『春を売る』から読み解く、男たちが求める“素人”っぽさの正体

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『禁書<色>』/徳間書店

■今回の官能小説
『春を売る』霧原一輝(『禁書<色>』/徳間書店より)

 官能小説でたびたび目にする売春モノ。“春を売る”女性は「美しく清楚な女性」であるのが、官能小説では定番だ。普通女は、「金を出して身体を買ってもらうならば、その金額相応の身体とテクニックを売らなければならない」と思いがちだが、男にとっては「素人の女性が売春をする」という設定がツボのようで、官能小説ではよく描かれるようだ。現実世界でも男が求めるといわれる、この“素人っぽさ”とは、一体どういったものなのだろうか?

 今回ご紹介する『禁書<色>』(徳間書店)は、8人の気鋭作家たちの“色”をテーマにした短編小説集。この中に収録されている短編『春を売る』(霧原一輝)は、8年前に付き合っていた女性との再会から物語が始まる。