「トー横のハウル」の死因は? 獄死が公表されない「闇」を元女囚が語る

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

トー横のハウルが東京拘置所で死亡

 新宿・歌舞伎町の「トー横」で炊き出しなどをしていた元ホストのハウルが、11月14日に東京拘置所で亡くなったそうですね。6月に逮捕されてました。

 前も書いてますが、「トー横」には家に帰りたくない少女たちもいてますので、そうゆう子たちを目当てにオッサンたちが集まっています。

 ハウルもこうした少女たちをレイプしてたようで、「都青少年健全育成条例」(強制性交ちゃうんですね)違反の疑いで逮捕されて、11月22日に予定されてた初公判を前に急死です。

 記事によると、死亡は「拘置所発表」やなくて、「関係者への取材でわかった」そうで、死因は公表されてません。「持病があった」説もありますが、どうでしょう?

東京拘置所のコロナ感染者が急増

 拘置所は解剖もしないのと違いますかね。ネットには「自殺説」や「ヤクザに消された説」も出てますが、シャバならともかく、拘置所では難しいと思います。

 まあコロナの可能性はあるかもしれませんね。今は凍結されて見れませんが、ハウル自身がTwitterに「3回コロナになった」と書いていたようです。

 獄中(なか)で感染者が増えてることは、編集者さんが調べてくださいました。なんと東京拘置所内でのコロナ感染者が11月7日から13日にかけて急増してましたよ。

 ハウルが亡くなったのは14日やから、コロナ死の可能性はあると思います。

 コロナが増えてるのを施設が公表をようせんのは、懲役(受刑者)やその家族が騒ぐからやと思いますね。ムショや拘置所は、もともと「密」なんやから、感染は止められへんのです。

太宰府市のホスト狂いも刑務所でコロナ死

 最近の獄死はコロナ絡みが目立ちますね。

 福岡県太宰府市で、カタギさんからお金を搾り取って殺したホスト狂いさんは、佐賀県鳥栖市の麓(ふもと)刑務所で、コロナによって亡くなったようです。

 これも施設の発表やなくて、「8月に死亡していたことが関係者への取材でわかった」てなってますね。

 こうゆう「関係者の取材で明らかになる」のと、「施設が発表した」との違いはわかりせんが、これからもムショでのコロナ死は増えると思います。でも、ちゃんと発表しないほうが多いでしょうね。

 獄死といえば、和ちゃんこと福田和子さんの病死も記憶に残ってます。和歌山刑務所で一緒だったのは何回か書いてますが、「獄死」やなくて、病院で亡くなってました。具合が悪なって救急車で外の病院に運ばれて、手術したけど、あかんかったんですね。脳梗塞のようです。

 瑠美たちは、ある朝突然「和ちゃん、亡くなったらしい」と聞いて大騒ぎでしたが、とっくに病院やったんですね。

 これもムショは公表しなくて、亡くなってから半年くらいたって新聞に出たんです。意味わかりません。

 ちなみに刑期の長さなどで分けられる男子刑務所とは違うて、女子刑務所は人殺しから万引常習犯まで同じ施設なのですが、和ちゃんみたいな人殺しのことも「ちゃん」付けで呼んでました。

 ちゅうか、今の人は福田和子も知りませんよね。1982年に松山市で同僚のホステスを殺して、整形して15年逃げてたんです。今は殺人の時効はないですが、昔はあって、時効直前にパクられ(逮捕され)たりして、テレビドラマにもなっています。

 こうゆう有名人は、ムショでは「芸能人」と呼んで特別扱いします。ずっと独房で、刑務作業も1人でさせられます。いじめとか自殺とかあったら、法務省やマスコミがうるさいからです。

 でも、「和ちゃん」は独房やないし、作業もみんなと一緒でした。本人が施設に頼んだのやと思います。本にも書きましたが、なかなか女親分的な雰囲気でした。

 ムショや拘置所は、収容者を「生かさず殺さず」がミッションやから、獄中で死ぬと所長さんたちは叱られないように必死で隠すようです。

 ちゅうか誰に叱られるんですかね。やっぱり法務大臣? 法務大臣は死刑の執行命令書にハンコ押すだけのカンタンなお仕事らしいですから、そんな人に叱られても痛くないですよね。

廃院になった精神病院の闇――元患者が明かす「廊下でレイプ」「差し入れ着服」恐ろしい実態

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

精神病院に3カ月入院

 突然ですが、皆さんは精神病院に行ったことがありますか?

 今は、小ぎれいな心療内科のクリニックとか珍しくないですが、少し前までは「精神病院」というと、不衛生で虐待も普通なイメージで、実際にそうでした。

 瑠美は、たぶんその中でも一番えぐい病院に3カ月も入れられていました。本(イースト・プレス『女子刑務所ライフ!』)でも少し書いていますが、思い出すのもつらくて、そんなに深掘りはしてません。

 でも、この間、偶然に病院の近くを通ってしまい、いろいろ思い出しました。今は笑い話ですが、マジで生命の危険を感じましたね。

「患者による殺人」で廃院になった精神病院

 その病院は、「大和川(やまとがわ)病院」といい、奈良との県境、大阪府柏原市にありました。

 1993年に起こった患者さんの虐待死がめくれた(発覚した)ことが問題になって、97年に廃院になったのですが、瑠美がいたのは94年です。暴力は日常的で、糞尿と消毒薬の匂いがひどく、地獄でした。ボスみたいな患者がほかの患者さんをどつくのも普通で、廃院のきっかけである虐待死も、ボス患者による暴行が原因でした。

