村田諒太、ゴロフキンに破れたが評価はむしろ上昇――それでも“引退”を匂わす理由

 日本ボクシング史に残る英雄の挑戦は、最強ファイターの前に散った。9日に行われた世界ミドル級統一戦で、IBF王者のゲンナジー・ゴロフキンと戦ったWBAスーパー王者の村田諒太は、9回TKOで敗戦。統一王者になる夢は叶わなかった。

「これまで日本ボクシング史上最大のビッグマッチは、1994年の辰吉丈一郎vs薬師寺保栄戦で、両者のファイトマネーは1億7000万円(推定、以下同)でした…

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村田諒太、金メダリスト格付け番組に「失礼極まりない」と怒り…五輪開催に対するテレビ局の「ダブスタ」批判も拡大か

 プロボクシングの現WBA世界ミドル級スーパー王者・村田諒太が、オリンピックの歴代金メダリストに「順位づけ」する番組の出演依頼を断ったと告白。「全選手が死に物狂いで獲得した金メダルに順位をつけるのか」と、思いを明かしたことが物議を醸している。

 村田は7日に自身のFacebookを更新し、今月20日にテレビ朝日系で放送される『金メダリスト総選挙 歴代オリンピックで凄いと思う人ベ…

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ボクシング・村田諒太「このままでは終われない」のは本人でなく電通とフジテレビ?

 10月の防衛戦で敗れ、引退を示唆していたボクシング元WBAミドル級世界王者の村田諒太が4日、現役を続行する意向を表明。元王者の動向に注目が集まっている。

 村田はロンドン五輪で金メダルを獲得した実績を引っさげ、2013年にプロに転向。昨年10月、2度目の挑戦で勝利を収め、竹原慎二以来、日本人2人目のミドル級王者になった。しかし10月にラスベガスで行われた試合で敗れ、王者の座から陥落。戦績を見ればわずか2敗で、しかも昨年5月の試合は、WBA会長が「村田が勝っていた」と発言する試合内容だったが、「このままでは厳しい」と語るのはフリーのスポーツライターだ。

「昨年5月の試合は不可解な判定で敗れた村田でしたが、10月の試合は同じ判定負けでも、完敗といえる内容でした。村田の一発狙いの右ストレートはことごとく空を切り、相手のパンチを浴び続け、顔はみるみるうちに腫れ上がりました。あれだけ手数が少ないと、いくら一発のパンチ力があっても判定では圧倒的に不利です。再起後はスタイルを変更するかもしれませんが、来年33歳の彼にはかなり厳しい作業でしょう」(スポーツライター)

 過去の日本人選手の世界王者の最年長記録は35歳。アマ経験が長く、プロ入りが20代後半だった村田が今からファイトスタイルを変えられるのか疑問だが、そう簡単に辞めるわけにはいかない事情があるようだ。週刊誌のスポーツ担当記者が語る。

「村田はもともとプロ志向がそれほど強くありませんでしたが、それを口説き落としたのが電通とフジテレビでした。電通はデビューに際してスポンサーをかき集め、フジはデビュー戦をテレビ中継するなど、完全にVIP待遇。ミドル級王者になった試合後のインタビューでは、村田が電通とフジテレビへの感謝を述べて話題になりました。ただ、村田がタイトルを奪った試合では、チャンピオンを日本に呼び寄せるために大金が掛かっており、電通やフジテレビにしてみれば、これからがようやく投資を回収する段階。今回の敗戦で、元ミドル級3団体統一王者のゲンナジー・ゴロフキンとのビッグマッチの予定も吹っ飛んでしまいましたが、『もう一稼ぎしてもらわないと困る』というのが周囲の本音でしょう」(スポーツ担当記者)

 一時は村田からタイトルを奪取したロブ・ブラント(米)とのダイレクトリマッチも浮上したが、ブラントの次の防衛相手は村田にロンドン五輪決勝で敗れたエスキバ・ファルカン(ブラジル)が濃厚に。「このままでは終われない」と会見で語った村田は再起戦の目処すらついていない状況だが、終われないのは巨額の投資をしてきた電通とフジテレビも同じかもしれない。

村田諒太は「実質5~7位程度」!? フジテレビによる“飼い殺し状態”の初防衛戦に意味はあるのか

 プロボクシングWBA世界ミドル級王者・村田諒太の世界初防衛戦が15日、神奈川・横浜アリーナで行われる。相手は38歳でイタリア出身のエマヌエーレ・ブランダムラ。同級8位と伝えられるが、世界的には無名の選手だ。

