ママ友の車で水族館へ、ランチ代を多めに払ったのに「駐車場代」を請求されて困惑

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

 ママ友と子連れで外出する機会が増えるゴールデンウィークや夏休みなどのレジャーシーズン。郊外に外出する際には、車に相乗りして出かけるケースも多い。何かと費用が発生する車での外出は、家族や気の知れた友人同士なら問題は起きないだろうが、ママ友同士の場合、トラブルが発生しがちな面もある。

 今回は、ママ友と車で外出した際、気まずい思いをしたというある母親の話を取り上げる。

車移動が当たり前のママ友。IKEAやコストコに連れていってもらえた!

 薫さん(仮名・34歳)は、派遣でデータ入力の仕事をしながら5歳になる女児を育てている。夫は出張の多い職場で働いており、土日に家を空けがち。その際は薫さんがワンオペで子どもを見ている。

「うちは車を持っていないんです。私はそもそも免許を持っていないし、夫は土日にあまり家にいないので、家族で遠出することもなく、車なしでもそこまで苦労はしていません。たまに夫の実家の軽自動車を借りているんですが、夫は『家から実家に車を取りに行くのも、実家に車を返した後、家まで帰るのも面倒』と漏らしていて、本当に必要な時以外は乗らないですね。ただ困ったのはコロナ禍の時です。子連れで電車に乗るのは気が引けるし、とはいえずっと家にいるのも……と思っていた時、同じ保育園に通っているママ友の裕子さん(仮名・36歳)が私たちをミニバンに乗せて、一緒にバーベキューに連れて行ってくれたんです」

 裕子さんは、7歳と5歳の女児を育児中。お稽古の送迎などで普段から車に乗り慣れていたという。

「裕子さんは、日々の買い物も車を出してまとめ買いしているそう。郊外にあるコストコやIKEAに行く際には、『一緒に行かない?』と誘ってくれることもあります。便乗してしまって申し訳ないなぁと思っていたんですが、裕子さんは、『薫さんが一緒だと、フードコートで子どもを見てくれている間に、一気に買い物できるから。私1人で行くより楽なのよ』と喜んでいました」

 薫さんはお礼にガソリン代を支払おうと思ったが、車を持っていないためいくらかかるのかわからなかったそうだ。

「最初、裕子さんに『ガソリン代を払いたいんだけど、いくらくらい?』と聞いてみたのですが、『薫さんが一緒じゃなくても出かけるつもりだったからいいよ』と言って、受け取らなかったんです。その後は、ガソリン代の代わりとして、裕子さんの子どもにアイスを買ってあげたり、ランチ代を多めに出すようにしました」

ママ友とGW中に水族館へ――「駐車場代を支払ってほしい」と言われ驚いた

 薫さんと裕子さんは、ゴールデンウィークに子連れで水族館へ出かけた。駐車場は満車だったため、近辺のコインパーキングを探してほぼ半日駐車した。

「観光地のため、どこもかしこも満車で、ようやく水族館から10分ほど離れたパーキングに駐車できました。私はいつも通り、昼食代やおやつ代を多めに出して、それをガソリン代の代わりにしたんですが……帰りに裕子さんが言いづらそうに『駐車場代を支払ってほしい』と。これまで一度も駐車場代を請求されたことがなかったので驚きました」

 裕子さんいわく「大型ショッピングモールなどは買い物をすれば駐車代がタダになるところが多いため、これまで請求していなかった」とのこと。

「裕子さんとしては、GW中の観光地とあって駐車場代が思った以上にかかったから、出してほしいみたいでした。食事代はうちが多めに支払ってはいたのですが、それでは不十分だったのか……もしかして私って非常識だったのかなと、気まずい思いをしましたね。ママ友に車を出してもらったら駐車場代を支払うのは、暗黙のルールだったのでしょうか」

