ひっそり開通している築地~豊海新ルート、歩いてる人がやたらと多い謎

 なんだかんだあったけど、ひとまずは定着しつつある豊洲市場。それに伴って、交通ルートも変わりつつある。

 豊洲市場の開場で大きく変化したと感じるのは、都営バス。これまで、新橋駅~築地市場を走っていたバスの路線は変更され、豊洲市場まで直通するようになった。このバス、市場を利用する人のために早朝から運行されているもの。だが、途中の晴海や勝どき住民にとっては、一種の改悪。これまで、同地の都営バス新橋駅行きは、銀座経由だったのだが、それがなくなってしまったのだ。

 おかげで「いつものように乗ったら……」と、不満げな顔をする人は絶えない。

 そんな交通網の変化だが、今後、晴海にできるオリンピック選手村。さらに、湾岸の再開発に合わせて整備が進みそうだ。

 その中でも目玉になっているのが環状二号線の建設である。既に豊洲市場移転を見越して架橋は完了していた、築地と豊海の間にかかる「築地大橋」。移転が延期になったことで長らく放置されていたこの橋も、築地市場が移転したことで、ようやく開通している。

 とはいえ、現在は暫定開通。なにしろ築地市場の解体は、まだ始まったばかりのため、道路と接続する部分をようやく切り拓いたといった状況。写真の通り、車道も歩道部分も、よく見なければとても橋へと至るルートになっているとはわからない。特に、歩道のほうは浜離宮方面に迂回路があるだけで、探すのも一苦労だ。

 ただ、そんな橋の利用者は多い。というのも、豊海方面への最短ルートとなっているからだ。これまで、豊海方面へは、勝どき橋を通らなければ到達することができなかった。この橋の完成で、かなりショートカットできるようになったというわけだ。

 その開通によって、変化しているのは不動産の広告。マンションも増えた豊海方面だが、
交通の便ゆえに、イマイチ感があった。だが、そんな豊海のマンションは「勝どき」と称して、強気の値段で販売されるようになっている。

 今後、この新ルートにはバスの開通、あるいは路面電車が建設される計画もある。東京オリンピック後の湾岸の開発が進めば、新たな幹線になることも予測されている。そんな築地大橋には、かつての舛添要一東京都知事による揮毫(きごう)が。いろいろあったけど、橋に名前を残せてよかった……?
(文=昼間たかし) 

“完全に終わった街”築地場外に人がいなくなった……「そもそもスーパーの方が安いし美味い」

 長いドタバタの末に開場した豊洲市場。交通の便は決してよくはないものの、新しくなった市場見学にグルメにと、大勢の人が詰めかけるようになっている。それに比例するように、築地は、どんどん“完全に終わった街”になろうとしている。

 10月、築地の晴海通り沿いで長らく営業していたラーメン店「ふくちゃん」が閉店した。

 ここは、明太子のかねふくの資本だとかで、確かに食べ放題の明太子も置いてある名店だった。閉店を決めた理由は、市場の移転だ。ここは、周辺のサラリーマンのランチだけでなく、市場関係者が日の高いうちから飲んでいる店だった。

 お客の大半がもう二度とは来られなくなってしまった以上、閉店の決断は仕方なかったのだろう。

 築地市場が移転する一方で、場外市場は残った。その場外市場も、もう以前のような賑わいはない。それも当然。いわば、観光名所がなくなって、そのかつての名所への道すがらにある商店街だけが残っているようなものなのだ。

 足を運んだことのある人ならわかるだろうが、築地の場外市場は完全な観光地である。決して安くもない。お値打ち感のある魚やら何やらを売っている店が軒を連ねているわけではない。

 目立つのは、海鮮丼とか観光客ウケしそうな食べ物を売っている店だ。とりわけ海鮮丼系は値段も高額。それも、今までは許されていた。すぐそこに築地市場があるのだから、おそらくは新鮮で質のよいものなのだろうと、食べる人は考えていたから。

 実態は、築地で働く人から「周辺の地域にある、魚をさばいているスーパーで買ったほうが、安いし美味い」と言われていた。それでも、傍に築地市場があるということは、大きな付加価値となっていた。

 しかし、もう残されたのは「日常の台所」とするには高すぎる値札の店ばかり。そして、目立つ名所も見当たらない。

 この後、築地市場跡地がどんな施設になろうとも、先行きには不安しかなさそうだ。
(文=是枝了以)

“完全に終わった街”築地場外に人がいなくなった……「そもそもスーパーの方が安いし美味い」

 長いドタバタの末に開場した豊洲市場。交通の便は決してよくはないものの、新しくなった市場見学にグルメにと、大勢の人が詰めかけるようになっている。それに比例するように、築地は、どんどん“完全に終わった街”になろうとしている。

 10月、築地の晴海通り沿いで長らく営業していたラーメン店「ふくちゃん」が閉店した。

 ここは、明太子のかねふくの資本だとかで、確かに食べ放題の明太子も置いてある名店だった。閉店を決めた理由は、市場の移転だ。ここは、周辺のサラリーマンのランチだけでなく、市場関係者が日の高いうちから飲んでいる店だった。

 お客の大半がもう二度とは来られなくなってしまった以上、閉店の決断は仕方なかったのだろう。

 築地市場が移転する一方で、場外市場は残った。その場外市場も、もう以前のような賑わいはない。それも当然。いわば、観光名所がなくなって、そのかつての名所への道すがらにある商店街だけが残っているようなものなのだ。

