羽生結弦の強さは文字にも表れていた! 冷静沈着な情熱家の素顔を、プロ筆跡鑑定人が解説

 平昌オリンピック男子フィギュアで、66年ぶりとなる2大会連続での金メダル獲得という“異次元の強さ”を見せた羽生結弦選手。氷上での鬼気迫るような集中力と、一方で、リンクを降りた後のふにゃっとした笑顔や女子力が半端なく高いしぐさのギャップも魅力だ。そんな羽生選手は一体どんな文字を書くのか? 文字から、その強さや愛される秘密が読み取れるのか? 筆跡鑑定人で、筆跡心理学に基づいた書籍『自分のイヤなところは直る! 〜名前を書くだけ〜』(東邦出版)の著者、牧野秀美氏に解説してもらった。

■冷静さと情熱を兼ね備える~努力が苦じゃない人の文字の特徴とは?~

――羽生さんの字は、素人目にはおっとり、繊細、穏やかな印象を受けます。

牧野秀美氏(以下、牧野) 文字から羽生さんを表すとしたら、「冷静沈着な情熱家」でしょうか。「情熱」的な部分も秘められていますよ。

 まず「冷静沈着」ですが、文字は四角く大きさがそろい、接筆(四角い文字の左上の角)が閉じており、感情に左右されない、努力できるコツコツ型であることがわかります。さらに「表」の字など横線の間隔がそろっており、気分や感情に振り回されず、理性でコントロールできる気質であることも見て取れます。

――きちょうめんさが伝わってきますね。

牧野 なお、羽生さんのように大きさのそろった正確な文字を「マス目文字型」といいます。通常、マス目文字の人は、大きさにあまり変化をつけないことが多いのですが、羽生さんの場合は、マス目でありながら、文字の大きさに大小をつけています。

――確かに「羽」の字が大きく、「生」の字は小さいです。

牧野 文字の大きさに変化をつけるタイプは、変化を好む波瀾万丈型で、変化を乗り越え、乗りこなすことに生きがいや充実を感じるタイプです。

 また、今回の文字より以前、2013年頃に書かれた羽生さんの筆跡を見たことがありますが、それと比べると、左右の払いも長くなっています。

――「払い」について、左払いが長い人は、目立ちたがり屋でプレッシャーに強いタイプ、右払いが長い人は自分の感情に執着して入れ込むナルシストタイプということでした。ちなみに、両方長い人が“女優型”とのことですよね。

牧野 はい。左右の「払い」を長くすることで、表現に対する執着も出てきたのではないでしょうか。

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牧野 さらに、羽生さんは体の線が細いですが、文字は横幅が広めで安定感があります。これは、体力があり、体を動かすことをいとわない、あるいはそのように努力してきたことを表しているのです。

――王子様のような顔立ちやスタイルですが、しっかり体育会系でもあるということですね。

牧野 ほかにもハネが強く、文字を直線的に書く人は、「最短距離で目標を達成する」タイプですので、無駄を嫌い、合理的に行動します。

――お騒がせ発言は多いけれど、何かしたのかというとあまり思い出せない泰葉さんは、かなり「ハネない」文字でした。「ハネ」は実行力を表すんですね。

牧野 はい。彼の精神面の強さやストイックな面は、ここからきていると思われます。さらに、横線の間隔がそろっていること(例えば「表」の字)は、演技の緻密さにも関わってきます。これは細かなところによく気がつき、何をやらせても正確で緻密な仕事ができることを表しています。また、物事が整然としている状態を好みます。演技においてもその面が生かされ、人の気付かないところに気付くことができ、それを良く観察して自分のものにすることができるのでしょう。

 そして、羽生さんの大きな特徴として、文字と文字の間隔が広いですよね。これは「落ち着き、何があってもあわてないこと、マイペースであること」の表れです。のんびり屋の人に多い書き方ですが、彼の場合は、自分の時間の流れを崩さない、これを徹底しているのでしょう。

――アスリートには必須の気質ですね。

牧野 あと、へんとつくりの間の間隔が狭い文字「結」と、広い文字「情」が混在しています。これは職人気質で妥協しない頑固な面と、自分と人との違いを受け入れるおおらかな面を表しています。おそらく、羽生さんは「自分はこうだけども、それを周囲には強制しない社会性の豊かさ」があるのでしょう。

 今まで取り上げたのはフィギュアスケーターとしての羽生さんの筆跡です。ほかの資料で見た、彼のプライベートな筆跡は、角の丸い文字があちこちに見受けられます。また、左右の払いも大きめになっています。これらは、真面目な中にも適度に表れるユーモアや茶目っ気、融通性、柔軟性を表しています。

――リンクの外での「かわいい」感じとつながりますね。

牧野 リンクの上では有り余るほどの表現力で私たちを魅了してくれますが、プライベートでは感情を素直に出すことが少し苦手のようです。また、そんなシャイなところが、ファンにとってはたまらなくけなげに映るのでしょう。人よりも多く情報を受け取ることのできる繊細さと緻密さを持ち、それを形にする冷静な分析力、身につける努力をいとわない羽生さんは、間違いなくこれからも伝説を作り続けると思います。
(石徹白未亜)

牧野秀美
筆跡鑑定人。筆跡アドバイザーマスター。筆跡心理学をもとにした鑑定と診断を行う。著書に『自分のイヤなところは直る! ~名前を書くだけ~』(東邦出版)
ほっかいどう筆跡鑑定研究所

吉岡里帆はなぜ「ウザい」のか? アンチを刺激する理由を、プロ筆跡鑑定人が指摘!

 オリコンが発表した「2017年ブレイク女優ランキング」で1位に選ばれた女優・吉岡里帆。クセのないあっさりとした美貌で、CMでは「ゼクシィ」「ZOZOTOWN」や日清食品「どん兵衛」、ドラマでは『カルテット』『ごめん、愛してる』(TBS系)に出演し、快進撃を続けている一方で、ネットでは「あざとい」「はしゃぎすぎ」「棒演技」という声もある。そんな吉岡の筆跡を、筆跡鑑定人で筆跡心理学に基づいた書籍『自分のイヤなところは直る! 〜名前を書くだけ〜』(東邦出版)の著者・牧野秀美氏に、読み解いてもらった。

■毛筆の字は、筆跡診断には使えない!

