元女囚が語る「男と女のシャブ事情」――“超大物アーティストX”は、もうやってないのでは?

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

■「逮捕(パク)られた時」がやめる時

「瑠美さん、また『大物X、シャブで逮捕へ!?』の記事が出てますけど、どう思います?」

 編集者さんから聞かれました。

「どうって……。そんなもん、わかりませんよ。私は警察やないんやから」
「そりゃそうですね」
「でも、あんまり有名になってしまうと、クスリもやりづらいですよね。Xさんは、もうやめてはるのとちがいますかね」
「そういうもんなんですか?」
「シャブの売人の中には、芸能人専門みたいな口の堅い人とかもいてるんですが、そうはいっても、やっぱりどっかから漏れますからね。『そういえばヘンな汗かいてた』とか『走ってもないのにハアハア言ってた』とか、ウワサも広まるし」
「そういうウワサは前からある人ですよね、大物X……」
「それはわからんけど(笑)、普通は『逮捕(パク)られた時が(シャブを)やめる時』っていいます。拘留されたら、クスリは使えませんからね。でも、パクられたら失うものは大きすぎますから、そう考えられるうちは、やめられるんとちがうかな」
「なるほど。清原(和博)とかのりピー(酒井法子)は、たくさんのものを失いましたからね」
「そうそう。『そうなる前にやめとこ』って、思えればいいんですよ。まあ私もなかなかそうは思えなかったから、12年もムショに行くことになるんですけどね(笑)」

 しょうもない自虐オチがつきましたが、12年のムショ生活で、心はめっちゃ強くなりました。自分も含めてですが、ヘンな人が多すぎるんですよ。今、私が経営しているラウンジも、世間を知らない女の子が多くてタイヘンといえばタイヘンですが、ムショに比べたらラクなもんです。

 ちなみに女性の懲役(受刑者)の数は男の約1割(※『犯罪白書』)だそうですが、女の子の犯罪の大半は「男がらみ」です。これまた私もそうでしたが、「シャブデビュー」は付き合っている男から打たれるのがほとんどですし、子どもの虐待なんかも「交際相手の男といたいから、子どもが邪魔になった」とかの理由です。DVの果てに、思い余って夫や交際相手を殺してしまうことだってありますよね。「みんな男が悪い!」と言うたら、言い過ぎでしょうか? でもそんな感じ。

 では、男はどうでしょう?

 大物Xさんや清原さんは、交際相手の女からシャブを打たれてハマったのでしょうか? 違いますよね、きっと。男の場合、シャブは自分からいってると思います。理由は、寂しさだったり、好奇心だったりでしょうが、それをカノジョにまで使おうとするのが男なのです(笑)。そういえば、清水アキラさんの息子も、相手の女の子に使おうとしてパクられてました。

 犯罪からも男女の違いがわかるって、おもろいですよね。これもムショで学んだことですが、もう目いっぱい勉強させてもろたんで、戻りたないです。

nakanorumi_portrait中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)

元女囚が語る「男と女のシャブ事情」――“超大物アーティストX”は、もうやってないのでは?

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

■「逮捕(パク)られた時」がやめる時

「瑠美さん、また『大物X、シャブで逮捕へ!?』の記事が出てますけど、どう思います?」

 編集者さんから聞かれました。

「どうって……。そんなもん、わかりませんよ。私は警察やないんやから」
「そりゃそうですね」
「でも、あんまり有名になってしまうと、クスリもやりづらいですよね。Xさんは、もうやめてはるのとちがいますかね」
「そういうもんなんですか?」
「シャブの売人の中には、芸能人専門みたいな口の堅い人とかもいてるんですが、そうはいっても、やっぱりどっかから漏れますからね。『そういえばヘンな汗かいてた』とか『走ってもないのにハアハア言ってた』とか、ウワサも広まるし」
「そういうウワサは前からある人ですよね、大物X……」
「それはわからんけど(笑)、普通は『逮捕(パク)られた時が(シャブを)やめる時』っていいます。拘留されたら、クスリは使えませんからね。でも、パクられたら失うものは大きすぎますから、そう考えられるうちは、やめられるんとちがうかな」
「なるほど。清原(和博)とかのりピー(酒井法子)は、たくさんのものを失いましたからね」
「そうそう。『そうなる前にやめとこ』って、思えればいいんですよ。まあ私もなかなかそうは思えなかったから、12年もムショに行くことになるんですけどね(笑)」

 しょうもない自虐オチがつきましたが、12年のムショ生活で、心はめっちゃ強くなりました。自分も含めてですが、ヘンな人が多すぎるんですよ。今、私が経営しているラウンジも、世間を知らない女の子が多くてタイヘンといえばタイヘンですが、ムショに比べたらラクなもんです。

 ちなみに女性の懲役(受刑者)の数は男の約1割(※『犯罪白書』)だそうですが、女の子の犯罪の大半は「男がらみ」です。これまた私もそうでしたが、「シャブデビュー」は付き合っている男から打たれるのがほとんどですし、子どもの虐待なんかも「交際相手の男といたいから、子どもが邪魔になった」とかの理由です。DVの果てに、思い余って夫や交際相手を殺してしまうことだってありますよね。「みんな男が悪い!」と言うたら、言い過ぎでしょうか? でもそんな感じ。

 では、男はどうでしょう?

