下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
ゴールデンウィークも明け、合併号休みの週刊誌も発売され始めたが、「週刊朝日」(朝日新聞出版)と「サンデー毎日」(毎日新聞出版)を見てびっくり。表紙が嵐・二宮和也と櫻井翔で誌面にはインタビュー記事も。そして山口達也事件はほぼ黙殺。今週の「女性自身」の表紙は櫻井翔にもかかわらず、事件を大々的に報じているのに……。
第411回(4/26〜5/8発売号より)
1位「TOKIO山口達也 強制わいせつ騒動のすべて 緊急会見で見えた3つの“フラジャイル”案件」(「週刊女性」5月22日号)
2位「福田財務次官セクハラ事件 テレ朝上司と被害記者 女ふたり『録音テープを守れ!』絶対に闘うと誓った白昼の密談」(「女性セブン」5月10・17日合併号)
3位「有働由美子アナ『東京五輪も…』“フリー転身”胸中初告白 『結婚は幸せのゴールじゃない!』」(「女性自身」5月22日号)
あの一言がなかったらどうなっていたのか。TOKIOの山口達也がジャニーズ事務所を契約解除となったが、4月26日の会見で山口の発した「まだTOKIOに席があるなら戻りたい」発言で事態は一気に悪化していった。
そんな山口の“甘さ”について「週刊女性」がこう指摘している。
「被害者との間で示談が成立していたことで、報道されないと高をくくっていた部分もあったと思います」(芸能プロ関係者のコメント)
しかし今回の騒動で、事件に対し“高をくくっていた”のは山口だけではない。当初ジャニーズ事務所もまた、それを隠蔽しようとし、さらに事件が発覚しても“高をくくった”ように短い文書で事を収めようとしていたからだ。おそらくこれまでのようにマスコミを抑えられると思ったのだろう。必要最低限で。事態を甘く見ていたのだ。
今回メディアはこれを大々的に報じたが、それも当然だ。何しろ未成年に対するわいせつ事件という重大性のあるものだったから。しかも、昨年からの#MeTooのムーブメントがあり、日本でも性犯罪やセクハラの重大性が遅ればせながら認識されつつある。でもジャニーズは、その認識すら甘く考えていたに違いない。
さらに「週女」には今回の事件だけでなく、山口の女性に対する数々の“性的”エピソードも紹介されるが、こうした山口の悪評を事務所が把握していないはずがない。こうしたことを軽く見て、放置していたということだろう。そして酒癖や依存も。
記事には山口の飲酒に関して興味深い事実が紹介されている。それはTOKIOがCM出演する自動車メーカー・スズキとの契約の関係で、事務所としても山口がアルコール依存と診断されては困る理由があったということだ。
「自動車メーカーのCMに出演している人がアルコール依存症だということになれば、“飲酒運転”を彷彿とさせてしまい、企業や商品に対するイメージの低下は避けられません」(広告代理店関係者のコメント)
なるほど。TOKIO4人の会見で松岡昌宏が“依存症の診断が出ない”と訴えていたが、その背景にはこんな事情があったのか。
もちろん山口の行為は許し難いことだが、それを放置し依存症と診断させなかったとしたら、事務所の責任も大きい。
ゴールデンウィーク前発売の「自身」に続き「女性セブン」も、財務省の福田淳一・前事務次官によるセクハラ問題を取り上げている。記事は事態発覚後、関係各所のおやじたち――下村博文文科相やテレビ朝日報道局長、テレ朝の会見で「音声テープの謝礼はもらったか」と質問した男性記者――つまり世間のおやじどもから被害者であるテレ朝記者Aさんに向けられた批判の数々を詳細に紹介、分析した上で、それを見事に論破していくというものだ。
そして、なぜ被害者記者が福田前事務次官からの呼び出しに応じたのか、またなぜ音声テープを録っていたのかも見事に解説、そして被害者に向けられた誹謗中傷がいかに悪質で、見識が低いものか、そして被害者がどんな手段を使ってでもジャーナリストとして政府高官のセクハラを明らかにすることは“当然の行為”だと指摘したのだ。
よく言った! という特集記事だが、なかでも当初“事件をもみ消した”とされる女性上司Bさんが、被害者記者から相談された際の詳細も、Bさんの気骨ある実績を紹介した上でかなり踏み込んでいる。
「これを報じようとしたら、政権を批判したくない局上層部からの圧力で放送が握り潰される恐れがあったり、それどころか、Aさんが局内で誹謗中傷を受けたり、人事で飛ばされる恐れも充分ある」(テレ朝幹部のコメント)
セクハラを“握り潰されないため”にその時点での報道を断念した。つまりBさんが上層部にセクハラ被害を報道することを提言した場合、セクハラの最大の証拠であるテープ自体が“闇に葬られる”可能性すら示唆しているのだ。
記事では、こうしたマスコミ企業の体質やマスコミの政権批判タブーを交えながら、セクハラ問題の根深さ、そして加害者である男性の意識や見識のなさを指摘している。いつもは男性目線になりがちな「セブン」だが、今回の特集記事は女性週刊誌ならではのまっとうな視点で、あっぱれ!
「自身」が有働由美子アナのNHK退職後“初の”インタビューを掲載している。内容はタイトルにあるままで、特に驚くようなものではなかったが、インタビューに成功するまでの経緯が面白い。顔なじみの記者が有働アナを直撃するも、当初は断られ、有働アナは車の中に。しかし数分後、記者に有働アナから電話があり、急遽電話取材と相成ったとか。それをうれしそうに紹介する「自身」記事だが、直撃にはこんな“サプライズ”がある。