 ちなみに69年には、脱走しようとした患者さんが、無資格の看護スタッフにバットで殴られて殺されてます。

 今は病院の建物は解体されてますが、しばらく残っていた建物周辺は心霊スポットとしても人気があったようです。

 先日、瑠美はクルマを運転中に道を間違えて川沿いに出てしまい、しばらく走って「あれ? ここ見たことあるな……」って。当時の建物はないですが、川や線路はそのままやから、どんどん思い出して怖くなりました。

 瑠美が収容されたのは22歳の時です。自分で覚醒剤を使いながらバイ(密売)もしていました。兄からは「瑠美、おまえクスリ(違法薬物)いっとるやろ?」と聞かれて、「やってへん」と答えていましたが、バレバレでしたね。

 ある日、ツレとクルマに乗っていたら、黒塗りのハイエースが急に道路に出てきたんです。危ないと思って止めたら、ハイエースから屈強なお兄さんたちが6人ゾロゾロと降りてきて、フロントガラスとドアのガラスをコンクリートブロックで割りだしました。

「ちょ、やめんかい! コラッ」

 怒鳴ってもムダな抵抗ですよね。瑠美は引きずり出され、布団で簀巻きにされてハイエースに乗せられました。

(何やらかしたんやろか……)

 簀巻きのまま考えましたが、ほんまに思い当たることがありませんでした。

(このまま輪姦されて殺されるんかなあ)
(山に埋められたら虫がいっぱいいてるな……イヤやなあ)
(海に放られるのも怖い……)

 などとぐるぐる考えてると、屈強なお兄さんの一人が「間違いありません、妹さんやと思います」と電話をしているのが聞こえました。

 兄の後輩さんたちのようです。殺される不安はなくなりましたが、いかんせん簀巻きですからね。わけわかんないまま降ろされたのが大和川病院でした。

 そこから3カ月、瑠美はまさに地獄を見ることになります。ちなみにクルマに乗っていたツレは自分だけ逃げました。それ以来、音信不通です。

「放さんかい、コラッ!」

 瑠美は帰ろうとして暴れましたが、すぐに強い精神安定剤を打たれて気を失いました。気がつくと手足に拘束具をつけられ、一人部屋に入れられてました。父と兄が高いお金を払って一人部屋にしてくれたんですが、全然うれしくないですよ。

 ドアの下のほうに食器を出し入れする食器口があって、そこからビニール袋に入ったお水やおにぎりが差し入れられてきました。トレイを蹴っ飛ばして、滑らせて入れてくる感じでしたね。

 この後、しばらくは「暴れる」→「強い精神安定剤を飲まされる」が続いてしまいました。口を無理やりこじ開けられるんですよ。

 父は毎日面会に来てくれましたが、強い薬で頭がぼうっとして何も話せませんでした。

 「瑠美ちゃん、かわいそうに。覚醒剤なんか使うから」と泣いてました。

 「パパ、ちゃうちゃう、これは病院で打たれたクスリ……」と言いたくても、言葉が出ないんです。

 これが続いたらガチの廃人ですから、薬を飲まされたら水を大量に飲んでトイレでソッコー吐くことにしました。これがまたつらかったです。

 過食症の方とか経験あると思いますけど、「吐き癖」がついちゃって、喉に指を入れなくても吐けるようになって、ちょっとしたことで吐いてしまうんです。でも、それで薬が回らなくて済んだので、まあよかったです。よくないか。

 一人部屋には時計もなく、近くの線路から聞こえる電車の音と、窓から見える朝日と夕日で、なんとなく時間がわかる感じでした。外が明るくなって、電車の音が聞こえると、「あー始発か。朝やなあ」とか思うんです。

 クスリが抜けてきて、周囲の様子がわかってくると、これがまたひどかった。

 後でわかったことですが、病院の経営陣は、スタッフの給料や備品の経費をケチるだけケチって、家族からの差し入れのお金も着服していました。そうして貯めたお金を地元の政治家に配ってたんで、虐待もうやむやにされてたそうです。それに、どこも受け入れない患者さんの受け入れ先としても重宝されていたとか。

 これも後から知りましたけど、スタッフが足りない分は、どこから連れてきたのか、資格のない人を使うていました。この人らは、患者さんを殴る蹴る、怒鳴る――頭をつかんでトイレのモップを洗う流しに入れ、水で洗うのも当たり前だったんです。

 それと患者のコワモテのおっさんと姐さんをボスにして、ほかの患者さんたちを仕切らせてたんですが、これがまた最悪でした。とにかくすぐに殴るし、患者さんたちの家族からの差し入れのお菓子も取り上げてました。ムショでいう「シャリ上げ」、食べ物を取り上げることです。

 閉鎖病棟はあったかもしれませんが、昼間は患者さんたちが部屋から出てうろうろしていました。男女一緒やから、当然エッチなことをしてる人もいてましたね。階段の上でSMプレイみたいのしてるとか。さすが、のちに廃院になった精神病院です。

 いちばんエグかったのは、17歳の女の子が毎日廊下でレイプされてたことです。もう抵抗する気力も体力もないようで、いろんな男にやられながら、ぼうっとした目で遠くを見ていました。

 何かの機会で話をすることがあって、「いつからいるの?」と聞いたら、「ずうっと前……」と言うてました。かわいそうな患者さんばかりでしたが、彼女のことは特に気になります。97年には別の病院に移ってるはずですから、元気になってると思いたいです。

