デザイナーママの苦悩! ママ友から「ロゴ作成」依頼、見積書を出したら「お金取るの!?」と激怒された!

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

 ワーママが増えている昨今、デザインやライティングなど、クリエイティブ系の仕事をしているママたちは少なくない。長引くコロナ禍、収入が減ったことを受け、オンライン講義などでこれらの専門技術を学び、副業をするようになった人もいるだろう。今回は、ママ友に自分の“仕事”を伝えてしまったために、無償で頼まれ事をされたというあるお母さんの苦悩を取り上げる。

息子のサッカークラブのママ友から「ロゴデザイン」を依頼されたデザイナー

 化粧品の通販サイトでデザイン業務を担当している早智子さん(仮名・39歳)は、小学3年生になる男児のママ。数年前までは、子ども服を扱うアパレルで接客の仕事をしていた。

「新型コロナウイルスの感染拡大のために、店舗の入っていた商業施設が休館したんです。その間、お給料が支払われなかったのもあり、転職を考えました。もともと、イラストが得意だったので、オンライン講座でグラフィックソフトの使い方を学び、自分の作品をネットで発表したら、結構反応があって……地方の飲食店のロゴ作成など手掛けるようになったんです」
 
 その後、早智子さんは現在の職場に転職し、パートタイマーとして働きながら、空いた時間にデザイナーやイラストレーターとしての副業を行い、軌道に乗せている。そんな中、早智子さんの仕事を聞きつけたママ友の梨花さん(仮名・37歳)から、ある頼みごとをされたという。

「梨花さんの息子は、うちの息子と同じ小学校に通っています。1年生の頃、同じサッカークラブに入会したので、彼女とは練習の付き添いで、毎週1回は顔を合わせる間柄なんです。そんな彼女にこの前、サッカークラブのロゴの作成を頼まれたのですが……」

 デザインやライティングを仕事にしているママは、小学校のPTA活動で、広報委員を勧められるケースが珍しくない。PTAの場合は任意で引き受けるか否かを決められるが、「お稽古事のママ友から直接お願いされると断りづらく面倒だ」と早智子さんは言う。

「サッカークラブには、梨花さんの息子のほうが先に通っていたんです。サッカーのルールから、コーチの人柄、クラブの決まり事、それからママたちの当番についてまで、いろいろと教えてもらいました。梨花さんの旦那さんも同じサッカークラブの出身とあって、彼女も思い入れが強かったんでしょうね。クラブ活動に熱心で、ロゴのリニューアルも彼女が率先して動いていたようです」

 平日のパートに加え、副業もあるため、「自分の時間がない」という早智子さんは、「これ以上、作業は増やしたくない」と思っていたそう。

「サッカークラブのママ友とは、練習中の待ち時間もずっと一緒なので、“雑談”は避けられません。それぞれの出身地や夫の話題が出る中、私が『平日はとにかく忙しい』と漏らすと、『どんな仕事をしているの?』と聞かれたんです。なので、今やっている仕事について簡単に話すと、『それなら、サッカークラブのロゴも手伝ってよ』と言われてしまい……『デザイン業はまだまだ勉強中』と伝えたんですけどね」
 

 その後、会うたびに梨花さんから「サッカークラブのロゴを新しくしたい」と相談されたという早智子さん。

「最初は、『忙しいので』と断っていたのですが、『子どものためじゃない』と言われて、しぶしぶいくつかロゴ案を作りました。そうしたら、ロゴを入れたチームTシャツを作ると言い出して、さらにデザインをするハメになったんです」

 早智子さんは、Tシャツのデザインについては見積書を出した。すると、梨花さんに激怒されたそうだ。

「『お金を取るなんて信じられない』と、会った時に文句を言われました。確かに、チームの会費は月に数千円程度で、コーチもサッカー経験者ですが、ほぼボランティアのような形でみてくれています。ずっとそうした体制で運営してきたので、梨花さんとしては、『デザイン代が発生するなんてあり得ない』と感じたんだと思います」

 早智子さんは、息子が楽しく通っているサッカークラブから退会するのは心苦しいだけに、今回はTシャツのデザインを無償で引き受けることにしたそう。しかし、この後、同じような話を振られるのはもう勘弁だという。

「梨花さんはすでに『デザインができるママがいる』と言って、サッカークラブ側に話を通してしまったみたいなんです。お金が欲しいというわけではないですが、プロとして仕事を受けている手前、今後もサッカークラブだけ無償と言うわけにはいかず、頭を悩ませています」

 そもそも「『デザインの仕事をやっている』と言わなければよかったです」と早智子さん。

「よくママ友付き合いでは『夫の仕事についてずけずけ聞いたりしない』が暗黙のルールって言いますよね? ママ同士も、普通の友達ってわけではないんだから、それぞれの仕事についてはあまり詮索しないことを暗黙のルール化してほしいものです」

 今回のように、「何かしらの技術を持っている人は、周りから頼まれ事をされやすい」のは、ママ友付き合いでもよく発生することだ。

 ワーママが増える昨今、「お互いの仕事についてはあまり詮索しない」というのが、すでにママ友間で暗黙のルール化しているコミュニティもあるが、一方で、世間話として、ママ友に自分の仕事について話すぐらいのことは普通というコミュニティも多いだろう。1人のママ友にしか仕事の話をしていなかったのに、いつの間にかほかのママ友にも伝わっていた、ということもよくある話だ。

 今回、早智子さんを悩ませる問題が発生した背景には、デザインをはじめ、イラストやライティングなどは、実際にやったことがない人からすると、「作業にどれくらいの時間と労力がかかるのかわからない」点が大きく関係していると感じた。梨花さんは「プロならば、簡単にできる」と考えていたようにも思う。

 ママの中には、趣味の延長でデザインやイラスト、動画撮影などを行い、プロ並みの腕前を誇る人もいる。腕試しのように、PTA業務に関するデザインや、子どもの習い事の撮影を無償で手伝う人もいるため、そういった人たちとプロである早智子さんとの違いがよくわかっていなかったのかもしれない。

 早智子さんが「無償での手伝いはしたくない」と考えているならば、仕事が忙しいと説明したうえで、「本業を休んだり、減らして作業しなければならない」ことを強調し、そのため「費用が発生する」と、最初に伝えるべきだった。それに、例えば、飲食業を営んでいるママが、サッカークラブに昼食の提供を頼まれた場合、材料費などがかかることは誰の目に見ても明らかだけに、無償にはならないはず。それと同じことだと説明するのもいいかもしれない。

 実際、ママ友間でのトラブルは、お金に関するものが多い。後から言い出しにくい話だからこそ、大事な部分は最初に伝えたほうがいいと思う。

 なお、今回の早智子さんのように、ママ友から無償作業を頼まれたデザイナーやライターからよく聞く困り事としては、例えば、「最初は良かれと思ってポスターのデザインをしたら、何度も修正依頼をされ大変だった」「キャッチコピー作成を手伝ったら、容易な作業だと思われたようで、その後、何度も頼まれるようになった」というものが挙げられる。

 これに関しても、最初に「修正は〇回まで」「今回は無償だが、次回からは費用が発生する」など条件を明確にしておくのが必要だ。たとえ無償でも、相手に「仕事として請け負います」というスタンスを見せておくことが大事ではないだろうか。

 学校や習い事などにおけるママ友間の無償作業は、いろいろな人の確認が何度も発生するので、思ったように進められない面がある。仕事のようなスムーズなやりとりができずイライラすることも少なくないようだ。人間関係にも支障が出かねないだけに、安請け合いしないほうが身のためと言えよう。

 「お互いの仕事についてはあまり詮索しない」はまだ、“ママ友の暗黙ルール”とは言い難い。それだけに、あくまで自衛のために、以上のことを心掛けておくといいのかもしれない。

PTA副会長が暴走! 保護者の負担そっちのけで「行事復活」に大張り切り、ワーママはうんざり顔

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

 年が明け、4月から新学年が始まるとなると、ママたちが頭を悩ませるのは「PTA活動」ではないだろうか。PTAへの加入は任意ではあるものの、当たり前のように活動せざるを得ないのが実情。学校によっては、在学中に一度は委員か役員をやらなければならないという暗黙のルールも存在する。

 今回は、仲の良いママ友とPTA役員になったものの、その活動に悩みを抱えるお母さんの話を取り上げる。

PTA役員になったママ友についていけない! 無償で作ったバザー用のスタイに“作り直し”要請

 テイクアウト専門の総菜屋に勤務している泉美さん(仮名・38歳)は、小学5年生の女の子を育てるママ。今年度、仲が良いママ友・奈菜さん(仮名・39歳)からの誘いを受け、PTA役員を務めたという。

「娘が4年生のときに、奈菜さんは推薦委員という役員をやっていたんです。この推薦委員は、秋頃に保護者に対し、翌年のPTA役員にふさわしいと思う人のアンケートを行い、選出された人に電話をかけるという仕事を担っています。奈菜さんは、回答に自分の名前があったのを見て、『誰かに頼むよりも自分がやろう』と思ったそうで、PTAの役員 を買って出ました」

