住所や本名を知らせずに同人誌を自家通販できる! あんしんBOOTHパックを試してみた

 同人誌を手に取ってもらう場合、「同人誌即売会で頒布する」以外に「通販」がある。通販は、同人誌の販社を利用する方法もあるが、自家通販(自宅から同人誌を自分で発送する)を行う人もいる。しかし自家通販の場合、作風によっては「このドスケベな同人誌を書いたのはどこそこに住む誰それ、すなわち私です」と、個人情報の厳守管理がやかましいほどのこの時代に、ガバガバと言えるほどのノーガード戦法を強いられることになる。「素性を知られず自家通販」するための手法をpixivが提供しているというので、試してみた。

■前世紀末、人々は同人誌の奥付に自分の本名と住所をしたためていた

 いにしえの彼方、20世紀末期のころは、同人誌の奥付に「自分の住所と本名」を書くのが紳士淑女のたしなみとされていた。当時流行していた耽美系のペンネームと本名のギャップにぐっときていたのも懐かしい。しかし今は、多くの同人誌の奥付の個人情報は「自分のペンネームとメールアドレス」だけとなった。

 情報化社会の21世紀において、昭和の作法に則り、奥付に本名と住所を記していたらどうなるだろう。もし、悪意とスマホを持った人が一人でもいれば「あなたが書いている非常に趣味性の高い同人誌(時としてR-18)」に「あなたの本名と住所」がそっとあしらわれた状態で世界中に公開されてしまうのだ。

 私は2年半ほどオフラインの同人活動を行い、5冊の同人誌を出しているが、すべて販社を利用し通販していた。自家通販では本名と住所がわかってしまうことに抵抗があったからだ。

「本名・住所知られたくない問題」を解消する画期的手法を長年待っていたが、いつの間にか機は熟していた。それを後押ししてくれたのは意外にもメルカリだった。同人誌の市場規模も大きいだろうが、メルカリなどネットフリマの市場規模の拡大は計り知れない。それに伴う多くの人の「名前を知らせずにブツを送りたい」というニーズを受け、画期的な手法は知らぬ間に世に出ていたのだ。

 それはpixivが提供している通販サービスBOOTH内の「あんしんBOOTHパック」だ。ヤマト運輸とpixivが提携し、自家通販で発送する人も、受け取る人も自分の個人情報を出さずにブツを送り渡せるというサービスになる。なお、ヤマト運輸では、メルカリや楽天オークションとも同様のサービス提携を行っている。

 

■ファミマからでも同人誌を送れるドキドキ感

 あんしんBOOTHパックを使ってみるべく、ちょうど私が以前同人誌の販社に預けていた最初に発行した同人誌Aの在庫が家に戻ってきたため、それをBOOTH上で登録した。

 それからおそらく数か月。いつ登録したかも忘れたくらい時がたったころ、突然、2件、連続して注文が入った。私はオフラインの同人イベントでここのところの頒布数は「10冊はいくが20冊はいかない」程度であるため、2冊はゴールドラッシュと言っていい。

 その後、行ったことは以下の通りになる。

※事前に、支払方法はあんしんBOOTHパックのみ、と指定しておく。

(1)同人誌をビニールで梱包し、さらにプチプチの緩衝材がついた封筒に入れる(どちらも100円ショップで購入できる)。宛名は何一つ書かない。先方の住所も名前もわからないので、書きようがない。

(2)BOOTHのサイトからQRコードを発行し、スマホに表示させる。

(3)スマホと封筒を持って、ヤマト運輸の営業所、もしくはファミリーマート、サークルKサンクスへ行く。

(4)コンビニの端末もしくはヤマトの営業所でQRコードを見せれば、送り状は向こうで出してくれる。

(5)終了

 やること自体はいたって簡単だ。なお、あんしんBOOTHパックでの送料は、私の場合は310円だった(A5の薄い同人誌の場合であり、送るものの大きさによって送料は増す)。なお、別途BOOTH側への決済手数料として、決済金額の3.6%がかかる。

 梱包も100円ショップの「プチプチ付き封筒」があるので楽だ。以前から100円ショップには愛しさと心強さを感じていたが、同人活動をはじめて設営や通販グッズの9割近くを100円ショップで賄う今となっては、もう「ダイソーさん」であり「セリアさん」だ。

 大量の冊数を頒布するサークルや、発行している同人誌の種類がすでに多種あるサークルなら手続きが煩雑になるので販社を利用した方がいいだろう。だが、自分の規模や頒布頻度なら販社を使わず最初からBOOTHもありだと感じた。

■旧ジャンルが頒布できるうれしさ~前ジャンルこそ、通販だ!~

 最後に、前回記事(2017年10月)からの同人誌頒布冊数の推移を報告したい。この間は同人誌即売会には参加しておらず、通販のみになる。

【状況】
・同人誌A~Eを制作。全て二次創作。「A」「B~D」「E」は原作が異なる
・書いているのは漫画でなく小説
・ソロ活動(「同担」との交流はほぼない)
・オンラインはpixivのみ利用(個人サイトもなし。twitterもROMのみで利用)
・A~Cは50部、Dは40部、Eは30部刷る(印刷所がくれる余部は含めずカウント)
・AはBOOTHで、B~Eは同人誌の販社を通じ通販している

【2017年10月の頒布冊数】
A 17冊
B 50冊(完売)
C 38冊
D 22冊
E  11冊
合計 136冊/220冊

【2018年2月の頒布冊数】
A 19冊(+2)
B 50冊(完売)
C 40冊(+2)
D 24冊(+2)
E  18冊(+7)
合計 149冊/220冊

 二次創作においては原作ジャンルを変えると、同人誌即売会での頒布場所が大きく変わる。コミックマーケットをはじめ複数日開催の大型同人イベントだと、開催日が違うことすらある。そのため即売会ではなかなか前のジャンルの同人誌は手にとってもらいにくくなるのだ。

 なので、今回処女作であるところの同人誌Aをしぶとく自家通販し、こうして二人の人に手に取ってもらえる機会ができたのは本当にうれしい。前ジャンルほど、通販だ。

 同人ライフの近況だが、昨年秋にイベントに出て新刊を発表して以来、オンライン、オフラインでも新しい話を出していない。毎日寝る前に妄想はがっつりしているために自分としては毎日ひとり楽しく絶賛同人活動中なのだが、やはり形にすると新しい発見も多い。またビッグサイト→大井町の居酒屋でひとり打ち上げのパラダイスコースを決めるべく、まずは新刊だ。

(文/石徹白未亜 [http://itoshiromia.com/])

◆石徹白未亜の過去記事はこちらから◆

★好評発売中!!
『節ネット、はじめました。 「黒ネット」「白ネット」をやっつけて、時間とお金を取り戻す』(CCCメディアハウス) 

現実生活でうまくいっていない人ほど、他人のコンプレックスを刺激する!

『自分のすごさを匂わせてくる人』(サンマーク出版)著者であり心理学博士の榎本博明氏に、匂わせについて3回にわたり話を聞いてきた。最終回となる今回は、匂わせの正しい使い方、絶対してはいけないポイント、そして、こじらせた匂わせの行き着く先と、その予防法について伺う。

◆過去のインタビューはこちらから◆
[1]せめてネットくらいでは輝きたい! さえない日常が“匂わせ”に火をつける
[2]妻への感謝をSNS投稿する夫が愛しているのは妻でなく自分自身!
[3]伊藤綾子アナは嵐・二宮和也との交際匂わせをなぜ我慢できなかった?

■SNSでしていい話題は天気の話題くらい?

――匂わせは悪いことばかりではないと初回(記事参照)でもお話伺いましたが、あらためて、匂わせのポイントについて教えてください。

榎本博明氏(以下、榎本) 自分たちの関わり、仕事でもプライベートでも、ここを先に知っておくとお互いに楽だ、ということを匂わせておけば、いい関係を築くために役に立ちますよね。付き合いの最初では背伸びしてしまうものです。有能そうに、寛大そうについ見せてしまう。でも、仕事でもプライベートでもある程度一緒にやっていくのなら、現実の自分を知ってもらった方がいいですよね。

 また、リアルではなくネットの場合「特定の一人に対して」、「特定のグループに対して」、「不特定多数に対して」と発信先の対象が変わってきますよね。

――人数が増えるほど、話題への配慮がより複雑化していきますね。

榎本 はい。一番してはいけないのは、他人のコンプレックスを刺激することです。コンプレックスを刺激したらものすごい攻撃性が向いてきますから。

「結婚を絶対したくない」考えを持つ人の前で「家庭はいい」「子供はいい」という話はするべきではないですよね。失業中の人に「大規模プロジェクトを終えてすがすがしい気持ちだ」と話すのも同じです。相手によって出せる話題は違います。不特定多数が見るネットで、全員が無難な、全員が安全なことを選ばないといけない。

――天気の話くらいしか手札が残らなそうです。

榎本 そうですね。誰の心にも刺さらないといいますか。傷にならない限り、無難な……、スポーツや芸能の、それも差しさわりのない話とか。 

――つくづく、「SNSをしない」で解決しますよね。

榎本 書かずにはいられない承認欲求がありますから、難しいんですよね。

 

■現実生活でうまくいったことのない人ほど他人のコンプレックスに配慮できない

榎本 これは反発されるかもしれませんが、現実生活でうまくいったことのない人ほど、他人のコンプレックスに配慮できないのです。人のコンプレックスを配慮できるまでの心の余裕がない。

 モテたり、勉強や仕事ができたり、現実でうまくいったことのある人や能力を発揮したことのある人は、人からねたまれたり、足を引っ張られたり、悪口や嫌味を言われたりなど他人から攻撃をされる経験があり、他人のコンプレックスに配慮する心の構えが自然とできるようになっています。

――難しい質問だと思いますが、一筋縄ではいかない承認欲求を抱え、それをSNSを通じに強化してしまった人が少しでも楽になるにはどうしたらいいのでしょうか?