 大物Xさんや清原さんは、交際相手の女からシャブを打たれてハマったのでしょうか? 違いますよね、きっと。男の場合、シャブは自分からいってると思います。理由は、寂しさだったり、好奇心だったりでしょうが、それをカノジョにまで使おうとするのが男なのです(笑)。そういえば、清水アキラさんの息子も、相手の女の子に使おうとしてパクられてました。

 犯罪からも男女の違いがわかるって、おもろいですよね。これもムショで学んだことですが、もう目いっぱい勉強させてもろたんで、戻りたないです。

nakanorumi_portrait中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)

『奥様は、取り扱い注意』より気味が悪い!? 空き巣に「歯ブラシ」だけ盗まれたバツイチ女性

 綾瀬はるか主演の連続ドラマ『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)。特殊工作員という過去を持つ専業主婦の綾瀬演じる主人公・伊佐山菜美が、同じセレブ住宅街に暮らす、主婦友の大原優里(広末涼子)や佐藤京子(本田翼)と共に、主婦の間で起きるさまざまなトラブルを解決していくというストーリー。

 11月22日放送の第8話では、菜美たちが近所に住む主婦・妙子主催のホームパーティに出席する。妙子の夫は、1年前に収賄疑惑で世間を騒がせた大物政治家で、そのイメージ回復のために時折パーティが開かれるという。数日後、街では立て続けに空き巣事件が発生。菜美の家にも空き巣が入り、偶然居合わせた勇輝(西島秀俊)が犯人に殴られて負傷する。空き巣の犯人が金目の物を奪っていないこと、妙子のホームパーティに出席していた家ばかりが狙われていることに気付いた菜美は、夫のために“真犯人”への復讐を決意する……という展開だ。

 現実で、ドラマさながらの空き巣被害に遭った人がいる。カナコさん(仮名・29歳)は、夫と離婚後、息子と2人暮らしをしているマンションで発生した集団空き巣について話してくれた。

「離婚して、今のマンションに引っ越してきました。周りは大きな公園がある閑静な住宅街。夜になると明かりや人通りはほとんどありません。マンションの住民は、私のような母子家庭や単身赴任の人が多く、夜は夜勤で家を空けている人も多いです。それで、建物自体空き巣に狙われやすかったのかもしれませんが……」

 しかし、空き巣に入られる理由はそれだけではない。それは、どのマンションにも起こり得る「あること」がきっかけだったという。

「入居してしばらくした頃、マンションの外壁工事があったんです。建物は古かったし、きれいになるのは良いことだと思いました。外壁工事が始まり、マンションの壁周りは工事の足場だらけになったのですが、まさか、この足場から空き巣被害に遭うとは思いもしませんでした。マンションはオートロックでしたし、防犯対策も特に気にしていませんでしたね」

 看護師の仕事をしているカナコさんは夜勤の時だけ、子どもを実家に預けていた。その日も夜勤を終え、いつも通り家に帰ると、窓ガラスが割られて部屋が荒らされていたのだった。

「部屋に入った瞬間、工事の足場から空き巣に入られたのだとわかりました。通帳はインターネットバンキングで管理しているのでもともとなく、金目のものを取られた形跡はありませんでした。しいて言えば、私の歯ブラシがなくなっていたくらいです」

 警察を呼んだが、被害も少なかったため、周辺のパトロールをして終わったという。窓ガラス代は保険が下りたため、頑丈な防犯ガラスに換えて、カナコさん自身も空き巣のことは早く忘れようとした。しかし数日後、さらなる被害が……。

「同じマンションの別の部屋でも数件の空き巣被害があったのです。盗まれた物は、またもや金目のものでなく、写真、下着などです。私と同じように歯ブラシを盗まれたという人もいました。被害者が皆、女性の住む部屋だったため、変質者の仕業だと思われました。結局、犯人が捕まらないまま外壁工事が終わったので、真相は今も闇のままです。マンションの中では外壁工事の人が怪しいのではウワサされてますけど……」

 実は、このように金目の物以外の空き巣被害は意外と多いという。特に多いのは下着で、ほかにはパソコンなどの電子機器を狙う手口もあるようだ。現在行っている空き巣対策について、カナコさんはこう語る。

「なるべく子どもを1人で家にいさせないようにしています。あと、警備保障会社のシールを貼るのも効果的。ほかには下着を外に干したらカーテンを開けて見えるようにしておき、乾いたらすぐに取り込むようにしています。金目のものを家に置かないのが一番ですけどね」

 思わぬところから起きた空き巣被害。オートロック付きのマンションだろうと油断は禁物だ。
(カワノアユミ)

『奥様は、取り扱い注意』より悲惨!? パート仲間に“窃盗”を疑われ退職、「真犯人」は風俗落ち

 綾瀬はるか主演の連続ドラマ『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)。特殊工作員という過去を持つ専業主婦の綾瀬演じる主人公・伊佐山菜美が、同じセレブ住宅街に暮らす、主婦友の大原優里(広末涼子)や佐藤京子(本田翼)と共に、主婦の間で起きるさまざまなトラブルを解決していくというストーリー。

