“元アウトローのカリスマ”瓜田純士、新曲を発表! アンチコメントに殺人予告も飛び出す事態に……

 “キング・オブ・アウトロー”こと瓜田純士(39)が愛妻と共に、2作目のミュージックビデオ(MV)『Alba della Sicilia〜シチリアの夜明け〜』(feat.dj TVXI & Kombow)をYouTubeで発表した。曲調は軽快なラテンポップだが、リリック(歌詞)はマフィアの悲恋物語。イタリアに行ったことがないのにシチリアをテーマに選んだ理由は? MVはどこで撮影したのか? 制作の裏話を夫妻に聞こうとしたら、開口一番、純士の口から殺害予告が飛び出し、しまいには夫婦ゲンカが始まった!

――新曲のMVを拝見しました。

瓜田純士(以下、純士) YouTubeのコメント欄、見ましたか? 新曲を批判している奴らが何人かいましたが、俺、あいつらを●すんで。俺、体懸けるんで 、刑務所に面会に来てくださいよ。「実話」とつくような雑誌は差し入れられないので、単行本の差し入れをお願いします。俺、満期で行く覚悟なんで。

――落ち着いてください! 新曲を批判というのは、「曲はいいけどMVがダメ」という趣旨の書き込みのことですか?(現在は削除済み )

純士 はい。やれ動画がつぎはぎだとか、やれうちの嫁の歩き方がお水くさいだとか、しまいにはカモメの数が多いということにまで文句をつけやがって、ほんと腹が立ちますよ。

――それだけ熱心に見てくれている、ということではないでしょうか?

純士 (耳を貸さずに)ああいうことを言う奴に限って、サザン(オールスターズ)が同じようなMVを撮ったらベタ褒めするんですよ。しかも、あれだけの長文でダメ出ししておきながら、俺のことを「兄貴」とか呼んで、怒られないように予防線を張っているのが一番腹立つんですよ。そんなの極道の世界で「兄貴、みんなが思っていることなので言わせてもらいますけど、今日のスーツにこのネクタイ、マジないっすよ」とか、「兄貴のためを思って言いますけど、アニキの連れている女、マジないっすよ」なんつったら殺されますよ。

――確かに(笑)。

純士 実際にイタリアまで行くカネがないから、いつものYouTubeのメンバーで経費もかけずにイタリアっぽくやってみましたよ、というコンセプトなのに、ゴチャゴチャ言いやがって!

――あのMVは、どこで撮影したのでしょう?

純士 汐留のイタリア街です。イタリア街つっても日本ですから、福山通運のトラックとかも普通に走っているわけですよ(笑)。それはさすがにカットしたけど、日本語のポスターとかはわざと入れ込んだわけです。

――それが瓜田さんならではのお茶目さだと。

純士 そうそうそう。完璧な美とかクオリティを求める奴はディズニーランドで遊んでろ、って話ですよ。こっちは安っぽささえも味になる浅草花やしき感覚で遊んでいる。そのあえてのクオリティに水を差すような奴らは、どうせつまんない人生を送っているんですよ。かわいそうになってきちゃいますよ。

――怒りは収まったでしょうか? では楽曲の話に入ります。今回はなぜイタリアを舞台にしたリリックなのでしょう?

純士 季節ごとに1曲ずつリリースしたいと考えていて、春に出した1曲目は自叙伝みたいな感じだった。2曲目も似たような自叙伝系だと、自分の中で二番煎じになっちゃう。さて、どうしようと考えているときに、あ、そうだ、海外の裏社会を舞台にしたら面白そうだなとひらめいたんですよ。もともとマフィア映画が好きなんで、マフィア発祥の地であるイタリアのシチリアを舞台にしたらどうだろう、と。

――真島昌利作詞作曲の「アンダルシアに憧れて」を思い出しました。

純士 制作中に、それも頭をよぎりました。ただ、俺は作家なので、「アンダルシア~」よりもリアリティがなくちゃいけないと思いました。イタリアには行ったことがないけど行ったことがあるように書くには、調べるしかない。『熱帯夜』(フィリピンを舞台にした瓜田の小説) と同じ発想ですね。

 今回もそういう感じで、イタリアのアングラ事情みたいなリリックを書ければいいなと思いました。書く際に注意したのは、ただのそれっぽい単語の羅列にはしたくないということ。現地の人が見て、「なんだこれは? バカにしてんのか?」となるのは避けたかったんですよ。

 たとえば「山口組のサムライが芸者に恋をして、桜吹雪が舞うなか富士山頂で抱き合い、ササニシキを食べながら京都の大文字焼きを見下ろす」みたいなストーリーになったらバカ丸出しでヤバいじゃないですか。

――(笑)。

純士 だから、時代考証をしっかりやりつつリリックを書きました。たとえば「脱ぎ捨てられたチャッカブーツ」という言葉が出てきますが、これはその時代に活動していたマフィアが実際に好んで履いていたもので、フェラガモが作ったトラメッザというメンズラインのブーツなんですね。そういう史実をちゃんと調べつつ、街の名称とかにも誤りが ないかを調べつつ書いていったら、勝手にストーリーが出来上がった感じです。

――前作とは打って変わって、明るい曲調なのが意外でした。

純士 まず、ただのラップじゃないんだよ、瓜田夫婦はいろんなジャンルをできますよ、という器用さを見せたかった。また、どうせ発表するならバズらせたかったので、いま世界で最も視聴回数が多いといわれるジャンルにしたんですよ。ラテンポップ? あるいはレゲトンってい うのかな? レゲエのようなノリにラテン系の歌詞が入るような曲。

――それは初挑戦の領域だったと思うのですが、迷わず飛びつき、すぐさま発表してしまうスピード感が瓜田夫婦の強みですね。

純士 ラップ初挑戦で前作の「recollection~遠い日の記憶から~」を完成させた時点で、今後はどんなジャンルでもできるだろうと思ったんで。最初はもっとゆっくりな曲調にしようかとも思ったんですけど、「どこにでもある感じで退屈や」と嫁が言うもんだから、セオリーを無視していろいろ聴き比べてみた結果、稲妻が落ちるような感じで「これだ!」というトラックを見つけました。前作同様、Kombow氏のトラックです。

――セオリーを無視するところがアウトローの瓜田さんらしいですが、そこを「素人くさい」と捉える視聴者もいるようです。

純士 俺は音楽で食ってきたわけじゃない。ただの物書きなんですよ。だから俺らがやっていることを、監督目線であれこれダメ出しする奴らが出てくる。こっちがフレッシュな感じだから、上から教えてやろうという凡人の発想でね。

 いきなりこんなベートーヴェンみたいな天才が現れて、その音楽に耳なじみがないからって、既存のものと照らし合わせながら「ああしたらいい」「こうしたらいい」と型にはめようとする。そんな奴らには、ちょっと待ってくれと言いたいです。瓜田夫婦は最初から違うだろ、と。セオリーだのなんだの言いだしたら、見た目から何から全部改造しなけりゃならなくなる(笑)。

 一見アウトローっぽいけど実は型にはまったミュージシャンといえば、湘南乃風の若旦那とMINMI(2016年に離婚)とかがいるわけじゃないですか。ディスるわけじゃないけど、彼らはアーティストとして完成されていて、ちゃんとしたレールに乗っている。そういう人らの「いろいろあったね、俺たち」っていうストーリーを求めるならば、最初からそっちを聴いてくれ、という話なんですよ。瓜田夫婦を一緒にするな、と。

 振り子打法のイチローだって、プロデビュー当時に(土井正三)監督からフォームを変更しろと言われたらしいじゃないですか。でもイチローはそれに従わず、自分のスタイルを貫いて、あれだけの選手になった。俺も一緒。型にはめようとする声に従って、ありきたりな完成度を目指すようだったら、つまんない表現者になっちゃう。だからこのスタイルは変えません。負け惜しみじゃなく、腹が立っているわけじゃなく……いや、存分に腹は立っているんですけど(笑)、腹が立っているのはそいつらのセンスのなさに対してなんですよ。

――なるほど。

純士 汐留のイタリア街で、いつものプロファイリング のカメラマンと、遊び半分でMVを作ってみた。カネも時間もかけていないからツッコミどころ満載だけど、曲は良くない? と思ってもらいたくてやっているんですよ。そのへんの機微をわからない奴は、今すぐチャッカブーツを履いて船着き場に来い! リリックの通り、チャカで頭蓋骨を撃ち抜いてやるから。

――瓜田さんのラップと奥様の歌が、何度も入れ替わる展開が新鮮でした。

純士 俺が日本語ラップで、嫁まで日本語ラップだとつまんないから、真逆を掛け合わせていくことにしました。語り口調で暴走する旦那を、シンガーである嫁の美声でふた する。それを何度も繰り返す構成です。男女デュオだと展開も多くなるから、目も耳も飽きずにより良く聴こえる効果もあるんじゃないかと。

――フック(サビ)が印象的ですが、あの歌メロは瓜田さんが考えたんですか?

純士 楽譜を書けないので鼻歌で作った感じですけど、おおまかなメロディは俺が決めました。でも結局、レコーディングの最中に嫁のアーティスト魂が炸裂して、勝手なアレンジを加え始めたので(笑)、そのへんは夫婦合作ということになりますね。

――レコーディングの所要時間は?

純士 2時間です。俺のパートは一発録りで、10分程度で終了。残り時間はすべて嫁のパートの録音でした。そこは性格の違いで、俺は予習をきっちりして行って、一気に集中して終わらせたいタイプなんだけど、嫁は逆。「なんとかなんねん」と予習もせずに行って、現場でのひらめきを頼りに納得いくまで粘り強くやるタイプなんですよ。嫁は俺のことを「どんだけ出たがりやねん!」とツッコミつつ、「もっとウチにも歌わせてよ(笑)」と言って、どんどん自分が出しゃばってきた。

 しかも、DJのTVXI氏には譜面も何も見せていないし、鼻歌も聴かせていないのに、「ここの語尾は高く上げんのか、低く下げるんか。どっちがええと思う?」とか言いだして。録り終わってミックダウンする段階になってからも、嫁は「ここは高いほうがええわ」とかDJに何度も注文するわけです。俺はせっかちだから「どっちでもいいから早く完成させよう」と思ったけど、嫁は完璧主義だから「妥協すんのは絶対にアカンねん」と言って、いつまでもDJとやりとりをしている。

 しまいにはDJが「勘弁してください。そもそも僕、譜面も見ていないし原曲のメロディも知らないんですから、高いだの低いだの言われても知りませんよ!」と音を上げそうになったので、俺が平謝りする羽目に……。

――と、旦那様は言っていますが、奥様の言い分はいかがでしょう?

瓜田麗子(以下、麗子) ウチはお祭り好きやから、せっかくいろんなバージョンを録ったんやったら全部を使うてほしいとお願いしただけですよ。そんなウチのことを純士は気に入らんかったみたいやけど、こっちかて気に入らん点はあるわ。なんやねん、あのMVは! (純士が編集を担当した)MVを見て、「奥様の歩く後ろ姿がタバコを買いに行くお水みたい」と文句を言うてる視聴者がおったけど、ウチもまったく同感です。なんであの後ろ姿、使うねん! 使うな、言うたのに!

――動画がアップされる前に、直してもらえばよかったじゃないですか。

麗子 純士は、ウチが何度も口出しすることを嫌がるんですよ。編集が終わらなくなるし、大ゲンカにもなるから。でも横顔のアップだけはどうしても使ってほしくなかったから、そこだけはブーブー文句を言うて消してもらいました。MVの中でイタリア語の単語が差し込まれる場面が数カ所ありますよね? あれ、もともとはウチの横顔のシーンやったんです(笑)。だから余計、動画がつぎはぎな印象になっちゃったんですよ。

――奥様が満足している点はありますか?

麗子 トラックを選ばせてくれたのはよかったです。純士は独特の色っぽい声をしているので、あれぐらいアップテンポな曲に、聴き取れないぐらいの早口で言葉を詰め込んだほうがハマると思ったんです。最初は抵抗していた純士ですが、「よく聴くと味があるな」と受け入れてくれたのがうれしかったです。

――非常に良い曲だと思いましたよ。

麗子 すったもんだありつつも、最終的におしゃれな感じにまとまったから、「まいっか、ハハハ」となりました。前作もそうでしたが、夫婦ゲンカを何度も何度も重ねた末に、やっとこさ完成した作品なんですよ。

純士 レコーディング日もMVの撮影日も、ケンカが絶えませんでしたからね。嫁を連れ出すのも一苦労でしたから。「レコーディングは6時からって決まっているんだよ。そろそろ行くぞ!」と声をかけても、「嫌や。8時からにならへんのか? ご飯食べてからがいい」とゴネ始める。「じゃあ、さっさと食べて出かけよう」とせっついても、「ご飯食べたらおなかが出るし顔もむくむねん。もうちょい待ちぃな」とか言われるんですから。

 MVを撮影後、9時間かけて編集した試作品を見せたら、「この横顔、ブサイクやわ。なんで撮影前にご飯食べたんやろ?」とか言われても、知らねーよ! って話じゃないですか。顔が映ると文句を言うから、文句を言われない後ろ姿をメインにしたんですよ。そしたら今度は視聴者から「奥様の歩き方ダメだ」と指摘され、「どうしてちゃんと歩かなかったの?」と嫁に聞いたら、大ゲンカになってしまいました。

麗子 ウチは初めから、「後ろ姿しか使ったらアカンで」と言ってからイタリア街に向かったんですよ。それやのに、試作品を見てみたら顔も映っているし、ええ感じのシーンは全部カットされていたから頭に来たわ!

