今年5月、NASA(アメリカ航空宇宙局)が、トム・クルーズ主演映画の撮影を国際宇宙ステーションで行うことを発表。企画には米実業家イーロン・マスクが創業した宇宙開発企業「スペースX」も関わっていると報じられ、あまりのスケールの大きな話に、映画ファンのみならず、世界中が驚いた。
トム主演のメガヒット映画シリーズ『ミッション:インポッシブル』では、滑走中の飛行機の翼の上を走ったり、ドバイにある世界一の超高層ビルで宙吊りになったり、顔が映らないシーンも含めて危険なアクションはすべて自分でこなすトム。『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(2018)では、ビルからビルへ飛び移るシーンで失敗し、右足首を骨折。撮影は一時中断したが、早期に復帰。問題のシーンは本編に採用するなど、「根性のある男」「仕事の鬼」としても高く評価されている。
今年は出世作『トップガン』(1986)の続編、『トップガン マーヴェリック』が公開される予定だった(アメリカでは新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、21年に延期)ことから、これまでの共演者たちがトムのプロ根性を語ることが多かった。今回はトムの出演作品ごとに、「共演者が語る大物俳優トム・クルーズ」を見てみよう。
「ホテルの部屋をシェアすると知って逆上した」ロブ・ロウ
青春映画の決定版として語り継がれる、フランシス・フォード・コッポラ監督の名作『アウトサイダー』(83)。同作でトムと共演したロブ・ロウは、ポッドキャスト『Armchair Expert』で、同作のオーディションを受けるためにニューヨークに行った時のことを回想。
「(高級ホテルの)プラザホテルに泊まったんだけど、チェックインの時にトムはオレと部屋をシェアしなきゃならないと知って逆上したんだ」
「『エンドレス・ラブ』(81)のエキストラや、『タップス』(81)で7番手しかやってない18歳の若造が、(自分は高級ホテルに1人部屋をもらえるほどの役者だと)ものすごい意気込みを見せていたんだよ。こいつは本物だって思ったさ。でもマジで怒ってたから、笑っちゃったけどね」
「何がすごいって、特定の人たちは、若い頃から何ひとつ変わらないこと。彼は役者を始めた頃からずっと成功を見据えていたんだよ」
トム演じる戦闘機パイロットの相棒で、レーダー要員を演じたアンソニー・エドワーズは、続編『マーヴェリック』について聞かれた際、「視覚的にもエキサイティングな作品だし、もちろんトム(演じる主人公)は正義を果たしてくれる」「彼は俳優として、映画製作者として、ストーリーメーカーとして、何年もかけて自分を証明してきたよね」と語り、同作はこれまでのキャリアの集大成だと断言。トムは“不可能とされることをやりたい”という野望を持っていると語った。
ライバル役を演じたヴァル・キルマーは、今年4月に発売した自叙伝『I’m Your Huckleberry』で、「トムは(撮影中)オレたちのような、どんちゃん騒ぎが好きなパーティ・ボーイズたちとは付き合わなかった。でも、それには正当な理由があったのさ」「初日から彼は“唯一のゴール”へ向かって、全身全霊を注いでいたんだ。そのゴールとは、“映画史上、最も偉大なアクションヒーローになる”こと。夜なべして自分の台詞を熱心に覚えていたし、起きている間はスタントを完璧にこなせるように時間を費やしていた。その熱心さは本当に立派だった」と回想。「でも何が一番立派かって……彼はそのゴールを達成したんだよ」「彼を尊敬しているし、敬服もしている」と大絶賛した。
「すごく高圧的で、恐怖を感じた」タンディ・ニュートン
『ミッション:インポッシブル2』(00)で、トム演じるイーサンと恋に落ちるヒロイン役を演じたタンディ・ニュートンは、米カルチャー誌「Vulture」のインタビューで、「夜にバルコニーのシーンを撮影したの。私がイーサンに怒りながら、スペインの夜景を見渡すという流れだったんだけど、うまくいかなくて」「トムは私の演技に満足がいかず、イラついてしまって」と、トムが短気で怖かったと暴露。「『僕が君の役をやってみせるから』と見本を見せてくれ、録画させられたんだけど、正直役には立たなかった」と、さりげなくディスった。
また、「悪い人じゃないのよ。共演によって素晴らしい経験ができたと思っている」と前置きした上で、「でも(トムからは)恐怖と不安を感じたわ。すごく高圧的で、自分は何もかも完璧にこなせると思い込んでいて」とコメント。トムは支配的な性格で、一緒に働くことは悪夢のようだったとぶちまけた。
ちなみにトムの3番目の妻だったケイティ・ホームズは、このインタビュー記事の公開直後にタンディのインスタグラムをフォロー。ネット上は「トムが高圧的なモラハラ男というウワサは本当なんだ!」と大盛り上がりした。
「『君と一緒に走るのは嫌だ』と言われた」アナベル・ウォーリス
『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』(17)で、トム演じる米軍曹と惹かれ合う、考古学者役を演じたアナベル・ウォーリス。米業界紙「Hollywood Reporter」のインタビューで、「彼と一緒に走るシーンがあったんだけど、最初、『君と一緒に走るのは嫌だ』と言われたの。『自分はスクリーンでは誰とも一緒に走らない主義だから』って。だから『でも私、結構走るのは得意なんですけど』って食い下がってね」と告白。それでも了解してくれなかったため、「トレッドミル(ランニング・マシーン)でタイムを計って走ったの。それでトムはやっと納得して、一緒に走るシーンを撮影してくれたのよ」と告白。
「オスカーを受賞するよりも最高な気分になったわ! めちゃくちゃうれしかった。トム・クルーズと一緒にスクリーン上で走れるだなんて!」と興奮気味に語った。
『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』で、トム演じる主人公と組む敏腕エージェント役を演じたヘンリー・カヴィルは、米エンタメサイト「E!ニュース」のインタビューで、「自分はそう簡単に『すごい』と思わないタイプだが、トムのスタントには驚かされた。特に山やヘリコプターのスタントが素晴らしい」「映画のためにたくさんのスキルを身につけ、最高レベルのスタントをこなす。本当にすごい人だ」と大絶賛。
MI6スパイ役を演じたレベッカ・ファーガソンは同サイトで、トムはその場にいる全員に分け隔てなく注意を払ってくれるので「誰もが『自分は重要人物なんだ』という気分になる」と証言。やりやすい環境を作り上げてくれると称賛した。
CIA長官役を演じたベテラン女優のアンジェラ・バセットも同サイトで、トムのことを「信じられないくらい温かく親切な人」「素敵な笑顔を浮かべる人」だとベタ褒め。
シリーズを通して、トム演じる主人公の相棒ベンジー役を演じるサイモン・ペグは、米エンタメ局「E!」オンラインのインタビューで、「トムのことは大好き。とてもおもしろい人だし、素の彼を知ることができて本当に光栄」と言い、「彼はたくさんの神話を持つ人だけど、実際の彼はそんなんじゃない。とても楽しい人だし、繊細な人でもあるし、人間なんだよ」「でも彼はトム・クルーズでもある。『おい、トム・クルーズやってくれよ』って頼むと、サングラスをかけてほほ笑んでくれるんだよ」「彼は、俳優の自分がどう見られているか知ってるのさ。これって卓越した能力だと思うよ」と絶賛した。