元極妻が考える日大アメフト部事件——「鉄砲玉」に「破門」なんてヤクザ映画の見すぎ

 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■ヤクザと付き合うのがダメなワケ

 日大のアメフト部事件、前任の監督とコーチの「除名」で落ちつくかと思っていましたが、ちょっと前に「流出」してた理事長さんとヤクザの大親分のツーショット写真がまた浮上したりして、どうなることやらです。でも、「黒い交際」を今になって暴露されるのはさすがにお気の毒です。いい悪いは別にして、ちょっと前までは政財界の大物と大親分のお付き合いは珍しくなかったのです。安倍晋三総理も、そういう問題が取り沙汰されていましたし。

 そもそも、なぜヤクザと付き合うのがダメなのでしょうか?

 暴排条例では、「暴力団関係者と交際しない」ことを基本理念にしています。あくまでも「理念」なんですよ。で、この理念の下に「何かをあげる(「利益供与」といいます)のはダメ」とか「名義貸しをしてはダメ」とか決められているんですね。

 名義貸しはともかく「利益供与」とは何なのかというと、実はよくわかりません。たとえば見た目が「反社会的勢力」な人がコンビニへお弁当を買いに来た時に、売ってもいいのでしょうか? 都条例では、この人が「暴力団員かどうか」を毎回確認しなくてもいいとしています。

「この規定については、努力義務規定であり、例えば、スーパーやコンビニで日用品を売買するなど、通常、一般的に取引の相手方について身分を確認しないような場合についてまで、あえて相手方の確認をするよう求めるものではありません」と、警視庁のサイトにはわざわざ明記されています。

 たぶんどの自治体も同じでしょうね。確認していたらキリがないからなのでしょうが、こういうのって、いちいち書くことなんでしょうか?

 ちょっと笑ったのは、ネット上で反則タックルした日大アメフト部選手のMさんが「鉄砲玉」、タックルを指示した監督が「組長」、コーチが「見届け役」になぞらえられていたことです。除名が「破門」というわけですが、それはヤクザ映画の見すぎ(笑)。

 私はむしろMさんの中に、戦争中に亡くなった少年兵の姿を思いました。一部の権力者たちの勝手で戦死しなくてはならなかった人たちは、どれだけいたことでしょう。なんの補償もなく「死んでこい」と。ヤクザよりひどいです。

 これに対して、ヤクザの鉄砲玉には報酬があります。今はダメですが、かつての鉄砲玉は敵をトれ(殺せ)ば、出所後はそれなりのポジションに就けて、マイホームも買えた時代がありました。家族や愛する人のために自ら志願したんです。

 映画のお話になっちゃいますが、『仁義なき戦い 頂上作戦』では、小倉一郎さん演じる野崎弘が幼い弟妹にテレビを買ってあげるために初めて人を殺します。野崎は組員ではなく、「被爆したお母さんたちと原爆スラムに住んでいるチンピラ」という設定でした。

 では、日大のMさんはどうでしょうか? 仮にタックルが問題にならなかったとしても、テレビはもちろん、お小遣いすらもらえなかったでしょう。もらうべきものではないですしね。

 こういうことは、成功しても失敗しても、悲しい結果にしかなりません。来年の今ごろは、タックル事件をほとんどの人が忘れているでしょうが、ネットには永久に残ります。まだお若いMさんは、お気の毒としかいいようがないです。私はお会いする機会はないと思いますが、周囲の方は温かく見守ってあげてくださいね。

松方弘樹も「NHK解禁」! 芸能界と暴排条例の今

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「想い出ワルツ」/コロムビアミュージックエ
ンタテインメント

 2011年10月に東京都でも施行され、芸能界にも大きな影響を及ぼすとみられていた「暴力団排除条例」(暴排条例)。同年に引退した島田紳助の黒い交際が発端となった、一連の「芸能界と暴力団」問題だが、その後芸能界にはどんな影響が及んだのだろうか。

 紳助の引退後、週刊誌を始めとした各メディアで取り沙汰されたのが「第2の紳助」だった。芸能プロ幹部や演歌歌手、大物俳優の実名が次々と飛び交った。また、『NHK紅白歌合戦』の出場可否が一種の“踏み絵”と称され、多くの大御所が落選するとみられていたが……。

「結局、実名報道された北島三郎をはじめ、メディアが期待するような当落選結果は発生しませんでした。とあるテレビ番組で、縁日を取材した際、『本当に商売がやりづらくなった』とぼやく出店者関係者はいたようですが、こと芸能界に関しては、条例の弊害を口にする人はいませんでしたね」(週刊誌記者)