玉袋筋太郎「そいつ、強えのか?」「肝臓は水で洗う」――名言連発の飲酒マッドマックス回!

玉袋筋太郎――“筋兄ぃ”は千鳥・大悟の兄貴分

 10月11日放送の『相席食堂』(ABCテレビ)、関西ローカルでなければ間違いなくアウトだったであろう、最高の内容だった。

寝る前に発泡酒ロングで10本やっつける――やさぐれキャラでブレイク直前・納言の“狙わない”戦略

「神田の女はすぐ金券ショップに入るなあ!」

――タバコ。ライダースジャケット。そして、東京への罵詈雑言。薄幸のやさぐれキャラが観る者の心をつかみ、数々のネタ番組で爪痕を残している納言。いかにして不思議なバランスの男女コンビが生まれたのか。「取材されるのは2回目ぐらい」と語る2人を直撃した。

――事務所の入り口に活躍しているタレントさんのパネルが貼られてますよね。さっき見たら、納言さんも飾られてました。

安部 本当ですか? 初めて聞きました。

薄 えー! 知らなかった。うれしい……。

――最近、事務所の待遇変わりました?

安部 挨拶してくれる人の数が増えましたね。

薄 あるある。急に喋りかけられますわな。ダメ出しとかアドバイスももらえるようになりました。

――最近、ネタ番組見ると、ほとんど納言さん出てますもんね。大体のバラエティ番組は制覇したんじゃないですか?

薄 それは言い過ぎだな、言い過ぎ。

安部 まだ全然です。

薄 でも『エンタの神様』(日本テレビ系)やゴールデン帯の番組は特にありがたかったですね。次は『ENGEIグランドスラム』(フジテレビ系)にも出たいな~。『ツギクル芸人グランプリ』のとき、カメラが現れて「出演決まりました」って封筒渡されたんですよ。『ENGEI』に出演がきまったときの演出と一緒で、「来た!」と思って開けたから、「なんだ、『ENGEI』じゃねーのか」みたいな(笑)。

安部 いや、嬉しかったですけどね!

――振り返ると、去年の『M-1グランプリ』の予選の最中から「納言が面白い」って聞くようになったんですよ。でも「納言」を検索してもなかなか情報がないから、どんな漫才なのか、想像をかき立てられてました。

薄 「納言」ってエゴサしづらいんですよね。下ネタばっか書いてる○○納言とかいうアカウント出てくるんで、そいつとそこにからむ人は100人ぐらいブロックしてます。私、バカみたいにエゴサするんで。

――他人の評価を気にするんですか? イメージと違いますね……。

薄 ツイッターも、5ちゃんねるのスレも全部見ますもん。褒められたいし、一般の人がお笑い語ってたりするのも面白いんで。ただ『M-1』のスレって基本酷評なんですけど。納言だったら「いつまでタバコ吸ってるんだ」「東京から出てけ」(笑)。

安部 それはそれで褒められてるでしょ。僕はライブのアンケートも見たくないタイプなんで……。いいことを書かれても悪いこと書かれても、それ見た後に飲むお酒の味は変わらないじゃないですか。僕らはこれでいいと思ってやってるから、いいんじゃない? と。

薄 『アメト――ク!』(テレビ朝日系)出たとき、安部ちゃん、童貞って紹介されたんですよ。それで納言を検索したら、下品な女が「安部は童貞」の話題で盛り上がってるわけ。テンション上がるでしょ?

安部 何が喜ばれているのかわからない。

薄 変なファンの女につかまらないか、心配ですねえ。一回やっちゃったら、とんでもない性狂いになるかもしれねーし。

安部 そもそも俺にファンがいないんで大丈夫です!

――童貞捨てたい願望はあります?

薄 その努力はしてないわな。

安部 女の子とつきあいたいから何かする、ということはないです。

薄 童貞捨てたくもないし、守りたくもないんでしょ?

安部 そうですね。流れで何かあったらいいなと。

薄 なんでワンチャンなんだよ! 一発目が流れって。

――別に童貞をネタにしたいわけでもないんですね。

安部 そうなんですよ。童貞って生きてきてそうなっただけで、別に面白くないじゃないですか。以前、『冗談手帖』(BSフジ)見てたら、鈴木おさむさんがやさしいズの佐伯さんに「童貞って言わないほうがいい。捨てたとき、相手が誰とか言わなくちゃいけなくなるから」ってアドバイスしてたんですよ。本当にその通りだなと思ってたら、『アメト――ク!』に出たとき、VTRで童貞って紹介されちゃって、あれって?

