その“夢”は現実に何をもたらすのか——嘘と混乱の東京オリンピック

 前代未聞の大失敗に終わった『FYRE』という音楽フェスティヴァルがある。その惨状をテーマにしたNetflix制作・配信のドキュメンタリー『FYRE: 夢に終わった史上最高のパーティー』を見たという人も多いだろう(Huluでも同テーマで別作品のドキュメンタリーが配信中)。

『FYRE』は「バハマの離れ島で開催されるラグジュアリーな超豪華フェス」という触れ込みで、SNSで強い影響力を持つセレブやインフルエンサーにガンガンPRさせまくり、大きな話題を呼んで高額なチケットも発売直後に完売。ところが、運営がとにかく杜撰で雑でテキトーだった。規模がふくれ上がっていく一方で、アーティストのブッキング、会場設営や観客の宿泊施設、食事、交通手段の手配など、すべてがデタラメなまま強引に推し進められ、最終的に開催当日になってすべてが中止。期待を胸にやってきた観客はカオス状態の会場に放置された。結果、ソーシャルメディアで大炎上を遂げて、逮捕者まで出る始末となったのである。

 開催当日までには実にさまざまな問題が発生するわけだが、主催者であるビリー・マクファーランドは場当たり的な対応しかせず、面倒なことは下の人間に投げっぱなし。『FYRE: 夢に終わった史上最高のパーティー』はそのひどさを余すところなく映し出す。見ているうちに「こんなの失敗するに決まってるだろ」と呆れ果て、振り回されっぱなしの現場スタッフに同情して思わず胃が痛くなりつつ、他人事だから笑えてしまう。「いやあ、本当にひどい話だ」と。ただ、なんだかこの惨状は実はちょっと他人事でもないような気もする。今、私たちは『FYRE』をはるかに上回る規模のイベントが歴史的な大失敗へと突入していく過程をリアルタイムで経験しているのではないか。そう、東京オリンピックである。

 2013年9月8日の招致決定以来、今回のオリンピックに関してはとにかくろくな話がない。というか、信じられないレベルのろくでもない話ばかりが底抜けに続いている状況だ。

 そもそも招致の段階からいろいろとデタラメだった。当時、東京都知事だった猪瀬直樹氏は「世界一カネのかからない五輪」と誇らしげだったが、当初約7340億円とされていた開催費用は、いまや関連予算を含めると3兆円オーバーの見込み。当初の見積もりの4倍だ。いくらなんでも見通し甘すぎではないか。

 そして、後になって数多くの問題を引き起こすことになった東京の会期中の気候に関するアピール。「天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候」などと言っていたわけだが、東京都民なら誰でもわかるように大嘘である。東京の夏は死人が出るほど暑い。

 さらに、今回の招致をめぐっては贈収賄疑惑まで出てきた。当時の招致委員会理事長だった竹田恒和氏が東京への賛成票を不法に買ったとしてフランス司法当局の捜査対象になっているという。もう何から何までインチキである。

 その後も東京オリンピックをめぐるトラブルや珍騒動は手品師の口から出てくる万国旗のように次々と終わりなく発生していった。ざっと振り返ってみたい。

 まずケチがついのが、公式五輪エンブレムの盗用問題。すったもんだの末に当初の佐野研二郎氏による当初のデザインは却下されて再公募するハメになった。

 新国立競技場の建設も最初から波乱続きだった。すでに決定していたザハ・ハディト氏案を「予算がかかりすぎる」という理由で急遽撤回。全体予算が当初の予定から4倍にも膨れ上がり、新国立競技場建設をめぐる混迷を思い返せる今となってみれば、「むしろ、そのままでよかったんじゃないか」という気がしなくもないが、結局、新たな設計計画で建設が進められることになる。その直後、聖火台スペースをつけ忘れたと聞いたときはさすがに笑うしかなかった。建設用の木材の無償提供呼びかけをして批判されまくったり、建設作業員の過労自殺という取り返しのつかない悲惨な出来事も起きたりしている。

 そんなこんなで完成が間近に迫ってきた新国立競技場だが、五輪終了後の“後利用”についてあまり考えずに作ってしまっているため、巨大な維持費の採算を取れる見通しは立っておらず、ただ赤字を垂れ流す“五輪の負の遺産”となることがほぼ決まっているようだ。なんともやりきれない話である。

 そして失笑の嵐を巻き起こしたのが“暑さ対策”だ。五輪組織委員会の森喜朗会長は「暑さはチャンス」などと相変わらずズレたことを言っていたが、結果的にチャンスどころか今回の東京オリンピックのダメなところをこれでもかとばかりに見せつけることになった。

 マラソンコース沿道にある商業施設やビルの出入り口を開放して冷気を外に流そうという“クールシェア”案の他力本願ぶりは「え? それ本気なの?」という感じだったが、小池百合子東京都知事が打ち出した“打ち水作戦”には本気で脱力させられた。そんなものであの酷暑がどうにかなると本気で思っているのか。ついでに、“浴衣”“よしず”の活用なんてことも言っていたけれど、真剣に聞いている人はどのぐらいいたんだろう。300キロ分の氷を降雪機で降らせる人工雪実験も「本当に大丈夫なのか東京都」と世間を騒がせたが、気温は下がらず、ただ服や席を無駄に濡らせるだけで、普通に考えたらそりゃそうだろうという結果に終わった。