――吉岡里帆さんは、書道八段で書道家を目指して大学の書道コースに通っていたという経歴の持ち主です。ネット上でも毛筆の筆跡を多々発見できる彼女は、今までの連載の中では圧倒的な「字ウマ」ですよね。

牧野秀美氏(以下、牧野) ただ、これらはお習字ですので、そのまま診断するわけにはいかないんです。なぜなら、習字のお手本は、「へんとつくりの間の空間が狭い」「ハネが強い」「上への突出が長い」「書き始めはひねる」形がほとんどです。

――確かに「毛筆は、かくあるべし」というイメージは、習字の心得がなくとも、日本で育っていれば、なんとなく共有していますよね。

牧野 これらの「お習字」の特徴が、プライベートの文字には出ていない場合もあります。それは、「お手本の形が自分の心にフィットしていない場合」もあるからです。吉岡さんの文字もまた、毛筆とプライベートの文字の両方に出ている特徴と、毛筆には出ているけれど、プライベートの文字には出ていない特徴があり、ここらへんから彼女の人物像が浮かび上がってきそうです。

【毛筆・プライベートの文字、両方に出ている特徴】
・「左に突出している」(「吉」の字/自分を演出するのが好きな目立ちたがり屋)
・「左払いが長い」(「暑」の字/頭の回転が速く、目立つタイプ)
・「へんとつくりの間の空間が狭い」(「帆」の字/自分の世界を大切にする職人気質)
これらは、彼女の性質をそのまま表しています。

【毛筆には出ているけれど、プライベートの文字には出ていない特徴】
・「上への突出」(「申」の字/リーダー気質)
・「ハネが強い」(「岡」の字/粘り強い)
本来の吉岡さんは、「協調型であっさりしている」のでしょう。

■ソツのない人へのねたみは、確信犯へのねたみよりも根深い!

――毛筆の「愚直」の文字を見ると、雄々しいというか、堂々とした文字ですよね。

牧野 はい。堂々としていて存在感あふれる文字ですが、「自分が、自分が」といった、俗にいう自己主張の「ウザさ」は感じられません。また、力強い字、繊細な字といったように、さまざまな文字を書き分けています。

――確かに、「愚直」の雄々しさと、「暑中お見舞い申し上げます」の繊細な感じは、ぱっと見、別の人が書いたように見えます。

牧野 力強さの中にも繊細さが潜んでいるので、吉岡さんは決して「空気の読めない」タイプではないでしょう。プライベートの文字は上への突出が少ないため、協調型であることがわかります。また、ハネはあっさりですので、切り替えが速く、要領も手際もよいでしょう。頭の回転も速く、素直に自分を表現できる人です。多芸多才、何をやってもそつなくこなすことができる器用な方です。

――ハネといえば、お騒がせ発言をちょくちょくしていた泰葉さんは「ハネなし」文字でした。吉岡さんも、ペンで書かれたプライベートの文字では、ハネが弱めですね。よく見ると、お見舞いの「見」などは、毛筆の割にハネが弱く書かれています。

牧野 ハネが弱い人は、あきらめが早く、打たれ弱い傾向がありますが、吉岡さんの場合は「へんとつくりの間の空間が狭い」職人気質な面から、自分で決めたことは追求するので、責任感を持ってやり遂げるでしょう。

 そして、「空間の使い方」がとても上手です。文字のレイアウトを見ると、「暑中お見舞い申し上げます」の筆跡は、文字配置のバランスや、余白の取り方が、優れていると思います。これは自分の居場所において、周囲と居心地のよい距離感を保つのが得意であることを表しています。吉岡さんの文字には、大物感、女優としての華やかさがありますが、それよりも人間関係力の高さが光ります。関係を取り持つムードメーカー的役割ではなく、自分の気持ちを素直に出すことで、周囲に変な気を使わせない、それが結果として関係を良くしていくといった感じでしょうか。

 “大物”というと、破天荒な一面を持ち合わせていることも、なきにしもあらずですが(松居一代さんしかり、泰葉さんしかり……)。吉岡さんには、そんなタイプとは一線を画す、バランスの良さがあります。

――今までこの連載ではさまざまな女性を取り上げてきましたが、アクやクセや無理が一番ない人なんですね。天然でソツがなく、どこでもうまくやっていけそうな。

牧野 素直なリアクションを自然にとることのできる人や、何をやらせてもできてしまう人に対して、私たちはついつい複雑な感情を持ってしまいがちです。

――かえって「確信犯的にあざとい、ウザい」人のほうが、見る側は安心できますよね。「無理なくうまくいっている人」に対するねたみは、「確信犯的にあざとい、ウザい」人に対するねたみよりもずっと深い業があるでしょうし。

牧野 少なくとも吉岡さんの文字からは「確信犯的なあざとさやウザさ」は、さほど感じられません。ただ、一癖も二癖もある芸能界で生き延びるためには、何か突出したアクやクセがあったほうが目に留まるわけですから、この先どのような方向性でいくかを注目したいです。
(石徹白未亜)

牧野秀美
筆跡鑑定人。筆跡アドバイザー・マスター。筆跡心理学をもとにした鑑定と診断を行う。著書に『自分のイヤなところは直る! 〜名前を書くだけ〜』(東邦出版)
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竹内涼真は「あざとい」のか? 真のぶりっこ度&ナルシスト度を、筆跡から読み解く!

 NHKの朝ドラ『ひよっこ』でヒロインの彼氏役を演じて、一躍注目され、その後も『過保護のカホコ』(日本テレビ系)『陸王』(TBS系)など、話題の連続ドラマに出演、富士フイルムやソフトバンクといったCMにも起用され、破竹の勢いが続く竹内涼真。一方で、SNSでの「上目遣い&体育座り」画像投稿が、ネットでは「あざとい」と批判されたりもしている。そんな竹内は、本当に「ぶりっこ」なのだろうか? 竹内の筆跡を、筆跡鑑定人で、筆跡心理学に基づいた書籍『自分のイヤなところは直る!~名前を書くだけ~』(東邦出版)の著者、牧野秀美氏に読み解いてもらった。
■「目立ちたがり屋」だが、「ナルシスト」ではない
――竹内さんの字ですが、「この年頃の青年が書きそうな字」という感じですね。達筆というわけでもないですが、ひどいクセ字というわけでもなく。

牧野秀美氏(以下、牧野) まず、「合」の字で示している「口」部分の左上の角の接筆部分が閉じていることから、考え方は真面目です。ただ、「口」部分の右上の角は丸く、行動面は柔軟です。考えに縛られないので、路線変更や、相手に合わせることが苦痛ではありません。

