トランプへの皮肉で人気急上昇! アンドリュー・クオモNY州知事、日本であまり知られていない「7つ」のこと

 新型コロナウイルスによる死亡者が10万人を超えたアメリカ。大規模感染の震源地となったニューヨーク州では3月以降、感染者数が急増し医療崩壊の危機に直面したが、住民はパニックに陥ることなく、州が出す要請に従った。

 自我の強いニューヨーカーたちが一丸となって事実上の都市封鎖に従ったのは、「責任はすべて私が持つ」と言い切り、休むことなくコロナ対策に奮闘するアンドリュー・クオモ知事の姿に心を打たれたから。

 科学的根拠に基づく対策を打ち出し、定例記者会見ではどんな絶望的な状況でも隠すことなく州民に報告。州民は、そんな姿勢に絶大な信頼を寄せるようになった。そんな定例記者会見は、トランプ大統領からの文句や言いがかりへの反論が最高だと全米が注目するように。大統領指示で送られてきた人工呼吸器が少なすぎると発言していた会見中に、大統領が「文句ばっかり言ってないで、ちゃんと仕事しろ」とツイートしたことを記者から告げられると、「私の会見なんか見ている大統領の方こそ、仕事なさったほうがいいのでは」と神妙な面持ちで痛烈に批判。

 「医療機器などを送っているのに感謝しない」という大統領のツイートには、「感謝すべきことには、ありがとうと言っている。一体どうしてほしいのか、ブーケや花束も贈ったほうがいいのか」「あなたは大統領の仕事をしたまでだけど、どうもありがとうございました」と涼しい顔で皮肉たっぷりに返し、「大統領より何枚も上手!」と称賛されている。

 未曾有の事態における強いリーダーシップが高く評価され、「大統領選に出馬してほしい」と熱望されているクオモ知事について、日本ではあまり知られていないその素顔を紹介しよう。

1:一族の経歴が華麗すぎる!

 4人の祖父母はいずれもイタリア生まれか、イタリア系であるクオモ知事。ニューヨークで生まれ育った父マリオは、法律を学んでいたニューヨークのセント・ジョーンズ大学で母マチルダと知り合い、結婚。弁護士事務所で働いた後、政治家へと転向し、ニューヨーク州務長官、副州知事、州知事を歴任し、地元ニューヨークに尽くしてきた人物でもある。

 クオモ知事が連日行っている記者会見では、母親を気遣う言葉を頻繁に口にし、「さすがママ大好きなイタリア系だ」と話題に。重症化しやすい70歳以上の高齢者を守るために作った法は、母の名前から「マチルダ法」とするほど。

 知事には3人の姉妹、13歳年下の弟がいる。長女マーガレットは放射線科医師で、母と共に財団を立ち上げてイタリア語教育促進に貢献。次女のマリアはエミー賞を獲得しているドキュメンタリー・プロデューサーで、ホームレスの権利のためシェルターを設立するなど活動家としても活躍している。ファッションデザイナーのケネス・コールの妻としても有名だ。

 三女マデリーンは弁護士で、弟のクリスは弁護士免許を取得後、ジャーナリストに。CNNのアンカーとして人気を博し、1997年には「People」誌の「最もセクシーな人」に選ばれた。ジョン・F・ケネディ・ジュニア急死後は、「ニューヨークの独身男性の中で、結婚相手として最も理想的な人」と呼ばれるようになった。

 父マリオがニューヨーク州知事選に立候補した際、クオモ知事は選挙対策委員の一員となり、全力でサポート。当選後も同居し、アドバイザーとして父を支えた。年間1ドルの報酬しか受け取らなかったと伝えられているが、父を通して強力な人脈を築いた。

 ホームレスに住宅を供給するNPO団体「特権なき住宅供給事業」を創設し、1993年からは当時のクリントン政権から米住宅都市開発局の一員に抜てきされる。97~01年には同局長官を務めた。

 そんな中、90年にはケネディ家の一員で、故ロバート・ケネディの娘であるケリー・ケネディと結婚。結婚生活はケンカが絶えなかったようで、2005年に離婚。ケリーとの間にもうけた3人の娘はみな才女で、ハーバード卒のカーラは現在知事と一緒に暮らし、新型コロナウイルス対策をサポート。カーラの双子の妹で、ブラウン大卒のマリアもニューヨーク市保健局のボランティアとして、マスク着用の推進活動を行っている。三女ミカエラは、先日ブラウン大学を卒業したばかり。クオモ知事が、若者に自粛生活の重要性を呼びかけた会見では、知事の隣に座ってサポート。Twitterで政治的発言をよく投稿することから、ミカエラが政治家として後を継ぐのではないかと期待が高まっている。

3:仲の良い弟とのトークで好感度アップ!

 前述の通り、弟クリスはCNNの人気アンカー。旬のゲストを迎えて鋭く切り込むロングインタビューが売りの看板番組『クオモ・プライムタイム』を持つ有能なジャーナリストだが、これまでクオモ知事にインタビューをすることはなかった。

 しかし新型コロナ感染拡大に伴い、知事が『クオモ・プライムタイム』にリモート出演するように。2人はコロナに関する深刻な話の合間に、仲の良い兄弟だからこそのコミカルな会話を交わし、これが毎日悲惨なニュースばかりで落ちこんでいたアメリカ人の楽しみとなった。

クリス:「お忙しいところ出演していただき、ありがとうございます」
クオモ知事:「お袋が出ろと言うからね」
クリス:(白目)

クリス:「州のために懸命に働いてらっしゃいますが、どうか母に電話してあげてください。声を聞きたがってますよ」
知事:「この番組に出る前に、お袋に電話したよ。『息子の中で、あなたが一番のお気に入り』って言われたよ。おまえは2番目に好きだって。よかったな」
クリス:「いや、そんなこと言わないでしょ」

知事:「言うわけないし」

 またCMを流すため「すみませんが」と話を遮るクリスに、クオモ知事は「すまないと思うなら、遮るな」と一蹴。「親父譲りなんですよね。あなたの(物事を)ガンガン進めちゃうところ」と返したクリスに、「自分は譲り受けてないとでも?」と真顔で言い放った。

 丁々発止のやりとりを見せていたが、クリスがウイルスに感染し、自宅地下室に自主隔離しながら番組を続けた際には、知事は「つらいだろうが、多くのアメリカ人が必要としている情報を発信している」「誇らしく思う」と称賛。定例記者会見でも弟を気遣う兄の顔を見せ、全米が感動。ますます好感度がアップした。

 クオモ知事には意外な友人がいる。歌手のビリー・ジョエルだ。ニューヨークで生まれ育ったという共通点を持つ2人は長年友情を温め、15年にビリーが32歳年下の女性と4度目の結婚式を挙げた際には、クオモ知事も参列。ビリーはこの4番目の妻との間に、4歳と2歳の娘がいるが、4歳の娘のゴッドファーザーがクオモ知事であり、家族ぐるみの付き合いをしている。

 大型バイクが趣味である2人は、「9.11被害者を追悼しながらグラウンド・ゼロまでライディングする」というイベントに何度も参加。16年6月には、乳がん啓蒙のためのモーターサイクル・ライドに一緒に臨み、バイクを通して行える活動に積極的に参加している。

 クオモ知事は、音楽ストリーミングサービス「Spotify」のプレイリストに、ビリーの曲がを何曲も入れていると語るなど、アーティストとしてもビリーを敬愛しているようだ。

その5:ニップルピアス愛用疑惑!?

