学園ラブコメが南の島のお家騒動に発展、ジェットコースターマンガ『炎のロマンス』

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『炎のロマンス(1)』/講談社

――西暦を確認したくなるほど時代錯誤なセリフ、常識というハードルを優雅に飛び越えた設定、凡人を置いてけぼりにするトリッキーなストーリー展開。少女マンガ史にさんぜんと輝く「迷」作を、ひもといていきます。

 まだまだバブルの残り香がぷんぷんしていた頃、『もう誰も愛さない』(フジテレビ系)というドラマがあった。あらすじはまったく覚えてないんだけど、あれよあれよとめまぐるしく話が展開し、先週敵同士だったのに今日は味方になってたり、脚が動かなくなって車イスに乗ってたかと思えば次の週には立てるようになってたり。1週見逃すと、もう話がわからなくなる展開の早さ故、「ジェットコースタードラマ」などと呼ばれていた。まあ、だから詳細を失念しても仕方ないよね、うん。

 少女マンガにもある。ジェットコースターが。昔のマンガって、コマ割が今よりも小さくて4段組が当たり前、漫画的表現もまだまだ未発達で、細かい部分は読み手の想像力に負うところが大きかったから、1ページあたりの話のスピードが断然速かった。