ドクターX「神原名医紹介所」も真っ青!? 無免許でも登録できる医師派遣サイトの闇

 女優・米倉涼子が主演する人気ドラマシリーズ『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)が好調を維持している。

 10月31日に放送された第3話は平均視聴率18.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)をマーク。「テレビ離れ」が叫ばれるなか、初回は20%超えも達成しており、すでに6回を重ねるシリーズの変わらぬ人気ぶりが際立っている。

 米倉演じる天才外科医・大門未知子はドラマの中で、特定の組織に属さない「フリーランス」として病院を渡り歩き、行く先々で難手術をこなしていく。その大門は「神原名医紹介所」なる医師の派遣会社から派遣される「派遣社員」というのが、ドラマの基本設定となっている。

 さすがに大門のようなスーパー医師を抱える派遣会社が現実社会に存在するとは考えにくいが、リアルな医師の世界では世間の想像以上に雇用の流動化が進んでいる。

「人口減と高齢化の波は医療業界にも及んでおり、現場は慢性的な人手不足に陥っている。完全な売り手市場で、給与や労働環境などで、より好条件な働き口を求めて転職を繰り返す医師が多いのが実情。その風潮をエスカレートさせているのが医師転職仲介業者の存在だ」(社会部記者)

 かつては大学病院が中心となって構築された医局制度が事実上の「医師派遣」の業を担っていたが、研修医制度の改正などによって医局は弱体化。代わって台頭したのが、医局に属さない医師の受け皿となった民間の医師転職仲介業者で、ネット上では、彼らが運営する「医師専門の転職サイト」が複数確認できる。

 そんなサイトのひとつで、刑事事件に発展してもおかしくない、あるトラブルが発生し、業界内外を騒がせているという。

 事情を知る業界関係者が、こう声を潜める。

「トラブルの舞台となったのは、大手転職サイトのひとつである『M』。このサイトでは求職者である医師と病院を結びつけるだけでなく、特定の医師から医療サービスを受けることを希望する個人と医師をマッチングするサービスも行っているのだが、このサービスを利用したある企業経営者が詐欺被害に遭ったというのです」

 この関係者によると、被害に遭ったのは大手通信会社の取締役で、人気プロスポーツチームの代表も務める、財界では名の知れた男性だという。男性は問題のサイトを通じて女性医師と知り合ったのだが、この女が食わせ物だったのだという。

「この女性医師はサイトの中で、『大手企業の令嬢』を自称し、家柄の良さをウリに受診希望者を募っていました。しかし、登録していた肩書は偽りで、医師免許さえ所持していなかった。ところが、男性は女のウソにまんまとだまされ、顧問契約を結んだばかりか、怪しげな注射を打たれたりもしたとか」(同)

 なぜ、こんなことが起きてしまったのか?

「医師の転職サイトのほとんどは、事前に医師免許の登録が必要になります。ところが、女が利用した転職サイトでは、その登録が必要なかった。女はその『穴』を巧みに利用し、身分を偽っていた。問題なのは、このサイトが業界でも大手の部類に入るということ。女はサイトの社会的信用を悪用していたのですが、業界内では『これは氷山の一角では』との声が絶えません。これまで表沙汰になっていないだけで、同じようなトラブルがあってもおかしくはない、ともっぱらです」(同)

  われわれのあずかり知らないところで、「偽医者」が跋扈しているということか……。

天皇陛下の手が震えた瞬間とは? 皇室ウォッチャー選出「即位礼正殿の儀」名シーンベスト3

 10月22日、天皇陛下の即位を国内外に知らしめる「即位の礼」が厳かに執り行われた。その中心儀式である「正殿の儀」には、報道を通して、多くの国民が関心を寄せていたが、皇室ウォッチャーの目にはどのように映ったのだろうか。今回、特に心に残ったシーンベスト3を選んでもらった。

1位:もう文句は言わせない! “大一番の1日”をまっとうされた雅子さま

 5月1日から新皇后になられた雅子さまは「四大行幸啓」や「全国赤十字大会」「ナイチンゲール記章授与式」といった重要な式典に出席されるなど、療養中とは思えないご活躍ぶりです。とはいえ、「即位礼」は別物といいますか、御帳台にお立ちになるのは、かなりのプレッシャーがかかります。ご体調が上向きな雅子さまでしたが、一部では、この日のメインイベントである「正殿の儀」に、負担の大きい装束姿で出られることへの不安の声が聞こえていました。しかし、そんな心配をよそに立派に「正殿の儀」を終えられただけでなく、天皇が即位したことを自ら賢所に告げる儀式「賢所大前の儀」、宮中晩餐会である「饗宴の儀」など、朝早くから夜遅くまで、一連の儀式を完璧にまっとうされました。国内だけではなく、世界的にも雅子さまが日本の皇后として認められた記念すべき1日になりましたね。

2位:異様な「静寂」と「緊張感」で、天皇陛下の手が震えた!

 「正殿の儀」は、日本だけでなく、全世界に天皇として即位したことを宣言するもの。各国でもニュースとして生中継報道が行われました。その映像で、高御座の幕が開き、陛下が即位の宣言に関するお言葉が書かれた紙を読まれる最中、お手元が震えていらっしゃったのが確認できるのです。当日の宮殿は約2,000人の参列者がいましたが、静寂に包まれていて、皇族方が松の間に入られるときも、衣を引きずる音が響くのみだったそう。これまで、数え切れないほど多くの式典や外遊などでスピーチなどをされてきた陛下ですが、一代に一度しかない「正殿の儀」ではさすがに緊張されていたんでしょうね。それほど皇室にとって重要な儀式だということがわかるワンシーンでした。

 「正殿の儀」では、両陛下の装束姿もさることながら、皇嗣家である秋篠宮家の皆さんの装束姿も見応えがありました。殿下は皇太子と同格であるためオレンジがかった衣装、女性方は同じような装束に見えますが、紀子さまと“未婚”である眞子さまと佳子さまでは、微妙に色合いが違うそうです。眞子さまは本来、昨年11月に小室圭さんと結婚する予定で、その際に十二単を初めてお召しになるはずでした。しかし、小室家の金銭トラブルにより、2年間の結婚延期が決まってしまった。十二単をお召しになるのは、今回と結婚されるときだけなので、来年以降、眞子さまが、笑顔で「おすべらかしの髪形」と「十二単姿」を披露されることを楽しみにしています。

番外編:「あれ、まだ始まらないの?」儀式がなかなか始まらなかった“意外な理由”

 テレビの生中継をご覧になっていた方々は、気になったかもしれませんが、「正殿の儀」が始まるのは「午後1時ちょうど」とアナウンスされていたものの、開始が5分以上遅れたのです。両陛下以外の皇室の方々は、恐らく予定通りに1時前に松の間に入られており、視聴者の中には、なかなか高御座と御帳台の幕が開かないので「あれ? まだかな」と思った方もいたのではないでしょうか。その後、きちんと儀式が始まったものの、その理由は「ブルネイ国の王子が宮殿に到着するのが遅れた」ことにあると、一部で報じられていました。私は、「もしかしたら、雅子さまのご体調が整わなくて時間がかかっているのでは」と心配してしまったのですが、そうではなくて安心しました。ブルネイ国の王子も、「即位礼」という大切な儀式でのことですし、よほどの特別な理由があって遅刻したのだと思いますが、ちょっとしたハプニングでしたね(笑)。

DV・虐待者の「更生・回復プログラム」を考える――『ザ・ノンフィクション』「目黒・結愛ちゃん虐待死事件」

 10月27日に放送された『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)「親になろうとしてごめんなさい~目黒・結愛ちゃん虐待死事件~」が、ネット上で大きな反響を呼んだ。船戸雄大被告の友人・知人から話を聞き、その人物像に迫るといった内容だったが、虐待加害に至った親の回復プログラムを開発し実施している一般社団法人「MY TREE」代表理事の森田ゆり氏は、彼の姿をどのように見たのだろうか。

 昨年3月、東京都目黒区で船戸結愛ちゃん(当時5歳)が両親から虐待され死亡する事件が起こり、義父の船戸雄大被告は、懲役13年の判決が確定しました。雄大被告は公判で内面の多くを語らず、元妻の優里被告が自分の公判と彼の公判で、恐怖で解離しながらも自分を語ろうと言葉を紡いだのと対照的でした。公判で雄大被告が語った少ない言葉の端端だけから彼の人間性をあれこれ推測することには、意味を見いだせません。

 この事件とほぼ同時期に起きた、千葉県野田市の虐待死事件も、DVと子ども虐待が併発している「家族内ダイナミックス」(家族内の力学)への理解なしには検証できません。検察も判事も裁判員も、その十分な理解がないままに公判が展開し、判決が下されたことは残念です。

雄大被告が語る「自分のエゴ」とは何か

 雄大被告が公判で語った「理想のしつけ」とは、子どもや妻をまるで自分のロボットであるかのように思う通りに操作し、形成することの喜びと快感を求める“支配とコントロール”でした。公判中、雄大被告が何度も「自分のエゴを強要した」という表現を用いたことや、『ザ・ノンフィクション』を見ても、それがうかがえます。

 雄大被告には、以下に挙げる典型的なDV加害者の価値観、心理と行動が見て取れました。

1)理想の家庭では、その「主人」である自分の考えに皆が従うものだ。何が正しいかは自分が決める。妻や子どもが自分に従わないときは、威嚇や説教や暴力で自分の思う通りにさせるのは当たり前だと考えている。身体的暴力や言葉の暴力で妻や子どもを従わせることで自分の優越性を実感できるので、そのことに多大なエネルギーを注ぎ、充足感を覚える。雄大被告が「バカ嫁」「バカ娘」と暴言を繰り返して優里被告と結愛ちゃんへ長時間にわたる説教をし、終わると「説教をしてくださってありがとうございました」と謝辞を述べさせていたことは、筆者が今まで関わったDV事例でも何度か見てきた支配の方法である。

