刑務所が3密すぎて裁判に! 元女囚が考える、獄中のコロナ問題と刑務作業

刑務所が3密すぎて裁判に! 元女囚が考える、獄中のコロナ問題と刑務作業の画像1 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

ムショで消毒液を飲むアホ?

 連載100回達成がうれしすぎて、お店のボトルサービスキャンペーンを始めましたが、なんと本当に「サイゾーウーマンを見た」と、お客様が来てくださっています! ありがとうございます。まだ間に合うので、ぜひいらしてくださいね。

 うれしい報告から始めましたが、やっぱり相変わらずコロナは痛いですよね。お店もですが、ムショもひどいことになっているようです。

 なんと、私の地元のダイケイ(大阪刑務所)の懲役(受刑者)が、「刑務所の3密は命に関わる」と、感染対策を求める裁判を起こしていました。記事によると、工場と雑居房の往復はマスク禁止で、アルコール消毒液は「懲役が飲んでまうから」置いていないそうです。訴えた懲役は持病があるので、感染したら死ぬかもしれないというのが提訴の理由やそうです。

 もともとムショには、とにかく外から人が来ます。刑務官も官舎から出勤してきますし、食材や備品、差し入れ品の納入業者や郵便局員や宅配便業者などなど、直接懲役に接触する機会はなくてもウイルスは入ってきてますよね。マスクと消毒液は必須アイテムですよ。消毒液はジェルやノンアルコールのタイプもありますし、やり方次第でしょうね。ちうか今どき消毒液を飲むって、あるんでしょうかね(苦笑)。

 今は面会が制限されてて、5月には大阪拘置所のプチクラスター化で弁護士との接見がテレビ電話になったりしていますが、今はそこまでではなくても、刑務官の感染は続いてますよね。大阪刑務所の刑務官も感染してますね。

 マスクと消毒液で完全に防げるかちゅうと、そうでもないらしいですが、今やマスクはファッションです。うちのお店の子たちも、しっかり感染対策をしてますよ。今はマスクですが、フェイスシールドをつけてた時は、なぜか「エロい」と褒められていました。

 刑務作業品を売る「矯正展」はどこでも人気ですね。今年はコロナでネット通販が中心やそうで、期間も12月までと長めです。いつもよりゆったり買い物できるのはいいですね。

 そんな中、我が母校(笑)の和歌山刑務所は、まさかのリアル販売に踏み切っていました。まあもともと、そんなに人が押し寄せるイベントでもないですしね。和歌山刑務所で作っているエプロンや布バッグのほか、函館少年刑務所の「マル獄」シリーズなども売るそうです。たくさん買った人にはマスク入れもプレゼントやそうですが、もう終わったイベントでした。来年は普通にできるとええですね。

 「瑠美さんの作ったものも売られていたんですか?」と編集者さんに聞かれましたが、どやったかなあ……。私もミシンは使ったけど、矯正展で売れるようなオシャンティなのは作らせてもらえなかった気がします。人気商品は模範囚が作るんですよ。

 ちなみに岩国刑務所に務めてた時も、細かくは忘れましたが、ジミな作業をさせられてました。岩国はガラス製品が有名ですが、ガラス工場は全体がめちゃ暑くなって危険なので、これも模範囚だけです。でも、ミシンはムショで上手になって、今もシャバに出てから息子たちの祭りの法被を縫ったりと、いろいろ便利です。

 ただ、ムショでコップを作ったところで、社会に出て何か役に立つとも思えませんよね。刑務作業は、社会復帰に役に立つかどうかは微妙なものが多いです。大阪刑務所は、お仏壇とか作ってますしね。職人さんには勝てませんから、パソコンとかの訓練のほうがええと思います。

「刑務所に何度も入る人を減らすには、どうすれば?」元女囚・中野瑠美が読者の質問に答えてみました

「刑務所に何度も入る人を減らすには、どうすれば?」元女囚・中野瑠美が読者の質問に答えてみましたの画像1 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

101回目は質問にお答えします

 おかげさまで今回は101回目の連載となりました。ひとえに皆様のおかげです。ほんまにありがたいです。ムショにも行ったかいがありましたかね。

 100回記念にあたって「瑠美への質問」を募集させてもろたのですが、けっこういただきました。驚いています。ひとつもけえへんかったら、自分でコッソリ書こうかなくらい思っていたのですが……。大丈夫でした。こちらもほんまにありがとうございます。

 なお、同じような内容の質問は1つにまとめさせてもらいました。スンマセン。感想もうれしかったので、いつでも送ってくださいね。「ここはアカン」みたいなご指摘もお待ちしています。

私も栃木刑務所にいました

【Q1】中野瑠美さん、たまに拝見させていただいてます! めちゃリアルで、いつも懐かしく感じます(笑)。

 質問ではなくて申し訳ないのですが、小向美奈子さんのシーツの件は「?」と思うことがありました。私も(小向さんと同じ)栃木刑務所にいて、洗濯工場にいたので、シーツなどは個人で洗うことはありません。 それは独房などでもです

【瑠美より】
 ありがとうございます。この質問、いくつかいただています。やっぱり小向さんの人気はすごいですね。ほんま謎ですよね。念のため動画をもっぺん見ましたが、洗濯はやっぱり「ムショで辛かったこと」の第3位に入っていました。

 瑠美もパンツくらいは洗いましたけど、枕カバーとかはなかったですよね。(自分でバケツとかで洗うって)桃太郎のおばあさんみたい(笑)。そんな刑務所でなくてよかった……。

経営するラウンジにコロナの影響は?

