皆さんこんばんは、宮下かな子です。
猛暑日が続いていますが、体調お変わりなく過ごしているでしょうか。
最近の宮下は、更に自炊に力を入れて元気に過ごしています。今、自炊がとても楽しい! そのきっかけとなったのが、現在第3話まで放送されている、BSテレビ東京深夜24時放送の「ホメられたい僕の妄想ごはん」。私、深夜帯のグルメドラマが大好きで、中でも自炊系は特に大好…
皆さんこんばんは、宮下かな子です。
猛暑日が続いていますが、体調お変わりなく過ごしているでしょうか。
最近の宮下は、更に自炊に力を入れて元気に過ごしています。今、自炊がとても楽しい! そのきっかけとなったのが、現在第3話まで放送されている、BSテレビ東京深夜24時放送の「ホメられたい僕の妄想ごはん」。私、深夜帯のグルメドラマが大好きで、中でも自炊系は特に大好…
令和初日の5月1日に15歳年上の男性と入籍した、元AKB48の高橋みなみ。かつての“神7”が次々とゴールインする中、ひと足早く母になったのが、不動のセンター・前田敦子だ。
前田は2018年7月に俳優の勝地涼と結婚。今年3月4日に勝地がインスタグラムで第1子男児の出産を発表していた。先月24日放送の『ノンストップ!』(フジテレビ系)では、育児について初告白。前田は「すごく大変だってたくさん考えていたので、意外と、だからこそ楽しいのかもしれません」とした上で「我が子はかわいいです」と頬を緩めた。そんな中、前田の周囲で異変が生じているという。
「あの“ブス会”が開店休業状態のようです」
そう証言するのは、とある芸能マネジャー。ブス会とは2010年10月期の連続ドラマ『Q10(キュート)』(日本テレビ系)を通じて知り合った、前田、高畑充希、柄本時生、池松壮亮による集まり。名前の由来は、柄本を筆頭に、全員のルックスがイマイチだからという。
同会では、仕事やプライベートを包み隠さず赤裸々にぶっちゃけるのが習わし。専用のLINEグループもあるが、前出マネジャーによると「少し前に池松さんがグループを脱退。その後、前田さんの結婚・出産があり、ブス会としては最近ほとんど活動していない」という。
池松がLINEグループを去った理由について、テレビ関係者は「前田さんが面倒くさかったようで……。グループでは交際や破局について逐一報告せねばならず、池松さんは『勘弁してくれ』となったそうです。特に前田さんからの“追及”は、すごかったみたいですね」と話す。
ブス会メンバーの中で、いの一番に結婚・出産した前田。残る3人にも幸せが訪れ、“ブス親会”で再結集してもらいたいが……。
若手実力派俳優の1人として確固たる地位を確立している池松壮亮。そんな池松が旧知の仲である俳優の太賀に対し、失礼な言葉を吐いたとネットで波紋を呼んでいる。
問題になっているのは、11月25日放送の『ボクらの時代』(フジテレビ系)。池松は太賀と蒼井優と共に出演し、ここで池松が太賀の女性関係の話を切り出した。
池松は「太賀って有名で、現場に行くと知らない若い子が『昨日、太賀さんに会いました』って来るんですよ」と、太賀の顔の広さを報告。それだけなら良かったのだが、池松はその後、「そんなに彼女ってすぐにできるのって思うくらい太賀の周りには女の人がいた」といらぬことを言い出す始末。この中では一番先輩である蒼井が「ひとたらしじゃない? 男も女も両方」とフォローしていたが、池松は「毎回美人さんではあるけど、俺から見ると『あっ、いろんなもの食べちゃうね』って感じ」と角が立つ物言いで太賀を牽制。これにはさすがの太賀も「ちょっと……、言い方悪くないですか? もうちょっとマイルドにしてくださいよ」と釘を刺すなど、なかなかスリリングな会話がなされていたのだった。
この「あっ、いろんなもの食べちゃうね」発言に対し、ネットでは疑問の声が噴出。「『いろんな物食べちゃうね』って言い方がきもいんだわ。なんか女性を軽視してる感じで下品」「昨日会いましたって発言だけで、“寝たんだな”って思う池松の発想が嫌だ」「この表現は太賀も蒼井優もドン引きしてたね」といった声が上がっていた。
また反対に、池松に対し終始先輩を立てる態度を見せていた太賀に関しては、「太賀は二世という事で苦労してそうだなと感じた。嫉妬とか」「この回を見て、太賀がとても大人な人なんだなと思った……」「太賀は優しいね」「太賀って性格いいんだろうなーって回だった」と好感度が上がった様子だった。
池松といえば2003年、12歳の時にトム・クルーズが主演したハリウッド映画『ラスト サムライ』で映画初出演を飾ってから、演技の道に。16年にはトム・クルーズと再会も果たし「あの当時から素晴らしい演技をしていたからね」と賛辞を送られるなど、自他ともに認める演技派俳優として活躍している。
それゆえか、現場でも仕事がしやすいタイプというわけではないという。
「本人も極力人前で話したくないと公言している通り、かなりシャイな人なんですよね。バラエティ番組にもなかなか出演しませんし、現場でもテンションが低めのクールなタイプの俳優として知られています。今回の太賀さんへの言葉に関しては、なんとか番組を面白くしようとしたものの、元来のコミュ障ゆえに言葉が足らず結果的に空回ってしまっている印象を受けました。トーク番組には出演しないほうが良さそうですね(笑)」(映画配給会社勤務)
本人も自覚しているように、演技だけに邁進しておいたほうが良さそうだ。
俳優の小栗旬が、2020年公開の映画『ゴジラVSコング(仮)』(ワーナー・ブラザース、レジェンダリー・ピクチャーズ製作)に出演することが報道され、話題を呼んでいる。レジェンダリーと監督のアダム・ウィンガードは、三池崇史監督の『クローズZERO』『クローズZERO II』や福田雄一監督の『銀魂』での小栗の仕事を高く評価しているとのことで、小栗は映画の中でかなり重要な役どころを演じるという。
「小栗さんにとって念願のハリウッド進出ということで、本人的にかなり気合いが入っている状態だとのことです。来年には妻の山田優さんや子どもたちも伴ってLAに移住するという話も出ており、山田さんも子どもたちの教育にとって良いことだと大喜びしているとか」(芸能事務所関係者)
小栗は現在35歳。かなり俳優として脂が乗ってからのハリウッド進出、ということになるが、実はかなり若い時からハリウッド映画に進出している俳優は存在する。