 新国立競技場の冷房設備は、なぜか安倍首相の鶴の一声で設置されないことが決定したので、かち割り氷を配るとかいう本末転倒な話になっていたが、そもそもなんで安倍首相がそんなことを決めてしまうのかという話である。「会場周辺に朝顔の鉢を並べて視覚的にも涼しく!」という案が発表されたときに誰もが「ダメだこりゃ」と思ったことだろう。

 森会長の「東京オリンピックのレガシーのひとつにしたい」という、いつもの寝言でサマータイム導入なんてことも議論されて本気で心配したが、ここはちゃんと断念できて本当に良かった。

 暑さ対策の一番の切り札とされたのが、マラソン・競歩コ−スの遮熱舗装。24億円という資金を投じて実施されてしまったそうだが、なんとこれが逆効果。温度が下がるのは路面だけで、高い位置では普通のアスファルトより温度が高くなって熱中症のリスクは高くなってしまうという。さすがに驚いた。どうしてやってしまう前にしっかりと検証しなかったのか。

 次から次へと“バカげた”というほかない対策が打ち出され、その度にどうしようもない無力感に襲われた。そして、迷走に迷走を重ねた末、ご存知のようにマラソンと競歩はIOCの判断によって札幌開催が決まってしまったわけだが。こんな無様な話もそうない。とはいえ、招致段階で東京の気候について嘘をついていたことがそもそも悪いわけで、IOCの判断、ましてや札幌市を責めるのは筋違いというものだろう。さようならコンパクト五輪。

 そんなこんなで予算はどんどん増額されていく一方、「人にだけは絶対に金は使わん」という決意が見えてくるほど、何もかもがボランティア頼りになってしまったわけだが、ボランティアについても問題だらけである。先日は都内の中学・高校にボランティア人数が割り当てられて、半強制的に参加要請があったことが判明したが、これはもうボランティア(志願)ではなく、“動員”だ。「ボランティアのユニフォームが絶望にダサい」とか「シャイニングブルー・トウキョウってなんだよ」なんて笑っていた頃が懐かしい。医療スタッフや通訳、運転、メディア対応といった専門的なスキルが必要なスタッフもすべて無報酬、宿泊や交通費は自己負担のボランティアでかき集めるとのことだが、その作業条件の厳しさから“ブラック・ボランティア”などと揶揄もされているが、それも当然だろう。

 この他、雨が降ってしまったら大腸菌ウヨウヨの海上競技会場、選手村のダンボールベッド、会期中の渋滞解消のために首都高値上げ&通販自粛呼びかけ、観客の自撮り投稿禁止などなど、まだまだいくらでも挙げようと思えば挙げられる気もするが、とにかくこれほどまでに問題が噴出して止まらないイベントってあるのだろうか。もう国威の発揚どころか、逆に日本のダメなところの見本市、その衰退っぷりを大々的に発信しているような状況だ。誰かどうにかしてくれと思うが、いったい誰が責任者なのか、それがわからない。いかにも日本らしい話であるし、そこが一番怖いポイントでもある。

 冒頭で紹介した『FYRE』の主催者ビリー・マクファーランドは最終的に集団訴訟を起こされ、有罪が確定して6年の禁固刑が確定した。東京オリンピックはもちろん『FYRE』のような詐欺事案とはまったく異なるし、仮に大失敗に終わるようなことになっても誰かが刑事罰を問われるようなことはないはずだ(あ、竹田元会長は除く)。しかし、多くの人が「これ、このままで大丈夫なのか?」という危惧を抱いたまま、うまく対処できずに開催に向けて突き進んでいる状況は『FYRE』と共通しているといえるだろう。

 責任の所在もよくわからないまま、混乱を撒き散らしてつつ、開催へのタイムリミットは近づいている。来年、私たちはこの祭典のなかにどのような光景を目にするのだろう。そして、祭りが終わったあと、残るものは。

名を捨てて実を取る? 発表が遅れている日本テレビ「五輪キャスター」の意外すぎる人選

 テレビ離れ、活字離れが叫ばれる昨今にあって、来夏に開催される東京オリンピック・パラリンピックは高視聴率が期待できる一大コンテンツとして、メディア業界も大きな期待を寄せている。

 特に、中継番組を通じて各競技の結果を即時的に映像という形で老若男女の幅広い視聴者層に伝えることができるテレビ業界にとっては、その存在意義をアピールする千載一遇のチャンスとなるわけで、各局ともかなり力が入っている。

 実際、自局の五輪関連番組の顔とも言うべき“五輪キャスター”については、NHKがジャニーズ事務所の人気アイドルグループ・嵐、フジテレビが同事務所の人気グループ・関ジャニ∞の村上信五、TBSが自局の人気アナウンサーの安住紳一郎アナを起用することを発表している。

