今年78歳だが、世界中で大ヒットしたアクション映画『インディ・ジョーンズ』シリーズの5作目となる新作に主演するハリソン・フォード。2月の『野性の呼び声』のワールドプレミアでは、高齢でインディアナ・ジョーンズを演じることについて「タイトなパンツと厚底ブーツで走り回っても滑稽に見えないように頑張らないと」と本音を漏らしていたが、撮影には強い意欲を見せていた。
新型コロナウイルスの世界的感染拡大を受けて、『インディ・ジョーンズ』最新作の公開予定日は2022年7月29日に延期されてしまったが、ハリソンが主役を務めるのだから興行成績は大成功を収めることになるだろうと、早くも期待が集まっている。
ハリソンが引退せずに役者を続ける理由は、ずばりお金のため。10年前に受けた英大手新聞「インデペンデント」紙で、「役者はお金のためにやってる」「まだまだ金持ちで有名になりたいんだよね」と発言するなど、“少々変わった”ハリウッド大御所俳優なのである。
今回は、そんなハリソンと共演した役者たちが語る、彼の知られざる意外なエピソードをご紹介しよう。
「おい、がきんちょ」と共演者を叱責
出世作となる名作SF映画『スター・ウォーズ』シリーズで、チューバッカと共に密輸業を営む無法者だったが、ひょんなことから銀河帝国との戦いに加わるハン・ソロ役を演じたハリソン。“遠い昔、遥か彼方の銀河系”を舞台にした同作のことを、ハリソンほど理解していた者はいなかったと、ルーク・スカイウォーカー役を演じたマーク・ハミルは語っている。
マークは昨年、ゲスト出演した深夜トーク番組で、「ゴミ処理区から出てきた直後のシーンを撮影する時、(汚れたメイクをしなかったから)自分は『ちょっと待って! ゴミ処理区から出てきたんだから、髪は濡れてベトベトになってなきゃ、おかしいんじゃないか?』って意見したんだ」と回想。
「そしたらハリソンが振り返って、俺を見つめてこう言ったんだ。『おい、がきんちょ。俺たちが撮影してるのは、そういう類いの映画じゃないんだぜ』『もし、観客が俺たちの髪の毛を気にしたら、この映画はダメなんだ。わかるか』って」
もやもやしていたマークは、この言葉に「その通りだ! って納得させられたよ」といい、ハリソンの洞察力の鋭さに感心したことをしみじみと語った。
2016年12月に急死したレイア姫役のキャリー・フィッシャーは、自叙伝『The Princess Diarist』の中で、「お酒は好きじゃなかったけど、撮影当時は19歳で背伸びしていたから、勧められるとガブガブ飲んでいた」と告白。ジョージ・ルーカスの誕生パーティーで飲んでいたとき「ハリソンがやって来て、そんな私を風に当たらせたいと外に連れ出したことがあった。彼はそのまま自分の車に私を押し込み、そこで私たちは性的関係を持った」と赤裸々につづり、14歳年上の当時妻子持ちの既婚者だったハリソンと不倫関係にあったことを暴露している。
「平日はレイアとハン、週末はキャリーとハリソンに戻り、愛し合った」「私は性経験がなかったけど、彼は豊富だったから信用したの。彼はとてもハンサムで、優しかった」とバラされたハリソンは、「妻子持ちなのに酔っぱらった若い娘とセックスするなんて最悪」「ハリウッドではよくあることなんだろうけど、気持ち悪い」と叩かれてしまった。
出版前に、過去の不倫について書かれているとの説明を受けていたというハリソンは、キャリーが急死したため、この件についてのコメントを控えていたが、17年9月に男性誌「GQ」のインタビューで「(40年前の不倫を暴露されたことは)変な感じだった」と短く発言している。
「この役者をクビにしない限り、俺は戻らない」撮影中に大激怒
『スター・ウォーズ エピソード4/ 新たなる希望』(77)『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(80)に続き公開された『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(83) で、「ジャバの宮殿にカーボン凍結されたハン・ソロが、解凍された直後、変装して彼を助けに来たイア姫にキスをする」シーンを撮影したハリソン。その際、パペットやかぶりもののキャラクターたちが「キスしたのを見たぞ!」と口々に言い大騒ぎするという展開になったのだが、そのことに大激怒したと共演者から暴露されている。