 3月末の定例記者会見で、ジャストサイズの白いポロシャツを着用していたクオモ知事だが、ネットユーザーは、乳首周辺にピアスのようなシルエットが浮かんでいることに注目。「まさかニップルピアス?」と、騒然となった。

 人気深夜トーク番組『Late Show』で取り上げられるほど話題になったが、知事側は否定。このニップルピアス疑惑だが、「乳首を目立たなくさせるために貼ったテープが、ピアスのように見えただけ」という説が有力。テープにシワがよって浮き上がってしまったのだろうとみられている。

その6:美人料理家のガールフレンドとは切れぬ仲?

 「理想的な独身男性」として女性人気の高いクオモ知事だが、昨年まで長年の恋人がいた。お相手は、アメリカで人気の美人料理研究家サンドラ・リーだ。

 05年にパーティで知り合った2人はたちまち恋に落ち、交際を開始。サンドラは、いくつもの看板番組を持ち、これまでに料理本を27冊出版。推定資産2,000万ドル(約21億円)と自立したキャリアウーマンで、知事と出会った当時は20歳年上の億万長者と離婚したばかり。2人はバツイチ同士のカップルとなった。

 08年、知事はサンドラの家に移り、同居を開始。ケンカすることのない穏やかなカップルで、家族を交えて夫婦同然に生活していた。15年にサンドラが乳がんのため乳房切除術を受けた時も、知事は多忙な中、彼女に寄り添い励ました。ところが皮肉なことに、がん寛解後に彼女は乳がん啓蒙者として活動をするようになり、一緒にいる時間が激減したため、すれ違いが生じたとみられている。サンドラの家が売りに出され、2人は別居したと報じられてからしばらくした、19年9月、破局について共同声明を出したのだった。

 元恋人になったはずのサンドラだが、新型コロナへの対応でクオモ人気が高まると、「彼とは、家も友情もシェアしている仲」「破局後、どちらも新しい人とはデートしていない」「彼はまだ私の男」と、世の女性たちをけん制。「死ぬまで彼のことは守るし、何かあったらすぐに駆けつける」と、“自分は特別な存在なのだ”と猛アピール。彼女は知事のニップルピアス疑惑でネット上が大騒ぎしていた際にも、「みんなのために一生懸命働いている人に、そんなくだらないことを言うな!」と激怒していた。

 11月3日に行われる、2020年アメリカ合衆国大統領選。新型コロナウイルス感染拡大に伴う失業率増加と景気後退を受け、共和党のトランプ大統領が再選されるのは難しいという見方が出ている。

 一方で、民主党代表候補確実だとされるジョー・バイデン前副大統領についても、イマイチだと考えている人が多い。英・メイ前首相のことを「サッチャー首相」と言い間違えたり、外交政策スピーチではイラクとイランを混同。スーパーチューズデーで勝利した際にも、妻の右手を持って「私の妹ヴァレリー!」と言うなど、物忘れのような言い間違えを連発。講演で「貧しい子どもたちだって、白人の子どもと同じように頭が良く、才能があるんだよ」と励ましては白人至上主義者とバッシングされるなど失言も多く、北朝鮮の国営通信社「朝鮮中央通信」からは、「愚鈍でIQが低い」と馬鹿にされる始末。挙句の果てには、民主党のイベントで「合衆国上院議員に立候補しています!」と自己紹介し、「ジョーは、自分が大統領に立候補してると理解しているのか?」と国民からも心配されているからだ。

 そのため、コロナ禍で強いリーダーシップを発揮するクオモ知事に対し、「大統領になって!」という声が巻き起こっている。今からでも民主党代表候補に立候補し、国を立て直してほしいというのだ。

 しかし、残念ながらクオモ知事にはその気はないよう。3月、弟クリスの番組に出演した際、「みんな知りたがっているから答えてほしい。大統領選に出る可能性はあるのか?」と問われると、「ノー」と即答。「答えないということ?」と問われて、「答えはノーということだ」。さらに「考えたことはある?」「ノー」、「考える余地は?」「ノー」と断言。

 昨年、22年の次期知事選に出馬する意向を明かしていること、父マリオも期待されるも大統領選には出馬しなかったため、今後も大統領選に出馬する可能性は低いとみられている。

金城武は今どこに? 台湾でいまだ支持を集める29年間ノースキャンダル俳優の歴史

 新型コロナウイルスによる肺炎で逝去した志村けんさん出演の「台湾観光CM」が再度注目を浴びたが、共演者の俳優・金城武はいま何をしているのだろうか? 金城といえば映画『レッドクリフ』(2008~09年)で天才軍師・諸葛孔明を演じた姿が印象深いが、日本のメディアではドラマ『ゴールデンボウル』(02年/日本テレビ系)の出演を最後にめっきり姿を見せなくなった。今回はそんな彼の現在を追ってみたい。

 今年46歳となる金城は、日本人の父と台湾人の母との間に産まれた日台ハーフ。これまで数々のCMや映画に出演してきた言わずと知れた「アジアの大スター」だ。幼少期は台湾で生活していたが、当初はハーフ故に周りから寄せられる好奇の目に困惑していたという。この頃に感じた「孤独」が、後の金城に「大きな影響を与えた」と台湾メディアのインタビューでも度々答えている。

 そんな彼が芸能界入りしたキッカケは、15歳の頃友人の母に誘われて出演したサイダー飲料のCMだ。当初は乗り気でなかったそうだが、丁度バイクが欲しかったので承諾したんだとか(スター誕生にありがちなエピソードだ)。こうして、長きにわたる芸能生活が始まることになる。

 その精悍なルックスからすぐさま台湾中の話題となった金城は、香港、日本へと活動の幅を広げていく。日本語、北京語、広東語、台湾語、そして英語が堪能という類稀な才能を生かし、映画『恋する惑星』(原題:重慶森林/1994年)への抜擢、99年にはディズニー映画『ターザン』の日本版、香港版、台湾版の声優を務めるなどアジアを股にかけて活躍を見せてきた。

 そして日本では、HIV感染症をテーマにしたドラマ『神様、もう少しだけ』(98年)が大ヒットしたことにより爆発的な知名度を得ることに。『SMAP×SMAP』や『とんねるずのみなさんのおかげでした』(すべてフジテレビ系)などバラエティ番組に出演した際も、ほとんどネイティブといって遜色のない日本語を駆使し、軽妙なトークで出演者とコミュニケーションを取っていた姿を覚えている人も多いだろう。志村氏と共演した「日本アジア航空」CMの出演もこの時期だ。しかし、中山美穂とダブル主演を務めた『二千年の恋』(00年/フジ系)、黒木瞳演じる主婦との恋を描いた『ゴールデンボウル』以降、日本のドラマ出演はパッタリとなくなってしまう。

 この頃から金城は、香港や台湾はもとより台頭しつつあった中国映画に重心を移していく。『ターンレフト・ターンライト』(原題:向左走、向右走/02年)『LOVERS』(原題:十面埋伏/04年)『傷だらけの男たち』(原題:傷城/06年)そして『レッドクリフ Part I』(原題:赤壁/08年)と、大作への出演が続き映画俳優へステップアップしていったのだ。

<日本から消えた金城、現在は不労所得で食っている!?>

 さて、世界的映画スターとなった金城は現在どこで何をしているのだろうか? このご時世にもかかわらず、オフィシャルSNSを持たない彼の私生活はいまだに謎に包まれたまま。これまでも中華圏メディアが何度も恋人の存在や、結婚について調べようと躍起になったが、まったく何も出てこない。29年間目立ったスキャンダルもなく活動を続ける、パーフェクトマンだ。