「NHKはここ数年にわたって『NHK紅白歌合戦』の白組司会に嵐のメンバーを起用してきただけに順当といえば順当な人選とも言えますが、ネックになるとされていたのが、メンバーの櫻井翔さんの存在でした。櫻井さんは2008年北京五輪から夏冬6大会連続で日本テレビの五輪キャスターを務めていたことに加えて、現在も同局の『news zero』のキャスターを務めていますからね。結果的には来年の活動休止を控えて注目度も高まる嵐を起用できたという点で、他局との視聴率争いにおいてもかなり優位に立っていると言えます。今年の紅白の白組司会が櫻井さんというのは日テレへの当てつけなのかもしれませんね(笑)」(テレビ誌編集者)

 その一方で、フジテレビやTBSの人選についてはこう語る。

「フジは、年に1度局を挙げて制作する『FNS27時間テレビ』において3年連続でキャプテンに起用するなど、“ポスト中居正広”の呼び声も高い村上さんを猛プッシュしていたので、今回の五輪キャスター起用もさもありなんといった感じです。一方、TBSについては04年のアテネ五輪以来、8大会連続で五輪キャスターを務めてきた中居さんをこのタイミングで外したのには正直驚きました。とはいえ、中居さん以外となれば、テレビをよく見る40代以上の女性からウケの良い安住アナの起用は納得です」(前出の編集者)とのこと。

 そうした中、いまだに五輪キャスターを発表していない日本テレビの動向が気になるところだが、同局の関係者は明かす。

「ウチは今のところ桝太一アナ、水卜麻美アナの自局の2大エースアナで勝負する公算が高いですね。もちろん、2人以外にも中継リポーターやゲストMCなどで元アスリートや芸能人を起用することになるでしょうけど、五輪関連番組のメインMCとしては話題性のある芸能人よりも、実力のある自局の人気アナウンサーを使った方がいいという上層部の判断だと思います。“名を捨てて実を取る”といったところですかね」

 激しい視聴率争いが予想される五輪中継番組だが、果たして勝利を手にするのはどこの局になるのか?

千鳥・大悟のたばこ偏愛が思わぬ形で昇華! 『テレビ千鳥』アベマ企画は後世への貴重な資料映像になる!?

 AmazonプライムやNetflix、AbemaTVなどネット配信の番組が制作される際、「放送コードを気にしなくていい」と枷(かせ)を外すことで寄りがちになるのは、エロやグロ、もしくは過激で反社会的なテーマを主題に据えた振り切り方だ。

 それらとは一線を画し、なおかつ地上波でははばかられるであろう笑いに到達した貴重なバラエティを観た心境。テレビ朝日とAbemaの連動企画「テレビ朝日×アベマTV秋のリレーーーー→WEEK」にて『テレビ千鳥』(テレビ朝日系)が10月22日よりAbemaで配信するのは「喫煙所探訪」なる企画である。

 なんてことのない趣旨だ。都内のさまざまな喫煙所を巡り、リポートするだけの内容。果たして、これだけで1時間持つのか?

大悟「全然、持ちます。いろんなアイドルが出てくると思ってください。喫煙所という名の」

 無茶な振り切り方だが、確かに地上波じゃ難しいかもしれない。嫌煙家からクレームが殺到する恐れがある。だから、Abemaでやるだけの理由はあるのだ。

大悟「緩いやん、Abemaは。たばこ8本、チンポ2本まで大丈夫やから。計10本までは。逆にたばこ1本のときはチンポ9本まで大丈夫」

女の内ももより灰皿の側面のほうがええわ

 はっきり言って、町の喫煙所にそんなに差異はないと思うのだ。

 例えば、荒川区町屋のたばこ店に隣接の喫煙所へ立ち寄った大悟は、シルバーで棒状の灰皿に注目した。どう見てもよくあるタイプだが、大悟は事細かにリポートしていく。灰皿の側面を手の甲でなでながら「どの女の内ももよりええわ」と恍惚の表情を浮かべる偏執的な愛。

 この喫煙所を離れると、荒川区にある別の喫煙所に向かう大悟。見たところ、さっきの喫煙所と違いがまったくわからないが、大悟は「全然違うやん」と言い張った。

大悟「さっきの喫煙所は角にあったけど、ここは道沿いにある。道が前にあるから、子どもらが歩いたり、町の流れが見えるよな。町をあてに吸うてる感じかな」

ノブ「一緒やって! さっきと何が違うん」

 違いは立地だけじゃない。大悟は灰皿の表面のタバコを入れる穴を指し「普通に穴開けりゃええだけやけど、全部穴の形変えたりしてるやん」と指摘するのだ。さらに、灰まみれのたばこ穴を指でなでて拭いてみせる。

