「高倉健はヤクザの運転手だった」――元極妻が明かす、ヤクザと芸能人のリアルな関係

 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■“芸能界のドン”はハマコーの運転手だった

「高倉健さんがヤクザの運転手をしていた件」などが書かれたご本が話題になってるようです。極妻としては「今さら感」しかないですけど。

 若い頃はお金がないから、芸能人に限らず、いろんなことをされますよね。けっこうな大物歌手H・Tさんが売れない頃はシャブ屋のパシリをしていたとか、いろんなお話があります。そういえば前回書かせていただいたハマコーこと浜田幸一さんの昔の運転手さんは、サイゾーでもおなじみ(笑)の大手芸能事務所バーニングプロダクションの周防郁雄社長さんですしね。ちゃんとWikipedia にも出ています。

 さすがにシャブ屋はアレですが、運転手さんをやっていたとして、それに何か問題があるのでしょうか? そもそもこういう人たちはヤクザに命令されて、無理やりやらされているのではなく、親分から声をかけてもらって、喜んでやっているんだと思いますよ。親分衆の愛人さんたちもそうですよね。独裁国家とかで拉致られて、無理やり……ではなくて、むしろいいパパを見つけてお小遣いをもらっています。いいか悪いかは別にして、ちゃんと「需要と供給」があるのです。

■トラブル解消には欠かせなかったヤクザ

 そもそも、なぜ芸能界にヤクザやヤクザっぽい人(今も多いですよね)がいるのでしょうか?

 これは、そういう人がいると、何かと不安定な業界である芸能界のトラブルを、昔は解決できたからです。たとえばイベントの中止の問題。今は損保会社が「興行中止保険」を扱っていて、荒天や出演者急病なんかで中止になったときの補償がありますが、昔はこのリスクを管理するのもヤクザの仕事でした。もちろんポール・マッカートニーのコンサート中止とかではなくて、お寺の境内でやるお相撲が雨でダメになったときとかですけどね。

 露天商の皆さんは食材も準備してますし、どの段階で中止と判断するかは、文句が出ないように「地元の怖い親分」が決めるんです。で、全額ではなくても、みんなの損失を補填したりしていたようです。まあ原資は、賭博を開帳して儲けたお金でしょうが。

 あとは、芸能人同士の人間関係的なトラブルもあります。これもやっぱり怖い親分がビシッと言うと解決する(こともある)ので、コワモテの存在は不可欠だったのです。

 戦後は、こういう興行のリスクを減らせるように会社としてやっていこうというヤクザが増えていきます。有名なのは三代目山口組・田岡一雄組長ですね。田岡親分が作った「神戸芸能社」には、美空ひばりを看板に里見浩太朗、山城新伍、橋幸夫、三波春夫などの大物さんたちが名を連ねていました。

 最近も芸能関係の会社での「枕営業強制」とか「奴隷契約」が報道されますが、めくれて(明らかになって)ないだけで、もっとあると思います。これはかばうわけではないですが、ヤクザだけのせいではないでしょう。時間はかかっても、芸能界全体の体質改善をしていただきたいです。

■「今からK・Tに電話してやる」

 今は暴排(暴力団排除条例)でダメですが、親分衆にとって、芸能人や政治家さんなどと交際することはステータスでした。お金もあげることはあっても、もらうことはありません。むしろお小遣いをあげて、「ワシが盛り立ててやっている」と自慢したいんです。

 私のオットが生前お世話になった某親分は、みんなでごはんを食べたときなど、酔っぱらうと「今から(大物芸人の)K・Tに電話してやる。すぐ来るよ」と、よくおっしゃってました。私たちも酔っぱらっているので、本当に来ていただいたら申し訳ないので、毎回丁重にお断りしていました。でもオットは電話でしゃべらせてもらったそうです。

 また、別の親分は、やくざ業界のうわさ(他組織の代替わりとか分裂とか)を確認するときは、事情通である、やはり芸人のN・Kさんによく聞いていました。「○○親分がマジで末期がんらしい」と電話でお話しされているのをそばで耳にしていたら、その親分がやっぱり翌月に亡くなられたりして、さすがだなーと思いましたね。今はこういう親分衆も、みんな亡くなられています。

