下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
衆院本会議でIR法案(カジノ法案)がたった6時間ほどの審議で可決された。あまりに短い。ギャンブル依存や、利権問題などさまざまな指摘があり、あの「読売新聞」でさえ反対する法案だが、しかし独裁的安倍政権に慣らされた日本国民が政権の暴挙を暴挙と思わなくなっていることが怖い。
第344回(12/1~6発売号より)
1位「山下智久 決裂の危機を救ったジャニーさんのひと言! 『僕と契約しよう』」(「週刊女性」12月20日号)
2位「私たちの年金は4割カットされる!」(「週刊女性」12月20日号)
3位「松岡昌宏と女性セブンの不思議な関係」(「女性セブン」12月15日号)
これまでも嵐の暴露本をヒットさせてきた「週刊女性」擁する主婦と生活社が、またしてもジャニーズ関連本を刊行する。それが今月9日に発売予定の『NEWS あの日のままで』だ。今から13年前、9人でデビューしたNEWSが、メンバーの脱退など現在までどんな軌跡を歩んできたか、“元スタッフ”証言を元にしてまとめたものらしい。
そのさわりが、今週「週女」のトップ記事となっている。主人公は2011年に脱退した山Pこと山下智久だ。
山Pは当時、主役を務めるドラマで、共演者の年下女優よりギャラが安いことを知り、“女帝”メリー喜多川副社長と激突、その危機を救ったのがジャニー喜多川社長だったというエピソードが紹介されている。しかし問題はその背景として語られる、ジャニーズ事務所とタレントの関係だ。
「ジャニーズ事務所の場合は紙の契約書なんて必要ない、っていう部分があるんですよね。契約書がなくてもタレントたちはついてくる、という自信と力」(記事内の元スタッフコメント)
タレントとの契約書がない。だから事務所がピンハネし、タレントを安く使える――。確かに、これまでも海外メディアなどは日本の芸能事務所とタレントの関係を“奴隷労働”になぞらえる報道もあった。SMAP独立でもそうだし、のん(能年玲奈)の事務所独立騒動でも然りだ。
タレントより事務所の力の方が、断然上。だから事務所に逆らうと干される。ハリウッドのような俳優組合なんて夢の夢。
そうした実態が図らずも浮かび上がってくるが、その代表格・ジャニーズ事務所は契約書もないらしい。これはいくら何でもまずいでしょ。若者の夢を逆手に、やりたい放題。それがジャニーズ帝国、成功の秘訣の1つなのか。
これは日本の芸能界に巣食う問題でもある。例えば、14年に小栗旬が俳優の労働条件を改善すべく労働組合構想を語ったことがある。その際、小栗は「自分は誰かに殺されるかもしれない」くらいの覚悟が必要だと言っていたが、そこまで理不尽な立場に置かれているのが、日本の芸能人なのだろう。
「NEWS」暴露本で図らずも浮かび上がってくるジャニーズ事務所の“体質”。ほかにも、きっとこれまで描かれなかったNEWS、そしてジャニーズの “内幕”が記されているはずだ。9日の発売を楽しみにして待ちたい。
この国の政府与党は強行採決が大好きらしい。安保法案、TPP、特定秘密保護法、カジノ法案、そして年金カット法案――。
特に年金カット法案については、高齢者にとって死活問題となるだけでなく、若者の将来をどん底に落とすものでもある。
今週の「週女」は、そんな年金カット法案について特集しているが、そこには絶望的までの“事実”が指摘されている。
「ゴールは年金4割カット法案」
「夫婦で月額約13万円がゴールです」
これは国民年金世帯の話ではない。40 年サラリーマン生活をして、厚生年金を受給される世帯でなのだ。さらに記事によれば、30年後にはほぼこの数字になるだろうと予測されているという。
いいのか、これで。しかし多くの国民は思うかもしれない。少子高齢者社会なのだから、ある程度仕方がない。物価と賃金に合わせるマクロ経済式スライドだから、と。全然よくないだろう。
だって、安倍政権は私たちの年金を1年ちょっとの間で10.5兆円も“消し去って”いるのだから。安倍政権は14年12月に「株式市場を活性化する」と宣言し、年金積立管理運用独立行政法人の運用計画を見直したが、その結果、10.5兆円もの公的年金積立金を損出させた。しかしその責任を取るどころか、国民への年金をカットする法案を強行採決し、その付けを国民に回そうというのだ。それだけではない。医療費にしても70~74歳の窓口負担を2割に引き上げた。
これは高齢者だけの問題ではない。将来、必ず高齢者になる全国民の問題だ。
しかし、なぜ国民はこんなことになっても怒りを表明しないのか。なぜ60%以上という高い支持率で安倍政権を維持させるのか。
理解できない。
「週女」の記事には、岐阜大学生活経済学の大藪千穂教授のこんな絶望的対処方法が記されている。
「“足りないので、あとは自分でやってくださいね”という政府からのメッセージとみていい」
「働けるだけ働いたほうがいいでしょう」
1位に挙げた芸能事務所だけでなく、日本全体が自己責任の奴隷労働国家となっていく。
「セブン」の巻頭グラビアに登場したTOKIOの松岡昌宏が、知られざる自分のデビューと「女性セブン」のエピソードを語っている。
「女性セブンがなかったら、今のおれはいないからね!」
独占インタビューでの媒体ヨイショかと思ったら、そうではないらしい。なんでもジャニーズ入りしたかった小学5年生だった松岡は、事務所の電話番号がわからなかった。そのため母親が読んでいた「セブン」編集部に電話して、ジャニーズ事務所の電話番号を教えてもらった。
なんともホノボノエピソードである。小学5年生の問い合わせにきちんと対応した「セブン」編集部も偉い。