 次に「合」の字の、払い部分を見てみましょう。左払いが長い人は、目立ちたがり屋でプレッシャーに強いタイプ、右払いが長い人は自分の感情に執着して入れ込むナルシストタイプ。ちなみに、両方長い人が“女優型”です。竹内さんの「合」の字は、左は十分長さを満たしています。しかし、右払いは短く、物事に対してのめり込まず、「ほどほどでいいや」という執着のなさを表しています。

――小池百合子さんの書く「合」の文字は、左右も長さたっぷりの女優型でしたが、それとはかなり違うということですね。

牧野 はい。また、竹内さんは「祭」や「高」などのハネはしっかり書かれているので、努力家であることがわかります。

――お騒がせ発言の多い泰葉さんの字には、ほとんど見られなかったのとは対照的に、「ハネ」がしっかりしていて実行力がありそうですよね。

牧野 はい。ただ、「王」の横線の間隔がバラバラですので、気分に左右されやすい面もありそうです。

■求められる姿を一生懸命演じている?
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――日本女子体育大学で舞踏を学ぶ土屋太鳳さんの字は、口の部分がしっかり大きい「体育会系」文字でした。竹内さんは、高校時代に東京ヴェルディのユースに所属し、プロサッカー選手を目指していたこともあったそうですが、文字も「体育会系」でしょうか?

牧野 「口」の内部空間の大きさは、その人の持つ内面のエネルギーの大きさ、つまり「やる気」を表します。「口」の内部の空間が大きな人は、エネルギーたっぷりです。それは子どもっぽさや、時と場合によってはやぼったく映ることもあります。逆に内部の空間が小さな人は、無駄なエネルギーを使わないために洗練されており、大人っぽいともいえます。ただ、竹内さんの場合、「感」と「謝」の字で「口」の大きさが違います。

――両面が見られる、ということですか?

牧野 両面が見られるのは、「口」の大きさだけではありません。「感謝」の文字を見ると、文字内の空間が広くとられ、のびのびしているのに対し、「陸」「最」の文字は窮屈に書かれています。文字間の空間を広くとる人はこだわりなくなんでも受け入れますが、文字間の空間が狭い人は自分なりの美学があったり、自分の世界を大切にしたりと、自分なりのこだわりを持っています。

 竹内さんは、理想が高く、気難しい面も持っていると思われます。ただ、明るくユーモアがあり、人に合わせる面が強調されて、その難しい部分があまりクローズアップされないのだと思います。

――確かに、「気難しい人だ」という印象は感じさせないですね。

牧野 真面目ゆえに、人から言われたことをまともに受けるのでしょう。仕事関係では、なおさらです。例えば、「俳優」「売れている」「タレント」「お笑いも必要」……などの求められている姿を一生懸命演じているのでは? まだまだ若く、人生経験が未熟なため、引き出しが少なく、おかしな方向に行っていることに気づかないだけなのかもしれません。そこが素朴でもあり、天然っぽいといわれてしまうゆえんなのではないでしょうか。接筆が閉じているせいで、客観的な視点に乏しい面もあります。意外ですが、先に触れた「右払いの短さ」から、ナルシスト要素はゼロです。

――竹内さんは「ぶりっこ」といわれがちな土屋太鳳さんと同様、右払いは短いですが、彼も「私は女優よ(俺は俳優だ)」タイプではないのですね。

牧野 竹内さんは、本来真面目で職人気質、自分の世界を大切にする性格を持っていますが、行動面が柔軟であるために、その自分の世界から一歩出て違う自分を演じることが、抵抗なくできてしまうのだと思います。つまり、「感謝」の丸文字に象徴されるような、一連の「ぶりっこ」といわれてしまう行動は「よかれ」と思って理想に向かって頑張っている姿なのでしょう。

――SNS世代なので、セルフプロデュースに真面目に取り組んでいる、ということかもしれませんね。Twitterでは170万以上のフォロワーがいますし。

牧野 いっそのこと、いいと思ったことをなんでもやってみて、その反応から自分を知ることもできるのではないでしょうか。どんどん経験を積み、迷走しなくても自分らしさを出せる俳優になって活躍してほしいです。
(石徹白未亜)

牧野秀美
筆跡鑑定人。筆跡アドバイザー・マスター。筆跡心理学をもとにした鑑定と診断を行う。著書に『自分のイヤなところは直る!~名前を書くだけ~』(東邦出版)
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浜崎あゆみが画像修正するワケ――「自分や時代の変化に気づいている」とプロ筆跡鑑定人が指摘!

 2000年代前半にカリスマ的人気を誇っていた歌姫・浜崎あゆみ。最近では、体形の変化やライブのドタキャンなど、本人にしたら不本意であろう話題で取り上げられることが多い。今回、浜崎あゆみの1999年(21歳)、2005年(27歳)、16年(38歳)の手書き文字を、筆跡鑑定人で筆跡心理学に基づいた書籍『自分のイヤなところは直る! ~名前を書くだけ~』(東邦出版)の著者、牧野秀美氏に読み解いてもらった。

【THE 筆跡鑑定ファイル バックナンバー】
画像無断転載、ものまねメイク加工疑惑……ざわちんの“筆跡”からわかる「炎上しやすい体質」
土屋太鳳は「女優気質ではない?」……プロ筆跡鑑定人が指摘、「スリルを求める」傾向も
小池百合子は波瀾に強い「女優気質」、一方「リーダー気質」は……?【THE 筆跡鑑定ファイル】

■傷つきやすく、ストレスがたまりやすいタイプ

――浜崎さんは00年に「vogue」「Far away」「SEASONS」の“絶望三部作”と呼ばれる、物悲しい歌詞のシングルを立て続けにリリースし、大ヒットさせています。しかし、99年の字は若いというのもありますが、随分ハイテンションですね。文字の年齢の重ね方も興味深いです。

牧野秀美氏(以下、牧野) 99年は一見子どもっぽい印象の文字ですが、16年になると、文字も大人っぽく変化していますね。文字も、面影を残しながら年を取っていくことがわかります。

 浜崎さんの文字には、変化している部分と、一貫して変わっていない部分があります。まず変わっていない部分ですが、「君」の字の「口」部分の左上の角が閉じていることから、真面目で素直に物事をとらえる傾向があります。傷つきやすく、ストレスがたまりやすいタイプとも言えます。