2)「外からどう見られるか」に細心の注意を払って行動するため、しばしば仕事場、同性の友人たちからの評判は良い。真面目、礼儀正しい、義理堅いなどの印象を持たれることが多い。内の者からは崇め奉られ、外の者からは善き普通の人として認められたいとの承認欲求が、人一倍強いためだ。

3)家庭内での人間関係を操作する。そのよくあるやり方は、家庭内の「主人」としての自分の地位を維持するために、スケープゴートを1人つくって、自分の問題から目をそらさせる。時にそれは、母親がいじめと暴力のターゲットになり、家庭内のすべての問題は母親のせいにされる。ターゲットが子どもになることもある。雄大被告は結愛ちゃんをスケープゴートにすることで、妻を自分の支配下に置くことに成功していた。家族内のすべての問題は、結愛ちゃんのせいにされていた。自分が仕事につけない苛立ちも、結愛ちゃんのせいにされていたかもしれない。

4)妻を支配することに強い執念を抱く。その執念は、とりわけ妻が離婚や別居をしようとする時に常軌を逸する行動として現れる。「別れ話」が出た時は、加害者の攻撃性が最も顕著になる危険な時である。自分の“所有物”である相手が自分から離れていってしまうことは、DV加害者にとって自我の拠り所を失う危機で、何が何でも阻止しようとする。2017年4月には兵庫県伊丹市で、離婚後面会交流中に父親が4歳の娘を殺害し自殺した。DV加害者が離婚や別居後、子どもを殺す事件は、アメリカでは過去11年間に700件以上起きており、その多くが元伴侶への復讐心からだった。これは新たなタイプの子ども虐待として、大きな社会問題になっている。

 優里被告の公判では、検察官とのやりとりから、雄大被告が“恐怖”で妻を支配していた様子が見て取れます。

検察官:夫の報復が怖かったって話が出ているんですけど、報復って何ですか。
被告人:例えば、結愛を連れて逃げるってなった時に、「俺は全国各地、色んな所に友達がいる」って、そういう説教があるんですけども、だんだん……この場で言うのもおかしいけど、殺されるとか、そういう……感じ、です。
(2019年9月5日 目黒事件 母親被告人検察論告詳細報告より)

 おそらくこの検察官には、優里被告の言う「殺される」恐怖のリアリティはわからないに違いありません。DV被害者の恐怖は、言う通りにしなかったら「死」が待っていることなのです。そして実際に殺されてしまった女性たちを、私たちはどれだけ見てきたでしょう。

検察官:当時は離婚したいという思いはあった。
被告人:ずっとありました。
検察官:夫が逮捕されたら、離婚できるって思わなかったんですか。
被告人:逮捕された後に、死刑とかにならない限り、絶対に戻ってきて、絶対に報復されるから、絶対全国どこに逃げても、探偵使ってでも追いかけられるから……できないです。
(2019年9月5日 目黒事件 母親被告人検察論告詳細報告より)

 雄大被告は13年、優里被告は8年の懲役刑(控訴中)。どちらも服役中の態度がよければ早く釈放されるでしょうから、そんなに先のことではありません。雄大被告が刑を終えて出所した後、優里被告と息子の居場所を探してコンタクトしてくる可能性は、極めて高いと思われます。優里被告は、雄大被告が執念深く自分を追ってくることを知っています。その不安とともに、これから生きていくのです。

 DVによる支配とは、相手を自分の思い通りにする“マインドコントロール”にほかなりません。その手段は3つです。

1)相手を孤立させ、外からの情報を遮断する
2)恐怖を繰り返し与え、たまに優しくすることで混乱させる
3)「お前が悪い」「お前のせいだ」と相手を批判し続ける

 その結果は深刻で、恐怖で思考停止状態になり、自分で何かを感じることも、考えることもできなくなります。「支配者の機嫌を損ねないように」と、ただそれだけのためにビクビクしながら暮らすようになります。優里被告は見事にこの3つが揃ったマインドコントロールのもとで、雄大被告の言うがままになり、助けを求めることもせず、娘を死に至らしめた夫の行動を止めることができませんでした。

 収監中に優里被告は、そのマインドコントロールを解き、トラウマに向き合い、自分で感じ、自分で考えて生きていく回復のプロセスを歩んでほしいものです。同時に、雄大被告も元妻と子どもを自分の支配と所有の対象とした優越意識の価値観こそが、この陰惨な虐待死事件を引き起こしたという現実を、深く認識し直す作業が必要です。それは単なる“反省”ではありません。自分を深く見つめ直す厳しさと忍耐を必要とする、時間のかかる作業です。

 しかし、日本の刑務所に、反省を言葉にするだけでない、トラウマの影響を見つめ直すことから始める「DV加害者の更生プログラム」や「DV被害者の治療的回復プログラム」が用意されているとは聞きません。そもそも日本には、DVや虐待の加害者に更生・回復をもたらすためのプログラム受講を命令する法律すらありません。何らかの形でそれをしない限り、刑を終えて出てきた後も、雄大被告は優里被告と息子を追いかけ、DV支配を繰り返そうとするでしょう。一方で優里被告は、その恐怖に怯えて年月を過ごすばかりで、支配をはねのける強さを育てていくことができません。

 上記の見解は、DVと子ども虐待が同時に起きているケースに米国と日本で38年間携わってきた経験及び研究者としての知見から語っています。詳しくは『ドメスティック・バイオレンス』(森田ゆり著、小学館文庫)及び、『虐待・親にもケアを』(森田ゆり編著、築地書館)を参照してください。

■森田ゆり(もりた・ゆり)
作家、「MY TREEプログラム」(虐待に至った親の回復)代表理事。 元立命館大学客員教授、元カリフォルニア大学主任研究員。 1981年からCalifornia CAP Training Centerで、 1985年からはカリフォルニア州社会福祉局子ども虐待防止室トレーナーとして勤務。 1990年からカリフォルニア大学主任研究員として、多様性、 人種差別、性差別ハラスメントなど、 人権問題の研修プログラム開発と大学教職員への研修指導に当たる 。1997年に日本でエンパワメント・センターを設立し、行政、 企業、民間の依頼で、多様性、人権問題、虐待、DV、 しつけと体罰、性暴力、ヨーガ、 マインドフルネスなどをテーマに研修活動をしている。 虐待に至ってしまった親の回復プログラムMY TREEペアレンツ・プログラムを2001年に開発し、 全国にその実践者を養成、 19年間で1138人の虐待言動を終始した修了生を出している。 第57回保健文化賞、朝日ジャーナル・ノンフィクション大賞、 アメリカン・ヨーガ・アライアンス賞など受賞。

DV・虐待者の「更生・回復プログラム」を考える――『ザ・ノンフィクション』「目黒・結愛ちゃん虐待死事件」

 10月27日に放送された『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)「親になろうとしてごめんなさい~目黒・結愛ちゃん虐待死事件~」が、ネット上で大きな反響を呼んだ。船戸雄大被告の友人・知人から話を聞き、その人物像に迫るといった内容だったが、虐待加害に至った親の回復プログラムを開発し実施している一般社団法人「MY TREE」代表理事の森田ゆり氏は、彼の姿をどのように見たのだろうか。

 昨年3月、東京都目黒区で船戸結愛ちゃん(当時5歳)が両親から虐待され死亡する事件が起こり、義父の船戸雄大被告は、懲役13年の判決が確定しました。雄大被告は公判で内面の多くを語らず、元妻の優里被告が自分の公判と彼の公判で、恐怖で解離しながらも自分を語ろうと言葉を紡いだのと対照的でした。公判で雄大被告が語った少ない言葉の端端だけから彼の人間性をあれこれ推測することには、意味を見いだせません。

 この事件とほぼ同時期に起きた、千葉県野田市の虐待死事件も、DVと子ども虐待が併発している「家族内ダイナミックス」(家族内の力学)への理解なしには検証できません。検察も判事も裁判員も、その十分な理解がないままに公判が展開し、判決が下されたことは残念です。

雄大被告が語る「自分のエゴ」とは何か

 雄大被告が公判で語った「理想のしつけ」とは、子どもや妻をまるで自分のロボットであるかのように思う通りに操作し、形成することの喜びと快感を求める“支配とコントロール”でした。公判中、雄大被告が何度も「自分のエゴを強要した」という表現を用いたことや、『ザ・ノンフィクション』を見ても、それがうかがえます。

 雄大被告には、以下に挙げる典型的なDV加害者の価値観、心理と行動が見て取れました。

1)理想の家庭では、その「主人」である自分の考えに皆が従うものだ。何が正しいかは自分が決める。妻や子どもが自分に従わないときは、威嚇や説教や暴力で自分の思う通りにさせるのは当たり前だと考えている。身体的暴力や言葉の暴力で妻や子どもを従わせることで自分の優越性を実感できるので、そのことに多大なエネルギーを注ぎ、充足感を覚える。雄大被告が「バカ嫁」「バカ娘」と暴言を繰り返して優里被告と結愛ちゃんへ長時間にわたる説教をし、終わると「説教をしてくださってありがとうございました」と謝辞を述べさせていたことは、筆者が今まで関わったDV事例でも何度か見てきた支配の方法である。

