フジテレビ月9ドラマ『絶対零度』シーズン4が決定も「タイトル変えろ!」と大合唱のワケ

 フジテレビ月9ドラマ『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』が来年1月に放送されることがわかった。

 同ドラマはシーズン1、2を上戸彩が主演し、平均視聴率はそれぞれ14.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、13.1%を記録。昨年放送されたシーズン3は主演が沢村一樹に交代となったものの、10.8%と2桁をキープしている。

 シーズン4は引き続き沢村が主演するほか、関ジャニ∞の横山裕、本田翼も続投。しかし今回、上戸の出演はないという。

「前作では、1年前に失踪した後に海外で死んだとされていた桜木泉(上戸)にまつわる謎が焦点となっていました。大方の予想どおり彼女は生きていて、最終回に登場。ところが、少しは見せ場があるのかと思いきや、ムスッとした表情でずっと突っ立っているだけで、ドラマ全体で見ても完全によけいな存在となっていました。視聴者には『絶対零度』=上戸のイメージが強かったため、続編という位置づけであるからには、彼女を出さざるをえなかったのでしょうが、“沢村版”でも視聴率2桁を取ったことで、もはや上戸は不要と言う判断になったのでしょう」(テレビ誌編集者)

 そんななか、同ドラマのファンからは“あの部分”についての不満が続出しているという。

「そもそも『絶対零度』とは、これ以上冷たくなることができないとされる摂氏マイナス273℃のことを指します。それが転じて、『コールド・ケース』と呼ばれる時効寸前の未解決事件を凍らせないという刑事たちの意気込みがタイトルに込められていた。実際、シーズン1の副題は『未解決事件特命捜査~』でしたが、シーズン2は表面化しない犯罪を扱う『~特殊犯罪潜入捜査~』となり、シーズン3にはこれから起きる犯罪を防ぐ『~未然犯罪潜入捜査~』と変わり、シーズン4は変更なし。もはや『絶対零度』とはまったく違う方向に進んでいるため、『タイトルを変更したほうがいい』『別のドラマにしてくれ!』との声が飛び交っています。同ドラマは過去3シーズン、全てプロデューサーが違うため、タイトルへのこだわりがまったくないのでしょう」(前出・テレビ誌編集者)

 前作で上戸の出番が少なかったのは「子育てで忙しいから」との理由づけがされていたが、「別のドラマだから」が本音だったのかもしれない。

フジテレビ月9『絶対零度』視聴率2ケタ復帰も肝心の“ミハン”が無能すぎ!?

 フジテレビ月9には、まるで似合わないハードな刑事サスペンスが繰り広げられているドラマ『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』も第3話。視聴率は10.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と2ケタ復帰、初回超えと好調のようです。

 さて、このドラマは国民のあらゆる個人情報を網羅する巨大AI「未然犯罪捜査システム(通称“ミハン”)」が主に殺人を犯す可能性が高い危険人物を割り出し、その情報をもとにミハンチームが捜査を行うことで犯罪を未然に防ぐ、という設定の物語でした。その設定が第3話にして早くも曖昧になってきたあたりから、振り返りましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

 

■もっとがんばれミハン!

 今回、ミハンが提示した人物は、若槻真帆(柴田杏花)という二十歳の女子大生。なんでも1年前に自殺未遂をして、それ以来、昏睡状態だそうです。昏睡状態なので、主に殺人を犯す可能性はゼロです。ゼロですが、真帆ちゃんのスマホから大学のテニサーのSNSに「復讐してやる」という脅迫メッセが入ったことと、同じスマホから大量の医療用ニトログリセリンが注文されていたことからピックアップされたようです。どうやら今回ミハンが彼女を割り出した根拠は、スマホの通信記録だけ。AIじゃなくてauでも割り出せそうな感じです。

 ともあれ、井沢警部補(沢村一樹)を中心としたミハンチームは、AIが「殺人を犯す可能性がゼロ」な人物を割り出したことを「システムエラーの可能性も?」とか軽く訝しがりつつ、真帆ちゃん周辺を洗い始めます。

 すると、謎の解明につながる重大な映像が出てきました。真帆ちゃんのスマホから注文されたという大量のニトロを、コンビニで受け取っている男が映った防犯カメラの映像が存在したのです。これは決定的! ミハンは日本中の防犯カメラの映像を持っていますので、この受け取り時間前後の周辺地域のカメラ映像を洗い出しつつ、大量のニトロをスマホで注文したというくらいだから、それなりの金額がオンライン上で動いているはずですし、何しろ国民のあらゆる個人情報を網羅するミハンですから、こんなアシの付きやすい方法でブツを受け取った人物を特定するのは、超カンタンなはず!