 熱愛も結婚もないが、実は仕事量もかなりセーブしているよう。ここ直近の主な活動としては、昨年に台湾の大手ペットボトル飲料『御茶園』のCM出演と、映画『The Crossing ザ・クロッシング』くらい。同作ではチャン・ツィイー、ソン・ヘギョ、長澤まさみらアジアの豪華キャストと共に歴史に翻弄される男を演じ、日本でも公開されたが大ヒットには至らなかった。しかも同作、制作されたのは2014年と結構前のこと。

 『御茶園』のCMを見ればイケメンぶりを保っていることは確認できるが、あれだけ日本で活躍していた時代があったことを考えると「もっとたくさん露出してもいいのでは?」と思ってしまう。ところがどっこい、台湾メディアの報道によると、彼は各地に不動産を所持しておりその運営や投資などで稼いでいるため、馬車馬のように働く必要がないのだという。「金ならある」ということだ。日本の映画界もドラマ界も少々停滞気味ではあるし、金城の琴線に触れるオファーがないのかもしれない。

 だが、ファンは金城の精力的な活動を強く望んでいるはずだ。その証拠に、20年4月23日に台湾メディア『三立新聞網』に掲載された「台湾の芸能人でイメージがいいのは誰だ?」という記事の中で、なんと金城の名前がメインで登場したのである。近年は大きく目立った活動をしていないにもかかわらず、ネットからは「こんなにカッコイイのにスキャンダルが1つもないなんて自制力の塊!」「時代の神」「完璧すぎるんだよなあ」といった称賛の声が続出しており、彼の人気ぶりが健在であると証明された。

 こうした台湾での支持率を鑑みれば、仕事のオファーは引く手あまたなはず。不動産で稼ぐのもいいけれど、やっぱりテレビや銀幕で活躍する姿が見たいと思ってしまうのだ。そして、あわよくばまた日本の作品でお目にかかれればもっといいのだが……。

EXILE・AKIRAが台湾で大人気! 低視聴率男から「国民のお義兄さん」へ成り上がりヒストリー

2019年、台湾人モデルのリン・チーリン(林志玲)と結婚し、日台双方で大きな話題を呼んだEXILEのAKIRA。06年にグループに加入して以降、ダンサーとしてだけでなく俳優業にも精を出すものの、主演したドラマはヒットに恵まれず、日本での一般知名度や人気は同期のTAKAHIROに比べると目立たない印象が拭えないだろう。しかし、現在彼は妻の故郷・台湾でジワジワ活動の範囲を広げており、「国民姐夫」(国民の義兄さん)として親しまれているのだ。もちろん、リン・チーリンの知名度あってのことだが、台湾人がAKIRAに好感を抱くのはそれだけの理由ではない。今回は、「AKIRA in TAIWANヒストリー」を解説していきたい。

 AKIRAが台湾に進出したキッカケは2014年に同国で放送されたドラマ『GTO TAIWAN』にさかのぼる。本作は藤沢とおる氏による大ヒットマンガを実写化し、日本で人気を博したドラマ『GTO』シリーズの番外編的な位置付けだ。AKIRA扮する鬼塚英吉が、台湾の高校から1週間の研修プログラムに招待されるというストーリーで、当時、総務省が推進していた補正予算施策のひとつ「アジア地域における国際共同製作に関する調査研究」の支援を受けて制作されたものだった。

 しかし、城田優や山本裕典など豪華キャストを取りそろえたにもかかわらず、日本はおろか台湾でもさほど話題にはならず。実は、現地では反町隆史が鬼塚役を務めた1998年版『GTO』が繰り返し再放送されるほどの人気で、「鬼塚=反町」「GTO=POISON」という方程式が出来上がっていたのだ。そう、日本でもそうであったように、AKIRAが反町のイメージを覆すことはできなかった。20代後半以降の台湾人に『GTO』の話を振ると、ほんどの人が「ポイズン懐かしい」「反町かっこよかった~」と振り返るだろう。

「国民の姉」と呼ばれ、長年親しまれているリン・チーリンとの結婚が発表された際も、一部の日本通を除き「AKIRAって一体誰なの!?」という反応が大半だった。そもそもチーリンには長年恋人関係が続いているのではないかとウワサされていた俳優がいたのだが、別れたという報道が出てからは誰もが「この先結婚できるのだろうか」と心配したという経緯がある。そこで突然彗星の如く現れ、「国民の姉」を嫁にしたのだから、台湾人から困惑の声が上がりまくるのも頷ける。

 結婚発表後、現地メディアは次々と「リン・チーリンの旦那はどんな人?」「日本での立ち位置は?」「今知っておくべき日本の芸能人の1人」といった記事を配信。一時期は多数の情報が交差し、「逆玉の輿か?」「彼女にとっては格差婚になるのでは?」という評価が多勢だったが、最終的には「チーリンが選んだ男ならきっといい奴だ!」と好意的にとらえられた。AKIRAの知名度は「大勢いるEXILEの中の1人」から「国民の姉を射止めたAKIRA」にまで上昇したのである。これもひとえに、チーリンのイメージがいかに良かったかということの表れでもある。

 しかし一方で、AKIRAの人気は結婚に付随したものだけではない。彼は突然の注目の裏で、台湾のチーリンファンに好印象を持ってもらおうと地道な努力を続けていたのだ。

 2020年の春節(旧正月)に行われた『超級巨星紅白芸能大賞』(日本でいう紅白歌合戦)にEXILEとして出演したAKIRAは、番組に向けての記者会見で「台湾でパフォーマンスを行うことになったきっかけは何か?」と問われた際「AKIRAさんのために台湾行くよ! とメンバーが言ってくれた」と笑顔を見せ、続けて台湾ビールや小籠包が好きだとコメント。

 さらに、自身のあだ名「国民の義兄」について「温かいネーミングをつけてくださってうれしいです。チーリンがこれまで台湾の方々と本当に丁寧に接してきて、そういうバックボーンがあるからこそだと思います」と丁寧に感謝の意を示し、現地のグループに対する好感度の上昇に大きく貢献した。番組のために作り直したという音源を使用したパフォーマンスも若い視聴者の反響を呼び、改めてEXILEのファンになったという人も大勢現れた。

 台湾とは政治的な理由で「微妙な関係」にある中国では、しばし「台湾を優先した」「台湾を一国だと認めた」という理由で他国の芸能人をバッシングする傾向が見受けられるため、「今後中国から圧力がかけられるのでは?」と心配の声が上がっていた。そんな中でも、AKIRAはこういった「親台」発言を物怖じせずに行ったことから、「なんかうれしいね」と各所で称賛されるという現象が起こっている。

 直近ではファッション誌「GQ TAIWAN」3月号の表紙を堂々と飾り、着実に実績を残しているAKIRA。知名度の上昇はもちろんチーリンのお陰という点が大きいが、その後の発展は彼自身の努力から生まれたものだろう。今後の活躍にも期待したいところだ。

GENERATIONS・片寄涼太、中国で「桁違いの大ブレーク」! ジャニーズ足元及ばぬ絶大人気の実情

 GENERATIONS from EXILE TRIBEの片寄涼太が現在、中国で爆発的な人気を誇っている。GENERATIONSといえば、昨年『NHK紅白歌合戦』に初出場し、5大ドーム公演を成功させるなど、日本でも人気のグループ。ただ、正直中国での片寄の人気は日本の比ではないのだ。