ノブ「おいおいおい、そんなとこ触んなよ! 汚いやろ」

大悟「いや、見てあげて」

ノブ「嫁の死に顔か。“見てあげて”じゃないねん」

 最後は、虎ノ門のオフィス街へ足を運んだ千鳥。実はこの街にはJTのビルがあるのだ。

 ビルに足を踏み入れた大悟は「JTさんにはたばこで20年近くお世話になってるので、挨拶しとかないとと思って今日来ました。遅れました、ごめんなさい」と一礼。すごい腰の低さである。おなじみ「JT」のロゴマークが視界に入ると「あの刺青入れようかな」とうかつなことを言いだすし。きっと、深きたばこ愛ゆえだろう。まあ、大悟が吸っているのはアメリカンスピリットなのだが……。

 JTの喫煙所がまた広い。今、どの飲食店も職場も喫煙スペースを狭める傾向にあるのに、ここだけは違った。たばこに火をつけた大悟は感無量の表情だ。

大悟「あ~、なんかたばこも喜んでます。“ただいま~”って言ってるわ。親の元に帰ったような感じやろうな」

 JTの喫煙所は、窓から見る風景も違う。景色がすごくいいのだ。

大悟「(ビルの)1本1本がたばこみたいやね、こうやって見ると」

ノブ「どうかしとるんか」

 確かにどうかしてる企画だ。今回、同番組は、なぜこんな企画を決行したのだろう?  その理由は、時代の流れ。健康増進法の一部改正が2020年4月に全面施行となり、喫煙スペースの規制・分煙はより厳格化される。喫茶店や雀荘、パチンコ店までが禁煙になっていく流れがあるのだ。

大悟「最後に喫煙所を巡りたい。今年中にやらな、無理やったかもしれん」

 もちろん、来年に開催されるオリンピックも時代の流れと無関係ではない。

大悟 「わし、オリンピック会場でたばこ吸うて捕まっちゃろうかな、来年(笑)」

 図らずも、この企画は失われゆく風景を記録する機能を果たしている。再開発前の駅前写真のような、20年前に録画したVHSに残るCM映像のような。ある種、タイムカプセル的な役割を担っているのだ。

 喫煙者が自己主張しにくくなっている昨今。やはり、地上波で放送するのは難しい企画だったと思う。だからこそ、好事家の目を引いた。不毛な企画に見せかけて、一部の層にとっては決して不毛じゃなかった。

(文=寺西ジャジューカ)

小池都知事の身勝手さでブーメラン? 東京五輪マラソン競技会場の変更に”3年前の因縁”

「ロシアのプーチン大統領とお親しい総理、そして森会長でいらっしゃいますから、平和の祭典を北方領土でどうだと呼びかけてみるのはありかと思います」

 10月17日、連合東京の大会で、小池百合子東京都知事が失言気味のスピーチをしたくなるのも無理からぬことだった。

開催都市トップへの伝達が最後の最後に

 前日夜、国際オリンピック委員会(IOC)が突然、東京五輪のマラソンと競歩の競技会場を、東京から札幌市に変更するとの計画を発表したのだ。IOCはその1週間以上前に森喜朗・大会組織委員会会長に伝え、それを受けて森氏は安倍晋三総理、橋本聖子五輪相、秋元克広・札幌市長らに根回しを済ませていた。

 小池氏が初めて札幌開催を聞いたのは3連休が明けた10月15日、組織委の武藤敏郎事務総長の訪問を受けてだが、IOCのジョン・コーツ調整委員長と直接話したのは、翌16日のことである。

 開催都市トップへの伝達が最後の最後とあっては同情を禁じ得ないが、これは3年越しの大ブーメランに他ならなかった。

 IOCが懸念したのは9月27日、中東のカタールで開かれた世界陸上女子マラソンで、スタート時刻を深夜にしたにも関わらず、気温30℃、湿度70%の劣悪な条件となり、68選手中28人が途中棄権という惨事を招いたことだった。

「東京五輪では、スタート時刻を午前6時に繰り上げ、東京都が300億円を投じ、マラソンコースなど約136キロを路面温度抑制の舗装を施すなど、暑さ対策を講じてきた。しかしIOCはそれも文字通り”焼石に水”と危機感を募らせ、夏の気温が5~6℃涼しい札幌市へと舵を切ったIOC発表では『plan』として、10月30日からのIOC調整委員会で正式決定するはずが、トーマス・バッハ会長は17日のIOC関連の総会のスピーチで『decided(決めた)』と断言。トップダウンで有無を言わせぬやり方でした」(五輪担当記者)

 それなら初めから言えよ……と言いたいところだが、そもそも日本側には、五輪招致の段階で夏の暑さを隠してきた後ろめたさがあった。

 2013年1月、日本の五輪招致委員会がIOCに提出した「立候補ファイル」にはヌケヌケとこう書いてある。

「この時期(7月24日~9月6日)の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である」

 皮肉にも、その年9月2日には気象庁が「2013年夏の日本の極端な天候について」と題し、夏の平均気温が西日本で統計開始以降1位、東日本で同3位タイという記録的な暑さだったことを発表。そして9月8日(日本時間)、ブエノスアイレスのIOC総会で東京開催が決まるのだ。