榎本 難しいですね。特にネット上で間違った方向に「自己効力(自分の力)」感を持ってしまった人は相当難しいです。極端な例としては、自分の発言でネットが炎上したり、大企業やお店なりを自分の投稿ひとつで困らせたといったものです。

 私も自著を根拠のない内容で中傷されたことがあり、どうしてそんなことを書くのかと相手にメールをしたことがあったんです。そこまで悪意のある人ではなかったようで、ちゃんと返事が来ました。でも、タイトルだけ見て反応して、中身は読んでいなかったのです。なぜそんなことになるのか。自分の発信が自己効力感の源泉になっているからでしょう。その人は、フォロワーがとても多いんです。ネットで活躍している。

――中身も読まずに中傷する人に多くのフォロワーがついているところが一番怖いですね。

榎本 それでモノが売れなかったり、最悪、お店や会社がつぶれたりしますからね。先ほどお話しした個人的な例では、その人は現実でも実績を持っていました。一方で、現実で思うように輝けない、でも輝きたいという人の場合は、冷静に自己モニタリングする心の余裕がない。いい加減な情報を流しまわりに損害を与えることよりも、自分が影響力を持てたという自己効力に重みを置いてしまう。倫理的に考えてどうか、ということがブレーキにならない。

――何かいいブレーキはないものでしょうか。

榎本 ブレーキとなるのは「自分がダメージを被る人の存在」でしょうね。変な目で見られる、ぎこちない態度を取られる、どうも避けられている気がする、と、やはりそれに気づくことなんですよね。

――「変な目/ぎこちない/避けられている」これらすべてはリアルじゃないとなかなか気付けないですね。ネットばかりにいると気づくことも遅れてしまうか、もしくは気づかないままも十分ありうるでしょうね。

榎本 そのためにも、自分の発信に対しどのような反応が起こっているのか自己モニタリングを行うことですね。ネットもリアルも「モニタリングして修正」の繰り返しです。 

■ネット上で匂わせだしたら黄信号

――間違った方向の自己効力が倫理観を超えてしまうと、状況としてはかなり進んでしまったように思えます。それよりも前の「ここから先はまずい(このままでは間違った方向の自己効力に頼り出し、次第に倫理観も失う)」といった黄色信号はあるでしょうか。

榎本 立場によっていろいろですが、でも、自慢はやはりよくないですよね。ネット上の不特定の相手に匂わせをするのは危険なことだと思います。匂わせの時点で、すでに自分を見る目を失いかけているのです。

 知り合いが「高級ホテルの最上階のレストランで食事をしています」と投稿したら見苦しい、イライラする、と思う人が、自分も自慢げな投稿をしてしまう。自分のことだと気が付きにくいので人の姿から自分を顧みることですね。自慢するということは、①自慢したらイラっとする人がいるだけでなく、②自分で自慢しないといけないくらいちっぽけな人間であることをさらけ出しているのです。

 SNSへの不特定多数に向けた匂わせはとても難しいです。ですが、1:1の関係で、自慢ではなく仕事や交際のスタンスを表明する意味での匂わせはむしろ有効に使えばコミュニケーションを円滑に進められます。匂わせを上手に活用してもらえればと思います。

(文/石徹白未亜 [http://itoshiromia.com/])

●榎本 博明(えのもと・ひろあき)氏
1955年、東京都生まれ。心理学博士。MP人間科学研究所代表、産業能率大学兼任講師。おもな著書に『「上から目線」の構造』『薄っぺらいのに自信満々な人』(ともに日本経済新聞出版社)、『カイシャの3バカ』(朝日新聞出版)などがある。

◆石徹白未亜の過去記事はこちらから◆

★好評発売中!!
『節ネット、はじめました。 「黒ネット」「白ネット」をやっつけて、時間とお金を取り戻す』(CCCメディアハウス) 

現実生活でうまくいっていない人ほど、他人のコンプレックスを刺激する!

『自分のすごさを匂わせてくる人』(サンマーク出版)著者であり心理学博士の榎本博明氏に、匂わせについて3回にわたり話を聞いてきた。最終回となる今回は、匂わせの正しい使い方、絶対してはいけないポイント、そして、こじらせた匂わせの行き着く先と、その予防法について伺う。

◆過去のインタビューはこちらから◆
[1]せめてネットくらいでは輝きたい! さえない日常が“匂わせ”に火をつける
[2]妻への感謝をSNS投稿する夫が愛しているのは妻でなく自分自身!
[3]伊藤綾子アナは嵐・二宮和也との交際匂わせをなぜ我慢できなかった?

■SNSでしていい話題は天気の話題くらい?

――匂わせは悪いことばかりではないと初回(記事参照)でもお話伺いましたが、あらためて、匂わせのポイントについて教えてください。

榎本博明氏(以下、榎本) 自分たちの関わり、仕事でもプライベートでも、ここを先に知っておくとお互いに楽だ、ということを匂わせておけば、いい関係を築くために役に立ちますよね。付き合いの最初では背伸びしてしまうものです。有能そうに、寛大そうについ見せてしまう。でも、仕事でもプライベートでもある程度一緒にやっていくのなら、現実の自分を知ってもらった方がいいですよね。

 また、リアルではなくネットの場合「特定の一人に対して」、「特定のグループに対して」、「不特定多数に対して」と発信先の対象が変わってきますよね。

――人数が増えるほど、話題への配慮がより複雑化していきますね。

榎本 はい。一番してはいけないのは、他人のコンプレックスを刺激することです。コンプレックスを刺激したらものすごい攻撃性が向いてきますから。

「結婚を絶対したくない」考えを持つ人の前で「家庭はいい」「子供はいい」という話はするべきではないですよね。失業中の人に「大規模プロジェクトを終えてすがすがしい気持ちだ」と話すのも同じです。相手によって出せる話題は違います。不特定多数が見るネットで、全員が無難な、全員が安全なことを選ばないといけない。

――天気の話くらいしか手札が残らなそうです。

榎本 そうですね。誰の心にも刺さらないといいますか。傷にならない限り、無難な……、スポーツや芸能の、それも差しさわりのない話とか。 

――つくづく、「SNSをしない」で解決しますよね。

榎本 書かずにはいられない承認欲求がありますから、難しいんですよね。

 

■現実生活でうまくいったことのない人ほど他人のコンプレックスに配慮できない

榎本 これは反発されるかもしれませんが、現実生活でうまくいったことのない人ほど、他人のコンプレックスに配慮できないのです。人のコンプレックスを配慮できるまでの心の余裕がない。

 モテたり、勉強や仕事ができたり、現実でうまくいったことのある人や能力を発揮したことのある人は、人からねたまれたり、足を引っ張られたり、悪口や嫌味を言われたりなど他人から攻撃をされる経験があり、他人のコンプレックスに配慮する心の構えが自然とできるようになっています。

――難しい質問だと思いますが、一筋縄ではいかない承認欲求を抱え、それをSNSを通じに強化してしまった人が少しでも楽になるにはどうしたらいいのでしょうか?