元グラビアアイドル、元歌手……落ち目のタレントを愛人にするのも「ヤクザの甲斐性」

 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■ヤクザの夫と愛人との関係

「ママー、さっきパパが駅前で知らないお姉さんと歩いてたけど、『ママには黙ってて』って1万円くれたから、半分こしようよ」

 上の娘が高1くらいの時に、こう言ってきたことがありました。

「ふうん、どんなお姉さん?」
「浜○あゆ○に似てたー」
「そうなんだー。ありがとう。お金はいらないから、晩ごはんは、お父さんにナイショで、みんなでおいしいもの食べに行こうよ」
「マジでえ? お鮨がいいなー」
「行こう行こう」

 娘たちとの関係は、当時も今も良好です。私も極妻ですから、それはそれはいろいろありましたが、家族を第一に考えてきました。若い衆が同居していた時代には、娘たちの寝食は基本的に私の実家でさせながら、なるべく一緒にいる時間を作っていました。もちろんPTA活動もがんばりました。でも、この時、実は「まだアユさん(仮)と付き合っとったんか!」と、はらわたは煮えくり返っておりました。

 アユさんは、地元のキャバクラで有名な美人さんでした。モテるのはいいけれど、お客さん同士が彼女を取り合ってトラブルになることも珍しくありませんでした。アユさんも内心は迷惑だったと思いますが、なんだかオッサン同士が自分を奪い合うのを面白がっているようにも見えました。

 今思えば平和なお話です。実際、バブル期から90年代の半ばくらいまでは、全体的にノンビリしていました。今は何かにつけて世知辛いですね。ただ、オットは一応「親分」といわれる身ですから、そういう低レベルの争いには関わってほしくなかったのです。

 もちろん「ほかにも美人さんはいっぱいいるのに、よりによって」的なことは言いたくなかったので、放置していましたが、たまに若い衆がコッソリ言いつけてくれました。若い衆も心配だったのだと思います。

 ちなみにアユさんは、その後に自殺未遂騒動を起こして、故郷に帰られたと聞いています。モテすぎるのも大変ですね。

 今どきのヤクザは、うっかりバーにも入れません。「暴力団関係者お断り」の札自体は前からありましたが、今は本当にうるさくて、通報されることもあるそうです。が、かつての親分衆は、自分の縄張りのお店で豪快に飲むのがステイタスでした。で、お店の女の子たちの身の上話とか聞いて、真に受けるんですよ(笑)。自称「アイドルの卵」ちゃんたちにも、しょっちゅうお小遣いをあげていましたね。

 でも、これが親分というもの。いいとか悪いとかではなく、頼られたらいいところを見せなくてはなりません。だから、平日の雨の日には若い衆をたくさん連れて飲みに行っていました。お店にとっては「いいお客さん」です。「ヤクザは困る」なんて人はいませんでしたよ。まあシノギが回っている時はいいけれど、そうでない時もあるので、けっこう大変でしたけどね。

 それから、以前はテレビで見かけなくなったアイドルやタレントをカノジョにしている親分衆もけっこういました。当時はわりと大っぴらで、「お盆休みに別荘に遊びに行ったら、元歌手の○○がいた」とか「事務所にドラッグで逮捕されたタレントの□□がいて、お茶を出してくれた」とかは普通にありました。私も某親分の別荘で、元グラビアアイドルさんから、直々にメロンを切っていただいたことがあります。

 芸能界を何かの事情で干されても、親分が面倒を見てくれれば、それでいいんじゃないですかね。私たちも「わあ、ホンモノの○○さん!」と無邪気に喜んでましたし。なので、タレントの島田紳助さんが突然、「ヤクザと関係あるので引退します」と涙ながらに言い出した時には、ビックリしました。東日本大震災のあった2011年でしたよね。

 この会見で、「暴力団排除条例」という言葉が全国区になりました。それまでは誰も知りませんでしたから、「条例定着のための『仕込み』では?」というウワサもあったほどです。暴排条例は、「カタギはヤクザと付き合ってはいけない」ということですが、「付き合う」の定義が微妙にわかりませんよね。どこまでがいいのか悪いのか……。極妻なんか死刑にされそうですよ。失礼しちゃう。