 3カ月くらいして、面会に来た父に「1日だけウチに帰りたい。パパと一緒にいたい」と言ったら、父が病院に交渉してくれて、出ることができました。

 そこから実家には戻らず、仲のよかった伯母の家に行き、クルマの鍵と現金10万円をもらって逃げました。伯母は、あとでめっちゃ兄に叱られたそうです。

 今は父とも兄とも「あの病院はなあ」って笑い合えますが、実態は、そんな気楽なもんと違いましたからね。

 ムショもひどいですが、あの病院に比べたらなんてことないです。まあ、もとはといえば覚醒剤に手を出したからで、そこは反省しております。

NHKドラマ『一橋桐子の犯罪日記』はファンタジー! 「トー横はなくならない」と元女囚が断言するワケ

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

ドラマ『一橋桐子の犯罪日記』が好評

「刑務所に入りたくて事件を起こそうとするおばあさん」

 なんだか微妙な設定ですが、あの松坂慶子さん主演のテレビドラマ『一橋桐子の犯罪日記』(NHK)の役やそうです。めっちゃ話題やそうですね。皆さんはご覧になってます?

 瑠美はほとんどテレビを見ないのですが、編集者さんから聞いて、ちょっと見てみました。まあなんちゅうか、「お話」としてはおもろいですけど、ファンタジー……ですかね。でもレビューには「自分事にしか思えない」とかあって、好評のようです。

 松坂さん演じる桐子さんは、独りぼっちでお金もなくて、テレビで「刑務所に入りたくてやった事件」を見て、「私も……」となったちゅうんですね。

 ムショで苦労した瑠美的には、なんでそうなるかわからへんのですが、最近は目立ちますよね、こうゆう考え方。

 先日は、見知らぬおばあさんを殴り殺した26歳の犯人が懲役24年を打たれて(言い渡されて)ましたが、満期出所で50歳です。

 人生100年時代、まだまだ時間がありますが、ムショ帰りはまず生活できませんよね。確実にまたムショ行きでしょう。もちろん、また「被害者」が出ます。

ムショは甘くない!

 何回か書いてますが、ムショはそんなに甘いところとちがいます。

 いじめはあるし、お菓子はイベントやお正月など特別な時しか食べられへんし、お風呂も毎日は入れません。あと医者もロクにいてないので、虫歯が痛くても鎮痛剤は1カ月後とかも珍しくないです。酒もタバコもダメで早寝早起きですから、キホン健康的ですが、持病がある人は高確率で悪化します。

 まあ三食とお布団はあるので、シャバに居場所がなかった人にはありがたいのはホンマですね。

 特にネンショー(少年院)は、親に大事にされてない子がほとんどで、売春とか万引をさせられていた子も多いですから、そういう子たちは「ずっとネンショーで暮らしたい」と思うんですね。

 でも、ネンショーは1年くらいで出てきちゃいますから、出たらまたおなかがすくし、寝るところがないし、親にひどいことをされます。ネンショーに戻りたいと思うのもムリはないです。

 家出少年・少女たちの居場所として注目されてた「トー横」も「グリ下」も、イヤなニュースしか聞きませんね。トー横は東京・新宿、グリ下は大阪・ミナミですが、どっちも子どもたちを目当てにオッサンが集まってきます。

 この6月には、トー横とグリ下で少女の事件が続きました。

 まあ家出だけやなくて、単におもしろそうやから来てる子たちもいてるようですが、酒やクスリ(違法薬物)は当たり前やし、ケンカもしょっちゅうのようです。トー横ではホームレスが殺されてますしね。

 ちなみに名古屋には「ドン横」がありましたが、閉鎖されてました。

 トー横やグリ下も犯罪が増えれば立ち入り禁止かもですが、また似たような場所が自然にできると思います。

 少子化がアカンとか騒ぐ前に、こうゆうところに集まりたい子たちをなんとかしたったらええのにと思います。誰でもあったかいごはんが食べられて、お風呂に入れて、清潔なお布団で眠れる場所があれば、かなり犯罪も減ると思いますよ。瑠美が大金持ちならとっくに作ってますが、まずは税金でお願いしますね。

後藤祐樹『アウトローの哲学』から読む、刑務所でのイジメと読書の大事さ! 元女囚がウルッときたポイントは?

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

Paix²が「内閣総理大臣賞」受賞

 毎日ヤなニュースばっかりですが、久々にええ話が来ました。Paix²(ペペ)のお2人が、「令和4年安全安心なまちづくり関係功労者 内閣総理大臣賞」を受賞されたそうです。「平素からそれぞれの地域・分野で防犯や再犯防止に関する取組に御尽力」されたのが理由なんですね。

 Paix²のお2人とは座談会でお会いしてますから、瑠美も自分のことみたいにうれしいです。Paix(フランス語で「平和」)が2人、の意味やそうですから、瑠美も入れて「ペペペ」で企画をお願いできないかなとマジで考えてます。

ムショでのイジメ

 Paix²のように再犯防止のためにがんばっている人たちもいますが、ムショそのものがアカン「現実」もあります。

 元モーニング娘。のゴマキ(後藤真希)の弟で元EE Jumpのユウキこと後藤祐樹さんの新刊『アウトローの哲学(ルール) レールのない人生のあがき方』(講談社ビーシー)が話題ですが、ムショを「精神的におかしくなるような環境が整えられている」とか、「刑務所を『矯正施設』といっているが、逆のための施設としか思えない」と書いています。まあそうですね。