榎本 難しいですね。特にネット上で間違った方向に「自己効力(自分の力)」感を持ってしまった人は相当難しいです。極端な例としては、自分の発言でネットが炎上したり、大企業やお店なりを自分の投稿ひとつで困らせたといったものです。

 私も自著を根拠のない内容で中傷されたことがあり、どうしてそんなことを書くのかと相手にメールをしたことがあったんです。そこまで悪意のある人ではなかったようで、ちゃんと返事が来ました。でも、タイトルだけ見て反応して、中身は読んでいなかったのです。なぜそんなことになるのか。自分の発信が自己効力感の源泉になっているからでしょう。その人は、フォロワーがとても多いんです。ネットで活躍している。

――中身も読まずに中傷する人に多くのフォロワーがついているところが一番怖いですね。

榎本 それでモノが売れなかったり、最悪、お店や会社がつぶれたりしますからね。先ほどお話しした個人的な例では、その人は現実でも実績を持っていました。一方で、現実で思うように輝けない、でも輝きたいという人の場合は、冷静に自己モニタリングする心の余裕がない。いい加減な情報を流しまわりに損害を与えることよりも、自分が影響力を持てたという自己効力に重みを置いてしまう。倫理的に考えてどうか、ということがブレーキにならない。

――何かいいブレーキはないものでしょうか。

榎本 ブレーキとなるのは「自分がダメージを被る人の存在」でしょうね。変な目で見られる、ぎこちない態度を取られる、どうも避けられている気がする、と、やはりそれに気づくことなんですよね。

――「変な目/ぎこちない/避けられている」これらすべてはリアルじゃないとなかなか気付けないですね。ネットばかりにいると気づくことも遅れてしまうか、もしくは気づかないままも十分ありうるでしょうね。

榎本 そのためにも、自分の発信に対しどのような反応が起こっているのか自己モニタリングを行うことですね。ネットもリアルも「モニタリングして修正」の繰り返しです。 

■ネット上で匂わせだしたら黄信号

――間違った方向の自己効力が倫理観を超えてしまうと、状況としてはかなり進んでしまったように思えます。それよりも前の「ここから先はまずい(このままでは間違った方向の自己効力に頼り出し、次第に倫理観も失う)」といった黄色信号はあるでしょうか。

榎本 立場によっていろいろですが、でも、自慢はやはりよくないですよね。ネット上の不特定の相手に匂わせをするのは危険なことだと思います。匂わせの時点で、すでに自分を見る目を失いかけているのです。

 知り合いが「高級ホテルの最上階のレストランで食事をしています」と投稿したら見苦しい、イライラする、と思う人が、自分も自慢げな投稿をしてしまう。自分のことだと気が付きにくいので人の姿から自分を顧みることですね。自慢するということは、①自慢したらイラっとする人がいるだけでなく、②自分で自慢しないといけないくらいちっぽけな人間であることをさらけ出しているのです。

 SNSへの不特定多数に向けた匂わせはとても難しいです。ですが、1:1の関係で、自慢ではなく仕事や交際のスタンスを表明する意味での匂わせはむしろ有効に使えばコミュニケーションを円滑に進められます。匂わせを上手に活用してもらえればと思います。

(文/石徹白未亜 [http://itoshiromia.com/])

●榎本 博明(えのもと・ひろあき)氏
1955年、東京都生まれ。心理学博士。MP人間科学研究所代表、産業能率大学兼任講師。おもな著書に『「上から目線」の構造』『薄っぺらいのに自信満々な人』(ともに日本経済新聞出版社)、『カイシャの3バカ』(朝日新聞出版)などがある。

◆石徹白未亜の過去記事はこちらから◆

★好評発売中!!
『節ネット、はじめました。 「黒ネット」「白ネット」をやっつけて、時間とお金を取り戻す』(CCCメディアハウス) 

伊藤綾子アナは嵐・二宮和也との交際匂わせをなぜ我慢できなかった?

 嵐・二宮和也との交際を匂わせたアナウンサーの伊藤綾子、竹内涼真との交際を匂わせたアイドル「恥じらいレスキューJPN」里々佳……、ジャニーズアイドルや人気若手俳優との交際をSNSで匂わせ炎上した女性芸能人は後を絶たない。自身の芸能生命を絶たれるかもしれないリスキーな行為をなぜ彼女たちは我慢できなかったのか?『自分のすごさを匂わせてくる人』(サンマーク出版)著者であり心理学博士の榎本博明氏に聞いた。

◆過去のインタビューはこちらから◆
[1]せめてネットくらいでは輝きたい! さえない日常が“匂わせ”に火をつける
[2]妻への感謝をSNS投稿する夫が愛しているのは妻でなく自分自身!

■相手の立場より「自分が輝きたい!」が勝ってしまう

――アナウンサーの伊藤綾子さんは嵐・二宮和也さんとの交際匂わせをして大炎上しました。因果関係は不明ですが、担当していたニュース番組も降板になっています。ジャニーズやジャニーズファンを怒らせたらまずいのは明らかで、一般人の女性が「一般人の彼氏いる匂わせ」をSNS投稿するのとはレベルが違います。なぜこんなことをしてしまったのでしょうか。

榎本博明氏(以下、榎本) 伊藤さんがどういうつもりで行動されたかはわかりませんが、やはりこれも「想像力」が働かなかったのでしょう。「こんなことをしたらどうなるのか」という想像力よりも自慢したい気持ちが勝ってしまったのでしょう。

 また、芸能人になりたいという人は目立ちたいという気持ち、承認欲求が強いでしょうから、その衝動に負けてしまうのもあるでしょうね。さらに芸能人の場合、叩かれようがが目立った方がいいという価値観もありますから。それをチャンスに這い上がっていった紗栄子さんのような方もいますし。

――伊藤綾子さんにかぎらず芸能人と交際匂わせをして炎上する女性芸能人は後を絶ちませんが、共通点はありますか?

榎本  やはり承認欲求と自己愛ですね。芸能人同士なら、相手を思えば本来交際は隠すはずです。それを隠すどころか匂わすというのは、相手のことを考えていないんです。自分が目立てばいい。恋愛感情じゃなく、自己愛なんです。

――交際匂わせは女性が多いですよね。

榎本 男性は自分を輝かせるのは仕事、能力で輝かせるのが一般的で「こんないい女とつきあっている」で自分を輝かせるのはあまり手段として取られないですよね。

――むしろ引いてしまいますね。

榎本 女性の場合仕事、能力以外に「こんな活躍している男とつきあっている」というPRもありますからね。ネットとリアルも同じで、匂わすジャンルが男女で違うんですね。

――「このジャンルでやっても匂わせとして効果がない」ということには鼻が利くのに、一方で、投稿した内容が人からどう思われるかについて想像力が働かないというのは不思議ですね。

■リアルよりもネットがメインになっている人ほど日常生活をさらす

――匂わせとは違いますが、SNSで日常生活を高頻度で投稿する人がいますよね。

榎本 寂しさなんでしょう。誰かと一緒に飢えている。この人と密に生きているという人がいないと、ネットのつながりで「一緒」を感じたがる。

 寂しさが基本的にあり、あと「日常生活」をさらす人は2タイプに分けられます。

 まず、リアルなところで深くかかわるのが苦手で、単独行動が好きで集団が嫌いな人です。「距離を置いてネット上でつながっているくらいがちょうどいい」のでしょう。でも人は何かの瞬間に寂しくなります。そんなときはSNSでつながっている仲間と共有したい。

――その気持ちはとてもよく分かりますし、こういう人は多いでしょうね。SNSが寂しい時に誰かしらかまってくれる、スナック的な場所になっている。居心地がよくて離れられないでしょうね。

榎本 もう一つ考えられる「日常を高頻度で報告する」タイプは、現実がうまくいっていない人ですね。ネットの世界では人とうまくいっている自分を保ちたい。それで孤独を癒しているのです。

■匂わせる人はニュータイプ? 日本人のスタンダードはむしろ「対人不安」

――インタビュー1回目(リンク)で、学生に承認欲求の話をすると反響が大きかった、とお話しがありました。ほか、学生はどのようなことで悩んでいるのでしょうか。

榎本 対人不安ですね。人とうまく関わっていけるかです。

 日本人はもともと対人不安の強い人が多いんです。「嫌われると思って何も言えない」「断りたいのに断れない」「もう帰りたいのに帰りたいといえない」「相手が自分のせいで退屈しているのではないか?」「自分は集団から浮いているのではないか」ですね。

――これらの感覚に、身に覚えがまったくない人の方が少ないのではないかと思います。

榎本 対人不安は日本人に多い、と学校で話すと「自分だけじゃなかった、安心した」と学生からの反響がとても強いんです。普段あまり授業に熱心ではない学生もこの時はとても真剣に話を聞いています。SNSは監視社会ですから、余計人の目が気になって対人不安が強くなってしまうのでしょう。

――学生は世間が大人よりは狭くて少ないですから、そこで居場所を失う恐怖は大人よりずっと強いでしょうし、さらにその中でSNSの監視があるのですから、今の学生は気の毒ですね。

* * *

 対人不安の強い人が本来日本は多いはずなのに、「ニュータイプ」である匂わせな人たちを見て、対人不安の強い人はますます「みんなきらきらしているのに、自分だけがどこかおかしいのではないか」とさらに不安を強めていく構図はあるだろう。一方で匂わせの人が幸福かと言えばそうではなく、承認欲求の虜なのだ。次回、最終回では改めて匂わせとどう付き合っていけばいいか、引き続き榎本氏に聞く。

(文/石徹白未亜 [http://itoshiromia.com/])

●榎本 博明(えのもと・ひろあき)氏
1955年、東京都生まれ。心理学博士。MP人間科学研究所代表、産業能率大学兼任講師。おもな著書に『「上から目線」の構造』『薄っぺらいのに自信満々な人』(ともに日本経済新聞出版社)、『カイシャの3バカ』(朝日新聞出版)などがある。

◆石徹白未亜の過去記事はこちらから◆

★好評発売中!!
『節ネット、はじめました。 「黒ネット」「白ネット」をやっつけて、時間とお金を取り戻す』(CCCメディアハウス) 

妻への感謝をSNS投稿する夫が愛しているのは妻でなく自分自身!

