金もうけのためにマスコミに身内を殺され、自己責任扱いされる日本人

※本記事は『灘校物語』(小社刊)の出版を記念して、「まぐまぐ!」にて11月16日に配信された「和田秀樹の『テレビでもラジオでも言えないわたしの本音』」(https://www.mag2.com/m/0001686028.html)を加筆修正し、再掲載したものです。

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 総理主催の「桜を見る会」への招待が世を騒がせているし、その中止がさらに話題になっている。

 実は麻生太郎氏が首相の頃だから、2009年の春に、これに呼ばれたことがある。

 当時は今よりもっとおめでたい人間だったし、自分もやっと世に認められる人間になったのかと勘違いして、のこのことかけつけた。

 食事も予想外にしょぼいし、麻生氏と面識がなかったこともあって、まったく声をかけられることがなかった。

 後で聞くと、とある官僚が推薦してくれて呼ばれることになったという。

 食べ物のしょぼさ(これは予期していた)より、もっとがっかりしていたのはそのメンツだ。

 多少、芸能人やスポーツ選手も呼ばれていたが、特別枠のようで、その人たちが集まる場所があった。

 むしろ、田舎からきた県会議員とか村会議員とか、一介の自民党員がごそごそと来て、私も何人かそういう人から声をかけられた。

 当時は、多少の選民意識もあったので、正直なところちょっとがっかりした。

 内閣府からの招待だから、国の金の集まりなのに、自民党の支持者の接待になっているのはいかがなものかと多少の疑問は当時の私でも感じたものだ。

 桜を見る会のセキュリティチェックの甘さも問題になっている。総理が間近にいる会なのに、事実上ノーチェックだったようだ。

 実際、私のときもチェックを受けた記憶はない。

 招待客の皆様に不快な思いをさせたくないという配慮なのか、呼ばれた客を考えると絶対にテロ的なことは起きないという読みなのかはわからない。

 後者だとすれば、政府に批判的な人は呼ばないということだから、それを国の金でやるのは、公職選挙法の精神にもとる。

 確かに、選挙で政権政党が勝つことで、その選挙区に利益誘導といえるような公共事業がなされることはあった。

 しかし、選挙というのは選挙民に有利な政治をやってもらうためのツールとも言えるので、これを問題にするつもりはない。

 選挙で勝って、政権をとったら、支持者を国の金で接待するというのは、民主主義の国では許されないことだ。

 テレビのコメンテーターが、政治家が接待するのは法に触れるが、国の金で接待するのは法に触れないのがおかしいと論じていたが、そんなことは先進国ではありえないのが前提だ。自民党は憲法改正を求めているが、正直に、我が国には民主主義は合わないので、この手の規制のない封建制だの、王政に戻す憲法改正案を出せばどうだろう。

 日本人はマゾだから、意外に票が集まるかもしれない。

 ここしばらくの天皇陛下の即位にまつわる儀式でも感じることだが、この手の儀式の招待客がどういう基準で選ばれるのかが曖昧なのに、選ばれたものは選民意識をもつことは確かだ。

 私自身も恥ずかしながら10年前はそうだった。

 芸能人であれ、スポーツ選手であれ、作家であれ、それに呼ばれた人間は一流だと思うだろうし、人によっては、選ばれなかった人間に勝ったとか、そいつらのほうを下に見ることだろう。

 選ばれなかった人間にしても、私のように僻みっぽい人間は、自分はどうせ二流と感じるかもしれない。

 こういう形で、選ばれたものとそうでないものを分断するのは、どうしても好きになれない。

 園遊会もそうだが、おそらく官僚に気に入られた人間とか、政権与党に気に入られた人間が選ばれるのだろう。

 共産党やN国の議員が選ばれるとは思えない。

 スポーツや文化に功績があった人というのも、世界記録を出したとか、金メダルを取ったとか、わかりやすい基準があればいいが、そういう人でない人も選ばれている。

 ある程度、基準を明確にして、残りについては、たとえば財界人などは、誰を呼ぶかの基準が曖昧なら、いっそ高額納税者を上から1000人呼ぶとかしてはどうなのだろうか?