 全体的に右上がりが強いのは、上からの指示を素直に受け、その期待に一生懸命応えようとする気持ちの表れです。しかし、「君」の文字の右側の角は角型と丸型が混ざっていることから、行動面はその時の状況に応じて、機敏に方向転換することもある。それは売れっ子に見られるワンマンさと捉えることもできるでしょうが、争ってまで自分の主張や我を通す性格ではなさそうです。

 さらに「何」のへんとつくりの間隔が広くハネがないこと、「全」の字の、右側の払いが短く止めて書かれることから、物事に固執せず、誰に対してもオープンに接しますが、常に自分の気持ちは抑えがちのようです。これは本来の気質であると考えられます。また、寂しがり屋で人に囲まれていたい面、冷静でドライな面、オープンでおおらかな面、周囲の目を気にする面が同居しています。自分の相反する気持ちを切り替えながら、時代の最先端でエンターテイナーとして今も走り続けようとする、浜崎さんの姿が浮かび上がります。

――どんな人にも多かれ少なかれあるでしょうが、「相反する」要素を多く持っている人なんですね。ブレのないキャラがあるというより、揺らいでいること自体がキャラクターになっているというか。

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牧野 一方、浜崎さんの字で変化した部分を見てみます。「全」の字で見ますと、昔に比べると、左側の払いが明らかに長くなっています。この特徴は、今まで何回も出てきた「華やか好みの目立ちたがり屋、華麗に自分を演出したい」といった面を表しています。

 さらに、「本」の字で見られる上への突出が、最近の文字「教」「動」といった字では見られません。この突出はリーダー気質の表れで、上に出れば出るほど、皆を引っぱっていこうとする気質が強いといわれています。

――デビュー当時から、ずっと華やかなステージでカリスマとして君臨してきた浜崎さんですが、かつてはあまりなかった「華やかに自分を演出したい」気質が、なぜ、今になって文字に表れてきたのでしょうか?

牧野 若い頃は、「周りからの期待を裏切ってはいけない」という思いから、用意されたレールの上を疑うことなく、がむしゃらに進んできたのでしょう。そもそも若さとパワーあふれる全盛期は、存在が華やかさそのものですので、あえてそれを意識したり演出したりする必要がなかったのでしょう。

 しかし、今は昔と違う。浜崎さん自身もそれに気づいていて、だからこそ、さまざまな演出を試みているのだと思われます。人は年を取るものだし、それとともに体形にしても体力にしても気持ちにしても、何もかもが移り変わっていくのが当たり前です。

 浜崎さんは心の奥底では自分自身や時代の変化に気づいているのですが、考え方が真面目ゆえに、「それを認めてはいけない」「全盛期と現在の変化を埋めなければ! 頑張らなければ!」と感じているのでしょう。とはいっても、浜崎さんは重苦しく物事の本質に迫っていく「攻め」のタイプではありません。もともと、へんとつくりの間が広いことから、受け身のほうが落ち着く「守り」のタイプといえるでしょう。突出が控えめになったのは、守りのタイプがずっと攻めのタイプを演じてきたので、疲れてしまったと読めるかもしれません。この形が今の浜崎さんにはフィットしているはずですので、無理に頑張ってしまうと、逆にストレスを感じてしまうことになりそうです。

 あえて昔の自分と張り合わず、そこから距離を置くことで、もしかすると、もっと自分を楽に表現できるようになるかもしれません。
(石徹白未亜)

牧野秀美
筆跡鑑定人。筆跡アドバイザー・マスター。筆跡心理学をもとにした鑑定と診断を行う。著書に『自分のイヤなところは直る! ~名前を書くだけ~』(東邦出版)
ほっかいどう筆跡鑑定研究所

画像無断転載、ものまねメイク加工疑惑……ざわちんの“筆跡”からわかる「炎上しやすい体質」

 一般人が撮影した東京ディズニーシーの写真を自身が撮影したかのようにブログに投稿したり、SNSへの非常識な内容の投稿で炎上(既報)、また得意の「ものまねメイク」への画像加工疑惑について、ネットで有志が解析会社に依頼した結果、「クロ」であったざわちん。他人の撮影した写真を使用したことは、画像検索の機能を使えばネットで簡単に調べられるが、そんな「調べればすぐにバレること」をやってのけてしまう背景には何があるのか? ざわちんの人となりを、筆跡鑑定人で、筆跡心理学に基づいた書籍『自分のイヤなところは直る! ~名前を書くだけ~』(東邦出版)の著者・牧野秀美氏に、Twitterにアップされた手書きの筆跡から読み解いてもらった。

■理屈ではなく、反射的に行動するタイプ

――ざわちんさん、読みやすい字ですよね。

牧野秀美氏(以下、牧野) 余白の多い、見やすいレイアウトは、古風で好ましい感じを受けます。書字技量は決して高いとはいえませんが、ひらがなの形がきれいなのと、字間の詰まっていない縦長文字から、落ち着きを感じさせます。前回の土屋太鳳さんのような、息苦しい圧迫感を感じません。

――ちなみに、習字で字の矯正をしていても、筆跡に個性は出るものなのでしょうか?

牧野 書道や硬筆などを習っていた場合、同じお手本で練習しているわけですから、文字の形は矯正されますが、書き続けているうちに、自分なりのクセは出てくるものです。

 さて、ざわちんさんの字ですが、「おっとり」というよりも、「マイペース、ゴーイングマイウェイ」タイプですね。

 まず、書き始めもひねりなどはなく、相手にあまり警戒心を抱かせないタイプだといえそうです。また、「今」の字の長い左払いは、見られることが心地いい、華やかな場所で活躍したいといった願望を表していることや、「澤」の字のへんとつくりの間隔が狭く、自分の世界に没頭する職人気質であることから、自身の世界を追求するモノマネメイクのお仕事は、まさに天職だといえるでしょう。

――ただ、字の配置が、たまに妙ですよね。

牧野 はい。問題なのは「高校生活青春できな…」で見られる行のブレや、「青春」の横線の間隔がばらばらであること、「勝」の字で表れている線と線が衝突している異常接筆、これらの特徴は、高い精神性や理想を持ちながらも、それをぶち壊してしまう衝動性を表しています。それが普通の人なら、しり込みするようなことを平気でやってのける行動力につながっていると考えられます。ざわちんさんは理屈ではなく、ぱっとひらめいたものに対して反射的に行動するタイプなのかもしれません。

 また、全体的にハネが弱く、切り替えが早い方です。何事もあまり深く考えず、手早くササッとやってしまうのでしょう。

 