 札幌開催を受けて小池氏は、10月18日の定例会見で「ご承知のように私が知事に就任する前ですけれども」とあえて前置きしつつ、招致の際の「ウソ」を指摘した。

 これは大目に見るとして、小池氏が「会場の移転が突如提案されたことについては驚きでございます」と語ったのには、関係者からすると「おまいう」だろう。

 ”小池印”の民間有識者でつくる「都政改革本部」が、作り込んだ計画をちゃぶ台返しにし、五輪3会場の変更に着手したのは、小池氏が知事に就任して2カ月後の2016年9月下旬のことだった。

「悲惨だったのは、ボート会場変更でさんざん振り回された宮城県の長沼ボート場。当時、人気絶頂だった小池氏が『復興五輪』を掲げ、マスコミを大勢引き連れて現地視察を行ったものだから、地元住民は涙ながらに期待し歓迎したものです。ところがバッハ会長が会場変更を認めなかったため、あっけなく頓挫しています」(前出の記者)

 あれから3年ーー。

 森氏だけでなく、そのバッハ会長も小池氏を”蚊帳の外”に置いて会場変更を断行した。あの当時の身勝手な”小池劇場”が国際的な信用も失わせていたことに、小池氏はようやく気づいたに違いない。

世界陸上はスタート失敗で不発のサニブラウン、東京五輪で狙うのは100mよりも200mか?

 東京五輪まで1年を切ったが、人気の陸上競技で注目の選手がサニブラウン・アブデル・ハキームだ。

 今年6月に100メートルで9秒97の日本新記録を出し、日本人初の五輪短距離種目でのメダルも期待されるサニブラウンだが、先日行われた世界陸上(ドーハ)では課題も露呈。メダル獲得に向け、決断の必要性が生じてきた。

 2015年に行われた世界ユース陸上選手権で100メートル、200メートルの2種目を大会記録で制し、一躍世界が注目する存在となったサニブラウン。

 今年6月に行われた日本選手権でも100メートルと200メートルの2冠を達成し、世界陸上には100メートルと4×100メートルリレーに出場したが、リレーでは銅メダルを獲得したものの、個人種目の100メートルは準決勝で敗れた。週刊誌のスポーツ担当記者がいう。

「サニブラウンが負けた100メートルのレースは、素人目にもわかるほどスタートで出遅れました。サニブラウンはレース後、『号砲が聞こえなかった』とアピールし、日本陸連が翌日になって国際陸連に質問状を送るも、『正常に作動していた』ととの回答。前回の世界大会でもスタートに失敗しており、完全に苦手意識が生まれている。サニブラウンのベストタイムは五輪で決勝に残れるレベルですが、トップとはコンマ2秒以上の差があり、メダルを取るにはスタートで失敗しないことが絶対条件。とはいえ、現在はフライング一発で失格ですから、残された1年弱でかなりの練習が必要でしょう」(スポーツ担当記者)

 こうなると悩むのは、どの種目でメダルを狙うのかということだ。サニブラウンは現在100メートルの日本記録保持者だが、200メートルも歴代2位の記録の持ち主。こちらの方がメダルに近いという意見もある。フリーのスポーツライターがいう。

「サニブラウンには100メートルと200メートル、さらにリレーの3種目で出場の可能性がありますが、もし3種目にエントリーし、すべて決勝まで進めば、7日間で8回走ることになる。これは相当ハードで、今回の世界陸上でも、肉体的な負担を理由に200メートルにはエントリーしませんでした。

 一番メダルが期待できるのはリレーですが、これまでリレーの練習などロクにしなかった陸上強豪国が、日本がメダルを取る状況を見て尻に火がつき、真剣に練習してくるようになりました。こうなると日本チームはさらにバトンパスの練習に時間を割く必要が出てきます。サニブラウンの“本職”は200メートルといえますが、話題性となれば100メートルと200メートルでは雲泥の差なので、果たして200メートルを選べるか……。『100も200もリレーも』と欲張ると、どれも中途半端に終わる可能性がある」(スポーツライター)

 贅沢な悩みだが、栄光をつかむためには1つに絞ることも視野に入れる必要がありそう。五輪のセンターポールに日の丸を掲げることはできるか。

盛り上がった「MGC」、マラソンファン熱狂の裏で露呈した”世界との圧倒的な差”

 東京五輪のマラソン代表選手を決めるMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)が15日に行われ、中村匠吾が2時間11分28秒で優勝。瞬間最大視聴率が20%を超えるなど、大会は盛り上がったが、“本番”に向けて課題が浮き彫りになる結果となった。

 事前の予想では、日本記録を破って報奨金1億円を手にした大迫傑と設楽悠太、昨年12月の福岡国際マラソンを好タイムで優勝した服部勇馬、昨夏のアジア大会のマラソン金メダリストの井上大仁ら“BIG4”が本命視されたMGC。しかし優勝したのは伏兵の中村だった。箱根駅伝を30年近く見続けてきたスポーツライターはいう。