 一方で奈菜さんは、泉美さんに「PTAの役員を推薦するアンケートに、あなたの名前を書いてもいい?」「一緒に役員をやらない?」と聞いてきたそうだ。

「事前に聞いてくれたのはよかったですが、断りづらいですよね。『仕事があるので、あまり活発にできない』と伝えたところ、『あなたの仕事は、早朝から午前までで終わるでしょ。PTAの集まりは午後にあるので大丈夫だよ』って押し切られました」

 PTAのシステムは学校によって異なるが、一般的には学年にかかわらず、学校全体の活動を円滑に行うための作業を担う会長や副会長、会計などは「役員」と呼ばれる。それぞれの学年の代表ともいえる学年委員や、広報委員などの「委員」に比べ、実質的な負担が大きいため、「もし子どもの在学中に役員か委員を一度はやらなければいけない場合、やっぱり委員を選ぶママが多い」そうだ。

「奈菜さんとは娘が同じ幼稚園に通っていて仲が良くなりました。彼女は幼稚園でもPTA役員をやっていて、みんなが嫌がるバザーの運営も率先して引き受けていましたね。絵が得意だからとポスターを描き、近所の学童や学区内の掲示板に貼らせてもらえるよう、各所にお願いしたそうで 、実際バザーは盛況に終わったのですが……奈菜さんの“やる気”についていけなくなるシーンが多々あったんです」

 例えば、保護者が無償で作ったバザー用のスタイやパッチワークの出来が気に食わなかった奈菜さんは、「これ、お金を出してまで欲しいと思うクオリティかな?」と言って作り直しを命じたという。

「ほかにも、出店の店番をママたちに強要したり……やる気がありすぎる彼女に巻き込まれ、周囲はみんな疲れ果てていました」

 結局、奈菜さんはPTAの副会長をやることになった。そして泉美さんを「同じ副会長にしたい」と打診してきたそうだ。

「『副会長は2人体制だから、泉美さんが忙しいときは、私がフォローする』と言ってくれたので、渋々引き受けました。いずれにせよ、私はそれまで委員もやったことがなかったため、一度は何かやらなければならなかったんです。でも奈菜さんはPTAに対してのモチベーションが私とは全然違うんですよね。それでいろいろ困ってしまって…… 」

 コロナ禍のPTA活動において、以前と最も変わった点は「小学校に行く回数が減ったこと」だろう。これまでPTA役員や委員は、何とか時間を捻出し、小学校にわざわざ出向いて会議を行っていたが、最近はLINEのグループチャットやオンライン会議ツールなどを使い、時間や場所を気にせず打ち合わせするようになった。しかし、奈菜さんはあくまで“対面”にこだわったという。

「奈菜さんは、それぞれの役員が集まった顔合わせの場で、『なるべくオンラインではなく、PTA室に集まって打ち合せしましょう』 と言い出したんです。奈菜さんは専業主婦なので時間があるんですが、忙しいワーママはうんざり顔でしたよ。 そういえば奈菜さんはよくPTA室にこもって事務作業をしていましたね……」

 コロナ禍でラジオ体操や夏祭り、交通安全教室など、学校行事が中止になったケースも多い。しかし、奈菜さんは「小規模での復活」を熱望したそうだ。

「奈菜さんは、『行事がなくなって、子どもたちがかわいそう』と繰り返すんです。確かに運動会や学習発表会などは、学年ごとの入れ替え制にし、入口で来場者全員に検温を実施するなどの手間がありましたが、開催して良かったって思うんです。でも、門松やしめ縄といった正月の飾りを小学校の校庭でお焚き上げする『どんど焼き』や、児童たちが集まって風船を空に放つ『風船飛ばし』は、別に復活しなくてもいいんじゃないかなって。ママさんたちのボランティアも必要ですし、準備も大変なので、ほかの役員さんも本音では復活に後ろ向きみたいなんですが、 奈菜さんに押し切られてしまいそう 」

 奈菜さんは、「来年も引き続き役員をやりたい」と意欲を見せているという。

「基本的には、うちの学校のPTA委員は1年任期ではなく、引き継ぎの期間も入れて2年やるのが通例。奈菜さんは、娘さんが6年生になるので、会長をやりたいのではないかと思います。私のほうは、もう今年で辞めたいですが。多分、来年の役員さんへの引き継ぎがあるので、『一緒にやろう』って誘われそうで頭が痛いです。また周囲を巻き込む“暴走”を起こすのも怖いですね」

 PTA活動は「積極的にやりたいという人のほうが圧倒的に少数派ではないか」と泉美さんは言う。

「だからこそ『できるだけみんなの負担を減らす』方針を取るのが、暗黙のルールだと思っていたのですが、奈菜さんには通用しませんでした」

 そもそも国内でPTAが広まったのは戦後すぐのこと。 「会員の主体は専業主婦」の時代が過ぎ去った現在、その活動自体が見直されるべきなのかもしれない。 ワーママが増えた令和のPTA活動をめぐっては、「できる限り最低限で抑えたい派」のほうが、「積極的に学校と関わりたい派」より多いだろう。

 2020年から始まったコロナ禍の影響で、PTA主体の行事が見直され、中止になったという話をよく聞く。また、泉美さんが言っていたように、オンライン会議が一般的になり、仕事を早退したり、休まなくても、ある程度の活動はできることも証明され、PTAの負担を減らす流れが活発化する気配を感じる。 泉美さんが言う「『できるだけみんなの負担を減らす』方針を取る」を暗黙のルールと捉える人も増えていると思う。

 しかし一方で、「子どもが小学校に在籍しているほんの1~2年我慢すればいいだけのこと」と思い、PTA活動自体に異議を唱えるママは少ないのではないだろうか。担当が数年で変わることもあり、そのやり方自体を大々的に変えるのは骨が折れると、とりあえず前年までのやり方が踏襲されがち。情熱を持って「負担を減らそう」と改革に乗り出す人がいない場合、奈菜さんのようなやる気のある人に流されることは大いに考えられる。

 泉美さんは、そもそも奈菜さんからの誘いを最初に断るのがベターだったのではないか。PTA活動は、どの委員や役員が自分に合っていて、どれくらい時間を取られるかを、できるだけ事前に調べるのが重要だ。そういった下調べナシで、誘われるがまま、やる気みなぎるタイプの奈菜さんと一緒に副会長になってしまっては、苦労するのは目に見えている。

 また、高学年になると子どもの塾通いが始まったり、中学受験に向けた学習が本格化するケースもあるので、できるだけ低学年で委員もしくは役員を終わらせておくというのも今では一般的だ。PTAで悩まないためには、小学校入学当初から、その攻略法を練っておくことが大事だと思う。

 子どもの小学校入学を控えるママたちには、上の子どもがすでに小学生というママ友から、事前にPTAの情報を入手することを強くおすすめしたい。「今はみんな忙しいから、PTA活動自体もそこまで大変じゃないはず」という自分都合の思い込みは禁物だろう 。

ママ友からLINEの「返信が遅い」ことをやんわり注意され……忙しいワーママは「お互い様」じゃないの!?

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

 コロナ禍の影響で、ママ友同士が直接集う機会が減った分、LINEでのやりとりが活発になったという人は多いだろう。気軽にメッセージを送り合えるツールだけに、ついついママ友と長時間“ラリー”が続いてしまうというのもよく聞く話だが、そういった状況を苦痛に感じている人もいるのかもしれない。今回は、ママ友同士のLINEのやりとりをめぐる、あるお母さんの葛藤を取り上げる。

双子育児と仕事で余裕なし! ママ友のグループLINEがストレス

 パソコンメーカーのコールセンターで受信業務を担当しているまりかさん(仮名・37歳)は、小学3年生になる双子男児のママ。夫の実家は商店街で蕎麦屋を営んでいるという。

「夫は5年前に先代から店を継ぎました。コロナ禍になって、客足が遠のいたので、店の手伝いを週6から土日のみにして、去年からコールセンターでのパートを始めたんです」

 パートと店の手伝いで自分の時間がまったくないというまりかさん。しかし、保育園時代のママ友たちは、よくグループLINEでメッセージのやりとりをしているそうだ。

「ママ友は、定時で終わる派遣の仕事や、ほぼリモートワークという働き方なので、メッセージをゆっくり見たり、送ったりする余裕があるんですよね。私は、仕事中スマホはロッカーに預けなければならないし、店でも見る暇がないので、メッセージの返信を数日放置してしまうこともよくあるんです」

 まりかさんが参加しているLINEグループはいくつかあるが、保育園時代に仲が良かったママ友4人のグループでは、日常の出来事やハマッているテレビドラマについてなど、たわいもない会話をしているという。しかし、年末の慌ただしさにより、まりかさんが返信をおろそかにしていたところ、あるママ友から連絡が来たそうだ。

