ゴーン前会長は独居で「洗濯ばさみの組み立て」?——元女囚が考えるエリート外国人の収監

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

■ペ○スを整形しているか?

「ゴーン前会長は、ムショ行くんですか?」

 編集者さんから聞かれました。私は裁判官ちゃいますって(苦笑)。そもそもゴーン前会長がどんな人か、ようわかりませんしね。

 編集者さんによると、フランスの新聞は「日本のムショは、『同性愛者か?』とか『ペ○スを整形しているか?』と聞く」と紹介したそうです。海外の人はドン引きでしょうね。この場合、「整形」とはもちろん「真珠」です。

 でも日本の施設では、エリートさんでも誰にでも全員に聞くので、差別とはちゃいます。外交官だった作家の佐藤優さんも、パクられた(逮捕された)時に東京拘置所で「真珠の件」を聞かれて、意味がわからなかったと、ご本に書かれているそうですよ。真珠の意味がわからへん人もいるんですね。もちろん佐藤さんのようなエリートは「完全隔離」で、検査や食事、入浴なんかは全部お一人様ですから、ゴーン前会長もそうでしょうね。

 ただ佐藤さんは取り調べが長引いて、全員が入った後の汚いお風呂に入れさせられたそうですが、それはゴーン会長にはないのとちゃいますかね。こういうことでメンタルを責めていくのが拘置所や刑務所なんですが、さすがに国際問題になりそうですし、それはしない気がします。

 前置きが長くなりましたが、ゴーン前会長はムショに行くんでしょうか?

 初犯でしょうから、執行猶予の可能性もあります。でも、今回は東京地検特捜部が本気なので、実刑の可能性もかなりありますよね。そもそもこれだけ事件を大きくしておいて、まず、さすがに無罪はないやろ……ゆうのが裁判に詳しい人たちの見方やそうです。

 では、もし有罪で実刑判決やったら、どこに収容されるのでしょうか?

 普通は政治家さんやお役人など偉い人が服役する時は、栃木県にある喜連川社会復帰促進センター(さくら市)です。同じ栃木の黒羽刑務所(大田原市)も似た感じの施設でしたが、2022年に廃止されるので、ご新規の収容はないようです。

 でも、私は府中刑務所かなと思っています。府中刑務所は国内最大のムショで、外国人(F級)の収容のために「国際対策室」もありますから、外国人の収容のノウハウもあると聞いています。

 今回初めて知りましたが、ゴーン前会長は三重国籍で「根はブラジル人、頭はフランス人、心はレバノン人」やそうです。やはりこんなややこしすぎる外国人は、喜連川の刑務官には厳しいんとちゃいますかね。

 もしかすると、セレブですから「強制送還」という名の保釈もアリですかねー。それにしても、この世にパスポートを3つも持ったはる人がいるのもごついですが、それをパクって、「真珠入れてるか?」と聞く日本のお役所にはホンマに驚きです。

 そんなゴーン前会長の刑務作業は何になるんでしょうか?

 偉い人は工場には行かされないので、想定できるのは独居で「洗濯ばさみの組み立て」とかなんですが、まあそれもないでしょうね。絵的にはおもろいですけどね。前会長は、ずっと日本にいてはったわりに日本語は読めへんから、図書の整理もできひんでしょうし、まあ花壇のお手入れとかとちゃうかなと思っています。

 いずれにしろ超エリートやったのに、遠い日本でこんな目に遭うとは、今はどんなお気持ちなんでしょうか? この場をお借りして「がんばれカルロス」と言うときます。

中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)

※この連載が本になりました!
女子刑務所ライフ!』(イースト・プレス)発売中です。

吉澤ひとみの執行猶予付き判決は想定内——元女囚が考える「3つの芸能人裁判」

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

■当たり前すぎて新鮮味のない判決

 11月30日は、元モーニング娘。メンバーの“よっすぃー”こと吉澤ひとみさんの判決公判でした。酒気帯び運転&ひき逃げによる自動車運転処罰法違反(過失傷害)と道交法違反の容疑です。

 吉澤さんは前科も何もないのですから、「懲役2年執行猶予5年」の判決は当たり前すぎて、驚きはなかったですね。初公判の翌日の判決ゆうことで、もう最初から決まっていたのでしょう。まあ被害者の方も大事には至っていないようですし、吉澤さんが芸能界引退を表明して、「反省」を繰り返したので、裁判官の心証もよかったのだと思います。

 吉澤さんの判決の前日の11月29日は、三田佳子さんの次男の高橋祐也さんも初公判ということで、前から話題でしたね。実は、同じ日にNHKの「歌のお兄さん」やった沢田憲一さんのシャブ事件の初公判もあったそうです。ひっそりとニュースになってましたが、すっかりかすんでしもて、お気の毒な感じもあります。でも、注目されなくてホッとしてるかも?