「いつも家族を支えてくれる妻、ありがとう。感謝してるよ」といった、妻への感謝をなぜかSNS投稿する夫を見ると、こう思わないだろうか。「本人に言え」と。家族や、または恋人や友人に恵まれて幸せ/仕事が充実/リッチな生活をしている……といった、言わなくてもいいことをあえて投稿するは、なぜ、うかつに、あえて投稿してしまうのか? 前回に引き続き(インタビュー[1])、『自分のすごさを匂わせてくる人』(サンマーク出版)著者であり心理学博士の榎本博明氏に聞いた。

 

■「承認欲求&自己愛」でおそろかにされる        「周りの人の気持ち」

――「ウザい匂わせ投稿」でよく見かけるのが、「配偶者への感謝SNS投稿」です。妻から夫に対する“ありがとう”だけでなく、夫から妻への感謝の言葉も最近見ます。「SNSに書かずに本人に言え」と思うのですが、こういう投稿をする人の背景には何があるのでしょうか。

榎本博明氏(以下、榎本) 承認欲求と自己愛ですね。自己愛は誰にでもあるものですが、それに溺れてしまっているのです。

 例えば「妻への感謝をSNS投稿する夫」の場合、男性の理想像はかつてのような「男らしい男、強い男」でなく「優しい男」になりつつありますよね。それをふまえ「自分はこんな風に家族に優しくしている」と人に見せつけて自己愛を満たしたい。

――時代の男性像の変遷はしっかり押さえる客観性があるわりに、読者がその投稿をどう思うかについては無自覚なんですね。

榎本 はい。そんなものはSNSで他人に見せつけるものではないし、相手にだけ分かればいいのです。相手が外に自慢しているのをどう思っているのか、というのを考えると、なんでそんなことができるのか不思議ですよね。

――投稿者は「SNSの読者」だけでなく、勝手に投稿のネタにした「自分の配偶者」の気持ちにも想像力が働かないとなると怖いですね。

榎本 アピールすればするほど自分が小さい人間であることがばれてしまう。自慢せざるを得ないというのは、それだけ自分に自信がないのでしょう。投稿した自分に酔っている。恥ずかしい人だと周囲から思われていることに想像力が働かない。

 学生に聞いてみても、「こういう匂わせ投稿をする人は異質の人間だ」と言っていましたね。自慢したら嫌がられる、というのは普通の感受性があればわかるはずです。

 それでも自慢が止められない人は、どこかが壊れている人です。

■匂わせな人ほど、SNSが大好き!

――匂わせやすさと性別・世代は関係ないのでしょうか?

榎本 関係ないですね。僕の同世代にもいますよ。性別や年齢によって変わる、というよりも「自己モニタリング」ができていない人ほど匂わせますね。「自分が発信したことにどんな反応が返ってくるか見て、表現を調整する」ことができないのです。

 日常生活でモニタリングができない人は、ネット上でもモニタリングができません。

――いわゆる、場の空気が読めない人ですね。

榎本 はい。周りの人がぎょっとするようなこと、その話題はその場にいるAさんにとって傷つくような内容だから触れてはいけない、ということも口にしてしまう。自分の発言で場が凍っていることにも気が付かない。

 そういう人ほどSNSが好きなんです。SNSは一方的ですから。

■匂わせに閉口する人は「文句をつける」のでなく「いなくなる」

――SNSで匂わせを見るのに慣れてきて、さらに、なぜか匂わせに「いいね!」がついている状況を見ると、「むしろこれが普通なのか? イラっときているこっちの心が狭いのでは?」と思えてくるんですよね。

榎本 匂わせる人は匂わせる人同士でやり取りしますからね。そういう人同士で「いいね!」しあったり、義務感でいいねする人もいますから。不快に思う人は反応しなくなります。匂わせに文句をつける人はいないでしょう?

――確かに。Twitterならともかく、本人との紐づけの強いFacebookではないでしょうね。

榎本 リアルの場で、ひどい匂わせでその場にいる誰かを傷つけるような発言をした場合、場が凍り付いたり、たしなめる人や、話を逸らす人も出てくるもしれません。しかしSNSでそれをしたら、引いた人は、こんな人にはもう関わりたくないとそのまま離れていきます。ですので当の本人は勘違いしたまま、気づけないままなんです。

――人が引いて、離れているのに気が付かない、というのはネットならではの怖さですね。

* * *

「SNSは一方的ですから」という榎本氏の発言は、思わず唸ってしまった。考えてみればSNSは双方向、と言われがちだが対面のコミュニケーションとはまったく別物だ。SNSは一方的に始め、終わらせられるし、誰に対しての発言かはぼやけがちだし、対面ではとても言えないような発言も見かける。

 リアルのコミュニケーションの方がよほど難しく面倒で、それゆえネットのコミュニケーションに流れる気持ちはよくわかるが、そこに頼ると衰えていくものもあるのだろう。次回も引き続き榎本氏に、アナウンサーの伊藤綾子氏をはじめとした、「交際匂わせ炎上」についても聞く。

(文/石徹白未亜 [http://itoshiromia.com/])

●榎本 博明(えのもと・ひろあき)氏
1955年、東京都生まれ。心理学博士。MP人間科学研究所代表、産業能率大学兼任講師。おもな著書に『「上から目線」の構造』『薄っぺらいのに自信満々な人』(ともに日本経済新聞出版社)、『カイシャの3バカ』(朝日新聞出版)などがある。

◆石徹白未亜の過去記事はこちらから◆

★好評発売中!!
『節ネット、はじめました。 「黒ネット」「白ネット」をやっつけて、時間とお金を取り戻す』(CCCメディアハウス) 

せめてネットくらいでは輝きたい! さえない日常が“匂わせ”に火をつける

 2017年の新語・流行語大賞にも選ばれた「インスタ映え」。インスタに限らず、SNSで家族、恋人、友人に恵まれて幸せ/仕事が充実している/リッチな生活をしている……といった知人の匂わせ投稿に血圧が上がったことが一度もない人など少ないはずだ。“匂わせ”とは何なのか? なぜ人は匂わせてしまうのか? 『自分のすごさを匂わせてくる人』(サンマーク出版)著者であり心理学博士の榎本博明氏に聞いた。

■匂わせは悪いことばかりではない!      ~人間関係を円滑にする匂わせ~

――“匂わせ”というとSNSの自慢投稿を想像してしまいますが、『自分のすごさを匂わせてくる人』では、匂わせを悪いことだけでとらえていないのが新鮮でした。

榎本博明氏(以下、榎本) 匂わせは悪いことばかりではありません。匂わせは“自分の印象をどういう風に相手に伝えるか”ですよね。「印象操作」と言ってしまうと悪い印象がありますが、匂わせとは自分がどういう印象を持たれたいかという情報の与え方なのです。

――セルフプロデュースは多かれ少なかれ全員がしていますもんね。

榎本 また、匂わせにより相手とのミスマッチを防げます。私自身も仕事の依頼を受けることがありますが、「こういうことが好きだ(できる)、逆にあれは嫌いだ(できない)」と匂わせていないと、仕事はうまく進みません。

 例えば、私はバラエティ番組には出たくないのですが、匂わせておけば、そういった依頼は来なくなります。ミスマッチのまま進んでしまった方がお互い時間も無駄にしてしまいますし、気まずくなってしまいますから。

 プライベートでも一緒で、価値観やどういう付き合いをしていきたいかとか、相手に望むものなどを匂わせておけば、あとからのミスマッチを防げます。

――スタンスを明確に表明するとちょっと角が立つようなことに匂わせをうまく使うのは、日本的な知恵とも言えますね。

■せめてネットでは輝きたい!~さえない日常が匂わせに火をつける~

――でも、匂わせは短所もありますよね。

榎本 はい。ついやりすぎてしまう。承認欲求が高まりすぎて、相手の反応について想像力を働かせられず、やりすぎて反発を食らってしまう。

――SNSが承認欲求を加速させているのではと思うこともあります。

榎本 そうですね。SNSで、人の目を無茶苦茶意識するようになってしまった。

 学生たちに心理学の講義で、承認欲求の話をすると反響が高いです。「SNSをしていたころは辛くて、やめたらありのままの自分でいられた」と言った学生もいました。それも友達には言いづらいようで、私に言うんですね。