アクバー提督役を演じたティム・ローズは、問題のシーンを撮影した直後にハリソンが、リチャード・マーカンド監督に向かって「パペットたちは俺のセリフを聞いて笑う、という設定になっているのか?」とブチ切れ、「(大騒ぎによって自分の声がかき消されしまい)ADR(吹き替え)のためにまた戻らなくちゃいけないなんてことはゴメンだからな!」と怒鳴りつけたと証言。
監督はパペットやかぶりもの役者たちに「声を出さずに同じようなリアクションをしてくれ」と告げ、再度撮影。3度目のテイク前に、ティムは監督から「(このシーンを)どう思うか」と尋ねられ、「あのハリソンって男が……俺たちの笑う声にかぶるのかい? 嫌な気持ちになるなぁ」と正直に答えたところ、マイクがオンになっていたためハリソンにも聞こえてしまったとのこと。
ティムの言葉を聞いて再び大激怒したハリソンは、「この役者をクビにしない限り、俺は戻らない」と吐き捨てて帰ってしまったという。幸い、ハリソンはかぶりものの中身がティムだと気づいてなかったため、監督たちの計らいでティムは別のかぶりものの役に変更して、撮影を続行したと明かしている。
副業を持つロス市警の若手と中年の刑事コンビのドタバタとその活躍ぶりを描いた本作で、ハリソン演じるジョー・ギャビラン刑事のバディ、K・C・コールデン刑事役を演じたジョシュ・ハートネットは撮影中、ハリソンとの仲が最悪だったことを認めている。
ハリソンはジョシュのことが気に食わず、陰で「パンク(青二才)」と呼び、ジョシュもそんなハリソンが大嫌いで、陰で「クソじじい」と呼んでいたと伝えられているが、ジョシュは「車内の撮影シーンでは、どちらも何も言わず、1時間近く黙りこくって車内にとどまっていたなんてこともあったな」と回想。
「自分の我慢強さが試されていた時期だったんだと思ってる」「でも、クランクアップ間近になって、多少は 馬が合うようになったんだけどね」とボソッと明かしたが、プロモーションツアー中も口論したそうで、最後まで2人が仲良くなることはなかったといわれている。
マザーファッカー級にクールな“自己中”対応
SF映画の金字塔『ブレードランナー』の続編で、前回に引き続き「違法人造人間(レプリカント)を処分するブレードランナー」役を熱演したハリソン。本作では新型のブレードランナーとして人気俳優のライアン・ゴズリングが登場するのだが、そのライアンが、ハリソンの“自分のことしか考えない自己中男”的エピソードを披露している。
ライアンは、16年に「GQ」誌のインタビューで、「ファイティングシーンがあって、ハリソンのパンチが俺の顔に命中してしまったことがあってね」「で、この話の何が面白いのかというと、撮影が終わってスタッフが俺の顔を冷やすために氷を持ってきてくれたんだけど、ハリソンは俺を押しのけて氷を奪い取り、自分の手を冷やし始めたんだよ」と暴露。
「(殴られた俺の顔を冷やす氷だろうよ!と)呆然とする俺のもとに監督がやってきて、こう言った。『インディアナ・ジョーンズに殴られたんだ!って思えばいいんだよ』」と変に慰められたことを回想した。
その後、さすがにパンチを当ててしまって悪いと思ったのか、ハリソンはスコッチの瓶を持ってライアンのもとにやってきたそうで、「あぁ、なるほどね。先輩俳優が酒を差し出し、一緒に飲んで、水に流そうって展開か」と直感。しかし、ハリソンは自分のポケットからグラスを取り出し、スコッチを注いでライアンに手渡しただけ。語り合うなんてことはなく、そのまま瓶を持って立ち去ってしまったそうで、ライアンは再び 呆然。「ヒーローには会わないほうがいいって言うけど、『マザーファッカー級にクールなハリソン・フォードは別だ』って言わせてもらいたいねぇ」と、貴重な経験ができたと喜んでいた。
ちなみに、ライアンはこの作品のプロモーションのため、ハリソンと一緒に英人気トーク番組『グラハム・ノートン・ショー』に出演。ハリソンに何度も名前を確認され、苦笑いしていた。それに対しネット上では、「認知能力が低下しているのか、それとも天然なのか」「いや、自分以外の役者には興味がないだけだろう」と大きな話題となった。