 その証拠に、現在、片寄の中国版ツイッター・Weiboフォロワーは約270万。現地での知名度が元々高く、長年ドラマなどで活躍している木村拓哉のフォロワーが約191万人ということを考えると、片寄の中国人気が相当なものであるのがわかる。中国ではジャニーズよりも片寄涼太に需要があるということだ。

 片寄のブレイクのきっかけは、2017年の出演ドラマ・映画『兄に愛されすぎて困ってます』が大ヒット。日本ではそこまで話題にならなかった作品だけに、このブレイクスルーは誰も予想できなかっただろう。その後、片寄は中国の雑誌の表紙を飾ったり、ファンミーティングを開催したりと、破竹の勢いでファンを増やし続けた。さらに、Weiboで活躍するアカウントを表彰するアワード「WEIBO Account Festival in Japan 2018」では「年間人気アーティスト賞」を受賞。初めて声優を務めたアニメ作品『きみと、波にのれたら』は19年の「上海映画祭」で最優秀アニメ賞を受賞するなど、中国メディアからも大きな信頼を得ているようだ。日本では12月に公開された映画『午前0時キスしに来てよ』の中国での公開は未定となっているが、すでにWeiboの映画紹介ページには多くのファンたちがこぞって「まだ見てないけど絶対面白い!」と書き込む熱狂ぶりを見せている。

 そんな片寄は、20年1月31日放送の『A-Studio』(TBS)にて、中国のファンから星をプレゼントされたと明かしている。実際に星を所有することは現在不可能なので、星の名前を「片寄涼太」と名付けてもらった、ということだそうだが、だとしても並大抵の熱量でできることではない。その他にもファンが費用を出し合い、米ニューヨークに位置するタイムズスクエアや上海の繁華街に設置されている屋外ビジョンに誕生日のお祝い広告を掲出するなど、桁違いの愛情を一身に受けている状態だ。

 しかし、彼の絶大な中国人気は、単にルックスや出演作品のヒットからくるものではない。中国での人気が上昇すると、片寄はすぐにWeiboを開設し、動画で中国語を披露。その後、日本語のみならず中国語を交えた投稿をコンスタントにアップしていたのである。日本語や英語のみで更新を行う芸能人が多数いる中、率先して中国語に挑んでくれる片寄の姿が現地のファンたちを何より喜ばせているのだ。

 また、新型コロナウイルスの影響で武漢が都市封鎖を行った1月24日、片寄はすぐにファンに向けた動画を公開した。映像では新年の挨拶と同時に「体に気を付けて」とコメントし、ファンを思いやる一面を見せている。1月24日と言えば、旧正月のお祭りムードに暗雲が立ち込め、中国全土でじんわりと不安が広がっていた最中だ。そんな中、日本人としていち早く気遣いを見せたことでネットユーザーの好感度もさらに上昇したようだ。

「絶対に感染予防をして、健康に気を付けてくださいね」という一文に胸を打たれたファンも多く、この投稿には3万5000を超える「いいね!」がつけられたほか、「片寄くん、貴方は優しすぎる。そちらも気を付けてね」「気遣いありがとう!私たちも頑張るから、片片(ぺんぺん:片寄の中国でのあだ名)も体には気を付けて!」「涙が出てきちゃったよ。ありがとう!」といった熱いコメントが殺到した。彼のこういった海外ファンへの愛情深い対応が、中国女子の心をつかんで離さないのだろう。まさに「ファンに愛されすぎて困ってます」状態ではないだろうか。

 今、中国進出を目論む日本の芸能人は多いと聞く。前述した木村拓哉が所属するジャニーズ事務所も、中国の動画サイト「bilibili」で公式アカウントを開設したとか。しかし、動画をただ上げるだけではきっと中国人の心はつかめない。片寄のような「気遣いができる」という気質がまず必要だ。そして、中国語への積極的な挑戦、さらには国の文化や人々への心からの思いやりがなければ、成功を収めることはできないだろう。

美容アカが崇拝する中国の美女たちーーブレイク中のグーリー・ナーザーは“第二のアンジェラベイビー”になるのか?

 元EXO・ルハンが主演するドラマ『擇天記~宿命の美少年~』にヒロイン役として出演し、その美貌が中国で大きな話題となった女優・グーリー・ナーザー(グリナザ/古力娜扎)。彼女が今、中国でブレークを果たし、さらに日本の“とある層”からも熱い支持を集め始めている。

 「絶世の美女」と謳われ現在中国でプチブレーク中の彼女は、ウルムチ出身1992年生まれの27歳。映画関係の人材を養成する名門大学・北京電影学院を卒業し、172cm50㎏という抜群のスタイルと美貌を持ちながらも、親しみやすいキャラクターでバラエティ番組し人気を博している。

 中国の人気トーク番組『你好生活』 に出演した際には、自身のとんでもない食の好物を暴露し、これによってさらに好感度が爆上がりした。「スターを自然あふれる地域に招待し、素に近い状態で自身の近況を話してもらう」というコンセプトの同番組で、「中国のお茶文化」に触れた彼女は「お茶を飲むのは大好き。けど、一般の人とは違って辛いものが好きかも」と発言。なんでも、グーリー・ナーザーはお茶を淹れた後のティーバッグをこじあけ、そのまま葉っぱをムシャムシャ食べるのが大好きだというのだ。「辛いものが好き」というのも、茶葉を噛んだ時に辛味が強いもののほうが良いということだろう。「落ち込んでたり気分が悪い時は50個ぐらい食べる」そうで、後にこのやりとりは中華圏で大きなニュースとなった。彼女はこの茶葉を食すこと以外にも、唐辛子を丸かじりするクセもあると告白しており、「異食症ではないか」と彼女の身を心配した現地メディア報道も出るくらいだ。

 しかし、そんな変わったクセが彼女の魅力をより引き立てた。中華圏では「美人なのにちょっと変」「美人だけど親しみやすい」と、このキャラクターが大ウケし、今や飛ぶ鳥を落とす勢いだ。日本でもローラや滝沢カレンなど、美貌と天然ボケのギャップで親しまれている女性タレントがいるが、グーリー・ナーザーもこの系統に近いかもしれない。さらに、2019年にはネットユーザーが選ぶ「新疆四美」(新疆出身の美しい人TOP4)のうちの1人にも選出された。

美容アカから圧倒的支持を集めているアンジェラベイビー(Getty Imagesより)
 そもそも、「新疆四美」というランキングが出来るほど、中国では「新疆出身の美女」の需要がとても高い。グーリー・ナーザーのほかにも、ドラマ『宮廷の諍い女』で最も華やかな妃・華妃を演じたジャン・シン(蔣欣)や、19年は惜しくもTOP4には入らなかったが、ドラマ『永遠の桃花〜三生三世』の白鳳九役で一躍スターとなったディルラバ・ディルムラット(迪丽热巴)など、数々の美女が生まれている地域だ。彼女たちが持つ美しい目鼻立ちと陶器のような肌の秘密は、新疆がアジアと中東の丁度真ん中に位置することから、さまざまな血が融合しているからじゃないか……などとも囁かれている。

 また、グーリー・ナーザーはアジアの美容好きのSNSコミュニティー、いわゆる「美容アカウント」(美容アカ)界隈からも注目が高まっている。韓国では「まるで仙女」と評価され、日本の美容アカからは「圧倒的オーラ」「グリナザ様になりたい」という声が徐々に増え始めた。

 日本の一般人が「美人」を思い浮かべるとき、北川景子や最近だと白石麻衣(乃木坂46)を挙げるかもしれないが、ツイッターなどの美容アカ界隈では韓国・中国美女を崇拝する女性がとても多いのだ。特に、中国の女優ファン・ビンビン(范冰冰)やモデルのアンジェラベイビー(楊穎)は、美容アカの間ではレジェンド的な扱いになっている。特に、アンジェラベイビーに関しては、整形を志す女性のアカウント「整形アカ」からの支持が厚く、アイコン写真に掲げられることが多々ある。彼女たちは、日中韓を横断し美容を趣味にする人々の「究極の理想の顔」として、崇められているのだ。

 このようにアジア中から熱視線を送られる中国の美女だが、そこに彗星の如く現れたグーリー・ナーザーはきっと日本の若い女性の間でも「第二のアンジェラベイビー」として、今後ますます羨望を集めていくに違いない。

美容アカが崇拝する中国の美女たちーーブレイク中のグーリー・ナーザーは“第二のアンジェラベイビー”になるのか?