――もともと日本人は人の目を気にする傾向が強いですが、SNSでますますそうなってしまったところはあるでしょうね。

榎本 SNSが流行る前は、職場や学校では人の目を気にして自分を抑えていても、職場や学校を出て、一人になれば自由になれた。でも今は歩いていても電車に乗っていてもスマホからSNSの通知が来ます。起きている間、ずっと人の目を気にしないといけない。

 人の目を意識しだせば「認められたい」「馬鹿にされたくない」「仲間外れにされたくない」という思いが出てきます。それでついつい匂わせをやりすぎてしまう。

■24時間、365日輝いていなくてはいけないという風潮

榎本 スマホが匂わせを加速させているところもありますね。パソコンの時代でも、むかついたり目立ちたいという思いから何か匂わせたいと思った人はいたでしょう。でもパソコンの前に座るまでの時間に「やっぱりやめとこう」と冷静になった人は多かったと思います。しかし今はスマホがあるから、衝動的にすぐ書き込めてしまう。

――「承認欲求」「衝動」が、「自分がすることが人からどう思われるかという想像力」を上回ってしまうんですね。匂わせやすい人はどのような特徴があるのでしょうか。

榎本 承認欲求が強く、かつ満たされていない人です。現状が満たされていないから承認欲求が強くなってしまうのですが。

 あと、最近の風潮も匂わせを加速させていますよね。政府も「全ての女性が輝く社会づくり」とか言っているじゃないですか。芸能人やスポーツ選手、政治家ならともかく、一般の人がいつも輝け、輝けと言われてもですよね。

――他人の匂わせを見ると、闘争心に火がついてしまうというのもありますよね。

榎本 でも、仕事でも、プライべートでも輝けるものがないという場合、じゃあ、何で輝けるか……? となると、ネットの世界で虚勢を張ることになってしまう。ネットで、現実離れした自分を匂わせてしまう。満たされない承認欲求が匂わせに走らせているのです。

■キラキラアカウントに夢中な人は、他人を見下したい?

――その最たるものが「キラキラアカウント」*だと思います。こういった鼻につくアカウントは、一方でフォロワーが数万人いるような人もいます。いやなもの見たさという娯楽もあるとは思うのですが。

榎本 キラキラアカウントのフォロワーも多分いろいろなタイプがいるでしょうね。純粋に自分の変身願望を満たしてくれる存在として、素直にあこがれている人もいるかもしれません。

 一方キラキラアカウントを「こんなバカがいるわ」という気持ちでフォローしている人もいるでしょう。最近のお笑いを見ていても思いますが「人を見下したい」気持ちを満たすものが流行っていますよね。心理学には「社会的比較」という言葉があります。他人と比較して「自分の方があいつよりましだ」という気持ちになると、自己肯定感が高まるのです。

*有名ホテルやブランド品の写真など、ラグジュアリーな生活の様子や、誰に向けているのかよくわからない恋愛指南を投稿するアカウントのこと

* * *

“匂わせ”な他人のSNSを「イラつくのに見るのがどうにもやめられない」状態になっている際は、「自分の自己肯定感が弱まっていているサインかもしれない」と気づくと、少し冷静になれるかもしれない。引き続き榎本氏に、たまに見かける「配偶者の感謝をなぜかSNS投稿する人」の匂わせなど、さらに聞いていく。

(文/石徹白未亜 [http://itoshiromia.com/])

●榎本 博明(えのもと・ひろあき)氏
1955年、東京都生まれ。心理学博士。MP人間科学研究所代表、産業能率大学兼任講師。おもな著書に『「上から目線」の構造』『薄っぺらいのに自信満々な人』(ともに日本経済新聞出版社)、『カイシャの3バカ』(朝日新聞出版)などがある。

◆石徹白未亜の過去記事はこちらから◆

★好評発売中!!
『節ネット、はじめました。 「黒ネット」「白ネット」をやっつけて、時間とお金を取り戻す』(CCCメディアハウス) 

「冬コミなんで今月休会します!」オタク婚活・とら婚ならではのユニークな休会理由

 2017年2月に事業を開始した婚活事業「とら婚」。とら婚の企画責任者・野村晶二郎氏に前編(参照記事)からオタク婚活について話を伺っている。後編では男女間のギャップの違いや、結婚相談所が人気になる季節、とら婚ならではのユニークな休会理由など、オタク婚活について伺っていく。

■若い美人に惹かれてしまう男性、                     一方で女性の好みは「自分の年齢プラマイ3歳」という差

――前編では男性と女性とで、子どもが欲しいか、の価値観で若干差が出ると伺いました。男性、女性がそれぞれしがちな傾向といいますか、こうすると婚活は難しくなってしまう……、ということはありますか?

野村晶二郎氏(以下、野村) 女性は現実的な方が多いですね。「年収800万以上じゃないと無理」みたいな方はおられず、堅実です。一方男性では、どうしても年下の美人に惹かれてしまう、という方が多いですね。

――私は他の結婚相談所にも取材したことがありますが、「男性は若い美人が大好き」は本当によく聞きますね。女性側が思う「どうせ男は若くてきれいな女性が好きなんでしょ」みたいな感じよりもはるかに強固といいますか。

野村 若い美人の女性と、若くない男性でうまくいくケースもありますので、もちろん100%ダメ、というわけではありません。ただ、多くの女性は自分のご年齢よりプラスマイナス3歳くらいの、同世代の方を望まれますね。そうなると、アラフォーくらいの男性が、10歳以上年下の綺麗な女性を望まれたとしても、なかなか難しいというのが現状です。

――「若い美人」という相手の超最強カードと渡り合えるようなカードがこっちにもあるのか? という話ですよね。ただ、そのような「若い美人希望」な男性に、幅広く見てみよう、という声は届きにくいのではないかとも思いますが。

野村 理想全てをあきらめるのではなく、「理想」と「相手からアプローチが来たら会ってみる人」と「私どもアドバイザーから見て、実は相性のいい方」を組み合わせて提案しております。

 

■「子にオタクの英才教育を施す」or「子どもは子どもで好きに生きろ?」

――オタク婚活においては「同じ作品を一緒に楽しみたい」という人もいるでしょうが、「私のオタク趣味はそっとしておいてほしい」という人もいそうです。会員の方を見るとどのような傾向を感じますか?

野村 もちろん100%ではないですが、男性は「今好きなものを一緒に楽しんで欲しい、そうなると嬉しい」という方が多い傾向ですね。女性は切り離しているというか現実的で、「オタク関連であろうがなかろうが、夫婦で楽しめるものを新しく作れば良い」という方が多いです。

 また、そもそも「男女両方が好きなコンテンツ」ってあまり多くないですからね。「女性向け」「男性向け」が明確に分かれたコンテンツも多いため、一方が「趣味の詳細に渡るまでの共有」にこだわりすぎると、成功率が少し低くなってしまうと考えていて、「オタク婚活に対する理想」と「男女の考えを踏まえた現実」には差があるように感じます。

――男女両方に人気がある作品だけれど、男性はエロ、女性は腐女子目線で見てる、なんてこともありますしね。性的な目で見たくない「聖域」な作品やキャラクターもいるでしょうし、なまじ好きな作品が合うときほど、その見方が火種になりそうです。

野村 また、当社はオタク婚活ですが、いざ実際に結婚し、お相手の方と毎日生活をしていく、となれば自分の中の「オタクであること」以外の方に触れる時間の方が長いですから。ですので、同じ作品を楽しんでいることや、作品に対する価値観が一致、ということも大切だと思いますが、それと同じぐらいに感性や人間性の一致が大切だと感じます。

 

■オタク婚活だからってゴスロリで参加してはいけない

――とら婚さんのホームページでは、オタク婚活のパーティーだからといってアニメのTシャツなどを着て参加するのは避けたほうが良い、というコラム(参照記事「オタク婚活パーティで勝つコツについて」)がありましたね。実際そういう服装の方がいるのでしょうか?