 竹原慎二氏以来、国内2人目の世界ミドル級王者、さらに初防衛を果たせば国内選手としては史上初の偉業となるが、ボクシング界は意外なほど盛り上がっていないようだ。

「試合2日前の13日昼の段階で、チケットは大量に売れ残っている。1万5,000人を収容する横浜アリーナとはいえ、これは寂しい状況です。しかも、ボクシングのチケットは人気カードであれば、高額なリングサイド席から埋まっていくのが通例なんです。今回、売り切れているのは、もっとも安いE席だけ。もともと数の少ないリングサイドが余っているのが、このカードの注目度の低さを物語っていますよ」(スポーツ紙記者)

 村田といえば、昨年10月にハッサン・ヌジカム(フランス)を下してベルトを獲得した際にリング上で名指しで謝辞を述べたことからもわかる通り、フジテレビと電通の全面的なバックアップを受けてキャリアを積み重ねてきた。この春にはフジテレビの「改編キャンペーン」のイメージキャラクターを務めるなど、人気・知名度とも近年では屈指の選手である。

 その村田の初防衛戦に、なぜ注目が集まらないのだろうか。

「単純に、村田は世界王者のベルトこそ持っているものの、ボクシングファンは誰も“世界最強”だと認めていないからです。現在、日本で認定されている世界タイトルは、WBA、WBC、IBF、WBOの4団体。それぞれに世界王者がいる上、村田の保持しているWBAタイトルは、さらに上位に『スーパー王者』として、ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)を認定している。客観的に見て、村田の今の実績なら、世界ミドル級の中での評価は5~7位くらいが妥当なところ。相手のブランダムラは20~30位前後ではないでしょうか?」(同)

 どうやら、実質5位と20位で「世界タイトルマッチ」を争うというのが、プロボクシング界の現実のようだ。今回の防衛戦、村田は勝利しても世界的な評価は上がらず、万が一負けるようなことがあれば、キャリアが終わってしまうかもしれない。興行主とテレビ局、広告関係者にとって、目先の利益を生む国内開催はメリットがあるが、国際的な評価を求める選手側にはハイリスク・ノーリターンでしかないということか。

「もちろん、村田は優れた選手である上、自身が生粋のボクシングファンですから、自らの置かれた現状をよく理解しています。上位選手、有名選手との対戦を誰よりも強く望んでいるのも、村田自身でしょう。しかし、この初防衛戦をクリアした後も、しばらく足踏みをしそうな状況なんです」(同)

 次戦は夏~秋、アメリカでの試合が内定しているという村田だが、相手は同13位のエスキバ・ファルカン(ブラジル)になる見込み。ロンドン五輪の決勝で戦った“ライバル”であり話題性は十分だが、ファルカンもまたプロでの実績に乏しく、勝ったところで評価が上がる相手ではない。

 ミドル級は現在、5日5日に“頂上決戦”として予定されていたゴロフキンとサウル・アルバレス(メキシコ)の試合が、アルバレスのドーピング違反で中止となったことで混迷期に突入した。つまり、強い王者が対戦相手を探さなければならないという状況に陥るのだ。

 トップ選手となれば1試合で数十億円が動くプロボクシングの世界だが、村田ももう32歳。一刻も早くこのフジテレビと電通による“飼い殺し状態”を脱却し、本場アメリカでビッグマネーをつかみ取ってほしいところだ。

武井壮の“村田諒太批判”その真意は……? 「仲良しの亀田興毅にも、同じことを言え!」の声も

 タレントの武井壮が、プロボクシングでWBA世界ミドル級のチャンピオンとなった村田諒太に「俺はまだ全然、喜べない」とコメントしたことに、批判が渦巻いている。さらに、ボクシングの関係者からも「同じことを亀田興毅にも言え」という声が飛んでいる。

 村田は10月22日のタイトルマッチで、王者アッサン・エンダムを下して王座奪取。これについて武井は、翌日放送のTOKYO MXの出演番組で「まだ本当のチャンピオンを倒してないと思うんで、ここで喜んだら村田の先がない」と厳しい見方を示した。