■「一生笑うな」と言うのは、おかしい

 裁判に先駆けて、マスコミは吉澤さんの芸能界引退や免許取り消し、さらにはお姑さんの自殺未遂などを次々と報道し、断酒治療をとっくにやめてデパ地下でお母さんと「おつまみらしきもの」を買ってたことまで報道していましたね。スターはつらいですね。

 一方の高橋さんは、一時身を寄せていた「南の島の更生施設」で伊勢海老を持って踊るなど、「まったく反省してない」印象の動画が「週刊文春」(文藝春秋)のサイトで公開されてました。また、ネットでは「不良仲間が裁判所に押し寄せて来る」というコワい予測もされていましたが、抽選やからそれはないと思いましたけどね。

 こうした断酒をさぼっておつまみ物色とか海老踊り(?)などの報道に、ネットでは2人とも「反省してない」という意見が多いようですが、私は事件を起こした人たちに「一生笑うな」言うのは、おかしいんちゃうかなって思います。会ったこともない人に、そんなこと言えませんよ。いっぱい報道されて、それこそ「社会的な制裁」を受けたはってますしね。

 今はネットにいつまでも記事が残ってしまいますが、そちらとも向き合って、罪を反省して、これからを生きればええと思います。

 初公判当日は、当然ながら大混乱だったようですね。吉澤さんはのりぴーこと酒井法子さんと同じ法廷やったそうで、20席の傍聴席を求めて1,000人以上が並んだそうです。まあ麻原彰晃は、48席に対して1万2,000人以上やったそうですけどね。

 並んでいる人たちは、吉澤さんのファンのほかに傍聴席の抽選にバイトで並んでるだけの方も、けっこういてるそうです。編集者さんによると、「当選してもしなくても並べば3,000円」が相場らしく、ええバイトですね(笑)。記者クラブに入っていない雑誌の記者さんなんかは、そうやって席を確保するのだそうです。

 何も有名人2人の公判を同じ日にしなくてもよさそうなものですが、知り合いの弁護士さんは「起訴から初公判まではだいたい2カ月で、2人の裁判が同じ日になったのは単なる偶然」言うてました。思えば私もそのくらいかかってましたね。

■覚醒剤との決別は毎日が戦い

 この日、グレーのスーツに白いシャツ姿で出廷した吉澤さんは、小さな声で「間違いありません」と罪を認めたそうです。また、高橋さんは「ものすごくみじめ」とのたまったそうで、どっちもだいたい想定内の態度ですね。高橋さんの判決は12月13日やそうで、前科もあるから実刑でしょう。今どきのムショで薬物中毒を克服できるかは微妙なところです。そして、元歌のお兄さんは罪を認め、その日のうちに結審して12月10日に判決やそうです。お兄さんは初犯でしょうから執行猶予と違いますかね。

 私にも経験がありますが、「反省している」「二度としない」と口で言うのはカンタンです。問題は、その後です。

 吉澤さんは、免許がなければひき逃げもないでしょうけど、高橋さんとお兄さんの覚醒剤使用はそうはいきません。これから毎日毎日、少しずつ実績をつくっていくしかないんです。あの清原和博さんでさえ、その毎日がとてもつらくて、何度もクスリに逃げたくなると、自著で語っておられますよね。そういう弱い自分とちゃんと向き合うことが大事です。周囲の支えがあれば、乗り切れると思いますよ。私でもできたんですから。

中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)

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吉澤ひとみの執行猶予付き判決は想定内——元女囚が考える「3つの芸能人裁判」

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

■当たり前すぎて新鮮味のない判決

 11月30日は、元モーニング娘。メンバーの“よっすぃー”こと吉澤ひとみさんの判決公判でした。酒気帯び運転&ひき逃げによる自動車運転処罰法違反(過失傷害)と道交法違反の容疑です。

 吉澤さんは前科も何もないのですから、「懲役2年執行猶予5年」の判決は当たり前すぎて、驚きはなかったですね。初公判の翌日の判決ゆうことで、もう最初から決まっていたのでしょう。まあ被害者の方も大事には至っていないようですし、吉澤さんが芸能界引退を表明して、「反省」を繰り返したので、裁判官の心証もよかったのだと思います。

 吉澤さんの判決の前日の11月29日は、三田佳子さんの次男の高橋祐也さんも初公判ということで、前から話題でしたね。実は、同じ日にNHKの「歌のお兄さん」やった沢田憲一さんのシャブ事件の初公判もあったそうです。ひっそりとニュースになってましたが、すっかりかすんでしもて、お気の毒な感じもあります。でも、注目されなくてホッとしてるかも?

■「一生笑うな」と言うのは、おかしい

 裁判に先駆けて、マスコミは吉澤さんの芸能界引退や免許取り消し、さらにはお姑さんの自殺未遂などを次々と報道し、断酒治療をとっくにやめてデパ地下でお母さんと「おつまみらしきもの」を買ってたことまで報道していましたね。スターはつらいですね。

 一方の高橋さんは、一時身を寄せていた「南の島の更生施設」で伊勢海老を持って踊るなど、「まったく反省してない」印象の動画が「週刊文春」(文藝春秋)のサイトで公開されてました。また、ネットでは「不良仲間が裁判所に押し寄せて来る」というコワい予測もされていましたが、抽選やからそれはないと思いましたけどね。

 こうした断酒をさぼっておつまみ物色とか海老踊り(?)などの報道に、ネットでは2人とも「反省してない」という意見が多いようですが、私は事件を起こした人たちに「一生笑うな」言うのは、おかしいんちゃうかなって思います。会ったこともない人に、そんなこと言えませんよ。いっぱい報道されて、それこそ「社会的な制裁」を受けたはってますしね。

 今はネットにいつまでも記事が残ってしまいますが、そちらとも向き合って、罪を反省して、これからを生きればええと思います。

 初公判当日は、当然ながら大混乱だったようですね。吉澤さんはのりぴーこと酒井法子さんと同じ法廷やったそうで、20席の傍聴席を求めて1,000人以上が並んだそうです。まあ麻原彰晃は、48席に対して1万2,000人以上やったそうですけどね。