 ママ友との車での外出でトラブルに発展しやすいのが、この「ガソリンや駐車場代」問題ではないだろうか。

 よく車に乗せてもらった側が全額負担するという話を聞くが、今回の裕子さんのように、車を出す側が「ガソリン代はいらない」と言う場合もある。走行距離によって払う/払わないが変わってくることもあり、明確なルールはないといえる。ただ、車を出すほうは、仲の良いママ友ほど、面と向かってお金を請求しづらいことを考えると、車を出してもらう側が気を使わなければいけないのは間違いないだろう。

 今回のケースは、薫さんに運転経験がないため、車で外出した際の支出がどれくらいかかるのかわからなかったのが、問題だったと感じた。確かに、ガソリン代と比べて駐車場代は、買い物などで無料になるケースもあるため、免許を持っていない人には気づきにくい出費かもしれないが、やはり車に乗せてもらったママのほうから、「今日の駐車場代はいくらだった?」と聞くのが、暗黙ルールなのではないか。

 また薫さんはこれまで、裕子さんの子どもにお菓子を買ったり、ランチ代を多く支払うことを、「ガソリン代の代わり」と勝手に思い込んでいたが、裕子さんは「車を運転してくれたお礼」と認識していた可能性もある。その場合、裕子さんは、運転のお礼と駐車場代の実費は別と捉えており、今回はコインパーキング代が発生したため、薫さんに請求したとも考えられる。こうしたすれ違いを生まないためにも、薫さんは「何に対して食事代を多く払っているのか」を、しっかり伝えておいたほうがよかったのかもしれない。

 お金が絡むと、ママ友付き合いはぎくしゃくしてしまう。ママ友に車を出してもらった際は、ガソリン代や駐車場代をいくら払えばいいのか、もしくは、ほかの方法でお礼をしたほうがいいのかを、自分の判断ではなく、まずは相手に聞いてみる。それもママ友のルールといえるだろう。

ママ友のLINE未読スルーは何日まで許せる? 5日間無視されたママに運動会で遭遇した話

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

 かつては至る所で見られたママたちの井戸端会議。しかし近年は共働き家庭の増加により、ママ友との交流に時間を割くのが難しいという人も多くなっている。そんな中、簡単に交流できるツールがLINEではないだろうか。PTAや子どもの習い事など、ママたちはさまざまなLINEグループに入り、毎日メッセージを送り合っている。

 

今回は、そんなママ友とのLINE交流をめぐり、相手からの返信が来ないことにモヤモヤを感じるお母さんの話を取り上げる。

 

◎ママ友とPTA委員になったら……LINEの未読スルーにモヤモヤ

 

弁当屋のパートタイマーとして働いている真奈美さん(仮名・38歳)は、8歳になる女児のママ。子どもが小学校に入学してからずっとコロナ禍で、行事が相次いで中止・縮小になり、保護者が学校を訪れる機会がほとんどなかったという真奈美さん。「もっと学校の様子を知りたい」という思いから、自らPTAの学級委員に立候補し、委員活動に精を出している。

 

「委員会の集まりで月に1回は学校へ行っています。担任はもちろん、ほかの先生にも会えるし、娘がどんな環境で勉強をしているかがよくわかるんです。委員をやってよかったって思います。運動会や公開授業の日なども、積極的に協力係などをやっています」

 

 真奈美さんは、学級委員に立候補する際に、別のクラスにいるママ友の愛子さん(仮名・36歳)を誘った。

 

「うちの小学校は、1学年3クラスなので学級委員の人数も3人。知っているママ友が委員にいたらやりやすいって思ったので、子どもが同じ保育園に通っていた愛子さんを誘いました。彼女はフルタイムで働いている会社員だったので、『何かあったら私がフォローする』とも伝えていたんです」

 

 ほかに立候補者がいなかったため、委員決めはスムーズに決まったそうだ。しかし、真奈美さんは、愛子さんの行動に気を揉むようになったという

 