「その時、LINEグループは、年末年始の過ごし方の話題で盛り上がっていました。スマホの画面を開くと、通知が20件も来ていて驚きましたが、明日返そうと思っていたんです……。そうしたら、グループチャットにいるママ友Aさんから、ダイレクトにLINEが届いて『最近、返信がないけどどうしたの?』と心配されてしまって……」

 まりかさんは、仕事と育児が忙しかったために返信がおろそかになっていると伝えた。すると、思いもよらない返信がきたという。

「『4人のグループなのに、3人しか会話してないのが気になっちゃって』っていうんです。私からのレスの遅さをやんわりと注意されたんだなぁと思って、落ち込みました……でも別に重要な内容ではないし、私は普段からスマホを使い慣れていないのもあって文面を打つのも遅く、ストレスを感じるんです」

 また、まりかさんは、「Aさんからのメッセージは、まるで日記というか。その日にあったことや、出かけた報告ばかりで、どんなリアクションをこちらに求めているのかわからない」と困惑した表情を見せる。

「Aさんは、家族でディズニーランドに行ったという報告や、子どもが参加するサッカーの試合風景の写真を送ってくるんです。別にマウントのつもりはないと思うのですが、『いいなぁ』とか『すごいね』とか返したらいいんですかね? 時々、反応に困るんですよ……でも、息子同士の仲が良いので返信しないわけにはいかず、地味にストレスになっています」

 Aさんからよく「休みの日は何するの?」と聞かれるのも面倒だというまりかさん。

「うちは店があるので、土日は休めない。しかも双子なので移動も大変。旅行なんてもってのほかで、全然行っていません。でもそれを伝えると『子どもが小さいうちに出かけないなんてかわいそう』みたいな反応をされるので、伝えづらいんですよね」

 ただ、まりかさんは、Aさんからのメッセージが嫌なわけではないという。

「送ってくるだけなら、時間がある時に見ればいいので、いいんですよ。なにかしらのレスを、すぐに送らなきゃいけないのが“無理”なんです……。でもLINEグループのママたちは、Aさんのメッセージにすぐさま反応して、『〇〇君、かっこいいね』みたいに返す。私よりは余裕があるかもしれないけど、みんなも働いていて忙しいワーママなのにすごいなぁって。でも、やっぱりこちらが忙しくていっぱいいっぱいなことをわかってほしいです」

 まりかさんは、「私はママ友のレスが来なくたって、『ああ忙しいんだな』と思うくらいで、まったく気にならないです」ときっぱり言う。

「特にワーママ同士の付き合いでは、LINEのレスがおろそかになるのは気にしない。これって暗黙のルールだと思ってたんですけどね……」

 もはやママ友付き合いに欠かせないアイテムといえるLINE。しかし、そのやりとりは、相手の状況がわからないだけに気を使うものだ。ワーママ同士の付き合いでは、朝や夕食時などの忙しい時間帯、仕事中と思われる日中には、メッセージを送るのを避けたほうがよいといった暗黙のルール……というか、マナーも存在していると思う。

 一方、レスの有無に関しては、「なくても気にならない」派と「必ずほしい」派と分かれるのではないだろうか。特に今はコロナ禍で、ママ友同士が学校行事や送迎時などで顔を合わせる機会が減っている。その分、メッセージでのつながりを重要視しているママも存在するかもしれない。

 まりかさんは、ママ友同士のやりとりは、仕事より優先度が低いという口ぶりで、それは確かにその通りだと思うが、「レスが遅い、レスがないのもお互い様」との認識は、やや一方的な印象を受けた。

 相手からのレスが遅い、レスがないことで、「もしかして嫌われてしまったのではないか?」「病気などになっているのではないか?」と不安になってしまうママもいるだろうし、スタンプだけでもいいので、やはり何らかの対応はすべきだろうと思う。

 まりかさんが、家の手伝いやコールセンターの仕事で、どれほど忙しい日々を送っているかは、おそらくママ友たちに伝わっていない。また、もともとレスがマメなタイプではないことも知られていないのではないか。であれば、前もって「仕事中はスマホを見られないから、確認するのは夜になる」ことや、「あまりマメじゃないので、日程を決めるような重要事項以外は、あまり返信できないけど気にしないで」というふうに伝えておくのがいいのではないだろうか。

 ここで重要なのは、レスの遅さに関しては、人によってどれくらいで「遅い」と感じるかが異なるだけに、具体的に「この時間帯以外は、スマホを見ていない」と伝えることだと思う。

 ママ友は年代も職業も違うので、“常識”が異なり、不本意な行き違いが起きやすい。誤解を生まないためにも、まずは自分の“常識”を相手に伝える。そのうえで、「ワーママは忙しいので、LINEの返信を強要しない」が、暗黙のルールではないだろうか。

シルバニアファミリーで遊ぶ娘、戦隊ものに夢中なママ友の息子。一緒に遊べない子同士の“ママ友付き合い”に悩む

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

 幼児や低学年の子どもに人気の“ニチアサ”をご存じだろうか。“ニチアサ”とは、テレビ朝日系列で日曜朝の時間帯に放送されている子ども向け番組群のことを指す。現在は、朝8時半から『デリシャスパーティ・プリキュア』、9時から『仮面ライダーギーツ』、9時半から『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』が放送中だ。

 しかし、『プリキュア』は女児人気、『仮面ライダー』や『ドンブラーズ』は男児人気が高く、また年齢によっても人気作の傾向は異なる。同じ“ニチアサ”にハマッていても、各番組への熱量が違うため、子ども同士、話がかみ合わないことも珍しくない。

 子どもは成長するに従い、自分の好みというものが出てくる。そのため、それまで仲良しだった子と遊び方が異なるようになり、疎遠になってしまうこともよくあるのだ。今回は、仲良しのママ友同士の間で起きた“子どもの好みが合わなくなった”という問題を取り上げる。

幼稚園のママとは付き合いなし! 昔の職場の同僚とママ友に

 「娘の通っている幼稚園のママとは、ほとんど付き合いがなくて……」そう打ち明けてくれたのは、都下で5歳になる女児を育てている洋子さん(仮名・36歳)。

「娘は、バスで少し離れた幼稚園に通っています。入園した当初は、コロナ禍で行事が中止になったり、縮小されたり……保護者会もオンラインで行っていました。そのため、休みの日にわざわざ集まって遊ぶような“親しい園ママ”ができなかったんですよ」

 そんな洋子さんだが、かつて同じ職場で働いていた友人・真理さん(仮名・36歳)と、よく子連れで遊んでいるという。彼女は5歳の男児と2歳の女児を育児中だ。

「真理は、新卒で入社した企業の同期。それぞれ退社した時期や結婚したタイミングは違ったのですが、ちょうど同じ年に妊娠をしたのをきっかけに、また真理との付き合いが復活したんです」

 偶然、真理さんの住まいが近くだと判明し、お互いの家や公園で子どもを連れて会う仲になったそうだ。

「コロナの影響で幼稚園が休園になった時、身近にママ友がいるのは心強いなって感じました。お休みの間、よく真理と公園に行き、子どもを遊ばせていましたね」

 当時、洋子さんの娘と真理さんの息子は2~3歳。2人で公園内を走り回って遊んでいたそうだが、「年中になった頃から、どんどん一緒に遊ばなくなってきたんですよね……」という。

「娘は臆病なので、鉄棒にぶら下がりはするものの、足を掛けて回ったり、前回りをすることはありません。ジャングルジムも怖いみたい。幼稚園では、年中さんは真ん中の高さまで登ってもいいというルールなのですが、娘は下のほうで遊んでいます。そもそも外遊びが好きなタイプではないんです」

 しかし、真理さんの息子は、外遊びが大好きなタイプ。公園では、遊具で遊ぶだけでなく、自転車を乗り回したり、木登りもするようだ。

「真理の息子は、以前にも増して活発に。枝を拾って振り回したり、石碑に上って飛び降りたりと、見ているだけでヒヤヒヤもんですよ。当然、うちの娘はついていけず、一緒に公園を訪れても別々で遊んでいます。真理もそのことに気づいていて、下の娘とうちの娘を遊ばせようとするんですが、2歳と5歳ではできることが違いすぎて、一緒に何かをするって感じではないんですよね。うちの娘が、真理の娘の面倒を見ているだけっていうか……」

 そんなことが続くうち、洋子さんは真理さんと子連れで会うことに疑問を持ち始めたという。

「私と真理は公園で、ずっと立ち話をしているのですが、いつも別れ際に『また一緒に遊ばせようね』って言うんです。でも、一緒に公園へ行っても、真理の息子は顔なじみの男の子たちと戦隊ものをマネる『たたかいごっこ』をしていたり、自転車で公園の外周を走ったりと、活発な遊びをしている。片や、うちの娘は1人でブランコに乗ったり、滑り台を滑ったり……あとは、真理の娘の面倒を見ているんですよね。あっちに行ったりこっちに行ったりする2歳の子を追いかけている娘を見ていると、一緒に遊ばせる意味あるのかなって思うようになりました」