 並んでいる人たちは、吉澤さんのファンのほかに傍聴席の抽選にバイトで並んでるだけの方も、けっこういてるそうです。編集者さんによると、「当選してもしなくても並べば3,000円」が相場らしく、ええバイトですね(笑)。記者クラブに入っていない雑誌の記者さんなんかは、そうやって席を確保するのだそうです。

 何も有名人2人の公判を同じ日にしなくてもよさそうなものですが、知り合いの弁護士さんは「起訴から初公判まではだいたい2カ月で、2人の裁判が同じ日になったのは単なる偶然」言うてました。思えば私もそのくらいかかってましたね。

■覚醒剤との決別は毎日が戦い

 この日、グレーのスーツに白いシャツ姿で出廷した吉澤さんは、小さな声で「間違いありません」と罪を認めたそうです。また、高橋さんは「ものすごくみじめ」とのたまったそうで、どっちもだいたい想定内の態度ですね。高橋さんの判決は12月13日やそうで、前科もあるから実刑でしょう。今どきのムショで薬物中毒を克服できるかは微妙なところです。そして、元歌のお兄さんは罪を認め、その日のうちに結審して12月10日に判決やそうです。お兄さんは初犯でしょうから執行猶予と違いますかね。

 私にも経験がありますが、「反省している」「二度としない」と口で言うのはカンタンです。問題は、その後です。

 吉澤さんは、免許がなければひき逃げもないでしょうけど、高橋さんとお兄さんの覚醒剤使用はそうはいきません。これから毎日毎日、少しずつ実績をつくっていくしかないんです。あの清原和博さんでさえ、その毎日がとてもつらくて、何度もクスリに逃げたくなると、自著で語っておられますよね。そういう弱い自分とちゃんと向き合うことが大事です。周囲の支えがあれば、乗り切れると思いますよ。私でもできたんですから。

中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)

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「シャブ山シャブ子」に元女囚が物申す! ポン中にも「プライド」があります

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

■シャブを打った時に、誰かを殺したくなどならない

「シャブ山シャブ子、見た?」
「アレ何やねん」

 私の周囲でも「シャブ山シャブ子」が話題になりました。私はテレビドラマをほとんど見ないので知りませんでしたが、テレビドラマ『相棒 season17』(テレビ朝日系)の「薬物依存症の女性キャラクター」なのだそうです。

 ポン中に「キャラクター」も何もないもんですが、11月7日放送回の終わりに突然公園に現れて、ベンチに座ってた刑事をハンマーで殴り殺して高笑いをしていたそうです。そして、警察の取り調べに対して、「シャブ山シャブ子、17歳です!」(見た目は中年)とやたらハイテンションで、目の前にいる羽虫を払うようなしぐさをしています。もちろん腕には注射痕。

「これは、私やない」

 問題の場面を見た私は、正直ハラが立ちました。

 「覚醒剤中毒者」のイメージとしてありがちなのは、「シャブのやりすぎで頭がおかしなって、人間が怖なって、誰かれかまわず殺してしまう」とか、そういうのですよね。実は、こういうのはほとんどないんです。ゼロとは言い切れませんけどね。なぜならポン中は、キホン他人がどうでもよくなるからです。クスリにしか興味がないんです。私もシャブを打った時に誰かを殺したくなったことはないですね。

 たとえば清原和博さんやASKAさん、酒井法子さんなんかは暴行事件を起こしているでしょうか? 有名人やから起こさないのではなく、ポン中とはそういうものなのです。これが危険ドラッグや合成麻薬やと、また話は別です。こういうのは、人を殺したくなるかもしれません。

■有名なポン中の人殺し

 でも、世の中には「有名なポン中の人殺し」もいてました。私は知らなかったのですが、1981年6月の東京・深川で起こった通り魔殺人事件の犯人・川俣軍司です。赤ちゃんを含む4人が死亡、2人が負傷した大事件でした。そのあと犯人は人質を取って立てこもり、カレーライスを差し入れさせて食べたとか。相当イッちゃってますね。

 この川俣が「覚醒剤中毒者」と報道されました。パクられた時の写真も、パンツ一丁&白ソックスと、もう別世界なのですが、さらに自殺防止用に「さるぐつわ」もかまされていました。かなりのトラウマ画像ですが、犯行時はパンツもはいてなくて、パクった時に刑事さんが近くの洋品店で買ったものをはかせたらしいいうウワサがあるそうです。ホンマですかね(笑)。

 この軍司さん、取り調べや裁判では一貫して「役人から電波を送られている」と主張していました。犯行も「電波の命令」なのだそうです。今でも変わったことを言う人が「電波」言われるのは、軍司さんが元なんですね。そして、軍司さんは暴行や傷害で前科7犯やけど、シャブの逮捕歴はないようです。つまり事件は「もともと電波の命令」で、「シャブはあんまり関係ない」いうのが精神科医さんたちの見方やそうです。

 私も、シャブ子はポン中ではなく「何か別の病気」やと思います。それが何かはわかりませんけどね。

■虫は見えていても認めない

 ドラマでもうひとつ気になったのが、取り調べ中にシャブ子が目の前にいる羽虫を払うようなしぐさを続けていたところです。ポン中は、ああいうことはしませんよ。

 よく「ポン中は見えない敵と戦っている」といわれますが、まあそれはホンマです。私もマッチ箱の中のマッチに話しかけられたりしていましたからね。虫が飛んでいるように見えるのも、ありがちな症状です。でも、ポン中は、見えないものについて言いたくないんですよ。「やっぱりポン中や」言われるのがイヤだから(笑)。ポン中にもプライドがあって、虫が見えていても、「虫がいる」とは言いませんし、ましてや払うようなしぐさもしないのです。