 前にも書きましたが、やっぱり男子刑務所のイジメのほうがえぐいですね。でも、後藤さんは自分から雑居に入っているようなので、そこはなんかなーとも思います。

 まあ後藤さんの場合は、無邪気に「芸能人が来た」と歓迎してくれる懲役(受刑者)もいてたようですが、雑居のイジメは超えぐいので、詳しくは本を読んでください(これ重要)。それと、自分が気に入らない懲役をいじめるようにそそのかす刑務官もいてるんですね。女子刑務所もイヤキチ(いじわる)はされましたが、男子刑務所ほどではなかったです。

 でも、後藤さんはイジメにも負けずに読書を続けて、約5年の服役中に推理小説とかを800冊を読んで、なんと漢字検定や簿記検定、英検を2級まで取っています。

 お姉さんのおかげもあって14歳でデビューしてるから、学校もほとんど行ってへんし、事務所でもトラブルばかり起こしてたそうですが、もともと頭がええんでしょうね。

 最初は漢字をほとんど知らなくて、本は辞書を引きながら読んで、どんどん言葉を覚えると、辞書がいらなくなるんですね。自分の気持ちを言葉にできるようになって、そうなると腹が立つことが減ったそうです。これ、わかりますよね。気持ちをどう言っていいかわからなくて、「キーッ!」ってなっちゃうやつ……。やっぱり読書って大事ですね。

 しかも、がんばった理由が「家族を喜ばせるため」ちゅうのにはウルッときました。でも、いつも面会に来てくれたお母さんは服役中に亡くなったそうで、これはめちゃくちゃキツかったと思います。シャバで亡くなってもつらいのに。

 このオカンとお姉さんたちは、大阪のオバチャン以上のパワーなんで、そこもぜひ読んでください。後藤さんにはお姉さんが3人いてて、一番上のお姉さんからは灰皿で殴られたことがあるそうですよ。一番下で1歳上のお姉さんのゴマキは、そんなことはないようです。

 本書を読む限り、後藤さんは、つらいことを乗り越えて、ちゃんと更生できてると思いましたね。クスリ(違法薬物)もやってへんみたいやし、奥さんとワンちゃんたち、お姉さんたちに支えられていますからね。家族とええ関係でも、更生に時間がかかる人もけっこういてますが、後藤さんはもう大丈夫でしょう。

 ちなみに後藤さんのインスタによると、この本は「人生で最後の書籍」になるそうです。ちょっともったいない気もしますね。

刑務所に入りたい高齢者、NHK『一橋桐子の犯罪日記』はリアル? 12年のムショ生活で見た「介護される」受刑者の姿

 NHKで現在放送中のドラマ『一橋桐子の犯罪日記』。松坂慶子演じる主人公・一橋桐子が、刑務所に入ることを目標とした“ムショ活”に励む姿を描く作品だ。

 桐子は年金とパートの収入で生活しているものの、暮らしはラクではなく、そんな中で親友の知子(由紀さおり)が他界。心の支えを失って、自分はこのまま孤独死していしまうのではないか――とふさぎ込んでいたところ、テレビで流れた「刑務所に入りたくてやった」という逮捕者の言葉に心が反応してしまう。

 刑務所では季節を感じる食事が1日3回提供され、軽作業で報酬も支払われ、体が弱れば介護もしてもらえるという。桐子は終の棲家として“刑務所”を選び、人にできるだけ迷惑をかけずに逮捕される方法を模索していくのだが……。

 一方、実際の刑務所は「すでに老人ホーム化している」というのはサイゾーウーマンで「知られざる女子刑務所ライフ」を連載する中野瑠美さん。桐子と同じように行き場がなく、ムショで年を重ねていく人は多いそうで、そうした高齢者の介護をするのもまた受刑者だという。

 中野さんが通算12年の刑務所生活の中で見た、高齢受刑者の姿と介護事情とは? 『一橋桐子の犯罪日記』2話の放送に合わせて、2017年に公開した記事をあらためて紹介したい。


(初出:2017年6月2日)

 覚せい剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

行き場がなく、ムショで年を重ねていく人は多い

 最近は「障害」ではなく「障碍」と書く傾向もあるのだと、初めて知った瑠美です。

 私には、かわいいかわいい息子たちがいてますが、最近はホンマ子どもが減りましたね。私は子どもがたくさんいて、お年寄りが元気に長生きできる社会がいいと思うのですが、これからどうなっちゃうんですかねえ。

 もちろん、ムショの少子高齢化も例外ではありません。若い刑務官が不足する一方で、お年寄りの収容者はどんどん増えていて、ムショはすでに老人ホーム化しているのです。

 ちょっと前ですが、生活保護をもらえなくて、下関駅に火をつけて有罪判決を受けたおじいさんが84歳で出所されました。なんと放火の前科が10件だそうです。知的障碍があって、「行くところがなくて火をつける→ムショ」の繰り返しで、人生の半分以上を獄中で過ごされたとか。今は牧師さんが面倒を見ておられるそうで、よかったですね。

 このおじいさんの例は極端としても、行き場がなくてムショに入って年を重ねていく人は多いです。障碍があって働けないとなると、もう懲役しかないというのもあります。

 私が務めた和歌山や岩国の刑務所では、体が不自由な方も一緒に作業していました。こういう人たちは障碍が軽めなんでしょうが、夜は独居房でしたね。起床時の布団上げから洗濯や掃除、食器洗いなどはスピードが勝負の「戦場」モードですから、障碍があると「足手まとい」とされて、イジメに遭ってしまうからです。