純士 今の言葉、ちゃんと録音しましたよね? 俺はまさにそう聞いていたんですよ。「後ろ姿しか使ったらアカン」と。となると当然、編集では後ろ姿だけを使いますよね? そしたら「あの正面を向いたカメラ目線が一番のお気に入りやったんや。なんで使うてくれへんかったんや!」なんてことを平気で抜かす。事前に聞いていたことと全然違うことを後から言いだすんですよ。おまけに撮影当日は替えの衣装を忘れるし。

麗子 忘れてへんわ! カバンの奥に入れといたのに、純士がアホやからそれに気づかへんかっただけや!

――夫婦で仲良く制作していたのかと思いきや、裏では激しい争いが起きていたんですね。そして、その遺恨はいまだに尾を引いているという……。

麗子 ですから、ダメ出しのコメントは極力控えていただけたらな、と。これ以上、夫婦ゲンカの火種を用意されたら、ホンマに離婚に発展するっちゅーねん!

純士 瓜田夫婦の作品は、トラブルやアクシデントさえも丸ごと真空パックしたナマモノなんですよ。そういうドタバタを想像しつつ、温かい目で見守ってくれたらうれしいですね。
(取材・文=岡林敬太)

※瓜田夫婦『Alba della Sicilia〜シチリアの夜明け〜』(feat.dj TVXI & Kombow)デジタル音源配信中
https://linkco.re/2svr55GZ

※瓜田純士のYouTube好評配信中(瓜田純士プロファイリング ) https://www.youtube.com/channel/UCv27YAy0FZ-4wwisy5zPmeg

※「“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士、かく語りき」の記事一覧 https://www.cyzo.com/cat8/outlaw_charisma/

“元アウトローのカリスマ”瓜田純士、新曲を発表! アンチコメントに殺人予告も飛び出す事態に……

 “キング・オブ・アウトロー”こと瓜田純士(39)が愛妻と共に、2作目のミュージックビデオ(MV)『Alba della Sicilia〜シチリアの夜明け〜』(feat.dj TVXI & Kombow)をYouTubeで発表した。曲調は軽快なラテンポップだが、リリック(歌詞)はマフィアの悲恋物語。イタリアに行ったことがないのにシチリアをテーマに選んだ理由は? MVはどこで撮影したのか? 制作の裏話を夫妻に聞こうとしたら、開口一番、純士の口から殺害予告が飛び出し、しまいには夫婦ゲンカが始まった!

――新曲のMVを拝見しました。

瓜田純士(以下、純士) YouTubeのコメント欄、見ましたか? 新曲を批判している奴らが何人かいましたが、俺、あいつらを●すんで。俺、体懸けるんで 、刑務所に面会に来てくださいよ。「実話」とつくような雑誌は差し入れられないので、単行本の差し入れをお願いします。俺、満期で行く覚悟なんで。

――落ち着いてください! 新曲を批判というのは、「曲はいいけどMVがダメ」という趣旨の書き込みのことですか?(現在は削除済み )

純士 はい。やれ動画がつぎはぎだとか、やれうちの嫁の歩き方がお水くさいだとか、しまいにはカモメの数が多いということにまで文句をつけやがって、ほんと腹が立ちますよ。

――それだけ熱心に見てくれている、ということではないでしょうか?

純士 (耳を貸さずに)ああいうことを言う奴に限って、サザン(オールスターズ)が同じようなMVを撮ったらベタ褒めするんですよ。しかも、あれだけの長文でダメ出ししておきながら、俺のことを「兄貴」とか呼んで、怒られないように予防線を張っているのが一番腹立つんですよ。そんなの極道の世界で「兄貴、みんなが思っていることなので言わせてもらいますけど、今日のスーツにこのネクタイ、マジないっすよ」とか、「兄貴のためを思って言いますけど、アニキの連れている女、マジないっすよ」なんつったら殺されますよ。

――確かに(笑)。

純士 実際にイタリアまで行くカネがないから、いつものYouTubeのメンバーで経費もかけずにイタリアっぽくやってみましたよ、というコンセプトなのに、ゴチャゴチャ言いやがって!

――あのMVは、どこで撮影したのでしょう?

純士 汐留のイタリア街です。イタリア街つっても日本ですから、福山通運のトラックとかも普通に走っているわけですよ(笑)。それはさすがにカットしたけど、日本語のポスターとかはわざと入れ込んだわけです。

――それが瓜田さんならではのお茶目さだと。

純士 そうそうそう。完璧な美とかクオリティを求める奴はディズニーランドで遊んでろ、って話ですよ。こっちは安っぽささえも味になる浅草花やしき感覚で遊んでいる。そのあえてのクオリティに水を差すような奴らは、どうせつまんない人生を送っているんですよ。かわいそうになってきちゃいますよ。

――怒りは収まったでしょうか? では楽曲の話に入ります。今回はなぜイタリアを舞台にしたリリックなのでしょう?

純士 季節ごとに1曲ずつリリースしたいと考えていて、春に出した1曲目は自叙伝みたいな感じだった。2曲目も似たような自叙伝系だと、自分の中で二番煎じになっちゃう。さて、どうしようと考えているときに、あ、そうだ、海外の裏社会を舞台にしたら面白そうだなとひらめいたんですよ。もともとマフィア映画が好きなんで、マフィア発祥の地であるイタリアのシチリアを舞台にしたらどうだろう、と。

――真島昌利作詞作曲の「アンダルシアに憧れて」を思い出しました。

純士 制作中に、それも頭をよぎりました。ただ、俺は作家なので、「アンダルシア~」よりもリアリティがなくちゃいけないと思いました。イタリアには行ったことがないけど行ったことがあるように書くには、調べるしかない。『熱帯夜』(フィリピンを舞台にした瓜田の小説) と同じ発想ですね。

 今回もそういう感じで、イタリアのアングラ事情みたいなリリックを書ければいいなと思いました。書く際に注意したのは、ただのそれっぽい単語の羅列にはしたくないということ。現地の人が見て、「なんだこれは? バカにしてんのか?」となるのは避けたかったんですよ。

 たとえば「山口組のサムライが芸者に恋をして、桜吹雪が舞うなか富士山頂で抱き合い、ササニシキを食べながら京都の大文字焼きを見下ろす」みたいなストーリーになったらバカ丸出しでヤバいじゃないですか。

――(笑)。

純士 だから、時代考証をしっかりやりつつリリックを書きました。たとえば「脱ぎ捨てられたチャッカブーツ」という言葉が出てきますが、これはその時代に活動していたマフィアが実際に好んで履いていたもので、フェラガモが作ったトラメッザというメンズラインのブーツなんですね。そういう史実をちゃんと調べつつ、街の名称とかにも誤りが ないかを調べつつ書いていったら、勝手にストーリーが出来上がった感じです。

――前作とは打って変わって、明るい曲調なのが意外でした。

純士 まず、ただのラップじゃないんだよ、瓜田夫婦はいろんなジャンルをできますよ、という器用さを見せたかった。また、どうせ発表するならバズらせたかったので、いま世界で最も視聴回数が多いといわれるジャンルにしたんですよ。ラテンポップ? あるいはレゲトンってい うのかな? レゲエのようなノリにラテン系の歌詞が入るような曲。

――それは初挑戦の領域だったと思うのですが、迷わず飛びつき、すぐさま発表してしまうスピード感が瓜田夫婦の強みですね。

純士 ラップ初挑戦で前作の「recollection~遠い日の記憶から~」を完成させた時点で、今後はどんなジャンルでもできるだろうと思ったんで。最初はもっとゆっくりな曲調にしようかとも思ったんですけど、「どこにでもある感じで退屈や」と嫁が言うもんだから、セオリーを無視していろいろ聴き比べてみた結果、稲妻が落ちるような感じで「これだ!」というトラックを見つけました。前作同様、Kombow氏のトラックです。

――セオリーを無視するところがアウトローの瓜田さんらしいですが、そこを「素人くさい」と捉える視聴者もいるようです。

純士 俺は音楽で食ってきたわけじゃない。ただの物書きなんですよ。だから俺らがやっていることを、監督目線であれこれダメ出しする奴らが出てくる。こっちがフレッシュな感じだから、上から教えてやろうという凡人の発想でね。

 いきなりこんなベートーヴェンみたいな天才が現れて、その音楽に耳なじみがないからって、既存のものと照らし合わせながら「ああしたらいい」「こうしたらいい」と型にはめようとする。そんな奴らには、ちょっと待ってくれと言いたいです。瓜田夫婦は最初から違うだろ、と。セオリーだのなんだの言いだしたら、見た目から何から全部改造しなけりゃならなくなる(笑)。

 一見アウトローっぽいけど実は型にはまったミュージシャンといえば、湘南乃風の若旦那とMINMI(2016年に離婚)とかがいるわけじゃないですか。ディスるわけじゃないけど、彼らはアーティストとして完成されていて、ちゃんとしたレールに乗っている。そういう人らの「いろいろあったね、俺たち」っていうストーリーを求めるならば、最初からそっちを聴いてくれ、という話なんですよ。瓜田夫婦を一緒にするな、と。

 振り子打法のイチローだって、プロデビュー当時に(土井正三)監督からフォームを変更しろと言われたらしいじゃないですか。でもイチローはそれに従わず、自分のスタイルを貫いて、あれだけの選手になった。俺も一緒。型にはめようとする声に従って、ありきたりな完成度を目指すようだったら、つまんない表現者になっちゃう。だからこのスタイルは変えません。負け惜しみじゃなく、腹が立っているわけじゃなく……いや、存分に腹は立っているんですけど(笑)、腹が立っているのはそいつらのセンスのなさに対してなんですよ。

――なるほど。

純士 汐留のイタリア街で、いつものプロファイリング のカメラマンと、遊び半分でMVを作ってみた。カネも時間もかけていないからツッコミどころ満載だけど、曲は良くない? と思ってもらいたくてやっているんですよ。そのへんの機微をわからない奴は、今すぐチャッカブーツを履いて船着き場に来い! リリックの通り、チャカで頭蓋骨を撃ち抜いてやるから。

――瓜田さんのラップと奥様の歌が、何度も入れ替わる展開が新鮮でした。

純士 俺が日本語ラップで、嫁まで日本語ラップだとつまんないから、真逆を掛け合わせていくことにしました。語り口調で暴走する旦那を、シンガーである嫁の美声でふた する。それを何度も繰り返す構成です。男女デュオだと展開も多くなるから、目も耳も飽きずにより良く聴こえる効果もあるんじゃないかと。

――フック(サビ)が印象的ですが、あの歌メロは瓜田さんが考えたんですか?

純士 楽譜を書けないので鼻歌で作った感じですけど、おおまかなメロディは俺が決めました。でも結局、レコーディングの最中に嫁のアーティスト魂が炸裂して、勝手なアレンジを加え始めたので(笑)、そのへんは夫婦合作ということになりますね。

――レコーディングの所要時間は?

純士 2時間です。俺のパートは一発録りで、10分程度で終了。残り時間はすべて嫁のパートの録音でした。そこは性格の違いで、俺は予習をきっちりして行って、一気に集中して終わらせたいタイプなんだけど、嫁は逆。「なんとかなんねん」と予習もせずに行って、現場でのひらめきを頼りに納得いくまで粘り強くやるタイプなんですよ。嫁は俺のことを「どんだけ出たがりやねん!」とツッコミつつ、「もっとウチにも歌わせてよ(笑)」と言って、どんどん自分が出しゃばってきた。

 しかも、DJのTVXI氏には譜面も何も見せていないし、鼻歌も聴かせていないのに、「ここの語尾は高く上げんのか、低く下げるんか。どっちがええと思う?」とか言いだして。録り終わってミックダウンする段階になってからも、嫁は「ここは高いほうがええわ」とかDJに何度も注文するわけです。俺はせっかちだから「どっちでもいいから早く完成させよう」と思ったけど、嫁は完璧主義だから「妥協すんのは絶対にアカンねん」と言って、いつまでもDJとやりとりをしている。

 しまいにはDJが「勘弁してください。そもそも僕、譜面も見ていないし原曲のメロディも知らないんですから、高いだの低いだの言われても知りませんよ!」と音を上げそうになったので、俺が平謝りする羽目に……。

――と、旦那様は言っていますが、奥様の言い分はいかがでしょう?