2)「外からどう見られるか」に細心の注意を払って行動するため、しばしば仕事場、同性の友人たちからの評判は良い。真面目、礼儀正しい、義理堅いなどの印象を持たれることが多い。内の者からは崇め奉られ、外の者からは善き普通の人として認められたいとの承認欲求が、人一倍強いためだ。

3)家庭内での人間関係を操作する。そのよくあるやり方は、家庭内の「主人」としての自分の地位を維持するために、スケープゴートを1人つくって、自分の問題から目をそらさせる。時にそれは、母親がいじめと暴力のターゲットになり、家庭内のすべての問題は母親のせいにされる。ターゲットが子どもになることもある。雄大被告は結愛ちゃんをスケープゴートにすることで、妻を自分の支配下に置くことに成功していた。家族内のすべての問題は、結愛ちゃんのせいにされていた。自分が仕事につけない苛立ちも、結愛ちゃんのせいにされていたかもしれない。

4)妻を支配することに強い執念を抱く。その執念は、とりわけ妻が離婚や別居をしようとする時に常軌を逸する行動として現れる。「別れ話」が出た時は、加害者の攻撃性が最も顕著になる危険な時である。自分の“所有物”である相手が自分から離れていってしまうことは、DV加害者にとって自我の拠り所を失う危機で、何が何でも阻止しようとする。2017年4月には兵庫県伊丹市で、離婚後面会交流中に父親が4歳の娘を殺害し自殺した。DV加害者が離婚や別居後、子どもを殺す事件は、アメリカでは過去11年間に700件以上起きており、その多くが元伴侶への復讐心からだった。これは新たなタイプの子ども虐待として、大きな社会問題になっている。

 優里被告の公判では、検察官とのやりとりから、雄大被告が“恐怖”で妻を支配していた様子が見て取れます。

検察官:夫の報復が怖かったって話が出ているんですけど、報復って何ですか。
被告人:例えば、結愛を連れて逃げるってなった時に、「俺は全国各地、色んな所に友達がいる」って、そういう説教があるんですけども、だんだん……この場で言うのもおかしいけど、殺されるとか、そういう……感じ、です。
(2019年9月5日 目黒事件 母親被告人検察論告詳細報告より)

 おそらくこの検察官には、優里被告の言う「殺される」恐怖のリアリティはわからないに違いありません。DV被害者の恐怖は、言う通りにしなかったら「死」が待っていることなのです。そして実際に殺されてしまった女性たちを、私たちはどれだけ見てきたでしょう。

検察官:当時は離婚したいという思いはあった。
被告人:ずっとありました。
検察官:夫が逮捕されたら、離婚できるって思わなかったんですか。
被告人:逮捕された後に、死刑とかにならない限り、絶対に戻ってきて、絶対に報復されるから、絶対全国どこに逃げても、探偵使ってでも追いかけられるから……できないです。
(2019年9月5日 目黒事件 母親被告人検察論告詳細報告より)

 雄大被告は13年、優里被告は8年の懲役刑(控訴中)。どちらも服役中の態度がよければ早く釈放されるでしょうから、そんなに先のことではありません。雄大被告が刑を終えて出所した後、優里被告と息子の居場所を探してコンタクトしてくる可能性は、極めて高いと思われます。優里被告は、雄大被告が執念深く自分を追ってくることを知っています。その不安とともに、これから生きていくのです。

 DVによる支配とは、相手を自分の思い通りにする“マインドコントロール”にほかなりません。その手段は3つです。

1)相手を孤立させ、外からの情報を遮断する
2)恐怖を繰り返し与え、たまに優しくすることで混乱させる
3)「お前が悪い」「お前のせいだ」と相手を批判し続ける

 その結果は深刻で、恐怖で思考停止状態になり、自分で何かを感じることも、考えることもできなくなります。「支配者の機嫌を損ねないように」と、ただそれだけのためにビクビクしながら暮らすようになります。優里被告は見事にこの3つが揃ったマインドコントロールのもとで、雄大被告の言うがままになり、助けを求めることもせず、娘を死に至らしめた夫の行動を止めることができませんでした。

 収監中に優里被告は、そのマインドコントロールを解き、トラウマに向き合い、自分で感じ、自分で考えて生きていく回復のプロセスを歩んでほしいものです。同時に、雄大被告も元妻と子どもを自分の支配と所有の対象とした優越意識の価値観こそが、この陰惨な虐待死事件を引き起こしたという現実を、深く認識し直す作業が必要です。それは単なる“反省”ではありません。自分を深く見つめ直す厳しさと忍耐を必要とする、時間のかかる作業です。

 しかし、日本の刑務所に、反省を言葉にするだけでない、トラウマの影響を見つめ直すことから始める「DV加害者の更生プログラム」や「DV被害者の治療的回復プログラム」が用意されているとは聞きません。そもそも日本には、DVや虐待の加害者に更生・回復をもたらすためのプログラム受講を命令する法律すらありません。何らかの形でそれをしない限り、刑を終えて出てきた後も、雄大被告は優里被告と息子を追いかけ、DV支配を繰り返そうとするでしょう。一方で優里被告は、その恐怖に怯えて年月を過ごすばかりで、支配をはねのける強さを育てていくことができません。

 上記の見解は、DVと子ども虐待が同時に起きているケースに米国と日本で38年間携わってきた経験及び研究者としての知見から語っています。詳しくは『ドメスティック・バイオレンス』(森田ゆり著、小学館文庫)及び、『虐待・親にもケアを』(森田ゆり編著、築地書館)を参照してください。

■森田ゆり(もりた・ゆり)
作家、「MY TREEプログラム」(虐待に至った親の回復)代表理事。 元立命館大学客員教授、元カリフォルニア大学主任研究員。 1981年からCalifornia CAP Training Centerで、 1985年からはカリフォルニア州社会福祉局子ども虐待防止室トレーナーとして勤務。 1990年からカリフォルニア大学主任研究員として、多様性、 人種差別、性差別ハラスメントなど、 人権問題の研修プログラム開発と大学教職員への研修指導に当たる 。1997年に日本でエンパワメント・センターを設立し、行政、 企業、民間の依頼で、多様性、人権問題、虐待、DV、 しつけと体罰、性暴力、ヨーガ、 マインドフルネスなどをテーマに研修活動をしている。 虐待に至ってしまった親の回復プログラムMY TREEペアレンツ・プログラムを2001年に開発し、 全国にその実践者を養成、 19年間で1138人の虐待言動を終始した修了生を出している。 第57回保健文化賞、朝日ジャーナル・ノンフィクション大賞、 アメリカン・ヨーガ・アライアンス賞など受賞。

周辺ではボヤ騒ぎも……首里城の出火原因にヤンキーの「たき火説」が浮上⁉

 沖縄県民のみならず、日本全土に衝撃を走らせた首里城の大火災。10月31日未明に発生した火災では正殿、南殿、北殿など計7棟が焼失し、「沖縄のシンボル」は壊滅的なダメージを受けた。

「首里城は沖縄戦で焼失後、少しずつ復元されてきたが、本格的な復元事業が立ち上がったのは、本土復帰から14年後の1986年から。92年には正殿が復元され、今年1月、30年に及ぶ事業がようやく完了したばかりだった。それだけに、事業に関わった人たちには落胆が広がっています」(地元紙記者)

 現在までにはっきりした火災原因は判明していないが、地元の消防当局によれば、正殿内部の焼損が激しく、「火元はここではないかといわれている」(同)という。

 地元消防当局によると、火災が発生したのは31日午前2時40分ごろ。

人の出入りのない時間帯で、火の気のない場所からの出火だということもあり、一部メディアや捜査関係者の間では「人為的」な原因による出火の可能性が取り沙汰された。背景には沖縄の“特殊事情”も絡んでいるのだという。

「現場の状況などから、地元警察は出火原因について漏電なども含めた失火の可能性が高いとみているようです。首里城は木造である上、建物の壁面に火が燃え広がりやすい漆を塗りつけていた。正殿内部で発火し、密閉された空間の中で火が勢いを増したとの見方が強くなっています」(前出の記者)

 ただ、当初はそうした見立てとは別に、外部の何者かによる放火や火の不始末の線も疑われていたようだ。

「地元警察は出火して間もなく、出火原因についてあらゆる可能性を想定して未成年への聴取も行ったようだ。というのも、なぜか沖縄では『たき火』をするというのが、非行少年たちの“定番”の遊びとして定着しているからだ。たき火をした時の火が燃え移ったのではないか、との疑いが持たれたというわけだ」(地元関係者)

 夜遊びの場所が限られている沖縄では、暇をもてあました少年らが夜な夜な砂浜などで火を囲んで「ゆんたく」(おしゃべり)して憂さを晴らすことが珍しくないのだという。

 その「たき火」のスポットのひとつが、くだんの首里城だったとの話もある。

 那覇市出身で、学生時代に暴走族に入って非行を重ねていた30代の会社員はこう明かす。

「首里城近くの公園は、昔から『やなわらばー(悪ガキ)』たちのたまり場になっていましたよ。警備もゆるいから『肝試し』なんて言って、たまに城内に忍び込んだりもしました。僕自身も火事の一報を聞いた時、ガキがやらかしたんでは、と疑いましたよ。周辺では、若者の『たき火』の不始末で、ボヤ騒ぎが起きたこともありましたからね」

 首里城火災をめぐっては、TwitterやYouTubeで「火をつけたのは自分」と名乗り出る愉快犯も続出している。世界遺産の焼失というのは、そうしたおかしな自己顕示欲を持つ者たちにとってもインパクトがあったということなのだろう。