【Q2】中野さんのラウンジは、今どんな感じですか? コロナで影響ありますか?

【瑠美より】
 ご心配いただき、ありがとうございます。このご質問もいくつかいただいています。おかげさまで緊急事態宣言解除からしばらくして通常営業に戻りましたが、やっぱり売り上げはかなり落ちています。ぜひ飲みに来てください。どなたでも「この連載を見た」で、ボトルを1本サービスさせていただきますよ(笑)。

アルコール依存の心配

【Q3】クスリはやめられたそうですが、ラウンジでお酒を飲んでいてアルコール依存になったりしませんか?

【瑠美より】
 ご心配いただき、ありがとうございます。今のところは仕事が忙しいのと、家族に支えられているのとで、充実しているので大丈夫です。たしかにクスリをやめられても、アルコールやエッチに逃げる人、いてますよね。クスリだけやなしに依存症とどう向き合うかですね。でも、実は瑠美はお酒が弱いんです(テヘペロ←古っ)。

刑務所への提案

【Q4】刑務所に一度でなく何度も入る人も多いと思いますが、刑務所がどんなところだったら、繰り返し入る人がいなくなると思いますか?

【瑠美より】
 ご質問ありがとうございます。ムショはほんまに厳しくて、「罪を深く反省して真人間になろう」とは思えないです。むしろ刑務官を逆恨みしたりしますよね。もう少し優しくしてくれてもえんちゃうかなとも思いますが、図に乗る懲役(受刑者)もいてますから。瑠美が刑務官やったら絶対どついてるような懲役もいてましたから、厳しくせなアカンと思うところもあります。

 やっぱり出所してからの「居場所」かなと思います。仮にムショがええところで、優しいしい刑務官に感動して「マジメになろう」と思っても、出てから居場所がなければ、やっぱり同じことですから。たとえば、出所してしばらく暮らせるくらいのお部屋と貸付金制度とかあったらなーと思います。これはマジに提案したいです。

今、会いたい人

【Q5】今、会いたい人は誰ですか? その理由と、会ったら何をしたいか教えてください。

【瑠美より】
 ご質問ありがとうございます。会いたい人は、有名人でよければ、なんといっても清原和博さんですね。

 最近はテレビとかにも出てらっしゃるようですし、お元気そうですが、今までのこと、これからのこと、いろいろお聞きしたいです。「どんな状況でも応援してるし、信じてます。清原さんは必ずまた上がれます。清原さんは私の宝です」とか言いたいですね。

 いやほんまに皆様、ありがとうございました。たくさんの方に読んでいただいているから、ここまで来られたんやなと、改めてうれしくなりました。今後ともよろしくお願いします。

コロナ禍で大麻樹脂等は3割増、シャブは8割減! 元ポン中が語る「違法薬物取締事情」

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

記念すべき100回目のテーマは大麻

 おかげさまで連載が第100回を迎えました! ほんまにありがとうございます!

 記念すべき今回のテーマは芸能界の大麻ブームと、「非の打ちどころのないエリート芸能人が『人間のクズ』で驚いた件」にします。そう、イケメンで国立大卒の、伊勢谷友介さんの問題です。

 瑠美はテレビをほとんど見ないので知らなかったのですが、前から恋人への暴力は問題やったのですね。それにしても、夕刊紙のタイトルすごくないすか?

 「伊勢谷友介容疑者に噴出する“人間の屑”エピソード」。たしかに大麻よりもDVのほうがよっぽど問題ですけどね。彼女をエアガンで撃ちまくって、殴る蹴るで顔面陥没骨折て、ヤクザでもなかなかやりませんよ。長澤まさみさんとか広末涼子さんとか、森英恵の孫とかも、そんなことをされてたんかなーと心配になるのは、瑠美だけやないですよね。まあ「もらい事故」ちゅうか「有名税」ですね。

 大麻は合法の国や地域もあって、誰かパクられると、必ず「大麻解禁論」も出ますしね。それやからみんな懲りないんですが、アカンもんはアカンです。

大麻よりDV問題で芸能界復帰はムリ?