 洋子さんは、真理さんとは今後も会いたいものの、娘が楽しそうではないのが気がかりだという。

「家の中で遊んでいても、娘はシルバニアファミリー、真理の息子はスーパー戦隊シリーズの録画を見ている……みたいな。それに、いくら女の子同士とはいえ、まだ2歳の真理の娘とは、一緒に遊ぶって感じではないんですよ。うちの娘は『遊びたくない』とは言わないですが、真理の子どもたちと仲が良いわけではないし……同い年の女の子と遊んだほうが楽めると思います」

洋子さんは今後、娘を連れて真理さん親子と会うのはやめようと思い始めているそうだ。

「真理は、子ども同士が楽しく遊べていないことを、全然気にしてないみたい。でもやっぱり子どもを第一に考えると、それってどうなんでしょう。ママ友同士の仲を優先させるよりも、子どもが遊びたい子と遊ばせる……これって、ママ友の暗黙のルールではないでしょうか」

 ママ友同士の付き合いでよく聞くのは、むしろ「ママ同士は仲が良くないのに、子ども同士は仲が良い」というケース。ママ同士が疎遠だと、子どもが友達と遊ぶ約束をしたものの、相手の連絡先や住所がわからず、困ってしまうなどちょっとしたトラブルが発生しがちだ。しかしこの場合、子どもが小学校に上がると、当人たちだけで会うようになるため、ママ同士が仲良くなくても、特に困ることは生じないだろう。

 一方、今回のように「子ども同士の仲は良くないが、親同士は交流がある」というケースも確かにある。子どもも4~5歳くらいからそれぞれ遊び方や好きなものに個性が出てくるため、洋子さんの言う通り、できるだけ子どもに合わせるべきではないだろうか。親同士で会いたい場合は、幼稚園などに子どもを預けている間に会うなど、子どもを抜きにして会うことを検討したほうがよい。

 子連れで会うにしても、子どもの行動に差が出ない場所を選ぶのがおすすめ。例えば、公園ではなく、ファミレスなどで会うようにするのはどうだろう。子ども同士の交流も深まりそうだし、親の目も届く。洋子さんも真理さんもゆっくり話ができるはずだ。もしくは、子どもそれぞれ好みは違っても、ぬりえやブロックなど、みんなで楽しめる遊びを親が考え、提案するのもいいかもしれない。

 そういった配慮も、ママ友と子連れで遊ぶ際の「暗黙のルール」ではないだろうか。

西松屋の着古したトレーナーを「おさがり」に? ママ友から古着を押しつけられ「正直いらない」

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

 近年は、「サステナブル」と呼ばれる持続可能な活動を推進する動きがあるが、なかでもリユースやリサイクルは特に重要視されているように見える。その観点から考えると、サイズアウトした子ども服をどうするかは、ママたちの頭を悩ます問題といえる。よくあるのが「ママ友にあげる」という方法だが、今回は、そんな「おさがり」をめぐって、不満を抱いたというお母さんの話を取り上げる。

仲が良くなかった高校の同級生と「ママ友」として再会

 地方都市に住む麻美さん(仮名・35歳)は、昨年7月に女児を出産したばかり。生まれ育った県の都市部にマンションを購入し、夫と娘と3人で暮らしている。

「実家は県内にあるのですが、車で1時間半ほどかかるので、連休や長期の休みしか帰っていません。なので、地元の友達とはあまり会っていないんですが、たまたま高校時代の同級生が、うちの近くのマンションに住んでいたので、よく会うようになったんです」

 麻美さんの友人である穂香さん(仮名・35歳)は、3歳の女児と0歳児の男児を育児中。麻美さんの妊娠・出産を機に、お互いの家を行き来する仲になったそうだ。

「高校時代はあまり仲が良くなかったのですが、以前からSNSでつながっていたんです。妊娠中、彼女の子どもの写真に『いいね!』をつけ、自分ももうすぐ子どもが産まれるとコメントしたら、そこから交流が始まって……という流れでした」

 麻美さんはコロナ禍での出産だったため、産院での母親学級がすべてオンラインで開催された。ママ友ができにくい中で、穂香さんの存在は心強かったという。

「高校時代から、穂香は優等生タイプで、生徒会の委員などもやっていました。東京の大学に進学したみたいなのですが、数年前にこっちへ戻って来て、飲食業を経営している男性と結婚したそうです。旦那さんは仕事柄、帰宅時間が遅く、穂香がほぼワンオペで育児をしているんですが……そのせいなのでしょうか、育児にはいろいろとこだわりが強いんですよね。私が妊娠中も、有機野菜の宅配サービスを薦めてきたり、骨盤ベルトを貸してくれたりと、いろいろと気に掛けてくれたんです」

 そんなある日、穂香さんから、「長女が3歳になって、サイズアウトした服が増えてきた」「麻美っておさがりとか平気?」という連絡が来たそうだ。

「うちの子は夏生まれなので、肌着は多かったのですが、トレーナー類などはまだあまり持っていなかったんです。それに、私は春から復職し、子どもを保育園に通わせるため、『服はどれだけあっても困らない』と。穂香には『気にしないよ』と返して、今度遊びに行く時にもらうことになったんです」

 麻美さんは、おさがりをもらうお礼にと、駅前のデパートでヨックモックのクッキーの詰め合わせを購入して行ったという。

「穂香がしきりに『洋服、いっぱい用意しておくからね』というので、お礼も持っていきました。それで、家に遊びに行ったんですが、無造作に洋服が入れられたクリアボックスを目の前に“どん!”と置かれ、『好きなの選んでね』と言われたんです。中を見ると、西松屋で買ったであろう、生地の薄いかなり着古したトレーナーやズボンが入っていました。何点か、ラルフローレンやミキハウスのものもあったけれど、かなり色あせていて、正直、これを人に譲るなんて……と感覚の違いに驚きましたね」

 麻美さんは、状態が良いものを数枚選んだそうだが、穂香さんはそれでは気が収まらなかったようだ。

「クリアボックスに残っていたファミリアの古いデザインの服を手に取って、『これはブランド物だから絶対持っていったほうがいいよ!』と言ってきたんです。穂香があまりにもゴリ押ししてくるので、仕方なくもらって帰りました」

 穂香さんの娘は背が高いほうで、靴のサイズアウトも早いとのこと。靴箱に入った子ども用スニーカーを何足か渡されて、「これファーストシューズにどう? あんまり履いてないからキレイでしょ」と勧められたそうだ。

「一応、洗ってはくれたと思うのですが、白いスニーカーなので、うっすら汚れが……。正直、いらないなって思いました。それに、さすがにファーストシューズは自分で購入したものを履かせたいし、サイズもうちの子には大きかったので、『ちょっと履かないかな』って、やんわりお断りしたんです。そうしたら『どうして? アシックスだしまだ履けるよ!』と、またゴリ押し。結局、もらうことにしました。帰り際に、彼女が娘に『これはリサイクルといって、良いことをしたんだよ』と満足げに語っていたのを見て、モヤッとしましたね」

 麻美さんは帰宅後、あることに気づいてさらにガッカリしたという。

「一度洗濯するために、洗濯表示のタグを見たんです。そうしたらまったく知らない子の名前が書いてありました。おさがりの服を、また別のママ友に譲るっていう神経も信じられないし、それなら先に言ってほしかった。彼女は、服を捨てることに抵抗があって、ただ私に押し付けたかったんだなって思いましたね。ママ友におさがりをあげるってよくありますけど、『状態のいいものだけを譲る』『ほかの人から譲られたものはあげない』っていうのは、暗黙のルールですよ」

 兄弟や姉妹が多かった時代は、おさがりを身内や親せき間で譲り合っていた。今は子どもの数が少なく、親戚付き合いも減っているため、服の処分に悩むママは多いのではないだろうか。

 しかし、いくら処分が大変だからといって、今回のケースのように、善意を装って、ママ友に不用品を押し付けるのは問題だ。

 自分ではおさがりに回していいと思った服でも、小さな穴や糸のほつれ、ネームタグに名前が書かれていることなど、相手によって気になる部分やその程度は異なる。そもそもママ友からおさがりをもらう場合、相手は「いらない」と思ってもなかなか言いづらいものなので、やはり、譲る側がしっかりと「どれなら相手に喜んでもらえるか」を見極めるべきだろう。

 そう考えると、たとえブランド物でも、着古した感のあるものを譲るのは遠慮したほうが、無用なママ友トラブルを避けることにつながるだろう。面倒でもメルカリやラクマなどのフリマサイトを利用し、安価で譲るほうが賢明といえる。

 また、今回のケースのように、自分がほかのママ友からもらったものや、リサイクルショップやフリマサイトで購入したものを譲る際は、たとえ美品だとしても、あらかじめそのことをママ友に伝えるのは、最低限のマナーといえる。