 いずれにしても、「県民の心のよりどころ」となっている建物だけに、早期の原因解明と再建が求められるのは間違いない。

(文=赤羽博嗣)

 

『奴隷労働』著者・巣内尚子氏に聞く、ベトナム技能実習生の現実(後編)――日本の「移民」問題

 日本で外国人労働者の受け入れが拡大する中、技能実習生の処遇をめぐる問題が浮き彫りになっている。『奴隷労働―ベトナム人技能実習生の実態』(花伝社)の著者・巣内尚子さんに、外国人技能実習生の実情と、我々に何ができるかを聞いた。

(前編「『奴隷労働』著者・巣内尚子氏に聞く、ベトナム技能実習生の現実(前編)――奴隷生む闇の“産業”」はこちら)

知らない間に福島で除染作業をさせられ……

――外国人技能実習生や労働者をめぐる問題は、低賃金と長時間労働のほかにもあるようです。

巣内尚子さん(以下、巣内) たくさんあります。問題が絶えないのは、根本には、「日本では移民は受け入れない」という考えがあるからではないでしょうか。

 実際に、「3年後には帰るお前に教えることなどない」と怒鳴られ、何も教えてもらえなかった実習生がいます。実際に、聞き取りでは、来日前の職業が技能実習の職種と異なる例、帰国後の職業が技能実習の職種と異なる例が大半でした。今回の入管法では、外国人労働者の受け入れ拡大が図られていますが、実習生については「長居をせずに単純労働だけをして、技能実習の期間が終われば早く帰国してほしい」ということです。

 一方で、技能実習生は決められた職種でしか働けないはずなのに、事前の説明のないまま、福島で除染作業をさせられていた例もあります。この技能実習生はもともと建設の職種で来日していました。自身の仕事が除染作業だとわかり、健康面の不安を抱き、ベトナムの送り出し機関、日本の監理団体などに説明を求めたのですが、誰にも取り合ってもらえませんでした。

 この技能実習生の賃金は、基本給が13万円ほどで、そこから寮費の1万5000円と税金・社会保険料などを引くと、手取りは8~9万円だけでした。この金額から、生活費として3万円を使うと、残りはわずか5万円。それが除染労働で得た対価というわけです。このようなことが行われたということの背景には、技能実習生はあくまで「入れ替え可能な労働者」であり、いつか帰国する存在として企業がとらえているからではないでしょうか。

――技能実習生の中には、雇用先から性暴力の被害に遭う人もいると報じられいます。

巣内 性暴力については被害者が泣き寝入りしていることもあると思うので、それらを含めればもっと多いのではないかと思います。佐賀県で技能実習生を支援されている越田舞子さん(「国際コミュニケーションネットワークかけはし」代表)から聞いた事例では、性暴力被害に遭った女性技能実習生がいたものの、受け入れ企業に帰国させられることを恐れ、警察に行けなかったということがありました。

 性暴力の被害者が泣き寝入りをすることについて、私は、前述したように技能実習生が交渉力の弱い労働者であり、声を上げにくい状況にあることに加え、ベトナムの社会的状況も影響しているのではないかと考えています。

 ベトナムでは、性暴力やセクハラなどの被害者が声を上げることは難しい状況にあります。被害者の側に問題があると見られてしまうことがあるためです。日本でも以前は「セクハラ」という概念は一般的ではなく、フェミニストや研究者が尽力したことで、この言葉が定着した経緯がありますが、ベトナムでは今も十分に浸透していませんので、技能実習生の中にも、その概念をきちんと理解していない人もいるでしょう。聞き取り対象者の中には、「職場で性的嫌がらせを受けたことがありますか」という質問に対し、最初は「ない」と答えた人が、具体的なセクハラの事例を挙げたところ、「会社の人から体を触られて嫌な思いをした。ほかの技能実習生も被害に遭った。でも、何も言わなかった」と説明してくれました。

 こうした事例からは、技能実習生に対し、事前にセクハラを含む職場でのハラスメントについての理解を促すとともに、相談しやすい環境を整備することが求められているといえます。

――だから「失踪」する実習生も多いのですね。2018年には前年から1963人増の9052人が失踪し、政府も問題視しています。

巣内 私は、実習先企業などから実習生が逃げることを「失踪」と呼ぶことには違和感があります。むしろ生命の危険を感じたり、やむにやまれず追い詰められて「逃げた」「避難した」のではないかと考えています。詳しくは本書に書きましたが、私が聞き取りをした実習生たちは、劣悪な労働環境や暴言、暴力、低賃金といった搾取などを受け、悩みぬいた末に、「逃げる」ことを決意していました。

――借金を背負っているのに逃げるのは、よほどのことでしょうね。

巣内 はい。繰り返しになりますが、技能実習生は制度的に在留資格、住まい、仕事が一体化している状況の中、日本で就労・生活していますから、会社から逃げてしまうと、在留資格、住まい、仕事を一度に失うリスクがあります。さらにご指摘のように、借金もあります。それでもわざわざ逃げるということは、その決断に至るまでに、よほどのことがあったのだと考えています。

 ある建設の技能実習生は、日ごろから暴言、暴力を受けていた上、ある日、上司から叱責され、雨の中で立たされたショックで、会社を出ました。この技能実習生は継続する暴言、暴力ですでに疲れ果てていたところ、さらに雨の中で立たされて、耐えられなくなってしまい、あてもなく、会社を出たと話していました。

 朝3時までの長時間労働、残業代未払い、暴言、不衛生な寮での共同生活、外出の制限などの状況を受け、悩み抜いた末に、会社を出た技能実習生もいます。この技能実習生は、休みは月に3日程度、朝8時から翌朝3時までの就労が継続し、体調不良もありましたから、緊急避難といえる状況ですよね。

 技能実習生は来日までに、ベトナム側で数カ月間の来日前研修を受け、さらに正規の手続きを経て来日します。そのために高額の渡航前費用を支払っています。これだけの手間と時間とお金をかけて来日した技能実習生の中に、逃げたくて逃げる人がどれだけいるのでしょうか? 聞き取りをすると、逃げた経験を持つ人はみな、「本当は逃げたくなかった」と答えています。

――そうして逃げた実習生は、国にどう扱われるのですか?

巣内 日本政府は逃げた技能実習生を「失踪者」と呼び、さらにその人たちが就労すれば「不法就労」と位置づけ、取り締まり対象にします。逃げた技能実習生は、拘束、強制送還の対象になりますから、犯罪者のように扱われるわけです。ですが、その人たちが逃げるという決断をした事情を丁寧に見なければいけません。同時に、逃げるという重い選択をさせた技能実習制度の在り方を見なければいけません。

――そんな日本に来たいと思う人はいませんね。英金融大手HSBCホールディングスが毎年行う各国の駐在員の「働きたい国ランキング」では、日本は調査可能な33カ国(地域含む)のうち32位とワースト2位になったことが報じられています。賃金と労働時間、子育てのしやすさが最下位と、今の日本の問題がそのまま指摘される形となりました。このままでは、日本に誰も来なくなってしまいます。

巣内 たしかに今のままでは、日本で働くこと、暮らすことをネガティブにとらえる人は増えるのではないでしょうか。ベトナムは「フェイスブック大国」でもあり、日本の技能実習生や留学生が抱える課題はSNSを通じてベトナム側にも知らされつつあると思います。またベトナム人の移住労働先には台湾や韓国もあるわけですから、そちらのほうがいいとなれば、日本に来る理由がなくなるのではないかと思います。

――日本は、どうすればいいのでしょうか?

巣内 問題が多い技能実習制度を廃止し、仲介組織を排除することが必要だと思います。その上で、外国人をきちんとした労働者として受け入れ、転職の自由を認めることをはじめ、労働者としての権利保護を進めるとともに、定着に向けた仕組みを整備する必要があります。

 特に、受け入れに当たり、労働者の相談窓口の整備を進めるなど、支援体制を強化する必要があります。7月後半から2カ月ほど台湾で移住労働者の調査をしたのですが、台湾には移住労働者が無料で相談できる公的なホットライン「1955」があります。このホットラインは1年中、24時間運営されており、日中就労している移住労働者も夜間や休日に相談できます。タイ語、インドネシア語、ベトナム語、英語、中国語などの多言語対応ですので、移住労働者は母語での相談が可能です。台湾の移住労働者受け入れにも課題が多く、搾取や虐待の被害に遭う人が後を絶ちませんが、それでも公的相談窓口があることで、相談はしやすくなっています。ホットラインは一例にすぎませんが、公的部門が責任をもって移住労働者の支援体制を整えることが急務です。

 もう一つ私たちができることは、社会との連帯です。例えば、労働者が一人で戦うのは容易ではありませんので、外国人労働者が組織化して戦えるような状況が生まれることが期待されます。例えば日本では、移住労働者の権利のための行動 「マーチ・イン・マーチ March in March」が毎年実施されています。こうした運動は外国人だけではなく、日本人労働者にも必要ですよね。連帯できるところで、つながりを持ち、協力しながら国籍に関係なく、労働者全体の処遇改善を求めて動くことができるのではと思います。

 もし労働運動に参加するのはハードルが高いというのであれば、私たちが日常生活の中で可能なことは、まず外国人労働者の実情を知るということだと思います。技能実習生は日本社会とのつながりが希薄な人もおり、なかなかその実情が知られていないところがまだあると思います。外国人労働者の実情を知ることで、それが投票行動に影響するなどして状況が変わっていくこともあるのではないでしょうか。