 ちなみに真偽のほどは不明ですが、当時、大物歌手のKSさんは、年齢やNHKとの関係で『紅白』を引退するつもりだったのに、「今やめたら、『やっぱりヤクザと関係があったんだ!』と言われるのがイヤで(仕方なく)続けた」そうです。誰とどんな関係でも、本人が法に触れるようなことをしなければ、別にいいんじゃないかと思うんですど、ねえ。

覚醒剤よりヤバい! ヤクザが「危険ドラッグは危険」と言う理由

 最近、危険ドラッグにまつわる事件が、また目立ってきましたね。しばらく見ない印象でしたが、ニュースの見出しだけでも「危険ドラッグを自宅で製造し密売、男逮捕」「京都新聞記者を逮捕 危険ドラッグ所持の疑いで」「東邦大病院の看護師を危険ドラッグ密輸容疑で告発」「危険ドラッグ密輸 青森市職員 起訴」などなど、すごいですね。

 特に、50代のTBS幹部社員がホテルで「30代知人女性」に危険ドラッグを「嗅がせよう」として、誤って顔にかけてしまい、赤く腫れたという事件には驚きましたね。おそらくは覚醒剤と成分が似ているといわれる「アロマリキッド」の類いだと思いますけど、顔が腫れるなんて超粗悪品ですよ。目的は、もちろんキメセクです。

 「ひどーい。こんなの今どきヤクザだってやらないわよね」と、思わずオットの遺影に話しかけてしまいました。

■オットの子分が「危険ドラッグは危険」と言ってます

 これらの報道には、「暴力団」の文字がほとんど見当たりませんでした。関与してないのではなく、バレないように巧妙に存在を消しているのだと思います。

 たとえば、危険ドラッグの製造密売で逮捕された30代男性は「派遣社員」でした。中国から安い指定薬物を密輸しようとして税関に見つかり、警察に通報されたそうです。ほかも、看護師や地方公務員ですから、「暴力団」との関係は一見薄そうですね。でも、関係ないわけがありません。ちなみに看護師さんと結婚してるヤクザは結構いるんですが、その話はまた。

 「危険ドラッグは儲かる」ということで、手を出しているヤクザは多いです。「覚醒剤と違ってテキトーに作れて、高く売れます」と、オットの若い衆も言っていました。銘柄としては「ラッシュ」が有名ですけど、同じ「ラッシュ」でも内容はバラバラなのだそうです。

 危険ドラッグは、大麻やそれに近い幻覚作用のある「ハーブ」に、薬局で売ってるカフェインや乾燥剤、さらには粉ワサビや洗剤、殺虫剤といった「舌に刺激を感じるもの」や「悪酔いするもの」などを混ぜた液体をスプレーして、もんで乾かすのが主流です。「問題は、『同じもの』をリクエストされた時ッスねー。テキトーに作ってるから、再現できないス」と笑っていた若い衆は、現在はカタギになって道路工事をしています。私のオットは指を詰めさせなかったので、社会復帰はしやすいと思います(ちょっと自慢)。

 ちなみに別の若い衆からは「姐さん、危険ドラッグだけはやったらダメですよ。シャブのほうがいいですよ」と言われたこともあります。「ほどほどにしときなさいよ」と言っておきましたが、「若い人たちはなんでもアリだなあ」と、極妻の私ですら思いました。

 これほど危険ドラッグの密売が盛んに行われているのは、「暴力団対策基本法」(暴対法)よりも「暴力団排除条例」(暴排条例)の影響が大きいと思います。「暴力団員」だけでなく、その家族や友達も排除する条例で、ほとんどのヤクザや周辺者が正業(土木や産廃、飲食関係が多いです)から排除されてしまいました。

 そういえば、2011年夏に突然、島田紳助さんが泣きながら記者会見して、「暴力団と交際していました」と謝ったのをご記憶の方も多いと思いますが、「ヤクザと付き合ったら芸能界追放」みたいなルールなんですね。この会見後の10月に、東京で暴排条例が施行されて、今ではすべての都道府県で条例ができています。