 11月8日放送の第6話では、菜美がフラワーアレンジメント教室に通い始め、そこで出会った冴月(酒井美紀)に、菜美は町の広報誌の取材を申し込まれる。取材当日、菜美が冴月の家へ行くと、なんとリビングには冴月の夫・達郎の死体が! 現場の状況から「容疑者の1人」として捜査に協力することになった菜美は、自らの手で事件を解決しようとする……という展開だ。

 殺人とはいわないが、無実の窃盗の罪をかぶせられたと語る聡美さん(仮名・28歳)。その濡れ衣のせいで、聡美さんは勤めていたパート先を辞めるハメになった。

「子どもの受験のためにパートを探していて、見つけたのはショッピングモールに入っている子ども服店でした。パートスタッフは主婦ばかり。そこで出会ったのがAさんで、私と年も近いのですが、勤務歴も長く、パートの中ではリーダー的な存在。見た目は少しギャルっぽいけど、新人の私にも優しかったです。お茶に誘ってくれたり、子どものお下がりをくれたりしました」

 Aさんと仲良くしていた聡美さんだったが、ほかのパートスタッフから忠告を受ける。

「『Aさんとはあまり仲良くしない方がいい』と言われたんです。理由を聞くと、『あまり良いうわさを聞かないから』としか教えてもらえませんでした。今思えば、Aさんはリーダー格でしたので、それ以上は言えなかったのかもしれません。店長は店の雰囲気に厳しい人だったので、スタッフは皆、表向きは和気あいあいとした空気を演じていましたね」

 そのうわさは、さほど気にしなかったという聡美さん。だが、勤めて半年ほどたった頃、事件が起きた。

「その日、夫が子どもを連れて実家に帰っていたので、ラストまでシフトを入れてたんです。ラストまでいたのは私1人だったので、レジを締めて帰りました。1日の売上金は本社の金庫に入金するのですが、釣り銭用の固定のレジ金は10万円残すんです。パートを終えて、私も夫の実家へ帰りました」

 数日後、出勤すると聡美さんは店長に呼び出された。

「なんと、店のレジ金が2万円ほどなくなったと言うのです。しかも、なくなったのは私がラストまでいた日。まったく身に覚えがありませんでしたが、店長には『聡美さんが犯人と疑っているわけではないけれど、休んでいる間にそういううわさが流れていて……』と言われました。その日はとりあえず働くことになったのですが、Aさんの態度が明らかによそよそしいというか……、もしかしてAさんがうわさを流しているのかな、と思いました」

 結局、誰が犯人という確たる証拠も見つからなかったが、聡美さんはパートを辞めることとなる。

「辞めたくなかったのですが、私のせいで空気が悪くなっている気がしたので辞めることにしました。店長は『辞めなくていい』と言ってくれましたが、本社から何か言われていたのかもしれません。辞める時に、Aさんから『せっかく仲良くなれたのに寂しい』とメールが来ました。それを見て、どこか腑に落ちない自分がいましたね……」

 その後、新たにパートを見つけることができた聡美さん。しかし最近、以前のパート先の店長から連絡があったという。

「あのレジ金の犯人がわかって、なんとAさんだったそうです。私が辞めた後にも同じことがあって、本社がこっそり適切な位置に防犯カメラを設置して判明したらしいのです。ほかにもAさんは棚卸しの時に服を盗むなど数々の余罪が見つかり、本社が被害届を出したそうです。“子どものお下がり”と言って、私にくれていた服も、もしかして盗んだ物だったのかも、と思いました。Aさんのことを忠告してくれていた人は、気づいていたのかもしれませんね」

 聡美さんの疑惑は晴れたので、店長から「戻ってきてほしい」と言われたという。Aさんは、その後どうなったのだろうか?

「本社から被害届を出されたことが原因で旦那さんと離婚したそうです。さらに窃盗の罰金として、数十万円の支払いを命じられたようで、今は人妻系の風俗店で働いていると聞きました。この前、少し気になって、Aさんが働いている店の口コミが書かれているネット掲示板を見たら『客の財布から金を盗んでクビになった』と書いてありました。手癖の悪さは相変わらずのようです。Aさんには優しくしてもらいましたが、すべては自分に疑惑が向かないための行動だったのかと思うとゾッとします。これから、あまりにも外づらの良い人は信用しないようにしたいですね」
(カワノアユミ)

相模原障害者施設殺傷事件・植松聖被告は、内向的だけど目立ちたい「アンバランスな人間」【THE 筆跡鑑定ファイル】

 相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で19人が刺殺、27人が負傷した事件から1年がたつ。植松聖被告は「手紙魔」でもあり、事件前に衆議院議長に手紙を渡そうとしており、事件後も複数のメディアに対し手紙を送っている。ここではその手紙に書かれていることではなく、手紙の「筆跡」に注目したい。筆跡鑑定人で、筆跡心理学に基づいた書籍『自分のイヤなところは直る!』(東邦出版)の著者、牧野秀美氏に植松被告の筆跡からその人物像を読み解いてもらった。

■簡単なはずの字を間違えて書く心理とは?

