サイボーグ演技で話題沸騰! 白石聖が放つ”神聖オーラ”

 土曜夜11時40分からフジテレビ系の「オトナの土ドラ」枠で放送されている『絶対正義』は、奇妙なドラマだ。

 物語は、過剰な正義感を抱えた高規範子(山口紗弥加)が、高校時代の同級生と再会したことから始まる。行きすぎた正義感で同級生を翻弄する範子は本当に正しいのか? という切り口でストーリーは進んでおり、山口の怪演もあってか、怖さと滑稽さが同居する一筋縄ではいかない作品となっている。

 チーフ演出は『コード・ブルー』(フジテレビ系)シリーズや『リッチマン、プアウーマン』(同)などで知られる西浦正記。印象深いセリフをテロップで見せたり、画面のフレームを自在に変えるトリッキーな映像の応酬となっているが、範子のいびつな正義感をうまく可視化する演出となっている。

 特に印象的だったのが第1話。登場人物の学生時代を描いた前日譚だが、高校生の範子を演じた白石聖(しらいし せい)の演技が素晴らしく、独立した学園ドラマとして面白かった。

 山口が演じる大人の範子は、東海テレビならではの、 こってりとした味付けの昼ドラテイスト。対して、人形のような表情で突き放すように話す白石の演技は、範子の持つ神聖さを際立たせている。

 抑制された表情の中にすごみを感じさせる芝居は、なかなかできるものではない。名前が“聖”だからというわけではないが、聖女的存在を演じさせると、神々しいオーラがにじみ出る女優である。

 白石は現在20歳。2016年に『AKBラブナイト 恋工場』(テレビ朝日系) で女優デビューし、その後は『痛快TV スカッとジャパン』(フジテレビ系)などに出演。昨年末に放送された深夜ドラマ『PRINCE OF LEGEND』(日本テレビ系)への出演で、大きく注目されるようになった。

 EXILE TRIBEを率いるLDHの代表・HIROがエグゼクティブプロデューサーを務める『プリレジェ』は、複数のイケメンがヒロインをめぐって争うドラマだ。『HiGH&LOW』プロジェクトで究極の不良アクションバトルものを作り上げたTEAM HI-AX制作ということで大きく注目された。

 キャッチコピーは「王子様が大渋滞」。セレブが集う聖ブリリアント学園を舞台に、セレブ王子、ヤンキー王子、ダンス王子といったさまざまな個性を持った王子たちが登場し、「伝説の王子」を目指して争いを繰り広げる。

 白石が演じる成瀬果音は本作のヒロインで、父親の借金を返すためにバイトに明け暮れている。王子たちから想いを寄せられるプリンセス的な存在だが、自分をめぐって王子たちが争いを繰り広げる姿をさめた目で見ていて、どんな王子が口説いてもまったくなびかない。

 実際、王子たちが果音を求める理由はそれぞれバラバラで、その何人かはほかの王子に対するライバル意識から彼女を自分のものにしようとする。そんな王子たちの勝手な思惑に対して「男の妄想、押し付けるのをやめてもらえますか?」と果音が全否定することで、王子たちの滑稽さがより際立つのが、本作の面白さである。

『ハイロー』もそうだったが、LDHのプロジェクトには妙な批評性がある。どちらの作品も、作りはとても商業的で豪華な予算をかけて俳優たちを魅力的に見せることに特化した作品なのだが、例えば『ハイロー』なら少年漫画的なヤンキーバトルもの、『プリレジェ』ならイケメンドラマに対するツッコミ目線のようなものがある。

 特に『プリレジェ』は、『花より男子』(TBS系)あたりのイケメンドラマが作ってきた、普通の女の子が複数のイケメンから求愛されるという構造を、肝心のヒロインが全否定しているところが面白い。

 そもそもイケメンドラマは、かっこいいイケメン俳優たちを見せるために作られている。ヒロインはあくまで引き立て役であり、視聴者がイケメン俳優を鑑賞するための装置でしかない。だから、余計な個性やラブロマンスを描くと視聴者の反発を招きやすいため、扱いがとても難しい。