野村 幸いといったら失礼かもしれませんが、とら婚の会員の方は常識的な服装をされています。ただ、他社さんのパーティーですと、アニメのキャラが大きく描かれたTシャツやゴスロリといった服装をされている方を実際見かけたことがありますし、やはりこういった服装をするのは「私は変わるつもりはない」というメッセージを暗に発してしまい、常識のない方と捉えられてしまう可能性があります。時と場合を考えることが大切だと思います。

――「私は変わらない! そんな私をあなたは受け入れてくれるよね?」というのは、相手に、自分の全てを受け入れてくれる「お母さん」のような包容力を求めていますよね。

 

■結婚相談所を12月に休会する理由

――とら婚さんでは結婚相談所以外にパーティーも開催されていますが、パーティーは非会員でも参加できるんですよね。

野村 はい。あまり大人数にせず、「少人数でじっくり話し、人となりが知れるようなパーティー」をモットーに開催しています。

 なお、現在サテライトオフィスは名古屋にありますが、パーティーは東京のみで開催しています。本来、コミケなどの大型イベントは地方在住の方も東京にいらっしゃるのでパーティー開催のチャンスでもあるのですが、コミケの日は疲れてしまってその後パーティーで頑張る気力がないだろう、ということで、今のところ開催には慎重になっています。

――イベントで燃え尽きた状態で当日夜、再度気合を入れなおす、というのはきつそうですね。

野村 ちなみに一般的な結婚相談所は10月以降会員が増え、入会のピークは1月と言われています。ボーナスが12月に入り、クリスマスのイベントなどもあり、そして年末で帰省し親にあれこれ言われ……、というのも大きいのでしょう。

――それでは、とら婚さんもこれからが忙しい時期でしょうか。

野村 ただ、当相談所の場合は11、12月はコミケ前の追い込みがあるから休会する、という会員さんもいらっしゃいますね(とら婚では1カ月単位の休会が可能)。クリスマスに向けて婚活に頑張って欲しい時期でもあるのですが、こればかりは仕方ないですね。

――11月から休むということは、描く側なんですね。

野村 はい。描かれる方も結構多いですよ。ちなみに男性の会員さんは冬コミ前に休会される方が多く、女性の会員さんはコミケなどの大型イベントよりも、ターゲットのジャンルの同人誌即売会が開催される時期に休会される方が多いです。

 また、オンラインゲームをされる方には、「今月は大型イベントを走る(※イベントに全力投球する、の意味)から休会する」という方もいらっしゃいますね。

* * *

 婚活に限らず、合コンなども含む出会いの場でしょっぱい結果に終わったときに、精神的に何が堪えるかと言えば、「しょっぱい結果に終わった」ということよりもむしろ「こんなしょっぱい結果に終わったのに張り切って参加した数時間前の自分への自己嫌悪」という第二の矢だ。しかし第二の矢は自分で自分自身にあえて刺しているのであり、前向きな未来のために頑張った行いは美しいものであり、責めるなんてもってのほかだ。

「コミケがあるから(ソシャゲの大型イベントがあるから)今月は休む」というのは、婚活とオタ活のメリハリが効いていて、婚活一本に情熱をかけすぎる→悲壮感が出てきて辛くなる→相手にもそれが伝わりますますうまくいかなくなる、という悪循環を避けられる冴えたやり方だ。とら婚からのさらなるカップル誕生を願いたい。
(文/石徹白未亜 [http://itoshiromia.com/])

■オタクに寄り添う結婚相談サービス『とら婚』
秋葉原オフィス所在地: 東京都千代田区外神田4-7-3 秋葉原虎ビル(旧若松通商ビル)8F
名古屋オフィス所在地: 名古屋市中村区竹橋町5-5 さかえビル 2F
営業時間:【平日】12:00~20:00 【休日】11:00~19:00 ※予約制
電話番号: 080-8760-3054
定休日: 無休
公式サイト: https://toracon.jp/
※詳しくは公式 WEB サイトまたはお電話でお問い合わせください。
『とら婚』店舗から遠隔地に住んでいてもご相談できるように、Skype や Google ハングアウトによる WEB 面談サービスを提供しています。

 ■石徹白未亜 著書
『できる男になりたいなら、鏡を見ることから始めなさい。 会話術を磨く前に知っておきたい、ビジネスマンのスーツ術』(CCCメディアハウス)

「冬コミなんで今月休会します!」オタク婚活・とら婚ならではのユニークな休会理由

 2017年2月に事業を開始した婚活事業「とら婚」。とら婚の企画責任者・野村晶二郎氏に前編(参照記事)からオタク婚活について話を伺っている。後編では男女間のギャップの違いや、結婚相談所が人気になる季節、とら婚ならではのユニークな休会理由など、オタク婚活について伺っていく。

■若い美人に惹かれてしまう男性、                     一方で女性の好みは「自分の年齢プラマイ3歳」という差

――前編では男性と女性とで、子どもが欲しいか、の価値観で若干差が出ると伺いました。男性、女性がそれぞれしがちな傾向といいますか、こうすると婚活は難しくなってしまう……、ということはありますか?

野村晶二郎氏(以下、野村) 女性は現実的な方が多いですね。「年収800万以上じゃないと無理」みたいな方はおられず、堅実です。一方男性では、どうしても年下の美人に惹かれてしまう、という方が多いですね。

――私は他の結婚相談所にも取材したことがありますが、「男性は若い美人が大好き」は本当によく聞きますね。女性側が思う「どうせ男は若くてきれいな女性が好きなんでしょ」みたいな感じよりもはるかに強固といいますか。

野村 若い美人の女性と、若くない男性でうまくいくケースもありますので、もちろん100%ダメ、というわけではありません。ただ、多くの女性は自分のご年齢よりプラスマイナス3歳くらいの、同世代の方を望まれますね。そうなると、アラフォーくらいの男性が、10歳以上年下の綺麗な女性を望まれたとしても、なかなか難しいというのが現状です。

――「若い美人」という相手の超最強カードと渡り合えるようなカードがこっちにもあるのか? という話ですよね。ただ、そのような「若い美人希望」な男性に、幅広く見てみよう、という声は届きにくいのではないかとも思いますが。

野村 理想全てをあきらめるのではなく、「理想」と「相手からアプローチが来たら会ってみる人」と「私どもアドバイザーから見て、実は相性のいい方」を組み合わせて提案しております。

 

■「子にオタクの英才教育を施す」or「子どもは子どもで好きに生きろ?」

――オタク婚活においては「同じ作品を一緒に楽しみたい」という人もいるでしょうが、「私のオタク趣味はそっとしておいてほしい」という人もいそうです。会員の方を見るとどのような傾向を感じますか?

野村 もちろん100%ではないですが、男性は「今好きなものを一緒に楽しんで欲しい、そうなると嬉しい」という方が多い傾向ですね。女性は切り離しているというか現実的で、「オタク関連であろうがなかろうが、夫婦で楽しめるものを新しく作れば良い」という方が多いです。

 また、そもそも「男女両方が好きなコンテンツ」ってあまり多くないですからね。「女性向け」「男性向け」が明確に分かれたコンテンツも多いため、一方が「趣味の詳細に渡るまでの共有」にこだわりすぎると、成功率が少し低くなってしまうと考えていて、「オタク婚活に対する理想」と「男女の考えを踏まえた現実」には差があるように感じます。

――男女両方に人気がある作品だけれど、男性はエロ、女性は腐女子目線で見てる、なんてこともありますしね。性的な目で見たくない「聖域」な作品やキャラクターもいるでしょうし、なまじ好きな作品が合うときほど、その見方が火種になりそうです。

野村 また、当社はオタク婚活ですが、いざ実際に結婚し、お相手の方と毎日生活をしていく、となれば自分の中の「オタクであること」以外の方に触れる時間の方が長いですから。ですので、同じ作品を楽しんでいることや、作品に対する価値観が一致、ということも大切だと思いますが、それと同じぐらいに感性や人間性の一致が大切だと感じます。

 

■オタク婚活だからってゴスロリで参加してはいけない

――とら婚さんのホームページでは、オタク婚活のパーティーだからといってアニメのTシャツなどを着て参加するのは避けたほうが良い、というコラム(参照記事「オタク婚活パーティで勝つコツについて」)がありましたね。実際そういう服装の方がいるのでしょうか?

野村 幸いといったら失礼かもしれませんが、とら婚の会員の方は常識的な服装をされています。ただ、他社さんのパーティーですと、アニメのキャラが大きく描かれたTシャツやゴスロリといった服装をされている方を実際見かけたことがありますし、やはりこういった服装をするのは「私は変わるつもりはない」というメッセージを暗に発してしまい、常識のない方と捉えられてしまう可能性があります。時と場合を考えることが大切だと思います。

――「私は変わらない! そんな私をあなたは受け入れてくれるよね?」というのは、相手に、自分の全てを受け入れてくれる「お母さん」のような包容力を求めていますよね。

 

■結婚相談所を12月に休会する理由

――とら婚さんでは結婚相談所以外にパーティーも開催されていますが、パーティーは非会員でも参加できるんですよね。

野村 はい。あまり大人数にせず、「少人数でじっくり話し、人となりが知れるようなパーティー」をモットーに開催しています。

 なお、現在サテライトオフィスは名古屋にありますが、パーティーは東京のみで開催しています。本来、コミケなどの大型イベントは地方在住の方も東京にいらっしゃるのでパーティー開催のチャンスでもあるのですが、コミケの日は疲れてしまってその後パーティーで頑張る気力がないだろう、ということで、今のところ開催には慎重になっています。