 こうなってしまったら、生活のために危険ドラッグや覚醒剤の密売、あるいは「オレオレ詐欺」をやるしかなくなりますよ。それに、条例の内容は自治体によって若干違うそうですが、だいたいは「ヤクザをやめてから5年以上たたないと、カタギとは認めない」的な決まりがあります。この5年間は、どうやって生活しろというのでしょうね。それに、5年後すぐに「カタギ」と認められる保証はありません。何かあれば必ず「元暴力団員」と報道されるでしょうしね。

 行き場を求めてヤクザになった彼らを追い込んだところで、ヤクザ以上に悪くなるのは当然でしょう。でも、「とにかく暴力団を排除しろ」という警察庁の号令に異議を申し立てれば、「ヤクザと関係があるのか?」と思われてしまいますから、政治家さんもお役人さんも「言いづらい」のだそうです。まあ、お気持ちはわかりますが、これからは、ますますヤクザは見えにくい存在、つまりマフィア的になっていくでしょう。

覚醒剤よりヤバい! ヤクザが「危険ドラッグは危険」と言う理由

 最近、危険ドラッグにまつわる事件が、また目立ってきましたね。しばらく見ない印象でしたが、ニュースの見出しだけでも「危険ドラッグを自宅で製造し密売、男逮捕」「京都新聞記者を逮捕 危険ドラッグ所持の疑いで」「東邦大病院の看護師を危険ドラッグ密輸容疑で告発」「危険ドラッグ密輸 青森市職員 起訴」などなど、すごいですね。

 特に、50代のTBS幹部社員がホテルで「30代知人女性」に危険ドラッグを「嗅がせよう」として、誤って顔にかけてしまい、赤く腫れたという事件には驚きましたね。おそらくは覚醒剤と成分が似ているといわれる「アロマリキッド」の類いだと思いますけど、顔が腫れるなんて超粗悪品ですよ。目的は、もちろんキメセクです。

 「ひどーい。こんなの今どきヤクザだってやらないわよね」と、思わずオットの遺影に話しかけてしまいました。

■オットの子分が「危険ドラッグは危険」と言ってます

 これらの報道には、「暴力団」の文字がほとんど見当たりませんでした。関与してないのではなく、バレないように巧妙に存在を消しているのだと思います。

 たとえば、危険ドラッグの製造密売で逮捕された30代男性は「派遣社員」でした。中国から安い指定薬物を密輸しようとして税関に見つかり、警察に通報されたそうです。ほかも、看護師や地方公務員ですから、「暴力団」との関係は一見薄そうですね。でも、関係ないわけがありません。ちなみに看護師さんと結婚してるヤクザは結構いるんですが、その話はまた。

 「危険ドラッグは儲かる」ということで、手を出しているヤクザは多いです。「覚醒剤と違ってテキトーに作れて、高く売れます」と、オットの若い衆も言っていました。銘柄としては「ラッシュ」が有名ですけど、同じ「ラッシュ」でも内容はバラバラなのだそうです。

 危険ドラッグは、大麻やそれに近い幻覚作用のある「ハーブ」に、薬局で売ってるカフェインや乾燥剤、さらには粉ワサビや洗剤、殺虫剤といった「舌に刺激を感じるもの」や「悪酔いするもの」などを混ぜた液体をスプレーして、もんで乾かすのが主流です。「問題は、『同じもの』をリクエストされた時ッスねー。テキトーに作ってるから、再現できないス」と笑っていた若い衆は、現在はカタギになって道路工事をしています。私のオットは指を詰めさせなかったので、社会復帰はしやすいと思います(ちょっと自慢)。

 ちなみに別の若い衆からは「姐さん、危険ドラッグだけはやったらダメですよ。シャブのほうがいいですよ」と言われたこともあります。「ほどほどにしときなさいよ」と言っておきましたが、「若い人たちはなんでもアリだなあ」と、極妻の私ですら思いました。