 明らかに国に貢献しているし、それをすれば脱税していた人が呼ばれたいばかりに経費を計上しなくても、自分の所得を多めに申告するようになるかもしれない。

 兆単位の税収増になることはあり得るし、これなら多少そういう会に金をかけても誰も文句を言わない。

 この手の皇室とか首相主催の集まりというのに呼ばれた人間は、より天皇陛下や首相のことを好きになることは間違いない。

 会ってみたら嫌なヤツとは思われない程度には儀礼を尽くすから感激する人のほうが普通だろう。

 陛下に関してはそれでいいのかもしれないが、首相が支持者を増やすために国の金を使うのは、やはり好きになれない。

 まだブッチホン(内閣総理大臣だった小渕恵三が著名人にかけた電話のこと。小渕の「渕」のテレフォンをかけ合わせた造語)のほうがましだ。

 さて、セキュリティの甘さの話に戻るが、実際、日本の警察はテロなど起こるものではないと思っているから、首相がそばに来るような会でろくに荷物の検査をやらないのだろう。

 ならば、今回の即位にまつわる行事での大げさな警備はなんだったのだろうか?

 今回は、見えるところは私服で警備をしていたようだが、交通規制では制服を着た警察官が一般市民を蹴散らすようにやっていた。

 大した警備をしなくても、テロなど起こらないのがわかっていて、自分たちが「やっています」と見えるために警備をしているなら市民には大きな迷惑だし、渋滞を作ることは地球環境に悪い。

 あるいは、警察には逆らえないぞというのを示すための行事ならなお性質が悪い。

 桜を見る会のようにすなおに市民を信用して、鍛えられたSPだけで警備をするほうが、よほどすなおに祝福できる。

 さて、東池袋の自動車暴走死傷事故で加害者が書類送検されたということでマスコミが騒いでいる。

 確かに若い母親と幼い子供が死に、10人が負傷した痛ましい事故だ。

 加害者はマスコミでぼろくそに叩かれ、被害者は厳罰を求める署名活動を始め、マスコミは全面的に味方している。

 結果を見たら仕方のないことだ。

 ただ、いっぽうで、確実に言えることは、この加害者のほかに交通事故の加害者は年間3,000人以上いるし、被害者は3,500人以上いるということだ。

 スマホをいじりながらとか、あおり運転まがいの危ない運転をして、人を撥ね殺したのに、飲酒をしていなかったり、高齢でなければ、マスコミは取り上げない。

 被害者だって、残りの3,500人の中には、「なぜ、うちの子も死んだのにマスコミは取り上げてくれないのだ」と、その映像をみて不快に思っている人もいるだろう。

「高齢者や飲酒運転の車に撥ね殺されたほうが、マスコミを通じて世間が同情してくれるだけはるかにまし」と思う被害者だっていないとは限らない。

 毎日、10件も交通事故の死亡者が出ているのに、マスコミがいろいろなことを煽りやすいものだけを重点的に取り上げる。

 それによって飲酒運転バッシングが起こったわけだが、そのきっかけになった東名の姉妹を撥ね殺した飲酒死亡事故の場合、ウィスキー1瓶とチューハイ1缶を飲んでいた。

 3人の子どもが犠牲になった福岡の飲酒死亡事故でも、運転者を含む3人で生ビールのジョッキを4杯、焼酎のボトル1本を空けたあと、スナックでブランデーの水割りを飲んだ後の事故であることがあきらかになっている。