 環境のために、リサイクルはこれからさらに必要性が増すだろう。子どもが成長するにつれ、服がどんどんサイズアウトしていく中、なるべく捨てないためには、ママ友に譲るだけでなく、自治体が開催しているフリーマーケットに出店してみたり、寄付を受け付けてくれる団体を探すのもありかもしれない。たとえそれが無自覚であっても、くれぐれも上から目線で、ママ友におさがりを押し付けるのはやめたいものだ。

PTA役員の他薦アンケートに名前を書かれた! 推薦委員から突然の電話……“犯人”は保育園のママ友だった

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

 10月になると、小学生の子どもを持つママたちの間では、よく「PTA役員の選出」が話題に上がる。推薦委員と呼ばれる委員によって、PTA役員、委員を保護者から選出する作業が開始されるのだ。

 そもそもPTAの活動への参加は保護者の任意とされているが、入学前の説明会などで入会申込書などが配布され、自動的に加入する場合がほとんどだろう。PTAの中核を担う本部と呼ばれる組織には、会長、副会長、会計、書記や庶務と呼ばれる「役員」がそれぞれ1~2名ほど選出される。それ以外に、各クラスで選出されるのが、委員会の「委員」だ。

 子どもの在学中に一度は役員か委員を引き受けなくてはならない場合、運営の中心である本部の役員は負担が大きいため、「それに比べれば楽」な委員を希望する保護者は多い。

 今回は、PTAの役員選出で、「“暗黙のママ友ルール”を無視されてしまった」という、あるお母さんの話を取り上げる。

小学校のPTA活動は難しい、地方出身&フルタイム共働きママの本音

 地方銀行で窓口業務を担当している八重子さん(仮名・33歳)は、今年小学3年生になる女の子のママ。同い年の夫はスマホのアプリを開発する企業でエンジニアをしている。

「大学時代の同級生と、卒業後に結婚しました。子どもは2人ほしかったのですが、実際に産んでみると、無理だなって。共働きだと1人産んで育てるのが精いっぱい。平日は仕事に家事、子どものことで大忙しで、夜にはくたくたになっていますね」

 八重子さんは育児休暇を1年取り、復職後はしばらく時短勤務をしていたが、娘が小学校に入学後はフルタイム勤務に戻ったという。自身も夫も地方出身のため、お互いの両親には子どもを預けられず、とにかく毎日時間がないと話す。

「うちの職場は、結婚や出産を機に退職する女性が多いため、子持ちの30~40代女性社員が極端に少なく、会社にこの大変さを理解してもらえないんですよ。フルタイム勤務だと残業もあるし、とてもじゃないけれど、小学校のPTA委員などの活動は難しいって思ったんです」

 PTA活動が行われる時間帯は、平日の授業後がメインだ。学校行事にまつわる準備やベルマーク集めなど、実際に保護者が集まらないと行えない業務が多いため、欠席はできないという暗黙のルールがある。

「去年の9月の終わり頃に、娘が学校からアンケート用紙をもらってきたんです。PTA役員を選出するためのアンケートで、『役員にふさわしいと思う生徒の保護者の名前を書いてください』とのこと。娘が入学した2020年はコロナ禍だったので、選出工程が行われることなく役員もほぼ前年度の人が続投。でも去年は、役員をしていたママの子どもが卒業することもあって、メンバーが入れ替わるタイミングだったんです」

 アンケート用紙に名前を書かれると、推薦委員会の委員から突然電話がかかってくるというが、八重子さんの元にも連絡が来たそうだ。

「私の名前がアンケートに書かれていたそうで、本部の役員を引き受けてほしいと言われました。あのアンケートは『該当者なし』で出してもよかったはずなのに、『なぜ?』とびっくり。そもそも娘が1年生の時は、コロナ禍で学校行事がほとんどなくなり、運動会も無観客、保護者会も1回のみ。ほぼ新しいママ友ができなかったんですが……。もしかしたら、名前を書いたのは同じ保育園のママかなって気になりました」

 八重子さんの娘と同じ保育園出身の子は2人いるという。

「2人いるママ友のうち、1人はLINEでやりとりする間柄でした。まるで犯人捜しみたいで後ろめたくもあったんですが……どうしても気になって『PTA役員の他薦アンケートって、誰かの名前を書いて出す人いるのかな?』と話を振ってみたんです。そうしたら、そのママ友が、まさかの私の名前を書いたって言うんですよ! 誰かの名前を必ず書かなきゃいけないと思ったみたいで、『ほかに知っている人がいなかったし、八重子さんはしっかりしているから向いていると思った』という返信が来たので驚きました……」

 アンケート用紙に名前を書かれても、それだけで役員に任命されるわけではない。もちろん断る自由もある。しかし、新たな役員が見つからない場合、推薦委員自身が役員になるケースもあるため、押しが強いという。

「まずは役員がどのような作業をしているかを知ってほしいと、見学会に参加するよう勧められました。断れなくて見学したのですが、推薦委員から『平日の夕方を使って作業するから、仕事とも両立できる』『もし仕事でどうしても参加できない日があっても、ほかの人がカバーするから大丈夫』と熱心に勧誘されましたが、正直、無理って思いました。でも『今はコロナ禍で役員が集まって作業を行うことが普段より少ない。役員をやるなら今がチャンス』と言われ、結局、簡単そうな書記を引き受けたんです」

 八重子さんは、役員になったのは自分の意思というが、ママ友に名前を勝手に書かれたことに対してはモヤモヤが収まらない。

「ママ友が悪いわけではないのはわかっているんです。顔も名前も知らない保護者が多い中、他薦アンケートに必ず誰かの名前を書かなきゃいけないと思い、知っているママ友の名前を書いてしまった……というのも想像できます。でもやはり書かれたほうはすっきりはしないですよね」

 PTA役員になりたいという保護者は少数だけに、八重子さんは「むしろ『仲のいいママ友のことは他薦しない』のが、暗黙のルールだと思っていました」と語る。

「別の小学校に子どもを通わせているママ友にこの話をしたら、『うちは他薦アンケートに名前を書けという圧が強いんだけど、仲良しのママを推薦するなんてあり得ない』と言っていました。他薦アンケートは、誰が誰の名前を書いたかは明かされないのですが、やっぱり『誰に書かれたんだろう』とモヤモヤしたし、この形式はやめたほうがいいと思うんですよね」

 PTA役員を決めるため、他薦アンケートが行われている学校は少なくない。母親のほとんどが専業主婦かパートタイマーだった時代とは違い、フルタイムの正社員というママも多い現代では、他薦によって役員を引き受けざるを得ない状況は、「絶対に避けたい」ことなのだろう。

 自分が役員に選出されるのを回避するためには、別のママの名前を書くのが手っ取り早いが、やはり後ろめたさから、可能な場合は「無回答」で出す人は多いのではないか。しかしそうなると、アンケートの意味をなさないので廃止になってもいいと思うが、長年続くやり方を変えるのはなかなか難しいこと。保護者が結束して声を上げなければ実現しないだろう。

 現状では、やはり親しいママ友の名前をPTA役員に推薦してはいけないのが“暗黙のルール”ではないか。「役員をやってみたい」と明確な意思表示をしているママならいいが、特に共働き家庭のママが役員を務めるのは、あまりにも負担が大きすぎるだけに、やりたがらない人が大半だろう。

 八重子さんのように、ひょんなことから誰が誰を推薦したかバレた場合、ママ友とのいさかいも生じやすい。PTAの他薦という制度自体が変わるまでは、アンケート用紙には何も書かないのも手かもしれないが、PTAの役員・委員決めは「揉めないことがない」ものだと、あらためて思った次第だ。

シャトレーゼとカルディの手土産持参も……ママ友に手作りホットケーキを出され「正直ないなって」

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

 ママ同士の付き合いの中でも、価値観の違いが出るのが、贈り物や手土産ではないだろうか。コロナ禍の影響で、人の出入りが限られる自宅でのママ友ランチ会が増えている中、今回は、ママ友の集いにおける手土産に不満を抱いたというお母さんの話を取り上げる。

地域センターで知り合ったママ友とLINE交換、家へ遊びに行くことに

 首都圏に住む美奈さん(仮名・32歳)は、今年1月に女児を出産したばかり。育児休暇中だが、普段は紅茶やコーヒーなどの食料品を輸入する商社に勤務している。

「昨年、夫と相談してマンションを購入しました。リモートワークが増えたこともあり、都心から1時間くらいかかるものの、広めの新築マンションに引っ越したんです。周りには私たちと同じように、ここ最近引っ越してきた若い夫婦が多いと聞いてきたので、ママ友ができるかなと期待していたんです」

 美奈さんは子どもが5カ月になった頃から、地元の「地域センター」と呼ばれる乳幼児が集まる施設に足を運ぶようになった。同じくらいの月齢の赤ちゃんを育てているママ友とは、そこで知り合ったという。

「育児雑誌を見て、ママが乳幼児を連れて行ける支援センターや地域センターの存在を知ったんです。まだ子ども乗せられる自転車を持っていなかったので、ベビーカーで行ける距離にあった地域センターに、最初は行ってみることにしました」