 と思ったら、ミハンは何もしません。結果、「男がパーカーのフードをかぶっていたので誰だかわからない」という結論をもって、謎は先延ばしにされました。テレ朝「木8」あたりの刑事だったら、この映像だけあればミハンなしでも身元を割りそうなものですが、このあたりが月9クオリティということなのでしょうか。

 で、なんだかんだあって、犯人像を2~3人くらいに手際よくミスリードしつつ、井沢警部補や同僚の小田切ちゃん(本田翼)らのトラウマをエッセンスとしながら真実に至ります。最後は前回同様、“ミハン”によって未然に犯罪の実行が防がれたために裁かれることのなかった極悪人(今回は佐野岳)が何者かによって暗殺され、次回へ。

 ミハンチームは犯罪を未然に防ぐことを目的に結成されましたが、その構成メンバーには、犯罪者に強い憎しみを抱く者だけが集められたそうです。井沢警部補は過去に妻子を惨殺された経験があり、小田切ちゃんも強姦被害者、そしてボスである東堂さん(伊藤淳史)も、25年前に起きた無差別殺傷事件に深いトラウマがありそう。未然に犯罪を防ぐためのチームに、なぜ犯罪被害者や犯罪遺族ばかりが集められたのか、そのあたりも次回以降に残された謎になっています。

■このドラマ、怖いよ

 前回のレビューでも書きましたが、このドラマはほとんどプロットだけで進行します。事件関係者は実に効率的に配置され、適切な順序とテンポで情報が開示されます。1・2話と今回の第3話では脚本家さんが変わっていますが、印象は同じです。シナリオを作る上で、方向性や手法について強力なディレクションが効いていることが伝わってきます。無駄なお肉は削ぎ落すだけ削ぎ落とされ、すごくよくできた、飽きさせない作りになっています。

 その反面、画面に登場する彼らが「誰」なのか、という描写は省略され、人物像については視聴者側が持つステレオタイプなイメージに依存することになりました。

 ヨレヨレのTシャツを着て、しつこく電話してくる引きこもり大学生。カフェ経営もしてる私学テニサーのイケメンリーダー。めっちゃいい人そうな病院のリハビリ担当。それぞれに「実は○○だった」という真相が用意されているわけですが、もともと提示された表側が極めて記号的なので、その真相が明らかになっても、「記号の裏」にしかなり得ない。記号の裏はどうあれ記号なので、人物固有の事情が浮き上がってこないのです。

 そのわりに、このドラマで扱われる感情は極めてシリアスで、重く、痛いものです。家族を殺されたとか、レイプされたとか、娘が自殺未遂したとか、昏睡状態のケガレなき美少女と心中したくてたまらないとか、そういう激しい痛みが“記号的な人物”に乗っかって“計算されたタイミング”で提示されてくる。これが、なんだか、すごく怖いんです。作り手側が、彼らの痛みに共感してる感じがしない。痛みの感情が、剥き出しのまま投げつけられている感じというか。最初からずっと言い続けてますが、よくできてるけど、楽しくないんです、『絶対零度』。

 でも、こういうスピード重視の作劇じゃないと、視聴者はついてこないのかもしれないですねー。視聴率は上がってるしね。

(文=どらまっ子AKIちゃん)

早くも視聴率1ケタのフジテレビ月9『絶対零度』よくできてるのに「楽しくない」ワケは……?