瓜田麗子(以下、麗子) ウチはお祭り好きやから、せっかくいろんなバージョンを録ったんやったら全部を使うてほしいとお願いしただけですよ。そんなウチのことを純士は気に入らんかったみたいやけど、こっちかて気に入らん点はあるわ。なんやねん、あのMVは! (純士が編集を担当した)MVを見て、「奥様の歩く後ろ姿がタバコを買いに行くお水みたい」と文句を言うてる視聴者がおったけど、ウチもまったく同感です。なんであの後ろ姿、使うねん! 使うな、言うたのに!

――動画がアップされる前に、直してもらえばよかったじゃないですか。

麗子 純士は、ウチが何度も口出しすることを嫌がるんですよ。編集が終わらなくなるし、大ゲンカにもなるから。でも横顔のアップだけはどうしても使ってほしくなかったから、そこだけはブーブー文句を言うて消してもらいました。MVの中でイタリア語の単語が差し込まれる場面が数カ所ありますよね? あれ、もともとはウチの横顔のシーンやったんです(笑)。だから余計、動画がつぎはぎな印象になっちゃったんですよ。

――奥様が満足している点はありますか?

麗子 トラックを選ばせてくれたのはよかったです。純士は独特の色っぽい声をしているので、あれぐらいアップテンポな曲に、聴き取れないぐらいの早口で言葉を詰め込んだほうがハマると思ったんです。最初は抵抗していた純士ですが、「よく聴くと味があるな」と受け入れてくれたのがうれしかったです。

――非常に良い曲だと思いましたよ。

麗子 すったもんだありつつも、最終的におしゃれな感じにまとまったから、「まいっか、ハハハ」となりました。前作もそうでしたが、夫婦ゲンカを何度も何度も重ねた末に、やっとこさ完成した作品なんですよ。

純士 レコーディング日もMVの撮影日も、ケンカが絶えませんでしたからね。嫁を連れ出すのも一苦労でしたから。「レコーディングは6時からって決まっているんだよ。そろそろ行くぞ!」と声をかけても、「嫌や。8時からにならへんのか? ご飯食べてからがいい」とゴネ始める。「じゃあ、さっさと食べて出かけよう」とせっついても、「ご飯食べたらおなかが出るし顔もむくむねん。もうちょい待ちぃな」とか言われるんですから。

 MVを撮影後、9時間かけて編集した試作品を見せたら、「この横顔、ブサイクやわ。なんで撮影前にご飯食べたんやろ?」とか言われても、知らねーよ! って話じゃないですか。顔が映ると文句を言うから、文句を言われない後ろ姿をメインにしたんですよ。そしたら今度は視聴者から「奥様の歩き方ダメだ」と指摘され、「どうしてちゃんと歩かなかったの?」と嫁に聞いたら、大ゲンカになってしまいました。

麗子 ウチは初めから、「後ろ姿しか使ったらアカンで」と言ってからイタリア街に向かったんですよ。それやのに、試作品を見てみたら顔も映っているし、ええ感じのシーンは全部カットされていたから頭に来たわ!

純士 今の言葉、ちゃんと録音しましたよね? 俺はまさにそう聞いていたんですよ。「後ろ姿しか使ったらアカン」と。となると当然、編集では後ろ姿だけを使いますよね? そしたら「あの正面を向いたカメラ目線が一番のお気に入りやったんや。なんで使うてくれへんかったんや!」なんてことを平気で抜かす。事前に聞いていたことと全然違うことを後から言いだすんですよ。おまけに撮影当日は替えの衣装を忘れるし。

麗子 忘れてへんわ! カバンの奥に入れといたのに、純士がアホやからそれに気づかへんかっただけや!

――夫婦で仲良く制作していたのかと思いきや、裏では激しい争いが起きていたんですね。そして、その遺恨はいまだに尾を引いているという……。

麗子 ですから、ダメ出しのコメントは極力控えていただけたらな、と。これ以上、夫婦ゲンカの火種を用意されたら、ホンマに離婚に発展するっちゅーねん!

純士 瓜田夫婦の作品は、トラブルやアクシデントさえも丸ごと真空パックしたナマモノなんですよ。そういうドタバタを想像しつつ、温かい目で見守ってくれたらうれしいですね。
(取材・文=岡林敬太)

※瓜田夫婦『Alba della Sicilia〜シチリアの夜明け〜』(feat.dj TVXI & Kombow)デジタル音源配信中
https://linkco.re/2svr55GZ

※瓜田純士のYouTube好評配信中(瓜田純士プロファイリング ) https://www.youtube.com/channel/UCv27YAy0FZ-4wwisy5zPmeg

※「“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士、かく語りき」の記事一覧 https://www.cyzo.com/cat8/outlaw_charisma/

“元アウトローのカリスマ”瓜田純士、ジャニー喜多川氏の”少年愛”にシルク・ドゥ・ソレイユ創業者との共通点を見た!?

 解散、脱退、不祥事など、このところジャニーズ事務所の崩壊を予感させる事象が相次いでいたが、そんな中、社長のジャニー喜多川氏が亡くなった。数多くのアイドルを育ててきたカリスマを失い、今後の“ジャニーズ帝国”はどうなるのか? ジャニー氏に負けない先見性と審美眼を持つ 作家の瓜田純士(39)が、ジャニタレの未来を占った。

――創業以来、半世紀以上にわたりジャニーズ事務所を支えてきたジャニーさんが亡くなりました。この報道を受け、何を思いましたか?

瓜田純士(以下、瓜田) ジャニーズには全然詳しくないですけど、連日やっているニュースを見て、すごい人だったんだなって。所属タレントからしたら、本当にいいおじいちゃんだったと思うんですよ。だって、誰も悪く言わないじゃないですか。言えないのかもしれないけど。でも、悪いところがあったら(事務所を)辞めていると思うし、言われた通り信じて残った奴らはたいてい、いいポストに就いているじゃないですか。

――ジャニーさんの印象は?

瓜田 よく知らないですけど、直感的に思うのは、内部にいるタレントたちにとっては怖い存在だったんじゃないでしょうか。怒らせたらクビが飛ぶし、番組やCDもオシャカになる。「ジャニーさんに嫌われたら最後」って認識が、全員の中にあったはず。そのジャニーさんが提唱したとされる「アイドルは結婚しちゃダメ」みたいな掟を、直じゃなくても会社の人間から聞かされたら、守るしかない。「ジャニーさんの目が黒いうちは」みたいな恐怖心が、みんなの中にあったんじゃないでしょうか。

――近影を見たら、優しそうなお顔ですけどね。

瓜田 ヤクザの親分だってそうですよ。外部の人からは「気の良さそうなおっちゃんだな」と見えることが多い。でも、いざ自分がその組織の中に入り、周りから「あの人は雲の上の存在だ」みたいなことをさんざん聞かされて、みんながペコペコ挨拶しているのを3カ月も見ていると、その気の良さそうなおっちゃんが、だんだん神様みたいに見えてきちゃうものなんですよ。

 でもそんなヤクザの親分も、年老いて病気がちになると、月一の集まりでもただ奥に座っているだけのお飾りみたいになって、神通力も失われていく。ジャニーさんも、そうだったんじゃないかな。年を取り、弱気なおじいちゃんになるにつれ、「SMAP解散」「嵐も活動停止」などのほころびが見られるようになり、盤石なジャニーズ帝国ではなくなっていったのかもしれませんね。

 とはいえ、死後に叩かれる極悪な経営者ではなく、多くの所属タレントに愛されていたのは事実だと思いますよ。本当に純粋な少年のような人で、タレントを大事にしていたんじゃないかなって気がします。

――行きすぎた“少年愛”のウワサもありましたが。

瓜田 闘病中のジャニーさんの元をたくさんの所属タレントたちが代わる代わる訪れて、ジャニーさんの好物をみんなで食べて、そのことで容体も一瞬回復したりしつつ、最後は幸せに看取 られたというニュースを見て、俺は確信しましたよ。本当に体調がヤバいときに、ただのビジネス上の付き合いでしかない人たちに病室に来られたら、しんどいじゃないですか。

 家族しか無理ですよ。いや、家族でも会うのはしんどい。普通は側近に「もうすぐ元気になると伝えておいてくれ」と託して、面会を拒絶するぐらいの距離を保つと思う。それを病室まで呼んじゃうっていうことは、間違いなく肉親以上の感情があったということですよ。肉親以上の感情がなかったら、血もつながってない奴らが病室に来るのは無理ですよ。

――肉親以上の感情とは?

瓜田 愛や恋や性的なものだけでは説明できない「好きの感情」ってあると思うんですよ。息子以上にかけられる情熱というかね。もしかしたら、シルク・ドゥ・ソレイユの生みの親とかもそんな感情なのかも。関わるアーティストやスタッフのことを、心の底から愛している。そんな感じの、家族でも立ち入ることができない、あふれる愛があったんだと思う。

――シルク・ドゥ・ソレイユ、お好きなんですか?

瓜田 いや、見たことないので、勝手なイメージです(笑)。さらに勝手なイメージを膨らませるのであれば、何もない砂漠にカジノをつくったベンジャミン・シーゲルや、マコーレー・カルキンとの友情を育んだマイケル・ジャクソン、もしくは恵まれない子どもたちを養子にしているアンジェリーナ・ジョリーあたりの感情にも近いのかも。「この世界、この絆は、俺たち私たちがつくったんだ」というね。そこには部外者が立ち入れない愛のカタチがあると思う。

 ちなみにうちの嫁は、こう言っていました。「ジャニーさんは男やけど、オカンの気持ちやったんちゃう?」と。言い得て妙だな、と思いました。

――ところで、ジャニーズ事務所のこれまでのビジネスを、視聴者としてどんな思いで見ていましたか?

瓜田 10歳やそこらから目を付けて売り出して、本来ならどんどん新陳代謝させなくちゃならないのに、なんで40オーバーのおっさんたちをアイドル然とさせているんだろう? それで経済が回っちゃっているから、やめるにやめられないのかな? と以前は否定的に見ていたんですよ。ところがここ数年、自分もこの年齢になってくると、見方が大きく変わってきましたね。

 タッキーいるじゃないですか。滝沢秀明。彼がこないだね、(ジャニーさんの訃報を受けての会見で)ほうれい線を作ってしゃべっていたんですよ。あのタッキーがほうれい線って、そのショックがわかりますか? ありえないことなんですよ。でもね、そういう年齢になっても一生懸命前に出てきている姿に、俺は胸を打たれたんですよ。

 元SMAPの中居(正広) くんもそうじゃないですか。白髪隠しなのかハゲ隠しなのか、ピンクだか金髪だかよくわかんない色に髪を染めて、ドライヤーで精いっぱいボリュームを出して、小麦色のタンニングローションみたいなのを顔に塗りたくってでも、ああやって前に出てくるというのは、すごいことだと思うんです。

――どういう意味ですごいのでしょう?

瓜田 お金と手間をかけているとはいえ、あの年齢であそこまでの若さを維持しているっていうのは、すごいことじゃないですか。もともと美少年として出てきたから劣化を取り沙汰されがちだけど、マッチ(近藤真彦)やヒガシ(東山紀之)やタッキーなんかは、新橋あたりの居酒屋で禿げ上がって腹出して呑んだくれている同世代のおっちゃんたちと比べたら、今でもまったく別次元のきれいな人たちなんですよ。

――言われてみれば僕も以前、ヒガシと同じ写真に偶然写り込んでしまったことがあるのですが、その写真を見て愕然としました。「ヒガシと俺、果たして同じ人間なのか……?」と。

瓜田 そうなんですよ。「あいつ最近、宮根(誠司)さんみたいになっちまって 」なんて新橋の居酒屋で悪口を言ったところで、向こうから松潤(松本潤)が歩いてきたら、あまりのきれいさに全員ひれ伏しますって。あ、俺は別ですよ。俺はオーラが別格なんで。俺と並んだら、そんな奴らのオーラもかき消えますけど、コシャ平民から見たら、ジャニーズのタレントたちは別次元に映ることでしょう。

――しかし、今回ジャニーさんが亡くなったことにより、所属タレントたちのジャニーズ離れが加速するのではないかと見る向きもあります。瓜田さんはそのへん、どう読みますか?