 「懲役」とは、「所定の作業」を行わせる刑罰で、皆さんのイメージは工場でいろんなもの(刑務作業品ですね)を作ったりする感じかと思いますが、ほかにも施設内の清掃、受刑者や刑務官の食事の用意、差し入れされてくる図書の整理なんかも「作業」となります。

 そして、障碍者や高齢の受刑者の介護というのもあります。これは誰にでもできるわけではなくて、受刑者の作業としては格上なんですよ。ホリエモンこと堀江貴文さんや鈴木宗男さんもムショでは介護をしたはったそうです。元国会議員の山本譲司さんが書かれた本『獄窓記』(新潮社)には、刑務所内での介護の体験をシモの世話のことまで生々しく描かれていると編集者さんから聞きました。

刑務所でバブルの女帝”尾上縫さんを介護した思い出

 そして、もちろん私も担当しましたよ、介護(ちょっと自慢)。若い人はご存じないでしょうが、大阪・ミナミにあった料亭「恵川」のおかみさんだった尾上縫(おのうえ・ぬい)さんの介護を長く担当していました。

 80年代不動産バブルも今は昔となりましたが、当時の尾上さんは料亭や雀荘の経営の傍ら株で稼ぎ、「北浜の天才相場師」と言われてました。占いで株の値動きを予想して、「NTT株が上がるぞよー!」というとホンマに上がったとかで、銀行関係者など「信者」もたくさんおられたそうです。

 もちろんバブル崩壊で大損されるわけですが、銀行を騙したとして、まさかの「巨額詐欺事件」に発展します。銀行からの借り入れは約2兆8000億円だったそうですが、フツー料亭のおかみさんに、そんなに貸しますかねえ。縫さんもよくはないけど、やっぱり銀行が悪いと思いますよ。

 ネット情報によりますと、獄中で破産手続きをされた時は、負債総額4300億円で、個人としては史上最高額だそうです。そして、「懲役12年」の判決が確定したのは21世紀になってからで、2003年4月でした。いかんせん被害額がハンパないので、調べることもようけあったからでしょうが、1930年生まれですから、当時もう73歳ですよ。

 そこから12年て、ため息が出ますよね。私がお世話をさせていただいた頃は、もうお一人では何もできない状態でした。ずっと一緒だったこともあり、私は縫さんが好きでしたね。「養女においで」とも言われました。

 縫さんは、元気な時には毎晩拝んでおられました。そして、私の肩をたたいて「ミーサンが降りてきはったで。ちゃんと守ってもらうように言うたから、安心しいや」と言ってくれました。ミーサンとは「巳さん」で、蛇の神様ですね。「三輪そうめん」で有名な奈良の大神(おおみわ)神社などにおまつりされています。関西ではメジャーだと思うんですが、ご存じでしょうか。

 初犯ですから仮釈放もあったようで、ひっそりと出所されて14年頃に亡くならはったそうです。思い出して、また会いたくなりました。合掌。

ムショではパジャマや靴下も“先輩”から受け継いだ中古品! 元女囚が教える「官給品」の世界

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

田中聖の判決は12月13日

 9月22日は、元KAT‐TUNの田中聖さんの初公判でしたね。

 公判中、田中さんは静かに前を見ていたそうですが、写真週刊誌さんは「意外な言動」と書いてますね。なんですかね? おとなしくしてたから? オトナなら普通に静かにしてますよね。ちょっとあおりすぎかも? と思いました。

 判決は12月13日やそうです。逮捕はトータル3回目、覚醒剤では2回目ですから、まあ執行猶予はつかへんかなと思いますが、ムショに行ってもがんばってほしいです。

ムショの定番が生産終了に?

 編集者さんから、「『ガードハロー』が生産終了だそうですが、瑠美さんも使ってました?」と聞かれました。

 「花王のガードハロー」は、ムショや性風俗店の定番のハミガキやそうで、ネットもざわついているようです。

 でも瑠美的には「刑務所でなく警察署内の留置場」で使てた気がします。ムショでは「ライオンのホワイト&ホワイト」でした。いわゆる「官給品」で、誰でも使えるものです。

 官給品とは、「刑事施設が受刑者に対し貸与し、又は支給する物品のこと」(法務省『用語集』)で、リストもあります。

 リストを見ると洗面用具から食器までいろいろで、充実してる感ありますが、ほんまに生活の必要最低限しかないです。ちなみにリストの「バッカン」とは、汁物を入れる大きなバケツみたいなやつです。学校の給食にも使うアレです。

 話がそれましたが、全国に少年院から刑務所まで施設はめちゃあるので、細かい規則は「所長さんの判断」となります。所長さんが替われば規則が変わるので、これは懲役にとってジミに迷惑なんですが、そのお話はまた。

 瑠美のいた施設では、どこも「ホワイト&ホワイト」やった気がしますが、違うところもあると思います。まあ、どれも激安系ですよね。

 皆さんは、どんなのを使っていらっしゃいますか? 瑠美もけっこうこだわりがありますが、amazonランキングでは「クリニカ」など虫歯予防効果があるもののほか、美白系とかお値段高めが人気のようです(編集部調べ)。

 官給品は、セッケンやハミガキ、生理用品(昭和の分厚い系)とかの消耗品は新品ですが(あたりまえですね)、服やパジャマ、靴下、布団、シーツなどは、長い間、諸先輩から受け継がれたものです。