――植松被告が事件前に送った手紙と事件後に送った手紙は、同じ人が書いたのだろうか? と思うほど筆跡が異なるように、素人目には見えます。事件前の字は子どもが書くような字に見えますが、事件後は大人の字になっているというか。

牧野秀美氏(以下、牧野) 一見すると文字の形が異なっているように見えますが、両方とも本人の筆跡です。確かに事件前の横書きの筆跡は、拘置所で落ち着いて書かれた縦書きのものより、雑で稚拙な感じを受けますが、これはその時の精神状態の違いが大きいのではないかと考えられます。横書きの手紙を見ると、教員免許を持つ植松被告の文字は漢字が多く、誤字や脱字が見受けられません。しかし、非常に目立つ箇所の「戦」の字を間違えています。

――ちょっと珍しい間違え方ですよね。「戦」という字はよく見るので、間違えようがない気もします。

牧野 「自分は有能である」と慇懃にアピールしている植松被告にとって、小学生で習う単純な文字を間違うとは考えにくいことから、通常とは違う精神状態であったのではないか、例えば、これから事件を起こすことで、日本中から一斉に注目を浴びている自分の姿を想像し、精神が異常に高揚している状態などが考えられると思います。横書きと縦書きで特に違いが出ているのは「思」という字です。縦書きに比べ、横書きでは下の「心」という文字の左右の払いが短く、異なる感じを受けますよね。

――横書きだと、下の「心」の部分が、きゅっと縮こまっているような感じですね。縦書きは、心の部分が一気にのびのびしています。だから、違う人が書いた字のように見えてしまうんですよね。

牧野 ただ、そのほかの特徴(かんむりの独特な形、へんとつくりの間の間隔、接筆部分が閉じている、角に丸みがあるなど)などは一致しています。横書きを見ると、文字を下部の罫線にぶつからないように書いていますよね。一方、縦書きで「思」などの文字の左右の払いが長いのは、下の罫線がないために、のびのびと書けた結果です。植松被告は、文字を罫線と交差させて書きたくない気質なのでしょう。縦書きにあるような、左右払いの長い形が本来の筆跡だと思われます。 通常、残虐で暴力的な犯罪者は、衝動性を抑えられないものです。そのような気質は交差文字(異常接筆や線衝突)となって表れるものですが、植松被告の筆跡に、交差文字はほぼ見られません。何かの拍子で画線が交差した文字はいくつかありますが、安定的に交差文字が現れているわけではないようです。植松被告は、残虐な犯行を行っていますが、衝動的犯罪ではありません。

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――以前、宮崎勤や酒鬼薔薇聖斗についても伺いましたが、犯行声明文の、内容を一切読まずとも、筆跡だけで、一見ゾワッとなるような感覚が、植松被告の文字にはないですね。筆跡自体は普通です。

牧野 植松被告は安全圏にいるわけです。自らに危害が及ぶような修羅場を乗り越える度胸はないということです。わかりやすく言えば、「弱い者いじめ」をする人間だということでしょう。 また、「無」の字に見られるれっか(下の四つの点々)ですが、散開させず、すぼまったように書かれています。これは「明るく社交的にふるまうことが苦手な内向的な人」の書き方です。さらに「植」と「松」は、木へんの縦画の上部への突出があまりないことから、自分が矢面に立たず、人の後ろから様子をうかがう面もあるようです。一方で、縦書きの「思」の下の「心」の部分など、左右の払いは大きく払われています。これは「目立ちたい、スポットライトを浴びたい、自分の世界に没頭し、なりきる」といった、自己顕示欲につながる書き方です。

――以前鑑定した松居一代さんの筆跡は「すぼまる、縮こまる」とは一切無縁の、自信みなぎるダイナミックな筆跡でした。

牧野 植松被告は自分に自信がなく内向的であるのに、強烈な自己顕示欲はある。このような心のバランスの悪さを、コントロールできなかったのでしょう。また、ハネが弱いのですが、これは責任感の乏しさや、待つのが苦手であること、思考面も行動面も自分の型にはまっており、融通性が乏しいことが読み解けます。

――「自己顕示欲は強いのに自信がなくて内向的」な人って、ネット、特にSNS上でよく見かけますね。

牧野 ただ、誤解しないでもらいたいのですが、これらの特徴自体は、別に悪いことではありません。考え方や行動面で融通が利かないのは、言葉を変えると生真面目で実直。ハネが弱い(=責任感がない)は、切り替えが速いともいえます。人によって、持っている気質は、良く出ることもあれば悪く出ることもあります。

――人の長所は、裏返せば、その人の短所でもありますよね。

牧野 はい。ですから、一概に筆跡の特徴で、善良な人や悪人が決められるわけではありません。その人の持つ価値観、生き方と筆跡の特徴の組み合わせによって、その人の行動が決まってくるわけです。植松被告は犯罪を実行すると自分で決めて、自身の持つ気質に沿った手口で、それを行ったのです。
(石徹白未亜)

