職業・売れないグラドル、吉沢さりぃ32歳。最近は、オーディションの案内がきても「20代限定」がほとんど。業界のオジサマたちからは、「32歳って中途半端なんだよね。いっそのこと、37歳くらいだったらオモシロイんだけどねー」なんて言われる今日このごろ。確かに32歳って、女としてフレッシュでもないし、とはいえ、熟してるかといえば、そうでもない……あ、私っていま「半熟」なのでは……? 意外と長い女の人生、現在の自分の立ち位置が「半熟」なのかを知るべく、そして、そもそも「半熟」とは何なのか――という謎を解くべく、最近話題の「半熟キャバクラ」店の門を叩いてみることにした。
■浅草橋の「半熟」キャバ嬢たちは幅広すぎでカオス
さっそくネットで求人を見つけた東京・神田の某「半熟キャバクラ」に体験入店を申し込み。当日、店に到着すると、テレビで見たことのあるママさんを発見! この店のママであるTさんは30代半ばで、まさに「半熟」なんだけど、ルックスは“Theキャバ嬢”という感じで髪形モリモリ。まるで歌舞伎町からひとり抜け出して、神田の下町にやって来たかのようだった。
面接シートを書いてママを待っていたのだが、シブいオヤジボーイがこちらにやって来て「ごめん! 今日ね、ウチ出勤多すぎて……別店舗いける?」とのこと。おいおい。わしゃあ腐ってもグラドル、六本木や新宿で通用しない容姿なのはわかるけど、まさか神田でも門前払いなんかい! テイの良い「うちじゃあチョット……」なんでしょうな(涙)。
左遷を命じられて向かったのは、同系列の浅草橋店。そこで持参のワンピースに着替えてから簡単に仕事の説明を受け、待機する。店内は5〜6人のボックス席が6卓あり、満卓だと40人くらいは入りそうな、まあまあの広さ。しかしキャストのヘアメイクはなく、ドレスにも規定はなかったので、ガッツリ夜の蝶の店というより、どちらかといえば「キャバクラ寄りのスナック」という感じかな。
15名ほど在籍しているキャストの年齢層はかなり広いようだった。20代後半OL風の素朴なコから、明らかに「お母さん」って呼びたくなるような50代半ばの完熟キャストまで取り揃える、なかなかカオスなラインナップ。
そのなかで「半熟」として輝いているように見えたのは、全盛期のあゆみたいな金髪・外巻き・前髪パッツンの三拍子を揃えた、水商売の化石のような40代のお姉さま。今どき、逆に老けて見えるのでは……? いや、90年代のノスタルジーを感じられるからアリなのか……?
正直、やべぇババアしかいないだろうと完全にタカをくくっていた私。しかし、中には井川遥似のアラフォーらしき美女も。アラフォー井川はその整った目鼻立ちを年相応のメイクテクニックで際立たせており、スタイルも崩れることなくキレイにくびれている……「半熟」といっても、マジで振り幅がでかすぎる。
20時を回った頃から、店にお客さんが増えだした。「半熟」目当てといえど、客の多くはフツーのサラリーマンかブルーカラー系のお兄ちゃんたち。ほかにも、六本木あたりで遊んでそうな若いLDH系な集団がなぜか遊びに来ていたり、「赤坂で働いてる」という超大手企業のサラリーマンの姿まで。客のノリは飲み会の二軒目って感じで、常連さんが多いみたいだった。
とはいえ、やっぱり“半熟キャバあるある”なのか、客に年齢の話をダイレクトに振られることが多いのが特徴。しかし、アラフォー半熟キャバ嬢たちは、「何歳?」と聞かれると途端にイキイキするのだ。なぜなら年齢を明かした途端、男に「見えないね! 若い!」などと言われまくるから。なるほど、実世界ではお世辞でも「若い」とは言われなくても、「半熟」キャバ嬢と銘打っていれば、チヤホヤされまくるのか……。一方で32歳の私は「キミも37歳くらいデショ? いやー、若く見えるね!」なんて言われてしまい、少々複雑な気持ちになる。
飲み代は1セット45分3,300円(税・サービス料込み)と、キャバクラとしてはお手頃価格。ハウスボトルも焼酎、ウィスキーから選べるシステムで、明朗会計だ。なによりビックリしたのが「むやみやたらに、客にドリンクをねだらないでね」と、ボーイにクギを刺されたこと。確かに、嬢が席に着いてもドリンクをねだる文化がないし、お客さんからドリンクを勧められることもまったくない(白目)。お客さんだけが酒をかっくらっており、嬢はお酒を作るだけ。知らないおっさんが歌うももいろクローバーZの「行くぜっ!怪盗少女」に、シラフで手拍子しながら「うまいですねぇ」とお世辞を言うのは、なかなかキビしいものがあった。
泣く子も黙る酒豪の私は心底ゲンナリしたものの、よくよく考えたら働くキャバ嬢たちにとってはノルマがないし、お客さんにも負担にならない良心的なシステムなのかも(昔、働いていたクラブは、1日2組程度しか客がこなくて閑古鳥だったくせに、店長にからは「ドリンク毎日20杯飲めや」とマジな目で言われていた)。
オープンから2時間もすると満卓に近い客の入りで、意外(?)にも半熟キャバクラはかなりの盛況ぶりだった。合計4時間半勤務で、7組のお客についたが、お客さんは基本的にアッサリしてて、若いキャバ嬢相手みたいにガッツいたり、しつこく口説いたりもしてこないからラク。酒をねだれないから喉が渇いて死にそうだった以外は、それなりに楽しい時間を過ごせたし、何よりも楽チンだった。客の出入りが激しく、しかもフリー客ばかり。1人のお客さんについても5〜10分でチェンジとなるので、こちらとしては非常にストレスフリー。合う客も合わない客もいるから、お互いに早く回転した方がいいに決まってる。お客さんもおとなしく、ガツガツLINE交換を迫ってきたり、本名を聞き出そうとしたり、やたら胸を触ってくる輩などもいない。料金が安いせいか、お客さん側のモトを取ろうという気持ちが薄いのかもしれない。
「半熟」で働くキャバ嬢たちは、頭のてっぺんから足の爪までお金かけて完ペキって感じではなく、なんだかいい感じにスキがあって好感が持てる。高級キャバにありがちな、嬢同士のギスギスした雰囲気もまったくない。待機中は、完熟のパイセン嬢が「寒くない?」なんて気さくに話しかけてくれたりして癒やされた。
自分に自信を失いかけたアラサー・アラフォー女性は、やたらひとり旅に出たり、習い事を始めたりするけど、ぶっちゃけアフター5のヨガよりも、半熟キャバクラへの入店をオススメしたい! ここなら、「半熟」だろうが「完熟」だろうが、年齢を気にする必要がない。というか、何歳だろうが、男から「見えないね、若い!」と言ってもらえるのだ。私も「半熟」が板につく37歳くらいになって、売れないグラドルを続けるくらいだったら、マジでレギュラーキャストとして入店しようかと真剣に考えております。
吉沢さりぃ(よしざわ・さりぃ)
山梨生まれ。B107cm、Kカップの現役底辺グラドル兼ライター。2016年に『グラビアアイドルのぶっちゃけ話』(彩図社)で作家デビュー。趣味は飲み歩き♡ Twitter→https://twitter.com/sally_y0720