 武井は同じミドル級で世界タイトルを12度防衛したマービン・ハグラーや、そのハグラーを下している5階級制覇シュガー・レイ・レナードの名を出し、「そこらへんと比べるとまだ格下だと思うんで、ゲンナジー・ゴロフキンとか(ビリー・ジョー・)サンダースとか、タイトルを持ってるチャンピオンを倒して、何回か防衛したぐらいでやっと喜べる」と語った。

 これには「何様だ」と視聴者から反発が続出したのだが、武井の言い分は当たっているところもある。村田が獲ったWBAベルトは決して「世界の頂点」でも「WBAの頂点」でもないからだ。それは村田自身が試合後のリング上で「ボクシングファンは、自分より強いチャンピオンが上にいることを知っている」と言っていたことでもわかる。

 WBAは、タイトルマッチに支払われる承認料をより稼ぐため、インチキなタイトル水増しをしてきた団体として知られる。まず世界チャンピオンを「スーパーチャンピオン」に格上げし、チャンピオンが空位になったことにして王座決定戦を実施し、もうひとりのチャンピオンを作り、さらに「ランク1位と同等」などという理由付けで暫定チャンピオンも別に設置。3人が同じ階級の“王者”として並び立っていた。そのため、ほかのWBC、IBF、WBOの世界3タイトルの団体は、WBAのチャンピオンを「スーパー」のひとりしか王者と認めず、統一戦の話に応じないこともあったほどだ。

 村田の持つWBAベルトは、いわば“2番目”だが、3月まで3人のチャンピオンが並立していた。スーパーチャンピオンがゴロフキン、チャンピオンがダニエル・ジェイコブス、暫定チャンピオンがエンダムだったのだ。その後、ゴロフキンとジェイコブスが統一戦を行って王座は一本化されたのだが、WBAは懲りずに王座決定戦を組み、村田と暫定チャンピオンのエンダムに試合をさせたのである。

「本来なら、WBAチャンピオンはゴロフキンひとりでいいはずです。ただ、4団体のうち3つのタイトルを無敗の超大物ゴロフキンが持っていて、ミドル級は非常に狭き門だったんです。村田陣営は、もうひとつWBOタイトルを持っているサンダースと交渉をしていたんですが、まとまらず、苦肉の策でこぎ着けたのが5月のWBA王座決定戦でした」

 こう話すのは、ボクシングに詳しいジャーナリストの片岡亮氏。村田がWBAの“2番目”のベルトの決定戦に出ることは、片岡氏が正式発表の約2カ月も前にその動きをキャッチして、夕刊フジで書いていた。しかし、その試合は、まさかの判定負け。

「採点は物議を醸すものでしたが、八百長とまでは言えないもので、結果は覆っていません。でも、WBAは承認料のためだけにベルトを増産しているので、あっさり再戦を認めたんです。こういうのは、熱心なファンは“特別待遇”と見るんですが、村田は一流ボクサーでありながら大のプロボクシング通でもあって、ファンの気持ちがわかるので、リング上でああいう発言をしたんでしょう」(同)

 そうなれば武井の指摘も「もっともだ」となるわけだが、片岡氏は「『喜べない』というのは意地悪すぎる」と反論する。

「ベルトだけにこだわれば、その価値について説明する必要がありますが、村田が名のある有力選手に圧勝したのは事実。これでゴロフキン戦とか本当の頂点を目指せる立ち位置まで来たのですから、喜んで当然ですよ。日本人で、ほかに誰がこんな偉業を達成できるかと」(同)

 一方、武井が亀田興毅と親交を持つことで知られているため、ファンからは「同じことを亀田に言え」という声も聞かれる。3階級で世界チャンピオンになった亀田だが、バンタム級ではWBA“2番目”チャンピオンだった2013年、WBAからスーパーチャンピオンだったアンセルモ・モレノとの統一戦を指示されるや、王座を返上して逃亡したことがあるからだ。当然、この話はファンの大ヒンシュクを買っており、その後にWBAフライ級チャンピオンになった井岡一翔も、スーパーチャンピオンと統一戦をやらなかったことから批判を浴びている。

「亀田も井岡も軽量級で、村田のミドル級よりずっと競争率が低いクラスなのに、スーパー王者と試合をしなかった。村田のミドル級は欧米人の強豪がひしめき合い、ランク15位までに入るのも難しい階級です。エンダム戦の勝利だけでも、十分快挙。レナードとか、時代も違う超大物の名を出して比べるのもナンセンス」(片岡氏)

 武井の理屈で村田の勝利を「喜べない」とするのは、一定の根拠こそ認められるが、村田だけに当てはまる批判ともいえないようだ。
(文=藤堂香貴/NEWSIDER Tokyo)

選挙特番偏重に一石! 「ボクシング中継で高視聴率獲得」のフジテレビ、次回選挙はどうなる?