 これほど危険ドラッグの密売が盛んに行われているのは、「暴力団対策基本法」(暴対法)よりも「暴力団排除条例」(暴排条例)の影響が大きいと思います。「暴力団員」だけでなく、その家族や友達も排除する条例で、ほとんどのヤクザや周辺者が正業(土木や産廃、飲食関係が多いです)から排除されてしまいました。

 そういえば、2011年夏に突然、島田紳助さんが泣きながら記者会見して、「暴力団と交際していました」と謝ったのをご記憶の方も多いと思いますが、「ヤクザと付き合ったら芸能界追放」みたいなルールなんですね。この会見後の10月に、東京で暴排条例が施行されて、今ではすべての都道府県で条例ができています。

 こうなってしまったら、生活のために危険ドラッグや覚醒剤の密売、あるいは「オレオレ詐欺」をやるしかなくなりますよ。それに、条例の内容は自治体によって若干違うそうですが、だいたいは「ヤクザをやめてから5年以上たたないと、カタギとは認めない」的な決まりがあります。この5年間は、どうやって生活しろというのでしょうね。それに、5年後すぐに「カタギ」と認められる保証はありません。何かあれば必ず「元暴力団員」と報道されるでしょうしね。

 行き場を求めてヤクザになった彼らを追い込んだところで、ヤクザ以上に悪くなるのは当然でしょう。でも、「とにかく暴力団を排除しろ」という警察庁の号令に異議を申し立てれば、「ヤクザと関係があるのか?」と思われてしまいますから、政治家さんもお役人さんも「言いづらい」のだそうです。まあ、お気持ちはわかりますが、これからは、ますますヤクザは見えにくい存在、つまりマフィア的になっていくでしょう。

『極道の妻たち』の岩下志麻みたいな姐さんはいない――極道いろいろ、極妻もいろいろ

 皆様、はじめまして。待田芳子と申します。

 オットは某指定組織の三次団体幹部、つまりヤクザでした。「でした」というのは少し前に刑務所で病死したからなのですが、近ごろの暴力団排除は本当にひどいなあと思います。大都市を中心に、ヤクザは妻までがクレジットカードを止められ、銀行口座や生命保険を解約され、子どもたちは保育園や私学で入園・入学を拒否されています。私は以前からメディアの取材は積極的に受けさせていただくようにして、そうしたことを、なるべく記者さんたちに丁寧にお話をして、記事に反映してもらえるようにしてきました。ちゃんと聞いて原稿にしてくださる記者さんも少なくなく、そういったご縁から、今回の執筆の機会をいただくことになった次第です。

■コワモテなのにひらがなもロクに読めない・書けないのは普通

 最近は子どものために離婚している極妻さんも増えていますし、ヤクザをやめるお父さんも目立ちます。でも、それって数字上のことなので、「ヤクザが減った」「暴排の効果だ」と喜ぶことではないと思います。だって、今までヤクザとして生きてきた人がそうカンタンに仕事を見つけられるわけがないのですから。

 そもそも皆さんが思われるほど、ヤクザ社会はギスギスしていませんでした(今はシノギがないので、ややギスギスしてきましたが)。

 ヤクザになる人は、主に家庭の事情で学校に行けなかった人が大半ですから、コワモテなのにひらがなもロクに読めない・書けないのは普通です。それだけで本が何冊も書けるくらいおバカなエピソードがありますが、そんなこんなを仲間内でネタにして笑いとばし、助け合ってきたのです。

 たとえば、みんなでちょっといいレストランに行って、オットが「サンペレグリノ」を頼んだことがありました。サービスの手間暇も考えて、若い衆たちがこぞって「オレも」「ワシも」となるのは、いつものことです。でも、この時は運ばれたグラスを口にした1人が「なんや、これっ? ただの水やんか! コラッ!」と叫び、ボーイさんが笑いをこらえていました。

 暴排条例施行の前で、みんな赤いシャツやらスキンヘッドやらの“いかにも”な外見だったので、余計に面白かったのだと思います。オットも「このバカ、ミネラル・ウォーターも知らんのか!」とウケていましたが、「まあワシも昔はそうやったなあ」と遠い目をしていました。