 しょせんは大麻で初犯やないですか。伊勢谷さんは執行猶予で、しばらくしたら、また復帰しますよね。まあ伊勢谷さんの場合は、大麻よりDVが足を引っ張るかもしれませんが、ウワサなんかすぐに消えますよね。

 今回は、「情報提供」つまりタレコミがあって、組対5課(警視庁組織犯罪対策5課)がめちゃ内偵をして、ゴミまであさったそうですね。怖いです。タレ込んだのは、かなりの確率で元カノですよね。

 それにしても伊勢谷さんのおうちに警察が踏み込んだ時にブツがあったのはすごいですね。普通は巧妙に隠してますから、簡単には出てきませんよ。

 瑠美が大好きな清原和博さんの場合は、踏み込まれた時に注射器を持ってたらしいですが、ドラマチックすぎて、実は瑠美はちょっと疑ってます。

 ちなみに伊勢谷さんがパクられた(逮捕された)時に「弁護士が来るまでしゃべらない」言うたそうで、ネットでは「ふてぶてしい」的な話になっているようですが、これは当然の権利ですから、皆さんも覚えておいてください。警察と検察は取り調べのプロですから、シロウトが余計なことをしゃべったらアカンのです。まあそれ以前に、パクられないようにしたほうがええですね。

コロナでも大麻の摘発は増加中!

 それにしても、大麻は不動の人気ですよね。そんなに罪悪感はないんでしょうね。瑠美的には、大麻は物足りなかったんですけどね……。もちろん、今はやってないですよ(笑)。

 今年の1月から6月のクスリ(違法薬物)の取り締まりでも、コロナのせいでシャブ(覚醒剤)は激減してるのに、大麻樹脂等は増えてるんですね。大麻樹脂等は約3割増で、もう2019年分を超えているそうです。あとは「MDMA」(合成麻薬)とコカインも2倍以上やそうです。そして、なんとシャブはまさかの約8割減(苦笑)。やっぱり飛行機が飛ばないからですかね。まあ国内のストックはまだあるはずで、今の値上がりは「便乗値上げ」を疑ったほうがええですよ。ちゅうか、シャブはやったらアカンですから。

 毎回同じ結論ですんませんが、これからもよろしくお願いします。

小向美奈子がムショでいじめられなかったワケ! 元女囚が明かす「獄中でつらかったアレ」

小向美奈子がムショでいじめられなかったワケ! 元女囚が明かす「獄中でつらかったアレ」の画像1覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

「どうでもよくなる」か「かえってしたくなる」か

 刑務所ネタで連載をさせていただいて、もうすぐ100回。本も出せて感謝しかないです。あと目指すのは小向美奈子さんですね(嘘)。YouTubeの公式チャンネルも大人気でうらやましいです。同じように覚醒剤で事件を起こしてムショで過ごしても、「ムショでつらかったこと」が私とけっこう違うのはおもろいと思いました。

 食べ物については、もともと好きではなかった「あんこ」が好きになったとか、共通点はあってんですけどね。

 そんな小向さんがムショでつらかったことは、入浴や歯磨きが自由にできないことと、お医者さんになかなか診てもらえないこと、食べ物の好き嫌いが言えないこと、そしてご両親の面会、やそうです。

 瑠美的には、お風呂と歯磨きは、ホンマどうでもよかったですね。できないとなれば、しなくてもぜんぜんおけ。オンナ捨ててる……と言われればそれまでですが、なんかもうホンマにどうでもよくて(苦笑)。もちろん今はちゃんとしてますよ。でも、歯磨きをちゃんとできないから、獄中(なか)で虫歯になりました。チョー痛かった……。そして、お医者さんに診てもらえるのは早くて1カ月後。ここは小向さんと同じですね。もうとっくに痛みなんかなくなってたのに、無理やり抜かれたこともあります。

 ちなみにエッチについては、「どうでもよくなる派」と「めっちゃしたくなる派」に分かれていました。瑠美はどうでもええちゅうか「出所エッチ」が楽しみでしたが、ガマンできない人は、セクハラしてくるから大変です。瑠美もお風呂場で後ろから胸をつかまれたり、耳たぶをかまれたりしていました

 瑠美の場合は、面会もめっちゃ楽しみというほどでもなく、「来てくれたらうれしいかな」程度で、お菓子問題のほうが切実でした。小向さんは、「こんなところにまで親が来てくれたことが申し訳ない気持ちでつらい」のと、「帰っちゃう時がまたつらい」のダブルやったそうですが、そこまではぜんぜんなかったです。

 そんなことより、便秘がつらかったですよ。虫歯と便秘とどっちがつらいか聞かれたら、便秘と即答します。おなかがパンパンで、夜も眠れないようなこともあります。

 ちょっと驚いたのは、小向さんが務めていた栃木刑務所は、洗濯は手洗いやったことです。小向さんはそれもつらかったそうで、シーツも手で洗って干すから、梅雨時は大変やったと。日本最大の女子刑務所に洗濯工場がないなんて、びっくりです。私が務めた施設は、どこも洗濯工場があって、懲役(受刑者)が配属されましたよ。ムショにも、いろいろあるんですね。