まずは最近、若手実力派俳優として映画やドラマの主演も増えてきた池松壮亮。池松は2003年、12歳の時にトム・クルーズが主演したハリウッド映画『ラストサムライ』で映画初出演を飾っている。池松は戦場でトム演じる主人公に父親を殺されるも、主人公と一緒に生活するうちに心を通わせる少年を演じ、話題に。池松とトムは16年のトム来日時に再会を果たしており、トムはその際に、現在も俳優として活躍する池松の成長におおいに喜びながらも「会えて本当に嬉しいよ! でも驚かないよ。あの当時から素晴らしい演技をしていたからね」との賛辞を送っている。
また、史上最年少のハリウッド映画進出としての快挙を成し遂げたのが芦田愛菜だ。芦田は13年当時、わずか8歳でSF超大作映画『パシフィック・リム』に出演。菊地凛子演じる女性パイロットの幼少時を演じた。ギレルモ・デル・トロ監督は、芦田の演技に対し「天才です」と絶賛。「本当は、彼女は50歳くらいなんじゃないかというくらい、賢く、準備が整っているんです」と芦田の堂々たる女優ぶりに敬意を表している。
「芦田さんは現在、朝ドラ『まんぷく』にて、史上最年少の14歳でナレーションを担当するという快挙を成し遂げています。爽やかで清潔感のある芦田さんの語りは大好評で、高視聴率の一助を担っていることは間違いありません。また芦田さんは現在、慶應義塾の中等部に進学していますが、その英語力の高さはバラエティ番組でもお披露目ずみ。女優業も学業も順調な芦田さんですので、この調子だとまた10代のうちにハリウッド映画に出演することも十分考えられます」(映画配給会社勤務)
日本の芸能界から、世界的な映画スターが誕生するのもそう遠い未来ではないかもしれない。
池松壮亮演じる主人公・宮本浩が勤めている弱小文具メーカーは、まるでサッカーW杯で優勝を遂げたかのような大騒ぎです。大手製薬会社へのクリアファイル納品のプレゼン結果が伝えられ、「ありがとうございます!」と涙ながらに絶叫する宮本を見て、みんな奇跡が起きたとばかりにクラッカーを鳴らして、祝福します。新米サラリーマン・宮本が最後の大暴走を見せた『宮本から君へ』(テレビ東京系)第12話を振り返りましょう。
(前回までのレビューはこちらから)
文具問屋の安達(高橋和也)から、宮本の携帯電話に連絡が入りました。同僚の田島(柄本時生)らはコンペに勝ったと勘違いして大喜びしますが、残念ながらコンペには破れ、益戸(浅香航大)のいる大手文具メーカーが納品することに正式決定したのでした。小田課長(星田英利)に「勝っても負けても、結果を噛み締めたい」とサウナで全裸宣言していた宮本は、全力を尽くしても敗者となった結果をとことん噛み締めます。誰も宮本に声を掛けられずにいる中、岡崎部長(古舘寛治)が歩み寄り、「けじめだ。これを持って、朝いちでお詫びにいけ」と商品券の入った紙包みを渡します。お土産や金券を用意して、相手のご機嫌をとる営業スタイルは宮本がずっと拒んできたものですが、岡崎部長はそれを命じたのです。宮本が大暴走の末、手に入れた結果です。どんなにつらくても、この結果を噛み締めるしかありません。
翌朝、大手製薬会社との仲介役だった「ワカムラ文具」の島貫部長(酒井敏也)のもとに、宮本は一連の騒ぎの謝罪に向かいます。先輩の神保(松山ケンイチ)と小田課長も付き添っていますが、宮本はひとりで詫びに行かせてくださいと頼みます。自分のケツは自分でぬぐいたいという宮本のこだわりでした。小田課長は「無駄骨も喰おうと思えば喰える」と、宮本を「ワカムラ文具」へと送り出します。本当、宮本は上司と先輩に恵まれています。
島貫部長のいる営業部のドアをノックしようとした瞬間、島貫にいつもお茶汲みを命じられている女子社員の富永ちゃん(桜まゆみ)が出てきました。富永ちゃんは宮本がコンペに破れた真相を打ち明けます。宮本の土下座攻勢に島貫部長は根負けして見積書を書いたと思いきや、島貫は見積書の金額を宮本の提示額よりも高く設定して、大手製薬会社に送っていたのでした。何というタヌキ親父ぶりでしょうか。怒りで震える宮本ですが、宮本が島貫を敵に回したことにも責任があります。意を決した宮本がドアを開けると、島貫だけでなく、コンペに勝ったお礼を伝えにきた益戸も待ち構えていました。宮本が上司を誰も連れていないことに、島貫は顔をこわばらせます。営業先が再び修羅場と化していきます。
宮本はスーツの内ポケットに手を入れたまま、ツカツカと島貫のいるデスクの前まで進みます。これが菅原文太か高倉健ならチャカかドスをギラリと取り出すところですが、一介のサラリーマンである宮本は残念ながら拳銃も刃物も持ち合わせていません。岡崎部長から渡された商品券を渡すのか? いや、宮本が内ポケットから出したのは、「営業 宮本浩」と記された一枚の名刺でした。「ふざけているのか!」と顔を真っ赤にした島貫に対し、宮本は執拗に名刺を差し出します。「名刺」という名のとおり、宮本浩という名前を何度も何度も島貫に突き刺そうとするのでした。見かねた益戸が宮本を後ろから羽交い締めにしながら「転職しろ! お前には営業は無理だ!!」と諭します。宮本とは水と油の関係だった益戸ですが、宮本のこれからのことを親身になって考えた上での本音だったような気がします。
しがない中小企業の営業マンたちの熱い祭りは終わりました。宮本の過剰な情熱なら、もしかしたらビジネスの常識を覆すことができるかもしれないと信じた小田課長と神保でしたが、彼らの一瞬の夢も潰えて、日常業務へと戻ることになります。神保はこの負け戦を最後に、新会社を設立しなくてはいけません。「ドン・キホーテ」という、あまりにも自虐的な店名のカラオケパブで、慰労会を開く宮本、神保、小田課長の3人でした。
何ひとつ思いどおりに物事が進まないことにフラストレーションが溜まっている宮本は、隣席のサラリーマンがぶつかったことをきちんと謝らないことに腹を立てます。自分も島貫に詫びを入れることができなかったのに、他人の不手際はカチンとくるものです。宮本はこの頭を下げることのできないサラリーマン・佐々木(松澤匠)と殴り合いのケンカを始めますが、相手はボクシング経験者で宮本は血だるまにされてしまいます。宮本も殴り返すものの、むしろそのことが宮本は頭にきます。ボクシング経験者なら、初心者のパンチは簡単に避けることができるはず。宮本は「ボクサーなら、俺のパンチをかわせよ」と叫びますが、「僕も、ただのサラリーマンです、ボクサーじゃありません」と相手は冷静に返すのでした。日々の業務に鬱屈を感じているのは宮本だけではありません。酔っぱらい同士のケンカでも、宮本はみじめに完敗を喫するのでした。