 こんなメンバーは、だいたい懲役に行って読み書きを覚えます。刑務所とは「侠(おとこ)を磨く場」といわれますが、その前に学校で勉強しなかったことを教えてくれる場所でもあるのです。

 覚えたてのたどたどしい字で、刑務所から「ねえさんの、つくってくれた、かれーらいすがまたたべたいです」なんて手紙が来ると、ホロっとしますね。ヤクザになるコたちは、ほとんどが親の愛に恵まれていません。人間関係に問題があるのはそのせいでしょうね。それでも上下関係が厳しい組にいられるコたちのほうが、まだ更生の見込みはあるかもしれませんよ。

 私はなるべく彼らの「お母さん」的な役割を果たすようにしてきました。「極妻」といっても、まさに十人十色なのですが、私は昔ながらのスタンダードなタイプでしたね。若い衆に手伝わせて、みんなの分の食事を作り、洗濯や掃除もしていました。あとは逮捕された時の弁護士との連絡、本や服の差し入れ、手紙の代筆などですね。

 ちなみに映画『極道の妻たち』の岩下志麻さん演じる環さんみたいな極妻はいません(笑)。実際は完全な男の世界ですから、オットの子分に「あんた、指詰めなアカンよ」なんて言えるわけはないのです。まあファッションや話し方に、映画の影響を受けているのがミエミエの姐さんはいますけどね。

 伴侶にヤクザを選ぶわりには、まっとうな職業の女性も多く、私の知り合いの姐さんたちにも、看護師や保険の外交員、スーパーの店員や事務員などの出身の方がいます。変わったところでは鍼灸師やファッションモデル、クラブのピアニストなんかもいるんですよ。あとは「アタシと結婚したいならヤクザをやめて」と言って足を洗わせた焼き鳥屋のおかみさんもいます。ご主人はゼロから焼き鳥の作り方を練習したそうで、けっこうおいしいです。

 極道もいろいろ、極妻もいろいろ、というわけです。私の場合はオットが亡くなって、この世界から離れることになりましたが、これを機に体験した面白エピソードを伝えていきたいなあ、なんて思っています。

『極道の妻たち』の岩下志麻みたいな姐さんはいない――極道いろいろ、極妻もいろいろ

 皆様、はじめまして。待田芳子と申します。

 オットは某指定組織の三次団体幹部、つまりヤクザでした。「でした」というのは少し前に刑務所で病死したからなのですが、近ごろの暴力団排除は本当にひどいなあと思います。大都市を中心に、ヤクザは妻までがクレジットカードを止められ、銀行口座や生命保険を解約され、子どもたちは保育園や私学で入園・入学を拒否されています。私は以前からメディアの取材は積極的に受けさせていただくようにして、そうしたことを、なるべく記者さんたちに丁寧にお話をして、記事に反映してもらえるようにしてきました。ちゃんと聞いて原稿にしてくださる記者さんも少なくなく、そういったご縁から、今回の執筆の機会をいただくことになった次第です。

■コワモテなのにひらがなもロクに読めない・書けないのは普通

 最近は子どものために離婚している極妻さんも増えていますし、ヤクザをやめるお父さんも目立ちます。でも、それって数字上のことなので、「ヤクザが減った」「暴排の効果だ」と喜ぶことではないと思います。だって、今までヤクザとして生きてきた人がそうカンタンに仕事を見つけられるわけがないのですから。

 そもそも皆さんが思われるほど、ヤクザ社会はギスギスしていませんでした(今はシノギがないので、ややギスギスしてきましたが)。

 ヤクザになる人は、主に家庭の事情で学校に行けなかった人が大半ですから、コワモテなのにひらがなもロクに読めない・書けないのは普通です。それだけで本が何冊も書けるくらいおバカなエピソードがありますが、そんなこんなを仲間内でネタにして笑いとばし、助け合ってきたのです。

 たとえば、みんなでちょっといいレストランに行って、オットが「サンペレグリノ」を頼んだことがありました。サービスの手間暇も考えて、若い衆たちがこぞって「オレも」「ワシも」となるのは、いつものことです。でも、この時は運ばれたグラスを口にした1人が「なんや、これっ? ただの水やんか! コラッ!」と叫び、ボーイさんが笑いをこらえていました。