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――「炎上上等!」という感じではなく、「あまり考えずに、さくっとやっちゃう」みたいな感じなんですね。かえって怖いですが。

牧野 また、「日」や「男」の字の接筆(四角い文字の左上の角)が開いていたり閉じていたり、角が丸かったり角ばっていたりと、一貫性がないことから、考え方や行動の基準が一定しておらず、「まあいいか」と自分勝手に物事を考えてしまいがちな面が出てくるようです。本人的には、それらを深刻な問題として捉えていないのではないでしょうか。

――「大胆なことをしたい」+「切り替えが早い」+「まあいいか、で深刻にとらえない」となると、ハートが強すぎますね。真木よう子さんもTwitterで炎上を何発かやらかして、今はやめてしまいました。また、体調不良で、出演予定だった映画を降板しています。その原因がTwitterかはわかりませんが、つくづく、SNSは向き不向きがありますね。

牧野 ざわちんさんは、ものまねメイクにおいて、仕上がりに対する高い完成度を安易に求めてしまう、つまり、過度の演出をコントロールできない衝動性が、今回のように騒がれる問題を引き起こしているのかもしれません。実際、TVやイベントはメイクとアングルのみの勝負ですし、結果を出しているからこそ、こうして活躍されているのですから、疑惑を招くような小細工は必要ないのでは、とも思います。これからは、影響力のあるタレントとして、自身の行動を意識していくことは大切だと思います。いろいろな経験をバネに、自分の価値観を確立して、さらに活躍してほしいと思います。
(石徹白未亜)

牧野秀美
筆跡鑑定人。筆跡アドバイザー・マスター。筆跡心理学をもとにした鑑定と診断を行う。著書に『自分のイヤなところは直る! ~名前を書くだけ~』(東邦出版)
ほっかいどう筆跡鑑定研究所

土屋太鳳は「女優気質ではない?」……プロ筆跡鑑定人が指摘、「スリルを求める」傾向も

 2015年のNHK連続テレビ小説『まれ』で主演を務めて以降、数々のドラマや映画で主演もしくはヒロイン役をこなし、大激戦の若手女優界の中で快進撃を続ける土屋太鳳。日本女子体育大学で舞踊を学ぶ本格体育会系女優ながら、「ぶりっこ」「あざとい」などの批判も一部ネット上で見られる。そんな土屋の筆跡を、筆跡鑑定人で、筆跡心理学に基づいた書籍『自分のイヤなところは直る! ~名前を書くだけ~』(東邦出版)の著者・牧野秀美氏に、読み解いてもらった。

【THE 筆跡鑑定ファイル バックナンバー】
小池百合子は波瀾に強い「女優気質」、一方「リーダー気質」は……?【THE 筆跡鑑定ファイル】
泰葉の文字から見る、「ぶっ飛んだ人」の筆跡に表れがちな特徴!【THE 筆跡鑑定ファイル】
セカオワ・Saori、手書き文字からわかるFukaseへの依存度【THE 筆跡鑑定ファイル】

■字でわかる、「自分の中の体育会系度」

――画像はTBSの2012年のドラマ『黒の女教師』(TBS系)の公式サイトに掲載されている土屋さん直筆のメッセージです。土屋さんは1995年生まれですから執筆時は17歳と、若かったというのもあるでしょうが、懐かしさすら感じるファンシーな文字ですよね。平成生まれでこういった字を書く人がいることに驚きました。

牧野秀美氏(以下、牧野) 土屋さんの文字は、アンケート用紙にびっしりと書きこまれていますね。大きさが揃っているマス目文字と、「鳳」の文字の横線の間隔が等しい特徴は、土屋さんが気分に左右されない「コツコツ型」、計画性があり論理的にモノを考える人であることがわかります。ひねりのない書き始めから素直であること、文字の左上の角の接筆部が閉じていることから物事の考え方は真面目です。

 また、「格」字「口」部分が大きく書かれ、角も丸く書かれています。これは明るい気質で内面のエネルギー、やる気が豊富であることを表しています。最後まで丁寧に書かれた文字からは、集中力を感じます。

 まとめますと、「真面目で、何事にも一生懸命努力して取り組み、やり遂げるキャラクター」であることがわかります。ただ、土屋さんの書かれた文字から、息苦しさを感じる方もいるのではないでしょうか。

――失礼ながら、私は土屋さんの文字を見たときに、ちょっと不気味さを感じてしまいました。なぜこういった印象を抱いてしまうのでしょう?

牧野 文字には、書き手のエネルギーが乗っかってきます。この文字に拒絶反応を起こす人は、土屋さんのこれでもかという溢れる情報を受け取りきれないのでしょう。「隙間なく書かれた文字」というのは、情報やエネルギーが過剰であるともいえます。余韻や空白を楽しむ傾向のある人にしてみれば、太鳳さんの文字は、無理やり口に食べ物を入れられるような感じを受けるのかもしれません。

――土屋さんのインスタグラムも一つひとつの記事がしっかり長めです。エネルギーが多い人なのでしょうね。

牧野 「体力に物を言わせ、何事も真面目に取り組む体育会系の暑苦しさが、文化系の人にとってはたまらなくうっとうしい」、そんなところなのかもしれません。

――なるほど。むしろ隙間なく書かれた文字を、「元気で好ましい」と捉える人もいるんですね。

牧野 はい。土屋さんに非があるわけではありません。素直で頑張り屋ゆえに、上からのアドバイスを忠実に守ることが正しいと信じ実行しているだけなのでしょう。

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牧野 ただ、気になるのは、文字がすべて右に傾いている「右傾型」であることです。この形は、「危ない橋を渡ってみたい」といったスリルや冒険を求める心が表れるものです。舞踊の技を身につけることなどは、確かに挑戦や冒険ではありますが、この形を書き続けていると、道ならぬ不安定なモノにのめり込んでしまわないとも限りません。

――以前、「運命を悪化させる書いてはいけない文字」を紹介していただきましたが、その際も「右傾」は入っていましたね。同じく運命を悪化させる文字で紹介された、線が過剰に交差する「異常接筆」は見るからに怖いですが、「右傾文字」はよくわからないけど、なんだか座りが悪い印象を受けます。