牧野秀美
筆跡鑑定人。筆跡アドバイザー・マスター。筆跡心理学をもとにした鑑定と診断を行う。著書に『自分のイヤなところは直る』(東邦出版)
ほっかいどう筆跡鑑定研究所

家族の物を勝手に捨てる、その是非は? コレクター、ミニマリスト、弁護士の見解

 7月1日に放送された土曜スペシャル『今日で捨てましょう!』(テレビ東京系)のあるシーンが、物議を醸している。その内容とは、「父親の所有する手付かずのプラモデル『ガンプラ』を捨ててほしい」という母娘と、「捨てたくない」という父親をめぐるもの。父親は「いつか作る機会が来ると思う」と懇願したが、娘は「4つ捨てる」と主張。父親は「なんでこんなに責められなきゃいけない」と不満を漏らしていたが、 最終的には1つ捨てることでまとまった。

 番組では最終的に父親の同意を得ていたが、もし家族のものを無断で捨てた場合、罪に当たる可能性はあるのだろうか? また、物を捨てられない人の心理とは? まずは前者について、アディーレ法律事務所の小堀信賢弁護士に聞いた。

「家族の持ち物を勝手に捨てることは、器物損壊罪(刑法261条)に該当します。仮に、妻が夫から預かっていた物を夫に無断で捨てた場合も同様です。所有物を捨てられた家族が、その物を占有(保管)していないときでも、捨てられて回収不可能になったのであれば、所有権が害され『損壊した』といえることになるでしょう。 これらの刑罰としては、3年以下の懲役、30万円以下の罰金、1,000円以上1万円未満の科料、いずれかに処される可能性があります。器物損壊罪は、被害者の告訴がなければ公訴を提起できない親告罪ですので、被害者が告訴しなければ、刑事裁判にはなりません。また、事実上、警察による捜査が行われることもないでしょう。ただし、民法上の損害賠償責任については、また別の話で、被害者が、告訴まではしないが賠償は請求するとして民事裁判を起こした場合、賠償を命じる判決が行われる可能性があります」

 では、番組に出てきた父親のように、物を集めて捨てられない人は、どのような心理なのだろうか? 『ぼくらの60~70年代宝箱』『ぼくらの60~70年代熱中記』(共にいそっぷ社)の著者で、昭和の漫画・玩具コレクターである黒沢哲哉氏は次のように語る。

「もし、番組のように家族から『捨ててほしい』と頼まれたら、家族の言い分を聞き入れて、すっぱりと捨てるか、たとえ家族が断絶しても断固として断るかの二択しか私は考えません。番組のように1個だけ捨てるというのは、コレクターの気持ちが傷つき、家族関係はぎくしゃくし、家はまったく片付かないという最悪の判断です。番組では、プレミアが付かないガンプラと言われていましたが、市場価値がないからこそ散逸しやすく、二度と集まらない物なのです。コレクターにとってコレクションとは、金銭的価値の確認ではなく情熱の報酬なのです」

 黒沢氏によると、コレクターになりやすい人には6つの特徴があるという。

「たとえば、『コンビニでお菓子を買ったらオマケがついてきて、何となく毎日買っているうちに集まってしまった』などコレクターじゃなくてもよくあることですよね 。始まりはコレクターも一般人も同じなのですが、コレクターになりやすい人には共通点があるんです。(1)探究心が旺盛(2)リストマニア(3)時刻表や京都の街並みなど整然とした状態を好む(4)本棚の本などは番号順に並んでいないと気が済まない(5)電車の座席は端から詰めて座る(6)部屋がゴミ屋敷(本人的には理論的に分類されている)。こうした気質を持った人が、自分だけのコレクションアイテムを見つけて集め出したときが、コレクション地獄への第一歩なのです」

 また、『3人子持ち 働く母の モノを減らして 家事や家計をラクにする方法』(KADOKAWA)の著者で、ミニマリストの尾崎友吏子氏は「家族の思い出の品を勝手に捨てたりするのはあまり良い判断とは思いません」と話す。

「私は、家族の持ち物に関しては基本的に干渉しないことにしていますので、 家族がコレクションしている物を捨てさせるのは、基本的に賛成しかねます」

 ではもし、家族に荷物を捨ててほしいと思った場合、よい方法はあるのだろうか?

「たとえ家族とはいえ、人を変えるというのは難しいと思います。もし、できるとすれば、自分自身がシンプルな暮らしをして、そのメリットが家族に伝わった場合でしょうね。家族は、もっとも小さい社会の単位だと考えます。お互いの領域を干渉し過ぎない、お互いに敬意を払うなど、社会の中では当たり前のルールを、馴れ合いの家庭の中ではつい忘れてしまいがちになりますが、それを少し意識するだけでも、お互いがもっと気持ちよく過ごせるのではないでしょうか」

 「物を減らしたい人」と「捨てられない人」が同じ家に住んでいると、このようなトラブルも起こり得る。居住空間を共有する家族だからこそ、お互い気を使うべきではないだろうか。
(カワノアユミ)