「中村は一般的な知名度こそ高くありませんが、マラソンファンの間では知らない人はいない名選手です。高校時代にインターハイで表彰台に上り、名門・駒沢大学では箱根駅伝に3度出場。最大の魅力は大崩れしないことで、大学3大駅伝(出雲、全日本、箱根)で区間4位以下になったことは1度もありません。1区を走った最後の箱根駅伝では、先頭が激しく入れ替わるなか、グッと力を貯め、最後に抜き去るという、今回のMGCのようなレース展開で区間賞を取っています」(スポーツライター)

 これで2位の服部とともに、東京五輪代表の切符を手にした中村。本命の大迫も何とか3位に入って出場枠獲得が濃厚となり、現状では最強の布陣で五輪に臨むことになりそうだが、専門家の見る目は厳しい。週刊誌のスポーツ担当記者はいう。

「マラソン界では近年、前半よりも後半の方がペースが上がる『ネガティブ・スプリット』がトレンドで、30kmを超えてから5km14分台前半で走るのは当たり前です。しかし今回のMGCは、あんなにタイムが遅かったのに、後半にペースが落ちています。アフリカ勢にスパートを掛けられたらイチコロでしょう。また、タイムの悪さを気温のせいにする声もありますが、北京五輪で優勝したワンジルは、最高気温33℃という状況の中、2時間6分台で優勝しています。MGCのコースは東京五輪とほぼ同じですが、今回中村が出した11分台のタイムでは、本番では10位に入るのも難しいでしょう」(スポーツ担当記者)

 マラソンは人気種目だけにメダルを期待したいが、世界のレベルは遥か遠くにあるということ。ただ、MGCでは1つの光明が差したのも事実だ。

「女子の部で優勝した前田穂南の2時間25分台という成績は、20km地点から独走だった点も加味すると、かなりの好タイムです。23歳ということでまだまだ伸びしろも期待できますし、メダルが期待できるのは男子よりも女子です」(同上)

 振り返れば、高橋尚子や野口みずきなど、これまでも五輪で結果を残してきたのは女子の方。大迫と設楽に1億円を大盤振る舞いするなど、景気の良いマラソン界だが、東京五輪の結果次第では、「男子より女子にボーナスを」という声も上がってきそうだ。

盛り上がった「MGC」、マラソンファン熱狂の裏で露呈した”世界との圧倒的な差”

 東京五輪のマラソン代表選手を決めるMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)が15日に行われ、中村匠吾が2時間11分28秒で優勝。瞬間最大視聴率が20%を超えるなど、大会は盛り上がったが、“本番”に向けて課題が浮き彫りになる結果となった。

 事前の予想では、日本記録を破って報奨金1億円を手にした大迫傑と設楽悠太、昨年12月の福岡国際マラソンを好タイムで優勝した服部勇馬、昨夏のアジア大会のマラソン金メダリストの井上大仁ら“BIG4”が本命視されたMGC。しかし優勝したのは伏兵の中村だった。箱根駅伝を30年近く見続けてきたスポーツライターはいう。

「中村は一般的な知名度こそ高くありませんが、マラソンファンの間では知らない人はいない名選手です。高校時代にインターハイで表彰台に上り、名門・駒沢大学では箱根駅伝に3度出場。最大の魅力は大崩れしないことで、大学3大駅伝(出雲、全日本、箱根)で区間4位以下になったことは1度もありません。1区を走った最後の箱根駅伝では、先頭が激しく入れ替わるなか、グッと力を貯め、最後に抜き去るという、今回のMGCのようなレース展開で区間賞を取っています」(スポーツライター)

 これで2位の服部とともに、東京五輪代表の切符を手にした中村。本命の大迫も何とか3位に入って出場枠獲得が濃厚となり、現状では最強の布陣で五輪に臨むことになりそうだが、専門家の見る目は厳しい。週刊誌のスポーツ担当記者はいう。

「マラソン界では近年、前半よりも後半の方がペースが上がる『ネガティブ・スプリット』がトレンドで、30kmを超えてから5km14分台前半で走るのは当たり前です。しかし今回のMGCは、あんなにタイムが遅かったのに、後半にペースが落ちています。アフリカ勢にスパートを掛けられたらイチコロでしょう。また、タイムの悪さを気温のせいにする声もありますが、北京五輪で優勝したワンジルは、最高気温33℃という状況の中、2時間6分台で優勝しています。MGCのコースは東京五輪とほぼ同じですが、今回中村が出した11分台のタイムでは、本番では10位に入るのも難しいでしょう」(スポーツ担当記者)

 マラソンは人気種目だけにメダルを期待したいが、世界のレベルは遥か遠くにあるということ。ただ、MGCでは1つの光明が差したのも事実だ。

「女子の部で優勝した前田穂南の2時間25分台という成績は、20km地点から独走だった点も加味すると、かなりの好タイムです。23歳ということでまだまだ伸びしろも期待できますし、メダルが期待できるのは男子よりも女子です」(同上)

 振り返れば、高橋尚子や野口みずきなど、これまでも五輪で結果を残してきたのは女子の方。大迫と設楽に1億円を大盤振る舞いするなど、景気の良いマラソン界だが、東京五輪の結果次第では、「男子より女子にボーナスを」という声も上がってきそうだ。