全力を出し切れば、満足できる結果が待っていると信じて、ここまで突っ走ってきた宮本ですが、残念ながら入社して1年ちょいのサラリーマンが1週間そこら頑張ったことに報いるほど、世間は甘くありません。身も心もズタボロになった宮本がひとりで夜の外濠公園を歩いていると、そこには夜空を眺めている子どもたちがいました。大都会・東京でも晴れた夜にはシリウスやベガなどの明るい星を見つけることができるようです。ふと目をやると、子どもたちの横には甲田美沙子(華村あすか)が佇んでいました。以前、外濠公園で転んだ子どもに手を差し伸べていた美沙子と、またまた遭遇してしまったのです。美沙子は相変わらずキュートなルックスで、思わず声を掛ける宮本でした。
4月からスタートした『宮本から君へ』は第12話となる今回が最終回です。コンペに破れた宮本は、原作どおり年上のOL・中野靖子(蒼井優)との仲を深め、これからの希望を感じさせるエンディングになるのだろうと予測していたのでしたが、真利子哲也監督はそんな原作ファンの期待をあっけなく破りました。第1話から第11話までずっと新井英樹の原作コミックに忠実に映像化してきた真利子監督は、熟考に熟考を重ねた挙げ句、最後の最後で暴走してみせたのです。人生のどん底にいる宮本の前に、包容力のある大人の女・靖子ではなく、過去の女・美沙子を出すのでは意味合いがまったく異なります。
再会を果たした宮本と美沙子はバーに立ち寄り、カクテルを傾けながら近況を伝え合います。美沙子と付き合っていたのは、わずか数カ月前のことなのに、ずいぶん昔のことのように思えてきます。美沙子には酷い捨てられ方をした宮本ですが、昔と同じような笑顔を浮かべる美沙子を見ているとどうでもよくなってきます。美沙子は甘く囁きます。「私たちあのまま付き合っていたら、どうなっていたかな。相性はよかったんだよ」と。美沙子とは1回だけSEXした直後に別れたのですが、美沙子は「相性はよかった」と証言しているので、SEXが別れた原因ではなかったようです。宮本ならずとも男性視聴者がホッとした瞬間です。
美沙子は宮本を捨てて、元カレとヨリを戻したわけですが、結局はまたそのカレに捨てられたそうです。捨てられた翌日に宮本と遭遇したので、美沙子は宮本こそが自分にとっての“運命の人”だと感じているようです。美沙子をもう一度抱いて、仕事の悔しさを忘れればいいじゃないか。これは一生懸命頑張った自分への、神さまからのご褒美に違いない。宮本の頭の中には、そんな考えが去来したことでしょう。ですが、宮本は棚から落ちてきたボタモチは決して口にしようとはしません。自分の手で掴み取って豪快に食べてこそのボタモチなのです。
宮本「ぶっ殺すぞ! このクソったれ女! 俺とてめえの関係は憎むか惚れるかの二つに一つだ。どっちだ、八方美人さんよお! てめーがいい顔すれば、誰だって尻尾振ると思ってんのか!?」
バーを出た宮本はあらん限りの暴言で、追いすがろうとする美沙子を罵倒し尽くします。つらいことがあるとどうしても身近な男性に依存してしまう美沙子に対する、宮本なりの精一杯のエールでした。「宮本さんのバカッ!」という美沙子の怒声を背中に浴び、宮本は「くそ! くそ!」とつぶやきながら夜の街へと消えていくのでした――。
「えっ、これが終わり?」と多くの視聴者が驚いたTVドラマ版『宮本から君へ』のエンディングです。原作コミックの三分の一も消化できていないので、第2シーズン、第3シーズンに期待を寄せる声もネットには上がっています。本編そのものには「終わり」とも「完」とも打たれていませんが、でもTVドラマ版『宮本から君へ』はこのブツ切れ感ある終わり方がやはりベストでしょう。靖子でも美沙子でも、宮本が異性との恋愛に生きる希望を見出しての終わり方では、宮本が美沙子に誘われて会社をサボって海へ出掛けた第3話の頃からちっとも成長していないことになるからです。人間はそう簡単には成長しません。でも、宮本はどん底の中で辛酸を舐め尽くすことで、さらにパワーアップした猛烈な暴走をいつかまた見せてくれるはずです。
孤高の漫画家・新井英樹の会社員時代の体験をベースにした原作コミック『宮本から君へ』ですが、実際に新井英樹は飯田橋にあった文具メーカーを1年2カ月で辞め、漫画家へと転職します。『宮本から君へ』で長編デビューを果たして以降、その過激さに拍車が掛かり、漫画史に残る『愛しのアイリーン』(安田顕主演映画として、9月14日より劇場公開)や『ザ・ワールド・イズ・マイン』といった大暴走ドラマを生み出すことになるのです。
池松壮亮が全力で演じ切った宮本浩は、結局は仕事も恋愛も何ひとつうまく収まりませんでしたが、そのガムシャラな暴走ぶりは、まるで夜空を彩る流れ星のように観る者の心に焼き付きました。そして、夜の街へと人知れず消えていきました。宮本が残したものは一体、何だったのでしょう? 職場や飲み会の席で、受け取ったり、差し出す名刺が、今後はこれまでになく重く感じられるのではないでしょうか。とてもちっぽけだけど、名刺一枚分の熱さと重さを視聴者に伝えて、宮本は去っていったように思います。3カ月間にわたる大暴走の熱い余韻を残し、宮本浩は伝説のサラリーマンとなったのです。
(文=長野辰次)
世界でもっとも暑苦しいサラリーマン・宮本浩が大暴走する、池松壮亮主演ドラマ『宮本から君へ』(テレビ東京系)。先日、原作者・新井英樹のもうひとつの代表作『愛しのアイリーン』が吉田恵輔監督によって映画化され、9月14日(金)から劇場公開されることが発表されました。『宮本から君へ』全話の脚本・演出を受け持つ真利子哲也監督、今回カメオ出演したミュージシャンの峯田和伸を含め、多くのクリエイターたちが新井英樹ワールドを愛してやみません。『宮本から君へ』も『愛しのアイリーン』も、20年以上前に発表されたコミックなのに、何がそんなに読者の心を揺さぶり続けるのでしょうか。宮本の暑苦しさがマックスに達した第11話と共に振り返ってみましょう。
(前回までのレビューはこちらから)
