「イオンのやり方は間違っている!」 "イオンの葬式"騒動に見る日本人の仏教観

shimada1.jpg
身近な宗教を研究する宗教学の第一人者・島田裕巳氏。
 大手スーパーのイオンがカード会員向けに2010年5月より開始した葬儀紹介サービスが物議を醸している(参照記事12)。これまでは布施として「気持ち」を納めるはずだった寺院に対する葬儀費用が一律の料金体系として明示されたこのサービスは、宗派を超えて仏教界から大きな反発を受けているのだ。  「戒名料」や「読経料」など、「葬式と金」を巡るトラブルは、これまでにもたびたびあった。しかし「ここ10年ほどで急激に増加しつつある」と話すのは、『葬式は、要らない』『戒名は、自分で決める』(幻冬舎新書)などの著書を持つ宗教学者の島田裕巳氏だ。そこで、日刊サイゾーでは、この「イオン問題」を入り口として、葬儀とは何なのか、仏教とはどうあるべきなのかといった、日本人と宗教についての問題を網羅的に伺った! ■イオンのやり方は根本的に間違っている! ――近年の葬儀を巡る考え方について、これまでと違う潮流を感じられているそうですが。 島田裕巳氏(以下、島田) そうですね。そのきっかけの一つとして「直葬(ちょくそう)」という葬儀形態が世の中に出回り始めたと言うことが大きいと思います。直葬とは、非常に簡単と言うか、いろんなものを省いて火葬場に直行する葬儀の形なんですが、毎年その数が増加しており、私の周りでも直葬を行う人が増えてきています。また、葬儀自体を行わないという人も多くなってきていますね。 ――葬儀の形が変わりつつあるようですね。 島田 もちろん、以前にも火葬場だけでは済ませられないのかと思っている人はいました。けれども、施主としても世間体もあるし、葬儀屋もそういう対応をしていなかったんです。 ――なぜ、葬儀の形が変わりつつあるんでしょうか? 島田 都市化という状況が大きいでしょうね。都市に適合した仏教や葬儀のあり方というものが形になりつつあるんだと思います。 ――イオンが葬式の定額プランを打ち出していますが、このサービスを島田さんはどう見ますか? 島田 資本主義の論理ですよね。本来だったら「お布施」であり、「料金」ではないはずです。けれども、そういった形でイオンがお布施を取り扱っても、どのみち寺院にはお金が入ってくる。その恩恵に預かれるわけです。建前としては「けしからん」とは言いますが、現実には寺院にとってもそう悪い話でもないんです。 ――では、イオンの方法は許容できるという考えでしょうか? 島田 いえ、イオンがやっていることは根本的に間違っていると思います。彼らは「お布施」という趣旨を全く無視しています。戒名料も本来なら檀家関係がなければ意味がないはずのものなのに、それを全く踏まえずに「料金」を設定しているんです。けれども、そういった資本の論理が働くことで、あたかもそれが正しいかのごとく受け取られてしまうかもしれないですね。料金体系がはっきりすることはいいことなのかもしれないけれど、論理的に成り立たちません。 ――そして、資本の論理に食い物にされてしまうんですね。 島田 それに、イオンのような料金設定はこれまで寺院でもやっていたことなんです。以前から、戒名料の「相場」が公然の事実としてありました。それがイオンによって資本の論理に取り込まれたんです。 ――仏教界でも同じようなことをしていたんですね。 島田 そもそも、葬式のやり方や戒名の付け方も、本来の仏教の教えには存在しないものです。葬式仏教として発展してきた日本の仏教は、そういった矛盾を抱えているんです。だから、仏教界として強硬に抗議もできないし、イオンの葬式に関わったお坊さんの処罰もできない。 ■葬式仏教はいらない 生きている人間のための仏教を! ――今年1月に発売された『葬式は、いらない』はベストセラーになりましたが、読者からはどのような反応がありましたか? 