「未然犯罪捜査システム(通称“ミハン”)」なる巨大AIが弾き出す“殺人予備軍”の情報を元に、まだ犯罪を犯していない人を対象に違法捜査しまくるドラマ『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系)。16日に放送された第2話の視聴率は9.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、早くも2ケタを割ってしまいました。

 月9らしからぬハード路線の刑事モノであり、主演も月9らしからぬベテラン俳優・沢村一樹。前シリーズまで主役を張っていた上戸彩はほとんど出てきませんが、女優らしからぬ棒演技がすっかり板についてきた本田翼と、ジャニーズらしからぬ地味な顔面の横山裕が今週も華を添えます。とりあえず振り返りましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

■事件はサクサク進む

 今回、ミハンによってリストアップされたのは、藤井早紀(黒谷友香)さん。有名創作料理店「八節」の料理長として腕を振るいつつ、最近はやりになっている「子供食堂」の運営に13年も前から関わっているという43歳の善良そうな美人です。

 そんな美人な藤井さんですが、最近、西アフリカ原産の植物から抽出されるという猛毒を入手していたこと、天涯孤独なのに弁護士に遺言状の作成を依頼していることなどから、ミハンのリストに載ったようです。

「自分の命をなげうってでも、誰かを殺したい」

 誰にともなく、ミハンチームのリーダー・井沢警部補(沢村)がつぶやき、捜査が開始されます。

 料理人見習いとして「八節」に潜入した小田切(本田)が店に、山内くん(横山)ほか1名が藤井さんの自宅に不法侵入して盗撮カメラを仕込むと、どうやら藤井さんと一緒に子供食堂で働いていた女子高生・元宮七海(多田成美)が、かつて発生した連続殺人事件の被害者だったことがわかります。少年だった犯人は8年の刑期を終えて出所している。藤井さんは興信所を使って犯人・津田(笠松将)の居場所を割り出しました。どうやら津田への復讐が藤井さんの目的のようだ、とミハンチームは目星を付けます。

 その後、サクサクと事態は進展し、津田が七海ちゃん殺しの犯人ではなかったこと、藤井さんは七海ちゃんの実の母親だったこと、七海ちゃんは山菜採りの途中で害獣駆除に入った猟友会の男性・小松原忠司(中丸新将)に誤射されていたこと。小松原は当時の最高裁長官で、たまたま猟銃を使って女子高生を2人殺していた津田に罪をかぶせたことなどが明らかになっていきます。本当にサクサクです。プロットだけのダイジェストを見せられているよう。

 藤井さんは、小松原の来店時を狙って毒殺しようと思っていました。ところが、来店の予約がキャンセルされると、包丁を持って小松原の元に。政治家転身に向けて街頭演説をしている小松原を刺そうとしたところで、井沢たちによって確保されました。

 かくして、藤井さんは復讐を果たせず。藤井さんの実娘を殺した小松原は、のうのうと生き続けることになります。井沢警部補も、こればっかりは仕方ないと「お天道様は見てるよー」的な感じのことを言ってますが、次のシーンで小松原は何者かに突き飛ばされ、調整中のエレベーターの竪穴に落下して死亡。そんなころ、ミハンは井沢警部補を危険人物としてリストアップしていたのでした……。

■この“楽しくなさ”はなんなのか

 事件そのものは、目新しさこそないものの、ちゃんと作られているので安心感はあります。また、井沢警部補が“ヤベー奴っぽい”ことは前回から幾度となく示唆されていましたが、2話目で早くも「殺っちまったか?」的なシーンが出てきたのは意外でした。上戸彩演じる特殊班捜査員・桜木泉はベトナムで死んだことになってますが、たぶん死んでないしょう。1話完結の形を取りながら、伏線と謎が超たっぷり残っているので、3話目以降への引きになっています。

 これ、何が待ってるのかなーとは思うんですが、あんまり楽しみな感じがしないんですよねえ。というか、正直このドラマ、見てて全然楽しくないんです。よくできてるし、無理やり粗探しをしてもツッコミどころがあるわけじゃない。でも、楽しくない。

 2話目まで見て、ひとつ印象的な状態だなぁと感じるのが、「ザ・棒」として名高い本田翼と横山裕のお芝居が、全然ひどくなく感じるんです。キャリアを積んで上手くなってるということも万が一にはあるんでしょうけど、それよりも各人が脚本から要求されている芝居の難度が低いというか、表現するべき情報の量が少ない感じがするんです。

 それは、この2人だけじゃなくて、例えば今回のゲストである黒谷友香が、女子高生・七海ちゃんが殺されたことについて、警察に「悔やんでも悔やみきれない」と語るシーンがあります。自分が料理を教えたことで、彼女は山菜採りに山へ入り、そこで誤射された。悔やんでも、悔やみきれない……!