家族の物を勝手に捨てる、その是非は? コレクター、ミニマリスト、弁護士の見解

 7月1日に放送された土曜スペシャル『今日で捨てましょう!』(テレビ東京系)のあるシーンが、物議を醸している。その内容とは、「父親の所有する手付かずのプラモデル『ガンプラ』を捨ててほしい」という母娘と、「捨てたくない」という父親をめぐるもの。父親は「いつか作る機会が来ると思う」と懇願したが、娘は「4つ捨てる」と主張。父親は「なんでこんなに責められなきゃいけない」と不満を漏らしていたが、 最終的には1つ捨てることでまとまった。

 番組では最終的に父親の同意を得ていたが、もし家族のものを無断で捨てた場合、罪に当たる可能性はあるのだろうか? また、物を捨てられない人の心理とは? まずは前者について、アディーレ法律事務所の小堀信賢弁護士に聞いた。

「家族の持ち物を勝手に捨てることは、器物損壊罪(刑法261条)に該当します。仮に、妻が夫から預かっていた物を夫に無断で捨てた場合も同様です。所有物を捨てられた家族が、その物を占有(保管)していないときでも、捨てられて回収不可能になったのであれば、所有権が害され『損壊した』といえることになるでしょう。 これらの刑罰としては、3年以下の懲役、30万円以下の罰金、1,000円以上1万円未満の科料、いずれかに処される可能性があります。器物損壊罪は、被害者の告訴がなければ公訴を提起できない親告罪ですので、被害者が告訴しなければ、刑事裁判にはなりません。また、事実上、警察による捜査が行われることもないでしょう。ただし、民法上の損害賠償責任については、また別の話で、被害者が、告訴まではしないが賠償は請求するとして民事裁判を起こした場合、賠償を命じる判決が行われる可能性があります」

 では、番組に出てきた父親のように、物を集めて捨てられない人は、どのような心理なのだろうか? 『ぼくらの60~70年代宝箱』『ぼくらの60~70年代熱中記』(共にいそっぷ社)の著者で、昭和の漫画・玩具コレクターである黒沢哲哉氏は次のように語る。

「もし、番組のように家族から『捨ててほしい』と頼まれたら、家族の言い分を聞き入れて、すっぱりと捨てるか、たとえ家族が断絶しても断固として断るかの二択しか私は考えません。番組のように1個だけ捨てるというのは、コレクターの気持ちが傷つき、家族関係はぎくしゃくし、家はまったく片付かないという最悪の判断です。番組では、プレミアが付かないガンプラと言われていましたが、市場価値がないからこそ散逸しやすく、二度と集まらない物なのです。コレクターにとってコレクションとは、金銭的価値の確認ではなく情熱の報酬なのです」

 黒沢氏によると、コレクターになりやすい人には6つの特徴があるという。

「たとえば、『コンビニでお菓子を買ったらオマケがついてきて、何となく毎日買っているうちに集まってしまった』などコレクターじゃなくてもよくあることですよね 。始まりはコレクターも一般人も同じなのですが、コレクターになりやすい人には共通点があるんです。(1)探究心が旺盛(2)リストマニア(3)時刻表や京都の街並みなど整然とした状態を好む(4)本棚の本などは番号順に並んでいないと気が済まない(5)電車の座席は端から詰めて座る(6)部屋がゴミ屋敷(本人的には理論的に分類されている)。こうした気質を持った人が、自分だけのコレクションアイテムを見つけて集め出したときが、コレクション地獄への第一歩なのです」

 また、『3人子持ち 働く母の モノを減らして 家事や家計をラクにする方法』(KADOKAWA)の著者で、ミニマリストの尾崎友吏子氏は「家族の思い出の品を勝手に捨てたりするのはあまり良い判断とは思いません」と話す。

「私は、家族の持ち物に関しては基本的に干渉しないことにしていますので、 家族がコレクションしている物を捨てさせるのは、基本的に賛成しかねます」

 ではもし、家族に荷物を捨ててほしいと思った場合、よい方法はあるのだろうか?

「たとえ家族とはいえ、人を変えるというのは難しいと思います。もし、できるとすれば、自分自身がシンプルな暮らしをして、そのメリットが家族に伝わった場合でしょうね。家族は、もっとも小さい社会の単位だと考えます。お互いの領域を干渉し過ぎない、お互いに敬意を払うなど、社会の中では当たり前のルールを、馴れ合いの家庭の中ではつい忘れてしまいがちになりますが、それを少し意識するだけでも、お互いがもっと気持ちよく過ごせるのではないでしょうか」

 「物を減らしたい人」と「捨てられない人」が同じ家に住んでいると、このようなトラブルも起こり得る。居住空間を共有する家族だからこそ、お互い気を使うべきではないだろうか。
(カワノアユミ)

詩織さん、三鷹ストーカー、小金井刺傷……被害者が警察に「たらい回し」にされるのはなぜ?