 地域センターは、日によって保育士や地域の児童指導員などが在中しており、乳幼児親子向けのイベントも開催されていたり、育児の悩みを相談することもできる。入場料は無料だ。

「私は最初、保育士さんに娘の発達相談をするために通い始めました。そうしたら、次第に顔見知りのママが増え、LINEを交換するようになったんです」

 美奈さんは地域センターで、綾子さん(仮名・37歳)と知り合いになった。綾子さんは、美奈さんと1カ月違いの男児を育児中だった。

「赤ちゃんをあやすことに慣れているなって思ったら、2人目だったんですよ。美奈さんの長女は3歳で、日中は幼稚園に預けているとか。家で赤ちゃんと2人きりだと、息が詰まるそうで、毎日、公園や地域センターに連れて行っていると言っていました」

 美奈さんにとっては育児の先輩ママでもある綾子さん。家も近所のマンションだとわかり、遊びに行くことになった。

「知り合ったばかりの相手の家に行くのは躊躇しましたが、もう一人、地域センターで知り合った佳代子さん(34歳・仮名)も『一緒に行く』というので、お宅にお邪魔することにしたんです」

 輸入食品などを扱う仕事をしている美奈さんは、仕事柄、手土産にはこだわりがあったそうだ。

「普段はデパートの地下街に行っていたのですが、子どもがいると、都心に出るのも大変なので、近くのショッピングモールで選ぶことに。カルディで、ママ用にデカフェの紅茶とクッキーを購入しました」

 手土産を携え、綾子さんの自宅に遊びに行くと、上の娘と一緒にホットケーキを作っていたそうだ。

「娘さんはまだ3歳とあって、あちらこちらを手で触るんですよ。美奈子さんが『混ぜて』と言って渡したボールの中の生地も、手で直接グチャグチャと触っていて……普段は手作りのものもおいしくいただくんですが、なんとなく抵抗がありました」

 なお、佳代子さんは手土産にシャトレーゼのロールケーキを持ってきていたという。

「こちらはお宅にお邪魔しているので文句は言えませんが、私たちの手土産と比較すると、どうしても『おもてなしのおやつが、手作りのホットケーキってのは、正直ないな……』と思ってしまったんですよね。あまりにも値段が不釣り合いというか……お茶も結局、私が持って行った紅茶を飲みました」

 綾子さん宅への訪問に続き、今度は美奈さんの家に綾子さんと佳代子さんが子連れで遊びに来ることになったそうだ。

「綾子さんが家に呼んでくれたのは、最初からうちに遊びに来たかったからみたいです。向こうが住んでいるマンションよりも、うちのマンションが新しかったので、中が気になっていたんだとか」

 今度はもてなす側となった美奈さん。少し遠いが、ベビーカーを押して20分ほどの場所にある店でスイーツを買って、おやつを用意していた。

「こちらはちゃんと、子ども用のプリンと大人用のケーキを準備していたんです。2人とも『おいしい』と喜んでくれたのでよかったですが、佳代子さんは手土産を持ってきてくれたものの、綾子さんからは何もなかったんですよね。エコバッグに入っていたスーパーで買ったらしき菓子は、自宅用みたいでした。独身時代も、友達の家に遊びに行くときには、ちょっとした手土産を持参していたので、綾子さんみたいな人は人生で初めて会いましたよ」

 子連れでママ友の家に遊びに行く場合、「子どもが飲み物や食べ物をこぼしたりして、相手の家を汚してしまうことがある」と美奈さん。

「そういった“相手のお宅に迷惑をかける可能性”を踏まえて、やっぱり手土産は必須なのかなって。逆に家に招く際は、手土産を持ってきてくれることを前提に、それなりのおやつを用意すべきだと思っています。佳代子さんも同じ考えみたいですし、これってママ友付き合いの暗黙のルールなんじゃないでしょうか?」

 ママの中には、生活スペースを見られるのが嫌なため、「ママ友を招かない」という主義の人もいるだろう。しかし、子どもが赤ちゃんの場合、ママ友の集まりは「大声で泣かれても大丈夫」な自宅で行われることが多い。

 子どもは友達の家でも好き勝手遊ぶものだが、大人はやはり「人の家に行く=相手のパーソナルスペースに入る」という意識を持ち、節度ある行動をする必要がある。

 また美奈さんも言っていたように、赤ちゃんや子どもは飲み物や食べ物をこぼしがちだし、棚に置いてあるものを触ったり、時に壊してしまうなど、予期せぬ行動が多い。ママ友の自宅に子連れで遊びに行く際は、やはり迷惑をかけることを見越して、手土産を持参していくべきだろう。

 綾子さんは、子どもがママ友の家で迷惑をかけるのは、“お互い様”と思っているのかもしれないが、知り合って間もない美奈さんとその感覚を共有するのは難しいように思う。“お互い様”の感覚は一度取り払い、そもそも「自宅を使わせてもらっている」ということへの感謝も含め、相手が気兼ねしないような手土産を持っていくのがいいのではないだろうか。手土産を交わし合ううちに、招く側として用意すべきおやつの相場も見えてくる気がする。

 当然、ママ友との関係性によりけりではあるが、「ママ友の自宅に遊びに行くときは手ぶらNG」は、暗黙のママ友ルールと捉えていたほうが、円滑な付き合いができると思う。

ママ垢ルールに触れてしまった? 保活の話で「上から目線やめて」、気づいたらブロックされた!

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

 年齢も住んでいる地域も超えて、同じ趣味や趣向を持った者同士が交流できるSNS。特にここ数年のコロナ禍において、SNSでの人とのふれあいは、以前より身近で濃いものになってきたのかもしれない。

 自由に出歩くことができない妊娠中のプレママや、育児中のママにとって、SNSはちょっとした息抜きになる。「マタ垢」や「ママ垢」と呼ばれるアカウントを作り、SNS上で交流する文化も定着してきた。しかし、ママ友と会話を楽しんだり、妊娠中や育児のストレスを発散する場としてSNSを利用していたつもりが、いつしか人間関係に悩み、メンタルが病んだというケースもあるようだ。今回は、SNS上のママ垢をめぐる “暗黙のルール”に触れてしまったという、あるお母さんの話を取り上げる。

マタ垢のわかりづらい“独特のルール”

 首都圏のデパート売場に勤務している聖子さん(仮名・34歳)は、昨年3月に出産したばかりの新米ママだ。

「妊娠をきっかけに、都内から夫の実家がある関東の県に引っ越したんです。夫の実家が近いのは心強かったのですが、コロナ禍の影響でママさん同士が交流できる児童館のイベントなどが軒並み中止になっていて、まだ近所にママ友がいないんですよ」

 聖子さんは妊娠を機に、それまではあまり熱心ではなかったSNSを始めたという。

「同じ時期に出産するママたちと情報交換したいなあと思って、ほんの軽い気持ちで、Twitterにアカウントを作ったんです。いわゆる『マタ垢』ってやつですね」

 Twitterやインスタグラムでは、妊娠週数の近いプレママ同士がつながることを目的とした「マタ垢」が存在している。プロフィール欄やアカウント名には、初めての妊娠の場合「初マタ」というワードを、妊娠週数を「〇w」と表記するケースが多い。

 また、アカウント名ににっこりマークの顔文字をつけているマタ垢が多数みられるが、これは「タメ口で話しかけてもらってOK、でも私は緊張するから敬語で話すけど気にしないでね」という意味だそう。ほかにも、おなかの子が男の子の場合はゾウの絵文字、女の子の場合はリボンの絵文字をつけるなど、わかりづらい“独特のルール”が存在している。

「マタ垢を始めた理由には、『コロナ禍の妊娠で、不安を吐き出せる場所がほしかった』というのもあります。実際に、体調が悪くなり、マタニティブルーのような状態に陥った時、同じマタ垢のプレママさんから励ましの言葉をもらえて、うれしかったですね」

 聖子さんは、マタ垢を通して、同い年で、同じ地方出身という共通点がある加奈子さん(仮名・34歳)と親しくなったそうだ。

「加奈子さんは、ハッシュタグで、同じ頃に出産予定のプレママさんを探していたそうです。彼女は2歳上の女の子がいたので、育児では先輩。たまにDM(ダイレクトメッセージ)で悩みを送ったりしていました」

 聖子さんと加奈子さんは、お互いに子どもが産まれると、マタ垢をママ垢にして、そこでも交流を続けたという。しかしある時、加奈子さんの態度が豹変したとのこと。

「うちの娘は早生まれなので、これから保活を始める予定。保活情報を集めようと、ママ垢でいろいろとつぶやいていたら、加奈子さんから『保育園に預けるんだ』ってDMが来たんです。私は『仕事を休職中で、来年4月には子どもを保育園に入れ、復職する予定』ということ、それから『復職前に良かったら一度、会いたい』とも伝えました。すると加奈子さんは、妊娠前に仕事を辞めていて専業主婦のため、3歳までは自宅で子どもを見るつもりだというんです」

