「ドラマのこのシーンってありえるの?」「バラエティーのあのやり方ってコンプライアンス的にどうなの?」……テレビを見ていて感じた疑問を弁護士に聞いてみる、テレビ好きのための法律相談所。
<今回の番組>
各局ニュース番組等
<今回の疑問>
暴力団は、法的に何が問題か?
今年4月、日本最大の指定暴力団である山口組から分裂した神戸山口組の有力幹部らが新組織「任侠団体山口組」を結成したが、その後、対立抗争とみられる組員同士の傷害事件など、暴力団に関する事件がテレビや新聞などで相次いで報じられている。そもそも暴力団とは何が悪いのか? アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士に聞いた。
岩沙弁護士によると、暴力団とは、「その団体の構成員が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体」(暴力団対策法2条2号)だという。警察庁の統計によると、交通法令違反を除く平成27年度の全検挙人数30万4,868人のうち、暴力団構成員等は2万1,643人であり、全国の犯罪の7%については暴力団が関わっていることになるそうだ。
では、そもそも暴力団は、どのような違法行為をしているのだろうか?
「違法行為の種類としては、暴行罪・傷害罪・恐喝罪などの暴力的な犯罪、窃盗罪・詐欺罪などの財産犯、覚せい剤取締法違反、大麻取締法違反などの薬物犯罪、その他、風営法違反、銃刀法違反など多岐にわたります。暴力団員による犯罪は、基本的に暴力的な犯罪が多かったのですが、最近では減少傾向にあり、覚せい剤や麻薬などの薬物犯罪、売春や賭博等の非合法なサービスの提供に変わってきています」
よくニュースで報じられる山口組は、「指定暴力団」と呼ばれているが、一般の暴力団との違いは何か?
「暴力団対策法の規定に基づき指定された暴力団を『指定暴力団』といいます。指定される条件は暴対法3条に列挙されており、暴力団が次の3つのいずれにも該当すると認められる場合です。
(1)暴力団の威力を利用して生計の維持、財産の形成または事業の遂行のための資金稼ぎを行いやすくしている団体であること
(2)幹部または所属全暴力団員のうちに、暴力的犯罪など暴力団特有の犯罪の前科を有するものが一定の割合以上いること
(3)代表する者またはその運営を支配する地位にある者の統制の下に階層的に構成されている団体であること
平成28年4月に神戸山口組が新たに指定暴力団として指定され、指定暴力団は22団体となりました。暴対法は、指定暴力団に所属する構成員に対し、暴力的要求行為を禁止し、違反者に対し、中止命令または再発防止命令を発します。また、これらの命令に違反すると刑罰が科せられます。禁止されている暴力的要求行為は、口止め料を要求する行為、みかじめ料を要求する行為、不当債権取立行為など27種類の行為が定められています。指定されていない暴力団の組員が指定暴力団の威力を示して27種類の暴力的要求行為をすることを『準暴力的要求行為』といい、禁止されています。また、刑法やその他の特別法は、指定の有無にかかわらず、当然適用されます」
では先日、神戸山口組から離脱した一派が「任侠団体山口組」を結成したが、暴力団の分裂は、一般社会にどのような影響を及ぼすと考えられるのか?
「暴力団が分裂した場合は、対立抗争が始まります。対立抗争には、一般人が巻き込まれるケースがあり、1980年代に山口組の一部が分裂して起こった『山一抗争』の時には、スナックでアルバイトをしていた女性が流れ弾に当たって亡くなる事件も起きています。抗争が起きやすい場所は、暴力団事務所や幹部の自宅周辺ですが、暴力団幹部が宿泊や会合で使用する行きつけのシティホテルなども要注意でしょう」
抗争に巻き込まれないためには、少なくとも暴力団が集まる場所には近寄らないほうがよいだろう。
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