「第48回衆議院総選挙」(10月22日投開票)にあたって、NHK、民放キー局で、開票特番が放送されたが、その“あり方”に関して一石を投じたのが、ボクシング中継を強行したフジテレビの姿勢だ。

 同選挙特番で貫禄を見せたのは、やはりNHKで、その『2017衆院選開票速報』は17.1%(第1部=ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)の高い視聴率をマークした。民放でトップだったのは、池上彰をメーンキャスターに据えたテレビ東京『池上彰の総選挙ライブ』で9.8%をマーク。これでテレ東は、13年の参院選、14年の衆院選、16年の参院選に続き、国政選挙での特番において、4回連続で民放首位となった。ただ、NHKとは7.3ポイントもの大差がついており、民放の選挙特番の難しさを改めて露呈した。

 民放2位は日本テレビ『ZERO×選挙2017』で9.3%、同3位はテレビ朝日『選挙ステーション』で8.8%、同4位はフジテレビ『FNN選挙特番 ニッポンの決断!2017』で7.2%、同最下位はTBS『激突!与野党大決戦 選挙スタジアム2017』で5.5%の順。

 日テレは日曜ゴールデンの人気バラエティ番組『世界の果てまでイッテQ!』『行列のできる法律相談所』、TBSは15日の初回で14.7%の高視聴率を挙げた日曜劇場『陸王』(役所広司主演)を休止してまで選挙特番をオンエアしたが、いずれも1ケタ台に沈んだ。

 そんな中、異例な体制で臨んだのがフジだ。22日、同局は午後7時から9時30分まで、『村田諒太VSエンダム2』を放送した。選挙特番は、午後9時30分からのオンエアとなったが、ボクシング中継は20.5%を記録し、同局の今年すべての番組の中で最高視聴率をマーク。ほかの民放局の選挙特番に大きく水をあけたのだ。試合は7回終了後、エンダムの棄権によるTKO勝ちで、村田が悲願の世界王座奪取を果たす理想的な展開により、視聴率向上につながった。

 そもそも、エンダム対村田の世界戦は、5月20日にWBA世界王座決定戦として行われ、エンダムが判定勝ちを収めたが、不可解な判定が問題となり、再戦に至った経緯がある。その際もフジが中継し、17.8%と高い視聴率を記録した背景があった。いうまでもなく、村田は2012年ロンドン五輪のボクシング・ミドル級金メダリストで、13年のプロ転向後も注目を集め、初の世界戦となったこの一戦は、視聴者の大きな関心を集めていた。

 22日の再戦が、5月の世界戦以上の高視聴率を弾き出せたのは、もともと世の関心が高く、なおかつ、ほかの民放局の番組が弱かったためといえそう。衆院選と重なっていなければ、日テレの強力な番組を裏に回して、苦戦を強いられた可能性が高い。その意味では、同局にとって、衆院選と村田の世界戦の日程がバッティングしたのは“ラッキー”以外の何物でもないだろう。また、村田の試合を録画ではなく、生中継で強行した同局編成部の判断も、結果的にはファインプレーだった。
 村田の試合が高視聴率を獲得したことについて、同局・宮内正喜社長は27日の定例会見で、「『国民の関心が何であるか?』を基本に編成した。結果として難しい調整をいい編成バランスでできた。視聴率、結果も、そのへんが功を奏したと思っております」と評価。

 とはいえ、ボクシング中継後の衆院選特番は7.2%と急降下して、多くの人が他局にチャンネルを替えてしまったのも事実。

 現状、国政選挙の際は、NHKのみならず、民放キー局すべてが、横並びで選挙特番を放送するのが慣例となっている。しかし、今回ボクシングが高視聴率を得たように、多くの視聴者が「選挙特番」を望んでいないのも、これまた現実だ。今回のフジの決断は、国政選挙の際の番組編成のあり方に一石を投じたのは確か。