 両者とも、あきらかに泥酔運転であり、酒気帯びレベルの運転ではない。

 しかし、警察は、日本人の程度を考えず、二分割思考(酒を一滴でも飲んだか、飲まないか)の特性を考えて、ビール一杯飲んだくらいで免許を取り上げる厳罰化を始めた。

 それによって、地方の飲食店はバタバタとつぶれ、跡地には警察の天下り先のパチンコ屋ができているという話を何人もの地方出身者から聞いた。

 アメリカでもフランスでも、食事のときに飲む酒では事実上つかまえない(ニューヨークは厳しいらしいが)。

 しかし、マスコミはスマホのながら運転の事故はまず報道しない。

 自分たちはタクシーチケットがあるから飲酒運転の心配はないが、スマホ運転が厳罰化されたら、わが身にふりかかるからと思えてならない。(※編注:このメルマガが出た時点では、スマホ運転の厳罰化は施行されていなかった)

 さて、交通事故の犠牲者でもマスコミにまったく取り上げられない気の毒な人がいるが、それでも近所の人は同情してくれるだろう。

 しかし、それ以上に、マスコミの人に殺された人たちは、自己責任の扱いを受ける。

 たとえば、「セブンティーン」(集英社)という雑誌は、まだ判断力が未成熟な10代半ばの少女を読者対象にしているのに、BMIが15を切るようなモデルをトップモデルに起用したりしている。

 それに憧れて、拒食症になった人はおそらく数多くいるだろう。

 毎年、約100人が拒食症で死んでいる。

 そういう雑誌が痩せすぎモデルと追放すれば、せめてティーンが読む雑誌だけでも追放すれば、半分くらいに減るはずだ。

 実際、世界的に見ても、拒食症が出現したのはツィギー以降であり、それゆえ、とくにヨーロッパでは痩せすぎモデルは追放され、それを使った雑誌やテレビは罰金を支払わないといけない。

 しかし、自分の子が、判断力のない中学生でも、痩せすぎモデルに憧れて、拒食症になって死んでも、自己責任の扱いを受ける。

 死ななかったとしても、思春期に過度のダイエットを行うと、子宮や脳の発育に大きな悪影響を及ぼすとされている。一生赤ちゃんを産めない体にされる女性が年間1万人は出ているだろう。軽度の知的障害になって、ろくな働き口がなくても自己責任の扱いだ。

 欧米だと、雑誌やテレビが断罪されるのに。

 毎年、100人もの命をうばっておいて、この老人を叩く資格があるのだろうか?

 WHOが再三にわたって、アルコール依存者を増やし、アルコール関連死を増やすからと、飲酒シーンを含む広告をやらないように勧奨しているのに、日本のテレビは自分たちの年収1,500万円を守るために、アルコールの飲酒シーンの広告はやめない。

 日本のアルコール関連死は5万人というのに。

 パチンコにしても200万人が依存症になり、それがらみの自殺は年に1,000人は出ているとされる。高齢者が起こす死亡事故より多いし、飲酒死亡事故の4倍もの数だ。

 それでも金もうけのための広告はテレビ局はやめない。

 自分たちこそ正義なのだ。

 チャップリンは『殺人狂時代』の中で、「一人殺せば悪党で、百万人だと英雄だ」と叫んだ。日本という国も、一人か二人殺せば悪党だが、万単位で殺せば正義の国のようだ。

 人殺しを断罪する前に、自分が何をやっているのか、胸に手を当てて考えられる人はいないのだろうか?

 テレビに出たい人間(私にはクソにしか思えない)が、この手の本質的なテレビの批判をしない時代が続く限り、誰にも同情されない自己責任の扱いを受ける被害者は、毎年、万単位で出続けることだろう。

 一定の確率で避けられない(飲酒運転をどんなに厳罰化しても、老人全員から免許を取り上げても毎年3000人は死ぬ)交通事故で亡くなる人より、そういう人が可哀相になってしまうのは、私が異常者だからだろうか?