 そして、身近な外国人の方と日常生活の中で交流を持つことも大事だと思います。例えば、コンビニエンスストアや飲食店などで働く外国人の方を見かけたとき、あるいは工場などに自転車で通勤する技能実習生を見かけた時には、挨拶をし合ったり、言葉を交わすなどしたりしてみてはいかがでしょうか。そうした小さな交流の中で、もしかしたら、外国出身の方を取り巻く状況や課題が見えてくるかもしれません。

巣内尚子(すない・なおこ)
1981年生まれ。フリージャーナリスト。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了(社会学修士)。現在はカナダ・ケベック州のラバル大学博士課程に在籍、2015年3月から16年2月まではベトナム社会科学院・家族ジェンダー研究所に客員研究員として滞在するなど、国内外で記者、研究者として活動。研究分野は国際社会学と移住現象のジェンダー分析。

「女に生まれたこと」への絶望と諦め……世界中の女性が感じる痛みを描いた映画『少女は夜明けに夢をみる』

「私はどうでもいい存在?」「私はそんなにみじめな人間なの?」

 薬物依存や貧困、虐待などといった問題を抱える親に対し、目いっぱいに涙をためながら必死に愛を求める少女――。これは、イランの少女更生施設での一場面だ。そして今この瞬間、日本のどこかで起こっているであろう光景であり、悲しいことに、恐らく世界中のどこででも起こり得る光景だ。

 11月2日公開の映画『少女は夜明けに夢をみる』は、強盗や殺人、売春などの罪で更生施設に収容された少女たちの内面に迫ったドキュメンタリーだ。監督は、イランを代表するドキュメンタリー作家のメヘルダード・オスコウイ氏。少女たちと会話を重ね、時にはカメラを据えて、時には少女同士のやりとりの中から、彼女たちの刺さるような言葉を引き出した。彼は、更生施設に収容された少年たちにカメラを向けた『IT’S ALWAYS LATE FOR FREEDOM』(2007)や『THE LAST DAYS OF WINTER』(11)で、イランの子どもたちを取り巻く厳しい社会状況に焦点を当てた。

 『少女は~』は実に7年もの年月をかけて撮影許可を得た作品であり、「過酷」という言葉では片づけられないほどの環境を生き抜いてきた少女たちの話は、監督自身「撮影しているのが非常につらかった」と振り返るほど。宗教的な背景は違えど、彼女たちの置かれた状況は、日本の少女たちにも通じるものがある。大人として、また、子どもが生きるには過酷すぎる社会を担う人間として、私たちにできることはなにか。来日したオスコウイ氏に話を聞いた。

 撮影許可に7年も費やした理由を聞くと、「毎日粘りに行っていたわけじゃないのです。ただ、数カ月に1回は政府機関に行かないと忘れられてしまうので」と笑った。なぜこの施設にこだわったのか。「少女更生施設にはカメラが入ったことがなかったですし、彼女らの生活、彼女らの気持ちを誰も伝えたことがなかった。7年でも10年でも20年でも、とにかくその扉を開けたいと思っていました。彼女らが語ったストーリーを外に見せたかったんです」。

 以前カメラを向けた少年たちと、今回の少女たちにはどんな違いがあるのか。「顕著なのは、釈放後ですね。少年たちは社会に戻ると、刑務所にいたという事実を有利に使う傾向があります。『オレはこんなに強いんだぞ』と、男らしさを誇示するために。女性は逆に収容されていた過去に蓋をしないといけない。それがバレると、いろんな方面から批判を受け、暗い将来が彼女らを待っています」。

 暗いのは未来だけでなく、彼女たちが歩んできたこれまでの短い人生もそうだ。例えば、「名なし」と自称する少女は、12歳のときに叔父から性的虐待を受け、強盗や売春、薬物使用にも手を染めた。更生施設からの釈放には家族の引き取りが必須だが、彼女が愛する祖母は「迎えに来て」とせがむ名なしに返事をせず、あいまいな態度を見せる。ソマイエという少女は、薬物に溺れる父が母をイスで殴る姿を見て、母・姉とともに父を殺害した。イスラム教が色濃く反映されている父権社会のイランでは、父親殺しは最も重い罪。この施設には17歳以下の少女たちが収容されているのだが、ソマイエはその若さで死刑が宣告されている。

 抱えきれないほどの痛みを持っている少女たち。薬物がらみの犯罪が目立つのは、近隣国カザフスタンが世界有数の麻薬産出国で、国際売買ルートとしてイランを通過するため。近年イランでは薬物常用者が急増しており、ソマイエは「娘に売春させたお金で、クスリを買うような男が私たちの父親なの」と伏し目がちに話す。

 薬物以上に少女たちの人生に影を落としているのが、性的虐待など肉親からの性暴力だ。ハーテレという少女は、姉とともに叔父から性的虐待を受けてきた。母親に相談しても「ウソつき」とぶたれ、家出。浮浪罪で施設に収容された。監督に「夢は?」と問われると、「死ぬこと」と答える。家族に裏切られ、孤立し、年齢と父権社会というイランの現状のせいで自立もままならない。八方塞がりの中で、彼女たちは絶望を深めるばかりだ。それを裏付けるかのように、彼女たちの体には自傷の痕が見られ、ノートには首つりをしている自分のイラストが描かれている。

 その絶望は徐々に、「女に生まれたこと」への否定を生み出す。母の愛情を兄に独占されているマスーメは、もし自身が女の子を産んだらと問われると「殺す」と間髪入れずに答え、男の子なら「母の宝だわ」と笑顔を見せる。逆に、性的虐待を受けたハーテレは「男の子を産んだら名前は?」と聞かれると、「殺すわ」と冷笑を浮かべる。どちらも、根底にあるのは「女という性に生まれたこと」への恨みだろう。

 そんな少女たちの心からの叫びを受け止めているのは、インタビュイーと監督のやり取りを隣で聞いている少女だ。彼女たちの表情、涙、そしてインタビュイーの背に回された小さな手が、どれだけ苦しい人生を歩んできたかを物語っている。監督は彼女たちの関係について、「彼女らは大体同じ悲しみ、同じ痛みを持っている。お互いを慰め、癒やしているのです。少女たちの家庭は、家族の絆が強くないと生活がままならない層です。そんな中で、彼女らは家族から離れて施設に入っている。そのためそばにいる友達を家族の代わりにするのです。だからこそ、彼女らは施設での生活に耐えられる」と説明する。

 これまで「見えざる人(インビジブル・ピープル)」と呼ばれていた彼女たちの痛みを、作品を通して世界に訴えた監督。父権社会のイランでは女性の地位はまだまだ低く、社会構造の変化は簡単ではない。その中で、彼女たちを救うための手段を聞くと、作品そのものだという答えが返ってきた。

「更生施設にいる少年たちを題材とした『IT’S ALWAYS LATE~』『THE LAST DAYS~』では支援者と一緒になって動き、15歳未満は更生施設ではなく保護センターのようなところに収容されるというような運用になりました。またイラン南部のケシュム島では、女性たちは宗教的背景から非常に強い抑圧を受け、眉と鼻を圧迫するような伝統的なブルカ(マスク)を着けていたのですが、彼女たちの心の声を拾った『THE OTHER SIDE OF BURKA』(04)というドキュメンタリー映画を作った後では、島の若い女性は『ブルカをしなくても生きられるんだ』と気づき、着けなくなりました。彼女たちは勉強を始めたり、大学に行ったりしている。映像の影響は強く、人生を変えた人はたくさんいます。今回の映画も、リサーチしている段階では、施設に40人の少女がいたのですけれども、実際に撮影に行くと20人になっていました。映画を撮り終えると7人になり、今は4人。制度を少しずつ変え、施設は最も重い犯罪を起こした子しか入らなくなりました」

 制度は変わっても、社会構造や社会を貫く価値観を変えるのはそう簡単ではない。劇中、彼女たちは施設を訪れたイスラム法学者に畳みかけるように質問する。「なぜ男と女の命の重みは違うのですか?」「父親は子を殺しても責められません。褒められたりする。でも子が父親を殺すと処刑されるのはなぜ?」「(父母の結婚前に自分が生まれたことを周囲に責められる)生まれたのは私のせいですか?」。この問いに答えられる大人ははたしているだろうか。いつの時代の社会のゆがみやひずみの犠牲になるのは、立場の弱い女性や子どもだ。彼女たちを少しでも救うために、私たちはなにをすべきなのか。

「私はそういった声を上げる一人ひとりの協力者に大きな希望を持っていますが、同時に私たちができることの範囲について疑問も持っています。最終的には、為政者が国民を自分の家族と思わないと、この問題は解決しないからです。国を一人の人間と考えたときに、為政者は脳で、一つひとつの家族は細胞です。脳が自分の利益ばかり求め、全体を見なくなると、他の細胞はがんになったり腐ってしまったりする。最初に腐り始めるのは、ダイレクトに社会と向き合っている親。そうすると、親は自分のことしか考えられずに、子どものことが見えなくなるのです。今回のような作品は世界中で作られているのでしょうが、私は問題を提示するだけでなく、こういった少年少女たちが生まれないような社会を目指しています。でも残念ながら、今の世界はどんどん人間らしさが失われています。人間らしい生活、価値観を取り戻さないと家族はバラバラになっていく。子どもたちをどう育てていくのか、どういった法律を作ればいいのか。要するに子どもたち一人ひとりをちゃんと見ていかないと、子どもたちにいい道を切り開いてあげることができない」