 リアルで交流のあるママ友や、もともと友人だったママ友とは違い、SNS上だけの付き合いだと相手の事情がわかりづらい面がある。

「私も、娘を1歳で保育園に預けることに少し抵抗があったので、『子どもとゆっくりいられる加奈子さんがうらやましい』と送りました。そうしたら、『上から目線はやめてほしい』みたいな返信が来て、気づいたらブロックされていたんです」

 気に入らないことがあれば即ブロック。加奈子さんの行動は、SNSでは当たり前なのかもしれないが、聖子さんはとにかく驚いたという。

「私、ブロックされるほどひどいことを言ったかな……と悩みました。どうしても気になったので、一度アカウントからログアウトして、加奈子さんのツイートを見てみることにしたんです」

 そこには、信じられないことが書いてあったという。

「ざっくり言うと『ママ友から保活の話で嫌なことを言われた』『私は働きたくても、家にいなくてはならないのに』と書いてあったんです。私のことだなと思って、読んだ後に動悸がしましたね……以前テレビで、ママ垢には『子育てに必死で余裕のないほかのママを傷付ける投稿はしない』という暗黙のルールがあると知りました。ネットではバカバカしいと一蹴されていましたが、私の『保活』ツイートも、加奈子さんをはじめ一部のママに嫌な思いをさせていたのか。それなのに、『加奈子さんがうらやましい』と言ったことで、彼女を決定的に傷つけてしまったのかもしれませんね」

 少し前、産後すぐに筋トレを行った様子をアップしたママ垢が、あらゆる事情で運動することができない産後ママから批判を受け、「この度は、たくさんの方に不快な思いをさせてしまい大変申し訳ありませんでした」などと謝罪したことが話題になった。この一件を機に、「子育てに必死で余裕のないほかのママを傷付ける投稿はしない」という暗黙のママ垢ルールが世間で注目を浴びることになり、この事態はツイートの投稿主も予想外だったことだろう。

 ネット上では、筋トレツイートを批判した側が「おかしい」と言われていた印象だった。しかし、批判した側をフォローするならば、出産前、産後数カ月間は、慣れない育児やホルモンバランスのせいで情緒不安定になりやすいため、“思わず”カッとなってしまった可能性は否めないと思う。

 さて、今回のケースは、保活をしていることをSNSで口外したことがトラブルの発端となった。

 居住地域によるものの、首都圏では思い通りの園に入園ができるママは少数。また、妊娠や出産のため、不本意ながら仕事を辞めた人にとっては、すぐ就職活動したくても、子どもが小さすぎて面接すらも受けられず、保活自体が暗礁に乗り上げてしまうこともある。保活は思っている以上に、デリケートな話題であるのは間違いない。

 しかし、SNSで保活情報を集めたり、つぶやくのはもちろん何の問題もないだろう。聖子さんの保活ツイートにモヤモヤする人もいるかもしれないが、そう感じたほうがミュート機能を用いて、自衛する方法だってあるはずだ。むしろ今回のケースでは、顔も家庭の事情も知らない相手と1対1で話す中、自身の復職予定や相手の立場に踏み込んだ発言をしてしまったのが問題だったと思う。

 誰だって、SNSで相手からブロックされたり、非難されれば、ひどく落ち込んでしまうもの。そのような結果にならないためにも、DMで会話をする際には、相手がどういう立場にいる人なのかよく考えたうえで、話すようにしなければいけない。

 特に、SNSで密にやりとりを続けている同じ時期に妊娠・出産を経験したママ友とは、リアルでの交流がなくても、同志のような感覚になり、距離感を見誤ってしまう可能性がある。その点は十分気をつけたほうがよいだろう。

中学受験組のママ友に、娘の「算数の成績」を探られた! 「小4で小6の問題を解いている」自慢に驚き

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

 秋になると、大手進学塾による「全国統一小学生テスト」など、全国規模の学力テストが開催され、子どもの点数に一喜一憂するママが目立つようになる。

 さまざまな教育方針の家庭の子が集まる公立小学校では、中学受験を目指す子とそれ以外では、子どもの成績に対するママの意識の差が歴然というケースも。今回は、教育ママのマウンティングに巻き込まれたという女性が、「暗黙のママ友ルール」について話してくれた。

中学受験組のクラスメイト、母親は自慢好きの教育ママ

 亜美さん(仮名・42歳)は、首都圏で10歳になる小学4年生の希子ちゃん(仮名)を育児中。「娘は内向的な性格で、友だちから誘われるのを待つタイプ」だという。

「クラス内に、いくつか女子グループができているそうなんですが、希子はどこにも属せていないみたい。それまで仲が良かった子も、小4のクラス替えで別の組になってしまい、ここ最近、教室内で孤立することもあるようです」

 娘の友達付き合いに気になることはあっても、いじめがなければ、「そのまま近所の公立中学に進学させるつもりではいるのですが……」と亜美さん。

「上の子がいるママ友から、『最初は中学受験をさせるつもりではなかったんだけど、娘がグループ内で仲間外れにされたのもあって、私立を受験した』という話を聞いたんです。それから、いろいろな可能性を想定して、希子のことを決めないといけないんだなって思うようになりました。希子がいじめに遭い、急に『小学校に行きたくない』と言いだしたら、私立進学を視野に入れようと思い、であれば、勉強をおろそかにできないので、念のため塾に通わせることにしたんです。でも、“教育ママ”のお母さんを見ると、ああはなりたくないなと思ってしまうんですよね」

 亜美さんいわく、小4になると、少しずつ中学受験組かそうではないかで、クラス内が二分化してくるという。今年初めて同じクラスになったという美彩ちゃん(仮名)は中学受験組で、その母親である佳恵さん(仮名・44歳)は、まさに“教育ママ”なのだそうだ。

「進級してすぐに保護者会があったんです。美彩ちゃんの名前は、希子からはよく聞いていたので、私から佳恵さんにも話しかけてみました。その時、美彩ちゃんと希子が、同じ学習塾の別の教室に通っていることがわかったんですが……佳恵さんは『うちの子はFクラスなの』『小4で小6レベルの問題を解いている』といきなり自慢してきたので、びっくりしましたね」

 希子ちゃんはもともと、家で宿題をしないなど、勉強が好きでも得意でもないタイプ。塾では小3レベルの問題を復習していたため、「小4で小6の問題が解けるなんて、すごいですね」と佳恵さんに伝えたという。

「そうしたら、謙遜するどころか『幼稚園の年中からずっと通っていたんです』とアピールされました。これにはどう答えて良いのか迷いましたね」

 その後、亜美さんと佳恵さんの娘は、夏休みの期間、スイミングクラブの短期教室で一緒になったという。教室で顔を合わせると、佳恵さんはちょっとした雑談の中でも、「この前、塾のテストで娘が90点を取った」と話してくるそうだ。

「ほかのママ友から、子どものテストの点数なんて聞いたことはありません。だからストレートに点数の話をしてくる佳恵さんは、かなり珍しいと思います」

 美彩ちゃんは近く、近所の学習塾を辞めて、中学受験のための進学塾に入る予定だという。

「佳恵さんは『美彩くらいのレベルだと、なかなかついていくのが大変みたい』って言ってましたが、そんな高レベルの塾に入れるという自慢ですよね」

 佳恵さんの言いぶりが気になった亜美さんは、美彩ちゃんの学校での成績について、娘に聞いてみたという。

「うちの小学校は、1学年を3クラスに分けて算数の授業を行っているんです。単元ごとにテストの成績順や本人の希望によって、クラスが入れ替わるのですが、希子の話だと、どうやら美彩ちゃんは、常に一番上のクラスにいるわけではないみたい」

 希子ちゃんは、得意な単元では一番上のクラスにいたこともあるそうだ。

「でも、佳恵さんのように『娘のテストの成績が良かった』なんて誰にも言い回りませんでした」

 小4にもなると、自然と子どもたちも、成績が上位の子や、中学受験の勉強を始めている子の存在に気づき始めるようだ。

「娘から『〇〇ちゃんがわからない問題を教えてくれた』という話を聞くので、勉強ができる子の名前はなんとなくわかるんです。でも自分の子の成績を言ってくるのは佳恵さんだけなんですよね。ある時、佳恵さんと同じ塾に通っているママ友と話したのですが、よく聞いてみたら美彩ちゃんと同じ小6レベルの問題を解いていたんです。でも『たまたま早くから習っていただけで、特別、頭がいいとかじゃないよ!』と謙遜していました」

 子どもの成績を自慢げに語られると、「反応に困るし、こっちも見下されてるみたいで嫌な気持ちがする」と亜美さん。

「しかも佳恵さんの場合、『希子ちゃん、算数の先生は誰だった?』と聞いてくるなど、うちの娘の成績を知りたがるのも気になります。『ママ友間では、子どもの成績の話は表立ってしない』――これって暗黙のルールではないでしょうか」