島田 これまで思っていたことをよくぞ言ってくれたという反応もあるし、本の中で紹介した「手元供養はどうやったらできるのか?』みたいな問合せも多かったようです。葬式についての情報は限られているので、多くの人にとってはどうしたらいいか分からないんです。 ――一方で仏教界からはどのような反応がありましたか? 島田 最近では、3人お坊さんが集まると僕の悪口を言っているらしいですよ。 ――(笑) 島田 けれども「葬式は、いらない」というのは近年の流れであり、みんなの声ではないでしょうか。多くの人がそういったことを感じているのは事実だと思います。 ――『戒名は、自分でつける』というタイトル通り、戒名を自分でつけるような人も多くなっているんでしょうか? 島田 さすがに自分でつけるかどうかまでは分からないけど、要らないという人は多くなってきていますね。本にも書きましたが、寺と檀家関係を結んでいなければ必ずしも戒名を貰う必要はないんです。戒名を貰わないで俗名のまま葬ることはできます。 ――これまで寺院を経済的に支えてきた檀家の存在はだんだん弱まってきていますね。 島田 以前まではそれを「戒名料」という形で補っていたけれども、それも限界になってきてしまっているんですね。寺院との関わりが希薄になってしまい、法事もだんだん少なくなっています。葬儀の時に初七日や四十九日まで繰り上げ法要をしてしまいますよね。その後納骨をしたら、もう法要を行わない人も多くなってきています。 ――そのような「葬式離れ」の状況は日本の仏教特有のものなんでしょうか? 島田 そもそも日本は「葬式仏教」と言われるように、お寺の位置づけが特殊なんですよね。他の国にはこんな形の仏教はありません。これまでは日本特有のシステムとして維持されてきたんだけど、時代が変わるとそういう仏教のあり方自体が成り立たなくなっちゃう。普通の商売だって時代が変わると衰えたり成り立たなくなるでしょう。そういう意味でも「葬式仏教」っていう長く続いたビジネスモデルが通用しにくくなっているっていうことですよね。 ――では、今後、仏教は衰退していくのでしょうか? 島田 いや、仏教自体が衰退しているわけじゃありません。仏教自体に対する関心はむしろ強くなっていると思います。例えば、奈良や京都などの寺院に観光に行くでしょう? あれは戦後になってからのことで、戦前はそういう寺は軒並み衰退していたんです。仏像が野ざらしになっているようなことがざらにあったんですよ。  だから、今求められている仏教と言うのは、生きている人が関わる仏教なんじゃないかと思うんです。仏教の本来の教えは「無常」を説き、現世の栄華の追求の空しさを思うこと。釈迦自身も「生前に死後のことはできない」と説いたとおり、本来は生きている人間のためのものです。だから、「葬式は、いらない」という流れは、全く正しい方向なのではないでしょうか。 (取材・文=萩原雄太[かもめマシーン]) ●島田裕巳(しまだ・ひろみ) 1953年、東京都生まれ。宗教学者、文筆家。東京大学大学院人文科学研究課博士課程修了。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授を経て、現在は東京大学先端科学技術研究センター客員研究員。主な著書に『日本の10大新宗教』(幻冬舎新書)、『創価学会』(新潮新書)、『金融恐慌とユダヤ・キリスト教』(文春新書)など。
葬式は、要らない いつかはやって来る、その日のために。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 日本唯一の"霊柩車研究家"が語る、 霊柩車の変化にみる日本人の死生観 宗教にまつわる素朴な疑問を解消『なぜ人は宗教にハマるのか』 ローマ法王が黒人ギャングラッパー「2パック」を愛聴していた!?