 あと、小向さんは芸能人やからか、「イジメ」がランク入りしてませんでしたね。ムショでは、小向さんのようなガチの芸能人のほか、大事件を起こしてテレビとかで有名になった人などを「芸能人」と呼んで、ほぼ独居にしています。イジメとかを避けるためですが、別に守るためではなく、(刑務所側が)単に事なかれ主義やから。事故や事件を起こしたら、所長の出世に響くんですよ。自殺なんて、もってのほかです。小向さんが、陰惨なムショのイジメを経験しないで済んだのは、うらやましいス(笑)。

<疑問大募集>
この連載「知られざる女子刑務所ライフ」が100回を迎えます。そこで、読者の皆さんから中野さんへの質問を大募集することにしました。中野さんへ聞きたいこと何でもお寄せください。いただいた中から記事で回答させていただきます。下記フォームよりお送りください。締め切りは9月14日(月)です。

小向美奈子がムショでいじめられなかったワケ! 元女囚が明かす「獄中でつらかったアレ」

小向美奈子がムショでいじめられなかったワケ! 元女囚が明かす「獄中でつらかったアレ」の画像1覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

「どうでもよくなる」か「かえってしたくなる」か

 刑務所ネタで連載をさせていただいて、もうすぐ100回。本も出せて感謝しかないです。あと目指すのは小向美奈子さんですね(嘘)。YouTubeの公式チャンネルも大人気でうらやましいです。同じように覚醒剤で事件を起こしてムショで過ごしても、「ムショでつらかったこと」が私とけっこう違うのはおもろいと思いました。

 食べ物については、もともと好きではなかった「あんこ」が好きになったとか、共通点はあってんですけどね。

 そんな小向さんがムショでつらかったことは、入浴や歯磨きが自由にできないことと、お医者さんになかなか診てもらえないこと、食べ物の好き嫌いが言えないこと、そしてご両親の面会、やそうです。

 瑠美的には、お風呂と歯磨きは、ホンマどうでもよかったですね。できないとなれば、しなくてもぜんぜんおけ。オンナ捨ててる……と言われればそれまでですが、なんかもうホンマにどうでもよくて(苦笑)。もちろん今はちゃんとしてますよ。でも、歯磨きをちゃんとできないから、獄中(なか)で虫歯になりました。チョー痛かった……。そして、お医者さんに診てもらえるのは早くて1カ月後。ここは小向さんと同じですね。もうとっくに痛みなんかなくなってたのに、無理やり抜かれたこともあります。

 ちなみにエッチについては、「どうでもよくなる派」と「めっちゃしたくなる派」に分かれていました。瑠美はどうでもええちゅうか「出所エッチ」が楽しみでしたが、ガマンできない人は、セクハラしてくるから大変です。瑠美もお風呂場で後ろから胸をつかまれたり、耳たぶをかまれたりしていました

 瑠美の場合は、面会もめっちゃ楽しみというほどでもなく、「来てくれたらうれしいかな」程度で、お菓子問題のほうが切実でした。小向さんは、「こんなところにまで親が来てくれたことが申し訳ない気持ちでつらい」のと、「帰っちゃう時がまたつらい」のダブルやったそうですが、そこまではぜんぜんなかったです。

 そんなことより、便秘がつらかったですよ。虫歯と便秘とどっちがつらいか聞かれたら、便秘と即答します。おなかがパンパンで、夜も眠れないようなこともあります。

 ちょっと驚いたのは、小向さんが務めていた栃木刑務所は、洗濯は手洗いやったことです。小向さんはそれもつらかったそうで、シーツも手で洗って干すから、梅雨時は大変やったと。日本最大の女子刑務所に洗濯工場がないなんて、びっくりです。私が務めた施設は、どこも洗濯工場があって、懲役(受刑者)が配属されましたよ。ムショにも、いろいろあるんですね。

 あと、小向さんは芸能人やからか、「イジメ」がランク入りしてませんでしたね。ムショでは、小向さんのようなガチの芸能人のほか、大事件を起こしてテレビとかで有名になった人などを「芸能人」と呼んで、ほぼ独居にしています。イジメとかを避けるためですが、別に守るためではなく、(刑務所側が)単に事なかれ主義やから。事故や事件を起こしたら、所長の出世に響くんですよ。自殺なんて、もってのほかです。小向さんが、陰惨なムショのイジメを経験しないで済んだのは、うらやましいス(笑)。

<疑問大募集>
この連載「知られざる女子刑務所ライフ」が100回を迎えます。そこで、読者の皆さんから中野さんへの質問を大募集することにしました。中野さんへ聞きたいこと何でもお寄せください。いただいた中から記事で回答させていただきます。下記フォームよりお送りください。締め切りは9月14日(月)です。

ラリって目玉をくり抜いたり、ビルから落ちたり……元ポン中が教えるクスリによる幻聴

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

薬物の幻聴で目玉をくり抜いた

「ラリって自分の目玉を手でくり抜いちゃった人がいるそうですが、薬物でやらかしたことってあります?」

 編集者さんから聞かれました。ラリって目玉をくり抜く……。さすがに聞いたことありませんよね。日本やなくてアメリカの話でした。

 ニュースによると、突然、頭の中で「世界を救うために自分の大切なものを差し出せ」的な声が聞こえてきて、目をくり抜いて(誰に?)差し出したそうです。今は義眼で、社会復帰できてるそうです。薬物中毒者とはいえ、若い女性でここまでやる人はなかなかいないから、アメリカでも話題のようですね。