宮本浩(池松壮亮)は都内の弱小文具メーカーに勤める新米営業マンです。なかなか仕事に興味を持てなかった宮本ですが、大手文具メーカーに所属する益戸(浅香航大)とクリアファイルの納品を争ううちに、営業魂に火が点いてしまいました。取り引き先となる大手製薬会社の峰岸課長(村杉蝉之介)が正式決定を下す直前のタイミングで、宮本が発注した新デザインのサンプルが完成。宮本と先輩の神保(松山ケンイチ)は会社に泊まり、ほんとんど寝ていませんが、気力だけは充実しています。サンプルが間に合ったことを素直に喜べと神保にツッコまれる宮本ですが、天の邪鬼な性格の宮本はうまく笑えません。「俺は幸せ貧乏だから。大きな幸せで喜んだら、きっと大きな不幸がやってくる気がして……」。この捻くれた性格こそが、宮本らしさです。
新サンプルは完成したものの、峰岸課長に手渡す前に大きな難問が待っていました。仲卸業者「ワカムラ文具」の島貫部長(酒井敏也)に新サンプルの見積書を書いてもらう必要があったのです。島貫は宮本がこっそり新サンプルを準備し、自分の顔に泥を塗ったと思い込んでいるので、見積書を書く気はまったくありません。どうやって島貫を懐柔するのかと問う岡崎部長(古舘寛治)に対し、宮本は不敵にも「力ずくでも、書いてもらいまひゅよ」と断言するのです。かくして、宮本の狂気じみた大々暴走劇の幕が開くのでした。
島貫と和解させたい文具問屋の安達(高橋和也)に付き添われ、宮本と神保は「ワカムラ文具」を訪ねますが、ちょうど益戸に誘われて島貫はお茶に出掛けるところでした。島貫にのんびりお茶をされていては峰岸課長とのアポイント時間に間に合いません。無視して進もうとする島貫と益戸の前に、宮本&神保が立ち塞がります。こんなケンカ腰状態で、見積書を書いてもらうことができるのでしょうか。
長年の確執から、神保と益戸が口論の末につかみ合いを始め、乱闘寸前になります。すぐ横にいた宮本は流れ弾ならぬ流れパンチを浴び、鼻先から流血してしまいます。流れる赤い血が、宮本の闘争心を掻き立ててしまいました。宮本の獲物を狙う野獣のような瞳がメラメラと燃え始め、島貫たちのいる道路一帯の温度・湿度がぐんと上がります。
ここからは、ひたすら宮本の“世紀の大土下座ショー”が繰り広げられることになります。宮本はアスファルトの匂いを嗅ぐように顔面を道路に擦り付けて、島貫に新サンプルを勝手に作った非礼を詫び、その上で見積書を書いてほしいと懇願します。この光景を益戸は黙って見ていられません。クールな営業を標榜する益戸にとって、土下座はいちばんありえない姿です。もし島貫がこの土下座を受け入れたら、益戸のこれまでの営業スタイルは全否定されたことになってしまいます。宮本が短気な性格であることを知る益戸は、道路と宮本の顔の隙き間に自分の靴のつま先を押し込み、「プライドはないのか。足でも舐めてろよ」と挑発します。でも、採用されるかどうか分からない1個のサンプルが、大勢の人々の想いや生活の上で生み出されたことを身を持って知った宮本は、顔を地面から離そうとしません。いや、益戸の靴のつま先に犬のように噛み付き、さらに「島貫部長! お願いします!」と詰め寄るのでした。
もはや宮本は尋常な人間ではありません。恐怖を感じた島貫はその場から駆け出しますが、四つん這いの姿勢で宮本は追い掛けます。宙を舞う前方回転からの「ローリング土下座」が鮮やかに決まります。9点! 続いては頭を下げたままの姿勢で扇形にムーブして島貫の前に出る「土下座円月殺法」。9.5点! それすらも振り切って逃げようとする島貫に追いすがり、横断歩道で繰り出した命懸けの「グランド・アポロジー・デンジャラス・スペシャル」。10点! 土下座界の歴史を次々と更新する画期的な土下座プレイの数々を我々は目撃するのでした。タヌキ親父の島貫も、ついに「やめろって。見積書は書くから」と白旗を揚げる結果に。
原作者の新井英樹は漫画家には珍しく、高校卒業までラグビー部に所属していたそうです。『宮本から君へ』の異様な熱さは体育会系ならではのものです。池松壮亮もラグビー経験者で、抜群の身体能力の高さを見せてくれました。宮本の見事な土下座ぶりは、瞬く間にちまたで噂になったようです。「ワカムラ文具」でいつも島貫にお茶汲みを命じられていた女子社員の富永ちゃん(桜まゆみ)がにっこり笑顔で、宮本たちを見送ります。ちなみに、この桜まゆみという女優さんは、安田顕主演映画『愛しのアイリーン』にも重要な役で出演しているので、新井英樹ファンは要チェックです。
約束の時間ギリギリでしたが、宮本は何とか峰岸課長に新サンプルを手渡すことができました。サンプルは途中で車に轢かれて一部破損しており、そのことを指摘された宮本は大手製薬会社の受付けロビーいっぱいに響き渡るデカい声で「僕の落ち度で、そんな目に遭わせてしまいました!」と詫びるのでした。宮本の一点の曇りもない率直な謝罪に、峰岸も苦笑いでサンプルを受け取るしかありません。帰り際、「宮本さん、ごくろうさまでした」と峰岸課長はひと言掛けるのでした。これまで、ずっと営業先では名前で呼ばれることのなかった宮本の本懐が成就した瞬間でもありました。
かつて有吉弘行はベッキーのことを「元気の押し売り」とネーミングしましたが、宮本の場合は「情熱の押し売り」です。宮本の強引すぎる営業方法は、新人だから辛うじて許されるものでしょう。入社5年、もうすぐ30歳を迎える神保には、宮本のような捨て身の土下座営業はもうできません。言ってみれば、宮本の営業スタイルは、初期衝動だけで突っ走るパンクロックのようなものです。才能やテクニックがなくとも、自分の胸の中に溜め込んだ感情をブチまけるのがパンクロックの魅力です。それは芝居も同じです。キャリアを積めば、表現力はそこそこ身に付きますが、ただ演技がうまいだけでは観客の心は動きません。パンクも芝居も営業も一緒です。目の前にいる人間の心を動かすことができるかどうかが、いちばんのポイントなのです。初期衝動に身を任せ、突っ走るだけ突っ走る宮本のことを、先輩の神保も上司である小田課長(星田英利)も、どこか懐かしい気持ちで見ています。社会人になってすぐの頃の自分の姿を、宮本の中に見ているようです。
本作を撮った真利子監督も、『愛しのアイリーン』の吉田監督も、タクシードライバー役で一瞬だけ映った峯田和伸も、同じ気持ちではないかと思います。物づくりにいちばん大切なもの、初期衝動は、お前の胸の中で今も熱く燃えたぎっているのかどうかを、新井英樹のコミックは問い掛けてくるのです。いよいよ次回は最終回。大手製薬会社からの結果報告を宮本はどう噛み締めるのか。宮本の前に再び現われた小悪魔・美沙子(華村あすか)に、宮本はどう対応するのか。そして『宮本から君へ』のドラマ版が最終回を迎えることに、真利子監督はどうオトシマエをつけるのか。宮本最後の大暴走も見逃せません!