 映画では、かろうじて一人の少女が笑顔を取り戻した顛末が描かれているが、大半の少女は絶望に打ちひしがれ、半ば人生をあきらめたように施設を出ていく。この作品にはカタルシスはない。正解も、救いもない。むしろ、多くの女性が持っている「女というだけで痛めつけられた過去」が彼女たちに共鳴するかのようにぶり返す。それでも“インビジブル・ピープル”とされてきた彼女たちが、顔と名前と声を持って伝える事実に耳を傾けるべきだ。まだあどけなさが残る彼女たちが、眠れぬ夜を過ごした明け方に、「社会には勝てない」「どこかのドブでのたれ死ぬだけよ」と泣いているのだから。そして子どもたちが未来に思いを馳せられるような社会にするために、考え続けなければいけない。少女たちのような環境に置かれた人に出会ったときに、悲しみで震える背に手を回すために。

(文・インタビュー=小島かほり)

『少女は夜明けに夢をみる』

11月2日(土)より、東京・岩波ホールほか全国順次公開

『奴隷労働』著者・巣内尚子氏に聞く、ベトナム技能実習生の現実(前編)――奴隷生む闇の“産業”

 4月1日の出入国管理法改定から半年。日本では外国人労働者の受け入れが拡大しているが、国内では依然として技能実習生をはじめとする外国人労働者の処遇をめぐる問題が深刻だ。今年6月、ドキュメンタリー番組『ノーナレ』(NHK)がベトナム人技能実習生の労働条件や居住環境を映し出し、その凄惨な実態が明らかになると大きな反響を呼んだ。そうした企業での酷使や暴力などの実態は、多くのメディアが報じているが、巣内尚子さんの著書『奴隷労働―ベトナム人技能実習生の実態』(花伝社)は、受け入れ国である日本だけではなく、送り出し国のベトナムの現状についても取材し、問題点をえぐり出している。外国人技能実習生問題の背景に広がる、深い闇の構造ついて聞いた。

ベトナム政府は労働者の送り出しを「労働力輸出」政策として推奨

――本書は、「反貧困ネットワーク」(代表世話人・宇都宮健児弁護士)が決定する「貧困ジャーナリズム賞2019」を受賞されました。おめでとうございます。

巣内尚子さん(以下、巣内) ありがとうございます。とても光栄なことです。私は国際社会学と移住現象のジェンダー分析を専攻しており、以前からアジアや日本国内で、海外就労経験のあるベトナム人や、外国人労働者の支援者に聞き取りをしてきました。私には人を支援する力はありません。いつも誰かの話を聞きに行き、その人たちの声を伝えることだけしかできなかったのですが、今回の賞は日本で働く外国の方とその支援者の皆さんに贈られたと思っています。この場をお借りして、本書の取材にご協力いただいたベトナム人技能実習生の皆さん、カンボジアと中国の技能実習生、フィリピンの労働者の皆さん、外国人を支援されている皆さんに感謝を申し上げます。

――今回の受賞は、技能実習制度が日本だけでなくベトナムにおいても「もうかるビジネス」として機能していること、それによって搾取による貧困や暴力など、重大な人権侵害が繰り返されていることが明らかにされた点が評価されたそうですね。

巣内 はい。現在、日本の外国人技能実習生の半数近くがベトナム国籍ですが、ベトナム人技能実習生は、来日するためにベトナム側の送り出し機関に高額の渡航前費用を支払っています。この渡航前費用のために、技能実習生が莫大な借金を背負っていることが問題だと思います。

 日本の技能実習制度では、技能実習生の送り出しを担う国の組織を「送り出し機関」と呼びます。ベトナムの送り出し機関は同国政府から事業免許を付与された機関なのですが、現地では「仲介会社」「労働力輸出会社」と呼ばれています。またベトナム政府は、日本や台湾、韓国など海外への労働者の送り出しを「労働力輸出」政策として位置付け、推奨しています。「労働力輸出」という言葉はぎょっとされる方もいるかもしれませんが、ベトナムでは政府はこの言葉を普通に使っており、外貨獲得、貧困削減、失業対策のための施策として位置付けています。この政策の下、送り出し機関は営利目的のビジネスを展開しているわけです。

 ベトナムからは技能実習生としてだけではなく、留学生として来日する人も少なくありません。ジャーナリストの出井康博さんが、仲介会社に多額の費用を払い、借金をした上で来日する留学生の問題を指摘されています。私も、やはり多額の渡航前費用を借金により工面して来日してきたベトナム人留学生に聞き取りをしました。留学というルートでの送り出しもまた、仲介会社にとってはビジネスの対象なのです。

――渡航前費用はいくらぐらいするのですか?

巣内 技能実習生が送り出し機関に支払う渡航前費用はその内容が明確ではなく、ブラックボックス化しています。中には、日本の監理団体や受け入れ企業への接待費用やキックバックなどが、この手数料に上乗せされるケースもあるといわれています。ジャーナリストの安田浩一さんが2007年に発表された『外国人研修生殺人事件』(七つ森書館)では、中国の方たちが送り出し機関に高額の渡航前費用を支払い、来日していることが指摘されました。私がベトナム人技能実習生への聞き取りをする中で、中国からの送り出しと同様の渡航前費用の問題があることがわかり、国を超えて問題が繰り返されていることに驚いたんです。

 そして、技能実習生の賃金はそう高くない上、賃金から社会保険料、税金、寮費などが引かれると、手取りは10万円に届かないこともあります。聞き取りした技能実習生の中で賞与をもらっている人はいませんでしたので、年間の手取りは100万円を切ることもあります。少ない手取りから渡航前費用の借金を返すわけです。技能実習生をめぐっては、労働問題が指摘されてきたわけですが、賃金の低さと渡航前費用の借金に起因する貧困状態もまた問題なのです。

――詳しくは本書に書かれていますが、外国人技能実習生の問題は、日本だけの問題ではないということですね。

巣内 はい。日本の受け入れ企業における労働問題が指摘されてきたのですが、実際には送り出し国の問題も複雑に絡み合っています。

 技能実習制度では大半の企業が、「団体監理型」という仕組みで技能実習生を受け入れています。ベトナム側では技能実習の希望者が送り出し機関を利用し、日本の受け入れ企業は、監理団体という仲介組織を必ず利用することになっています。つまり直接雇用ではなく、労働者と雇用者の間に必ず仲介組織が入るのです。その際、技能実習生は送り出し機関に手数料を支払い、受け入れ企業は監理団体に監理費や紹介料などを支払います。

 私の聞き取りの対象となったベトナム人技能実習生59人(2005〜17年に来日)の渡航前費用は平均約94万4300円です。渡航前費用のために、ほとんどが借金をしており、借金の平均は約76万8300円でした。技能実習生は、この借金を日本で働いて得た収入から返します。ですが、技能実習生の賃金は各地の最低賃金水準に張り付いていると指摘されることもあるほど、高くはありませんから、借金返済には1~2年かかることもあります。これだけの借金を背負って行う行為を「移住労働」と言っていいのか、あるいは「債務労働」「人身取引」と言うべきなのか、丁寧に議論する必要があると思います。

――実習生の借金先は、どういったところですか?

巣内 聞き取りで興味深いと思ったのは、銀行からお金を借りた人が多かったことです。これはベトナム政府が政策的に移住労働の希望者を対象に、渡航前費用支払いのための融資をしていることが背景にあると考えられます。技能実習生の多くは農村出身者ですから、家族が土地使用権を担保に銀行から融資を受け、渡航前費用を支払うわけです。そして、技能実習生は来日後の給与から、この借金を返済するという流れなのです。この流れをみると、技能実習制度と、ベトナム政府の政策とが、結果的に借金漬けの労働者を生み出しているといえると思います。

 また日本側を見ていくと、受け入れ企業側も技能実習生を採用するため、さまざまな費用を支払っていることが見えてきます。受け入れ企業は監理団体に毎月監理費を支払っているうえ、中には紹介料を支払うケースもあります。紹介料は技能実習生1人当たり30万~50万円になるケースもあると聞きます。

 さらに技能実習生は在留資格上、最初の1年目が「1号」、2〜3年目が「2号」、4〜5年目が「3号」というのですが、1号から2号に移行するとき、2号から3号に移行するときに、それぞれ試験を受けることが求められます。この試験の受験料の中には割高なものがあり、受け入れ企業にとって負担になっているケースもあります。技能実習生は30万人を超えており、みな試験を受けるわけですから、受験料の総額は相当な金額になるのではないでしょうか。

 つまり今、ベトナムと日本の間で、技能実習生や留学生の送り出し/受け入れ事業においてさまざまな利害関係者が存在し、一つの産業が構築され、この産業がベトナム―日本間の人の移動を促進し、あるいは行き先・就労先を条件づけているのです。これを移民研究では、“移住産業”といいます。

――これまで日本政府は、実態としては労働者であるにもかかわらず、「技能」を「実習」する「実習生」だというタテマエを採ってきました。しかし、受け入れ企業は、技能実習生を労働者として扱っています。搾取はここから生まれているようです。

巣内 はい。技能実習生をめぐる問題では「悪い受け入れ企業」の問題が取り沙汰されるのですが、むしろ見るべきは、技能実習制度そのものが、“交渉力の弱い労働者”を作り出していることです。

 技能実習制度をめぐる課題は、いくつかあります。第一に、前述したように、仲介組織が技能実習生と受け入れ企業の間に入ることで生じる手数料を企業が負担しなければいけないこと。