薄 「やさぐれの相方は27歳童貞」。もう隠すのムリだね!

――まだ納言さんの情報が少なくて、お互いのプロフィールから聞きたかったんです。安部さんはどうやって芸人になったんですか?

安部 最初は芸人さんに対して、「楽して稼げていいな」というくらいの印象だったんですよね。それが2008年の『M-1』で、オードリーさんが敗者復活であがってきて、「お笑いがカッコいいな」と初めて思ったんです。それでちょっとやってみたいなと思い、高校卒業後、東京アナウンス学院に2年間通いました。ほかの養成所も考えたんですけど、1年じゃどうにもならないだろうということで。その後に太田プロ、ですね。

薄 私は高校中退して、地元のサイゼリアでむちゃくちゃバイトしてたんですよ。店長より働いて、1人で店回してました。時間と金がありあまっていたんで、養成所入ろうかなーと。お笑いは好きだったので。

――誰が好きでした?

薄 憧れていたのは、海原やすよともこさん。

――お~。関東で珍しいですね!

薄 修学旅行中にホテルで漫才観て、「これすげー面白え!」ってなって。家帰ってからYouTubeでずっと見て、こうなりたいと思いましたね。それでワタナベコメディスクールに入ったら、そこの先生がヤマザキモータースさんで、頼んだら太田プロに入れてくれました。完全なコネです(笑)。

――それぞれ、お互いに別のコンビ組んで活動してたんですよね。当時の調子はどうだったんですか?

薄 どっちもすごい悪かったよな。

安部 全然でしたね。

薄 すとろんぐカラ~(安部の前のコンビ)のネタ、一個も覚えてないです。どうという印象もない。

安部 前のコンビでは、相方はしゃべくり漫才でツッコミしていたんですよ。

――そうなんですか!

薄 口の悪いツッコミやってました。

安部 一方、僕はボケだったんです。で、前のコンビを解散する前に、組もうという話を何人かとしてたら、どれもナシになっちゃって。その時、ツッコミが面白かったなと思って、声かけました。

薄 えー!? 何人目の女だったのよ、私? 気になる!

安部 女としては一人目です。あと前のコンビが普通の男コンビだったので、ヘンな人と組まないと売れないなと。

薄 でも組むのをOKする前から、私との架空のネタを作ってきて……。LINEで5ネタぐらい送られてきたんですよ。「これは組まなきゃ殺される」という恐怖を感じて、とりあえず組みました。

――ネタに惹かれたとか。

薄 いや、書いたネタは見てもいないです!

――納言を組んで最初にやったネタ覚えてます?

安部 「私、ラップやってみたいんだよ」みたいなやつですね……。

薄 でも全然できないみたいな。“すごい面白くない三四郎”さんみたいな感じでした。

――今つかみでやっている、タバコ吸ってやさぐれたこと言うスタイルは、いつできたんですか。

安部 組んで半年ぐらいでできましたね。

薄 だから最初に受けた『M-1』予選では、今と同じようなネタをやってたんですよ。そうしたらバカウケして。

安部 確かに「こんなにウケるの?」ってぐらいウケました。

薄 1回戦はテレビ局をディスってたのかな。で、2回戦から街をディスって。でもそこで落ちちゃったな?

安部 設定が「相方が風俗のスカウトにめっちゃ声をかけられる」だったんですよ。去年の『M-1』では、それをキャバクラのスカウトに変えて、準々決勝までいきました。

――ネタはほぼ同じなのに、1年で何か変化があったんですかね。

安部 風俗のネタが1発目にできたやつだったんですよ。同じスタイルのを作っていって、だんだんやり方がわかってきた……というのはあるかもしれないです。

薄 (ニヤついて)何か言ってますね!

安部 いや、だってそういうことを聞きたいんでしょ。

薄 頭よさそうなこと言うから! ネタ合わせでも何言ってるのか本当わからなくて。

――注文細かいんですか?