(文=長野辰次)
クライマックスに向け、新米サラリーマンの大暴走が続く池松壮亮主演ドラマ『宮本から君へ』(テレビ東京系)。情熱だけで人間は、果たしてどこまで突っ走ることができるのでしょうか。宮本の若さに任せた暴走を苦々しく感じている大人たちが、次々とその前に立ちはだかることになります。もう後には戻れない“爆弾小僧”宮本が、真正面から障害へとぶつかっていく第10話を振り返りましょう。
(前回までのレビューはこちらから)
弱小文具メーカーに勤める宮本浩(池松壮亮)は仕事に興味が持てず、付き合い始めた大手自動車メーカーの受付嬢・美沙子(華村あすか)とはエッチした直後に振られ、人生のドン底にいました。さらには大手文具メーカーに勤めるイケメン営業マンの益戸(浅香航大)と営業先でケンカ騒ぎを起こし、反省の意味を込めて頭を丸めたところです。「社会人になって、あまりいいことがない」とこぼしていた宮本ですが、大手製薬会社に納品するクリアファイルの件だけは、まだ諦め切れずにいます。大手製薬会社が正式決定を下すまで、残り1週間。ライバル益戸の勝利が確定している中、奇跡の逆転を目指して宮本は今回も鼻息が荒いです。
宮本の情熱に感染してしまった先輩の神保(松山ケンイチ)、小田課長(星田英利)の協力を得て、宮本は極秘に新しいサンプルの発注を進めていました。1週間以内にサンプルを完成させなくてはいけないので、綱渡り状態です。ところが、宮本がクリアファイル納品の件をまだ諦めていないことが、仲介業務を請け負っている「ワカムラ文具」の島貫部長(酒井敏也)の耳に入ります。宮本が勝手に新しいサンプルを提出することは、大手製薬会社との間に入っている島貫部長や文具問屋の安達(高橋和也)のメンツを潰すことになります。激怒した島貫は、宮本の上司である岡崎部長(古舘寛治)を電話で叱責。坊主頭の宮本のことをヤクザ呼ばわりするのでした。
元はと言えば、タヌキ親父の島貫がクリアファイルの入札価格を事前に益戸に漏らしたために端を発した問題ですが、既得権益の上にあぐらをかく島貫は自分の非を認めるわけがありません。さまざまな利害関係で成り立つビジネスの世界には、ろくに仕事をしていないのに威張っている島貫のような理不尽な輩は大勢います。会社に戻ってきた宮本は、さっそく岡崎部長から会議室に呼び出され、大目玉を喰らうはめに。でも、島貫の悪行にはこれまでも神保や小田課長も散々手を焼いてきたのでしょう。2人して、宮本を庇うのでした。中でもほっしゃん演じる小田課長のこの言葉が泣かせます。
小田「上に立つ人間が、部下の可能性の間口を狭めてどないするんすか。取り引き停止のひとつやふたつ、どないでも穴埋めできますから」
会社勤めを経験している人間なら、仕事ができる先輩に一度は言われてみたい台詞ですね。会社って、いくら大企業に就職できても、配属先の先輩や上司がサイアクな場合はどうにもなりません。むしろ地獄です。その点、宮本は本当に上司や先輩に恵まれています。思わず目頭が熱くなった宮本は、「……続けさせてください」と岡崎部長に声を震わせながらお願いするのが精一杯でした。実はこの台詞、新井英樹の原作コミックにはないひと言です。架空の人物であるはずの宮本浩が憑依した池松壮亮の口が、自然に動いたものではないでしょうか。
会議室での熱いやりとりを、同僚の田島(柄本時生)は耳をそばだてて聴いています。採算の目処が立たない仕事に夢中になっている宮本は大バカ者ですが、そんな大バカ者を小田課長と先輩の神保は懸命にフォローしています。田島は羨ましくて仕方ありません。つまらないはずの仕事を面白い状況に転がし、周囲をどんどん巻き込んでいく宮本は、とても特殊な才能の持ち主のようです。
結局、岡崎部長はサンプルの件について「OK」とは言いませんでしたが、「絶対に許さん」とも言わずに会議室から去っていきました。小田課長いわく「沈黙は了承や」とのことです。かくして、タヌキ親父の島貫のメンツを潰すことを前提にした新サンプル作成ゲリラチック情熱作戦は続行することになったのです。ところが、ここでトラブル発生。新しいクリアファイルのデザイン版下は用意できていた宮本ですが、すでに押さえていた印刷工場が仕事のキャンセルを言い出したのです。
親会社から急ぎの大量発注が回ってきたので、イレギュラーでしかも少量のサンプルを仕上げるだけの宮本の注文は後回しにされてしまったのです。印刷工場の社長も申し訳なさそうです。印刷工場の多くは零細企業で、社長が営業と現場の責任者を兼ねていることがほとんどなのですが、そんなカツカツの予算とスケジュールで動いている町工場のリアルさがまざまざと描かれる第10話でした。『宮本から君へ』の原作世界をリスペクトする真利子哲也監督の場合、柳楽優弥&菅田将暉主演作『ディストラクション・ベイビーズ』(2016)のスマッシュヒット以前はインディーズ映画でずっと地道に撮り続けてきたわけです。予算も人材も限られているインディーズ映画の製作現場も、似たようなものです。いくら監督だけが熱くなっても、どうにもなりません。みんなを熱くできなければ、現場は回らないのです。
宮本が窮地に陥っている一方、ライバルの益戸はいっさい手綱を緩めようとしません。島貫を遠隔操作してクリアファイルの件を宮本に諦めさせようとしていた益戸ですが、さらに念には念をと、クリアファイルの納品を1日早めます。もはや絶体絶命のピンチに追い込まれた宮本。ですが、ここで救いの手を差し伸べる人物が現われるのでした。高橋和也演じる文具問屋の安達です。本来なら島貫同様に仲介を無視した宮本の暴走に怒っていいはずの安達ですが、彼も益戸と島貫のアンフェアなやり口にはカチンときていたのです。そして何よりも、宮本の「僕を男にしてください!」という実直な言葉を粋に感じたのです。ソープランドの店内ならいざしらず、取引先の相手にはなかなか言えない台詞です。「よくぞ、言った。宮本!」とばかりに安達は以前から懇意にしている印刷所を個人経営する飯島(篠原篤)のところへ宮本を連れていくのでした。これぞ、男が男に惚れる瞬間ですね。さすが元「男闘呼組」高橋和也!
宮本の強引な仕事ぶりに反感を覚える視聴者もいることでしょう。仲介人も印刷工場もそれぞれの立場と事情を抱えて毎日黙々と働いているわけです。そこへ宮本はふいに割り込み、ひたすら頭を下げ続けることでイレギュラーな仕事を押し付けているのです。宮本は自分の思いどおりに仕事ができて満足かもしれませんが、相手は目先の仕事だけでなく職場全体と家族を守らなくてはいけないのです。
でもですよ。常識ある人間は、常識の範囲内でしか物事を考えることができません。常識の中だけで生きていればリスクを生じる可能性は低いわけですが、新しいものは何も生まれてはきません。縮小再生産を繰り返し、ゆっくりとパワーダウンしていくのを待つだけです。宮本の強引なお願いは、非常識ですが、何か訴えかけるものがあるのです。クリアファイルのサンプルを印刷するだけですから、大した儲けにはなりません。しかし、宮本のギラギラした目を見ていると、「こいつと一緒にいると、何か面白いことが起きるかも」という気にさせてくれるのです。親戚や学生時代にはいなかったような、途方もなく面白そうなヤツに出会える。それが仕事の醍醐味であり、そんな人間関係のネットワークを名刺一枚で築くことが、営業マンの面白さなのかもしれません。
宮本の面白い人間を呼び寄せ、巻き込んでいく特殊能力は、原作後半ではとんでもない事件を招くことにもなりますが、それはまだしばらく先の出来事です。次回・第11話はサラリーマン・宮本浩としての最大の見せ場が待っています。宮本の熱さに感染した人は、もう見逃すことができません。
(文=長野辰次)