 都市伝説的に、有名な親分の姐さんは「ごつい姐さんかと思ったのに意外にセコい」とか言われるのがイヤで、なんでも「差し入れ屋からいちばん高いものを買う」みたいな話はありますが、瑠美は見たことないですね。女子は、つまんない見栄の張り合いはしないのです。

 ちゅうか、もともと差し入れ屋はボッタクリなんですよ。「どこで仕入れたらこんな値段になる?」みたいな話は、ずっと前からあります。

 要するに「お役所やから安値追求みたいな営業努力なんかできひん」という話のようですが、もっとお安くできると思いますよ。今のままやと差し入れ屋で買う人はますます減って、みんな官給品を使います。

 悪いことしたのに衣食住を税金で……と思うと申し訳ないのですが、知り合いの元・懲役が「朝から晩まで刑務作業しとったから、許して」とゆうてました。

 お許しいただけますでしょうか。スミマセン。

「生活保護の手続き方法」指導も! 今どきの刑務所、元女囚がうらやましがる社会復帰プログラム

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

清原和博やASKA、羽賀研二も更生

 田中聖さん(保釈中)の覚醒剤取締法違反(使用)の初公判は9月22日やそうで、もうすぐですね。

 さすがに執行猶予は厳しいかなと思いますが、「保釈金600万円」は妥当なところでしょうか。AOKIの会長さんは3億円やそうですね。

 保釈金は、「保釈中にトンズラしたら没収」ですが、トンズラして6億円を没収された方もいてるんですね。ちなみに瑠美は保釈申請が通ったことないので、保釈金を払ったこともありません(苦笑)。

 それはさておき、瑠美も自分でクスリ(違法薬物)をやめようと思うまで、けっこう時間がかかりましたから、聖さんの更生も温かい目で見守りたいですね。ご家族の支えも期待してます。

 今は清原和博さんとか、がんばって更生してる有名人も多いですよね。ASKAさんも9月11日に松本人志さんたちのテレビに生出演して、大好評だったようです。歌がうますぎて「口パク疑惑」があるそうで、それはすごい(笑)。

 あと、クスリではないですが、タレントの羽賀研二さんも徐々に芸能活動を再開されているようです。

 瑠美も「人生はやり直せると思いたい派」やから、がんばってほしいです。

社会復帰に必要なもの

 何回か書いてますが、クスリをやめるのは自覚しかないです。

 瑠美も最後にパクられた(逮捕された)時に、ふと「これでもうやめよう」と思えて、実際にやめられました。

 ガチでクスリに溺れてる時は、家族がいてようが恋人に捨てられようが、やめるのはムリです。この時はこの時でやっぱり苦しいんです。他人には、そうは見えへんでしょうけどね。

 でも、苦しんでると、ある日突然気がつく時が来るみたいです。「悟り」みたいなもんですかね。

 悟れても社会になじめなければ、またムショに逆戻りもありえます。家族や友達のサポートは絶対に必要ですが、政府の更生支援も注目されてますね。

 例えば、施行はまだ先ですが、懲役刑と禁錮刑を「拘禁刑」にして、刑務作業だけやなしに社会復帰のプログラムを増やすそうです。

 これに合わせる感じで、2020年から札幌に「女子依存症回復支援センター」(札幌刑務所支所)ができました。

 これは今どきのPFI刑務所(民間事業者のアイデアやノウハウを活用しつつ、国と事業者が協力して運営を行う刑務所)みたいな感じで、カギがない冷暖房完備の個室やそうです。刑務作業もビニールハウスのイチゴ栽培とかで、かわいいし、出所後に自立した生活ができるような「生活保護の手続き方法」についての指導とか、依存症の人たちのミーティングなどが受けられるそうで、うらやましいですね。瑠美も行きたかったです。

 出所しても寂しかったり、働けなくてお金がないと、つらいから売春して、そのお金でクスリに手を出すこともザラです。そうならないように、ムショにいるうちから自分で自分をコントロールできるようにして、社会復帰に備えるんですね。

刑務官がちゃんと指導できる時代に

 あと、山口県美祢市のPFI刑務所「美祢社会復帰促進センター」では、「26歳未満の女性の受刑者」17人を2つに分けて集中的に指導する「若年受刑者ユニット」をスタートさせてます。「若い人優先」ですか、そうですか……と思わないでもないですが、いつかは全員を対象にしてほしいです。

 懲役(受刑者)は、「普通」なら当たり前にできること、例えば「順序立てて話す」とか、「すぐにキレない」とかができないし、仕事の探し方とかもわからない人が大半です。だいたい成育環境の問題ですが、これやと社会にはなじみにくいです。

 今は懲役も少ないから、刑務官がちゃんと指導できるようになりつつあるのでしょう。いい時代になりました。

 瑠美もそうでしたが、更生には時間がかかります。皆さんも、がんばってる人を応援したってくださいね。

刑務所では「いかついから」メガネ禁止!? 元女囚が教える「最近の刑務所事情」

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

刑務所は「究極の密」

 瑠美がコロナデビューしたことは前回お伝えしましたが、刑務所でのコロナ感染も止まらないようです。

 横浜刑務所は以前から集団感染が話題ですが、ほんまはどこも同じと思いますよ、発表しないだけで。

 7月1日から今まで「収容者305人と職員78人の感染・死者ナシ」を発表した高松刑務所は、「完全な隔離は難しかった」と記者会見で話したそうですが、これはどこでも同じですから、かなりの確率で全国のムショはクラスターですね。「わざと事件を起こしてムショに行きたい」とかゆう人たちは、こうゆう現実もご存じなんですかね。