織田裕二、まさかのTBS五輪サブ起用案が浮上! ハイテンション中継が意外に高評価

  2020年の東京五輪を来年に控えて、各テレビ局の五輪関連番組のメインMC、いわゆる“五輪キャスター”が注目を集めている。

 すでにNHKはジャニーズ事務所の人気グループ「嵐」を、TBSは自局の人気アナウンサー・安住紳一郎アナを起用することを発表。先月にはフジテレビが、「関ジャニ∞」の村上信五を担当することを明かした。

「フジテレビの村上さんに関しては、過去にビートたけしさんと『27時間テレビ』のメインMCを務めるなど、近年は蜜月関係が続いていただけにまあ順当なところでしょう。NHKの嵐についてもさもありなんといった印象ですが、一方でメンバーの1人の櫻井翔さんは過去に何度も五輪キャスターを務めているほか、『NEWS ZERO』にもレギュラー出演しており、日テレの本命と目されていただけに、日テレサイドとの兼ね合いが気になるところです」(スポーツ紙のテレビ担当記者)

 そんな中、世間をざわつかせたのが、TBSの五輪キャスターの本命と目されていた中居正広の“落選”だ。

「TBSの五輪中継といえば、04年のアテネ大会から昨年の平昌大会まで、夏季、冬季合わせて8大会連続で中居さんがメインキャスターを務めてきた。当然、東京五輪も中居さんで決まりと目されていましたからね。中居さんといえば、かねてからジャニーズ事務所からの独立が噂され、近年はレギュラー番組が突如打ち切られたり、CMが減ったりと周辺の動きも激しく、今回のTBSの五輪キャスター落選を受けて、来年以降の動向に注目が集まっています」(同スポーツ紙記者)

 他方、安住アナの五輪キャスター就任を受けて、にわかに注目されているのが、あの人気俳優の存在だという。

「安住アナは人気、実力とも申し分ありませんが、とはいえさすがに自局アナだけで東京五輪開催中の他局との激しい視聴者獲得バトルに挑むのは苦しいだろうということで、局内では世界陸上の中継番組でおなじみの織田裕二さんのサブキャスター起用も水面下で視野に入れているようです。織田さんの感情を露わにしたリアクション大きな中継は局内でも高い評価を得ています。織田さんサイドとしても、他の芸能人ではなく、局アナがメインを務める中でのサブ起用であればプライドが傷つくこともない」(同局の関係者)

 織田のハイテンションMCが東京五輪を盛り上げそう?

千鳥が東京五輪に触手? BSパラリンピック番組の伸びシロに期待大‼?

 いま、テレビ界隈で最も勢いがあるといわれる千鳥。今春始まったテレビ朝日での初冠番組『テレビ千鳥』では、東京オリンピック開催まであと1年を切ろうかという7月22日深夜、「スポーツ千鳥」なる企画が放送された。

 企画意図は、千鳥の2人が東京オリンピック・パラリンピックで何かしらの役割を得るため、俺たちだってスポーツできます! とアピールすること。

 その内容はさておき、あながち「東京オリンピック・パラリンピックを狙う」という千鳥の意気込みは、冗談とは言い切れないんじゃないか……そんなことを感じさせるのは、『テレビ千鳥』同様、今春からNHKで始まった千鳥の新番組『パラ×ドキッ!』(NHK-BS1、再放送は総合でも)の存在があるからだ。

<見たら必ずハマるパラスポーツの驚きのスゴ技やスピード勝負、金メダル期待の日本の超人アスリートの面白キャラクターや波乱万丈の物語をたっぷりご紹介するバラエティー番組>

 番組公式サイトにあるこの文言通り、この番組は「スポーツ番組」というよりも「バラエティー」の側面が強い。

 だからこそ、重視されるのは「面白さ」。ゲストのパラアスリートがどんな障害を負っているのか――についての情報は少なく、障害者スポーツから連想しがちな悲壮感や大変さ、といった印象はゼロ。アスリートの特徴や特技を紹介する際にも、「ただやるだけじゃつまらないので」と、ドッキリ企画を挟んだり、レポーター役の芸人がいちいちボケてみせるシーンが続く。

 個人的な好き嫌いはさておき、ひとつの狙いとしてはアリなのかな、と思う。パラ競技や障害者スポーツといえば、どこぞのチャリティ番組よろしく、「感動の物語」「とんでもない苦労エピソード」で十把一絡げにしがち。だが、実際のパラアスリートたちに話を聞くと、「もっとスポーツとして見てほしい」「アスリートとして認識してほしい」という声が聞こえてくる。

 健常者のスポーツ競技において、すでにアスリートのバラエティータレント化が目立つ昨今。ならば、パラスポーツ番組でもバラエティ路線を目指すことは必然ともいえるのだ。

 ただ、今のところ、番組構成も進行も空回りしている印象は否めない。一番の原因は、ロケ職人・千鳥がロケには行かず、後輩芸人たちのロケ取材の様子をスタジオで見守っている点だ。比較するのは悪いとは思いつつ、画面に千鳥が映っているからこそ、「これ、千鳥のロケだったら、もっと面白かったんだろうな」と思わずにはいられないし、それを仕切る千鳥のMC ぶりも不慣れなせいかグダグになりがちで、すべっていることが多いのだ(実際、この番組で一番多いツッコミワードは「すべってるがな」だと思う)。