【小説】 君に捧げる千物語 本章3ー愛理

長谷川が銃撃戦に巻き込まれた時、愛理は新宿中央公園のテントの中にいた。浮浪者に拉致されたわけではない。妙な「病気」が蔓延したせいで浮浪者に勤労意欲が湧き、どこのテントも蛻の殻になっていた。愛理は自分が警察に追われていることを知り、公園のテントに逃げ込んでいた。長谷川よりよっぽど沈着冷静で機転が効く女だ。愛理は浮浪者が残したラジオを何時間も聞き入っていた。「本日の日経平均は12000円高になり…」「指名手配犯700人が『早く罪を償って世に中に貢献したい』と出頭…」「全国の中・高校で初の不登校児ゼロに…」「経済評論家が今年のGDPは中国を抜いて30%成長と予測…」

王子キャラ崩壊!? 堂本光一をメロメロにしたセクシー女医との"問診"

kouiti-2.jpg
舞台に立つ姿はまさに王子♪

 2010年に予定されていた公演の全日程を7月31日に終え、帝国劇場史上初の100回公演を達成した、KinKi Kidsの堂本光一主演ミュージカル『Endless SHOCK』。2~3月公演と7月公演で一部キャストが急きょ交代するなど多少の波乱があったものの、そこは10年のキャリアを誇る人気作。最後まで期待を裏切らないエンタテインメントの連続に、迎えた千秋楽では満席の観客から鳴り止まない拍手が響いた。

募金詐欺疑惑・かえる番長氏へ心配の声が続々と

「匿名ガン患者募金騒動」の状況が低迷状態だ。匿名のガン患者?使途不明の募金活動 匿名ガン患者募金騒動続報 ガン募金詐欺疑惑・大騒動に発展! 募金詐欺疑惑・調査状況報告と弁護士の話 前回、「募金窓口のかえる番長氏のブログが更新されていない」と書いたが……現在も更新停止中 最後の更新から20日が経とうとしている…… 私の「部屋」に来て不安がる女子高校生(掲載許可済)当方に「逃げたで決定! 徹底攻撃だ!」と過激なメールを送ってくる方も居るが、落ち着こう。以下、ある読者メール。批判されている方で、論理的思考力が無い方がいらっしゃいますね……「何が犯罪にあたる」か条件を調べず、「自分がいらついたから犯罪」いう観点。

ギガジンの社長がキレた件について

BOZZ様、ちょっとこれ見てください。ネットで凄い話題になってます。GIGAZINE(ニュースサイト)の社長が「赤字だから社員のクビ切った」とか。同じようなメール多いと思いますが、ぜひ感想をお聞かせ下さい。うわーっ。これ本当に切れてるね。編集長やデスクからの業務命令を拒否したり、挙げ句の果てには赤字を垂れ流しているにもかかわらず「もっと金を寄越せ」というようなことを言い始める編集部員が出るに至り、これを機にGIGAZINE内の刷新を図ることを決意しました。また、面接の時点では嘘のキレイゴトを並べ立て、どのような業務命令にも従うようなことを言っておきながら、実際にはあれがいや、これがいや、あれはできない、これはできない、そのようなことには興味がないからほかの人にやってもらってくれ、挙げ句の果てには好きなヤツが好きなようにすればいいだけであって、働けば働くほど損をする、あれもしてくれない、これもしてくれないというようなことまで言われるようになってしまいました。

夜の目撃情報!眞鍋かをりが○○前で「バレちゃう」連呼

7月某日。新宿歌舞伎町のオカマバーHで、眞鍋かをりが泥酔していたという。「歌舞伎町のオカマバーで、スタッフらしき人5~6人とベロンベロンに酔っ払ってましたよ。かなり騒いでました。ずっとオカマと盛り上がってましたね」眞鍋といえば、酒の飲みっぷりが良いことで知られている。深夜番組などで勢いよく飲んでは、ほろ酔いになってる姿を観たことがある人も多いだろう。が、この日はほろ酔いなんてレベルじゃなかったようだ。「店を出た後、店の下で倒れ込んで座ってたんです。スーツ姿の男性が『早く帰ろう』って眞鍋に言ってましたけど……」この日の眞鍋は帽子も被らず、何の変装も無し。

怖くない心霊スポット…BOTU

8月2日 今日は以前から計画をしていた「最強心霊スポットツアー」を断行すべく夜を待った。午前2時、生暖かい風が吹く中、借り物自転車で現地へむかう。掲載されていた雑誌社に問い合わせた「最強心霊スポット」。さぞかし怖いのだろう。20分後 到着 開発されまくりで全く怖くありません。暗闇に浮かぶ建設途中の高層ビルの方がよっぽど怖いです。