安部 そんなことはないですね。

薄 いや、細かい。頭で考えてんだよ。私は細かいことは考えないです。これ言ったら面白い、ぐらいで。

――その『M-1』、今年はどうですか。これだけ露出あると、ネタバレ怖くありません?

安部 ひとつだけテレビでやってないやつがあって……。

――隠してる?

安部 隠してます。

薄 隠してるのお? やっちゃおうよ!

安部 いやいやいや……。

薄 テレビでやったやつ、勝手にやればいいじゃない。

安部 どういうこと? 「勝手に」って。

――それにしても東京をディスるくだりは、ネタ番組を見てると、芸人ウケがすごいですよね。みんな大声出して笑っていて。

薄 ありがてーっす。

――ストックはあるんですか?

薄 結構作ってるんですけど、偏っちゃいますね。実際に住んでる高円寺についてはいっぱい知ってるんで。あと池袋は20ぐらいあるし。ほかの土地はねえ……。たとえば阿佐ヶ谷歩いてたら、本当に膝小僧汚い女が前から歩いてきたので、「どっかで言ったろう」となるんですけど。

――ああ、面白いフレーズ考えて、むりやり地名をハメてるわけじゃないんですね。安部さんが作ってるわけでもない?

安部 あそこは関与してないです。

薄 あれは安部ちゃんにはできないです。一回「なんか作って」って頼んだら、「自由が丘はいい街だなー」だって(笑)。

安部 いいじゃないですか! いつも悪く言ってるから、いいこと言おうと思って。

薄 お笑いなめんじゃねーぞ!

――「売れてきたな~」と思うことあります?

薄 ちょっと前、2人で酒飲んでたんすよ。「てけてけ」(関東中心の居酒屋チェーン)で。

安部 事務所にギャラ取りに来て、そのあとライブだったんです。4~5時間ぐらい空いてたから、「どうします?」「じゃあ飲むか」で。

薄 飲んでたら男がトコトコ寄って来て、「納言さんですよね? おごらせてください」……遠慮なく飲みました。

――コンビでサシで飲むんですか?

薄 めったにないですけどね。

――というか、ライブ前に飲んでていいんですか?

薄 大丈夫。逆にノドの調子がよいよい。最近、漫才中に痰が絡んじゃって全然声が出ないんですよ。でもビール飲むと痰が流れますから。いいことしかない!

――幸さんは結構飲みそうですね。

薄 はい。家だと、10本やっつけてからじゃないと寝れないんで。

――10本? 缶ビールを?

薄 ロング缶を。ビールじゃなくて発泡酒ですけどね。飲み放題行ったらキリがない。たまにチェイサー感覚でレモンサワー飲んでます。

――そんなに飲んで、仕事とばしません?

薄 これがないんですよ。めちゃくちゃ朝強いし、二日酔いもたまにあるぐらいなんで。記憶は全然飛ぶし、痣は毎晩できますけどね。後輩が言うには、「電柱に勝てるんだー!」とキックしていたらしくて、それで足首骨折とかはあります。

安部 でも仕事の集合時間にはちゃんと来るんで。まあ大丈夫かなと。

――ちゃんとしてるのか、してないのか、よく分からないですね。

薄 一回ぐらい仕事飛ばさないかぎり、この酒をやめることはないでしょうね!

――最後に、今後の目標を聞かせてください。

安部 ラジオやりたいです。オードリーさんに憧れてラジオ聞いてたのもありますし、深夜にぬるっと喋る感じがいいなと思うんで。あとは、楽しかったらいいです。

薄 私もそんな感じでお願いします! あっ、『M-1』の敗者復活戦には出たいです。

――あえて敗者復活を? そこから勝ち抜きたいんですか。

薄 そういうのはいいです。さみーとこでやりたいんですよ。寒い中、ライダース着てれば、一番優位に立てますから!

