――皇太子一家の記事が読者に求められているとのこと。ここ数年、皇太子妃雅子さまに対する批判的な論調の記事を目にする機会が多いように感じます。
皇室記者X(以下、X) 一番の理由は、のちの皇后になるお方だからです。今年の夏に明らかになった天皇陛下の生前退位の意向もあり、あと数年で今の皇太子が天皇になり、自動的に雅子さまが皇后になることも、報道が過熱する理由。今の皇后、美智子さまも当時は初の民間出身の皇族入りということもあり、注目の的でした。当初はいろいろな批判もあったそうです。これは皇太子妃の宿命ともいえるのですが、ただやはり個人的には、かわいそうな部分も感じます。
雅子さまは海外の大学出身で外務省にお務めになられていた方で、外交に関して自分の力を発揮したいといと思われている方でした。皇室に入ることで外交面に関われるという気持ちもあったでしょうが、それもできないことが多い現状。皇室という特殊な環境で常に人から注目される存在となり、“適応障害”という病気をされて、今も療養中ということになっています。その病気になったことも、世間からは「次の皇后は大丈夫か」といったような批判を受けてしまうという悪循環にもつながってしまったり……。さらにお世継ぎがなかなかできなかったという問題も、世間からのバッシングを受けていた原因かと思います。愛子さまの不規則登校のときも、学校まで付き添われていたことで「過保護すぎる」と言われてしまい、雅子様ご自身も、何が正しいのかわからなくなった時期もあるんじゃないかと、皇室記者の間でいわれています。
――皇室記者の間で、特に人気の高い皇室の方はいますか?
X 世間的には、佳子さまフィーバーもあり、スマートなイメージのある秋篠宮家は人気があるかもしれませんね。ただ、記者の中では秋篠宮家は意外と人気がないという印象です。皇太子一家は人気というか、“注目度”が高いですね。将来の天皇家ですし、雅子さまもご病気されるなど話題性に事欠きません。世間では雅子さまへのバッシングが目立ちますが、記者の中では意外とそういう見方よりも、「好きなようにやらせてあげればいいのに」と擁護する意見が多い印象ですね。あとは皇位継承権第3位で、将来的に天皇に即位する悠仁さまは、注目度が高いです。
――皇室記者の方は、皇室ファンと接する機会も多いかと思います。
X 都内や地方の公務でも「またあの人がいる」というような、いわゆる“追っかけ”皇室ファンの方はいますね。基本的には中高年の女性が多いかな。奉迎客として皇族の方々を一目見たいと思って来るみたいですが、その一瞬のために往復の電車代を払っているかと思うと、すごい情熱だなと思います。そういう方がいるから、皇室の報道もやる意味があるのかもしれません。ただ、たまに取材しているときに「雅子さまが見えないから動いて」というように邪魔者扱いするファンの方もいるようで、それはちょっと勘弁してほしいとは思いますが(笑)。
――ほかに、皇室記者ならではの大変な面はありますか?
X 皇室担当の記者は長年同じ人が務める場合が多く、“顔を覚えられやすい”というのがあります。皇室の方々は、公務でもプライベートでも、どこへ行くときでも必ず警備のSPがつくんですが、我々記者が一般人のフリをしてご本人の近く、さらには取材設定がない中で取材をしていると、目を光らせているSPに、すぐ「あいつは記者だ」と察知され、声をかけられてしまうことがあります。芸能人と同じですが、皇室の方は、「プライベートの写真を撮られること」をとにかく嫌うんですよ。
特に雑誌の場合だと取材しづらいことがあるかもしれませんね。というのも、あくまでウワサですが、SPや警察内では、認知されている記者の顔写真と名前が流れているそうです。数多いる芸能人の取材では、マネジャーもこちらを記者だと認識することは難しいかと思いますが、皇室の人数は限られていて、毎週のように記者が付近を取材していれば、確かに認識されてしまいますよね(笑)。なので稀に顔バレしていない記者を取材に動員することもあるそうです。
――最後に、皇室記者という仕事の醍醐味を教えてください。
X 日本の中で長く伝統があり、唯一無二の存在というところは面白いと思います。知れば知るほど面白い世界かなと。皇室に興味がない人は、「佳子さまが学食で何を食べているかなんて、どうでもいい」と思っている人もいるでしょうが、皇室にいる方々一人ひとりに歴史があってストーリーがありますし、女性皇族の方は、いわゆるプリンセスという存在でもあるので、女性はあこがれる存在なんじゃないですかね。歴史に残る人たちを取材できることは光栄だと思いますよ。ただ先日、三笠宮さまも薨去されてしまいましたが、皇族の人数が減っていて、皇室制度そのものが将来的になくなってしまう危険性もあるのは非常に残念。日本の皇室は海外からも尊敬されている存在だとも聞きますし、もっと一般の人も興味を持ってほしいなと思います。