 元EXO・ルハンが主演するドラマ『擇天記~宿命の美少年~』にヒロイン役として出演し、その美貌が中国で大きな話題となった女優・グーリー・ナーザー(グリナザ/古力娜扎)。彼女が今、中国でブレークを果たし、さらに日本の“とある層”からも熱い支持を集め始めている。

 「絶世の美女」と謳われ現在中国でプチブレーク中の彼女は、ウルムチ出身1992年生まれの27歳。映画関係の人材を養成する名門大学・北京電影学院を卒業し、172cm50㎏という抜群のスタイルと美貌を持ちながらも、親しみやすいキャラクターでバラエティ番組し人気を博している。

 中国の人気トーク番組『你好生活』 に出演した際には、自身のとんでもない食の好物を暴露し、これによってさらに好感度が爆上がりした。「スターを自然あふれる地域に招待し、素に近い状態で自身の近況を話してもらう」というコンセプトの同番組で、「中国のお茶文化」に触れた彼女は「お茶を飲むのは大好き。けど、一般の人とは違って辛いものが好きかも」と発言。なんでも、グーリー・ナーザーはお茶を淹れた後のティーバッグをこじあけ、そのまま葉っぱをムシャムシャ食べるのが大好きだというのだ。「辛いものが好き」というのも、茶葉を噛んだ時に辛味が強いもののほうが良いということだろう。「落ち込んでたり気分が悪い時は50個ぐらい食べる」そうで、後にこのやりとりは中華圏で大きなニュースとなった。彼女はこの茶葉を食すこと以外にも、唐辛子を丸かじりするクセもあると告白しており、「異食症ではないか」と彼女の身を心配した現地メディア報道も出るくらいだ。

 しかし、そんな変わったクセが彼女の魅力をより引き立てた。中華圏では「美人なのにちょっと変」「美人だけど親しみやすい」と、このキャラクターが大ウケし、今や飛ぶ鳥を落とす勢いだ。日本でもローラや滝沢カレンなど、美貌と天然ボケのギャップで親しまれている女性タレントがいるが、グーリー・ナーザーもこの系統に近いかもしれない。さらに、2019年にはネットユーザーが選ぶ「新疆四美」(新疆出身の美しい人TOP4)のうちの1人にも選出された。

美容アカから圧倒的支持を集めているアンジェラベイビー(Getty Imagesより)
 そもそも、「新疆四美」というランキングが出来るほど、中国では「新疆出身の美女」の需要がとても高い。グーリー・ナーザーのほかにも、ドラマ『宮廷の諍い女』で最も華やかな妃・華妃を演じたジャン・シン(蔣欣)や、19年は惜しくもTOP4には入らなかったが、ドラマ『永遠の桃花〜三生三世』の白鳳九役で一躍スターとなったディルラバ・ディルムラット(迪丽热巴)など、数々の美女が生まれている地域だ。彼女たちが持つ美しい目鼻立ちと陶器のような肌の秘密は、新疆がアジアと中東の丁度真ん中に位置することから、さまざまな血が融合しているからじゃないか……などとも囁かれている。

 また、グーリー・ナーザーはアジアの美容好きのSNSコミュニティー、いわゆる「美容アカウント」(美容アカ)界隈からも注目が高まっている。韓国では「まるで仙女」と評価され、日本の美容アカからは「圧倒的オーラ」「グリナザ様になりたい」という声が徐々に増え始めた。

 日本の一般人が「美人」を思い浮かべるとき、北川景子や最近だと白石麻衣(乃木坂46)を挙げるかもしれないが、ツイッターなどの美容アカ界隈では韓国・中国美女を崇拝する女性がとても多いのだ。特に、中国の女優ファン・ビンビン(范冰冰)やモデルのアンジェラベイビー(楊穎)は、美容アカの間ではレジェンド的な扱いになっている。特に、アンジェラベイビーに関しては、整形を志す女性のアカウント「整形アカ」からの支持が厚く、アイコン写真に掲げられることが多々ある。彼女たちは、日中韓を横断し美容を趣味にする人々の「究極の理想の顔」として、崇められているのだ。

 このようにアジア中から熱視線を送られる中国の美女だが、そこに彗星の如く現れたグーリー・ナーザーはきっと日本の若い女性の間でも「第二のアンジェラベイビー」として、今後ますます羨望を集めていくに違いない。

台湾、アジア初の同性婚法制化から1年――Netflix映画『先に愛した人』が映す偏見のリアルと、社会変化

 日本の国会に相当する台湾・立法院にて、同性婚を容認する特別法が成立し、施行されたのは2019年5月。あれから約1年たった今、台湾はアジア初の同性婚容認国としてどのような変化を遂げたのか。今回は、男性同士の恋愛を扱った台湾映画『先に愛した人』に触れながら考えていきたい。その前に、まずは、同性婚の法制化を促したある事件を振り返ろう。

 19年にこの法案が成立した背景には、ある同性カップルの事件があった。「同性愛」に関しては、台湾でも長年議論され続けてきたが、この事件をきっかけに民意が「同性婚賛成」に傾いたと言っても過言ではないだろう。

 16年10月16日、フランス国籍を持ち、台湾大学の教授を務めていたジャック・ピクゥ(Jacques Picoux)さんが自殺した。彼は同性愛者であり、その1年前に伴侶のズン・ジンチャオ(曾敬超)さんを病気で亡くしていた。2人は35年間パートナーとして同棲生活を送っていたという。台湾でささやかな家、そして車を購入し、共に余生を過ごそうと誓い合っていた。しかし、フランス国籍を持つジャックさんは、法律上台湾でローンを組むことができなかった。そのため、家も車もズンさんの名義で購入していた。このことが、ズンさんの逝去後、ジャックさんを苦しめることになるのだった。

 法律上、ズンさんと婚姻関係を持っていないジャックさんに遺産を継ぐ権利はない。ズンさんの親族は、家や車などを自らの物だと主張し、国も法に従ってその主張を承諾した。パートナーのみならず、お金を出し合って購入した家も車も失ってしまったジャックさんは、2つの台風が上陸したその年に荒れ狂う天気の中、マンションの10階から飛び降りた。

 死の直前まで一緒にいたという彼の元教え子は、「先生は絶望の中で『あの家を燃やしてしまいたいよ』と笑っていた。冗談かと思っていたのに……あの財産は先生の物であるべきでした」と涙ながらに話している。