撮影/石田寛

納言(なごん)
薄幸(すすき・みゆき/ボケ)と安部紀克(あべ・よしかつ/ツッコミ)による太田プロ所属のお笑いコンビ。それぞれ別のコンビでの活動を経て、2017年に結成。「M-1グランプリ2018」では準々決勝まで駒を進めお笑いファンの間で話題となり、今年に入ってから『ネタパレ』(フジテレビ系)『有田ジェネレーション』(TBS系)など有力な番組に次々と出演し、注目を集める。2019の予選でも1回戦を全会場TOP2で通過するなど、その存在感を発揮している。なお、薄幸の芸名は、ビートたけしの命名によるもの。

 

寝る前に発泡酒ロングで10本やっつける――やさぐれキャラでブレイク直前・納言の“狙わない”戦略

「神田の女はすぐ金券ショップに入るなあ!」

――タバコ。ライダースジャケット。そして、東京への罵詈雑言。薄幸のやさぐれキャラが観る者の心をつかみ、数々のネタ番組で爪痕を残している納言。いかにして不思議なバランスの男女コンビが生まれたのか。「取材されるのは2回目ぐらい」と語る2人を直撃した。

――事務所の入り口に活躍しているタレントさんのパネルが貼られてますよね。さっき見たら、納言さんも飾られてました。

安部 本当ですか? 初めて聞きました。

薄 えー! 知らなかった。うれしい……。

――最近、事務所の待遇変わりました?

安部 挨拶してくれる人の数が増えましたね。

薄 あるある。急に喋りかけられますわな。ダメ出しとかアドバイスももらえるようになりました。

――最近、ネタ番組見ると、ほとんど納言さん出てますもんね。大体のバラエティ番組は制覇したんじゃないですか?

薄 それは言い過ぎだな、言い過ぎ。

安部 まだ全然です。

薄 でも『エンタの神様』(日本テレビ系)やゴールデン帯の番組は特にありがたかったですね。次は『ENGEIグランドスラム』(フジテレビ系)にも出たいな~。『ツギクル芸人グランプリ』のとき、カメラが現れて「出演決まりました」って封筒渡されたんですよ。『ENGEI』に出演がきまったときの演出と一緒で、「来た!」と思って開けたから、「なんだ、『ENGEI』じゃねーのか」みたいな(笑)。

安部 いや、嬉しかったですけどね!

――振り返ると、去年の『M-1グランプリ』の予選の最中から「納言が面白い」って聞くようになったんですよ。でも「納言」を検索してもなかなか情報がないから、どんな漫才なのか、想像をかき立てられてました。

薄 「納言」ってエゴサしづらいんですよね。下ネタばっか書いてる○○納言とかいうアカウント出てくるんで、そいつとそこにからむ人は100人ぐらいブロックしてます。私、バカみたいにエゴサするんで。

――他人の評価を気にするんですか? イメージと違いますね……。

薄 ツイッターも、5ちゃんねるのスレも全部見ますもん。褒められたいし、一般の人がお笑い語ってたりするのも面白いんで。ただ『M-1』のスレって基本酷評なんですけど。納言だったら「いつまでタバコ吸ってるんだ」「東京から出てけ」(笑)。

安部 それはそれで褒められてるでしょ。僕はライブのアンケートも見たくないタイプなんで……。いいことを書かれても悪いこと書かれても、それ見た後に飲むお酒の味は変わらないじゃないですか。僕らはこれでいいと思ってやってるから、いいんじゃない? と。

薄 『アメト――ク!』(テレビ朝日系)出たとき、安部ちゃん、童貞って紹介されたんですよ。それで納言を検索したら、下品な女が「安部は童貞」の話題で盛り上がってるわけ。テンション上がるでしょ?

安部 何が喜ばれているのかわからない。

薄 変なファンの女につかまらないか、心配ですねえ。一回やっちゃったら、とんでもない性狂いになるかもしれねーし。

安部 そもそも俺にファンがいないんで大丈夫です!

――童貞捨てたい願望はあります?

薄 その努力はしてないわな。

安部 女の子とつきあいたいから何かする、ということはないです。

薄 童貞捨てたくもないし、守りたくもないんでしょ?

安部 そうですね。流れで何かあったらいいなと。

薄 なんでワンチャンなんだよ! 一発目が流れって。

――別に童貞をネタにしたいわけでもないんですね。

安部 そうなんですよ。童貞って生きてきてそうなっただけで、別に面白くないじゃないですか。以前、『冗談手帖』(BSフジ)見てたら、鈴木おさむさんがやさしいズの佐伯さんに「童貞って言わないほうがいい。捨てたとき、相手が誰とか言わなくちゃいけなくなるから」ってアドバイスしてたんですよ。本当にその通りだなと思ってたら、『アメト――ク!』に出たとき、VTRで童貞って紹介されちゃって、あれって?