和田秀樹(わだ・ひでき)
1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒。国際医療福祉大学心理学科教授。和田秀樹こころと体のクリニック院長。「I&Cキッズスクール」理事長。一橋大学経済学部非常勤講師。製作・監督した『受験のシンデレラ』はモナコ国際映画祭で最優秀作品賞(グランプリ)を受賞し、『「わたし」の人生 我が命のタンゴ』もモナコで4部門受賞、『私は絶対許さない』でインドとニースの映画祭で受賞するなど、映画監督としても活躍している。

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お上からばくちの権利を得て稼ごうとする、頭を下げることを忘れた政治家たち

※本記事は『灘校物語』(小社刊)の出版を記念して、「まぐまぐ!」にて9月14日に配信された「和田秀樹の『テレビでもラジオでも言えないわたしの本音』」(https://www.mag2.com/m/0001686028.html)を加筆修正し、再掲載したものです。

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 先週の「sakidori」(文化放送)で拙著『自分から勉強する子の育て方』(大和書房)について紹介した。もともとは「塾任せは子どもをつぶす」というタイトルで出したかったのだが、こんなタイトルにされてしまった本だ。これについては、2週間前のメルマガで言いたいことを書いているので、そちらを参照してほしいが、案の定、「それではテクニックじゃないか?考える力がつかない」という批判が、番組ツイッターにきた。

 テクニックで何が悪いのだろう?

 子どもというのは、それがテクニックであっても、いい点をとると勉強をやる気になるし、自己評価もあがる。逆だと勉強は嫌いになるし、自己評価も下がる。できない問題を考えても、できないことを思い知るだけで、考える力などつくはずがない。

 こういう根性論がいまだに幅を利かせているから、子どもの多くは受験勉強にルサンチマンをもつ。そして小学校も中学校も大学も受験していないような総理大臣を支持するようになる。その間に学力で韓国や台湾や中国にさらに大負けして、20年もすれば三等国になりかねないのに。

 朝日新聞もたまにはいいことを書くと思った記事、しかも、一面にあった(9月6日朝刊)。筑波大などの研究チームが、愛知県に住むもともと要介護認定を受けていない65歳以上の男女約2800人に協力してもらって、10年間の追跡調査を行った。結果的に、運転をやめた人は続けた人に比べて要介護になるリスクが2.09倍だったという。活動が減ってとのことだが、もともと私はそう思っていたが、ちゃんと統計を取る人がいて嬉しい。こういうまともな学者は医学部にはほとんどいない。動物実験ばかりやって、人間にも当てはまると信じるアホがなる仕事が大学医学部の教授というものだ。

 私は高齢者から免許を取り上げるのは財務省の陰謀だと考えている。多少介護費用がかかっても、2~3年早く死んでくれれば年金財政が浮くからだ。

 さて、上皇后が乳がんの手術を受けたというニュースが入ってきた。早期の乳がんで、がんだけ摘出して早くも退院し、外出もできているという。めでたしめでたしのような報道だが、私はこの歳のがん患者に手術をするのは反対だ。ましてや今年の6月に心不全の徴候がみつかり、息切れもあったというのだ。高齢者の場合、がんの進行も遅いし、がんだけをとる手術でも、それなりに体力を奪う。

 痩せるサプリの健康被害をワイドショーが大々的に報じていた。主にネット広告を行っていたサプリらしい。本当に痩せる人がそれなりにいたそうだから、食品というより、かなり危険なものであったのは確かだ。ただ、このサプリ会社がテレビ広告を打っていなかったから叩いているように思えてならない。要するに、みかじめ料を払っていなかったということだ。

 この薬の危険性のついでに、ネット広告の危険性も話題にしていた。本当に汚い。

 そもそも痩せるほうが6年から8年早く死ぬのだから、痩せさせることそのものが健康被害である。それなのに、世界の潮流に反して痩せすぎタレントを使い続け、痩せることが美しいような勘違いをさせ、人々を早死にに追いやっている。