瓜田 事務所を離脱して、今まで言えなかった、やれなかった言動をし始めて「えへへ」と調子づく奴も出てくるでしょうけど、その一方で、マッチやヒガシやタッキーといった“保守派”の年長者がビシッと気合を入れて、「フラフラするなよ」という空気を出しつつ、ストイックに事務所の伝統を守っていくんじゃないでしょうか。

――そんなジャニーズに残るほうが幸せなのか。それともジャニーズの呪縛から解き放たれたほうが幸せなのか。

瓜田 解き放たれて好きに生きようとした結果が、ぶくぶくに太った今の野村義男じゃないですか。組織から外れて好き勝手やっている奴は、やっぱ自分に甘いんですよ。もちろん、よっちゃんのギターはすごいんだけど、「見られる立場」から降りると、見た目はああなっちゃうんですよ。こないだ、よっちゃんをテレビで見ましたが、テキ屋のおっちゃんかと思いましたよ(笑)。同じたのきんトリオでも、スマートなマッチと全然違うじゃないですか。

 最近俺ね、キムタク(木村拓哉)のことも見直したんですよ。ずっとチビでダサいな思っていたけど、いまだに役者として第一線にいるし、顔も格好いいままだし、浮いた話のひとつもないじゃないですか。その心がけというか、徹底した自己管理は見事というほかない。俺は最近、自分もボディメイクを始めたせいもあって、自己管理をしっかりできる人らにしか共感できないんですよ。

 タッキーもそう。先日の挨拶のときの姿勢や表情ひとつとっても、新橋のサラリーマンとは全然違うじゃないですか。ああいう意識の高さを、われわれも見習わないとダメ。世のお父ちゃん方の良き見本にもなるはずだから、ジャニーズのタレントたちには還暦を過ぎてもアイドルを続けてほしいですね。……って俺、ジャニーズなんか全然知らないとか言っておきながら、どんだけ熱くジャニーズのことを語っているんだ、っていう(笑)。

(取材・文=岡林敬太)

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「カラテカ入江ひとりを悪者にするのはダサい」お笑い好きの”元アウトロー”瓜田純士が闇営業にモノ申す!

  反社会的勢力の忘年会で闇営業を行ったとして、宮迫博之や田村亮らお笑い芸人13人が、所属事務所から無期限謹慎処分を言い渡された。元反社でお笑い好きでもある“キング・オブ・アウトロー”こと瓜田純士(39歳)は、一連の騒動をどんな思いで見つめていたのか?

――今回の騒動を見て、まず何を感じましたか?

瓜田純士(以下、瓜田) 乞食かな、と思いました 。ある程度の立場にいる奴らが、目の前の10万、100万を拾いにいく姿が卑しくて、乞食みたいだな、と 。プライドを持ってちゃんと一芸で食べている芸人やタレントは、道端に10万円落ちていても絶対に拾わないと思うんですよ。ダウンタウンとか明石家さんまとかは。

 だから今回謹慎になった奴らは、そのレベルに達していない、しみったれた連中ってことなんですよ。

――手厳しいですね。

瓜田 自分の話をさせてもらうと、俺みたいな元不良って、昔の不良仲間と街でばったり再会したときに、そいつらから羽振りの良さを見せつけられるケースが多いんですよ。見たこともないような高級車から降りてきたり、ギンギラギンの腕時計をハメていたり、六本木あたりで信じられないような派手な遊び方をしていたり。

 で、そういう謎の金持ちに限って、「俺は飲食店をいくつもやっていて」とか、「ITで成功して」とか、「外国のビッグビジネスに携わっていて」みたいなことをサラッと言いながら、「ところで瓜田くんは元気なの?」「いつも応援しているよ」とすり寄ってきて、「俺の先輩が瓜田くんに会いたがっているから、今度一緒にメシでも食わない?」とか言って、やたらと席を設けたがるんですよ。

――そういう誘いに、瓜田さんは乗るのでしょうか?

瓜田 自慢じゃないけど俺、一度も行ったことがないんですよ。足代とかを渡されそうになったこともあるけど、受け取ったことがないんです。それを受け取ったら俺はもう、アウトだと思っているんで。

 だって、場合によっちゃ、犯罪で稼いだお金で飯を食ったことになっちゃうじゃないですか。カタギになってからは、そのへんのブロックをものすごく徹底しているから、今回の芸人たちの心理が、まったく理解できないんですよ。

――うっかり忘年会に顔を出してしまった心理が?

瓜田 うっかりとかじゃないんですよ。あのね、厳しい言い方をすると、こいつらは道端に落ちているお金も平気で拾うような連中なんですよ。こないだ嫁と一緒に自販機の小銭をあさった俺が言うのもなんですけど(笑)。

――自販機の小銭? なんですか、その話は。

瓜田 夫婦で近所のスーパーに買い物に行ったら、100円だけお金が足りなくて。「わざわざ100円を取りに家に戻るのは面倒や」と嫁が言うもんだから、俺は「任せろ!」と言って、近くにあった自販機の釣り銭口をあさったんですよ(笑)。

――何をしているんですか……。

瓜田 100円のためにそんなことをしちゃうぐらいだから、「俺はまったくクリーンな男だ」とは言えませんし、言うつもりもありません。ただ、俺はヤクザの世界から足を洗うときに、組の人間からこう言われまして。「辞めるからには、今後は歌舞伎町の中に入ったり、そういうことをしている連中とつるんだり、こっち側の稼ぎ方をするんじゃねえぞ」と。もちろんわかっていますよ、と言ってカタギの世界に戻ったわけです。

 そんな俺が、犯罪で収益を得ているかもしれない奴らと飯を食ったり、そいつらから小遣いをもらったりしていたら、「てめえ、話が違うじゃねえか!」となりかねないと思っていたんですよ。ずっと。

 何があっても「俺は白だ」と言える状況こそが、強いと思っているんで。そのためだったら、どんなに苦しい思いをしてもいいと思える性格なんで。それを十何年間、徹しているから、「うっかり行っちゃった」みたいな事態や「バレなきゃいい」みたいな発想がそもそもないんですよ。誰も見ていなくても、自分との約束を守る性格なんで。

――なるほど。

瓜田 ところが、うちの嫁はそうじゃない。夫婦で散歩中、ばったり会った昔の知人が、いかつい高級車から降りてきて、「これで奥さんとデザートでも食べなよ」と言って万札を渡してこようとしたりすると、俺は断るんだけど、嫁は「おおきに!」と言って受け取っちゃう。俺が「そんな食べ物に口をつけたくない」と言っても、嫁はヒョイパク食べちゃうわけです。

 不良時代の知り合いと飲食店で偶然会って、「おごってやるよ」と言われても、俺はそういうお金にありつきたくないから、「自分らの分は自分で払う」と言うのに、嫁は俺の見ていないところで、ちゃっかりタクシー代とかをもらっているんですよ(笑)。

 ――夫婦の間で、価値観の相違があるんですか?

瓜田 うちの嫁は、よく言えば偏見がない人なんです。「せっかく好意であげるって言うてくれてはんねんから、断ったら相手に失礼やんか」と言うんですよ。あとは、俺は相手の正体を見抜けるからブロックできるけど、素人の嫁は見抜けない、というのもあるでしょう。

 ただ、今回名前が出ている奴らは芸人として売れるぐらいだから洞察力もあるわけだし、東京でもしっかり遊んできた連中だろうから、それなりの人たちを見てきていると思うんですよ。まともな経営者から、街の不良、うさんくさい遊び人まで一通り見てきているはずだから、わかっていたと思うんですよね。

  だって、20代かそこらの柄の悪い連中が、そろいもそろって高い腕時計をハメていたりするんですよ? そいつらから「エステ会社の忘年会だ」と言われて、それを信じるわけがないと思うんですよ。やっぱ“匂い”が違うんで、悪い奴らって。一目瞭然ですから、そんなの。特に酒を飲んでいるときは、カラオケの合いの手の入れ方ひとつ取っても、柄悪い奴らは柄悪くいくんですよ。足を崩して、大声出してね。

  だからはっきり言って、あの会場に行った芸人らの「反社会勢力だとは知らなかった」という言葉には無理がある。絶対わかっていただろう、と。

――会場に来てから「ヤバい連中だ」と気づいたけど、その時点ではもう帰るに帰れなかった、という可能性はないですかね?

瓜田 仮にそうだとしても、「すいません、帰ります」と言って、ギャラを受け取らずに途中で抜け出すことだって、できたわけじゃないですか。

  俺だったら迷わず帰りますよ。え? ここで? ウソ? と周囲にいる人がヒヤヒヤするタイミングでも帰っちゃう。なんで帰ったんだ! と後で怒られても、「だってあいつら、怪しいじゃないですか」と言えばいい。断れない人って多いけど、断れないせいで痛い思いをするんだったら、嫌われても断ったほうがいいんで。絶対に。

――それにしても、宮迫さんあたりは表の仕事だけでも十分稼いでいるのに、なぜ闇営業なんかしたんでしょうね?

瓜田 会社から振り込まれる給料は、いくら高額だとしても嫁が管理していたりして、好きなようには使えない。そんな中、どこに報告する必要もないお金が数十万ポケットに入ってくる。それが単純に魅力的だっただけだと思いますよ。「気に入っている姉ちゃんにバッグの一個でも買ってやれる」ぐらいの感覚でしょう。バカだなって思いますよ。

 あとね、一連の報道を見て、卑怯だなと思ったこともあるんですよ。 

 ――それはなんでしょう?

瓜田 カラテカ入江ひとりを悪者にするのは卑怯じゃないか、と。入江みたいな奴って、芸能界に限らず、どこの世界にもいるんですよ。謎のコネクションを自慢しながら謎のコネクションの中を生きる奴。人をパーティーに誘っておきながら、「次のパーティーがあるから」とか言って、わずか10分程度で会場から消えるような奴(笑)。

 「俺はパーティーとパーティーの間をすり抜けて生きている」ぐらいの感覚の、うさんくさくて調子が良くて、ルックスはさえないくせに誰よりもいい服を着ているようなバカって、昔から一定数いるんですよ。

  そういうバカは本当に、悪気なく話を振ってくるんで。入江からしたらそのシーズンだけで、おそらく何十件ものパーティーや忘年会を回していたと思うんですよ。今回問題になっている忘年会はその中の1件にすぎず、おそらく「ここは羽振りがいいから芸人仲間を連れていこう」ぐらいの軽いノリでしかないから、ヘタしたら入江のほうがあんま覚えていないぐらいの出来事だと思うんですよ。

 それをみんなで「入江が、入江が」と言うのはダサい。宮迫が最も古株なんだとしたら、「入江を指導できなかったことを含め、すべての責任は俺にある」ぐらいのことを言えないもんですかね? 「俺はどんな処分でも受ける。ほかの奴らは俺という先輩がいる手前、帰れなかっただけ。だから俺が全責任を取る」と言えば、まだ見方も変わったのに。

  宮迫とか亮クラスが後輩のせいにして頬かむりするっていうのが、一番ダサいですよ。先日、何かの雑誌で宮迫が数千万円の腕時計コレクションを自慢していましたけど、自分はそんな贅沢して、不倫までしているわけじゃないですか。一方、忘年会のメンバーの中には、苦労してやっと去年ぐらいから売れ始めた芸人もいる。同じ事務所の先輩として、そういう後輩の罪をかぶる男気はないのかな、と残念に思いました。

――今回の一件を通じて、われわれが得られる教訓ってありますかね?

瓜田 幼稚園ぐらいのときに先生や近所の口うるさいオヤジの言っていたことって、結構正しくて。「よく知らない人についていったり、よく知らない人からもらった食べ物を口にしちゃいけませんよ」って、絶対言われるじゃないですか。そのまんまなんですよ。

  幼稚園の教えを守っておけば、結構なんとかなる。「信号を守りましょう」「正直でいましょう」「ウソはダメです」とか。そういう子どもでも知っているようなルールを中年にもなって守れないのは、ただのバカと言うほかないですね。

(取材・文=岡林敬太)

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“キングオブアウトロー”瓜田純士に聞く!「刃物を持った暴漢に出くわしたら、どうすればいいの!?」

 令和に入り、物騒な事件が相次いでいる。20代女性による新宿ホスト殺人未遂事件、元ヤクザ同士のトラブルに端を発する名古屋のメッタ刺し死亡事件、20人が襲われ2人が犠牲になった川崎殺傷事件、そして埼玉で包丁男が警察官に襲いかかった事件……。いずれも「刃物」が犯行に使われているのが共通点で、今後も似たような事件が連鎖反応的に起こる危険性も指摘されている。街角で刃物を持った暴漢と出喰わしたら、どうすればよいのか?――不良時代、何度も刃傷沙汰を経験してきた“キング・オブ・アウトロー”こと瓜田純士(39)にアドバイスを仰いだ。

――刃物を使った痛ましい事件が相次いでいます。新宿の事件はマンションの中での出来事でしたが、公道での刃傷沙汰も続発中です。もし瓜田さんが街角で刃物を持った暴漢と出喰わしたら、どうしますか?