「拉致られたオンナを助けろ」と声が

 覚醒剤やコカイン中毒では、幻聴や幻視はありがちで、「頭の中の声」は、わりと聞こえます(苦笑)。瑠美は聞いたことないですよ。

 普通は聞こえても無視するのがプロちゅうか「クスリ(違法薬物)に慣れてる人」です。声に素直に従っちゃうのは、まだシロート(?)ですね。

 ちょっと前のミナミの通り魔事件(2012年)の犯人は、「殺せ」という声で実行しました。2人も殺してるのに、「覚醒剤中毒の後遺症による幻聴」(いわゆる「覚醒剤精神病」)として、無期懲役の判決が確定しています。ムショでは治らないと思いますけどね。

 こんな人殺しまではありませんが、知り合いの「やらかし」はけっこうあります。たとえば、「『A(知人女性)がヤクザにさらわれたから助けに行け』と声が聞こえた」と言って、Aちゃんの家に押しかけて、なぜか逆に自分がさらっていった男がいてました。

 まあさらうくらいならまだマシで、「この女を懲らしめろ」と「声」に言われて、元カノをボコって薬物治療の病院に強制入院させられた男もいてます。仲間内の話では「一生出てこられない」そうです。

 あと、「声」ではないですが、私も経験あります。大昔ですが、エッチしてる時に当時のカレが突然、「ベランダに俺の元カノがいてる……」と言いだしました。

「えーと、ここ11階やけど?」

 そう言うといきなりゲキコーして、「オレが間違うとるとでも言うんか!」と、めっちゃしばかれました。当たり前やけど、ソッコー別れましたね。

 思えば覚醒剤は「頭の中の声」が聞こえたり、いるはずのない人が見えたりするんですが、シンナーとか危険ドラッグは「空を飛べる気がする」みたいです。知り合いは何人かビルから落ちて亡くなってます。

 ちなみに瑠美は若い頃にシンナーでラリった時に、なぜか「糸を巻く」動作をずっとしていたことがありました。

「瑠美ちゃん、昨日ずっと糸を巻いてた(=巻く動作をしてた)よ……」

 友だちにこう言われても、もちろん私はまったく記憶にありません。飛び降りなくてよかったですけどね。ホンマにクスリは変な症状が出ますね。ラリった時に、一晩中しゃべり続ける人もいてますが、これはいろんなクスリで出る感じです。

 そういえば8月11日には名古屋市のバスの運転手さんが覚醒剤使用でパクられ(逮捕され)ましたが、大勢が乗ってるバスで「殺せ」ってなったら大惨事ですよね。

 クスリをやってええことはひとつもないですが、他人様を傷つけたり死なせたりするのは絶対にダメです。そもそもクスリがアカンですね。

<疑問大募集>
この連載「知られざる女子刑務所ライフ」が100回を迎えます。そこで、読者の皆さんから中野さんへの質問を大募集することにしました。中野さんへ聞きたいこと何でもお寄せください。いただいた中から記事で回答させていただきます。下記フォームよりお送りください。締め切りは9月14日(月)です。

覚醒剤逮捕歴4回の女が語る、クスリの“本当の怖さ”! 『テラハ』出演者、警察官、国税職員も大麻所持! 

覚醒剤逮捕歴4回の女が語る、クスリの本当の怖さ! 『テラハ』出演者、警察官、国税職員も大麻所持! の画像1 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

マーシー&マッキー判決

 もうすぐお盆休み的なタイミングで、マーシーこと田代まさしさんと、マッキーこと槇原敬之さんの覚醒剤事件の判決が出ましたね。

 マーシーは7月29日で、一審仙台地裁の「懲役2年6月、うち6月を保護観察付き執行猶予2年」ちゅう判決を二審仙台高裁も「アリ」としました。まあそやろな……という感想です。前に何回も逮捕されて服役もしてるんですから、決して重い刑ではないですよ。8月6日現在で、報道はないようですが、マーシーは上告するんでしょうかね。

 そして、8月3日はマッキーの一審判決でした。こちらは求刑2年に対して執行猶予がつきましたね。しばらく休業されるようです。この間、三浦春馬さんの件とかいろいろあって、マッキーの報道は控えめでしたよね。マッキー的にはラッキーやったのと違いますかね。ちゅうか2年も前の「所持」ですから、もともと逮捕の意味がわからなかったので、執行猶予も妥当な気がします。

去年の覚醒剤の摘発は過去最高!