 ちなみに高松刑といえば、「同僚や上司のパワハラやセクハラでうつ病になった」という元職員さんが国賠(国家賠償請求)を起こしてました。一審の徳島地裁では負けて、高松高裁でまさかの勝訴。よかったですね。ムショ側の主張が「いじめはもう時効」ちゅうのは理不尽ですよね。時間がたったほうがつらいこともあるし。

 女性の刑務官がすぐ辞めるのは前から問題でしたが、ほとんどの原因はいじめでしょう。瑠美がいたムショでも、若い女性の刑務官さんはめっちゃいじめられてましたよ……。でも、なぜか女性の保護司さんが「辞める理由はいじめではない」とか言うてますね。意味わかりませんが、裁判、勝ってよかったですね。このまま確定するといいですね。

 もちろん私たち懲役(受刑者)が一筋縄ではいかへんから、ムショ側もムダにピリピリして、いじめとかもあるんかなと思わないではないです。でも、昔ほどムショの収容人数もいてないし、もう少し柔軟にしてもいいのとちがいますかね。

刑務所で受刑者はメガネ禁止

 瑠美の地元・大阪刑務所は、まさかの「コンタクトレンズ使用の懲役はメガネ禁止」でもめてましたよ。

 大刑(ダイケイ、大阪刑務所のこと)の職員さんたちはコンタクトレンズつこたことないんですかね。メガネないと超不便ですよ。コンタクトだけやなくて、メガネそのものが規制されてることもあります。こうゆうのは全国一律でなく、個別の施設のトップの判断で規制されてます。

 メガネの「ナイロール」ってわかります? 哀川翔さんやガクトさんがかけてるようなレンズの下半分にフレームがないアレです。北海道の月形(つきがた)刑務所で、このナイロール禁止令が出たことがニュースになってました。理由は「いかついから」やそうです。

 まあ、たしかにアイドル系には向いてないデザインでしょうが、そのくらいええのとちがいますかね。ムショは私服を着られないので、おしゃれはメガネくらいなんですよ。

 女子刑務所では、メガネ以外では髪の編み込みに凝ってましたね。瑠美もポニーテールを5つに分けて、1つずつ三つ編みにして、下でまとめてピンで留めたりしてました。あとは腰痛の時にもらえるコルセットがかっこよくて、腰痛でもないのにみんな医務へ行ってました。今思えば笑っちゃいますけど。

 おしゃれもですが、いい香りにも飢えてましたねー。せっけんを服にすり込んでんで香水のように使うこともありましたが、服にシミができるから、すぐにバレました。

 それにしても月形刑はPaix2(ペペ)のお2人を「観光典獄」(典獄は刑務所長さんの昔の言い方です)にするとか、いろいろ楽しい企画もあるのに世知辛いですね。

 ちなみに豆知識ですが、国内の刑務所や拘置所はみんな地名やのに、月形刑だけは「月形潔(つきがた・きよし)さん」という初代典獄の名前がつけられてます……と書こうとしたら、ちごてました。なんと先に地名が「月形」になったんですね。でも刑務所長の名前が地名になったのは月形だけでしょう。そっちのほうがすごいです。

アプリやSNSで大麻や覚醒剤が気軽に買える時代に……元女囚が考える「子どもたちの薬物依存」

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

コロナデビューしました

 この夏は猛暑の上に大雨で、すごかったですね。ゆっくりお休み取れましたか?

 実は、瑠美は7月にコロナデビューしておりました。仕事柄いろんな方に会うから、気をつけてるつもりでしたが、やっぱりどっかでうつりました。思い当たるところはないのですが……。

 呑みすぎた次の日に、なんとなく手首や足首が痛くて、「呑みすぎやな」と思うてたら、微熱が出てきて、すぐにドーンと上がりました。最高は39度4分……。子どもの熱ですね。何も食べられずに激痩せしましたが、おかげさまで今は嗅覚も味覚も戻っております。

 コロナもいろんなタイプがあるようで、瑠美の場合はノドの痛みより頭痛がひどくて、もう寝てるしかなかったです。ただ高齢の親が陰性やったのは不幸中の幸いでした。瑠美の陽性判定が出る日の朝に、母に会うてたんです。

 この連載は隔週やから、これも大丈夫でしたが、編集者さんに言うたら、当たり前ですがびっくりされました。

 今は誰がいつかかってもおかしくないし、「株」が違えば何度もかかりますから、気をつけようがないです。感染したら、ゆっくり休んでくださいね。

「自転車」=「コカイン」の理由

 熱や頭痛がひどくなければ寝ながら本も読めますが、今回はムリでした。編集者さんから勧められた『スマホで薬物を買う子どもたち』(新潮社)は、今月に入ってから少しずつ読んでます。著者は元マトリ(厚生労働省・麻薬取締官)の瀬戸晴海さんです。女性らしい名前ですが、なかなかのイケオジでした(笑)。

 ネタバレしない程度に書きますと、生まれた時からインターネット環境にある子どもたちは、特に罪悪感もなく、スマホでいわゆる闇サイトからクスリ(違法薬物)を買えてしまう……ちゅうことですね。

 それにしても、瀬戸さんだけでなくいろんな人が細かく書いてるのに、まだまだツイッターには「野菜」や「アイス」、「自転車」などが画像付きで売られていますね。野菜は大麻、アイスは覚醒剤、自転車はコカインです。瀬戸さんの本には、もっといろいろ紹介されています。

 まあ大麻は「大麻草」という草やから野菜、覚醒剤は使うと血管が冷たくなる感じがするからアイスとか「冷たいの」とかになるんですが、なぜか自転車やチャリはコカインです。