瓜田純士(以下、瓜田) 究極のアイデアは最後に言いますが、その前に僕の経験を踏まえた一般的な対応策を話させてください。僕は名古屋の事件に似たケースを、当事者として一度経験しているんですよ。車から降りてきたガタイのいい男が、刃物を持って、こちらに向かって走って来た。はっきり言いますが、あのときは足がすくんで何も考えられなかったです。「あ、やばい」と思っても、ほとんど何も対応できず、結果的に僕は刺されてしまいました。

――2013年に千葉で起きた事件(参照記事)のことですね。

瓜田 はい。そのときに思ったんですよ。腹を決めた奴が刃物まで持って来たら、来られたほうはどうしようもない、と。相手が人参を持っているのと刃物を持っているのとじゃ、恐怖心がまるで違うじゃないですか。特に日本人は、刃物に対する恐怖心をお侍さんの時代から植え付けられているから、実物を見たら足がすくむんですよ。

――瓜田さんは千葉の一件以前にも何度か刃傷沙汰を経験していますよね? その瓜田さんですら、なす術なしですか。

瓜田 よく格闘家が「何百本のスパーリングは、試合でそのうちの数パーセントを出すためにやる」って言いますよね。常に本番を意識して鍛えている奴らですら、本番では練習の数パーセントの動きしかできないもの。

 また、「瓜田は刃物に慣れている」と思われがちですが、むしろ逆で、過去に自分が刺されたときの記憶が蘇ってきて、「あ、またこのパターンだ」ってことにビビって、体にロックがかかっちゃうんですよ。よくボクシングでも「相手のパンチが見えているから、もらうとKOされる」って言うじゃないですか。逆に、見えない角度からもらったパンチだと案外効かずに立っていられたりする。

 千葉のときは、自分の腹にブスッと刺さる瞬間が正面から見えたので、脳が「やばい」と判断して、余計に動けなくなってしまいました。

――名古屋のメッタ刺し死亡事件では、多くの男性の通行人は呆然と立ち尽くすのみで、誰も加害者を止められませんでした。そのことを批判する声も上がっていますが、それもやむなしといったところでしょうか。

瓜田 はっきり言って、腹を括ったヤクザもんの刃傷沙汰に対策もクソもないですよ。「仲裁=俺も刺してくれ」って話になります。

――可哀想だが見殺しにするほかない、と。

瓜田 ブレーキの壊れたダンプカーが突っ込んで来たら、身を挺して止めますか? 迷わず逃げるでしょう。怒り狂った刃物男は、暴走ダンプと一緒ですから、まずは自分が生き延びることを考えましょう。人のことを考えるのは、そのあとからでいいと思います。

――でも名古屋の事件では、何人かの外国人とおぼしき女性が、「やめて!」と犯人に声をかけに行ったらしく、「女は度胸があるのに、男は情けない」という声も上がっています。

瓜田 確かに勇気はありますけど、それで巻き添えを食って死んだら元も子もないじゃないですか。それに名古屋の一件は、「女性だから止めに行けた」という部分もあると思います。無差別な通り魔ではなく、明らかなケンカですから、止めに行った女性も「自分が刺される」とは思っていなかったはず。それに止められた男も、女性には手を出す可能性が低いです。女性から力づくで制圧されることはないとわかりますから。

 しかし、男性が止めに行ったらどうなっていたか。犯人は制圧されるかもしれない恐れから、逆上して、止めに来た男性を刺したかもしれない。飲み屋のケンカだってそうでしょう。ママが止めると事態が沈静化するのに、男性客が止めると余計に事態がこじれがちじゃないですか。

 ですから、ああいうヤカラ対ヤカラのケンカ現場を目撃したら、まずは自分の身の安全を確保してから、110番するのが一番です。電車のホームから人が転落した場合も、闇雲に助けに行くと被害が拡大する恐れがあるから、まずは勇気を出して非常停止ボタンを押すのが先。それと一緒です。

――腕に覚えのある人はどう振る舞うべきでしょうか? ちなみにプロ格闘家の那須川天心選手は川崎殺傷事件を受け、「刃物を持った人と遭遇した時に助けに行けるかと言われても行けないと思う。まだそんな勇気ないし、力もない」と苦しい胸の内を明かしました。

瓜田 グレイシー柔術の教えを知っていますか? 一応は刃物に対する護身術を教えるそうです。ただ、「一番肝心なのは自分の安全を確保して逃げることだ」とも教えるらしいんですよ。プロの格闘家だろうが、刃物は怖い。それは当たり前の話ですよ。

――となると、「犯人のやりたい放題」ということになってしまいますね。

瓜田 いや、そうとも限りません。万人にはおすすめしませんが、僕なりに秘策を考えました。身近な“ある道具”を上手く使えば、犯人を戦意喪失させられると思うんですよ。

――その道具とは?

瓜田 消火器です。近くの適当なビルやマンションに入れば、消火器があるはず。こいつを犯人の顔に噴射すれば、目が開かなくなり、動きが止まります。犯人がひるんでいる数分の間に、近くの通行人は逃げることができますし、拳銃を持った警察官も到着するでしょう。

 人間、刃物を握っているときは、手に神経が集中します。つまり、顔はガラ空きなので、消火器の不意打ちを避けることはできない。消火器のいいところは、周囲や犯人を傷つけることなく、そして犯人に触れることなく、事態をしばし沈静化できる点ですね。

――咄嗟の場面で使えるよう、「安全ピンを抜いてから、レバーを握って噴射する」という消火器の使い方を、今一度頭に叩き込んでおくとよいかもしれませんね。

瓜田 本当は消火器だけじゃなく、刺又(2~3メートルの棒の先にU字形の金具が付いている防犯グッズ)も街のあちこちに設置されるようになるといいんですけどね。消火器でひるんだ犯人を、壁に押し込めることができますから。

――行政が新たに行うべき防犯対策はありますかね?

瓜田 凶器になり得る包丁なんかはライセンス制にして、警察の許可がないと買えなくしてほしいですね。料理人なら、店の料理長や責任者が警察署に届け出てから買う。そして、主婦が使う包丁は先を丸く改良するべきです。

――それでは最後に総括をお願いします。

瓜田 繰り返しになりますが、刃物を持った暴漢を見かけたら、まずは自らの安全を確保してから110番を。そして、仮に腕に覚えがあっても、素手では立ち向かわないこと。一番いけないのは正面から両肩を押さえ込む行為です。ブスッとやられちゃいますから。どうしても止めたくなったら、消火器を顔面に噴射するか、背後から複数人で押さえ込む。その際、時間的に余裕があったら、腹にヤンジャンかなんかを仕込んでおくといいです。これは僕がケンカのときに実際やっていたことなんですが、お腹に雑誌を入れておくと、刃物が貫通しにくくなるんですよ。

――本当はこういう事件が減るのが一番なんですけどね。

瓜田 しばらくは要注意です。平成から令和に時代が変わり、トランプが来日し、東京五輪に向けて“クリーンな日本”というイメージづくりが加速する一方、その流れに乗れない人たちもいる。川崎や埼玉の事件を見て思ったのは、時代から落ちこぼれてしまった人たちの“負のパワー”が、ここにきて一気に噴出しているな、ということ。連鎖反応的に似たような事件が起きる可能性もありますから、街に出る際は四方八方に目を光らせましょう。そして、君子危うきに近寄らずです。

(取材・文=岡林敬太/撮影=おひよ)

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“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士、魂のリリックを聞け! 夫婦でラッパーデビュー!!

キング・オブ・アウトロー瓜田純士、魂のリリックを聞け! 夫婦でラッパーデビュー!!の画像1

“キング・オブ・アウトロー”こと瓜田純士(39)が先日、「瓜田夫婦」名義でラッパーデビューを果たした。デビュー曲のタイトルは『recollection~遠い日の記憶から~』(ジーザスレーベル)。ヤクザ時代のホームタウンである新宿・歌舞伎町を舞台にしたMVがYouTubeで公開されるや、「かっこよすぎ」「鳥肌が立った」「久しぶりに心の琴線に触れる曲」「こりゃマジモンだわ」といった称賛コメントが相次いだ。格闘技、文筆、プロファイリングなど、これまでさまざまな表現活動を行ってきた瓜田が、初めて挑んだヒップホップ。リリックに込めた熱い思いや、曲づくりの裏話を本人に聞いた。

――突然のラッパーデビューに驚きました! いつから曲作りを始めていたのでしょう?

瓜田純士(以下、瓜田) 俺のYouTube「瓜田純士プロファイリング」のチャンネル登録者数が1万人を超えた昨年の秋頃に、オリジナルのラップを作ってエンディング曲にしたいと考え始めました。で、そこからいろいろと勉強を始めたんですよ。

――勉強とは?

瓜田 日本語ラッパーの現状についてです。今どんなのが流行っていて、どんな奴らがどんな活動をしているのかをYouTubeなどでリサーチしました。そこでざっくりわかったのは、メジャーで売れている連中と、インディーズのアングラ連中に分かれているってこと。で、アングラの中でも、「俺はアウトローな位置にいるんだ」と踏ん反り返っている奴らもいれば、「そんなお前らは大したことない」と反発する奴らもいたりと、いくつかの路線に分かれていて、お互いリリック(歌詞)でビーフ(ケンカ)を仕掛けたり、応戦したりしているんですね。

 その中でも一定の支持者を集めている奴らは大抵、自らの生い立ちを歌った自叙伝的な曲からキャリアをスタートしている。日本だけじゃなく、海外でもそう。ヒップホップはそういう文化なんだな、という全体図をまず把握しました。

――その中で瓜田さんは、どういう路線を目指そうと思ったのでしょう?

瓜田 まず強く思ったのは、「誰かを意識したり誰かに影響されたりするのは嫌だ」ということ。俺は基本、自分にしか興味がなくて、ほかの奴らはどうでもいいと思っているんですが、そうは言っても、何も知らないまま参入するのはダメなので、一応は日本のいろんなラッパーの主だった楽曲を聴いてみた。そしたらまあ、悪さ自慢みたいなのが鼻についたんですよ。名前も顔も知らないような連中が、やれマリファナでパクられてワッパをかけられただの、やれ俺はあのとき臭い飯を食っただの、そういうことを誇らしげに歌っているわけです。

 仮にそれが百歩譲って真実だったとしても、だから何だと言いたくなった。たとえば新宿署の留置所に100人いたとして、その中で名が売れている不良は1人か2人程度しかおらず、あとの98人か99人は雑魚なんですよ。不良として街で名が売れるまで踊り出るには、本当にキツい目にも山ほど遭う。俺は実際、フクロにされたり晒し者にされたりという痛い目にさんざん遭ってきました。

 そう考えると、「今支持を得て持ち上げられているラッパー連中の大半って、いったい何なの?」と疑問になってきたんですよ。こいつらはそれを金にまで変えているけど、「いつどこで名を上げて、どんな痛い目に遭ってきんだろう?」と。

――頭にきたんですか?

純士 いや、そいつらはそいつらでいい、と思いました。不良路線で行ったら売れると思って商業的な戦略でやっていることなんでしょうから。頭にくるというよりはむしろ、「じゃあ、そういうシーンに俺の自叙伝的なリリックを投下したらどうなるんだろう?」ということを実験したい欲求が高まってきました。作詞を開始したのは、2ヶ月前ぐらいです。腰痛で外出できない期間を利用して、一気にリリックを書き上げました。自分で言うのも何だけど、俺の不良としての生い立ちは申し分ないと思っているので。

――でもそうすると結局、悪さ自慢で張り合う形になりませんか?

瓜田 そこは、そうならないように気をつけました。ただの悪さ自慢の奴らとは一緒にされたくなかったから、俺の作品は「夫婦で残す」ということにこだわったんですよ。俺の自叙伝的なリリックが中心になるとはいえ、最後は「夫婦の絆」を匂わせるフレーズで締めくくろう、と。そのほか、嫁には歌でも参加してもらうことに決めました。まあ、そこからが大変な道のりでしたが(笑)。嫁のわがままが炸裂して……。

――作詞上のワガママですか?

瓜田 いや、俺も一応は作家なので、作詞は任せてもらえたんですが、嫁の歌のパートをどこに入れるか? ってことで大いに紛糾しまして。結局、フック(サビ)の部分にコーラスで入ってもらうことになったんだけど、嫁がこれを何百バージョンも考えてくるから大変だったんですよ(笑)。

――何百!?