 それだけでなく、若い(若くない人もいるらしいが、それでも平均寿命の半分くらいだ)女性を毎年100人くらい餓死同然の死に方にさせている。痩せ願望が拒食症につながるから、各国で痩せすぎモデルの追放をしているし、その使用者の処罰までしているのに、日本はテレビと芸能プロダクションがグルになって痩せすぎを使って喜んでいる。そんな奴らに命の大切さなど論じてほしくない。

 安倍改造内閣で、予想通り、小泉進次郎が入閣した。

 ヘマをやる心配がほとんどない環境大臣(本当は環境大臣にろくな人間がつかないから、異常気象が収まらないのだが)に就かせたということで、安倍氏か菅氏が気を使ったのだろう。

 育休を取るらしいが、大臣が育休を取っても大丈夫な役所として環境省が見られているということだ。日本の環境問題のお先は暗い。

 文部科学大臣の萩生田という男は、加計問題で、嘘つきと言われても仕方のないようなことをしているが、そういう人間を文科大臣にしたということは、もっとごり押しをしたいということだろう。明治大学商学部卒なのに、千葉の科学大学の客員教授に浪人中に就任できたというのは、文教族の強みなのだろうか? 早稲田実業高校(当時は付属ではなかったが、早稲田には行きやすかった)から明治に入った立派な経歴だ。

 中国にも韓国にも台湾にも学力で負けているのに、このレベルの人間を文科大臣に据えるとは、危機感のなさにあきれてしまう。

 国土交通大臣には、公明党の赤羽とかいう人間が選ばれた。

 ここしばらくこのポストは公明党が牛耳っている。福祉とか平和を売りにしながら、厚生労働大臣や外務大臣などのポストは求めないようだ。私の見るところ、今の公明党は、かつて池田大作が批判した宗教貴族そのものだ。

 実は民主党が政権に就く前に、大阪に飛行機で行こうとしたことがある。そうしないと講演会に間に合わなかったからだ。それなのに、機体の整備に時間がかかっているからと1時間も出発が遅れた。すると、顔が四角くて大きな男が、1時間後に秘書を連れて乗り込んできた。当時の公明党の冬柴という代議士だった。後で調べてみると国土交通大臣だった。この地位を悪用して、飛行機を止めるようなことを平気でやるのだ。

 どういうわけか、その飛行機に辻元清美も乗り合わせていた。『朝生』か何かでご一緒したので、飛行機を出るとき一緒に怒った覚えがある。こんな私物化が許されるのか?

 ところが、民主党が政権を取ると、鳩山内閣で国土交通副大臣になった。飛行機が好きに止められる地位に憧れたのだろうか?

 辻元氏がどんな人間かはわからない。ただ、民主党が政権を取るまではきさくな人だったのに、政権を取ってからはかなり態度が大きくなったと、私の周りの人間の多くが言っているのは確かだ(私はその後、じかにお会いしたことがないので、軽々なことは言えないが)。

 いずれにせよ、公明党は、この国土交通大臣というポストを重視している。

 公明党や学会のおえらいさんのために、飛行機を私物化するためなのか、学会の人が経営する土木業者に仕事が回しやすくするためかわからない。

 学会にもいろいろな人がいるし、お金を持っている人のほうが選挙の時に役立つので、そういうこともあるかもしれない。

 ただ、私の60年近く生きてきた経験で言うと、公明党の議員(そんなに何度も会ったわけではないが)の態度は大きいが、創価学会の人たちはいい人が多い。礼儀も正しい。

 そういういきさつもあって、学会系の雑誌や新聞の取材を何度も受けているので、ウィキペディアに私が創価学会員と書かれたことがある。

 学会の一般会員は平和を愛し、弱者に優しく、腰も低い。そういう人を使って、偉そうな態度を取り、自分たちが飛行機を止めるような特権を振りかざす公明党の議員は許せない。