薄 「やさぐれの相方は27歳童貞」。もう隠すのムリだね!

――まだ納言さんの情報が少なくて、お互いのプロフィールから聞きたかったんです。安部さんはどうやって芸人になったんですか?

安部 最初は芸人さんに対して、「楽して稼げていいな」というくらいの印象だったんですよね。それが2008年の『M-1』で、オードリーさんが敗者復活であがってきて、「お笑いがカッコいいな」と初めて思ったんです。それでちょっとやってみたいなと思い、高校卒業後、東京アナウンス学院に2年間通いました。ほかの養成所も考えたんですけど、1年じゃどうにもならないだろうということで。その後に太田プロ、ですね。

薄 私は高校中退して、地元のサイゼリアでむちゃくちゃバイトしてたんですよ。店長より働いて、1人で店回してました。時間と金がありあまっていたんで、養成所入ろうかなーと。お笑いは好きだったので。

――誰が好きでした?

薄 憧れていたのは、海原やすよともこさん。

――お~。関東で珍しいですね!

薄 修学旅行中にホテルで漫才観て、「これすげー面白え!」ってなって。家帰ってからYouTubeでずっと見て、こうなりたいと思いましたね。それでワタナベコメディスクールに入ったら、そこの先生がヤマザキモータースさんで、頼んだら太田プロに入れてくれました。完全なコネです(笑)。

――それぞれ、お互いに別のコンビ組んで活動してたんですよね。当時の調子はどうだったんですか?

薄 どっちもすごい悪かったよな。

安部 全然でしたね。

薄 すとろんぐカラ~(安部の前のコンビ)のネタ、一個も覚えてないです。どうという印象もない。

安部 前のコンビでは、相方はしゃべくり漫才でツッコミしていたんですよ。

――そうなんですか!

薄 口の悪いツッコミやってました。

安部 一方、僕はボケだったんです。で、前のコンビを解散する前に、組もうという話を何人かとしてたら、どれもナシになっちゃって。その時、ツッコミが面白かったなと思って、声かけました。

薄 えー!? 何人目の女だったのよ、私? 気になる!

安部 女としては一人目です。あと前のコンビが普通の男コンビだったので、ヘンな人と組まないと売れないなと。

薄 でも組むのをOKする前から、私との架空のネタを作ってきて……。LINEで5ネタぐらい送られてきたんですよ。「これは組まなきゃ殺される」という恐怖を感じて、とりあえず組みました。

――ネタに惹かれたとか。

薄 いや、書いたネタは見てもいないです!

――納言を組んで最初にやったネタ覚えてます?

安部 「私、ラップやってみたいんだよ」みたいなやつですね……。

薄 でも全然できないみたいな。“すごい面白くない三四郎”さんみたいな感じでした。

――今つかみでやっている、タバコ吸ってやさぐれたこと言うスタイルは、いつできたんですか。

安部 組んで半年ぐらいでできましたね。

薄 だから最初に受けた『M-1』予選では、今と同じようなネタをやってたんですよ。そうしたらバカウケして。

安部 確かに「こんなにウケるの?」ってぐらいウケました。

薄 1回戦はテレビ局をディスってたのかな。で、2回戦から街をディスって。でもそこで落ちちゃったな?

安部 設定が「相方が風俗のスカウトにめっちゃ声をかけられる」だったんですよ。去年の『M-1』では、それをキャバクラのスカウトに変えて、準々決勝までいきました。

――ネタはほぼ同じなのに、1年で何か変化があったんですかね。

安部 風俗のネタが1発目にできたやつだったんですよ。同じスタイルのを作っていって、だんだんやり方がわかってきた……というのはあるかもしれないです。

薄 (ニヤついて)何か言ってますね!

安部 いや、だってそういうことを聞きたいんでしょ。

薄 頭よさそうなこと言うから! ネタ合わせでも何言ってるのか本当わからなくて。

――注文細かいんですか?

安部 そんなことはないですね。

薄 いや、細かい。頭で考えてんだよ。私は細かいことは考えないです。これ言ったら面白い、ぐらいで。

――その『M-1』、今年はどうですか。これだけ露出あると、ネタバレ怖くありません?