瓜田 たとえば、「Live ther own story(自分の物語を生きろ)」と嫁が歌うパートがあって、俺としてはこの最後の部分は「ストーリー」で統一してほしいのに、「ストーーーーリー」みたいに伸ばしたりとか、まあ、いろんなバージョンを持ってくるわけです。要は「もっとウチにも歌わせろ! ウチも爪痕を残したいんや!」ってことなんでしょうけど、レコーディングに向けてバージョンをどんどん増やしてきたから困りました。「そんなにいろいろ入るわけねえだろ!」と言っても、全然言うことを聞いてくれないし(笑)。

――そんな奥様のことを、どのように制御したのでしょう?

瓜田 嫁の提案をすべて聞いていたら大変なことになるから、途中からは空返事だけして聞き流していました。そうすりゃいつか諦めるだろうと高をくくっていたんですが、嫁を甘く見ていましたね。レコーディングの当日、DJが来て、じゃあ録りますよとなったときに、「ほかにもいっぱいパターンがあんねん!」と嫁が言い出して、結局、俺のパートよりも長い時間をかけて嫁のパートを録るハメになった。DJから「奥さん、これはちょっとやめておきましょう」と注意されるほどでした(笑)。

――瓜田夫婦らしいエピソードですね(笑)。

瓜田 さらにはレコーディングが終わってミックスダウンする段階になってからも嫁がああだこうだ言っているから、DJから「本来、瓜田さんの歌詞が頭に入ることがまず重要かと思われます。なので奥様は控えてもらった方が良いかと思われます」という忠告メールまで届いたから笑いました。ただ最終的には、嫁の提案のうちのいくつかが、いい塩梅にハマったので、結果オーライでしたけどね。

――DJのTVXI氏とはどこで知り合ったのでしょう?

瓜田 ネットで探してオファーしたんですよ。彼はたまたまですが、「瓜田純士プロファイリング」を以前から見てくれていたそうです。だから世界観をすぐに共有できたのがよかったです。

――トラック(ラップの背後で鳴っている音楽)は、どこで探したのでしょう?

瓜田 インターネット上で良質なフリートラックをたくさん発表しているKombow氏から無料提供してもらいました。「フリートラックはダサい」というのが定説なんですが、Kombow氏のあの曲に関しては下手な有料トラックよりも格好いいと感じたし、嫁も「自分の生き方やリリックさえ良ければ一銭もかける必要ないんやで」と言うので、「よし、これで行こう!」と決めました。

――リリックの話に移りますが、ラップは「韻を踏む」のが定石らしいですね。瓜田さんは今回、そこをあえて無視したんでしょうか?

瓜田 いやいや、一応、何箇所かは韻を踏んでいますよ。

――あ、そうでしたか。ラップに疎いので、気づきませんでした。たとえば、どのあたりで踏んでいますか?

瓜田 「極道ライフに胸が高鳴る」というリリックと、「DEAD or ALIVE 出世は必ず」というリリックがあるけど、「高鳴る」と「必ず」が、「あああう」で母音が揃いますよね。あとは「辿り着いた懲役の果てに」と「独居の外は標的のアウェイ」というところも、「懲役」と「標的」、「果てに」と「アウェイ」の母音が一緒じゃないですか。そのほかにも何箇所かあります。……ってか、そんなこといちいち説明させないでくださいよ!(笑)

――失礼しました! やはり、韻を踏まないとラップとは言えないのでしょうか?

瓜田 そんなことはないと思いますよ。俺の調べによると、ヒップホップってのは、「どれだけ強く個性を出すか」を勝負する世界みたいで。定石に寄せちゃうと逆に笑われちゃう文化だとわかったので、いかにオリジナリティを出すかってことだけを意識しました。

 だから本来は韻を踏む必要はないんでしょうし、嫁からも「韻なんか踏むな!」と怒られたんですが、「まったく何も知らないのにこのジャンルに来やがった」と視聴者からバカにされるのもシャクだったので、「できなくねえぞ、この程度のことは!」ぐらいの感覚で韻を踏んでやりました。

――レコーディングにはどれぐらいの時間がかかったのでしょう?

瓜田 一発録りに近かったので、1時間程度で終わりました。夫婦揃って自宅のPCの前でさんざん練習してきたので、当日のリハーサルもほぼ不要でした。俺らが自宅練習にこだわった理由は、レコーディングが長くなると延長料金がかるからです(笑)。瓜田夫婦はケチなので、「何が何でも時間内に終わらせる!」と最初から決めていました。DJの子もビビっていましたよ。「こんなにもあっけなく終了しちゃうんですか?」と。すべてはPC前の練習の成果です。

――ラップには以前から興味があったのでしょうか?

瓜田 もちろん、ありました。もともと好きなんですよ。大人になってからは、その分野の友達が周囲にほとんどいなかったから話題に出なかっただけで、実はガキの頃からヒップホップの影響は結構受けているんですよ。

 俺はガキの頃、素行が悪くて新宿の中学から杉並の中学に強制転校させられたんですが、杉並の先輩から回ってくるビデオは「ビー・バップ・ハイスクール」とか任侠モノとか暴走族のドキュメンタリーばかり。でも俺は、新宿と杉並のハーフみたいなもんじゃないですか。だからどっぷり杉並に染まることはなく、ちょいちょい浮気して中野の子らとも遊んでたんですよ。

――浮気ですか(笑)。

瓜田 パンチパーマにボンタンかドカンみたいな謎の文化が流行っていた杉並と違って、中野の連中はオシャレでした。当時、中野ではヒップホップが流行っていて、ブロンクスっていう中野の有名な店でオシャレな服を買ったり、渋谷のシスコでレコードを買ったりしている子が多かった。みんな大きめのパーカーを着て、フードをかぶって、ディッキーズのパンツを穿いてね。

 そんな子たちから「瓜田くんは普段どんな映画を見ているの?」と聞かれて、「ビー・バップ・ハイスクール」と答えるのは恥ずかしかったんですよ(笑)。なぜなら中野の奴らは、「これはニガーラッパーの抗争を描いた『ポケットいっぱいの涙』っていう映画だ」とか「『ジュース』って映画を見たらヒップホップから抜けられなくなる」とか、そういうオシャレなことを言っていたからです。

 かたや杉並の先輩方は、みんなパンチパーマで「チャンプロード」を読んでいる。それがなんだか、恥ずかしくって(笑)。オシャレなことも知っとかなくちゃまずいだろと思ったから、中野の連中と知ったかぶりで会話をしながら新しい流行を必死で覚えて、家に帰ってからビデオでこっそりヒップホップの勉強をしていました。

――杉並の先輩方に、浮気はバレなかったんでしょうか?

瓜田 キャラを使い分けていたので大丈夫でした。杉並の先輩たちの前では「BOØWYって最高ですよね」とか言いつつ、中野の奴らと遊ぶときは、アイスキューブとかウータン・クランとかビースティ・ボーイズとかスヌープ・ドッグとかを聴いていました。

――杉並と中野は隣接した区なのに、そんなにも文化の違いがあったんですか。なぜ当時の杉並の不良の間では、ヒップホップが流行らなかったんでしょうね?

瓜田 杉並は暴走族文化が強かったから、「ヒップホップ=チーマー文化」みたいな捉え方をして、「チーマーはチャラいしダサい」と敵視していたんでしょう。一番ダサいのはアンタ方だろ! って感じですけどね(笑)。

――しかし、今回発表した『recollection~遠い日の記憶から~』のMVの中で瓜田さんは、ヒップホップ風のファッションはしていません。コテコテのチンピラファッションで登場していますが、その心は?

瓜田 俺は今回、ラップをしたとは思っていないんですよ。ラップっぽくなっているけど、表現方法がたまたまそうなっただけ。フードをかぶってハンドサインを出して、「YoYoYo、お待ちかねのヘッズたち、今から俺たちがビーフを仕掛けるぜ! チェケラ!」みたいなことをするつもりは一切ないんですよ(笑)。

 新宿、杉並、中野……それらすべての人生経験がミックスされた今の俺が、今回のMVだと思ってください。曲はヒップホップ調だけど、場所は歌舞伎町で、ファッションは昭和の杉並テイストで決めている。ちぐはぐかもしれないけど、それが俺ですから。ちなみに最初は、もっとチンピラ感丸出しのスーツにサラシ姿で出ようと思ったんだけど、家で試着したら山本譲二みたいになっちゃって、嫁から「それだけは絶対にアカン!」と止められました(笑)。

――タイトルの「recollection」の意味を教えてください。

瓜田 「回想、記憶、思い出」みたいな意味です。いざ動画がアップされたら、「遠い日の記憶」というサブタイトルを嫁が勝手につけていたから、「何勝手なことしてんだ!」と怒ったんですが、視聴者の反応は上々なようなので、嫁のセンスの正しさを感じました。「自分だけがわかればいいんだ」という考えだと自己満の格好つけになっちゃうけど、嫁は客観的に物事を見ることができる人なので、今回いろんな場面で助けられました。まさに夫婦合作の曲と言えますね。

――過去から現在までがコンパクトにまとめられたリリックなので、「この一曲を聴けば瓜田純士がわかる」と言っても過言じゃありませんね。

瓜田 はい。俺はラップを歌っているんじゃなくて、仁義を切っているつもりなんですよ。よく渡世人が「お控えなすって。ご列席のご一統さん、失礼さんにござんす。私○○と発します」と初対面の人に挨拶をするけど、あれと一緒です。4分25秒かけて、俺は仁義を切っている。「じゃあなんで韻を踏むんや?」と嫁からは笑われましたが、まあとにかく、そういう感覚で聴いてもらえたら幸いです。

 * * *

『recollection~遠い日の記憶から~』は、デジタル音源としてiTunesなどからの購入も可能(https://linkco.re/ZqdVAsxv)。今後は「瓜田純士プロファイリング」のエンディング曲として使われるほか、カラオケ配信も予定しているので楽しみにしておこう。

(取材・文=岡林敬太/撮影=おひよ)

※瓜田純士のYouTube好評配信中!(瓜田純士プロファイリング)
https://www.youtube.com/channel/UCv27YAy0FZ-4wwisy5zPmeg

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“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士が見たピエール瀧出演作『麻雀放浪記2020』

キング・オブ・アウトロー瓜田純士が見たピエール瀧出演作『麻雀放浪記2020』の画像1

“キング・オブ・アウトロー”こと瓜田純士(39)が、森羅万象を批評する不定期連載。今回のテーマは、ピエール瀧の逮捕で一時は上映が危ぶまれたが、最終的にはノーカットでの公開が決まった話題作『麻雀放浪記2020』(白石和弥監督)だ。「麻雀はあまり好きじゃないけど、白石監督とピエール瀧は好き」という瓜田は、果たしてこの映画を気に入るのかどうか――。

 原案は、阿佐田哲也の250万部を超えるベストセラー小説『麻雀放浪記』。1984年には、和田誠監督、真田広之主演で映画化もされた。

 それから35年ぶりの映画化となった『麻雀放浪記2020』は、白石和彌が監督を務め、斎藤工が主人公の“坊や哲”を演じる。1945年の戦後から、第三次世界大戦により東京オリンピックが中止になった2020年の新たな戦後へ、主人公がタイムスリップする設定でリメイク。20台のiPhoneを駆使して全編を撮影したらしく、これは邦画では初の試みだという。

「原案の本は読んでないし、前作の映画も見てない」という瓜田だが、「白石監督の作品はこれまでハズレがないし、ピエール瀧の演技も楽しみ」と言って、愛妻と共に映画館に入っていった。ピエール瀧逮捕によるPR効果もあってか、キャパ80席ほどの場内は満員。客層は20代風から60代風まで幅広く、男女比は7:3といったところか。

 以下は、上映終了後の瓜田夫婦のコメントである。

 * * *

――まず映画の感想に入る前に、おふたりの麻雀歴を教えてください。

瓜田純士(以下、純士) 小学生のときに麻雀の教本を買って、一生懸命ルールを覚えようとしたけど、点数計算や役が頭に入らず、麻雀ゲームをやっても負けっぱなしだったから、以後ドンジャラに逃げました(笑)。でも、ある程度の役や、燕返しとかのイカサマは知ってますよ。少年マガジンで『哲也-雀聖と呼ばれた男』を読んでたからかな。

瓜田麗子(以下、麗子) ウチは小学生の頃、ファミコンの麻雀ゲームにハマって、一時期やりまくってました。ルールや役はほどんどわかりませんが、この映画に出てくる麻雀シーンの意味は、イカサマも含め、ある程度理解できました。

――そんなおふたりから見て、この映画はいかがでしたか?

