「あんなに売れてて、天狗にならない」編集者人気ナンバー1の超人気作家の素顔

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角田光代Twitterより

 売れっ子となった途端、傲慢になってしまったり、周囲の妬みを買い、アンチを生んでしまったりというのは、芸能界ではよくある話だが、出版業界でもそういった作家は少なくないようだ。「本は売れても作家本人の評判はよくないというのは、よくあること」(出版関係者)だというが、超売れっ子でありながら、編集者の間で評判がすこぶる良い稀有な作家も存在する。それは、数々のヒット作を世に送り出している角田光代だ。

 角田は1990年に『幸福な遊戯』(福武書店)で「海燕新人文学賞」を受賞してデビュー。その後も間を空けることなく作品を発表し続け、『対岸の彼女』(文藝春秋)での直木賞をはじめ、数々の賞を受賞。『八日目の蝉』(中央公論新社)や『紙の月』(角川春樹事務所)が映画化されるなど、常に第一線を走り続けている人気作家である。文学賞選考委員としても活躍し、今や文壇でもその地位を確立させているが、なぜかアンチが生まれないというのだ。

『紙の月』に浮かぶ、金と男に溺れる毒婦が求めた「存在する意味」の罪

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『紙の月』公式サイトより

 NHKで火曜午後10時から放送されているドラマ『紙の月』は、41歳の主婦・梅澤梨花(原田知世)の転落劇だ。物語冒頭、彼女はタイの国境にいる。同じ頃、梨花の母校・聖マティアス女子学院の同窓会では、梨花が銀行で顧客の金を1億円横領して逃亡したことが話題になっていた。うわさによると男に貢いだということだが、真相はわからない。果たして彼女はなぜ、罪を犯したのか。物語は、梨花が犯罪に手を染める経緯を時系列で見せていく一方で、彼女の友達だった岡崎木綿子(水野真紀)と中条亜紀(西田尚美)の視点から、梨花が失踪した理由を推理していく。

 銀行でパートタイムの営業職として働く梨花は、丁寧な応対でお年寄りの顧客から絶大な信頼を得ていた。日常的に100万円単位のお金に触れる生活の中で、お金に関する感覚が麻痺していったのか、無神経な夫の振る舞いに嫌気がさしたのか、それとも、大学生の男との恋が彼女の人生を狂わせたのか――。