――イベントで燃え尽きた状態で当日夜、再度気合を入れなおす、というのはきつそうですね。

野村 ちなみに一般的な結婚相談所は10月以降会員が増え、入会のピークは1月と言われています。ボーナスが12月に入り、クリスマスのイベントなどもあり、そして年末で帰省し親にあれこれ言われ……、というのも大きいのでしょう。

――それでは、とら婚さんもこれからが忙しい時期でしょうか。

野村 ただ、当相談所の場合は11、12月はコミケ前の追い込みがあるから休会する、という会員さんもいらっしゃいますね(とら婚では1カ月単位の休会が可能)。クリスマスに向けて婚活に頑張って欲しい時期でもあるのですが、こればかりは仕方ないですね。

――11月から休むということは、描く側なんですね。

野村 はい。描かれる方も結構多いですよ。ちなみに男性の会員さんは冬コミ前に休会される方が多く、女性の会員さんはコミケなどの大型イベントよりも、ターゲットのジャンルの同人誌即売会が開催される時期に休会される方が多いです。

 また、オンラインゲームをされる方には、「今月は大型イベントを走る(※イベントに全力投球する、の意味)から休会する」という方もいらっしゃいますね。

* * *

 婚活に限らず、合コンなども含む出会いの場でしょっぱい結果に終わったときに、精神的に何が堪えるかと言えば、「しょっぱい結果に終わった」ということよりもむしろ「こんなしょっぱい結果に終わったのに張り切って参加した数時間前の自分への自己嫌悪」という第二の矢だ。しかし第二の矢は自分で自分自身にあえて刺しているのであり、前向きな未来のために頑張った行いは美しいものであり、責めるなんてもってのほかだ。

「コミケがあるから(ソシャゲの大型イベントがあるから)今月は休む」というのは、婚活とオタ活のメリハリが効いていて、婚活一本に情熱をかけすぎる→悲壮感が出てきて辛くなる→相手にもそれが伝わりますますうまくいかなくなる、という悪循環を避けられる冴えたやり方だ。とら婚からのさらなるカップル誕生を願いたい。
(文/石徹白未亜 [http://itoshiromia.com/])

■オタクに寄り添う結婚相談サービス『とら婚』
秋葉原オフィス所在地: 東京都千代田区外神田4-7-3 秋葉原虎ビル(旧若松通商ビル)8F
名古屋オフィス所在地: 名古屋市中村区竹橋町5-5 さかえビル 2F
営業時間:【平日】12:00~20:00 【休日】11:00~19:00 ※予約制
電話番号: 080-8760-3054
定休日: 無休
公式サイト: https://toracon.jp/
※詳しくは公式 WEB サイトまたはお電話でお問い合わせください。
『とら婚』店舗から遠隔地に住んでいてもご相談できるように、Skype や Google ハングアウトによる WEB 面談サービスを提供しています。

 ■石徹白未亜 著書
『できる男になりたいなら、鏡を見ることから始めなさい。 会話術を磨く前に知っておきたい、ビジネスマンのスーツ術』(CCCメディアハウス)

とら婚炎上Twitter、「中の人」が語る!伝えたい、結婚にかける熱き想い

 2017年2月に事業を開始した婚活事業「とら婚」。事業開始から9ヵ月、成婚カップルは見込みも含め10名を達成している。とら婚Twitter公式アカウントのつぶやきは、時に炎上気味にまとめサイトやネットニュースに掲載されていたりもするが、つぶやきそのものはいたって正論だ。とら婚の企画責任者・野村晶二郎氏に、とら婚9ヵ月の歩みをはじめ、炎上についてもあれこれ聞いてみた。

■他の結婚相談所の「隠れオタク」を探せ!

――現在の「とら婚」の会員数を教えて下さい。

野村晶二郎氏(以下、野村) 会員数は全体で170名で、男女比は男性の方がやや多く、男性が110名ほどです。

 また、とら婚は日本最大級の結婚相談所ネットワークであるIBJ日本結婚相談所連盟に加盟しておりますので、他の結婚相談所に登録されている方のご紹介もできます。ですので、「とら婚の会員さん同士」のカップルも多くいらっしゃいますし、「とら婚の会員さん」と「他の結婚相談所に入っていて、オタク趣味のある方」との成婚事例もあるんですよ。(IBJ日本結婚相談所連盟の登録会員数は2017年10月時点で58,839名)

――「とら婚」に登録すると、IBJ日本結婚相談所連盟に加盟している他の結婚相談所に登録した方からも相手を探すことができるんですね。

野村 はい。IBJ日本結婚相談所連盟では定型のプロフィール記入フォームがあり、私たちのような加盟している結婚相談所の職員は、すべての登録者の方のプロフィールを見ることができます。

――「とら婚の会員さん」と「他の結婚相談所に入っていて、オタク趣味のある方」との成婚事例についてですが、その場合、他の結婚相談所に登録していた相手の方は、趣味欄に「オタク趣味があります」といったことを書いていたのでしょうか?

野村 他の相談所さんですと、残念ながら“オタク趣味を書くとマイナスになる!”と思われているところもまだ多いようです。中にはご本人が書いていても、アドバイザーによって止められ、修正させられるケースもあるようですね。ですので、「書いていなかった」方も含まれています。

――そうなると、他の結婚相談所の会員さんにオタク趣味があるかどうかをどうやって見極めるのでしょうか。

野村 何かしらのメッセージを残していただける方はそれでもいらっしゃいます。「年末は有明に行く」とかですね。

――分からない人には何が何やらでしょうね。分かる人に分かればいい、という潔さを感じます。

野村 ノウハウなので出せないのですが、実は「隠れオタ」のキーワードがいくつもあり、実際聞いてみると、オタクか、もしくはご理解ある方であることが多いですね。何より、とら婚の会員の方に向けアプローチを2回以上されている方がいたら、「この方はそうなのだろうな」と。そういう方のデータベースを独自に作っています。

 

■コミックエッセイ漫画が婚活の敷居を低くした

野村 最近は「オタクの婚活」「オタクの恋愛や結婚生活」をテーマにしたコミックエッセイ漫画が多くありますよね。そういった作品を読まれて、自分もそんな楽しい生活がしたい、と申し込まれる方も増えています。

――とら婚の登録者の年齢層はどのような感じでしょうか。

野村 男性は平均35.6歳、女性は平均すると31.2歳ほどですね。

――会員さんの結婚したい動機は何が多いのでしょうか。

野村 動機として挙げられることが多いのは「子どもが欲しい」ですが、「パートナーが欲しい」という方もいらっしゃいますね。男性で「子どもが欲しい」を挙げる方は女性より多い印象を受けますが、ただ、男性でも女性でも「子どもはどっちでもいい」という方もいらっしゃいます。しかし、周りの方に趣味をカミングアウトしていなかったり、そもそも職場等に異性がいなかったりして、出会いの機会が少ないことが共通しています。

■とら婚公式Twitter、「中の人」、語る

――御社のTwitterはたまに炎上されていますが、どなたが書かれているのでしょうか。

野村 「中の人」は変わることも多いので、「誰」と一概には言えません。Twitterは上限が140文字なので、伝えたいことをできるだけシンプルに呟いていくと、前後のつぶやきを省かれたり、伝えたかったことの一部だけが切り取られて、意図とは違うニュアンスでまとめサイトなどに掲載されてしまうために、きつく見えてしまったり意図をうまく伝えられなかったりするんですよね。

――一番燃えたのはどのつぶやきでしょうか。

野村 

は、ずいぶん賛否両論いただきましたね。

――でも、いたって正論ですよね。

野村 自分でも「これは耳が痛い人もいるかな」と思うときもありますが、それでもつぶやくのは次の3つの思いからです。

 まず一点目が「とら婚の会員の方や、今婚活をしている方の結婚できる可能性を上げたい」、二点目が「一人で婚活をされると視野が狭まりがちなので、視野を広げてよりよい婚活をしていただきたい」、三点目が「結婚したあとも不幸になって欲しくない」という思いがあります。

 当社は結婚相談所で、結婚はとても夢のあることだと思っていますが、「結婚=ゴール」ではないと考え、お相手の人生を背負う重いものでもあると捉えています。「オタクグッズを奥さんに捨てられた」「結婚前は自分のイラストを描く趣味に対し奥さんは理解を示していたものの、いざ結婚し旦那さんの描く“萌え絵”を実際に見てショックを受け離婚した」など、結婚したあとにオタク趣味によって夫婦間ギャップが生じ、望まれない結果になってしまうケースを減らすことや、結婚生活を構成する趣味以外のことの重要性を伝え、幸せな生活を送るためのお役に立てればと思います。

 また、誤解されることもあるのでこの機会に申し上げると、決して会員様を事例として呟いているわけではなく、オタク婚活パーティー参加者や、他社さんの事例、またネット婚活等の事例から、オタク婚活をしている男女の価値観の違いを分析したうえで発信しております。