安部 ひとつだけテレビでやってないやつがあって……。

――隠してる?

安部 隠してます。

薄 隠してるのお? やっちゃおうよ!

安部 いやいやいや……。

薄 テレビでやったやつ、勝手にやればいいじゃない。

安部 どういうこと? 「勝手に」って。

――それにしても東京をディスるくだりは、ネタ番組を見てると、芸人ウケがすごいですよね。みんな大声出して笑っていて。

薄 ありがてーっす。

――ストックはあるんですか?

薄 結構作ってるんですけど、偏っちゃいますね。実際に住んでる高円寺についてはいっぱい知ってるんで。あと池袋は20ぐらいあるし。ほかの土地はねえ……。たとえば阿佐ヶ谷歩いてたら、本当に膝小僧汚い女が前から歩いてきたので、「どっかで言ったろう」となるんですけど。

――ああ、面白いフレーズ考えて、むりやり地名をハメてるわけじゃないんですね。安部さんが作ってるわけでもない?

安部 あそこは関与してないです。

薄 あれは安部ちゃんにはできないです。一回「なんか作って」って頼んだら、「自由が丘はいい街だなー」だって(笑)。

安部 いいじゃないですか! いつも悪く言ってるから、いいこと言おうと思って。

薄 お笑いなめんじゃねーぞ!

――「売れてきたな~」と思うことあります?

薄 ちょっと前、2人で酒飲んでたんすよ。「てけてけ」(関東中心の居酒屋チェーン)で。

安部 事務所にギャラ取りに来て、そのあとライブだったんです。4~5時間ぐらい空いてたから、「どうします?」「じゃあ飲むか」で。

薄 飲んでたら男がトコトコ寄って来て、「納言さんですよね? おごらせてください」……遠慮なく飲みました。

――コンビでサシで飲むんですか?

薄 めったにないですけどね。

――というか、ライブ前に飲んでていいんですか?

薄 大丈夫。逆にノドの調子がよいよい。最近、漫才中に痰が絡んじゃって全然声が出ないんですよ。でもビール飲むと痰が流れますから。いいことしかない!

――幸さんは結構飲みそうですね。

薄 はい。家だと、10本やっつけてからじゃないと寝れないんで。

――10本? 缶ビールを?

薄 ロング缶を。ビールじゃなくて発泡酒ですけどね。飲み放題行ったらキリがない。たまにチェイサー感覚でレモンサワー飲んでます。

――そんなに飲んで、仕事とばしません?

薄 これがないんですよ。めちゃくちゃ朝強いし、二日酔いもたまにあるぐらいなんで。記憶は全然飛ぶし、痣は毎晩できますけどね。後輩が言うには、「電柱に勝てるんだー!」とキックしていたらしくて、それで足首骨折とかはあります。

安部 でも仕事の集合時間にはちゃんと来るんで。まあ大丈夫かなと。

――ちゃんとしてるのか、してないのか、よく分からないですね。

薄 一回ぐらい仕事飛ばさないかぎり、この酒をやめることはないでしょうね!

――最後に、今後の目標を聞かせてください。

安部 ラジオやりたいです。オードリーさんに憧れてラジオ聞いてたのもありますし、深夜にぬるっと喋る感じがいいなと思うんで。あとは、楽しかったらいいです。

薄 私もそんな感じでお願いします! あっ、『M-1』の敗者復活戦には出たいです。

――あえて敗者復活を? そこから勝ち抜きたいんですか。

薄 そういうのはいいです。さみーとこでやりたいんですよ。寒い中、ライダース着てれば、一番優位に立てますから!

撮影/石田寛

納言(なごん)
薄幸(すすき・みゆき/ボケ)と安部紀克(あべ・よしかつ/ツッコミ)による太田プロ所属のお笑いコンビ。それぞれ別のコンビでの活動を経て、2017年に結成。「M-1グランプリ2018」では準々決勝まで駒を進めお笑いファンの間で話題となり、今年に入ってから『ネタパレ』(フジテレビ系)『有田ジェネレーション』(TBS系)など有力な番組に次々と出演し、注目を集める。2019の予選でも1回戦を全会場TOP2で通過するなど、その存在感を発揮している。なお、薄幸の芸名は、ビートたけしの命名によるもの。