 暴排条例施行の前で、みんな赤いシャツやらスキンヘッドやらの“いかにも”な外見だったので、余計に面白かったのだと思います。オットも「このバカ、ミネラル・ウォーターも知らんのか!」とウケていましたが、「まあワシも昔はそうやったなあ」と遠い目をしていました。

 こんなメンバーは、だいたい懲役に行って読み書きを覚えます。刑務所とは「侠(おとこ)を磨く場」といわれますが、その前に学校で勉強しなかったことを教えてくれる場所でもあるのです。

 覚えたてのたどたどしい字で、刑務所から「ねえさんの、つくってくれた、かれーらいすがまたたべたいです」なんて手紙が来ると、ホロっとしますね。ヤクザになるコたちは、ほとんどが親の愛に恵まれていません。人間関係に問題があるのはそのせいでしょうね。それでも上下関係が厳しい組にいられるコたちのほうが、まだ更生の見込みはあるかもしれませんよ。

 私はなるべく彼らの「お母さん」的な役割を果たすようにしてきました。「極妻」といっても、まさに十人十色なのですが、私は昔ながらのスタンダードなタイプでしたね。若い衆に手伝わせて、みんなの分の食事を作り、洗濯や掃除もしていました。あとは逮捕された時の弁護士との連絡、本や服の差し入れ、手紙の代筆などですね。

 ちなみに映画『極道の妻たち』の岩下志麻さん演じる環さんみたいな極妻はいません(笑)。実際は完全な男の世界ですから、オットの子分に「あんた、指詰めなアカンよ」なんて言えるわけはないのです。まあファッションや話し方に、映画の影響を受けているのがミエミエの姐さんはいますけどね。

 伴侶にヤクザを選ぶわりには、まっとうな職業の女性も多く、私の知り合いの姐さんたちにも、看護師や保険の外交員、スーパーの店員や事務員などの出身の方がいます。変わったところでは鍼灸師やファッションモデル、クラブのピアニストなんかもいるんですよ。あとは「アタシと結婚したいならヤクザをやめて」と言って足を洗わせた焼き鳥屋のおかみさんもいます。ご主人はゼロから焼き鳥の作り方を練習したそうで、けっこうおいしいです。

 極道もいろいろ、極妻もいろいろ、というわけです。私の場合はオットが亡くなって、この世界から離れることになりましたが、これを機に体験した面白エピソードを伝えていきたいなあ、なんて思っています。

ボッタクリには払わなくてもいい!? 弁護士が教えるホストクラブでのトラブル回避術

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 たまにニュースになる、ホストクラブの売掛金(いわゆる「ツケ」)トラブル。3月には、ホスト(23)とその交際相手が監禁と傷害の疑いで逮捕された。報道によると、2人は客の女性(31)が約75万円のツケを払わなかったことで、車に監禁して殴り、顔が腫れるなどの傷害を負わせている。女性はホストの誕生日会などの費用として約180万円を請求され、105万円あまりを支払ったが、約75万円が未払いだった。

 31歳の女性が100万円もの金額をどうやって払ったのかは不明だが、弁護士のA氏によると、最近はこうした高額の売掛金のトラブルが目立ってきているという。

■払えないと、売春や振り込め詐欺の強要も

「80年代バブル期ほどではないにしても、一晩で50万円くらい使う女性は珍しくなくなりました。女性客にも格差が広がっているのでしょうが、油断しているとすぐにツケが200万や300万に膨れ上がってしまいます。いったんはホストが店側に払ったことにするのが『売掛』のシステムですが、言葉巧みにボトルを入れるように頼むようです。一定以上の収入のある女性だと、つい応じてしまうんですね」(A氏)

 「一定以上の収入のある女性」というと、まず風俗嬢やキャバ嬢が思い浮かぶが、A氏によると、経営者や医師、弁護士なども多いという。

「ホストにハマっているのは(診療報酬の不正請求をめぐる詐欺容疑で逮捕された)脇坂英理子さんだけじゃないですよ。先日も、『何回か飲みに行っただけなのに、300万円を要求された』という女医さんに頼まれて交渉に行きましたが、出てきた店のマネジャーという方がヤクザ丸出しでびっくりしました。この暴力団排除の世の中で、あからさますぎるだろうと(笑)。ただ、弁護士が出てくるのは珍しかったらしく、丁寧な対応で、半分以下にしてもらいましたけどね」(同)

 払えない場合は、どうなるのか?