 もう一つが、技能実習生の諸権利の制限です。技能実習生制度の下では、技能実習生は来日後、原則として受け入れ企業を変更できません。転職の自由がないのです。さらに技能実習生は家族を帯同することができず、単身で来日することになります。また住まいは受け入れ企業の用意する寮になります。こうした制度的な要因から、技能実習生は在留資格、住まい、仕事が一体化しており、がんじがらめの状態。特に受け入れ企業の変更が原則としてできないことから、受け入れ企業との間で非対称な権力関係のもとに置かれてしまいます。

 受け入れ企業に問題がある場合、支援者の手を借りるなどして、受け入れ企業の変更を申し出て、変更が認められることもありますが、そのためには、まず外部に相談し、支援を仰がなければなりません。しかし、技能実習生は借金漬けの状態で来日していますから、借金返済をせねばなりませんし、家族への仕送りの責任もあります。そのような状態において、外部に相談することで受け入れ企業が怒り、帰国させられてしまうのではないかと技能実習生は恐れ、なかなか相談できないのです。

――ブラック企業の労働環境よりひどいかもしれませんね。

巣内 技能実習生をめぐる問題をブラック企業問題に矮小化すべきではありません。個別の企業の課題はもちろん対処しなければいけないのですが、なぜ何度も技能実習生への搾取が繰り返されるのかを考える必要があります。外国人労働者支援の草分けとして知られる「移住者と連帯する全国ネットワーク」代表理事の鳥井一平さんは、技能実習制度は「人のよい中小企業経営者を変えてしまう制度」だと指摘しています。

 技能実習制度という制度そのものが、交渉力の弱い労働者を生み出しており、ゆえに受け入れ企業における課題が繰り返されているのではないでしょうか。もし技能実習生が自由に転職できるようになれば、企業は現状のやり方では技能実習生を引き留められなくなり、処遇改善を迫られるのではないかと思います。

 さらに技能実習生というと、長時間労働や賃金未払いなど労働問題が話題になりますが、生活面の貧弱さも問題です。せっかく借金までして日本に来ても、自由に部屋も借りられず、受け入れ先が用意した不衛生な寮で集団生活をさせられる例もあります。しかし、声を上げて処遇改善を求めることは、なかなかできないのです。
(後編へつづく)

『奴隷労働』著者・巣内尚子氏に聞く、ベトナム技能実習生の現実(前編)――奴隷生む闇の“産業”

 4月1日の出入国管理法改定から半年。日本では外国人労働者の受け入れが拡大しているが、国内では依然として技能実習生をはじめとする外国人労働者の処遇をめぐる問題が深刻だ。今年6月、ドキュメンタリー番組『ノーナレ』(NHK)がベトナム人技能実習生の労働条件や居住環境を映し出し、その凄惨な実態が明らかになると大きな反響を呼んだ。そうした企業での酷使や暴力などの実態は、多くのメディアが報じているが、巣内尚子さんの著書『奴隷労働―ベトナム人技能実習生の実態』(花伝社)は、受け入れ国である日本だけではなく、送り出し国のベトナムの現状についても取材し、問題点をえぐり出している。外国人技能実習生問題の背景に広がる、深い闇の構造ついて聞いた。

ベトナム政府は労働者の送り出しを「労働力輸出」政策として推奨

――本書は、「反貧困ネットワーク」(代表世話人・宇都宮健児弁護士)が決定する「貧困ジャーナリズム賞2019」を受賞されました。おめでとうございます。

巣内尚子さん(以下、巣内) ありがとうございます。とても光栄なことです。私は国際社会学と移住現象のジェンダー分析を専攻しており、以前からアジアや日本国内で、海外就労経験のあるベトナム人や、外国人労働者の支援者に聞き取りをしてきました。私には人を支援する力はありません。いつも誰かの話を聞きに行き、その人たちの声を伝えることだけしかできなかったのですが、今回の賞は日本で働く外国の方とその支援者の皆さんに贈られたと思っています。この場をお借りして、本書の取材にご協力いただいたベトナム人技能実習生の皆さん、カンボジアと中国の技能実習生、フィリピンの労働者の皆さん、外国人を支援されている皆さんに感謝を申し上げます。

――今回の受賞は、技能実習制度が日本だけでなくベトナムにおいても「もうかるビジネス」として機能していること、それによって搾取による貧困や暴力など、重大な人権侵害が繰り返されていることが明らかにされた点が評価されたそうですね。

巣内 はい。現在、日本の外国人技能実習生の半数近くがベトナム国籍ですが、ベトナム人技能実習生は、来日するためにベトナム側の送り出し機関に高額の渡航前費用を支払っています。この渡航前費用のために、技能実習生が莫大な借金を背負っていることが問題だと思います。

 日本の技能実習制度では、技能実習生の送り出しを担う国の組織を「送り出し機関」と呼びます。ベトナムの送り出し機関は同国政府から事業免許を付与された機関なのですが、現地では「仲介会社」「労働力輸出会社」と呼ばれています。またベトナム政府は、日本や台湾、韓国など海外への労働者の送り出しを「労働力輸出」政策として位置付け、推奨しています。「労働力輸出」という言葉はぎょっとされる方もいるかもしれませんが、ベトナムでは政府はこの言葉を普通に使っており、外貨獲得、貧困削減、失業対策のための施策として位置付けています。この政策の下、送り出し機関は営利目的のビジネスを展開しているわけです。

 ベトナムからは技能実習生としてだけではなく、留学生として来日する人も少なくありません。ジャーナリストの出井康博さんが、仲介会社に多額の費用を払い、借金をした上で来日する留学生の問題を指摘されています。私も、やはり多額の渡航前費用を借金により工面して来日してきたベトナム人留学生に聞き取りをしました。留学というルートでの送り出しもまた、仲介会社にとってはビジネスの対象なのです。

――渡航前費用はいくらぐらいするのですか?

巣内 技能実習生が送り出し機関に支払う渡航前費用はその内容が明確ではなく、ブラックボックス化しています。中には、日本の監理団体や受け入れ企業への接待費用やキックバックなどが、この手数料に上乗せされるケースもあるといわれています。ジャーナリストの安田浩一さんが2007年に発表された『外国人研修生殺人事件』(七つ森書館)では、中国の方たちが送り出し機関に高額の渡航前費用を支払い、来日していることが指摘されました。私がベトナム人技能実習生への聞き取りをする中で、中国からの送り出しと同様の渡航前費用の問題があることがわかり、国を超えて問題が繰り返されていることに驚いたんです。

 そして、技能実習生の賃金はそう高くない上、賃金から社会保険料、税金、寮費などが引かれると、手取りは10万円に届かないこともあります。聞き取りした技能実習生の中で賞与をもらっている人はいませんでしたので、年間の手取りは100万円を切ることもあります。少ない手取りから渡航前費用の借金を返すわけです。技能実習生をめぐっては、労働問題が指摘されてきたわけですが、賃金の低さと渡航前費用の借金に起因する貧困状態もまた問題なのです。

――詳しくは本書に書かれていますが、外国人技能実習生の問題は、日本だけの問題ではないということですね。

巣内 はい。日本の受け入れ企業における労働問題が指摘されてきたのですが、実際には送り出し国の問題も複雑に絡み合っています。

 技能実習制度では大半の企業が、「団体監理型」という仕組みで技能実習生を受け入れています。ベトナム側では技能実習の希望者が送り出し機関を利用し、日本の受け入れ企業は、監理団体という仲介組織を必ず利用することになっています。つまり直接雇用ではなく、労働者と雇用者の間に必ず仲介組織が入るのです。その際、技能実習生は送り出し機関に手数料を支払い、受け入れ企業は監理団体に監理費や紹介料などを支払います。

 私の聞き取りの対象となったベトナム人技能実習生59人(2005〜17年に来日)の渡航前費用は平均約94万4300円です。渡航前費用のために、ほとんどが借金をしており、借金の平均は約76万8300円でした。技能実習生は、この借金を日本で働いて得た収入から返します。ですが、技能実習生の賃金は各地の最低賃金水準に張り付いていると指摘されることもあるほど、高くはありませんから、借金返済には1~2年かかることもあります。これだけの借金を背負って行う行為を「移住労働」と言っていいのか、あるいは「債務労働」「人身取引」と言うべきなのか、丁寧に議論する必要があると思います。

――実習生の借金先は、どういったところですか?