「フジの措置は、いわば反則技みたいなもので、同局内外で賛否両論出ているようです。やはり国政選挙の際、キー局は“報道機関”としての伝える責務があるからです。ただ、民放が選挙特番をやっても、NHKにかなうわけがなく、低視聴率になるのは明白。今回の視聴率を判断材料として、今後国政選挙のときに選挙特番を放送せず、視聴率至上主義に走る局が、フジ以外にも出てくるかもしれません」(スポーツ紙記者)

 いってみれば、禁じ手ともいえる手法で、高視聴率を獲得したフジ。低視聴率に沈んでいる同局だけに、これに味を占めて、次の国政選挙の際に、同じ手を使う可能性もありそうだ。

(文=田中七男)

ミドル級新王者・村田諒太のアメリカ進出に“暗雲”!? フジテレビによる「囲い込み」の動きが……

 ボクシングのテレビ視聴率が突き抜けて高かったことで、フジテレビがWBA世界ミドル級新王者・村田諒太の“囲い込み”をしそうだという話が関係者から聞かれた。

「フジテレビは、これからボクシングには、さらに力を入れるようです。村田の所属である帝拳ジムは、来年アメリカで試合をやると言っていましたが、予定が変更になるかもしれません。フジ側がさらに高い放映権料を出して、ジムを説得するみたいです」(プロボクシングの興行関係者)

 10月22日、各局が選挙の開票速報の特番を放送する中で、主要局では唯一ボクシング中継をやっていたのがフジテレビ。その視聴率はダントツの20.5%(ビデリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録した。選挙速報では、トップだったNHKでも17.1%だったのだから、フジは笑いが止まらないだろう。

 というのも、選挙放送が横並びの中、フジがその流れに背いてボクシング中継の英断をしたわけではなかったからだ。安倍晋三首相が衆議院を解散する前から、この放送は決まっていたもので、当初はフジ関係者から「頭が痛い」という弱気な話も聞かれたほどだった。

 村田はロンドン五輪で金メダリストを獲得し、2013年にプロデビュー。フジテレビと広告代理店の電通が大きくバックアップして世界王座奪取プランを描いてきたが、今年5月の世界初挑戦は、まさかの判定負け。その採点結果に抗議の声が巻き起こり、仕切り直しの再戦となったのが今回の試合だった。

 高視聴率には、追い風もあった。前回5月の視聴率は平均17.8%の高数字。採点問題が持ち上がったことで、より村田の知名度は上がり、今回の試合への注目度も増した。

 両国国技館の興行は当日券も販売できないほどの超満員で盛況となり、結果も村田の圧勝TKOだった。

「もともと村田のボクシング中継は、視聴率が7%程度で低迷していたんですが、世界タイトルマッチになって急上昇。フジはこれまで蒔いた種の収穫とばかりに回収をしたいはず。2~3度の高視聴率で満足するようなことはないでしょう」と前出関係者。

 ただ、村田陣営は次戦こそ来春、日本で行う予定だが、その後はアメリカに進出するとしている。アメリカで試合が開催されると、時差の関係で日本での放送は午前中になってしまい、フジテレビがビジネスを主導することもできなくなってしまう。

「アメリカ行きは、村田本人の希望。世界王座を奪取しても、獲った王座は、その上に『スーパーチャンピオン』もいるWBA王座ですから。世界チャンピオンといっても村田が“世界一”になったわけではないので、村田は上を目指したいんです。過去、WBAのチャンピオンになった亀田興毅や井岡一翔は、その上にスーパーチャンピオンがいるのに放送局のTBSが、それを隠すように伝えてました。でも、村田はリング上で『僕より強いチャンピオンがいる』と明言しています」(同)

 そのWBAミドル級のスーパーチャンピオンは、アメリカを主戦場にするのゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)だが、1試合で数億~十数億単位のファイトマネーを稼ぐ超大物。そう簡単に対戦が実現できるわけでもない。

「そこで、アメリカに行かせたくないフジテレビが日本で防衛戦をやらせようとするはず。できるだけ勝てそうな相手との試合にして、長々と防衛させれば、高視聴率を引っ張れるんです。村田が所属する帝拳ジムでは、WBC世界バンダム級チャンピオン時代の山中慎介がアメリカ行きを希望しても、13度も日本で防衛戦をやらせていましたし」(同)

 村田本人がより強い相手を希望しても、周囲はチャンピオンの延命ビジネスに走ってしまうのか。業界内の過去の例を見ると、過保護路線が多々あるだけに、ちょっと心配ではある。
(文=藤堂香貴/NEWSIDER Tokyo)