 元TBS記者でジャーナリストの山口敬之氏にレイプされたとして準強姦容疑で被害届を出していたフリージャーナリストの詩織さん。彼女が東京地検の不起訴処分を不服として審査を申し立て、実名・顔出しで行った会見が注目されているが、被害届を出す際、警察のたらい回しに遭っていたと6月7日放送の『荻上チキ・Session-22』(TBSラジオ)で明かした。

 詩織さんは、最寄りの警察に相談に行き、女性警官を希望して被害の話をしたところ、話し終わったところで自分は交通課の警官だと明かされ、他の課の警官にまったく同じ話をさせられた。その挙げ句、被害に遭った場所の管轄である高輪警察署に行ってくれと言われたという。

 かつて三鷹のストーカー殺人事件でも、被害者の女子高校生は、杉並署に相談したところ、「三鷹署に相談すれば」などとたらい回しにされていたと報じられている。また、昨年起きた小金井のストーカー刺傷事件でも同じような対応を警察署が取ったことは記憶に新しい。

 なぜ被害を相談しに行った警察でたらい回しにされてしまうのか? 課や管轄は、どういう仕組みになっているのか? 匿名を条件に現役の警察官がインタビューに応じてくれた。

――事件の被害者になった場合、私たちはまずどうすればいいのですか?

「基本的には最寄りの警察署に行ってください。受付で相談の概要を言ってもらえれば、適切な課の適切な担当者に取り次ぎます」

――詩織さんの場合は、関係のない交通課の警官に取り次がれたようですが?

「個別のケースにはお答えできないのですが、性犯罪は喧嘩や窃盗と同じく刑事課が担当していますが、時間帯によっては刑事課の女性警官が出払っていることも多いです。そのため、他の課の女性警官が話を聞いた可能性はあります」

――すべて話し終わった後に、他の課の警官にまた同じ話を最初からさせられることもあるのでしょうか? 同じ警察署内でも課が違うと情報は共有されないのですか?

「もちろん情報は共有しています。ただ、きちんと間違いのない詳細を把握できるよう何人もの警官が聴取するのは普通です。聴取に間違いがあると、結果的に被害者のマイナスになってしまうので」

――そもそも「管轄」って何でしょうか?

「1つの管轄内に1つの警察署が設置されていますが、市町村で分かれているわけではないので、一般の方には少しわかりづらいかもしれないですね。管轄署を調べるには、現場で110番してもらうのが一番簡単です。管轄の警察署に直接つながります。また、東京なら警視庁のホームページにある『警察署一覧』で探すこともできます。なぜ被害現場を管轄する警察署に出頭してもらったかですが、どんな事件でも例外なく、実際の捜査は発生場所の警察署で行い、処理するからです」

――最寄りの警察署と管轄の警察署に連携はないのでしょうか? 本人が現場を管轄する警察署まで出向かないといけないのですか?

「もちろん連携はありますし、警察署間で事案を引き継がないなんてありえないです。性犯罪などの事案であれば、被害者の負担を軽減するために警察車両で送ることもあります。たとえ送らないまでも『今から被害者がそちらに行きます』と連絡を入れてつなぎます。管轄でない警察署が事件の顛末をつけることはできませんし、特に詩織さんのケースのように込み入った事情がある場合は、ご本人のためにも、管轄署が直接話を聞いて慎重な捜査を進めようと考えたのでは」

――対応に急を要する事件の場合、間に合わず、被害が拡大する可能性もあるのでは? 

「『事件は管轄署が解決する』という原則を知ってもらい、最初から管轄署に出頭してもらえれば、時間短縮につながるかもしれません」

 よほど遠方でない限りは、最初から事件現場を管轄する警察署に行ってしまった方が、二度手間も防げそうだ。しかし、被害者の負担を減らすためにも、そして対応の遅れによる新たな犯罪を食い止めるためにも、スピード感のある捜査ができるようにしてほしいものだ。

ダレノガレ明美が『今夜くらべてみました』で衝撃告白! 元彼の結婚式に乱入すると犯罪?

「ドラマのこのシーンってありえるの?」「バラエティーのあのやり方ってコンプライアンス的にどうなの?」……テレビを見ていて感じた疑問を弁護士に聞いてみる、テレビ好きのための法律相談所。

<今回の番組>
『徳井と後藤と麗しのSHELLYと芳しの指原が今夜くらべてみました』(日本テレビ系/5月31日午後9時~)

<今回の疑問>
ダレノガレ明美が元彼の結婚式に招待なしで乱入したのは、犯罪に当たるのか?  

 タレントのダレノガレ明美が、5月31日放送の『徳井と後藤と麗しのSHELLYと芳しの指原が今夜くらべてみました』(日本テレビ系)に出演し、招待されていない元彼の結婚式に乱入したエピソードを明かした。ダレノガレは「元カレと共通の友達のLINEグループに連絡があったから、『私も行っていいんだ』と思って行ったら入れなかった」「相手の親御さんに裏に連れて行かれて、『私も部屋用意されてるのか?』と思った」などと話し、出演者を驚かせた。この話題にネットでは、「非常識すぎる」「軽犯罪に当たるのでは?」など、批判の声が相次いでいる。招待されていないのに元彼の結婚式に乱入するのは、犯罪に当たるのだろうか? アディーレ法律事務所の時光祥太弁護士に聞いた。