 このニュースが現地メディアで報じられると、「こんな悲しい事件を社会は二度と起こすべきではない」という世論が少しずつ形成されていった。LGBTQにも、一国民としての保証や法の庇護が必要であると声を上げるメディアも増えた。そうした気運の中で行われた国民投票によって、「同性婚」を認める法案が可決されたのである。

 法案が成立する少し前、18年11月に同性婚をテーマにしたNetflix映画『先に愛した人』(原題:誰先愛上他的)が公開された。

 主人公である高校生・チェンシーの父は、自分がゲイだということを家族に告げ、家出する。数年後、父がガンで亡くなったことを知らされるも、保険金の受取人が変更されていることが判明。怒り狂った母親が訪ねたのは、父親の「愛人」で、小劇団の監督を務める男・アージェの自宅だった。母親は「男のお前に保険金を受け取る資格はない」「この泥棒猫!」と怒鳴り散らすも、アージェは「なんのことだ」と素知らぬ顔。その後、母親のかんしゃくに耐えられなくなったチェンシーは、アージェのマンションに転がり込み、行動を共にすることに。「父の愛人」だったという男を通して、父親の本当の姿を目の当たりにする……といった物語だ。

 リアルな台湾の街並みを舞台に、同性愛に対する偏見、家族の苦悩を赤裸々に描いた本作は、「異性婚しか認められていない中で、公的な書類もなく、保険金すら受け取れない」という同性カップルが抱えるシビアな現実を突き付けてくる。

 中でも、息子が同性愛者だと知らないアージェの母親が「ずっとガールフレンドがいないものだから心配していたの」と悪気なく語るシーンは、「常識」=「異性愛」という固定概念をリアルに示している。そして、「自分の家族が同性愛者だったとしても受け入れることはできるのか」「人々はどこか他人事なのではないか」という問題提起を、観る者に問いかけるようでもある。

 本作は、現地の映画ファンからの、「楽しく見終えたはずなのに心から離れない何かがある」「鑑賞時はバスタオル必須」といった評判に後押しされ、中華圏を代表する映画賞である金馬奨に作品賞、主演男優賞、主演女優賞、新人賞、新人監督賞、オリジナル脚本賞、主題歌賞、編集賞、の計8部門でノミネートされた。ヒステリックな母親役を演じたシェ・インシュエンが主演女優賞を受賞したほか、主題歌賞、編集賞も獲得。また、19年の米アカデミー賞国際長編映画賞に台湾代表作として出品もされた。ノミネートこそ逃したが、選考委員会は、本作がジェンダーの多様性とそれをめぐる問題をユーモラスに反映している点を指摘し、「台湾が今まさに向き合っている権利平等のマイルストーンと生命力が示されている」と評価した。現在、日本でもNetflixで視聴することが可能だ。

 ジャックさんの事件から4年、法案可決からもうすぐ1年がたとうとしている。『先に愛した人』が多くの観客に観られ、街なかで堂々と手を繋ぐ同性カップルを目にする機会も徐々に増えてきた。また、新型コロナウイルス危機の中で指揮をとり「マスク不足の回避」を徹底したことで、日本でも有名になったIQ180の”天才IT大臣”オードリー・タン(唐鳳)は、自身がトランスジェンダーであることをすでに公言している。これらに鑑みると、本当に少しずつだが、台湾の社会が変化しているようにも思える。

 しかし、現行の法制度では、婚姻が成立したとしても血縁関係のない子どもを養子にできないし、同性カップルが子どもを持つための規定も整備されていない。そもそも、同性婚に対する偏見そのものがなくなったとも言い切れない。課題はまだまだ残されている。それでも法制化された以上、台湾の人々はこれからも同性婚、しいてはLGBTQの問題についてさまざまな議論を重ね、考えていくだろう。そうした議論はやがて、日本にもポジティブな影響を及ぼすかもしれない。

失踪した中国人女優のその後……巨額脱税、愛人・妊娠疑惑が噴出するファン・ビンビンの今

 2018年の7月頃から公の場所から姿を消し、「失踪」を報じられていた中国の女優・ファン・ビンビン(范冰冰)。同年の10月に、脱税で中国当局から厳重注意を受け、約150億円の罰金と追徴課税の支払いを命じられと報じられ、日本のメディアでも大きく取り上げられた。あれから1年以上たった今、彼女はどのような人生を歩んでいるのだろうか。

 失踪報道から約1年、ビンビンは中国版ツイッターWeiboで、3年以上交際していた婚約者との破局を告白。理由は明かされなかったが、政府の監視下に置かれるほどの脱税事件を起こしたこと、そしてそれが有罪判決であったことが決定的な理由ではないかと中華圏のメディアは推測している。

 仕事面でも人気は以前のようには回復せず、現在は海外メディアのインタビューにたまに露出するほかには、これといった活動はしていないと言っても過言ではない。中国芸能界への完全復帰はできていない状態だ。

 そんな中、ネット上では彼女が73歳の大御所中国人俳優・ワン・シュエチー(王學圻)と同棲しているのではないかといううわさが再燃した。ワン・シュエチーの妻は1998年から2006年まで国外で仕事をしており、夫婦は別居を続けている。そのため、離婚の危機だと言われ続けているのだが、なんの進展もないまま今に至っている。

 一方、ビンビンは映画『麥田』(09年公開)でワン・シュエチーと初共演。その後、再度共演した『孫文の義士団』(同年公開/原題:十月圍城)で仲を深め、「愛人」ポジションに収まったのではないかと、当時のメディアはこぞって報道していた。

 このうわさについて、本人は否定しているが「絶対に愛人だ!」「大御所に取り入って芸能界での地位を固めようとしている!」という声は絶えなかった。実際、出演した番組やインタビューで親しげな様子を見せたほか、2人が仲睦まじく手をつないでいる写真がスクープされたことから、「ビンビンが無理やりワンと妻を離婚させようとしている」と見る者も少なくない。一時は沈静化していた不倫ゴシップが、ビンビンの脱税および雲隠れをきっかけに再燃したのだ。なお、彼女の事務所は今回もこれをきっぱり否定。しかし、いまだに疑惑はくすぶり続けている。

 そして昨年9月16日、彼女が迎えた38回目の誕生日には、友人である台湾の女優チャン・チュンニン(張鈞甯)や、新人イケメン俳優のツァイ・ヤオ(蔡堯)、そして過去にマネジャーを務めていた人物からの祝福が寄せられた。が、しかし、2年前の誕生日の際は、もっと大勢の著名人が彼女に祝福メッセージを送っていたし、盛大なパーティーが開かれていたことを考えると、随分と寂しい印象が拭えない。多くの著名人が彼女から去っていった……などと評するメディアも多い。

 公式Weiboにはプレゼントの画像と、ささやかながらもあたたかい誕生日を過ごした様子が公開されていた。さらに、2日後に投稿された動画には、もらったプレゼントを紹介しながら涙を流す一幕もあった。やはり彼女自身が一番、境遇の変化を痛感しているに違いない。この投稿に対し、ファンからは「ビンビンはずっと幸せでいてね」「毎日ハッピーでありますように」といったコメントが殺到している。どんな状況に置かれていても、やはり「ファン」の存在は大きい。中国国内には彼女に対して厳しい意見を述べる国民も多いが、もちろんいまだに根強いファン層もかなり存在しているのである。

 2018年の7月頃から公の場所から姿を消し、「失踪」を報じられていた中国の女優・ファン・ビンビン(范冰冰)。同年の10月に、脱税で中国当局から厳重注意を受け、約150億円の罰金と追徴課税の支払いを命じられと報じられ、日本のメディアでも大きく取り上げられた。あれから1年以上たった今、彼女はどのような人生を歩んでいるのだろうか。