 実際には“面倒を見ていた子のうちの一人が殺された(最初に視聴者に提供された情報)”のではなく“実の娘が殺された(後に明らかになる事実)”わけですが、このときの黒谷のテンションが全然そんな感じに見えない。このシークエンスに(悪い意味で)違和感がないので、見ている側も、後の「実の娘でした」が単なる段取りとしてしか頭に入ってこないんです。

 最後の小松原を刺しに行くくだりもそうで、西アフリカから毒を輸入して遺言書を用意して……という周到さと、直情的に公衆の面前で刺しに行ってしまうヤバさの間には大きな隔たりがあってしかるべきなのに、そのヤバさを表現するくだりが入っていないので、「復讐は何も生まねぇ……! 止めてやってくれぃ……!」っていう気持ちになれない。

 要するに、あくまで印象ですけど、『絶対零度』にはプロットを積み重ねた箱と表面的なセリフ回しだけがあって、人物のディテールがないんです。カッチリとした段取りだけがあって、中身がない。与えられる情報に温度や熱量がない。人や物語に血が通ってる感じがしない。だから楽しくない。

 2話まで見て受けたそういう印象が、今後どう変わっていくのか、あるいはそういう印象の原因がもっとはっきり見えてくるのか、という興味でもって、来週からも見守りたいと思います。はい。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

フジテレビ月9『絶対零度』10.6%好発進も、米ドラマ“丸パクリ”の弊害が……

 さて、今期もフジテレビ系で月9ドラマが始まりました。沢村一樹主演の『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』の初回視聴率は10.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、同枠としては1年ぶりの2ケタスタートです。おめでとうございます。

「沢村一樹主演の月9」という日本語もあまりピンときませんが、明らかに前シリーズまで主役を張っていた上戸彩をブッキングし損ねたということなのでしょう。逆に最初から「上戸など要らぬ! 沢村1本で勝つる!!」とフジテレビが判断していたとするなら、なかなかのクルクルパーです。

 また、ネット上には米ドラマ『PERSON of INTEREST 犯罪予知ユニット』のパクリじゃねーかよ、という声もあるようですが、そもそも2010年に放送されたシリーズ1作目の『絶対零度~未解決事件特命捜査~』のときは「『Cold Case 迷宮事件簿』じゃねーか!」といわれてましたし、翌年のシリーズ2作目『絶対零度~特殊犯罪潜入捜査~』は「『NCIS:LA 〜極秘潜入捜査班』じゃねーか!」だったので、まあこれはそういうシリーズとして楽しみたいと思います。では、振り返りです。

 

■事件は凡庸でした

 前作で上戸彩ちゃん演じる桜木泉とバディを組んでいた山内くん(横山裕)は、なんやかんやで資料課分室という窓際部署に配属されました。しかし、この資料課分室というのは、実は世を忍ぶ仮の姿。その実態は、膨大な国民の行動データから殺人などの重犯罪を犯す可能性が高い人物を弾き出す巨大AI「未然犯罪捜査システム=ミハンシステム」の実用化を目指すプロジェクトだったのです。

 山内くんは「違法捜査じゃないか!」とご立腹ですが、公安外事課からやってきた井沢警部補(沢村)や、ドS美女・小田切(本田翼)をはじめとする面々は、「あくまで実験中だから」と聞く耳を持ちません。

 そんなある日、「ミハン」は富樫(武井壮)という男を危険人物として提示します。どうやら「ミハン」によれば、富樫が近々、人を殺すのだそうです。しかし、さっそくみんなで富樫の事務所を訪れてみると、すでに何者かによって殺害されていました。「ミハン」の予測が外れたのは初めてのことですが、まだミハンによる捜査自体4例目とかなので、驚くべきことではありません。