 足を運んだことのある人ならわかるだろうが、築地の場外市場は完全な観光地である。決して安くもない。お値打ち感のある魚やら何やらを売っている店が軒を連ねているわけではない。

 目立つのは、海鮮丼とか観光客ウケしそうな食べ物を売っている店だ。とりわけ海鮮丼系は値段も高額。それも、今までは許されていた。すぐそこに築地市場があるのだから、おそらくは新鮮で質のよいものなのだろうと、食べる人は考えていたから。

 実態は、築地で働く人から「周辺の地域にある、魚をさばいているスーパーで買ったほうが、安いし美味い」と言われていた。それでも、傍に築地市場があるということは、大きな付加価値となっていた。

 しかし、もう残されたのは「日常の台所」とするには高すぎる値札の店ばかり。そして、目立つ名所も見当たらない。

 この後、築地市場跡地がどんな施設になろうとも、先行きには不安しかなさそうだ。
(文=是枝了以)

さらば築地市場──新旧巨大市場の全貌を紹介した『市場をゆく』

 10月11日、豊洲市場が開場した。築地から豊洲への移転が決定してから17年。石原慎太郎氏→猪瀬直樹氏→舛添要一氏→小池百合子氏と4都知事の交代を経て、二転三転した市場移転だが、紛糾した土壌汚染問題に加え、腐敗臭が漂っている、地下水位が上がりやすい、通路や店舗スペースが築地に比べて狭いなど、いまださまざまな問題を抱えている。10月15日には、ターレ(荷役用運搬車、ターレット)の荷台に乗った70代女性が事故により負傷するというニュースも報じられた。

 いくつかの不安材料を抱えた新市場だが、その実態はどのようなものなのだろう。『市場をゆく』(イカロス出版)は、そんな知られざる市場の機能を解説したMOOK本だ。閉場した築地市場、新たに開かれた豊洲市場、戦後間もない頃の闇市や、金魚や馬の専門市場など、市場のすべてを全5章にわたって仔細に紹介している。市場用語集や“せり”のハンドサインなど、マニアックな情報も掲載され、楽しい一冊となっている。

 件の豊洲市場は、青果棟、水産仲卸売場棟、水産卸売場棟の3つの棟を中心に構成され、市場全体の広さは約40万平方メートルと、築地市場の約1.7倍。主な特長として「建物全体を閉鎖型にし、商品の適温管理(コールドチェーン)を可能にした」「従来の市場とは違い、仕入れと出荷の流れを一方向に整理し、物流をスムーズにした」「卸売場棟と仲卸売場棟の間に巨大な連絡通路が通り、運搬車に乗ったまま移動できる」「見学デッキを設け、観光客の安全な見学を実現」など、新しい技術が導入されている。また、都心と結ぶ幹線道路「環状2号」が11月4日に暫定開通し、銀座の隣であった築地市場に比べ、渋滞も大幅に改善されている。

 東京五輪後の2023年には、食を中心とした観光施設「千客万来施設」も開業される予定で、豊洲市場のさらなる発展が見込まれている。諸問題がうやむやにされないことを祈りつつ、新市場の今後を見守っていきたい。
(文=平野遼)

さらば築地市場──新旧巨大市場の全貌を紹介した『市場をゆく』

 10月11日、豊洲市場が開場した。築地から豊洲への移転が決定してから17年。石原慎太郎氏→猪瀬直樹氏→舛添要一氏→小池百合子氏と4都知事の交代を経て、二転三転した市場移転だが、紛糾した土壌汚染問題に加え、腐敗臭が漂っている、地下水位が上がりやすい、通路や店舗スペースが築地に比べて狭いなど、いまださまざまな問題を抱えている。10月15日には、ターレ(荷役用運搬車、ターレット)の荷台に乗った70代女性が事故により負傷するというニュースも報じられた。

 いくつかの不安材料を抱えた新市場だが、その実態はどのようなものなのだろう。『市場をゆく』(イカロス出版)は、そんな知られざる市場の機能を解説したMOOK本だ。閉場した築地市場、新たに開かれた豊洲市場、戦後間もない頃の闇市や、金魚や馬の専門市場など、市場のすべてを全5章にわたって仔細に紹介している。市場用語集や“せり”のハンドサインなど、マニアックな情報も掲載され、楽しい一冊となっている。

 件の豊洲市場は、青果棟、水産仲卸売場棟、水産卸売場棟の3つの棟を中心に構成され、市場全体の広さは約40万平方メートルと、築地市場の約1.7倍。主な特長として「建物全体を閉鎖型にし、商品の適温管理(コールドチェーン)を可能にした」「従来の市場とは違い、仕入れと出荷の流れを一方向に整理し、物流をスムーズにした」「卸売場棟と仲卸売場棟の間に巨大な連絡通路が通り、運搬車に乗ったまま移動できる」「見学デッキを設け、観光客の安全な見学を実現」など、新しい技術が導入されている。また、都心と結ぶ幹線道路「環状2号」が11月4日に暫定開通し、銀座の隣であった築地市場に比べ、渋滞も大幅に改善されている。

 東京五輪後の2023年には、食を中心とした観光施設「千客万来施設」も開業される予定で、豊洲市場のさらなる発展が見込まれている。諸問題がうやむやにされないことを祈りつつ、新市場の今後を見守っていきたい。
(文=平野遼)