 いったいどういう根拠でシャブ子を設定したんでしょうかね。もちろんシャブはやってはアカンのですが、シャブ子のような「間違ったキャラ設定」は勘弁してほしいと思いました。

中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)」

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浅野忠信パパは実刑間違いナシ! 元女囚が明かす、覚醒剤の“本当の怖さ”

nakanorumi43 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

■大阪で出版記念イベント出演

 毎日、本当に暑いですね。豪雨の被災地も、めっちゃ心配です。

 7月5日の大阪も大雨でしたが、そんな中、『女子刑務所ライフ!』(イースト・プレス)の出版記念イベント『元女囚が語るリアル女子刑務所ライフ!with 元ヤクザ&元弁護士』に出演させていただきました。場所は大阪ミナミのトークライブハウス・ロフトプラスワンウエストで、大雨にもかかわらず、たくさんの方に来ていただきました。

 超豪華ゲストの元「山口組顧問弁護士」で作家の山之内幸夫先生と、元「山口組系組長」で作家の竹垣悟さんをお迎えしての2時間くらいの「ぶっちゃけトーク」は、ホンマ楽しかったですね。そして、大雨の中を来ていただいただけでもうれしいのに、本もたくさんお買い上げいただきました。来てくださった皆さん、企画してくださったロフトプラスワンとイースト・プレスの皆さん、そして読者の皆様に、この場を借りて御礼申し上げます。

■まだクスリやってる?

「中野さんは、今も(覚醒剤を)やってると思いました」

 トークでの山之内先生の『女子刑務所ライフ!』の感想です。山之内先生は、山口組の顧問弁護士をされていたことで有名ですが、女性の覚醒剤事件の弁護人も何件もされていたそうです。なかなかシャブをやめられない女性を、たくさん見てこられたんですね。

 会場からは笑いも出ましたし、冗談半分なのでしょうが、厳しいなあと思いました。覚醒剤のホンマの怖さは、心身を侵されて周囲に迷惑をかけることだけやなく、こんなふうに「ポン中」という烙印が一生ついて回ることもそうです。私にとっては、この烙印のほうが怖いです。

 出所してから、私は一生懸命に更生の道を歩んできたつもりです。2軒のラウンジを経営して、家族を大切にして、執筆もがんばっています。でも、「まだクスリやってんやろ」と言われることもあります。直接言うてこなくても、思てる人はもっといてるでしょうね。これはもう自分でがんばって信じてもらうしかないのですが、世間様の目はなかなかに厳しいです。

 更生が難しいのは、こういう理由もあります。「いくらがんばっても、どうせ信用してもらえへん」と寂しくなって、またクスリに手を出してしまう人は多いです。それに、クスリを封印しても、寂しくてお酒を飲みすぎてアル中になる人もいてます。

 せやから更生には自分の努力はもちろんですが、周囲の支えも大事です。私は家族や友人、ラウンジのスタッフなどに助けてもらえているので、もっともっとがんばれると思います。

 大阪のイベントの少し前に、俳優の浅野忠信さんのお父さんが覚せい剤取締法違反(使用)容疑で再逮捕されたニュースがありました。同じ罪で今年3月に懲役2年執行猶予5年の有罪判決を受けたばかりとか。もう70歳近いんですね。ある意味若いやん、とも思いました(苦笑)。今回の逮捕も、前回と同じ深夜に路上で職質&尿検査でアウトやったらしく、もともと常にハデでハイテンションやそうですから、マークされてたのと違いますかね。

 私も経験がありますが、執行猶予期間中に同じ容疑で逮捕起訴されて実刑判決を受けると、執行猶予を取り消されます。今回の逮捕でも懲役2年は確実でしょうから、最低でも4年はムショに行くことになるでしょうね。まあオジーやから仮釈放はつくかなと思います。

 「トシとってもやめられない(=死なない)ちゅうことは、シャブはカラダにそんなに悪くないんか?」と思われるかもしれません。でも、じわじわと脳をむしばんでますし、急にキレたりして、周囲には迷惑をかけてると思います。

 更生には家族の愛が重要です。浅野さん、がんばってパパをフォローしたってくださいね。

中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)」

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元女囚が明かす“刑務所ダイエット”——便秘薬と睡眠導入剤を交換取り引き

nakanorumi42 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

■慣れるとおいしい「バクシャリ」

 今年の関東の梅雨明けは、平年より22日も早かったそうですね。夏といえば水着です。水着といえばダイエット……ですね。

 実は、ムショでもダイエットをするコはけっこういてました。特に出所が近くなると、体形を気にし始めます。私はムショでは栄養失調寸前だったので、ちゃんと食べてましたよ(笑)。今は飲み過ぎには気をつけなアカンなーと毎日思っています。

 何度も書かせていただいてますが、ムショの一番の楽しみは食事です。学校で配られる給食の献立表のようなものがムショでも掲示されているので、みんなで毎日穴が開くほど見ていました。

 ムショは、基本的に三食ともバクシャリ(麦ごはん)で、どんぶりで出されます。ムショの前、拘置所からバクシャリ生活に入りますから慣れたものですが、最初はおいしくなかったですね。慣れるとおいしいですよ。一生分は食べたので、もう食べたくはないですが。