才能もなく、お金もなく、コネもない人間は、立場の強い人間の言いなりになるしかないのでしょうか。才能も、お金も、コネもない人間が立ち向かう武器は、ひとつしかありません。それは情熱です。効率至上主義で回る現代社会において、はたして情熱だけで物事は動くのか、常識ぶった大人たちに一矢を報いることができるのか。社会人になって1年足らず、勤務先は無名の中小企業、大手企業に勤める彼女にも棄てられ、自慢できるものが何ひとつない営業マンの宮本が、世間の常識に呑み込まれることを拒み続ける熱血サラリーマンドラマ『宮本から君へ』(テレビ東京系)。新井英樹の原作コミックの中でも、共感度の高いエピソードをほぼ忠実に再現した第9話を振り返りましょう。
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坊主頭になった宮本浩(池松壮亮)は走り続けます。宮本は都内の弱小文具メーカーに勤める新米営業マンで、大手製薬会社に納品するクリアファイルの入札をめぐってライバル社の益戸(浅香航大)としのぎを削り合っているところです。不当な手段で入札価格を事前に知った益戸が直前になって価格を下げたことで、益戸側の勝利はもう確定していました。ですが、不正がまかり通る現実社会に我慢できない宮本は、益戸が用意したクリアファイルよりもいい物を見つけようとデザイン会社を次々と訪ねて回っているのでした。大手製薬会社が正式決定を下すのは1週間後。先輩営業マンの神保(松山ケンイチ)が作成したリストを片手に、宮本はひたすら走り回ります。
宮本がいくら焦っていても、どのデザイン会社ものんびりとした対応で、宮本がイメージしているようなオシャレなクリアファイルはそうそう見つかりません。「地軸はいつだって、僕から遠く離れた所にあって、世の中は回っていた」と諦め掛けていた宮本ですが、夕方に駆け込んだデザイン会社でようやく宮本の熱さに反応してくれる人物に出逢います。デザイン会社のお局っぽい女性社員の徳間さん(片岡礼子)に「ショールームの見学は原則的に夕方の5時まで……」と追い返されそうになった宮本ですが、何度も頭を下げ、「お願いします」と連呼する坊主頭の宮本のしつこさにほだされます。「原則的に好きですよ、そういうの」と徳間さんはショールームへ案内します。ショールームといっても、オフィスの片隅にあるちっぽけな展示スペースでしたが。
小さなショールームでも、そこには徳間さんがこの会社に勤めてからの歴史でいっぱいです。徳間さんが手にしたクリアファイルを、宮本はひとめで気に入ります。飛び込みで現われた初対面の宮本に対し、徳間さんは丁寧に対応し、版下を管理している広告会社にまで連絡を入れてくれました。「どうやって、お礼したらいいですか……」と素直に感謝の気持ちを伝える宮本に対し、徳間さんは照れながら答えます。「選んでくれたのは、あたしの初仕事。だから、褒められた分でチャラ!」。職場では男性社員をアゴで使っている徳間さんが、ひどく可愛い女性に思えます。朝からずっと走り回ってオーバーヒート気味だった宮本の心に、さぁ~と涼しげな風が流れた瞬間でした。
情熱は連鎖します。宮本が版下を受け取るために訪ねた広告会社では、見るからに小物そうな平社員の小菅(岩瀬亮)が応対しますが、退社時刻に現われた来客に迷惑顔しか見せません。「世の中ね、あなたを中心に回っちゃいませんよ」とブツブツ愚痴をこぼす小菅ですが、上司の梶井(鶴見辰吾)の命令で宮本と一緒に資料室のどこかに眠っているはずの20年前の版下を探し出すことになるのでした。宮本が他人の迷惑を顧みずに仕事に没頭していることが、自分の枠の中だけで生きている小菅にはまるで理解できません。梶井の前で土下座までした宮本のことを「あんた、けっこう計算高いよね」と見下していた小菅ですが、「社会人になって、ほとんどいいことありません」「彼女はいません。僕が女でも、今の僕には惚れませんから」と版下を探しながら心情を吐露する宮本に、斜に構えていた小菅の心もついに動かされます。
小菅も思いどおりに進まない恋愛や面白くない仕事内容で悶々とした日々を過ごしているようです。最初はまるでやる気のなかった小菅ですが、資料棚の後ろに落ちていた版下をひょっこりと見つけます。小菅がいなければ、この版下はその日のうちには見つからなかったはずです。徳間さんも、小菅も原作コミックでは一回きりの登場です。『宮本から君へ』では脇役にしかすぎません。でも、そんな一期一会の出逢いに支えられて、宮本は夜になっても走り続けるのでした。
池井戸潤の企業小説を原作にしたTBSの大ヒットドラマ『半沢直樹』はエリート銀行マンが倒産寸前のホテルを見事に立て直し、『下町ロケット』では町工場の二代目社長が国産ロケットの打ち上げに成功します。池井戸作品の主人公たちは頭脳明晰なエリートであり、また会社や家族を守るヒーローとして大活躍します。それに比べ、宮本は出来合いの版下を手に入れるために、走り回り、汗を流し、土下座までします。しかも、それは宮本自身が満足するためのエゴであって、全然かっこよくありません。美沙子(華村あすか)や靖子(蒼井優)といったヒロインたちも登場しない非常に地味な第9話ですが、でも観る者の心にじんわりと染み込むものがあります。
負け犬の烙印を押されたままじゃ、終われねぇ。宮本のそんなガムシャラさは、自分自身が傷つかないよう諦めがよく、TPOに合わせて感情をセーブできる大人になった我々に、大切なことを思い出させてくれるのでした。そして、おのれのエゴむきだしで突っ走ってきた宮本も、たまたま出逢ったいろんな人たちのさまざまな価値観を受け止めていくうちに、溢れ出る情熱はやがてひとつの形になっていくのです。頭でっかちだった宮本がようやく手に入れた信念、お金では手に入らない本当の意味での誠意と言っていいかもしれません。宮本はわずか1日でぐんと大人になったのです。
夜10時をすぎ、神保たちが待つ会社に宮本はようやく帰社します。朝からずっと全力で走ってきた宮本の心は、まだ止まることができません。「製薬会社の件は、もう終わったんや」と宮本を諦めさせようとする小田課長(星田英利)に懸命に喰らいつきます。サウナに移動した小田課長と神保を前にして、素っ裸の宮本は主張します。「このままで終わったら俺、きっとがんばったことで満足しちゃいます。俺は結果を噛み締めたいんです、勝ちでも負けでも」。サウナの熱気よりも熱い宮本に、ついに小田課長も根負け。課長決裁で新サンプル作成にGOサインを出すのでした。
ビジネスの世界では、結果のみが求められますが、その結果の元になるものを生み出すのは一人の人間が持っている情熱ではないでしょうか。誰だって、情熱はないがしろにはできません。後はもう、結果を残すだけです。退職が決まっている先輩の神保も、課長決裁したことで上から叱られることを覚悟している小田課長も、デザイン会社で人知れず新しい文具を考えている徳間さんも、広告会社で燻っている小菅も、そして視聴者全員が、池松壮亮演じる宮本が最後に奇跡を起こしてくれることを願っています。いよいよ物語が佳境に入る次回・第10話も見逃せません。
(文=長野辰次)
日大アメフト部問題が注目を集めています。アメフト部員である学生たちがアメフトに青春のすべてを捧げているのに対して、監督やコーチといった大人たちにとってのアメフトはお金を稼ぐための手段でしかありませんでした。試合に勝つことのみを目的とした組織の理論とアメフトという競技に情熱を注ぐ選手個人の想いとの大きな裂け目に、渦中の選手はハマってしまったようです。ビジネス上の常識と個人的な理想との狭間で、『宮本から君へ』(テレビ東京系)の主人公・宮本浩も揺れ動いています。奇しくも宮本役を演じる池松壮亮が頭を丸めた『宮本から君へ』第8話を振り返りましょう。