 それにしても相変わらずクスリ(違法薬物)の事件は多いですね。

 たとえば自殺者まで出たテレビドラマの『テラスハウス』(Netflix配信、フジテレビ系でも放送)のイケメンさんが大麻所持で逮捕されたようです。瑠美はほとんどテレビ見ないんですが、「呪われた番組」とか言われるのもわかりますよね。あとは、「元大阪府警巡査」の大麻所持とか「元札幌国税局職員」とか、ぶっちゃけ笑えました。

 国税職員さんは、マンションで1,000株くらい栽培してたそうですから、お小遣い稼ぎにはええシノギでしょう。札幌は昔から「大麻天国」のウワサがありますが、もしかしてホンマかもと思わせるニュースでした。

 まあ前から書いてますけど、大麻なんて合法の国もありますから、シャブに比べたら効き目は全然ゆるいです。もちろん日本は合法ではないから、大麻も「ダメ、ゼッタイ。」ですけどね。

 でも、ニュースが「多い気がする」だけでなく、実際にクスリの摘発は増えてるんですね。なんと2019年の覚醒剤の押収量は約2,570キロで過去最多でした。「2トン超え」は「日本初」やそうです。「こんだけあったら、どんだけもうかる?」と考えてしまうのは、私が大阪人やからで、他意はありません(笑)。

 次がコカインで約640キロと、これも過去最高。あとは乾燥大麻約61キロ、ヘロイン約17キロ、大麻樹脂約17キロの順。合計で約3.3トンやそうです。

 今年はコロナのせいで「品薄感」がありますから、どのくらいになりますかね。値上げもごついようですが、「品薄」はウソで、「便乗値上げ」ちゅう説もあります。

 今はクスリはネットで買えるので、手軽に手を出しやすくなっているのも、摘発増加の理由かもしれませんね。そもそもクスリをやる人は、危機感がないです。私もそうでした。

 クスリで突然死ぬ人って、ゼロではないけど、実は、そんなにはいてないです。ハリウッドセレブとかも、死ぬ人よりも「ワシは昔ポン中やった」とかドヤ顔でカミングアウトしてる人のほうが多い気がします。

 でも、「クスリをやってる」となったら、なかなか社会では認められません。むしろ死ぬより、こっちが大変です。もちろん私も経験あります。何をしても、何を言うても、「ポン中が何を言うか」とか「まだクスリやってんやろ」みたいなことを言われて、なかなか信用してもらえません。これはとてもツラいです。私はなんとかやれていますが、信用してもらえずに、ツラくてまたクスリに逃げる友達もいてます。

 どうすればええかは、とにかく自分で考えることです。誰も助けてくれませんよ。まずはマッキーみたいにラブラブなパートナーさんを見つけるとか、クスリを使わなくてもツラくない状況を作るために、がんばってほしいです。でも、これはこれで、めっちゃ難しいですね……。

 悩んでる人の相談相手になってあげたいなーと思う、今日この頃です。講演とか、いつでも呼んでくださいね。

覚醒剤逮捕歴4回の女が語る、クスリの“本当の怖さ”! 『テラハ』出演者、警察官、国税職員も大麻所持! 

覚醒剤逮捕歴4回の女が語る、クスリの本当の怖さ! 『テラハ』出演者、警察官、国税職員も大麻所持! の画像1 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

マーシー&マッキー判決

 もうすぐお盆休み的なタイミングで、マーシーこと田代まさしさんと、マッキーこと槇原敬之さんの覚醒剤事件の判決が出ましたね。

 マーシーは7月29日で、一審仙台地裁の「懲役2年6月、うち6月を保護観察付き執行猶予2年」ちゅう判決を二審仙台高裁も「アリ」としました。まあそやろな……という感想です。前に何回も逮捕されて服役もしてるんですから、決して重い刑ではないですよ。8月6日現在で、報道はないようですが、マーシーは上告するんでしょうかね。

 そして、8月3日はマッキーの一審判決でした。こちらは求刑2年に対して執行猶予がつきましたね。しばらく休業されるようです。この間、三浦春馬さんの件とかいろいろあって、マッキーの報道は控えめでしたよね。マッキー的にはラッキーやったのと違いますかね。ちゅうか2年も前の「所持」ですから、もともと逮捕の意味がわからなかったので、執行猶予も妥当な気がします。

去年の覚醒剤の摘発は過去最高!

 それにしても相変わらずクスリ(違法薬物)の事件は多いですね。

 たとえば自殺者まで出たテレビドラマの『テラスハウス』(Netflix配信、フジテレビ系でも放送)のイケメンさんが大麻所持で逮捕されたようです。瑠美はほとんどテレビ見ないんですが、「呪われた番組」とか言われるのもわかりますよね。あとは、「元大阪府警巡査」の大麻所持とか「元札幌国税局職員」とか、ぶっちゃけ笑えました。

 国税職員さんは、マンションで1,000株くらい栽培してたそうですから、お小遣い稼ぎにはええシノギでしょう。札幌は昔から「大麻天国」のウワサがありますが、もしかしてホンマかもと思わせるニュースでした。