 そんな中、白石演じる果音は、少し怒ったトーンで王子からの寵愛を全否定するので、かわいさよりも凛とした強さのほうが際立っているため、ファンからの反発も少ない。

 この、男(王子)に媚びない芯の強さこそが、白石が見せる最大の魅力だろう。

白石は現在、BSスカパー!で放送されている青春ドラマ『I”s』のヒロイン・葦月伊織も演じている。原作が「週刊 少年ジャンプ」(集英社)で連載されていた桂正和の同名漫画のため、少年漫画に登場する中高生が憧れを抱くヒロイン役だが、やはり白石が演じると、肉感的な色っぽさよりも、神聖なオーラのほうが際立つ。

 3月には『プリレジェ』の劇場映画も公開される。今後、彼女に対する注目が、より高まっていくことは間違いないだろう。

『絶対正義』にも、範子の娘・律子の成長した姿として再登場する予定だ。白石の怪演が再び味わえると思うと、今から楽しみである。

●なりま・れいいち
1976年生まれ。ライター、ドラマ評論家。ドラマ評を中心に雑誌、ウェブ等で幅広く執筆。単著に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)がある。

◆「女優の花道」過去記事はこちらから◆

『けもなれ』出演の森七菜に「美少女感がすごい」と視聴者騒然! 今後注目の若手女優3人

 11月7日放送の『獣になれない私たち』(日本テレビ系)第5話で、田中美佐子演じる千春の10代・20代を演じた女優の森七菜。18歳パートではセーラー服に身を包み、ネット上で「美少女感がすごい」「突然登場したけどこの女優さん誰!?」「ヤバい、めちゃくちゃ可愛い!」と大きな注目が集まった。放送終了後に森はインスタグラムを更新し、セーラー服姿のオフショットを投稿。「とっても素敵なシーンに参加させて頂いて嬉しかったです」と感謝を綴っている。

 2016年に出身地の大分でスカウトされたという森は、黒目がちな瞳が印象的な17歳。2017年には映画『心が叫びたがってるんだ。』や、ドラマ『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)などに出演してきた。

 2019年には岩井俊二監督の映画『Love Letter』や、玉城ティナ主演『地獄少女』への出演が決定。そこで今回は森のように、最近話題になっている“今後注目の若手女優”たちをご紹介していこう。

 

●南沙良

 モデルで女優の南沙良は、今年7月に公開された『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』で映画初主演。上手く言葉が話せず友人と衝突してしまう難役を、モデルのオーラを消すほどの体当たり演技でこなしてみせた。

 女優としての評価を高めた南は、宮沢りえと共演した「ポッキー」のCM「何本分話そうかな」でも自然体の表情が注目を集めることに。宮沢とは母娘を演じており、転校先で馴染めず気落ちするも母親との会話で笑顔を取り戻す役どころだ。また“全編即興劇”で話題の映画『無限ファンデーション』では堂々の主演を務めている南。16歳という年齢ながら果敢に新境地へと挑む姿に、ファンからは「将来大物女優になりそう」「もっと沙良ちゃんの演技が見たい!」とエールが贈られている。

 

●白石聖

 桂正和の人気漫画を実写ドラマ化する『I”s』(BSスカパー!、スカパー! オンデマンド)で、美少女ヒロイン・葦月伊織役に抜擢された女優の白石聖。制服に身を包み透明感が溢れ出した白石のビジュアルは、12月21日のドラマスタートを前に早くも大好評で、ネット上には「俺の求める伊織ちゃんそのままだ……」「こんな透明感を持った女優さんがいたことに驚き」といった声が溢れ返った。

 白石は1998年生まれの20歳で、ふんわりとした佇まいとは裏腹に特技としてドラムを挙げる意外な一面も。女優として頭角をメキメキと現しはじめ、10月3日からスタートしたドラマ『PRINCE OF LEGEND』(日本テレビ系)ではヒロイン・成瀬果音役を好演。10月26日公開の映画『栞』では、主人公の妹で高校2年生の高野遥役としてメインキャストに名前を連ねた。20歳を迎えてなお女子高校生役が相次ぎ、白石の“美少女感”に癒されるファンが続出している。