――オタク趣味は性的嗜好と絡むケースも多いですから、相手のその性癖がどうしても自分には受け入れがたいとなってしまうと、生活は難しいでしょうね。

* * *

 引き続き後編では、男女間のギャップの違いや、結婚相談所が人気になる季節、とら婚ならではのユニークな事例など、オタク婚活について野村氏に伺っていく。

 後編では引き続き野村氏に、男女間のギャップの違いや、結婚相談所が人気になる季節、とら婚ならではのユニークな事例など、オタク婚活について伺っていく。
(文/石徹白未亜 [http://itoshiromia.com/])

■オタクに寄り添う結婚相談サービス『とら婚』
秋葉原オフィス所在地: 東京都千代田区外神田4-7-3 秋葉原虎ビル(旧若松通商ビル)8F
名古屋オフィス所在地: 名古屋市中村区竹橋町5-5 さかえビル 2F
営業時間:【平日】12:00~20:00 【休日】11:00~19:00 ※予約制
電話番号: 080-8760-3054
定休日: 無休
公式サイト: https://toracon.jp/
※詳しくは公式 WEB サイトまたはお電話でお問い合わせください。
『とら婚』店舗から遠隔地に住んでいてもご相談できるように、Skype や Google ハングアウトによる WEB 面談サービスを提供しています。

 ■石徹白未亜 著書
『できる男になりたいなら、鏡を見ることから始めなさい。 会話術を磨く前に知っておきたい、ビジネスマンのスーツ術』(CCCメディアハウス)

とら婚炎上Twitter、「中の人」が語る!伝えたい、結婚にかける熱き想い

 2017年2月に事業を開始した婚活事業「とら婚」。事業開始から9ヵ月、成婚カップルは見込みも含め10名を達成している。とら婚Twitter公式アカウントのつぶやきは、時に炎上気味にまとめサイトやネットニュースに掲載されていたりもするが、つぶやきそのものはいたって正論だ。とら婚の企画責任者・野村晶二郎氏に、とら婚9ヵ月の歩みをはじめ、炎上についてもあれこれ聞いてみた。

■他の結婚相談所の「隠れオタク」を探せ!

――現在の「とら婚」の会員数を教えて下さい。

野村晶二郎氏(以下、野村) 会員数は全体で170名で、男女比は男性の方がやや多く、男性が110名ほどです。

 また、とら婚は日本最大級の結婚相談所ネットワークであるIBJ日本結婚相談所連盟に加盟しておりますので、他の結婚相談所に登録されている方のご紹介もできます。ですので、「とら婚の会員さん同士」のカップルも多くいらっしゃいますし、「とら婚の会員さん」と「他の結婚相談所に入っていて、オタク趣味のある方」との成婚事例もあるんですよ。(IBJ日本結婚相談所連盟の登録会員数は2017年10月時点で58,839名)

――「とら婚」に登録すると、IBJ日本結婚相談所連盟に加盟している他の結婚相談所に登録した方からも相手を探すことができるんですね。

野村 はい。IBJ日本結婚相談所連盟では定型のプロフィール記入フォームがあり、私たちのような加盟している結婚相談所の職員は、すべての登録者の方のプロフィールを見ることができます。

――「とら婚の会員さん」と「他の結婚相談所に入っていて、オタク趣味のある方」との成婚事例についてですが、その場合、他の結婚相談所に登録していた相手の方は、趣味欄に「オタク趣味があります」といったことを書いていたのでしょうか?

野村 他の相談所さんですと、残念ながら“オタク趣味を書くとマイナスになる!”と思われているところもまだ多いようです。中にはご本人が書いていても、アドバイザーによって止められ、修正させられるケースもあるようですね。ですので、「書いていなかった」方も含まれています。

――そうなると、他の結婚相談所の会員さんにオタク趣味があるかどうかをどうやって見極めるのでしょうか。

野村 何かしらのメッセージを残していただける方はそれでもいらっしゃいます。「年末は有明に行く」とかですね。

――分からない人には何が何やらでしょうね。分かる人に分かればいい、という潔さを感じます。

野村 ノウハウなので出せないのですが、実は「隠れオタ」のキーワードがいくつもあり、実際聞いてみると、オタクか、もしくはご理解ある方であることが多いですね。何より、とら婚の会員の方に向けアプローチを2回以上されている方がいたら、「この方はそうなのだろうな」と。そういう方のデータベースを独自に作っています。

 

■コミックエッセイ漫画が婚活の敷居を低くした

野村 最近は「オタクの婚活」「オタクの恋愛や結婚生活」をテーマにしたコミックエッセイ漫画が多くありますよね。そういった作品を読まれて、自分もそんな楽しい生活がしたい、と申し込まれる方も増えています。

――とら婚の登録者の年齢層はどのような感じでしょうか。

野村 男性は平均35.6歳、女性は平均すると31.2歳ほどですね。

――会員さんの結婚したい動機は何が多いのでしょうか。

野村 動機として挙げられることが多いのは「子どもが欲しい」ですが、「パートナーが欲しい」という方もいらっしゃいますね。男性で「子どもが欲しい」を挙げる方は女性より多い印象を受けますが、ただ、男性でも女性でも「子どもはどっちでもいい」という方もいらっしゃいます。しかし、周りの方に趣味をカミングアウトしていなかったり、そもそも職場等に異性がいなかったりして、出会いの機会が少ないことが共通しています。

■とら婚公式Twitter、「中の人」、語る

――御社のTwitterはたまに炎上されていますが、どなたが書かれているのでしょうか。

野村 「中の人」は変わることも多いので、「誰」と一概には言えません。Twitterは上限が140文字なので、伝えたいことをできるだけシンプルに呟いていくと、前後のつぶやきを省かれたり、伝えたかったことの一部だけが切り取られて、意図とは違うニュアンスでまとめサイトなどに掲載されてしまうために、きつく見えてしまったり意図をうまく伝えられなかったりするんですよね。

――一番燃えたのはどのつぶやきでしょうか。

野村 

は、ずいぶん賛否両論いただきましたね。

――でも、いたって正論ですよね。

野村 自分でも「これは耳が痛い人もいるかな」と思うときもありますが、それでもつぶやくのは次の3つの思いからです。

 まず一点目が「とら婚の会員の方や、今婚活をしている方の結婚できる可能性を上げたい」、二点目が「一人で婚活をされると視野が狭まりがちなので、視野を広げてよりよい婚活をしていただきたい」、三点目が「結婚したあとも不幸になって欲しくない」という思いがあります。

 当社は結婚相談所で、結婚はとても夢のあることだと思っていますが、「結婚=ゴール」ではないと考え、お相手の人生を背負う重いものでもあると捉えています。「オタクグッズを奥さんに捨てられた」「結婚前は自分のイラストを描く趣味に対し奥さんは理解を示していたものの、いざ結婚し旦那さんの描く“萌え絵”を実際に見てショックを受け離婚した」など、結婚したあとにオタク趣味によって夫婦間ギャップが生じ、望まれない結果になってしまうケースを減らすことや、結婚生活を構成する趣味以外のことの重要性を伝え、幸せな生活を送るためのお役に立てればと思います。

 また、誤解されることもあるのでこの機会に申し上げると、決して会員様を事例として呟いているわけではなく、オタク婚活パーティー参加者や、他社さんの事例、またネット婚活等の事例から、オタク婚活をしている男女の価値観の違いを分析したうえで発信しております。

――オタク趣味は性的嗜好と絡むケースも多いですから、相手のその性癖がどうしても自分には受け入れがたいとなってしまうと、生活は難しいでしょうね。

* * *

 引き続き後編では、男女間のギャップの違いや、結婚相談所が人気になる季節、とら婚ならではのユニークな事例など、オタク婚活について野村氏に伺っていく。

 後編では引き続き野村氏に、男女間のギャップの違いや、結婚相談所が人気になる季節、とら婚ならではのユニークな事例など、オタク婚活について伺っていく。
(文/石徹白未亜 [http://itoshiromia.com/])

■オタクに寄り添う結婚相談サービス『とら婚』
秋葉原オフィス所在地: 東京都千代田区外神田4-7-3 秋葉原虎ビル(旧若松通商ビル)8F
名古屋オフィス所在地: 名古屋市中村区竹橋町5-5 さかえビル 2F
営業時間:【平日】12:00~20:00 【休日】11:00~19:00 ※予約制
電話番号: 080-8760-3054
定休日: 無休
公式サイト: https://toracon.jp/
※詳しくは公式 WEB サイトまたはお電話でお問い合わせください。
『とら婚』店舗から遠隔地に住んでいてもご相談できるように、Skype や Google ハングアウトによる WEB 面談サービスを提供しています。

 ■石徹白未亜 著書
『できる男になりたいなら、鏡を見ることから始めなさい。 会話術を磨く前に知っておきたい、ビジネスマンのスーツ術』(CCCメディアハウス)