 どうやら井沢警部補たちミハンメンバーは、事件の解決より「ミハン」がなぜ間違えたかのほうに興味があるようで、殺された富樫と付き合いがあった悪い人が普通の社会人2人を拉致ってボコったりしてても知らんぷり。富樫の死体が山中から出て、この“普通の社会人2人”が実は容疑者っぽいということがわかっても、とにかく「ミハンの誤認」の原因を探るために泳がせます。

 結局、富樫とこの2人(須藤と前川)が金塊を密輸したり内輪モメしたりで、富樫の死は、須藤(成河)を殺そうとした折の正当防衛でした。最終的には、その須藤がカネ欲しさに前川(山本浩司)を殺そうとして御用となりました。まあ事件は動機も段取りも凡庸そのものだったので、あえて説明するまでもありません。見どころといえば、本田翼ちゃんのアクションですね。チンピラの顔面を蹴っ飛ばしたり、股間を蹴り上げたりと大活躍。私も「蹴って蹴って」と思いました。

■「ミハン」マシンに魅力がない……

 すべての国民の行動をGPSで捕捉し、防犯カメラや無線通信、電話などを傍受し、預金の出し入れまですべて把握しているらしい「ミハン」ですが、初回から間違えました。「人を殺す」と予言された富樫という男は誰も殺さず、逆に殺されてしまいます。そして、その誤りに登場人物たちが振り回されることになります。

 冒頭で『PERSON of INTEREST(PoI)』のパクリ説を紹介しましたが、この米ドラマのマシンは「殺人を犯す人物」ではなく、「重大事件に関係しそうな人物」を弾き出すものです。ここで『絶対零度』は『PoI』を下敷きにしつつ、改変を行っているわけです。

 おそらくこの改変は、設定のインパクトを求めたものでしょう。「関係しそうな人物を」よりも「殺人者を」のほうが、なんか印象が強い。しかし、設定のインパクトを強めたせいで初回から間違っちゃった「ミハン」は、すでに万能感を失っています。ただ国民の行動情報を違法に集めるだけ集めて、間違った提示を出すマシンとなってしまっているわけです。

 そもそも殺人事件で加害者と被害者が瞬時の判断や偶然によって入れ替わってしまう、殺されそうになった人が逆に相手を殺してしまうケースなどというものを、私たちは何度もドラマや映画で見ています。実際にも、往々にしてあることなのでしょう。だから、こんなこと言ったら身もフタもないんだけど、データ収集によって「重大事件に関係しそうな人物」を弾き出すシステムはあり得ても、明確に「殺す側(殺害に成功する側)」を言い当てるシステムなんてものは、あり得ないのです。

 かように、物語の中心に屹立すべき「ミハンシステム」に畏怖も魅力も感じられないので、ドラマそのものが上滑りしているように感じられます。おそらくは今後、資料室メンバーの誰か、山内くんなり井沢警部補なりが「ミハン」によって「こいつが人を殺すよ」みたいな予言をされ、「なんでオレが……?」みたいな展開も出てくると予想しますが、いずれにしろ毎回、物語の起点となるのが「ミハン」の予測だとすると、ちょっとそれに乗っかれるかどうか不安だなぁというのが初回の正直な感想でした。今後、「ミハン」が危険人物をリストアップするたびに「正解なの? 間違ってんの?」と疑う必要が出てきてしまった。

■金塊密輸の話

 あと、完全に余談なんですが、金塊の密輸のくだりで、運び屋さんたちが税関をスルーしていましたが、実際には最近、韓国経由の金塊密輸は盛んに摘発されているようで、おばちゃんたちが尻の穴から数キログラムの金塊を突っ込んで密輸しようとしては捕まっているというニュースを耳にします。

 まあだいたい捕まるんでしょうけど、仮に成功すると、おばちゃんたちは尻の穴から黄金を出すことになるわけです。SMの世界ではウンコを「黄金」と呼ぶらしいので、なんだかしみじみする今日この頃ですね。暑い日が続きます。では、また次回。
(文=どらまっ子AKIちゃん)