 失踪報道から約1年、ビンビンは中国版ツイッターWeiboで、3年以上交際していた婚約者との破局を告白。理由は明かされなかったが、政府の監視下に置かれるほどの脱税事件を起こしたこと、そしてそれが有罪判決であったことが決定的な理由ではないかと中華圏のメディアは推測している。

 仕事面でも人気は以前のようには回復せず、現在は海外メディアのインタビューにたまに露出するほかには、これといった活動はしていないと言っても過言ではない。中国芸能界への完全復帰はできていない状態だ。

 そんな中、ネット上では彼女が73歳の大御所中国人俳優・ワン・シュエチー(王學圻)と同棲しているのではないかといううわさが再燃した。ワン・シュエチーの妻は1998年から2006年まで国外で仕事をしており、夫婦は別居を続けている。そのため、離婚の危機だと言われ続けているのだが、なんの進展もないまま今に至っている。

 一方、ビンビンは映画『麥田』(09年公開)でワン・シュエチーと初共演。その後、再度共演した『孫文の義士団』(同年公開/原題:十月圍城)で仲を深め、「愛人」ポジションに収まったのではないかと、当時のメディアはこぞって報道していた。

 このうわさについて、本人は否定しているが「絶対に愛人だ!」「大御所に取り入って芸能界での地位を固めようとしている!」という声は絶えなかった。実際、出演した番組やインタビューで親しげな様子を見せたほか、2人が仲睦まじく手をつないでいる写真がスクープされたことから、「ビンビンが無理やりワンと妻を離婚させようとしている」と見る者も少なくない。一時は沈静化していた不倫ゴシップが、ビンビンの脱税および雲隠れをきっかけに再燃したのだ。なお、彼女の事務所は今回もこれをきっぱり否定。しかし、いまだに疑惑はくすぶり続けている。

 そして昨年9月16日、彼女が迎えた38回目の誕生日には、友人である台湾の女優チャン・チュンニン(張鈞甯)や、新人イケメン俳優のツァイ・ヤオ(蔡堯)、そして過去にマネジャーを務めていた人物からの祝福が寄せられた。が、しかし、2年前の誕生日の際は、もっと大勢の著名人が彼女に祝福メッセージを送っていたし、盛大なパーティーが開かれていたことを考えると、随分と寂しい印象が拭えない。多くの著名人が彼女から去っていった……などと評するメディアも多い。

 公式Weiboにはプレゼントの画像と、ささやかながらもあたたかい誕生日を過ごした様子が公開されていた。さらに、2日後に投稿された動画には、もらったプレゼントを紹介しながら涙を流す一幕もあった。やはり彼女自身が一番、境遇の変化を痛感しているに違いない。この投稿に対し、ファンからは「ビンビンはずっと幸せでいてね」「毎日ハッピーでありますように」といったコメントが殺到している。どんな状況に置かれていても、やはり「ファン」の存在は大きい。中国国内には彼女に対して厳しい意見を述べる国民も多いが、もちろんいまだに根強いファン層もかなり存在しているのである。

 その後、おなかが出ているプライベートショットをパパラッチされ「妊娠か?」と報じられたビンビンは、Weiboで「ほんとに太っちゃっただけなの!」と釈明。さらに、自撮りの投稿と共に「大好きな甘いものをやめて、25日で4.5キロ痩せました」と報告した。芸能活動はいまだ開店休業状態だが、SNSでの投稿を地道に続けているようだ。とはいえ彼女はきっと“俳優”としての復帰を願っているはず。そんな中すでに、ハリウッド映画『355』への出演が決まったと報じられている。中国屈指の名女優と謳われたビンビンが、今後再びスポットライトを浴びる日がくることを願いたい。

失踪した中国人女優のその後……巨額脱税、愛人・妊娠疑惑が噴出するファン・ビンビンの今

 2018年の7月頃から公の場所から姿を消し、「失踪」を報じられていた中国の女優・ファン・ビンビン(范冰冰)。同年の10月に、脱税で中国当局から厳重注意を受け、約150億円の罰金と追徴課税の支払いを命じられと報じられ、日本のメディアでも大きく取り上げられた。あれから1年以上たった今、彼女はどのような人生を歩んでいるのだろうか。

 失踪報道から約1年、ビンビンは中国版ツイッターWeiboで、3年以上交際していた婚約者との破局を告白。理由は明かされなかったが、政府の監視下に置かれるほどの脱税事件を起こしたこと、そしてそれが有罪判決であったことが決定的な理由ではないかと中華圏のメディアは推測している。

 仕事面でも人気は以前のようには回復せず、現在は海外メディアのインタビューにたまに露出するほかには、これといった活動はしていないと言っても過言ではない。中国芸能界への完全復帰はできていない状態だ。

 そんな中、ネット上では彼女が73歳の大御所中国人俳優・ワン・シュエチー(王學圻)と同棲しているのではないかといううわさが再燃した。ワン・シュエチーの妻は1998年から2006年まで国外で仕事をしており、夫婦は別居を続けている。そのため、離婚の危機だと言われ続けているのだが、なんの進展もないまま今に至っている。

 一方、ビンビンは映画『麥田』(09年公開)でワン・シュエチーと初共演。その後、再度共演した『孫文の義士団』(同年公開/原題:十月圍城)で仲を深め、「愛人」ポジションに収まったのではないかと、当時のメディアはこぞって報道していた。

 このうわさについて、本人は否定しているが「絶対に愛人だ!」「大御所に取り入って芸能界での地位を固めようとしている!」という声は絶えなかった。実際、出演した番組やインタビューで親しげな様子を見せたほか、2人が仲睦まじく手をつないでいる写真がスクープされたことから、「ビンビンが無理やりワンと妻を離婚させようとしている」と見る者も少なくない。一時は沈静化していた不倫ゴシップが、ビンビンの脱税および雲隠れをきっかけに再燃したのだ。なお、彼女の事務所は今回もこれをきっぱり否定。しかし、いまだに疑惑はくすぶり続けている。

 そして昨年9月16日、彼女が迎えた38回目の誕生日には、友人である台湾の女優チャン・チュンニン(張鈞甯)や、新人イケメン俳優のツァイ・ヤオ(蔡堯)、そして過去にマネジャーを務めていた人物からの祝福が寄せられた。が、しかし、2年前の誕生日の際は、もっと大勢の著名人が彼女に祝福メッセージを送っていたし、盛大なパーティーが開かれていたことを考えると、随分と寂しい印象が拭えない。多くの著名人が彼女から去っていった……などと評するメディアも多い。

 公式Weiboにはプレゼントの画像と、ささやかながらもあたたかい誕生日を過ごした様子が公開されていた。さらに、2日後に投稿された動画には、もらったプレゼントを紹介しながら涙を流す一幕もあった。やはり彼女自身が一番、境遇の変化を痛感しているに違いない。この投稿に対し、ファンからは「ビンビンはずっと幸せでいてね」「毎日ハッピーでありますように」といったコメントが殺到している。どんな状況に置かれていても、やはり「ファン」の存在は大きい。中国国内には彼女に対して厳しい意見を述べる国民も多いが、もちろんいまだに根強いファン層もかなり存在しているのである。

