「おいしいごはんが食べたい、でも自炊するのはめんどくさい!」そんなズボラ女子の救世主といえば、コンビニ・ファミレス・ファストフード! 毎日の食事をおいしく楽チンにするため、“お酒とおつまみ大好き”管理栄養士・川村郁子先生に、さまざまなテーマに合わせた「おすすめメニュー」を聞いちゃいます。
なか卯・富士そば・ゆで太郎、“朝そば”メニューランキング!
チェーン店のモーニングや朝食メニューの需要が高まっている今、「朝そば」に注目が集まっています。手軽さはもちろん、朝からさっぱりと食べられて、腹持ちするといった利点も。そこで今回は、朝そばメニューを展開している大手チェーン「なか卯」「富士そば」「ゆで太郎」のメニューを栄養面から比較し、管理栄養士の川村先生にランキングをつけてもらいました。
――まずは、そばの主な栄養素を教えてください。
川村郁子先生(以下、川村) 主な栄養素は炭水化物ですが、ほかに食物繊維、カリウム、鉄、亜鉛、マンガンなどのミネラル、ビタミンB1、B2、B6などのビタミン類が摂れます。さらに、ポリフェノールの一種であるルチンを含んでおり、美容や健康を意識される方にもおすすめの食材です。
――ズバリ、「朝食にそば」という選択はアリですか? ナシですか?
川村 私は「アリ」だと思います! 朝食をそばにするといい理由は、不足しがちな食物繊維を補えるという点。トッピングにもよりますが、脂質が控えめなメニューを選びやすいというのも、おすすめできるポイントです。また、今のような寒い季節には、朝から温かいそばを食べれば、自然と体もポカポカするでしょう。あとは、チェーン店のリーズナブルな価格も魅力ですね!
――では、3店舗の「朝そば」メニューを解説してください。まずは「なか卯」から。
川村 なか卯はそば専門店ではないからか、天かすとネギにかまぼこという、シンプルな「朝そば」ですね。290円(税込、以下同)とリーズナブルで、お財布にも優しい。しかし欲をいえば、もう少し卵や油揚げのような、タンパク質源になるもの、わかめなどの食物繊維を含む食材がトッピングされているとよかったかな、と思います。
そういった意味では、「朝肉そば」(350円)が一番よさそう。カロリーも485kcalと500kcal以内に収まっていてちょうどいいですし、お肉でタンパク質も摂れます。
「朝そば温たまセット」「朝そば竜田あげセット」(どちらも390円)は、そばにごはんがついてくるので、ちょっと炭水化物の量が多いですね。そばは単品でも炭水化物がしっかり補えますので、特に運動量が多い方でなければ、ごはんはつけなくてもいいでしょう。逆に、体を動かすお仕事や外回りが多い日は、これくらい食べても消費してしまうので問題ないと思います。
――続いて「富士そば」はどうでしょうか?
川村 富士そばの場合、揚げ玉がのった「たぬき」と、油揚げがのった「きつね」が選べます。両者を比べると、やはり大豆製品である油揚げのほうが、栄養素的にはいいですね。なお、油揚げにはカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラル類が含まれています。ただし、甘辛く煮てあるぶん、「たぬき」よりも少し塩分が多くなってしまうので、気にしている方は要注意。
また、「朝そば」メニュー全てに“温泉玉子”がのっているのもポイントです。そばは単体だとタンパク質源がないため、卵をプラスすることで、バランスが整いやすくなります。わかめやネギがトッピングされている点も、コスパもよくて高評価です。
特におすすめしたいのは、「きつね温泉玉子そば」(340円)。温・冷どちらでも、基本的には気候や体調でお好みのものを選んで大丈夫ですが、温かいほうが満腹感を得やすいので、私は“温そば”をおすすめします。しかし、塩分が気になるので、おつゆは残したほうがいいでしょう。
――最後に「ゆで太郎」の評価をお願いします。
川村 ゆで太郎は、ボリュームたっぷりのメニューが多いですね。「焼鯖ごはん」セット(380円)など、魚とそばのセットは珍しいので魅力的ですが、やはり炭水化物が多くて気になります。「納豆」セット(380円)も、納豆ごはん+そばという組み合わせなので、同様に炭水化物の量が増えそう。しかし、カロリーは649kcal(温)とそこまで高くないようなので、納豆ごはんだけでは物足りないという方には、いいセットかもしれません。
一方、「カレー」セット(380円)は805kcal(温)なので、朝食にしてはちょっと食べすぎですね。とはいえ、380円でカレーもそばも食べられるのはうれしい! 心惹かれてしまうのもわかりますが、その日の運動量などを考えて、うまく調整してほしいです。
――それでは、3店舗の「朝そば」メニューにランキングをつけてください!
川村 全体的なバランスという意味では、富士そばが第1位です。卵、ネギ、わかめが基本セットになっており、1品でしっかりと栄養素を摂取できるのが魅力ですね。第2位は、同率でなか卯とゆで太郎。どちらもコスパは最高だと思うのですが、栄養バランスで考えると、富士そばよりは劣る印象です。もう少し、野菜か海藻がプラスされていれば、評価が上がりそうですね。とはいえ、朝からこの値段でこのボリュームの朝食が食べられるのは、すごい企業努力だと思います。
そば自体、食物繊維やミネラル、ビタミンなどを補える優秀な食材。食べすぎた翌日はそばだけであっさり済ませることもできますし、運動量が多い日の朝は、トッピングやごはんをつけて“ガッツリ朝そば”もアリだでしょう。忙しい朝に手軽に食べられて、しかもリーズナブルな「朝そば」を、ぜひ有効活用してみてくださいね。
(文:佐藤真琴)
■川村郁子(かわむら・いくこ)
管理栄養士。中村学園大学栄養科学部栄養科学科卒業。九州の病院栄養士経験を経て独立。レストランのヘルシーメニュー監修、栄養専門学校講師、企業・大学での食育講演を行いながら、「コンビニや外食との上手な付き合い方」「15分で作れるかんたん栄養めし」の提案をしている。
インスタグラム:@shokuikuko/WEBサイト:「酒好きの食育」