 まあ、面白い・面白くないは個人的な感想にもなってしまうので、いったん置いておこう。この番組を見ていて違和感を抱くのには、もうひとつ理由がある。それは、あまりにも「吉本推し」が強いから。MC千鳥はもちろんのこと、脇を固める女性タレントも渡辺直美か横澤夏子。ロケ取材する若手芸人も吉本の後輩。そして、ナレーションもケンドーコバヤシの回が多い。NHKアナウンサーも出ているし、番組を締めるコメンテータ―役にパラ競技に精通したカメラマンを配置したりはしているのだが、今どきここまで吉本タレントだらけのバラエティ、って逆に珍しいのではないか。

 振り返れば、NHK総合で相葉雅紀MCの『グッと!スポーツ』が始まり、「ついにNHKスポーツもジャニーズに頼る時代かぁ」と少々寂しく思ったのが3年前。今度はNHKさん、パラスポーツで吉本に頼るのかぁ……というこの胸のモヤモヤは、昨今の吉本問題があるからこそ感じてしまうものなのか。

 この番組でパラ陸上の女王・中西麻耶選手を取り上げた際、イギリスでパラスポーツが盛んな理由として、メディアが主体的に「パラ競技のスーパースター」を生み出そうとしていたことを紹介していた。

 その紹介VTRを見て、「『パラ×ドキッ!』はすごく大事なことをしているよ」とつぶやいたのは千鳥の大悟本人。その言葉の通り、今後日本がパラスポーツ大国になっていくために、そして東京パラリンピックが成功するために、この番組はどのようにアスリートを照らしていくのか。そこにはすごく大事な意義があるはずだ。

 だからこそ引き続きこの番組には注目したいし、まさかNHKがひとつの芸能事務所に忖度した番組づくりなんてしないよね、と信じたい。

(文=オグマナオト)

竹内結子そっくりの水泳・大橋悠依 過剰報道で日本のエースが潰される?

 前回のリオ五輪で大量のメダルを獲得し、東京五輪でも日本人選手の活躍が期待される競技が水泳。開幕まで1年を切った今、韓国では「世界水泳」が開催されているが、日本のエースがピンチだ。

 世界水泳は2年に1度開催される国際大会。テレビ朝日が放映権を握る同大会は、松岡修造が長らくメインキャスターを務めており、毎回好視聴率を獲得する優良コンテンツだが、池江璃花子や萩野公介が参加しない今回、テレ朝がとりわけ注目しているのが大橋悠依だ。週刊誌の運動担当記者がいう。

「大橋は、10代から活躍するのが当たり前の水泳界では珍しく、20代になって才能が開花した選手です。個人メドレーを専門とする彼女は、173cmの長身から繰り出すダイナミックなフォームが最大の魅力ですが、注目されるもう1つの理由がルックスです。整った容姿は女優の竹内結子に瓜二つで、“競泳界の竹内結子”と報じられたこともあります」(運動担当記者)

 テレビ朝日は、大橋をウォーミングアップの段階から追う力の入れようだったが、メダル獲得の期待がかかった200メートル個人メドレー決勝の結果に視聴者は言葉を失った。6位でゴールした大橋は、その結果に不本意そうな様子だったが、それに追い打ちをかけるように失格の裁定が下ったのだ。豊富な水泳取材経験を持つライターがいう。

「失格の理由は、背泳ぎから平泳ぎにターンした際にドルフィンキックを1回しか蹴ってはいけないのに、2回蹴ったことが泳法違反とみなされたものです。映像を見ると、大橋は失格になったことに納得していないようなので、クセになっているとすれば問題です。ドルフィンキックが問題となることは多く、昨年のアジア大会でも日本の女子選手が失格になりましたし、北島康介の全盛期には、彼のドルフィンキックが問題視されたこともありました。リオ五輪でも世界水泳メダリストの渡部香生子が失格の裁定を受けましたが、この時は水泳連盟が強硬に抗議をして、取り消されています」(ライター)

 失格になった大橋のショックは大きく、報道陣に対応するミックスゾーンでは涙を流す姿も捉えられた。“本番”まではもう1年を切ったが、日本競泳界を担うエースは立ち直れるのか?

「大橋は、納得できないレースが続いて平井伯昌コーチとぶつかったり、力を抜きすぎて危うく予選落ちしそうになったりと、メンタル面に課題があり、プレッシャーに強そうなタイプではありません。五輪の度にマスコミは“アイドル”を探し出しますが、美人アスリートが実績以上に注目され、潰れる例はこれまで幾度も繰り返されてきました。大橋がその餌食にならなければよいのですが……」(同上)

 今回の世界水泳では悔しい涙を流した彼女だが、東京五輪では歓喜の涙を期待したいものだ。