牧野 また、土屋さんの文字には、女優に求められる情緒性や華やかさ、役にどっぷりとはまって演じるという「続け字」や「長い払い」が全くありません。

――松居一代さんの文字はまさに女優文字でしたね。女優ではないですが、小池百合子さんもそうでした。

牧野 土屋さんの文字はそのまったく対極といえる、気分に左右されないコツコツ型の文字です。女優さんにしたら、これはとても珍しいことだと思います。華やかさや情緒性より、コツコツ鍛え上げた身体能力を生かしたエネルギーや生命力を持ち味に自分らしさを表現していくのでしょう。
(石徹白未亜)

牧野秀美(まきの・ひでみ)
筆跡鑑定人。筆跡アドバイザー・マスター。筆跡心理学をもとにした鑑定と診断を行う。著書に『自分のイヤなところは直る! ~名前を書くだけ~』(東邦出版)
ほっかいどう筆跡鑑定研究所

小池百合子は波瀾に強い「女優気質」、一方「リーダー気質」は……?【THE 筆跡鑑定ファイル】

 東京都知事でありながら、巻き起こす数々のサプライズは国政までをも揺るがし、来る衆議院議員選挙を前にワイドショーがこぞって取り上げる――そんな時の人となった小池百合子氏の筆跡を鑑定。筆跡鑑定人で、筆跡心理学に基づいた書籍『自分のイヤなところは直る! ~名前を書くだけ~』(東邦出版)の著者・牧野秀美氏に、人物像を読み解いてもらった。

■自分が「女優気質」かどうかは、あの部分でわかる!

――小池さんの字は、かなり崩し文字ですね。自身の政経塾である「希望の塾」のホームページに掲載されている直筆サインは、「小池百合子だ」という前提がなければ、「池」も「合」も判読できないくらいです。

牧野秀美氏(以下、牧野) 小池さんの文字は、情緒性あふれる続け字で勢いがあり、女性らしさと男性的な線の太さが混在しています。以前取り上げた元防衛大臣の稲田朋美さんの文字は、どちらかというと線の細い女性的な文字でしたが、対照的ですね。

 稲田さんと共通している点は、左右の両払いが長い所です。これは百合子の「合」の字でわかります。自分自身を華麗に演出し、その世界にのめり込む「女優型」といわれ、華やかに装い、自分のイメージカラーである緑を効果的に使う小池さんそのものを表しているといえます。

――確かに、小池さんの「合」の払いの部分は「とってもたっぷり」ですね。稲田さんの名前にもあり、多くの女性の名前に使われる「美」も払いがありますから、名前に「美」のある人は自身の女優気質をチェックしてみるといいかもしれません。

牧野 また、ほかの画像を確認しましたが、大きな文字と小さな文字が混在して書かれています。このように文字に大きさのメリハリをつけて書く人は「波瀾型」と呼ばれ、荒波であればあるほど、ゆうゆうと泳ぎきる、波瀾を制することに達成感を感じる人に多い書き方です。小池さんの政治人生もまさに波瀾万丈です。

 そして、「様」の字、木へんの横画左側への突出は頭の回転が早く、思ったことをはっきり主張する「才気煥発型」であること、縦画下部への突出は、向上心が強いことがわかります。留学経験があり、外国語が堪能、自らの一貫した政治理念を持っていることはその表れでしょう。その自信と余裕から、器の大きさが伝わってきます。まさに政治家は小池さんにとって“天職”といえるでしょう。

 

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牧野 しかし、気になる箇所がないわけではありません。それは存在感や器の大きさに比べ、「様」の字において、「リーダー気質」を表す縦画上への突出(木へんの頭の部分)が控えめなことです。これは自分が先頭に立ち組織を引っ張っていく力で、それが控えめなことを表しています。

――「頭の回転が早く」かつ「女優気質」、おまけに「波瀾に強く」、かつ職業が政治家なら「リーダー気質」なのかなと思いがちですが、考えてみれば別の気質ですよね。

牧野 リーダー気質の欠如は、小池劇場の脚本を誰かが書き、それを演じているふうにも読めます。今は何とか順風満帆にことが進んでいますので、先頭に立っていられますが、逆境になった時に、果たして今のように堂々と矢面に立つことができるか、また、縦長文字が示すプライドの高さが故に、自分のイメージダウンを恐れずに、逆境時に「辞める」以外の責任を果たせるのかが気になるところです。

 また、「池」の字における「ハネ」が弱いことにも注目です。ハネは実行力の他、切り替えの速さやスピード感も表します。小池さんの高い精神性と理想主義は、例えば貴族が庶民の暮らしを知らないように、現場の問題把握の妨げとなる可能性となるかもしれません。とはいえ、小池さんには女性政治家として第一線で活躍してほしいと願います。

――前回取り上げた「お騒がせ」泰葉さんも、ハネは弱めでしたね。ちなみに、今までの連載でさまざまな女性の文字を取り上げてきましたが、一番政治家適性があるのはどなたでしょう?

牧野 文字から実行力、プライドをコントロールする力、しつこさ、完璧さを併せて考えると、一番政治家にふさわしいのは松居一代さんかなと思います。
(石徹白未亜)

牧野秀美
筆跡鑑定人。筆跡アドバイザー・マスター。筆跡心理学をもとにした鑑定と診断を行う。著書に『自分のイヤなところは直る! ~名前を書くだけ~(東邦出版)
ほっかいどう筆跡鑑定研究所

泰葉の文字から見る、「ぶっ飛んだ人」の筆跡に表れがちな特徴!【THE 筆跡鑑定ファイル】

 自身のブログで、「元マネジャーとの確執」「イラン人実業家との結婚」「都知事選への出馬」といった内容を連日アップし、世間の注目を浴びている泰葉。「お騒がせ芸能人」と呼ばれる人は少なくないが、頭ひとつ突き抜けたアクティブさだ。そんな泰葉の筆跡を、筆跡鑑定人で、筆跡心理学に基づいた書籍『自分のイヤなところは直る!』(東邦出版)の著者、牧野秀美氏に読み解いてもらった。

■「ぶっ飛んだ人」の筆跡に表れがちな特徴とは

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――今回見る泰葉さんの筆跡は、ブログにアップされた毛筆の文字です。小林麻央さんの訃報を受けて、自分の不幸な結婚生活を顧みた泰葉さんが、小林さんを「女神様」と表現した短歌のようなもので、この前提も相当“泰葉節”が効いていますが、筆跡はいかがでしょうか? 読みやすいきれいな字ですよね。