「例えば、元彼が幸せになるのが許せなくて、結婚式の邪魔をしてやろうと乗り込み、大声を出して式の進行を妨げたなどであれば、大声という威力を用いて結婚式場の業務を妨害したとして、威力業務妨害罪になる可能性があります。刑法234条で3年以下の懲役または50万円以下の罰金と定められています。しかし、ダレノガレさんは『私も行っていいんだ』と思って行っていますので、邪魔をしてやろう・妨害してやろうとは考えていないので故意がありません。行っていいものと勘違いして行き、おとなしくしていたのであれば、仮にまわりが勝手に騒いだとしても、威力を用いたとはいえず、ダレノガレ明美さんに威力業務妨害罪が成立するとは考えにくいです」

 では、建造物侵入罪に該当する可能性はないのであろうか?

「結婚式の邪魔をしてやろうと乗り込んだ場合は、正当な理由がないのに結婚式会場という建造物に侵入したとして建造物侵入罪になる可能性があります。ただやはり、『私も行っていいんだ』と思っていた、つまり、正当な理由があると思っているので、建造物侵入罪が成立するとは考えにくいです。もし、ダレノガレさんが招待されていないと知らされ、帰るように言われたにもかかわらずに居座った場合は、不退去罪が成立する可能性があります。刑法130条で、3年以下の懲役または10万円以下の罰金と定められています」

 また、「軽犯罪法違反に当たるのでは?」という疑問に、時光弁護士は以下のように述べる。

「仮に悪戯目的で結婚式に乗り込み、式の進行を妨害した場合は、軽犯罪法1条31号の『他人の業務に対して悪戯などでこれを妨害した者』に当たる可能性があります。しかし、やはり『私も行っていいんだ』と思って行った場合は悪戯目的はないでしょうから、軽犯罪法違反になるとは考えにくいです」

 最近のダレノガレといえば、何かとお騒がせタレントのイメージがついてしまっている。エリート商社マン彼氏に対し「プロポーズ待ち」と宣言しているのであれば、あまり軽率な発言は控えたほうがいい気がするが……。

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金正男氏暗殺事件が日本で起こったら……実行犯はどんな罪になるのか?

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<今回の番組>
各局ニュース番組等

<今回の疑問>
金正男氏暗殺事件における、いたずらと犯罪の境界線

■殺人罪が成立するには「殺意」が必要

 連日テレビをにぎわせている北朝鮮の金正男氏殺害事件。実行犯として逮捕された2人の容疑者については、「いたずらビデオの撮影を依頼された」との供述が報じられている。もし、同様の事件が日本で起こり、悪ふざけで殺人を犯してしまった場合、どのような罪に問われることになるだろうか? アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士に聞いた。

 まず、殺人罪が成立するには、「殺意」があったことが必要になると岩沙弁護士は述べる。

「容疑者の女は男4人から『悪ふざけをしよう』と持ち掛けられ、別の女と2人で正男氏を襲ったと供述しました。女らはスプレーを吹きかけ、ハンカチで顔を10秒近く押さえたとのことです。これが、日本で起きた場合は傷害致死罪(刑法205条)が成立する可能性があり、法定刑は3年以上の有期懲役になります。殺人罪が成立するためには、(1)人を殺したこと、(2)殺意があったことが必要になりますが、2人は悪ふざけでやっており、殺意はありませんので、殺人罪は成立しません」

 しかし、まったく罪に問われないかというと、そうではなく、傷害致死罪が成立するという。

「傷害致死罪は、相手に暴行を加えたこと自体は故意(わざと)であるが、殺すつもりはなかった場合に成立します。2人は死に至るとは思っていなくとも、スプレーを吹きかけたり、ハンカチで顔を押さえるという暴行行為をわざと行い、その結果、死亡させています。その場合、仮に、死に至ると思っていなかったとしても、傷害致死罪が成立します」

 容疑者の2人は、使用したのがあらかじめ毒物と認識していたという報道もあるが、素手で犯行に及んでいたとしたら、死に至らしめる危険性があるとは認識していなかった可能性がある。

■「いたずら」と言い訳しても犯罪の成立は免れない

 なお、過去に石川県で起きた「落とし穴死亡事故」のように傷害致死罪ではなく重過失致死罪で送検された事例もある。

「この事件では殴る蹴る、液体をかけるといった典型的な暴行行為ではなく、穴を掘ったことが暴行行為と言いにくいため、傷害致死罪ではなく重過失致死罪で処理したと思われます」

 また、最近、いたずら動画は動画サイトにも数多く投稿されているが、「おでんツンツン事件」のように逮捕につながる事件もたびたび目にする。「いたずら」と「犯罪」の境界線は、どこにあるのだろうか?

「犯罪(故意犯)が成立するためには、犯罪にあたる行為をするという『認識」と、それでも構わないという『認容』が必要です。いたずらは『認識』と『認容』の両方があるため、犯罪にあたる行為をした以上、『いたずらです』と言い訳しても犯罪の成立は免れません」

 誰でも、知らないうちに犯罪に手を染めてしまう可能性はある。法律を「知らなかった」では済まされないこともあるのだ。

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