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宮本浩(池松)は弱小文具メーカーに勤める新米営業マンです。前回、先輩の神保(松山ケンイチ)と共に大手製薬会社に納品するクリアファイルの商品説明に臨みました。宮本にとっては初めての大仕事、神保にとっては最後の仕事になるため、かなり頑張った低価格で見積書を提出しました。ところが、ライバル社の益戸(浅香航大)がさらに安い価格を提示していたことを知り、大ショックを受けます。入札制にもかかわらず、仲卸業者である「ワカムラ文具」の島貫部長(酒井敏也)が益戸に情報を漏らしていたのです。汚い島貫や益戸たちのやり口に、怒り狂う宮本でした。
大手製薬会社が正式決定を下すのは10日後です。美沙子(華村あすか)とはあっさり別れた宮本ですが、今回の仕事はどうにも諦め切れません。神保から無駄だと諭されても、今の宮本の耳には何も届かない状態です。商品説明会であからさまに不機嫌な態度を見せていたことを文具問屋の安達(高橋和也)からも注意されますが、そこへ勝ち誇った表情の益戸が現われたため、ついつい余計なひと言が出てしまいます。「直前になって見積書を書き直す、益戸さんの慌てふためく姿を見たかったです」と精一杯の皮肉を口にするのでした。
ド新人の営業マンである宮本のこの言葉にカチンときた益戸は「おまけは黙ってろよ」と言い返します。感情の沸点が極端に低い宮本は、もう我慢できません。安達たちが見ている前で、益戸につかみ掛かってしまいます。ところが、勢い余った宮本は、益戸にいなされて、かっこ悪く床に転がるはめに。「おい、ケンカか!?」とフロア全体が騒然としますが、益戸の「違います。つまずいただけだよな、宮本くん」という冷静な言葉によってその場は収められるのでした。安達からの「お前は営業失格だ」というダメ押しの言葉が身に沁みる宮本でした。
熱血サラリーマンドラマだった『宮本から君へ』ですが、第8話は同じテレ東の人気ドラマ『孤独のグルメ』に同化していきます。怒りのやり場のない宮本は、神田の洋食屋で、さらには赤羽の自宅アパートに戻って、バカ喰いを続けます。井之頭五郎のようなウイットに富んだ脳内ナレーションはありません。自分の胃袋を痛めつけるためだけに、ひたすら宮本は食べ続けます。お昼をたらふく食べた後も、コンビニで買った袋入りのポテトチップをペットボトルのコーラで流し込み、大福もちを齧り、さらには甘いプリンアラモード、カップ麺をかっ喰らいます。心配して様子を見にきた同期入社の田島(柄本時生)の気分が悪くなるほどの悪食ぶりでした。これでは庶民的美学を貫く『孤独のグルメ』ではなく、節操のない『乞食のグルメ』です。かっこ悪いことをしている自分に酔っていることを宮本は自覚しており、そのことがさらに宮本に嫌悪感をもたらすのでした。負のループ地獄が止まりません。
「俺がかっこいいと思ったやり方、何ひとつ成功しねぇ」と狭いアパートのトイレで宮本は嗚咽します。うんこと惨めさを垂れ流す宮本でした。さらにはトイレットペーパーが切れていて、自分の尻さえも拭えません。武士なら切腹、極道なら指を詰めるなどの詫び方がありますが、トイレから出てきた宮本が選んだ方法は実にシンプルです。部屋にあった電気シェーバーを使って、頭を丸め始めるのでした。中途半端な逆モヒカン状態になった宮本と、それを見て笑い転げる田島の表情をカメラは映し出します。役のために、自分の地毛を劇中で刈ってしまうところが、実に若手演技派・池松壮亮らしいですね。
頭を丸めただけでは、事態は何も変わりません。営業マンとしての経験の浅い宮本が頼れるのは、やはり神保です。日曜日ですが、宮本は迷わず神保のいるマンションにGOです。坊主頭になった宮本を、ひとまず神保は笑って受け入れてくれました。大手製薬会社への入札は諦めて、頭を切り替えたほうがいいと一般論を説く神保に対し、「それを認めたら、一般論をつくった人以上にはなれないと認めたことになりませんか」とまだ喰らい付きます。「最後までもがいてれば、望みは消えないと思います」と信念を捨てない宮本に、もはや返す言葉を神保は持っていません。2人にとっての仕事とは、営業とは、食べるための手段のみならず、自己実現のための重要なものだったのです。熱風ブラザーズの再結成です。
月曜日。ケンカ騒ぎを起こしたことを、文具問屋の安達のところまで謝罪に宮本は向かいます。スーツ姿に坊主頭はまるで似合いませんが、安達たちの大笑いした表情にホッとしました。ところが、宮本が頭を丸めたことを面白く思わない人間もいました。宮本がケンカを売った益戸です。子どものように頭を丸めた宮本を見て、益戸はおもむろに不機嫌な顔になるのでした。スマートでクールな営業スタイルを標榜する益戸にとって、それはもっとも肌に合わない謝罪方法だったのです。
「僕には生きていく上で、仕事以外にも興味があることがたくさんあるんだよ」と益戸は上から目線で語ります。ひとりの人間の持てるパワーが100%だとしたら、益戸は30~40%程度の力で要領よく仕事を済ませ、後はプライベートを充実させたいというタイプです。そこへ120%以上の情熱をたぎらせながらド新人が30~40%の枠に首を突っ込んでくるのはウザすぎるというわけです。もはや営業スタイルうんぬんの違いではなく、人間としての生き方の問題です。頭を丸めて、ますます純粋無垢化している宮本は、益戸のいう大人の営業スタイルが受け入れられません。大手製薬会社へのクリアファイル納品の件をまだ諦めていないことを、ついつい益戸にバラしてしまうのでした。勢いに任せて感情を爆発させてしまう宮本は、やっぱり大バカものです。
目の前の仕事に全力を出し切ることに快感を覚える宮本のような体育会系のサラリーマンもいれば、最小限の努力で最大の効果を狙う策士タイプもいるわけで、さまざまな価値観が組み合わさって大人の社会は成立しています。益戸のやり方は決してフェアではありませんが、彼としては自分が持っているコネと営業テクニックをフル発揮して、入札を勝ち得たのです。学生時代と違って、努力よりも結果を残すことが重要視される社会人としてのシビアさを、異なる価値観の持ち主である益戸から学ぶ宮本でした。
次回、第9話の宮本は、むかつく益戸に反撃するために驚異的な粘り腰を見せることになります。予算も時間もコネもない中で、宮本はどんな逆転劇を演じてみせるのでしょうか。宮本の過剰な情熱がようやく実を結び始める第9話も見逃せません。
(文=長野辰次)
池松壮亮は人間台風です。カンヌ映画祭パルムドールを受賞した是枝裕和監督の『万引き家族』(6月8日公開)では、ちょい出演ながら印象的なシーンに登場。主演映画『君が君で君だ』(7月7日公開)では尾崎豊へのなりきり演技を披露。日本映画界を揺さぶる存在に成長を遂げつつあります。そんな彼が、現実と理想の狭間で悶え苦しむ若者像を等身大で演じているのが『宮本から君へ』(テレビ東京系)です。社会人になって間もない主人公・宮本浩が、人生最大の壁にぶつかる第7話を振り返ってみましょう。
(前回までのレビューはこちらから)
宮本浩(池松壮亮)は都内の弱小文具メーカーに勤める新人営業マンです。いつもはみんなで居酒屋へ繰り出すアフターファイブですが、最近はちょっと様子が変わりました。大手製薬会社へのクリアファイル大量納品をめぐり、宮本は先輩営業マンの神保(松山ケンイチ)と小田課長(星田英利)と残業中です。3人で顔を突き合わせて、せっせと見積書を書き直しています。宮本にとっては初めての大仕事であり、退職が決まっている神保にとっては最後の仕事になります。大手文具メーカーに勤めるライバル・益戸(浅香航大)との競合ということもあって、神保も宮本も鼻息が異常なほどに熱いです。以後、この2人は“熱風ブラザーズ”と呼ぼうと思います。熱風ブラザーズは弱小企業に奇跡をもたらすことができるのでしょうか?