牧野秀美氏(以下、牧野) ぶっ飛んだ泰葉ワールドですが、泰葉さんの衝動性は文字にどのように表れているのか、気になるところですね。

 通常、衝動性が強い人は、集中力が途切れやすいために文をまっすぐに書けない「行ブレ型」や、衝動を抑えられず極端な行動に結びつく「異常接筆(線が必要以上に伸び、ほかの線と衝突している文字)」などの筆跡特徴が文字に表れることが多いのです。

――異常接筆は以前も紹介してもらいましたが、見ている側の本能に一見で「ヤバい人だ」と訴えるものがありますね。

牧野 しかし、泰葉さんの文字を見てみると、まず「行ブレ型」はありません。「あなたは わたしの」の部分の下部が右側にズレて若干斜めになってはいますが、ブレることはなく、まっすぐ書かれています。

――確かに“ブレる”というと、「右に左に行ったり来たり」ですが、これなら、右方向に進んでいるだけですね。

牧野 はい。泰葉さんは衝動的ですが、集中力がないわけではありません。集中力がなければ、シンガーソングライターの活動はできないでしょう。行下部が右側にズレるのは、物事を悪く考えてしまうクセの表れだと思います。

 あと、「光」に見られるような少し独特な字形は「変形字型」といい、芸術家などクリエイティブな才能を持った人に多い書き方です。

――「光」というより、中央の線が短すぎて「*」(アスタリスク)みたいですね。

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牧野 「婚」の女へんの横線の左側への突出が大きい人は、才気煥発型です。よく「能ある鷹は爪を隠す」といわれますが、この場合は爪を隠さない、目立ちたがり屋でおだてに弱い、そんなお調子者のタイプです。

 また、「神」の字を見ると、縦画の下部への突出も見られます。これは「良い仕事をしたい、役に立ちたい」という思いの強さや向上心の表れですが、一方、泰葉さんの場合、行動面を表すハネがほとんどないんです。

――確かに「光」の最後の一画のハネは、控えめですね。「婚」の「氏」の部分のハネもささやかです。

牧野 泰葉さんは「思いはあるけど粘り強さはなく、行動面には表れない」といえそうです。今までの一連の騒動からも、それがわかるはずです。ですから、今回の都知事選出馬のように、彼女が何か言いだしても、真に受けずに聞き流すことが彼女のためなのでしょう。

 「神」の文字などを見ると、泰葉さんの文字を「横方向」と「下方向」の突出度で比較すると、自分で道を切り開いていく上方向への突出はおとなしめです。泰葉さんが思いつきでぽんぽんモノを言っているのは、感性、感覚で、その瞬間瞬間を生きているからなのでしょう。決してかっちりとした人生設計があるわけではないようです。目立ちたがり屋ですので、わーわー騒いでいるだけで、自分の進退は他者によって決められてしまうのです。そういった意味では、前回のsaoriさんと同じく依存体質だといえそうです。

 松居一代さんも同じように達筆でしたが、彼女の文字、例えば書き始めのひねりや等間隔の横線などから、強い意志や自分の生き方へのこだわり、物事を管理、コントロールしなければ気が済まない気質が見られました。

――世代の近い松居一代さんの地に足が着いている感と比較すると、しみじみと泰葉さんとの違いがわかりますね。

牧野 泰葉さんの言動には賛否両論ありますが、わがまま、お騒がせが許されるのは、時折輝く集中力、持って生まれた才能、ピュアな面があるからなのでしょう。泰葉さんの文字は感性の文字です。よく紙一重といいますが、天性の芸術家肌なのでしょう。父親である初代林家三平氏など、伝統芸能の世界で破天荒に生きた伝説の落語家たちに比べると、かわいいものなのかもしれませんが。
(石徹白未亜)

牧野秀美
筆跡鑑定人。筆跡アドバイザー・マスター。筆跡心理学をもとにした鑑定と診断を行う。著書に『名前を書くだけ 自分のイヤなところは直る!』(東邦出版)。
ほっかいどう筆跡鑑定研究所

セカオワ・Saori、手書き文字からわかるFukaseへの依存度【THE 筆跡鑑定ファイル】

 『NHK紅白歌合戦』にも出場した人気バンドSEKAI NO OWARI(セカイノオワリ、以下セカオワ)。音楽性だけでなく、メンバー4人が「セカオワハウス」と呼ばれる都内の一戸建て住宅で共同生活を送るライフスタイルも注目を集めている。そのメンバーの紅一点、Saori(藤崎彩織)が10月28日に小説家デビューを予定しており、それに先立って手書き原稿の一部が公開された。筆跡鑑定人で、筆跡心理学に基づいた書籍『自分のイヤなところは直る!』(東邦出版)の著者、牧野秀美氏に筆跡から、その人物像を読み解いてもらった。

■繊細で内向的、自分の世界を大切にする

――9月5日に、特設サイトで序盤の手書き原稿が公開されました。特徴的な文字だと思いますが、この筆跡から何が読み取れますか?

牧野秀美氏(以下牧野) Saoriさんの人となりを文字から読み解いてみたいと思います。まず、行が緩やかにうねっています。これは情緒性が豊かな証拠で芸術家、音楽家タイプに多い特徴です。小説を書くことも、いつかは通る道だったのでしょう。

――小さく可愛らしい字ですよね。

牧野 「小字型」(文字が小さい)の人は、内向的で自分の世界を大切にします。自分のよく知っている場所や人たちの中では、安心して自分らしさを出せます。セカオワワールドでは大胆な演出に身をゆだねますが、自分ひとりでどんどん知らないところに出かけていくようなタイプではありません。デリケートで繊細です。

 また、縦線の突出(横画から上に飛び出す縦画の長さ)は控えめですので、自己主張は少なく、まさに補佐型、秘書役です。内向的ですので、他者を通して自分の存在をアピールする方法を取るでしょう。へんとつくりの空間が広いのは、自分と違う考え方や人など、さまざまなものやことがらを受け入れられることを表しています。

saori_futago1

――「へんとつくりの間が広い」は稲田朋美さんの回でもありましたが、特に女性にとっては「モテ字」なのでしょうね。一方、夫を衰弱させている松居一代さんの字はへんとつくりの間は狭めでした。

牧野 文字の小ささと、縦線の突出が控えめなことを合わせて考えますと、相手の世界の中で生きていくほうが安心できて、自分らしさを感じるのでしょう。ほかに、彼女らしいと思う特徴が「接筆あいまい型」です。接筆(せっぴつ、「日」など四角い文字の左上の角)が閉じているのか開いているのかが、はっきりしない形です。この形の人は非常に優しいのですが、それが迷いやすさにつながります。Saoriさんは自分自身ではっきりした決断を下しながら進んでいくタイプではないのでしょう。自分の意見はあったとしても、Saoriさんの基準は相手によって変化していくようです。今回の小説のモデルといわれている深瀬さんとの関係性も、まさにその通りなのではないでしょうか。縦線突出が控えめな人は協調型といわれるのですが、出方によっては相手に依存しがちな面も見られます。