「そこなんですが、脇坂さんの不正請求は『ツケを払えないなら、シノギに協力しろ』と言われた可能性がありますね。あくまでも仮定ですが、コワい人が出てきて、払えなければ別の形で協力せざるを得ないように仕向けるわけです。脇坂さんは医師ですから、医師にできる方法で、ということ。これからも逮捕される女医はいるかもしれませんね。また、医師でなければ、売春や振り込め詐欺の出し子(被害者から直接カネを取る担当)を強要されることもありえます」(同)

■ボッタクリは、早めに弁護士に相談するのが賢明

 おちおちホストクラブにも行けないが、A氏によると飲食店の債権は1年で時効になる上、ホストクラブの高額なツケは「ほとんどボッタクリ」なので、支払い義務がないケースも多いという。

「ただし、払わないにしても、相手との話し合いは必須です。無視していたら実家や職場に取り立てにくる可能性もありますし、早めに弁護士に交渉してもらったほうが安全ですよ。今は暴力団排除条例のせいで、表に出てくることは減りましたが、実は見えにくくなっているだけで、裏社会はちゃんと存在しています。ボッタクリのうちの少なくない額が『暴力団』の資金源になっているはずですから、注意してください」(同)

 トラブルを避けるためには、店に入る時に予算を決めておくしかないだろうが、アルコールが入ったところでイケメンに口説かれてしまうと、なかなか抵抗はしづらいのではないか。

「それから、営業電話もクセモノですね。営業とわかっていながら、仕事のストレスもあって、つい店に行ってしまうという女社長さんもいます。ステータスが高い女性でホストクラブでの豪遊が好きな人は多いですね。まあホドホドに、としか言えません。何かあったら、弁護士にご相談ください」(同)

 ステータスが高い人も低い人も、イケメンとのひと時を過ごすには若干の自制心も必要、ということなのか。
(春日部優)

【極妻アンケート結果】 普段着はユニクロで買い物はコストコ ヤクザの妻たちの知られざる生活実態

<p> 今年8月の日本最大の指定暴力団山口組の分裂以降、神戸山口組の発足式、警察による家宅捜索、暴力団組長の殺人事件など、ヤクザに関する報道が相次いでいる。抗争の可能性もあることから、何かと注目が集まっているヤクザだが、その後ろには、その世界で生きる女たちがいる。ヤクザ(極道)の妻、いわゆる“極妻”たちは、一体どのような生活をしているのか。アンケートをもとに、知られざる現実を覗いてみよう。<br /> </p>

松方弘樹も「NHK解禁」! 芸能界と暴排条例の今

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「想い出ワルツ」/コロムビアミュージックエ
ンタテインメント

 2011年10月に東京都でも施行され、芸能界にも大きな影響を及ぼすとみられていた「暴力団排除条例」(暴排条例)。同年に引退した島田紳助の黒い交際が発端となった、一連の「芸能界と暴力団」問題だが、その後芸能界にはどんな影響が及んだのだろうか。

 紳助の引退後、週刊誌を始めとした各メディアで取り沙汰されたのが「第2の紳助」だった。芸能プロ幹部や演歌歌手、大物俳優の実名が次々と飛び交った。また、『NHK紅白歌合戦』の出場可否が一種の“踏み絵”と称され、多くの大御所が落選するとみられていたが……。

「結局、実名報道された北島三郎をはじめ、メディアが期待するような当落選結果は発生しませんでした。とあるテレビ番組で、縁日を取材した際、『本当に商売がやりづらくなった』とぼやく出店者関係者はいたようですが、こと芸能界に関しては、条例の弊害を口にする人はいませんでしたね」(週刊誌記者)