巣内 聞き取りで興味深いと思ったのは、銀行からお金を借りた人が多かったことです。これはベトナム政府が政策的に移住労働の希望者を対象に、渡航前費用支払いのための融資をしていることが背景にあると考えられます。技能実習生の多くは農村出身者ですから、家族が土地使用権を担保に銀行から融資を受け、渡航前費用を支払うわけです。そして、技能実習生は来日後の給与から、この借金を返済するという流れなのです。この流れをみると、技能実習制度と、ベトナム政府の政策とが、結果的に借金漬けの労働者を生み出しているといえると思います。

 また日本側を見ていくと、受け入れ企業側も技能実習生を採用するため、さまざまな費用を支払っていることが見えてきます。受け入れ企業は監理団体に毎月監理費を支払っているうえ、中には紹介料を支払うケースもあります。紹介料は技能実習生1人当たり30万~50万円になるケースもあると聞きます。

 さらに技能実習生は在留資格上、最初の1年目が「1号」、2〜3年目が「2号」、4〜5年目が「3号」というのですが、1号から2号に移行するとき、2号から3号に移行するときに、それぞれ試験を受けることが求められます。この試験の受験料の中には割高なものがあり、受け入れ企業にとって負担になっているケースもあります。技能実習生は30万人を超えており、みな試験を受けるわけですから、受験料の総額は相当な金額になるのではないでしょうか。

 つまり今、ベトナムと日本の間で、技能実習生や留学生の送り出し/受け入れ事業においてさまざまな利害関係者が存在し、一つの産業が構築され、この産業がベトナム―日本間の人の移動を促進し、あるいは行き先・就労先を条件づけているのです。これを移民研究では、“移住産業”といいます。

――これまで日本政府は、実態としては労働者であるにもかかわらず、「技能」を「実習」する「実習生」だというタテマエを採ってきました。しかし、受け入れ企業は、技能実習生を労働者として扱っています。搾取はここから生まれているようです。

巣内 はい。技能実習生をめぐる問題では「悪い受け入れ企業」の問題が取り沙汰されるのですが、むしろ見るべきは、技能実習制度そのものが、“交渉力の弱い労働者”を作り出していることです。

 技能実習制度をめぐる課題は、いくつかあります。第一に、前述したように、仲介組織が技能実習生と受け入れ企業の間に入ることで生じる手数料を企業が負担しなければいけないこと。

 もう一つが、技能実習生の諸権利の制限です。技能実習生制度の下では、技能実習生は来日後、原則として受け入れ企業を変更できません。転職の自由がないのです。さらに技能実習生は家族を帯同することができず、単身で来日することになります。また住まいは受け入れ企業の用意する寮になります。こうした制度的な要因から、技能実習生は在留資格、住まい、仕事が一体化しており、がんじがらめの状態。特に受け入れ企業の変更が原則としてできないことから、受け入れ企業との間で非対称な権力関係のもとに置かれてしまいます。

 受け入れ企業に問題がある場合、支援者の手を借りるなどして、受け入れ企業の変更を申し出て、変更が認められることもありますが、そのためには、まず外部に相談し、支援を仰がなければなりません。しかし、技能実習生は借金漬けの状態で来日していますから、借金返済をせねばなりませんし、家族への仕送りの責任もあります。そのような状態において、外部に相談することで受け入れ企業が怒り、帰国させられてしまうのではないかと技能実習生は恐れ、なかなか相談できないのです。

――ブラック企業の労働環境よりひどいかもしれませんね。

巣内 技能実習生をめぐる問題をブラック企業問題に矮小化すべきではありません。個別の企業の課題はもちろん対処しなければいけないのですが、なぜ何度も技能実習生への搾取が繰り返されるのかを考える必要があります。外国人労働者支援の草分けとして知られる「移住者と連帯する全国ネットワーク」代表理事の鳥井一平さんは、技能実習制度は「人のよい中小企業経営者を変えてしまう制度」だと指摘しています。

 技能実習制度という制度そのものが、交渉力の弱い労働者を生み出しており、ゆえに受け入れ企業における課題が繰り返されているのではないでしょうか。もし技能実習生が自由に転職できるようになれば、企業は現状のやり方では技能実習生を引き留められなくなり、処遇改善を迫られるのではないかと思います。

 さらに技能実習生というと、長時間労働や賃金未払いなど労働問題が話題になりますが、生活面の貧弱さも問題です。せっかく借金までして日本に来ても、自由に部屋も借りられず、受け入れ先が用意した不衛生な寮で集団生活をさせられる例もあります。しかし、声を上げて処遇改善を求めることは、なかなかできないのです。
(後編へつづく)

虐待者の心理を理解する必要性について――『ザ・ノンフィクション』「目黒・結愛ちゃん虐待死事件」

10月27日に放送された『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)、「親になろうとしてごめんなさい~目黒・結愛ちゃん虐待死事件~」が大きな反響を呼んでいる。その番組内容について、都内の児童相談所に心理の専門家として19年間勤務し、『告発 児童相談所が子供を殺す』(文藝春秋)などの著書を刊行した山脇由貴子氏が考察する。

 『ザ・ノンフィクション』で、東京・目黒で船戸結愛ちゃん(当時5歳)が虐待死した事件に関し、船戸雄大被告の友人や同級生、元上司や雄大被告が兄のように慕っていた知人らが、その人柄について語った。

 結愛ちゃんの痛ましい死、そして反省文を覚えている方も多いと思う。5歳の女の子の書いた文章としてはあまりに切なかった。

「ほんとうにおなじことはしません ゆるして きのうぜんぜんできてなかったこと これまでまいにちやってきたことをなおす これまでどんだけあほみたいにあそんだか あそぶってあほみたいだから やめるから もうぜったいぜったいやらないからね ぜったいやくそくします」(反省文の一部)

 私は児童相談所に勤務していた頃、同じように、親に書かされたであろう子どもの反省文をたくさん見てきた。子どもを虐待し、そして反省文を書かせる親は、自分が正しいことをしていると信じている。自分は子どものために、しつけのために正しいことをやっている。だから、自分の言うことを聞かない子どもが悪い。本当にそう思っているから、反省文を書かせるのだ。そして子どもの書いた反省文を、自分が虐待などしていない証拠として、自慢げに持って来る親もいた。

 雄大被告も、自分のやっていることは正しいと信じていたのだろう。実際、番組内では紹介されなかったが、裁判の中で、結愛ちゃんを2度保護した香川県の児童相談所の職員は、雄大被告が「子育てに自信を持っていた」と証言した。雄大被告は、結愛ちゃんをここまで良くしたのは自分だ、と児童相談所職員に話していたのだ。自分のしていることが虐待だと気づかぬまま、結愛ちゃんのために、正しいことをしていると信じ続け、そして死に至らしめたのだ。

語られる人物像から見える「強い孤独感と承認欲求」

 一方、友人や知人らが語る雄大被告の人柄から見えてくるのは、強い孤独感と承認欲求だ。

 雄大被告は、仕事も真面目で、飲み会の幹事も積極的に引き受けていた、という。また、友人のやっている香川のキャバクラで人手が足りないと言われ、友人を助けるために北海道から香川へ転居している。品川のマンションに住んでいた時は、友人を招待することも頻繁だったようだ。

 雄大被告は、独りでいることが耐え難かったのではないだろうか。バーに足を運んで、そこで知り合った人を兄のように慕っていた、という話もある。常に孤独を抱え、一緒にいてくれる人を求めていたのではないだろうか。そして、人から好かれるため、認められるためなら必死に努力した。ほかの人が嫌がる役割も引き受けた。仕事が真面目だったのも、認めてほしい気持ちが強かったからだろう。

 強い孤独感と承認欲求は、雄大被告の生い立ちが関係しているように思える。雄大被告がどんな育ち方をしたのかはわからないが、孤独感と承認欲求の強さからは、子ども時代に寂しい思いをしてきたのではないか、と推察される。もしかしたら「誉められる」という経験も少なかったのかもしれない。だから大人になった後も、人から好かれようと必死に努力していたのではないか。大人になっても、雄大被告は愛情を求め続けていたように思える。

 香川で出逢った優里被告が、雄大被告を頼っていた様子も番組内からは見える。雄大被告は、頼られて、とてもうれしかったのだろう。ようやく認めてくれる、自分を必要としてくれる存在と出逢えた、と思ったのではないだろうか。優里被告と結愛ちゃんを幸せにしたいという気持ちは、きっと本心だったとも考えられる。そして、自分の思い描く理想の家庭を作りたいと願ったのも本心だろう。そしてまた、結愛ちゃんを理想の子どもにしたいと思ったのも本心だろう。

 しかし雄大被告は精神的に脆かった。番組からも、裁判内容からも、雄大被告が完璧主義であったことも垣間見られる。“理想の家庭”など簡単に実現はできない。しかし、雄大被告にはそれが耐えられなかった。自分の思い通りにいかないことに耐えられない。その完璧主義は精神的な脆さだ。雄大被告は、自分の間違いを認める柔軟性を持っていなかった。だから自分の言うことを聞かない優里被告と結愛ちゃんを許せない気持ちが強まっていった。それが、虐待のエスカレートにつながったのだ。人当たりが良く、外で不満を語らない人間は、外での疲れや怒りを家族に向ける傾向が強い。それも雄大被告が虐待をエスカレートさせていった一因であろう。

虐待を繰り返す親の心理状態

 しかしながら、雄大被告がなぜ結愛ちゃんを死に至らしめるほどの虐待を繰り返したのか、その心理状態の詳細はわからない。

 私は児童相談所勤務時代、悪質な虐待を繰り返す親にたくさん会ってきた。そして親の心理テストを取ることも多々あった。しかし日本には、子どもを虐待する親の心理を分析したデータの蓄積がない。児童相談所は親が虐待を繰り返さないための指導はするが、更生のための心理分析やプログラムは十分ではない。

 同じような事件を繰り返さないためには、虐待されている子どもの早期発見や早期の保護も必須であり、児童相談所の強化も必須だが、なぜ親が子どもを虐待するのか、その心理を分析したデータを蓄積し、児童相談所や子どもに関わる現場で働く人間が、虐待者の心理や行動特徴をしっかりと理解することが必要だ。それは各自治体に任せるのではなく、国が方針を出し、子どもを虐待した親に心理分析と更生プログラムを受けさせるという取り組みが必要なのではないだろうか。

山脇由貴子(やまわき・ゆきこ)
家族問題カウンセラー、子育てアドバイザー、心理カウンセラー、作家。都内児童相談所に心理の専門家として19年間勤務。現在、山脇 由貴子 心理オフィス代表。新聞、テレビ等で児童虐待に関するコメントを発信。著書『教室の悪魔』(ポプラ社)『告発 児童相談所が子供を殺す』(文春新書)『思春期の処方せん』(海竜社)他多数。
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