 2018年の7月頃から公の場所から姿を消し、「失踪」を報じられていた中国の女優・ファン・ビンビン(范冰冰)。同年の10月に、脱税で中国当局から厳重注意を受け、約150億円の罰金と追徴課税の支払いを命じられと報じられ、日本のメディアでも大きく取り上げられた。あれから1年以上たった今、彼女はどのような人生を歩んでいるのだろうか。

 失踪報道から約1年、ビンビンは中国版ツイッターWeiboで、3年以上交際していた婚約者との破局を告白。理由は明かされなかったが、政府の監視下に置かれるほどの脱税事件を起こしたこと、そしてそれが有罪判決であったことが決定的な理由ではないかと中華圏のメディアは推測している。

 仕事面でも人気は以前のようには回復せず、現在は海外メディアのインタビューにたまに露出するほかには、これといった活動はしていないと言っても過言ではない。中国芸能界への完全復帰はできていない状態だ。

 そんな中、ネット上では彼女が73歳の大御所中国人俳優・ワン・シュエチー(王學圻)と同棲しているのではないかといううわさが再燃した。ワン・シュエチーの妻は1998年から2006年まで国外で仕事をしており、夫婦は別居を続けている。そのため、離婚の危機だと言われ続けているのだが、なんの進展もないまま今に至っている。

 一方、ビンビンは映画『麥田』(09年公開)でワン・シュエチーと初共演。その後、再度共演した『孫文の義士団』(同年公開/原題:十月圍城)で仲を深め、「愛人」ポジションに収まったのではないかと、当時のメディアはこぞって報道していた。

 このうわさについて、本人は否定しているが「絶対に愛人だ!」「大御所に取り入って芸能界での地位を固めようとしている!」という声は絶えなかった。実際、出演した番組やインタビューで親しげな様子を見せたほか、2人が仲睦まじく手をつないでいる写真がスクープされたことから、「ビンビンが無理やりワンと妻を離婚させようとしている」と見る者も少なくない。一時は沈静化していた不倫ゴシップが、ビンビンの脱税および雲隠れをきっかけに再燃したのだ。なお、彼女の事務所は今回もこれをきっぱり否定。しかし、いまだに疑惑はくすぶり続けている。

 そして昨年9月16日、彼女が迎えた38回目の誕生日には、友人である台湾の女優チャン・チュンニン(張鈞甯)や、新人イケメン俳優のツァイ・ヤオ(蔡堯)、そして過去にマネジャーを務めていた人物からの祝福が寄せられた。が、しかし、2年前の誕生日の際は、もっと大勢の著名人が彼女に祝福メッセージを送っていたし、盛大なパーティーが開かれていたことを考えると、随分と寂しい印象が拭えない。多くの著名人が彼女から去っていった……などと評するメディアも多い。

 公式Weiboにはプレゼントの画像と、ささやかながらもあたたかい誕生日を過ごした様子が公開されていた。さらに、2日後に投稿された動画には、もらったプレゼントを紹介しながら涙を流す一幕もあった。やはり彼女自身が一番、境遇の変化を痛感しているに違いない。この投稿に対し、ファンからは「ビンビンはずっと幸せでいてね」「毎日ハッピーでありますように」といったコメントが殺到している。どんな状況に置かれていても、やはり「ファン」の存在は大きい。中国国内には彼女に対して厳しい意見を述べる国民も多いが、もちろんいまだに根強いファン層もかなり存在しているのである。

 その後、おなかが出ているプライベートショットをパパラッチされ「妊娠か?」と報じられたビンビンは、Weiboで「ほんとに太っちゃっただけなの!」と釈明。さらに、自撮りの投稿と共に「大好きな甘いものをやめて、25日で4.5キロ痩せました」と報告した。芸能活動はいまだ開店休業状態だが、SNSでの投稿を地道に続けているようだ。とはいえ彼女はきっと“俳優”としての復帰を願っているはず。そんな中すでに、ハリウッド映画『355』への出演が決まったと報じられている。中国屈指の名女優と謳われたビンビンが、今後再びスポットライトを浴びる日がくることを願いたい。

「日本でマスク1万枚爆買い」「武漢に送る」台湾版『花より男子』ヒロイン、本国で大炎上!

 新型コロナウイルスの影響でマスクが不足し、早朝から長蛇の列ができる薬局や、高額転売が日々話題になっている。徐々に拡大していく感染、そして花粉症シーズンの到来でますます“マスク難民”が増加する中、お隣の台湾で、とあるタレントが「大炎上」を続けているのはご存じだろうか。

 ことの発端は、台湾版「花より男子」で主人公のつくし役を務め、台湾や中国では「大S」というあだ名で親しまれているタレントの徐熙媛(バービィー・スー)と、その夫のSNS投稿だ。1月末に日本を訪れた彼女は、なんと1万枚のマスクを購入。それを全て中国・武漢に寄付するとSNSで発信したのである。

 今でこそ日本でもマスク不足が騒がれているが、1月の時点ではまだ薬局に「中国加油」「武漢加油」(編注:加油=「頑張れ」の意)といった激励のPOPが貼られていた時期。しかし、彼女の出身地である台湾は違った。この頃の台湾は、まさに現在の日本と同じくマスク難民が大量発生しており、政府がマスクの輸出を制限しはじめた時期なのだ。

 そんな中、彼女は自慢げに「日本で1万枚のマスクをゲット! 全て武漢に送ります!」と投稿したのである。それだけならまだしも、彼女は国民のために輸出制限を行った台湾政府を「人でなし」「愛がない」「人が困っているときは助けるべき」と痛烈に批判した。

 これらの言動に、台湾の人々は激怒。「人の国でマスクを爆買いするな!」「これからマスク不足になるだろうに……」といったコメントが大量に寄せられた。そして日本の掲示板・5ちゃんねるに「台湾人女優『日本でマスクを1万枚買い占めて中国に送りました!武漢頑張れ!』」というスレッドが立てられたことを知った台湾のネット民は、「日本でも話題になってる! ざまあみろと言いたいところだがあいつは台湾人じゃない、中国人だって誰か伝えてくれ~!」「日本の皆さんにマスクを返してあげてほしい」と述べるなどとし、大炎上に発展した。

 この大S、台湾タレントの中でもかなりの親中派で、中国本土出身の男性と結婚している。故に武漢を助けたいという思いが強かったのかもしれないが、台湾の世論は「だからと言って他国もこれからマスクが不足するかもしれないのに…」「寄付するにしても大声で自慢することではない」「台湾人タレントと報道されることが、もう恥ずかしい」と否定的だ。

 結局、この1万枚のマスクはどうなったのか。実はこの騒動が起こる前から台湾政府は水面下でマスクの転売を防ぐため「出国の際に所持、または他国に送付していいマスクは1人当たり5箱(250枚)まで」という法律を審議しており、あっという間に制定されたのだ。彼女も無論例外ではなく、この大量のマスクが武漢に送られることはなかった。後日、夫婦が経営しているホテルの従業員に配布するという声明が出されている。

 この炎上の影響で大Sが台湾で受け持っていたメディア仕事は激減。CMを担当する商品の不買運動が起こり、今でもさまざまな「中国との癒着」が報道されるなど、散々な結果を招いてしまった。

 ここまで騒動が大きくなったのだ、今後台湾での仕事は絶望的だろう。挙句の果てに、あろうことか中国のネット民からも「中国は生産国なのでマスク自体は足りている。一部が転売してるだけ」「状況を把握してない。いい人ぶりたいだけでしょ」と叩かれている状況だ。本来は善意のはずなのだが、どちらのファンからもそっぽを向かれてしまったようだ。