 ムショでは、刑務作業の内容によって、ごはんの量がA、B、Cの3ランクに分けられています。おかずは同じなんですけどね。立ち仕事など体力を使う作業は「A食」、工場などでの座り仕事は「B食」、病気や懲罰などで作業をしていないと「C食」となります。献立は、ちゃんとした栄養士さんが決めるらしいのですが、男子刑務所ではA食でも成年男子の最低限必要なカロリーしか摂れないそうで、みんなどんどん痩せていくと聞いています。

 それで、とにかく毎日バクシャリです。朝ごはんは、どんぶりに入ったバクシャリと味噌汁、つくだ煮、ふりかけなどの簡単なおかずです。お昼もどんぶりに入ったバクシャリに、メインのおかずと副菜が2種類くらいつきます。そして晩ごはんはお昼と同じような感じで、カレーやシチューなどのレトルト製品がつくこともあります。

 パン食は月に数回。パンの時はジャムやチョコレートクリームなどがつくので、とても楽しみでした。甘いものはほとんど食べられないのです。ちなみに毎日のごはんに飽きると、「胃が痛い」とか「歯が痛い」とかいって、おかゆにしてもらっていました。真冬のおかゆはアツアツで最高でしたね。パン食の日や集会でお菓子をもらう日に合わせて、胃や歯の痛みはなくなります。

 また、私がいた頃にはヤクルトなどがつく時もあったのですが、今はないようです。予算がどんどん削られているからでしょうね。それとも誰かにあげるのが問題になったのかもしれません。

 痩せていく男子がいてるというのに、太るのを気にしてごはんを残してしまう女子。たまにしか出ないパンは残さないのに、ごはんは残すんですよ。なんなんですかね。まあ今思えば、シャバではごはんをどんぶりで食べる女子はあまりいませんから、太るというよりは単純に多いだけなのかもしれません。私は残さないで食べてましたけど。

 それに、なぜかムショでは食べ物をあげたりもらったりするのは厳禁で、懲罰の対象なのに、残しても叱られるだけなのです。とはいえ堂々と残すのは、出所が近くなってからです。出所日がわかるまでは進級(受刑者にはランクがあり、マジメにやっていると、手紙や面会の回数などで優遇してもらえるようになる)や仮釈放が心配なので、コッソリ捨てたり、トイレに流したりします。もう出られるとわかれば、先生(看守)の小言なんかシカトです。

 でも、ごはんを残すと、便秘薬がもらえなくなります。「便秘するのは、ちゃんとごはんを食べないから」という理由ですが、食べたものを栄養にしないで出す……というのはムチャなダイエットの基本中の基本です。ごはんを全部食べていた私は便秘薬をもらえるので、便秘でもないのにたくさんもらって、ほかのコが持っている睡眠導入剤と交換してもらっていました。それで夜中に大量に飲んでラリってたわけです。ほんまロクなことを考えませんね。

 そして、ムチャなダイエットは必ず先生にバレます。月に2回か3回、先生の立ち合いで体重を量っていました。ダイエットしてるコは、先生にバレないように、おなかに辞書を仕込んだりしていましたよ。

 また、年末年始はムショでもカップ麺の年越しそばやおせち料理、白米(古米ですけどね)やお餅などが出るので、みんな太りましたね。人によりますが、2キロから7キロくらいはみんなイッてたと思いますよ。私も5キロくらいは太ってたと思います。それで、出所が近いコたちはごはんを捨てて、便秘薬を飲むことになります。

 ダイエットくらいええやんと思うのですが、ムショというところは、とにかくいろんなことが「アカン」のです。

中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)

※この連載が本になりました!
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大地震が発生したら、ムショはどうなる? 元女囚が明かす、災害と“脱走”のこと

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

■非常食のカンパンで口が血だらけに

 6月18日の地震、本当にびっくりしました。余震も続いていて、読者の皆様のことも心配です。私の地元もけっこう揺れましたが、家の被害などは大丈夫でした。友だちの家は食器棚の食器が全部床に、とかあちこち大変だったようです。「コンビニのトイレで用足し中やった」ちゅう友だちもいてました。

亡くなられた方もいらっしゃいますね。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

 さて、地震が起こったらムショはどうなるのでしょうか?

 敷地が広いし、食料や水を備蓄しているので、地元自治体などと災害協定を結ぶところも増えているようですね。避難場所にしたり、備蓄していた食料や水を分けてあげたり。ムショも地域住民からすれば「迷惑施設」やから、こういう時こそ地元に貢献せなあきません。

 もっとも東日本大震災の時は、宮城刑務所の知り合いが「カン(官、施設側のこと)が勝手に食料を近所に配ってしもうて、10日くらいカンパンと水だけやった。その時だけで5キロは痩せたわ」とぼやいてましたから、災害協定も懲役(受刑者)の立場では微妙なところです。ちゅうか、そもそもカンパンは年寄りには硬すぎます。ムショちゅうか、社会全体が高齢化してるんですから、カッチカチのカンパンよりも、みんなが食べやすいものを備蓄してほしいですね。

 ちなみに私は獄中(なか)で大きな地震に遭ったことはないのですが、和歌山刑務所では、9月の「防災月間」にカンパンや「ひもを引っ張ると温まるお弁当」を出されました。どっちもおいしくなくて、不評でしたね。二度と食べたないです。特にカンパンは入れ歯のオバーたちからは「硬すぎて口の中が切れて血だらけや……」と大ブーイングが起きました。

 和歌山は訓練でしたが、ホンマに地震が来たら、どないなるんでしょうか? これ、先生(刑務官)に直に聞いたことがありました。「当所は『震度10』対応や。ここがつぶれる時は地球がなくなる時だから、安心しなさい」と言っていました。「ホンマかいな……」ですが、そんだけ頑丈ってことですね。読者の皆さんも務めるなら和歌山ですよ!