 理由は知らなかったのですが、チャーリー・シーンという俳優さんが前にコカインでパクられた(逮捕された)からチャーリー→チャリ→自転車、となったそうです。チャーリーはベトナム戦争の映画『プラトーン』とかが有名なんですね。しかも映画でも大麻を吸ってるんですか。

 ちなみにツイッターは広告だけで、連絡は「テレグラム」や「シグナル」を使います。これはLINEみたいな通信アプリで、履歴を簡単に消せて、足がつきにくいから人気があります。売人はテレグラムのIDやQRコードをツイッターに載せているので、そこから連絡を取るんですね。

 でも、履歴を消さずにまた使う人も多くて、けっこうパクられてるようです。意味ないですけど、たしかに同じものを買いたい時は履歴があったほうがラクですよね。

 あと「手押し」も出ていますが、これは「手渡し」の意味です。渋谷駅のモヤイ像前なんかで待ち合わせて、やりとりするんです。

 もちろん知らない人とのやりとりなので、表沙汰になっていないトラブルも多いです。よくあるのは、先にお金を振り込んだのに届けてもらえないとか、商品が思っていたのと違うとかですが、買うほうも悪いので泣き寝入りですね。

 あと、こういう闇サイトには、クスリだけやなくて拳銃や児童ポルノ関連の画像や動画などいろんなものが売られていますし、強盗やオレオレ詐欺とか、いわゆる闇バイトや、殺人の代行業なんかも紹介されています。

 こんなカオスになる前に足を洗っておいて、ホンマによかったです。そもそも今も、スマホの進化についてけてません。

 子どもたちはスマホをノーストレスで使いこなせますが、トラブルは避けられません。親だけでなく周囲のオトナたちも含め、みんなで守っていくしかないです。

田中聖の収監先、D.Oや鈴木宗男も入った栃木の「喜連川」? 元女囚が教える有名人の刑務所事情

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

松戸拘置支所は「住みやすい」?

 再逮捕されてた元KAT-TUNの田中聖さんの追起訴が報道されましたね。8月に入って保釈申請が認められなかったことも報じられました。

 うーん、実刑と勾留はしょうがないですね。6月20日の判決(名古屋地裁、懲役1年8カ月・執行猶予3年)を受けた9日後に、再逮捕ですからね。パクられた(逮捕された)のが千葉県警の柏署やから、今は松戸拘置支所でしょうか。Googleのクチコミによると「住みやすい」そうですが、ホンマですかね(笑)。

 瑠美的に「住みやすい」ちゅうと、新築でトイレがキレイとかのイメージですが、松戸はどうなんでしょうか? 今は古い刑務所や拘置所はどんどん建て替えられているので、これもうらやましいですね。施設が古いと、ほんまにツラいんで。

田中さんは栃木の喜連川へ?

 報道やと、田中さんは否認していないようなので、裁判も早いでしょうね。収監先は、栃木県さくら市の「喜連川(きつれがわ)社会復帰促進センター」かなと思います。

 喜連川は、警備に民間の警備会社を入れるとか、民間の会社が入ってるPFI(Private Finance Initiative)刑務所で、初犯で、人殺しとか凶悪犯でない男性が収容されています。

 喜連川のOBで有名なのは、ヒップホップの元・練マザファッカーのリーダーのD.O氏、ギャンブルにハマって会社のお金を使い込んだ大王製紙の前会長、「ムネオハウス」疑惑の鈴木宗男さんとかですね。

 まだ新しい気がしてましたが、オープンは2007年で、もう10年以上たってるんですね。

 ちなみにムネオさんは、収監中に東日本大震災を経験されてます。刑務作業は高齢の懲役(受刑者)の介護で、お年寄りをお風呂に入れていた時に震度6弱の揺れがきたそうです。おじいさん裸やのに、お湯がめっちゃ揺れたとか、怖かったでしょうね。無事でよかったです。

 喜連川の刑務作業は、木工(家具の製作)、金属加工(バリ取り、プレス、金属部品等の加工)、その他(文具やプラスチック製品の組み立て、玩具類の製作、リサイクル用の解体作業)があるようです。

 田中さんは、おじいさんの世話とかイメージできないので、木工とかですかね。腕力はありそうですよね。

 田中さんは、少し前なら、田代まさしさんなどが収監されてた黒羽刑務所に行ってたと思いますが、今年の3月で閉鎖されてます。建物の老朽化やそうです。

 田中さんとは全然関係なくてすみませんが、黒羽刑務所のドキュメンタリーがYouTubeで見られます。これはおもろいです。

 かつては「東洋一の刑務所」といわれた黒羽は、古くてもコンサートや映画上映ができる講堂とかあって豪華なんですよね。解体するにも億単位の費用がかかるようで、どうなるかと思てたら、都内の釣り道具屋さんが落札されたようです。9月から活用やそうで、どうなるか楽しみですね。

 黒羽も初犯で罪の軽い人が対象で、田代まさしさんや歌手の清水健太郎さん、イトマン事件の許永中さんなどがいてましたね。あとは、瑠美はよく知らないのですが、アニメ『宇宙戦艦ヤマト』とかのプロデューサーの西崎義展さんとか、加藤登紀子さんのご主人の藤本敏夫さんとかですね。

 いろんな有名人がいろんな理由でムショに入ってるのは、歴史を感じてしみじみしますね。喜連川も、いろんな歴史を重ねていくのでしょうか。