純士 最初の30分ぐらいはあまりに幼稚くさい展開に目と心が追いつかなかったけど、「あ、これは完全にコメディタッチなのか。原案や前作とはまるで別物なんだろうな」とわかってからは、そこそこ楽しめました。ただ、二度見たいとは思わない。

麗子 軽くて薄くて、おもんなかった。悪く言えば、学生の映画研究会の作品を見てる感じ。よく言えば、『世にも奇妙な物語』(フジテレビ)の中の一話をスペシャル版として映画化した感じ。どっちにせよ、内容的には15分で十分。2時間以上はきつかったわ~。

純士 確かに。でも原案や前作に失礼がないように、タイムスリップという新たな構想を入れてるところは面白いと思った。設定や作風をガラリと変えたんでしょうね。僕、あれを思い出したんですよ。北野武監督の『座頭市』を。昔の『座頭市』があまりにも素晴らしかったから、北野監督は金髪やタップダンスを交えたりして別物に仕上げたでしょう。それに近いんじゃないか。北野監督が昔の作品を傷つけまいとしたように、白石監督もあえてポップにAIとかも入れてエンタメにした。そういう作り手の仁義みたいなものを感じたし、そこがたいしもんだと思いました。

麗子 でも、白石監督のカラーが出てへんかったんちゃう? 『凶悪』とか『日本で一番悪い奴ら』とか『孤狼の血』は、めっちゃおもろかったのになぁ……。

純士 映像では(白石カラーが)出てたよ。戦後の雰囲気とか、暴力シーンとか、お札の置き方とか。

――話題のピエール瀧はいかがだったでしょう?

純士 いてもいなくても一緒。これまでの白石作品のピエール瀧はすごくよかったけど、今回の役は、彼じゃなくてもよかったんじゃないかな。

麗子 出番もそれほど多くないしな。

純士 逮捕者が出演することによる社会的影響が問題視されてるけど、心配しないでも、「そんなにヒットしねえよ!」って思いました。

キング・オブ・アウトロー瓜田純士が見たピエール瀧出演作『麻雀放浪記2020』の画像2

――この作品は、斎藤工が10年間構想を温めていたものらしいですね。

純士 斎藤工はしょっぱいからなぁ……。

――しょっぱい、とは?

純士 しょっぱいじゃないですか。クセというか生き方がにじみ出てないから、オーラがないというか全部が軽い。そんな彼がコメディをやっても面白くはなりづらいですよ。

――斎藤工はテレビでお笑い芸人と度々コラボをするなど、いろいろなことに挑戦していますが。

純士 彼のこと、好きなんですよ。根性あるし。ただ、それでコメディ映画が面白くなるかどうかは別なんで。一人間としては好感を持ってるけど、演じることに関してはやっぱ、ピエール瀧の方が魅力的。ちょっと可哀想なんだけど、ルックス先行で出てきた人たちの性(さが)で、何をしても軽いんですよ。役者って、生き方や経験で味が出てくるものだと思うんだけど、斎藤工はまだまだ味が薄い。

――フンドシ姿で頑張っていましたが。

純士 福山雅治にも同じことを感じるんだけど、「イケメンが下品なことをするのが格好いい」という世界観って、ダサいんですよ。せっかくモデル体型で格好いいんだから、そんな柄にもないことをせずに、イケメンキャラでいればいいのにって思う。

麗子 痛いねん、見てて。

純士 彼が、阿佐田哲也の『麻雀放浪記』やコメディを好きなのはわかる。でも「俺はなんでもできる」というのは、ファンが求めてない気がする。そういうのは得意な人がやればいい。竹中直人だけがシモに徹してりゃよかったんですよ。

――本作の竹中直人はどうでしたか?

純士 竹中はクセがありすぎて昔から苦手だったけど、この映画を見て好きになりました。彼はいつも「クセがあるアピール」がすごいんですよ。本当に味があってうまいのは香川照之であって、竹中じゃない。竹中までいくと、ただの変な人なんですよ。でも今回はよかった。荒唐無稽な作品の世界観に合ってたからかな。

麗子 ウチも竹中直人の頑張って変なことしてる感が今まであんま好きちゃうかったけど、今日のはちょっと見やすかった。ただ、オナラ連発とかは誰も求めてないし、おもんないどころか汚くて生理的に無理やから、ない方がよかったと思う。

純士 一番よかった役者は、ヒロインのドテ子を演じた子(チャラン・ポ・ランタン「もも」)かもしれない。いい塩梅なんですよ、スタイルや顔の垢抜けなさが。オンライン麻雀に没頭する斎藤工から、タブレットを取り上げるシーンとか可愛かったじゃないですか。サセ子の私なんかどうせダメでしょと思いつつ、斎藤工のことをどんどん好きになっちゃう様子にリアリティがありました。

――AI搭載のアンドロイド役を演じたベッキーはどうだったでしょう?

純士 話題性重視のキャスティングでしょうけど、アンドロイドを演じるのは年齢的に無理があった気がします。

麗子 ほうれい線とか生活感が出てて、アンドロイドっぽくなかったもんな。芝居はうまいし、よかったけど。

純士 まあでもこの映画は、近未来のリアリティはハナから追求してないと思う。2020年つったら来年の話なのに、セグウェイでオフィスを走り回ったりしてるやりすぎな感じは、明らかに意図的なギャグでしょう。

 近未来なのに子どもたちが路地裏でチンチロリンをしてる感じや、警察が制圧にくるあの感じは、園子温監督の『TOKYO TRIBE』の世界観にも近かったですね。それをよしとするか否とするかは、好き嫌いでしょう。僕個人の感想を言うと、昭和テイストの犯罪ものやヤクザものを撮らせたら天下一品の白石監督も、ことコメディになると、古い人が無理して若ぶってる感が出ちゃってる気がした。でも、『TOKYO TRIBE』よりはよかったです。一応、笑いもあったし。

――麻雀シーンの緊迫感はどうでしたか?

純士 誰も強そうに見えなかったから、まったくヒリヒリしなかった。たとえば、斎藤工とか竹野内豊とか福山雅治が凶悪犯の役をやって、女を誘拐して「おまえを殺すぞ!」と言っても、「100%殺さないな」ってわかるじゃないですか。でも、ピエール瀧とかリリー・フランキーが同じセリフを言うと、話は変わってくる。やっぱ生死に関わることや、人間のドロドロした欲望に関わることは、イケメンが演じると嘘くさくなるんですよ。

 作品に対する斎藤工の愛情は伝わってきたけど、「ヒリヒリした勝負をしたい」という男には見えなかった。「賭けるものは何もねえ」みたいなホームレス風のジジイ相手に、何をそんなにうろたえてるんだって。「俺の方が腹をくくれてない」というシーンが必要だったんだろうけど、とりまきがいるわけじゃないんだから、あんなジジイ、ほっぽって逃げればいいじゃないですか(笑)。

 ドサ健を演じた的場浩司もヤカってるだけで全然強そうに見えなかった。よって、ミスターKの強さにも説得力を感じませんでした(笑)。

――全体的に辛口なので、よかった点をもう少し挙げてもらえますか。

純士 坊や哲とドテ子のラブストーリーかな。ただ、惜しむらくは、「最終的に結ばれるふたり」だということに説得力を加える描写が欲しかった。「かつて坊や哲が愛した女の孫だった」などの腑に落ちる設定があれば、なおよかったですね。

 あとは、キーとなる牌の使い方が、さりげなくてよかった。それと、なんかの記事で読んだんだけど、この作品ってiPhoneだけで撮影したんでしょ? それは素直にすごいと思った。

麗子 え? マジで? それはすごいわ!

――この映画は、麻雀人気復活の起爆剤になりえますかね?

純士 それは無理でしょう。今どき麻雀なんか流行るわけがないですよ。そもそも麻雀をやらない人たちは、この映画を見に行こうなんて思わないんじゃないですか?

――いやいや、後ろの席にいた麻雀をやりそうにない若い二人組の女性客も、終始楽しそうに笑っていましたよ。

純士 ああ、あいつらね。笑いすぎてて「うるせーよ!」と思いましたし、「人間的にレベルの低い奴らだな」とも思いました。

――そこまで言わなくても……。

純士 思ったことを正直に言うし、感情がすぐ顔に出る。そういうストレートな性格だから、僕は麻雀が弱いんですよ!(笑)
(取材・文=岡林敬太、撮影=おひよ)

『麻雀放浪記2020』瓜田夫婦の採点(100点満点)
純士 20点
麗子 3点

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“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士が音信不通に!? その意外な原因は……

キング・オブ・アウトロー瓜田純士が音信不通に!? その意外な原因は……の画像1

“キング・オブ・アウトロー”こと瓜田純士(39)の様子がおかしい。YouTubeやSNSの更新が滞りがちな上、記者がLINEのメッセージを送っても既読マークがなかなか付かないのだ。心配して電話をかけてみたところ、受話器の向こうから悲痛な声が聞こえてきた。

――もしもし、ご無沙汰しております。お元気ですか?

瓜田純士(以下、瓜田) あ、イタタタタ……。実は1カ月ほど前から、腰痛で苦しんでまして……。こうしてしゃべるだけでもちょっと痛いし、歩くのも辛いし、椅子に座ってもムズムズするから、ほぼ寝たきりの日々が続いてるんですよ。

――それは大変ですね。腰痛の原因は?

瓜田 格闘技の練習中に、腰を傷めたのがきっかけです。安静にしてれば1週間程度で治ったんでしょうけど、俺はじっとしてることができない性格だから、ネットや本で腰痛治療の情報を漁りつつ、セルフ整体みたいなのを家であれこれ試してたら、どんどん症状が悪化してしまいまして……。

――たとえば、どんなことを試したのでしょう?

瓜田 まずは、どこかのジジイがYouTubeで指導してた通り、ベッドでうつ伏せになって両手を広げ、上半身を動かさずに、腰だけを振る動作を試してみた。これ、トコズリしてるみたいで恥ずかしいんですけど、続けてくうちに痛みが和らいできたんです。が、そこで油断してジム通いを再開したら、またしても「グギッ!」とやっちゃいまして。

――あらあら……。

瓜田 前回よりも重症らしく、トコズリのポーズも効かなくなってきたから、今度は立ったまんま腰をフリフリするポーズとか、他のジジイが推奨する謎のストレッチとか、いろいろとやってみたけど、ことごとく逆効果で。先日とうとう、涙が出るほど腰が痛くなってしまいました。

――あれこれやりすぎたのが、いけなかったのでは?

瓜田 うちの嫁も、ずっとそう言ってたんですよ。「痛いってことはどこかを損傷してるんやから、回復するまでジタバタせんと安静にしてんのが一番やで」と。で、ようやく3日前から嫁の言う通り、家でおとなしく湿布して寝てたら、この1カ月で一番ラクな状態になって、今日久々に買い物に出かけることができました。嫁からは「ワケのわからんオヤジの言うことを聞くより、妻の話を最初から聞いとけばよかったんや。ウチのこと、信用してへんのか?」と詰められまくってます。

――完治するまでコルセットをつけてみたらどうでしょう?

瓜田 実は一つ持ってるんですけど、使えなくて。腰痛になった数日後、サプライズ好きの嫁から「ウエスト何センチなん?」とだけ聞かれたんです。ジャージかパンツでも買ってくれるのかと思って、「79ぐらいかな」とスリムなときのサイズを答えたら、そのサイズのコルセットをサプライズでプレゼントされまして……。案の定それ、どう頑張っても入らない。腰痛になって以来、ろくに外出も運動もせず、寝転がってチョコ食ってケツ掻いてDVDばかり見てたから、お腹がすっかり太っちゃったんですよ(笑)。

――それはまずいですね。

瓜田 まずいことがもう一つありまして。俺が弱ってる隙を狙って、飼い猫のセブンが悪さをするようになったんです。このあいだも、嫁が夜中に一瞬玄関を開けた隙に、家出しちゃった。動物を飼い慣れてる嫁は「朝になれば戻ってくる」と余裕でしたが、俺は猫の習性を知らなかったから、心配でたまらなくなると同時に、逃した嫁への苛立ちも募ってきて、夫婦間の空気までおかしなことになってきた。

――結局、セブンは見つかったのでしょうか?