 最近の大地震といえば東日本大震災ですね。まだ完全には復興してないようです。東北の女子刑務所は、福島市の福島刑務支所だけです。2005年に造られた、まあまあ新しい施設で、福島刑務所(男子のみ)の「支所」として隣接してます。

 ここには、子どもを2人殺して無期懲役の判決を受けた畠山鈴香が収容されていると聞いています。刑の確定が2009年だそうですから、震災も経験してるはずです。前も書きましたが、マスコミを騒がせた懲役は、ムショでは「芸能人」と呼ばれ、ほかの懲役とは別にされてます。トラブルがあったら、マスコミが黙っていないからです。結局は「事なかれ主義」ちゅうやつですね。

 ネットのうわさでは、鈴香は独居でなく工場に出ているようで、確かにその可能性は高いと思います。「芸能人」ではありますが、周囲に迷惑をかけていなければ工場に出してもらえるのだと思います。それと、なぜか「子殺し」と「夫殺し」は工場にいる気がします。

 たぶん独居にするかしないかも、所長の判断なんです。鈴香は元いじめられっ子だったそうで、獄中でもうまくなじめないでいるという話もありましたが、どうでしょうね。

■1日だけ脱走できたら?

 東日本大震災の発生時間は午後3時前ですから、みんな工場や浴室にいて、大騒ぎやったそうです。どこにいてもうれしくはないですが、入浴中はかないませんね。死ぬ時に「全裸」、私は、それだけは勘弁です。ま、それがイヤならムショに行くなちゅうことなんですけどね。

 福島の女子刑務所につとめる知り合いも、震災の時にアタマをよぎったのは、「脱走できるかな?」やったそうです。私も逃げられるものなら逃げたいですけど、あとが面倒です。いったん出て、何日かしたら帰ってきたらええのとちゃいますかね(笑)。

 もし懲役たちが震災で脱走できたら、家や男のところには戻らずに、近くの居酒屋で大量の酒を飲んでタバコを吸い、コンビニで大量のお菓子を万引きして帰ってくると思います。とにかく飲めるだけ飲んで、吸えるだけ吸って、食べるだけ食べて、残りの刑期をやりすごす「エサ」にできたらいいなあという発想ですね。

 別に災害ではなくても、年に1回くらいはムショでお酒を飲んだりタバコを吸ったりできる日があれば、懲役も息抜きできてケンカも減ると思いますが、いかがでしょうか?

中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)

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大地震が発生したら、ムショはどうなる? 元女囚が明かす、災害と“脱走”のこと

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

■非常食のカンパンで口が血だらけに

 6月18日の地震、本当にびっくりしました。余震も続いていて、読者の皆様のことも心配です。私の地元もけっこう揺れましたが、家の被害などは大丈夫でした。友だちの家は食器棚の食器が全部床に、とかあちこち大変だったようです。「コンビニのトイレで用足し中やった」ちゅう友だちもいてました。

亡くなられた方もいらっしゃいますね。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

 さて、地震が起こったらムショはどうなるのでしょうか?

 敷地が広いし、食料や水を備蓄しているので、地元自治体などと災害協定を結ぶところも増えているようですね。避難場所にしたり、備蓄していた食料や水を分けてあげたり。ムショも地域住民からすれば「迷惑施設」やから、こういう時こそ地元に貢献せなあきません。

 もっとも東日本大震災の時は、宮城刑務所の知り合いが「カン(官、施設側のこと)が勝手に食料を近所に配ってしもうて、10日くらいカンパンと水だけやった。その時だけで5キロは痩せたわ」とぼやいてましたから、災害協定も懲役(受刑者)の立場では微妙なところです。ちゅうか、そもそもカンパンは年寄りには硬すぎます。ムショちゅうか、社会全体が高齢化してるんですから、カッチカチのカンパンよりも、みんなが食べやすいものを備蓄してほしいですね。

 ちなみに私は獄中(なか)で大きな地震に遭ったことはないのですが、和歌山刑務所では、9月の「防災月間」にカンパンや「ひもを引っ張ると温まるお弁当」を出されました。どっちもおいしくなくて、不評でしたね。二度と食べたないです。特にカンパンは入れ歯のオバーたちからは「硬すぎて口の中が切れて血だらけや……」と大ブーイングが起きました。

 和歌山は訓練でしたが、ホンマに地震が来たら、どないなるんでしょうか? これ、先生(刑務官)に直に聞いたことがありました。「当所は『震度10』対応や。ここがつぶれる時は地球がなくなる時だから、安心しなさい」と言っていました。「ホンマかいな……」ですが、そんだけ頑丈ってことですね。読者の皆さんも務めるなら和歌山ですよ!

