下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
早朝、北朝鮮ミサイル発射でJアラートが鳴り、その後のテレビ番組はこの話題一色。楽しみにしている朝ドラ『ひよっこ』(NHK)も朝8時の放送はお休み。チェッ。
第379回(8/24~29発売号より)
1位「泰葉 娘のハダカを見た母は涙を流し――200万円ヌードと自己破産の真相」(「週刊女性」9月12日号)
2位「シリーズ人間 大林宣彦 “がんが消えた”余命3カ月からの奇跡!」(「女性自身」9月12日号)
3位「ローラ “芸能界の父”堺正章『救いの助言』も完全無視!!」(「女性自身」9月12日号)
夏のネタ枯れか? 今週は女性週刊誌全誌にわたりロクな記事がない。だから泰葉(笑)。「週刊女性」のトップ特集である。
2007年の離婚以降、数々の騒動と“?”な言動を繰り返してきた泰葉。その言動の信憑性は余人には計り知れないことから、芸能記者も大きく触れたがらない存在となってしまったが、しかし今週の「週女」では果敢にも泰葉への直撃取材を試みている。ネタは8月7日発売の「週刊ポスト」(小学館)で泰葉がヘアヌードを披露したこと。本当にネタがなかったんだな(笑)。
だが、さすがは泰葉。直撃取材は意外な展開を迎える。
「暑いし家の中に入ってください」
記者は泰葉の自宅に招き入れられたのだ。さすが、である。そして泰葉は、しゃべるしゃべる。ヘアヌード、自分の胸や乳首について、CD発売中止について、母について、自己破産や被害妄想について――。
その詳細は、ぜひ記事を読んでほしいが、その言葉を追うと、泰葉って本来は生真面目で素直、だからこそ突っ走って周囲を戸惑わせる存在になってしまったのかな、とも思う。近くにいたら、かなり大変そうではあるし、直撃を受けた際の服装や靴、バッグといった持ち物まで、“大丈夫か?”と心配してしまうものだったが。
その一方で、「週女」記者もえらいと思う。記事を見ると、かなり長時間にわたり泰葉宅にいて、話を聞いている模様だからだ。突撃取材のつもりが、ロングインタビュー。しかも、その内容はかなり疲れるものだったのは確かだ。さらに、すごいことに、インタビュー後、泰葉は記者に、ひやむぎ冷麺を振る舞ったらしい。その写真もばっちり収められているが、泰葉の“田舎のおばちゃん的歓待”とパワー、そしてそれを受けざるを得なかった記者の困惑(?)とが入り混じった“告白”記事に仕上がっていた。
安倍政権発足、そして安保法制成立前後から、著名人たちが続々と平和と反戦の声を上げているが、その1人が映画監督の大林宣彦だ。大林は6月11日に行われた映画祭でも、かつて黒澤明監督から「映画には必ず世界を戦争から救う、世界を平和に導く、美しさと力がある」と教えられたことを語っていたが、今回は「女性自身」の名物人物ルポ“シリーズ人間”に登場、自身の戦争体験と平和について語っている。
「『絶対に』なんて言葉は軽々しく使うものではないけれど、戦争だけは、その体験がないと絶対にわからないと、これだけはもう、はっきり言えます」
「だけど、現代は戦争を知らない、体験していない人たちが洋の東西を問わず、権力を握っています。これは正直、不安ですよ」
こうした戦争体験者の生の声は貴重だ。しかし、そうした人々の高齢化と、逝去が続いていることも事実。実際、大林自身も、昨年8月に肺がんを患い「余命3カ月」と宣告されている。その後、奇跡的に回復しているとの報道もあったが、記事にはさらなる仰天の朗報が。
なんと、大林の体から、がんが消えたというのだ。
「肺がんと骨に転移したがんが、奇跡的に消えたんです」「じつはがんが脳にも転移しました。(略)でも、おかげさまで脳のがんもなくなっちゃった」
まさに朗報。ずっと、ずっと、長生きして、“平和を導く”映画を作ってほしい。そして、今後もずっと奇跡が続くことを願いたい。
芸能界関係者の間でも、異常と言われるローラと所属事務所の“10年間奴隷契約”。それでも、「女性自身」はローラを揶揄し、貶めるような記事を掲載している。
記事によれば “芸能界の父”とローラが慕う堺正章が、“事務所との話し合い”をアドバイスしたらしい。しかし、ローラは弁護士を立てて事前協議を申し入れた。このことが“恩人の助言を無視”したと非難しているのだ。こじつけでしょ。さらに芸能界関係者のコメントとして、「堺さんもこの結果には失望しているでしょう。今後の彼女の芸能活動にも影響があるのでは……」だって。これも推測。芸能界における事務所とタレントの力関係そのままの、非常に意図的なものを感じる記事である。