 今回、れいわ新選組から沖縄の創価学会員が立候補したが、学会の人の多くは憲法改正に反対だし、集団的自衛権にも反対だ。

 しかし、公明党の議員は自分たちの特権のために、平気でそういう大義名分を捨てる。

 とくに池田大作氏が公明党に文句を言えない状態(脳のせいか、老化のせいかはわからないが)になってからは、それがひどいようだ。

 今回、国土交通大臣に選ばれた赤羽氏について、ウィキペディアにこう記載されている。

 日本の集団的自衛権の行使解禁には明確に反対していた。

 2012年の第46回衆議院議員総選挙に際し、集団的自衛権の行使を禁じた憲法解釈を変更すべきか問われ、見直す必要はないと回答していた。

 また、2014年の第47回衆議院議員総選挙に際し、集団的自衛権の行使に賛成か問われ、反対すると明確に主張していた。しかし、集団的自衛権の行使容認を盛り込んだ「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律」案と「国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律」案が第189回国会に上程されると、一転して賛成票を投じた。

 親愛なる創価学会の人たちも、一度、この宗教貴族たちにお灸を据えてやってくれればいいのにと真剣に思う。

 ついでに、内閣改造で西村康稔なる私の灘校の後輩も大臣に選ばれた。どういうつてか、私が灘校の先輩ということで、自民党の機関誌で彼と対談をすることになったが、20分ほど遅刻してきて、まともなわびもないし、その後の態度もひどいものだった。

 こんな一般人の心理学がわからない人間に、経済再生ができるとはとても思えない。

 別の灘の後輩の鈴木寛なる男も、先輩に対する口の利き方がわからないようだった。文教行政をやるならもう少し日本語を覚えろと言いたいが、国会議員という地位につくと、先輩か後輩かより、国会議員か一般人かという区分けをするようだ。

 彼らに限らず、頭を下げたことがない、頭を下げることが嫌いな奴が、当たり前に政治家になる時代になった。

 小泉進次郎だって、菅氏とかには頭を下げるのだろうが、大衆には上から目線なのに、タレント性が強いので、人気はすごい。

 前から言っているように日本は民主主義国などではなく、世襲のほうが偉い封建国家なので、威張るタイプの政治家のほうが、腰が低い人より票が入るのだろう。

 大阪でも庶民派から、中国や韓国に頭を下げる必要のないというような偉そうな奴が、政治家でも文化人でも人気を得ている。

 公務員にも威張り散らして、お前らが税金の無駄だと言い放っているが、それで彼らのモチベーションが上がるのだろうか? 私が子どもの頃は、大阪商人の血を継ぐ祖母から「頭を下げるのはタダ」と散々聞かされた。

 そのほうが経済がうまくいくなら、気に入らない客でも頭を下げて、帰ってからアカンベーすればいいという本音も聞いた。今の日本の政治家にはそれができない。

 大阪では、商人でなく、お上から仕事をもらう土建屋の息子が府知事から市長になった。

 市長から府知事になった男も、頭を下げる必要のない弁護士先生だ。その親玉の橋下という人も弁護士先生。それを引き上げたたかじんとかいう歌手はええとこのボンボン。今の大阪文化人の代表も作家先生。

 自分たちが頭を下げて商売繁盛というより、お上からばくちの権利を得て稼ごうとする魂胆がいやらしい。大阪も終わりに近い。

 もっとも、日本のトップが、地元に年に一回しか帰らず、有権者にすらろくに頭を下げないで済むボンボンだ。アメリカのトップには、オバマとトランプという、政治信条がまったく違う人間にヘコヘコできる立派な方ではあるが。

和田秀樹(わだ・ひでき)
1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒。国際医療福祉大学心理学科教授。和田秀樹こころと体のクリニック院長。「I&Cキッズスクール」理事長。一橋大学経済学部非常勤講師。製作・監督した『受験のシンデレラ』はモナコ国際映画祭で最優秀作品賞(グランプリ)を受賞し、『「わたし」の人生 我が命のタンゴ』もモナコで4部門受賞、『私は絶対許さない』でインドとニースの映画祭で受賞するなど、映画監督としても活躍している。

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