 最近の大地震といえば東日本大震災ですね。まだ完全には復興してないようです。東北の女子刑務所は、福島市の福島刑務支所だけです。2005年に造られた、まあまあ新しい施設で、福島刑務所(男子のみ)の「支所」として隣接してます。

 ここには、子どもを2人殺して無期懲役の判決を受けた畠山鈴香が収容されていると聞いています。刑の確定が2009年だそうですから、震災も経験してるはずです。前も書きましたが、マスコミを騒がせた懲役は、ムショでは「芸能人」と呼ばれ、ほかの懲役とは別にされてます。トラブルがあったら、マスコミが黙っていないからです。結局は「事なかれ主義」ちゅうやつですね。

 ネットのうわさでは、鈴香は独居でなく工場に出ているようで、確かにその可能性は高いと思います。「芸能人」ではありますが、周囲に迷惑をかけていなければ工場に出してもらえるのだと思います。それと、なぜか「子殺し」と「夫殺し」は工場にいる気がします。

 たぶん独居にするかしないかも、所長の判断なんです。鈴香は元いじめられっ子だったそうで、獄中でもうまくなじめないでいるという話もありましたが、どうでしょうね。

■1日だけ脱走できたら?

 東日本大震災の発生時間は午後3時前ですから、みんな工場や浴室にいて、大騒ぎやったそうです。どこにいてもうれしくはないですが、入浴中はかないませんね。死ぬ時に「全裸」、私は、それだけは勘弁です。ま、それがイヤならムショに行くなちゅうことなんですけどね。

 福島の女子刑務所につとめる知り合いも、震災の時にアタマをよぎったのは、「脱走できるかな?」やったそうです。私も逃げられるものなら逃げたいですけど、あとが面倒です。いったん出て、何日かしたら帰ってきたらええのとちゃいますかね(笑)。

 もし懲役たちが震災で脱走できたら、家や男のところには戻らずに、近くの居酒屋で大量の酒を飲んでタバコを吸い、コンビニで大量のお菓子を万引きして帰ってくると思います。とにかく飲めるだけ飲んで、吸えるだけ吸って、食べるだけ食べて、残りの刑期をやりすごす「エサ」にできたらいいなあという発想ですね。

 別に災害ではなくても、年に1回くらいはムショでお酒を飲んだりタバコを吸ったりできる日があれば、懲役も息抜きできてケンカも減ると思いますが、いかがでしょうか?

中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)

※この連載が本になりました!
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覚醒剤は飲むと苦い!?  オーバードーズした元女囚が考える「ドン・ファン怪死事件」

nakanorumi40 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

■大量の覚醒剤による急性中毒死

 この記事がアップされる頃は、もう犯人がわかってますかね。そう、紀州のドン・ファン不審死事件です。お屋敷内には監視カメラが何台もあったそうですから、不審者はバッチリ映ってると思われます。

 それにしても、大量の覚醒剤による急性中毒死なんて、なかなかないですよね。しかも、奥様が発見した時にはもう死後硬直が始まってたのに、「ドンドン」と床を踏み鳴らすような音がしたそうです。音を聞いた家政婦さんから「ご主人が呼んでますよ」と言われた奥様が2階に行くと、亡くならはってたんですね。しかも椅子に座った状態で下半身は露出。ほんまにサスペンス劇場みたいです。

 普通に考えたら、奥様が怪しすぎですね。メディアもそういう方向で、一緒にいた家政婦さんとともに、すでに犯人扱いです。プライバシーも何もありませんね。

 ぶっちゃけ私も奥様と家政婦さんの犯行説を取らざるを得ません。ただ、奥様がやるんなら、もう少し別のやり方じゃないとまずい気もします。疑われるに決まってますやん。まあ報道やと、奥様は実家とも疎遠で、ドン・ファン氏との結婚の報告もしてなかったようで、もともとちょっと変わってはる方ではあるようです。

■ビールとかコーヒーは、シャブの苦みを消せる

 テレビでドン・ファン氏の訃報を知った時、最初は「これはカプセルかな?」と思いました。知り合いにもカプセルにシャブを仕込んでいる売人がけっこういてましたしね。普段使ってない人にムリに飲ませるなら、カプセルが一番です。でも、胃の中にはカプセルの形跡がなかったという話が出回ってますね。

 ドン・ファン氏はいつも栄養ドリンクを飲んでいたそうで、それに入れられたのではないかちゅう話です。栄養ドリンクのほか、ビールとかコーヒーとか、苦みや甘みのあるものは、シャブの苦みを消せるんですよね。まあ問題は、誰が入れたか……ですが。いずれにしろ急性の中毒なら、絶命までに相当もがき苦しんだと思いますよ。私もオーバードーズ(OD=薬物の過剰摂取)の経験はありますが、ほんまに苦しくて、死ぬかと思いましたから。おかげさまで、まだ生きてますけど(笑)。

 覚醒剤やヘロインなど違法の薬物でなくても、向精神薬や鎮痛剤などを過剰に摂取することで意識がもうろうとなったり、気絶したり、頭痛や吐き気、震えにおそわれることはあります。記憶障害もあるし、もちろんサイアク死ぬこともあります。死ぬほどではなくても、脳や手足に障害が残ることもあります。今思えば、自分も一歩間違えば死ぬ世界にいたというのは、我ながら呆れますね。

 獄中(なか)で知り合ったコには、そういう経験のあるコも多く、たまにみんなでOD自慢をしていました。あるコは、キメセクしてたカレがODで意識を失った時に、「お風呂に入れて体を温めた」と言っていました。心臓が弱い人なら死んでたのと違いますかね。でも、彼女いわく体温が下がるのが一番アカンそうです。