 まあ前から書いてますけど、大麻なんて合法の国もありますから、シャブに比べたら効き目は全然ゆるいです。もちろん日本は合法ではないから、大麻も「ダメ、ゼッタイ。」ですけどね。

 でも、ニュースが「多い気がする」だけでなく、実際にクスリの摘発は増えてるんですね。なんと2019年の覚醒剤の押収量は約2,570キロで過去最多でした。「2トン超え」は「日本初」やそうです。「こんだけあったら、どんだけもうかる?」と考えてしまうのは、私が大阪人やからで、他意はありません(笑)。

 次がコカインで約640キロと、これも過去最高。あとは乾燥大麻約61キロ、ヘロイン約17キロ、大麻樹脂約17キロの順。合計で約3.3トンやそうです。

 今年はコロナのせいで「品薄感」がありますから、どのくらいになりますかね。値上げもごついようですが、「品薄」はウソで、「便乗値上げ」ちゅう説もあります。

 今はクスリはネットで買えるので、手軽に手を出しやすくなっているのも、摘発増加の理由かもしれませんね。そもそもクスリをやる人は、危機感がないです。私もそうでした。

 クスリで突然死ぬ人って、ゼロではないけど、実は、そんなにはいてないです。ハリウッドセレブとかも、死ぬ人よりも「ワシは昔ポン中やった」とかドヤ顔でカミングアウトしてる人のほうが多い気がします。

 でも、「クスリをやってる」となったら、なかなか社会では認められません。むしろ死ぬより、こっちが大変です。もちろん私も経験あります。何をしても、何を言うても、「ポン中が何を言うか」とか「まだクスリやってんやろ」みたいなことを言われて、なかなか信用してもらえません。これはとてもツラいです。私はなんとかやれていますが、信用してもらえずに、ツラくてまたクスリに逃げる友達もいてます。

 どうすればええかは、とにかく自分で考えることです。誰も助けてくれませんよ。まずはマッキーみたいにラブラブなパートナーさんを見つけるとか、クスリを使わなくてもツラくない状況を作るために、がんばってほしいです。でも、これはこれで、めっちゃ難しいですね……。

 悩んでる人の相談相手になってあげたいなーと思う、今日この頃です。講演とか、いつでも呼んでくださいね。

元女囚が選ぶ「ムショメシ」ランキングベスト3! 小向美奈子と共通の「おいしかったもの」とは?

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

マッキーはラブラブなら更生も大丈夫では?

 7月21日は、マッキーこと槇原敬之さんの覚醒剤取締法違反(所持)の公判でしたね。傍聴券の倍率は17.6倍だったそうで、相変わらずの人気です。がんばってほしいなと思っていたら、今はクスリに興味がない理由が「ラブラブだから」と法廷で話したそうで、これには驚きました。

 「つらいこともパートナーの彼と分かち合えている。薬物を使わなくても十分幸せを感じている」そうで、中日新聞は「ラブラブ宣言」と書いてました。法廷でこんなこと言うなんて、さすがとしか言えませんが、ええ話ちゃいます? ちょっとうるっときてしまいました。このパートナーさんといるうちは、マッキーは大丈夫と思います。ホンマによかったですね。むしろラブラブでうらやましいです。これからも活躍してくださいね。

小向美奈子は「和食」好き

 シャブといえば、懲役経験のある小向美奈子さんが「ムショでおいしかったもの」を公式ユーチューブで語って話題になっていました。

 小向さんは日本最大の女子刑務所である栃木刑務所で務めたそうですが、「メシがうまかった」と楽しそうにランキングを語っています。前にも書かせてもろてますが、ムショの楽しみは、なんといっても食べること。面会よりも手紙よりも、ぜんぜんうれしいです。特に、お菓子や缶コーヒーには胸が躍ります。

 動画によると、小向さん的に一番おいしかったのは、なんと「白和え」やそうです。瑠美も嫌いじゃないけどシブいすね。ふだんもスーパーのお総菜コーナーでつい買うそうです。ひじきやかぼちゃサラダも好きとかで、意外に和風な人ですね。

 ムショはお正月も楽しみで、年越しそばはカップ麺やったとか。どこの刑務所も同じなんやなと、しみじみしました。あとランキングには入っていませんでしたが、「カレーもおいしかった。みんな大好きだった」と懐かしそう。瑠美もカレーは好きでした。

 2位は、「コロッケ」。この時はいつもプリンがデザートについてたそうで、懲役仲間の外国人から「コロッケとプリンを同時に食べるとドーナッツになる」言われて試したら「ドーナッツになった」そうです。これ、とってもわかります。瑠美たちも、コロッケの衣をはずして中にあんこを入れて「揚げパン」風にしたり、さらにマーガリンを塗って食べてました。コロッケの衣には、蜂蜜をつけてもおいしいし、プリンをパンに挟んだりもしていました。今思うと「ナニやってんだか」ちゅう話ですが。

 そして、第3位は「コッペパン」。シャバでは嫌いだったあんこが、おいしかったそうです。これもホンマにそうです。瑠美もシャバでは甘いものはほとんど食べなかったのに、めっちゃおいしいんです。