瓜田 朝5時になっても戻ってこないから、腰をさすりながら外へ探しに出かけたんです。嫁も俺の不機嫌さに恐れをなして、目を擦りながらついてきて、ふたりで明け方の街をウロウロ。その間、俺は嫁への抗議の意味も込めて無言のままです。最終的にセブンは、我々の気配を察知したのか、家に戻ったら玄関の前にいたから思い切り抱きしめてやりましたよ。「よ~しよし」と言いながら。

――よかったですね。

瓜田 いや、一難去ってまた一難ですよ。今度は目の下にクマを作った嫁が、「私とセブン、どっちが大事なん? ウチがホンマに困ったときのアンタの態度がよぉわかったわ!」とか言ってヘソを曲げてしまった。腰痛になって以来、家事全般を嫁に任せっきりで、嫁も「ええよ、ええよ」と言ってくれてたのに、その一件以来、「セブンを探しに行く体力はあるくせに、洗濯もんの取り込みもでけへんねんな」などと嫌味を言うようになったんですよ。

――腰痛が原因で、夫婦仲にヒビが……。

瓜田 そういえば今日、こんな出来事がありました。腰がちょっと良くなってきたから、夫婦揃って久々にチャリで買い物に出かけたんですよ。そしたら、生意気なBMWが後ろからクラクションをしつこく鳴らしてきた。どうやら嫁のチャリが邪魔だったみたい。だとしても、そこまでしつこく鳴らさなくてもいいだろ思って、運転席を覗き込みながら「なんだコラ!」と怒鳴ったら、BMWは逃げて行きました。

――まぁ瓜田さんの顔を見たら、たいていの人は逃げるでしょう。

瓜田 その一部始終を見てた嫁が、俺に向かって笑顔でこう言ったんです。「好きやで」と。やっぱ家でゴロゴロしてる無能亭主より、表で戦ってる旦那のほうが好きみたい。ノロケみたいですいませんが、それが今日イチのうれしい出来事ですね。

 * * *

 夫婦仲も腰痛も回復傾向にある瓜田。YouTube配信などの表現活動にも、そろそろ本腰を入れてくれそうだ。
(取材・文=岡林敬太/撮影=おひよ)

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“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士が映画『クリード』を斬る! スタローンへの“忠誠心”強すぎ!?

“キング・オブ・アウトロー”こと瓜田純士(39)が森羅万象を批評する不定期連載。今回のテーマは、現在公開中のボクシング映画『クリード 炎の宿敵』だ。ロッキーシリーズから派生した『クリード チャンプを継ぐ男』(日本では2015年12月公開)の続編。ロッキーの大ファンで、シリーズ全作を飽きるほど見てきたという瓜田だが、果たしてこの最新作に対しては、どんな反応を見せるのか?

 瓜田の“ロッキー愛”はハンパじゃない。ロッキーことシルベスター・スタローンがフィラデルフィア美術館の前でガッツポーズをする名場面の写真を自宅に飾り、それに勇気をもらいながら自身も毎日筋トレに励んでいるという。

「筋トレにはタンパク質が不可欠。スーパーのハム売り場に行ったら、俺は迷わず伊藤ハムを選ぶ」と瓜田。これも、伊藤ハムのCMに出演していたスタローンへの忠誠心なのだとか。

 そんな瓜田は前作『クリード チャンプを継ぐ男』を見て、感動のあまり泣いたそうだ。その続編がこのたび上映されると知るや、「前作を超える予感がする。絶対に見逃せない!」と大興奮。公開初日に映画館へ駆けつけた。

 あらすじは次の通り。ロッキーのライバルにして親友であるアポロは、『ロッキー4/炎の友情』(日本では1986年6月公開)で、ソビエト連邦の王者ドラゴと対戦。壮絶なファイトの末に倒され、そのまま帰らぬ人となった。あれから月日が流れ、ロッキーの指導を受けたアポロの息子アドニス・クリードと、ドラゴの息子ヴィクターが、ついにリングで激突することに――!

 以下は、鑑賞後の瓜田夫妻の感想である。

 * * *

――いかがでしたか?

瓜田純士(以下、純士) いやぁ、よかったです。作り手がファン心理をわかってる。物足りない点もあるにはあったけど、アドニスに子どもが生まれるなどの新展開もよくて、ガッカリさせない内容でした。際立ってたのは、アポロの奥さん。アドニスの嫁が妊娠してることを見抜いたり、ヴィクターにビビってるアドニスを奮い立たせたりと、オカンとして一枚上手な感じが最高でした。

――「物足りない点もあった」とのことですが、具体的には?

純士 いくつかあるんですけど、ドラゴの息子ヴィクターに関していえば、「俺はお前のロボットじゃねえ!」みたいに父親に噛み付くシーンが欲しかった。最後まで父親離れしてない点が残念でした。

瓜田麗子(以下、麗子) でもドラゴ親子にも、最後のほうでええ見せ場があったやん。

純士 あれは泣けたね。物語の設定もよかった。ロッキーに負けたせいで国からも嫁からも見捨てられたドラゴ親子と、守るべき子どもができたアドニス夫婦。お互い背負うものがあり、おまけに父親の仇という要素も加わるから、そりゃ男なら燃えるに決まってるでしょ! っていう内容でした。前作を超える感動だったかもしれない。

麗子 いや、ウチは、前作を超えることはなかったな。

純士 俺は初っ端から面白かったよ。なのに、上映中に嫁から「スタローンはカツラや」とか耳打ちされて、水を差されたわ。笑ったけど。

麗子 あれ、絶対にカツラか増毛やろ。ウチの目はごまかされへんで。

純士 確かに、スタローンやドラゴの嫁は、最新の美容技術を駆使した無理な若作りが見てて辛かった。と同時に今回、スタローンの出番が少ないことに寂しさを感じたなぁ。発言も年相応に日和ってたし。以前のスタローンは、もっと熱いことを言ってたんだよ。「人生ほど重いパンチはない」とか。でも今回は次世代の物語になってて、ロッキーが入り込む隙がなかった。もちろん、世代交代もいいんだけど、今作ではもっと、嫁よりもロッキーが、アドニスに付きっきりでいてほしかったな。アドニスが独り立ちするのは、次回作あたりでよかったんじゃないか。

――感動したと言う割に、苦言が多いですね。

純士 ロッキー好きとしてはどうしても、スタローンやシリーズの、この先のことを考えてしまうんでね。因縁はドラゴで終わり。『クリード』シリーズをまだまだ続けるつもりなら、アドニスの子どもにボクシングをさせる展開とかも有りだろうけど、アドニスの子どもは女の子だからなぁ……。

麗子 出産そのものには感動したけどな。最初のベッドシーン、「いらんわ~。見たくないわ~」と思って見とったけど、赤ちゃんができたことにつなげたんやったら、お見事やと思ったわ。

――今をときめくマイケル・B・ジョーダンが演じた、アドニスについて思うことは?

純士 アポロって、過去キャラの中でも印象が弱いほうなんですよ。だから、アポロの息子ってことで今後も物語を紡いでいくのは、ちょっと花がないというのが正直なところ。

麗子 クリードの話は、今回で完結でええんちゃう?

純士 かもね。ロッキーの若い頃のほうが、荒くてハングリーでタフでした。一方、アドニスは結婚して子どもができたことで日和っちゃうあたりが、「今の子」って感じです。あの子は、体も顔つきも、きれいすぎる。エグザイルみたいな感じ。スタローンみたいな骨太さがない。あんな真面目な性格だったら、アポロと違って、隠し子も作らないだろうし(笑)。

――ところで今日は、公開初日の夕方6時台からの上演回でしたが、客入りがイマイチでしたね。

純士 前作のときは満員だったんですけどねぇ。公開初日の金曜のこの時間帯なら、もっと入ってもよかったのに。そこまで期待されてないのかなぁ……。この手のストレートな男臭さや、単純なスポ根は、今の若い子たちにはハマらないのかも。

――総合格闘家でもある瓜田さんから見て、この映画のトレーニング風景はいかがだったでしょう?

純士 インスタに一般の外人たちが投稿してるトレーニングをそのまんまやってる感じで、新鮮味がありませんでした。昔のロッキーはニワトリを追いかけたり、丸太を担いだりしてたから、見てて衝撃を受けたんですけどね。そういうのを超えてほしかった。原始的なネタがないなら、その逆でもいい。VRゴーグルを使って宇宙軍と戦うような科学的なトレーニングをしたり。

――虎の穴での特訓シーンはどうでしたか?

純士 あれの何が虎の穴なんだよ(笑)。アドニスが「ひどい環境だな」みたいに嘆いてたけど、別になんにもひどくない。お互いタイヤに片足突っ込んで殴り合う練習なんて、俺が今通ってるジムでもみんな普通にやってますから。

――試合のシーンはいかがでしたか?

純士 みんな目が肥えてきてるからなぁ。ついこないだ、メイウェザーの変幻自在な動き見た後に、いくらヘビー級とはいえ、役者のガチガチの“ボクシング風”の動きだと、ちょっと……。

麗子 メイ・ウェザーと那須川天心の、数分間の試合のほうが引き込まれたわ。

純士 この映画は正直、ボクシングのリアリティーは薄いですよ。あんなきれいに2連発は入らねえよとか、ここでブロッキングはねえだろとか、細かい粗を探すとキリがない。どうせ泥臭くいくなら、スローを多用して、嘘臭い「うぉぉぉぉぉ!」みたいな叫び声とかも入れて、もっと昔っぽくしたほうが映画的にはよかったのかも。

麗子 まあ、なんにせよありきたりで、心に残らん作品やったわ。ストーリーもすべて予想通りやし。

純士 確かにすべてが予想通りだった感は否めない。俺が監督だったら、こういうストーリーにしたかも。まず、強くなった途端にすり寄って来た元嫁や国に対し、ドラゴ親子がブチ切れる。「ナメてんのか。お前みたいなクソ女や、こんな国に応援されたくない!」と。で、追放処分を食らう。その代わりにロシアが用意したサイボーグみたいな怪物ボクサーと、アメリカのアドニスが戦うことになる、と。

――いいですね。そこから先は?

純士 試合前夜、アドニスのもとに、ヴィクターが1人の男として現れる。「何しに来た?」と問うアドニスに対し、ヴィクターがこう言います。「俺はボクサーは辞めたけど、親父の仇を取りに来た。ここで勝負をつけよう」と。そしてストリートファイトに発展して、ロッキーが止めに入って、アドニスとヴィクターの間に友情が芽生える。その翌日、アドニスのセコンドにヴィクターがついて、ロシアの怪物と戦う、みたいな話はどうでしょう?(笑)

――試合前日にタイマンを申し込むのは非常識極まりないですが、映画なら有りでしょう。なかなか燃えるストーリー展開ですね。

純士 昨日の敵は今日の友となり、共に戦う。で、ロシアの観衆も考えが変わっていく、みたいなストーリーだったら、もっと感動したでしょう。

――ソビエト連邦の時代だったら、さらによかったですね。

純士 確かに。今の時代、ロシア対アメリカと聞いても、かつてのような緊張感がないですもんね。映画の中でも、アドニスの嫁がアドニスの入場曲を生で歌わせてもらえたりして、会場はアウェイなのに丁重に扱われてたし。ザギトワが秋田犬を抱いてニコニコしてる現実社会の印象も加わって、映画の中でのロシアという国に脅威を感じなかったのは事実だわ。

麗子 『ロッキー4/炎の友情』のときは、あんなにハラハラドキドキしたのになぁ。

純士 ……って考えると、スタローンには悪いけど、ロッキーは前作で死んだほうがよかったのかも(笑)。その上で、ドラゴ親子に狙われて、アドニスが自力でどう乗り切るか。「ロッキーならこう言ったはず」「ロッキーならこうするはず」と亡き師匠の意思を想像しながら、アドニスが暗中模索するストーリーだったら、スタローン不在の次世代バトルでもヒリヒリできたと思う。

麗子 やっぱ誰かが死ななアカン、ってことやな。

純士 そう。だから、「スタローンの出番が少なくて寂しかった」という前言を撤回します。やっぱ、カツラや増毛してまで出しゃばってくるのは、いい迷惑だわ(笑)。プラセンタ注射を打ちすぎたせいか、オネエみたいになってたもんなぁ、スタローン……。まあでも、そんなスタローンのことも、好きなんですけどね。
(取材・文=岡林敬太、撮影=おひよ)

『クリード 炎の宿敵』瓜田夫婦の採点(100点満点)
純士 78点
麗子 3点

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※「“キング・オブ・アウトロー”瓜田純士、かく語りき」の記事一覧
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“キングオブアウトロー”瓜田純士が人生相談『ゴッドカウンセラー』始動!

 自らを神と名乗る瓜田純士(39)が、 YouTubeで人生相談をスタートさせた。その名も『ゴッドカウンセラー』。

「ウッス、待たせたね」。そんなキザなセリフとともに新宿の歩道橋へ降臨した瓜田。今回は、夢と現実の狭間で揺れ動く男性、出会い系サイトから脱却できない女性らに向かって「神のお告げ」を授けてみせた。

 ゴッドこと瓜田に悩みを聞いてほしい人は、下記のいずれかの方法でご相談を!

(Twitterでの相談方法)
瓜田純士&麗子のTwitter(https://twitter.com/junshiurita)をフォローし、「#瓜田純士」のハッシュタグを付けて、瓜田純士のYouTubeから共有でツイートの上、 ダイレクトメッセージでお悩みをお送りください。

(Instagramでの相談方法)
瓜田純士&麗子のInstagram(https://www.instagram.com/junshi.reiko/?hl=ja)をフォローし、瓜田純士のYouTubeの動画数秒をアップ。キャプション(文章)に動画のURLを記入し、「#瓜田純士」のハッシュタグを付けてから、ダイレクトメッセージでお悩みをお送りください。