  いまや都心部では、「3人に1人が受ける」というデータもあるほど、一般的になった中学受験。早期からの塾通いも珍しいことではなくなったため、私立中学を目指すママたちは、より成績を意識せざる得ない状況なのだろう。しかし、自分の子どもの成績を自慢げに語ったり、ママ友の子どもの成績を聞くのはタブーだ。

 子どもがいい成績を取ったことを明かすと、たとえ自慢するつもりはなくても、ママ友に「自慢された」と受け取られかねないし、逆に中学受験の有無を問われたり、家での学習時間を聞かれたりと質問攻めに遭い、面倒なケースも多い。

 一方で、ママ友に子どもの成績を聞くのは、やはり「失礼」と受け止められるケースが多いのではないか。成績は数値化されているうえに、特に同じ年齢なら、そこで明確な優劣がついてしまう。ママ友間では口にしないのが正解だと思う。

 では、佳恵さんのようなママに会った時は、どう対処すべきなのだろうか。向こうの自慢話は、適当に「すごいですね」と言って聞き流していれば、そのうち別のママ友に話すようになるだろうから、あまり真に受けすぎない姿勢が必要なのかもしれない。

 もし自分の子どもの成績を聞かれた場合は、「子どもに聞いてみないとわからない」とはぐらかすのが得策。子どもが絵や運動など、何か習い事をしている場合は、「うちは絵/運動のほうが好きみたい」と、子どもの一番の興味は勉強ではないと答えると、それ以降、成績の話を振ってこない気もする。そのつど、まともに受け答えをしていると、相手にライバル視され、“点数を競い合う相手”にされたり、「もっと勉強したほうがいい」と上から目線でのアドバイスをされる可能性がある。

 このように、いろいろと対処法を考えてみたが、やはり「ママ友間では、子どもの成績の話は表立ってしない」という暗黙のルールが、ママたちの間で徹底されることを、何よりもまず祈りたい。

タワマン住まいママの「保育料8万円」告白に「もしかして自慢?」――認可保育園ママ友の“年収バレ”問題

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

 「保育園落ちた日本死ね!!!」という匿名ブログが話題となった2016年以降、小規模保育園や延長保育を実施する幼稚園の増加などにより、待機児童問題は改善に向かいつつある。しかし、収入に応じた手頃な利用料で子どもを預けられる認可保育園への入園には、いまだ熾烈な保活が必要な状況が続いているようだ。

 一見、同じような条件に見える共働き家庭でも、人気の認可保育園への入園があっさりと決まる家庭と、すべての認可保育園に落ち、認証保育園や認可外保育園に入園するケースもある。今回は、認可保育園に子どもを通わせるママ友の“暗黙のルール”について、ある園児のお母さんの話を取り上げる。

保活の超激戦区、0歳の娘が認可保育園入園

 関東近県で、3歳の男の子と0歳の女の子を育児中の愛子さん(仮名・36歳)は、今年度、認可保育園の0歳児クラスに娘を入園させた。

「私が住んでいるのは、保活の『超激戦区』と言われている地域。10年くらい前からタワマンや新築マンションの建設ラッシュで、子育て世代のファミリー層が多いんです」

 愛子さんは、高齢者向けの介護施設で働く介護士、一方、夫はフリーの映像ディレクターだという。フリーランスは、「在宅で子どもの面倒がみられる」と判断されてしまい、保活では不利なケースも多い。

「夫は、大学時代の友人らと一緒に、幼稚園などの運動会の撮影から企業のPR映像制作まで、幅広く仕事をしています。時には地方での撮影があり、家にいないことも多いので、無事に認可保育園には入れたのは本当によかったのですが、周りのママ友からは、『旦那さんがフリーランスなのに、どうやって?』と驚かれましたね……」

 愛子さんの周りには、都内にある有名企業に夫婦で勤めているママ友がいる。子どもが同じ認可保育園に通いながらも、「生活の違いを感じる」そうだ。

「パパと育児を分担しながら、バリバリ働いているキャリア志向のA子さんというママ友がいるんです。A子さんの子どもと上の子が同じ3歳クラスで、仲良くさせてもらってます。彼女は近隣のタワーマンションに住んでいて、お迎えの時にモンクレールのダウンを着ていたりと、見た目も小綺麗。同じ園のママ友で集まる時に、A子さんのタワマンのパーティールームを使ってランチ会をしたことがあるのですが、あらためてお金持ちなんだなぁと思いました。私は、おさがりの汚れたベビーカーでお邪魔したんですが、なんとなく肩身が狭かったですね」

 認可保育園の保育料は、前年度の収入に応じた額になる。一方で、認証保育園や認可外保育園は、自治体によっては補助金の支援があるが、0歳児の場合は、保育料が7万円台と高額のところも多い。収入が少ない家庭では、3歳児からの保育料無料化まで、認可保育園を選ばざるを得ない事情がある。

「A子さんから、『保育料が高くて、保育料のために働いるようなもんだよ』って言われたんです。聞いてみたら、保育料が8万円近かったんです。これってつまり、それだけ年収が高いということ。ほかのママたちもギョッとしていました。お金持ちだというのはわかっていたけど、8万円って……大体の世帯年収もわかってしまうし、その後、ほかのママたちの間で、『もしかして私たち、自慢された?』『そんなに高い保育料を払っているんだったら、別に認可に通わせなくてもいいのに』なんて話になっていました。保育料は家庭ごとに違いますし、みだりに金額を口にしないほうがいいのは、『暗黙のママ友ルールだな』と思いましたね」

 愛子さんによると、保育料だけでなく、保活をめぐって、家庭の経済状況がバレるケースもあるという。

「去年は私も含め、周りのママが2人目の妊娠・出産ラッシュだったんです。私以外に3人のママが同時期に出産したのですが、実は1人だけ同じ保育園に入ることができませんでした」

 愛子さん以外の3人も夫婦共働きだといい、保活の点数(「ひとり親世帯」や「疾病世帯」、「父母の就労状況」など、世帯の状況を点数化したもの。点数が高ければ高いほど、入園できる可能性が高くなる)はだいたいみんな同じだと想像できる。しかし、そのほかに入園の可否を分ける要素があるらしい。

「どうやら、収入が低いほど入園しやすいという話があるんです。A子さんの家のような例もあるし、その年によっても変わってくると思うんですが、保活情報を交換する掲示板に、そう書かれていて。また、下の子が入園できなかったママさんによると、役所で『入園できた人の収入を聞いたら、思ったよりも低かった』って言うんですよね。ただ、そのことを直接愚痴られたので、まるで『お宅は年収が低い』と言われているみたいで、モヤモヤしました。保活にも年収が関わってくるとなると、うかつにこういった愚痴を漏らすのはよくないですよね……これも『暗黙のママ友ルール』じゃないでしょうか?」

 ママ友の間では、「それは話題にしないほうがよい」という暗黙のルールがいくつも存在する。その代表例が、収入にまつわる話だ。これはママ友に限らずだが、収入を明かすと、やっかみ/やっかまれという状況が生まれやすい。もちろん、住んでいるマンションのグレードや戸建てかどうか、車は持っているのかなどから、いくらでも収入を推測できるが、仲のいい友人にも「そこは詳しく明かさない」という人が多いのではないだろうか。

 認可保育園の保育料も、収入に関わる話題だが、A子さんもついうっかり言ってしまった可能性はあるだろう。ママ友とは年齢も仕事も違うため、どうしても共通の話題となると育児に関することになりやすく、その延長線上で、共感されると思い、口に出してしまったのかもしれない。

 認証保育園や認可外、幼稚園は、どの家庭も同じ利用料を払っているため、似たような経済状況の家庭が集まりがちだが、認可の場合は、収入によって保育料が違い、経済状況もバラバラ。保育料から収入がわかってしまうだけに、ママ友の間で話題に出されて気分がよくないのなら、自分から口にしないほうがいいだろう。

小学校では「中学受験に参入」で経済状況がわかる!?

 また保育料と同じで、その家庭の収入がわかってしまう例として、「子どもの医療費」がある。東京都の一部では、乳幼児、小中学生の医療費無償化に所得制限があるのだ。医療費が無料の家庭には、通称「マル乳」「マル子」と呼ばれる医療証が付与されている。

 子どもが小さいうちは、小児科にかかる機会も多いが、同じ病院で会ったママ友同士が、「マル乳」「マル子」を持っているか、いないかで、ある程度の収入がわかってしまう。私も、ママ友との何気ない雑談の中で、「あのママさんの家は世帯収入が800万円以上だ」という話題が上がったこともある。認可の保育料同様、子どもの医療費に関しても、できるだけ知られないほうが無難だろう。

 ちなみに首都圏だと、子どもが小学校高学年になると、中学受験への参入により、おのずと、周囲のママ友に「教育にお金を掛けられる余裕のある家庭」などとみなされてしまう。子どもを持つと、どこまでも収入にまつわる話題は切り離せないだけに、「そういうものだ」と割り切る部分も必要なのかもしれない。