 盛り上がってきたところで、瑠美的ランキング発表です。ジャジャーン。まずは、3位から。ぜんざい。あんこは不動の人気ですね。たまに出るコーヒーについているストローでぜんざいの汁気を吸って「あんこ」だけにして、ご飯を入れて「あんころ餅や」とかいって食べてました。あんこは、いろいろ遊べましたね。

 2位はカレー。小向さんとかなりかぶってますね。みんなも喜ぶから、ムショの雰囲気がよくなるのも一緒です。

 そして1位はコッペパンです。和歌山刑務所のコッペパンは、なんか空気が多い感じで(笑)、中はスカスカでしたが、そのパサパサがかえってよかったですね。パン食は月に数回しかなくて、ジャムやあんこがついてきたので、待ち遠しかったです。

 瑠美もシャバでは甘いものはほとんど食べなかったのですが、獄中(なか)ではストレスのせいか、甘いものがおいしく感じました。皆さんもムショで暮らしてみたら、この気持ちをわかっていただけると思います。とにかく不自由な生活の中で、みんなで味気ない食事をおいしくするアイデアを出し合うのは楽しかったです。そういえば練り歯磨きをなめてからお茶を飲んで「ミントティー」にするとかもありました。

 ちなみに、嫌いになったのはお麩です。なぜか毎日必ず何かに混入していて、来世の分まで食べ尽くしたので、二度と食べたくないです。

元女囚が考える、マッキー&マーシー覚醒剤裁判――薬物依存はムショに行っても治らない

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

マッキーとマーシーの裁判

 コロナで延期されていたマッキーこと槇原敬之さんの初公判の日程が、7月21日と発表されましたね。例によって覚醒剤取締法違反(所持)ですが、むしろ中野は「前歯のなさ」が気になりましたね。50歳くらいやそうですが、どう見てもオジイですよね。やっぱりシャブですかね。私は大丈夫ですけどね。念のため。

 それに、2年も前の「所持容疑」ということで、「おかしい」という声もありますね。私もどうかと思いますが、どうなるんでしょうね。

 そして、6月30日には同じく覚醒剤取締法違反(所持)で逮捕されていたマーシーこと田代まさしさんの控訴審が開かれ、一日だけで終わったようです。もともと殺人事件とかではないですが、やっぱり裁判は早くなりましたね。「迅速化」ちゅうやつです。ちゅうか瑠美としたことが、マーシーが控訴してたの知りませんでしたよ……。ニュースでも、あんまり大きく出てなかった気がします。

 控訴審でマーシーが「志村けんさんの死をムダにしない」ちゅうたそうですが、そもそも控訴とコロナ関係ないし、ネットでも「志村さんのこと言うより、まず控訴するなや」とか「反省が見られない」みたいな意見が目立ちました。

 私はマーシーのファンですが、やっぱりちょっとそう思います。もちろん判決に不服があれば控訴はできます。まあ判決が確定していない未決囚のほうが、私服で面会できたり、手紙は毎日OKで、お菓子も食べられますから、ラクなんですよ。もちろん、お金があればですけど。

 一審ですぐムショに行くよりも、「ギリギリまで未決囚」を狙う不良も普通にいてます。でも、控訴審のほうが判決が重くなることもないとは言えません。ちなみに中野の「獄トモ」は、2人を殺して一審は懲役15年でしたが、控訴したら無期になってしまいました。まだ獄中(なか)にいてます。つまり控訴はある意味バクチみたいなところがあるんですが、マーシーの場合は、それはないと判断したのでしょう。

 報道やとマーシーは「収監前に更生施設のプログラムを少しでも長く受けておきたい」と思ったらしいですし、マーシーの実子さんもツイッターで「刑務所に入って薬物依存が治るんだったらとっくに父ちゃん治ってるよ…」とつぶやいてます。ほんまそのとおりですが、世間様は「ええことやな」とは言わないと思います。

「適切な更生プログラム」って?

 ニュースやと、マーシーは「茨城県鹿嶋市の施設で生活」してるそうで、たぶんダルクの潮騒ジョブトレーニングセンターですね。この施設は再就職の支援でも有名なところです。ここでなるべく長くトレーニングして、懲役に行くちゅうことなのでしょうね。実子さんのおっしゃるとおり、ムショに行っても治りませんけどね。

 実子さんは、同じツイートで「こんなに再犯者が多いのだから刑務所の現状のプログラムでは無理だと思う。薬物依存は刑務所の辛さより欲望が勝つ恐ろしい病気。適切なプログラムを受けないと無理…」としていて、9,000人くらいの人がリツイートしてました。

 中野も同感ですけど、控訴は「黙秘権」と同じで、別に正当な権利は権利やけど、行使したら「ふてぶてしい」とかいわれるヤツです。一般人はええけど人気商売やからなあ、と心配になっています。お2人とも、まだこれからいろいろあると思いますが、お早い社会復帰をお祈りしてます。相談にも乗りますよー。