「幸い意識は戻ったけど、今度は暑いとか寒いとか痛いとか言って暴れるんで、3日くらい睡眠薬を打って寝かせといた。今もカレはピンピンしてるけど、あの時はビビったわー」と笑っていました。若かったからでしょうか。皆さんはマネしちゃだめですよ。

 ちなみに知り合いによると、ドン・ファン氏の地元である和歌山・田辺市でも覚醒剤の入手は可能だそうです。とはいえ狭い街ですから、もしめっちゃ目立つ美人妻が覚醒剤を買ってたらバレバレですよね。田辺で買うことはないと思います。奥様はほとんど東京にいたそうですし、もし入手するとしたら、ルートは東京の方がカタいでしょう。

 地元の「元不良」たちの間でも、この話で持ち切りです。「ようこんなバレバレのこと(人殺し)ができるな」と、「奥様犯人説」がほとんどですが、むしろ「(ドン・ファンにとっては)本望やん」との意見も多いです。

「女が欲しくて稼ぎまくって、最後は美人妻に殺されるなんてオトコの夢。天国で喜んでると思う」

 そうですかねえ。でも、まだ奥様が犯人と決まったわけでもないし。少し前に怪死していたというワンちゃんも気の毒ですが、天国でご主人と楽しく暮らせたらいいですね。

中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)

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仮面ライダー俳優が覚醒剤で捕まったワケ——元女囚が考える、前科者の“セカンドキャリア”

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

■ついにライダーがシャブで!

 以前から、『仮面ライダー』シリーズの(元)スターたちは、チカンや借金トラブル、引きこもりなどネタ満載でしたが、ついに覚醒剤の使用で逮捕者が出ましたね。私が言うことでもないでしょうが、せっかくの男前が台無しです。

 報道によりますと、逮捕されたのは『劇場版 仮面ライダー響鬼と7人の戦鬼』で「仮面ライダー歌舞鬼」を演じた松尾敏伸容疑者で、4月から5月上旬にかけて覚醒剤を使用した疑いで警視庁に逮捕されたそうです。

 前にも書きましたが、盆暮れなどの連休は、シャブを使いたくなる人、多いんですよね。休みにキメセクしたい人や、連休に行くとこがなくて寂しくてつい使ってしまう人など理由はいろいろですが、そのせいでこの時期はシャブが値上がりします。

 今回の使用の経緯はわかりませんが、『仮面ライダー』シリーズは、私の息子たちも大好きで、もちろん私も子どもたちが小さい頃はけっこうハマってました。特に『アギト』の要潤さんが好きでしたね。

■やっぱり若い人は苦労が足りないのかも

 松尾容疑者の逮捕をめぐっては、共演したことのある俳優の遠野なぎこさんが「中途半端なイケメンでもチヤホヤされるんですよ、やっぱりライダーやってると」とか「女の子にすぐ手を出しちゃったり、女癖悪かったり、泣かしちゃったりとか、すごくいろいろあった」と「日刊スポーツ」(5月17日付)に暴露してましたね。

 “中途半端なイケメン”て、ひどい言い方ですけどね(苦笑)。さらに遠野さんは、覚醒剤使用の逮捕についても「『まあまあ、ふーん、納得』って感じがした」そうですよ。この記事だけでなく、ネットやワイドショーなどでは「仮面ライダーの俳優、不祥事が多すぎ」とか「子どもたちの夢を壊すな!」とかの批判がすごくて驚きました。

 確かにその通りなんですが、学生時代からモテモテで、モデルかなんかやって、パッとスターになって、その後は鳴かず飛ばずとなったら、どうしていいかわかりませんよね。悪いことだってしちゃいますよ。たぶん、下積みの経験とかないんでしょう。やっぱり若い時の苦労は買ってでもしろ、ちゅうのはホンマのことなんですね。最近の若い人は、苦労が足らないと思います。まあ私の場合は、しなくてもいい苦労が多すぎましたが(苦笑)。

 あの杉良太郎さんも、デビューまでの2年間はカレー屋さんで奉公して、365日3食カレーだったそうですよ。そういう苦労があるから、70歳を過ぎてもスターでいられるのと違いますかね。

 余計なお世話かもしれませんが、『仮面ライダー』の俳優だけではなくて、薬物や暴行で社会的にダメになる人は、その後はどうされるのかなって、心配になります。支えてくれるご家族や友達がいてくれたらいいのですが、そういう人ばかりではないでしょうね。

 そこで、私は俳優さんに限らず、「わけありホスト」のいる「ホストクラブ」の経営をけっこう本気で考えています。イケメンさんたちはホストや黒服で、ごっつい人は用心棒とかね。ニーズは結構あると思いますよ。

 ホストクラブで人間関係を学んだら、また新しい道も見えてくると思いますし、イケメンなら、そのままホスト道を極めるのもアリですよね。これ、割と本気で考えてるんですけど……誰かスポンサーになってくれませんかね。

 実は、経営しているラウンジの2軒目は、キャバ嬢を卒業した女子が中心のオトナなお店です。フレッシュさはないけど、しっとりした色気で癒やしますよ。この5月にリニューアルオープンして、「次は何をしようかな?」と思っていたところでした。

 私は、自分だけで生きるのでなく、いろんな人とご縁をつないで、いろんなお店を作っていきたいし、困ってる人はまとめて面倒見たいと思っているのです。マジで。

中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)

※この連載が本になりました!
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