見積書を書き直しただけでは熱気が収まらない宮本は、神保のマンションにまでついてきます。神保のマンションでは、内縁の妻・緑ちゃん(北川裕子)と神保と共にコンピューター会社を設立する重松(板橋駿谷)が夕食の準備をして待っていました。緑ちゃんも重松も、いつもヘラヘラ顔だけど心の中に情熱をたぎらせている神保に惚れ抜いています。神保を師匠として仰いでいる宮本も、この輪の中にすんなりと溶け込むのでした。かつて益戸は文具店でバイトしていた緑ちゃんのことをブス呼ばわりしたそうです。許せません。益戸をぎゃふんと言わせてやろうと、大いに盛り上がる熱風ブラザーズとその仲間たちでした。
入札を直前に控え、熱風ブラザーズは熱帯低気圧から大型台風へとますます勢力を増していきます。入札価格を赤字ギリギリまで下げたいという宮本の主張を岡崎部長(古舘寛治)は渋りますが、神保が巧みに「製薬会社との太いパイプができますよ」とアシスト。宮本の突貫小僧ぶりと神保の老獪なインサイドワークで、熱風ブラザーズは抜群のチーム力を発揮するのでした。人事を尽くして天命を待つ。熱風ブラザーズは、いよいよ入札に臨みます。
益戸がひと足先に製薬会社へのプレゼンを終え、続いて熱風ブラザーズの入場です。製薬会社の販売促進部・峰岸(村杉蝉之介)へのあいさつを済ませた宮本は、峰岸が最近凝っているらしいコンピューターのソフトに関する手づくり資料をお土産として手渡します。益戸は先ほど、新品のソフトを持ってきたそうです。プレゼンの場に立ち合う「ワカムラ文具」の島貫(酒井敏也)は「雲泥の差だね」と鼻で笑います。思わず頭に血がのぼる宮本でしたが、ここは神保がうまくフォロー。「言葉や人との繋がりで得る力を僕は信じています」と爽やかな笑顔で、熱風ブラザーズとしてのフェアな戦い方をマイクアピールします。プレゼンを初めて経験する宮本には、とっさに出てこない台詞でした。現場経験が豊富で、しかも信念を持った営業スタイルを貫くタッグパートナーを頼もしく思う宮本でした。
全力で30分一本勝負のプレゼンを戦う熱風ブラザーズでしたが、神聖なはずのリング、いや入札の場で不正が横行していることに気づきます。儲けの薄いギリギリの入札価格で見積もり書を提出していた熱風ブラザーズでしたが、ライバルの益戸はそれをほんの僅かに下回る価格を提示していたのです。益戸に肩入れしている島貫が、事前に情報を漏らしたに違いありません。勝負あった、でした。自分の力ではどうしようもない、理不尽な大人たちのやり口に憤慨する宮本ですが、どうしようもありません。現実社会の大きな壁にぶつかり、熱風ブラザーズは決勝のリングに上がることなく、予選敗退が決まったのです。
今回の入札は出来レースでした。ライバル社の益戸は犬猿の仲だった神保を蹴落とし、製薬会社は入札制にすることで価格を大幅に抑えることができたのです。熱風ブラザーズはいわば“噛ませ犬”扱いされたのです。喫茶店に入っても怒りが静まらない宮本は、「諦めろ。俺たちはベストを尽くした」となだめる神保に喰って掛かります。「やることをやった人は、そんな顔はしないと思います」と笑顔で苦虫を噛み潰していた神保の表情をディスるのでした。仕込まれた八百長によってリング上で撃沈した熱風ブラザーズは、ついに仲間割れ状態に陥ります。
昼飯も食べずにひとりで小売店を回っていた宮本ですが、夕方になってもまだモヤモヤが続いたままです。諦め切れずに神保のマンションへと向かいます。偶然、マンションから出てきた中野靖子(蒼井優)と鉢合わせになります。頭から蒸気を発している宮本を見つけ、「お姉さんといい所に行こう」と外へ連れ出す靖子でした。
緑ちゃんが妊娠したことが分かり、神保は今知ったところだそうです。しばらく夫婦水入らずにしてあげようという年上の女性らしい、ナイスな気配りでした。先日の飲み会では宮本と意気投合し、自転車に2人乗りして深夜の東京を徘徊した靖子でしたが、この日は厳しく宮本に接します。神保は会社を辞め、新しい会社を立ち上げ、さらには父親にもなろうとしている。新しい人生に神保は精一杯向き合っているのに、宮本は目の前のことしか考えられずにいる未熟者だと。嫌になるほど、心の中を靖子に見透かされています。それでも、まだウジウジしている宮本に、靖子は必殺技を炸裂させます。
アントニオ猪木ばりの脳しんとうを起こしそうなほどの鬼ビンタ、もしくは『機動戦士ガンダム』のセイラ・マスが「軟弱者!」とカイ・シデンを吹き飛ばした平手スマッシュが、宮本のほおを直撃します。キッスよりも熱い、強烈な一撃です。勢力が衰えつつあった熱風ブラザーズ・宮本は、年上の“高気圧ガール”靖子と再会したことで気合を再び注入されるのでした。
夜の亀戸神社に佇む蒼井優と池松壮亮。どことなく昭和感が漂う2人ですが、この並びってデジャヴ感あるなぁと感じていたら、ふと思い出しました。この2人、10代のころにSF実写映画『鉄人28号』(05)で共演していたんですよ。横山光輝原作の有名コミックの映画化で話題を呼んだ実写版『鉄人28号』でしたが、実写版『デビルマン』(04)と同様にCGパートの出来がひどく、記録的な大コケで終わりました。池松は小学生ながら巨大ロボットを操縦する金田少年役、蒼井優は金田少年を姉のように見守る天才エンジニア役でしたっけ。あれから13年の歳月を経て、2人とも日本映画界を牽引する実力派俳優に成長し、再びテレビ東京の深夜ドラマにて邂逅したことにちょっぴり感慨が湧いてきます。ちなみに『鉄人28号』の劇場公開時のキャッチコピーは「純粋無垢は、罪である」でした。今の宮本にぴったりのコピーですね。
靖子に気合を入れられた宮本は、第8話からついに大暴走を始めます。営業先の問屋で益戸にからかわれ、つかみ合いのケンカをやらかしてしまうのです。もはや社会人大失格です。ところが、堕ちるところまで堕ちることで、逆に宮本は誰にも真似できないキラキラとした輝きを放ち始めるのです。宮本の暴走パワーがスイッチオン状態になる第8話も見逃せません。
(文=長野辰次)
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