みを手助けする手段となりえるのが美容医療なのです。

 「老化した自分を何とかしたい」という気持ちが分かるからこそ、私たちは美容医療で応えます。年々気を揉んでいたシワが目立たなくなった患者さんはとても喜んでくれます。「鏡を見るのも嬉しい! 毎日が楽しくなった」「年齢より若く見えるねと言われた!」などと、イキイキした表情で話してくれます。医師としてうれしい瞬間のひとつです。

 つまり、老化症状が改善されたことで、見た目だけでなく内面的な変化をもたらすことも実感できるのが、美容医療の現場です。

・メラニンの少ない白色人は紫外線ダメージを受けやすく老化が進みやすい
 冒頭の記事に絡めて、ちょっと医学的観点からのお話しを付け加えさせてください。

 ハーフの方だから云々、ではなく、私たち日本人のような黄色人種と、欧米人のような白色人種で比較すると、白色人はメラニンの量が少ないという事実があります。シワやたるみの一番の原因は紫外線です。メラニンは紫外線から肌を保護する役割を持つため、メラニンの少ない白色人は紫外線のダメージを受けやすく、老化が進みやすいともいえるのです。

 「老化=劣化」とネガティブにならず、「グッドエイジング」で人生を重ねていきたい、医療で美や若々しさをもたらすことを仕事とする私が言うのは矛盾もありそうですが、年齢を重ねながらも見た目も気持ちも美しくありたいという患者さんと日々接するからこそ、そんな風に感じるのです。

伊藤康平(いとう・こうへい)
聖心美容クリニック東京院院長。日本美容外科学会(JSAS)専門医、日本美容外科学会(JSAPS)会員、日本美容外科医師会会員、日本外科学会専門医など.冷静・的確なカウンセリングや美容外科医としてのセンス、技術に定評。年代を問わず幅広い支持を受けている。趣味は車やスキー、オーディオなどの電化製品、料理、熱帯魚観賞と幅広く。
聖心美容クリニック www.biyougeka.com

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