 自分と周りの境界線がはっきりしないのか、はっきりさせたくないのかはわかりませんが、そんなあいまいな世界の中にいることが好きなのでしょう。相手のすべてを受け入れ支える、それがSaoriさんの生き方のベースなのでしょう。批判などを受けても、セカオワハウスでメンバーと一緒にいればダメージも少なくて済む。セカオワは傷つきやすいSaoriさんにとって、なくてはならないアイテムなのかもしれません。

――セカオワは繊細な人はどう生きるのがいいのかの一つの可能性ですね。「僕たち」にすることで身を守る。もちろん「僕」が「僕たち」になることでの面倒くささや鬱陶しさもありますし、「世界」のサイズが自分たちの内側でどんどん狭まっていくという危険性もありますが……。

牧野 Saoriさんの書く小説は奇想天外な物語や、人間の心の奥底に潜む残虐さや醜さをテーマにすることはないでしょう。そうしたものと向き合うことは耐えられないからです。それよりも日常生活での細やかな心の動きをきれいに描写することが得意分野ですので、今後の作品もそのようなものが多くなると思われます。自身がファンタジーの世界から飛び出して、たくましくなっていく姿を描いた作品も楽しみにしています。
(石徹白未亜)

牧野秀美
筆跡鑑定人。筆跡アドバイザー・マスター。筆跡心理学をもとにした鑑定と診断を行う。著書に「名前を書くだけ 自分のイヤなところは直る」(東邦出版)
ほっかいどう筆跡鑑定研究所

セカオワ・Saori、手書き文字からわかるFukaseへの依存度【THE 筆跡鑑定ファイル】

 『NHK紅白歌合戦』にも出場した人気バンドSEKAI NO OWARI(セカイノオワリ、以下セカオワ)。音楽性だけでなく、メンバー4人が「セカオワハウス」と呼ばれる都内の一戸建て住宅で共同生活を送るライフスタイルも注目を集めている。そのメンバーの紅一点、Saori(藤崎彩織)が10月28日に小説家デビューを予定しており、それに先立って手書き原稿の一部が公開された。筆跡鑑定人で、筆跡心理学に基づいた書籍『自分のイヤなところは直る!』(東邦出版)の著者、牧野秀美氏に筆跡から、その人物像を読み解いてもらった。

■繊細で内向的、自分の世界を大切にする

――9月5日に、特設サイトで序盤の手書き原稿が公開されました。特徴的な文字だと思いますが、この筆跡から何が読み取れますか?

牧野秀美氏(以下牧野) Saoriさんの人となりを文字から読み解いてみたいと思います。まず、行が緩やかにうねっています。これは情緒性が豊かな証拠で芸術家、音楽家タイプに多い特徴です。小説を書くことも、いつかは通る道だったのでしょう。

――小さく可愛らしい字ですよね。

牧野 「小字型」(文字が小さい)の人は、内向的で自分の世界を大切にします。自分のよく知っている場所や人たちの中では、安心して自分らしさを出せます。セカオワワールドでは大胆な演出に身をゆだねますが、自分ひとりでどんどん知らないところに出かけていくようなタイプではありません。デリケートで繊細です。

 また、縦線の突出(横画から上に飛び出す縦画の長さ)は控えめですので、自己主張は少なく、まさに補佐型、秘書役です。内向的ですので、他者を通して自分の存在をアピールする方法を取るでしょう。へんとつくりの空間が広いのは、自分と違う考え方や人など、さまざまなものやことがらを受け入れられることを表しています。

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――「へんとつくりの間が広い」は稲田朋美さんの回でもありましたが、特に女性にとっては「モテ字」なのでしょうね。一方、夫を衰弱させている松居一代さんの字はへんとつくりの間は狭めでした。

牧野 文字の小ささと、縦線の突出が控えめなことを合わせて考えますと、相手の世界の中で生きていくほうが安心できて、自分らしさを感じるのでしょう。ほかに、彼女らしいと思う特徴が「接筆あいまい型」です。接筆(せっぴつ、「日」など四角い文字の左上の角)が閉じているのか開いているのかが、はっきりしない形です。この形の人は非常に優しいのですが、それが迷いやすさにつながります。Saoriさんは自分自身ではっきりした決断を下しながら進んでいくタイプではないのでしょう。自分の意見はあったとしても、Saoriさんの基準は相手によって変化していくようです。今回の小説のモデルといわれている深瀬さんとの関係性も、まさにその通りなのではないでしょうか。縦線突出が控えめな人は協調型といわれるのですが、出方によっては相手に依存しがちな面も見られます。

 自分と周りの境界線がはっきりしないのか、はっきりさせたくないのかはわかりませんが、そんなあいまいな世界の中にいることが好きなのでしょう。相手のすべてを受け入れ支える、それがSaoriさんの生き方のベースなのでしょう。批判などを受けても、セカオワハウスでメンバーと一緒にいればダメージも少なくて済む。セカオワは傷つきやすいSaoriさんにとって、なくてはならないアイテムなのかもしれません。

――セカオワは繊細な人はどう生きるのがいいのかの一つの可能性ですね。「僕たち」にすることで身を守る。もちろん「僕」が「僕たち」になることでの面倒くささや鬱陶しさもありますし、「世界」のサイズが自分たちの内側でどんどん狭まっていくという危険性もありますが……。

牧野 Saoriさんの書く小説は奇想天外な物語や、人間の心の奥底に潜む残虐さや醜さをテーマにすることはないでしょう。そうしたものと向き合うことは耐えられないからです。それよりも日常生活での細やかな心の動きをきれいに描写することが得意分野ですので、今後の作品もそのようなものが多くなると思われます。自身がファンタジーの世界から飛び出して、たくましくなっていく姿を描いた作品も楽しみにしています。
(石徹白未亜)

牧野秀美
筆跡鑑定人。筆跡アドバイザー・マスター。筆跡心理学をもとにした鑑定と診断を行う。著書に「名前を書くだけ 自分のイヤなところは直る」(東邦出版)
ほっかいどう筆跡鑑定研究所