家電量販店で恫喝行為を繰り返すキャラ弁ブログ夫婦

家電量販店で恫喝行為を繰り返し、その様子をブログで自慢する夫婦が存在する。問題視されているのは、「こゆママ」と名乗る人物の「毎日のキャラ弁」というブログである。2010年7月11日の更新によると、ケーズデンキでデジカメを購入した夫が、そのままの価格で扇風機を2台つけるよう、店員に要求をしたという。新人店員では埒が明かないとのことで、以前に同様の行為に及んだ時に接客した店員を呼びつけたようだ。夫は店員の腹をつまみ、肩を抱き寄せて説得したという。「結局デジカメの店頭価格に少し上乗せ(旦那の希望金額)した金額に デジカメにデジカメケース 液晶保護フィルム メモリカード(4GB) 扇風機2台 これを全部つけてくれました 大ジョブですかね…あなたのお首は…」と書いている。

AKB48大島優子とウエンツ瑛士の熱愛報道はバーニング側の牽制だった!?

yukoooshima0721.jpg
「ヘビーローテーション<Type-B>」(キングレコード)
 先日の「AKB総選挙」でトップに輝いたAKB48の大島優子と「WaT」のウエンツ瑛士の熱愛が多くのマスコミに報道された。  だが「ラブラブ交際」と言っておきながら、双方は友人関係を強調。所属事務所も熱愛を完全否定したため、事態はアッサリと収束。ファンの間では「一体何だったのか......」という声が上がり、AKBの新曲発売が控えていたことに加え、WaTが再始動することもあり「大々的な宣伝業務」と"ヤラせ説"がウワサされた。   そうした中、舞台裏を知る芸能プロ関係者は声をひそめて次のように明かす。 「昔ならともかく、今は熱愛が宣伝になる時代ではない。ともにアイドルだし、交際報道を流して何のメリットがあるんですか? 2人の交際はガチです。厳密に言えば、ガチだった。ツーショットを撮られていないのは、2人ともマスコミに狙われているのを知っていたから。だから交際自体はスポニチが一面で報じるほど精度の高いものでした」  だが、この話には続きがある。 「2人の交際を報じたのはスポニチとスポーツ報知。つまり、ウエンツの所属するバーニンググループと親密なことで知られる媒体です。今回の熱愛報道の裏では"芸能界のドン"と呼ばれる人物が水面下で動いていたそうです。何のために? そりゃAKB利権を狙ってのことですよ」。  あまり知られてはいないが、飛ぶ鳥を落とす勢いのAKBがコンサートやグッズで稼いだ金は、メンバー個々の所属事務所に配分されるのではなく、AKBの所属事務所に入ることになっている。 「ウハウハなのはAKBの事務所と秋元康だけ。他の事務所はメンバー単体の仕事や写真集を出版しない限り、元は取れません。こうしたAKB商法に対する批判は大きく、"芸能界のドン"もその声を耳にしていた」とは芸能プロ関係者だ。  そこでドンが仕掛けたのが今回の交際報道だ。スポーツ紙デスクは「牽制球みたいなものですよ。『そんなに儲かっているんだから、こっちにもよこせ!』というね......。事実、あの熱愛報道を受けてAKB側の関係者が考えたのは、大島の今後ではなく、芸能界の重鎮との付き合い方。これまではそこまで近しい距離ではありませんでしたから」と語る。  先日、大阪にAKBの姉妹ユニットである「NAMBA48」を作ることが発表されたが、「これも吉本興業とAKBが組んでやっている」(同)という。  勢いで上り詰めたAKBだが、いよいよ芸能界の"パワーバランス"を考えねばいけない時期にきたようだ。
ヘビーローテーション<Type-B> 人の恋愛にまで口出さないでよ! amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 「タイミング良すぎ」AKB48・大島優子とウエンツ瑛士の熱愛報道 バーニングの話題作りか AKB48、代々木ライブで48サプライズ発表 衝撃展開から見えるAKB48の未来をヲタ鼎談で大胆予想 ずさんな上に隠蔽体質も発覚!? AKB48運営が4度目となる新公演の遅延を発表