「小学校入学後、愛子さんとは休みの日に子連れでファミレスに行く機会が年に1~2回くらいの間柄でしたが、保育園では5年ほど一緒だったので、仲が良いママ友だと思っていました。一緒に委員になったので、愛子さんともっと交流を図りたいと思い、個人宛にLINEでメッセージを送ったんですが、未読スルーが続いたんです。ひどい時には、2日後に既読がつくことも……。彼女は忙しいから仕方ないと思っていたものの、PTAのグループのほうにはすぐ返事をするんです」

 

 真奈美さんは、運動会の振替休日の日に愛子さん親子と一緒にランチに行きたいと考えていた。しかし、お誘いメッセージをしても、未読スルーが続いた。

 

「しばらくたって『予定が決まったら連絡をするね』という返信があったんですが、それから3日くらいたっても何も言ってこなかったので、また『今度の月曜日のランチはどうする?』と送ってみました。でも未読スルーのままだったんですよね」

 

◎未読スルーのママ友に運動会で遭遇! 向こうは悪びれた様子もなく

 

 しかし、愛子さんは、学級委員会やPTA役員とのグループはきちんと既読をつけていたという。

 

「愛子さんは返信こそしていないものの、既読の数はグループの人数と一致していました。これってつまり愛子さんは、LINE自体は見ているけど、私のメッセージの返信は後回しにしているってことですよね。自分は優先順位が低いのかな……と気になりました」

 

 結局、5日間未読スルーの状態のまま、運動会で愛子さんと顔を合わせたという真奈美さん。

 

「向こうは悪びれた様子もなく、『こんにちは』と話しかけてきました。未読スルーしてることにも気づいてないのかなと思ったのですが、『月曜のランチはどうする?』と聞いてみると、まずいなあという表情で『あ、ごめん。予定があるんだ』と言われたんです」

 

 真奈美さんは、この時の愛子さんの態度を振り返り、こう感じたという。

 

「ママ友同士のやりとりで、未読スルーは何日まで許せるのかと考えたんですが、翌日くらいまでじゃないかなって思うんです。いくら忙しくてもスタンプだってあるし、なにか返信するのが暗黙のルールではないんでしょうか。それができなくても、せめて既読くらいつけてくれればいいのに」

 

◎ママ友ウォッチャーが解説!
PTAのLINEでもスタンプ返信は普通

 現代のママたちは、日々マルチタスクをこなすようにLINEをチェックしている印象がある。いろんなママ友グループからの通知がひっきりなしに届き、返信が追いつかず、「ドラマの感想や出かけた報告などを送り合うようなグループの通知は切っている」という話もよく聞く。しかし、子どもの学校や習い事にまつわる連絡が交わされるグループのやりとりは、やはり一通りざっと目を通さなければいけないだろう。

 

 ママ友とのLINEをめぐる行き違いは、人によってレスの速さや頻度が異なるというのが原因の一つだろう。家事や仕事の合間にLINEを見ているママもいれば、就労中はいっさいスマホに障れないママもいる中、お互いの状況を把握していないと、「全然既読がつかない」「やたらLINEしてくる」などと不満が溜まりやすい。

 

一方、今回の真奈美さんの件はどうだろう。真奈美さんは、愛子さんがフルタイムで働いているという事情を知っているため、未読についてもある程度理解はしていた。ただお互いの「未読/既読に関するルール」が違っていたように思う。

 

 愛子さんは、真奈美さんからのLINEは未読スルーなのに、学校関係のグループだけは既読をつけていた。もしかしたら、返信をしていない状況は、未読でも既読でも同じと思っていたかもしれない。一方、真奈美さんは未読と既読は異なると考えていた。そこですれ違いが生じたように思う。

 

LINEのメッセージを未読のまま放置しておくのは、何かしらのトラブルの発端になる。相手に「もしかして嫌われたのではないか」「なにか返せない事情があるのではないか」と心配を掛けてしまうこともあるだろう。返信できないからと未読にするより、いったんは既読をつける必要はあるといえ、真奈美さんの言う暗黙のルールは正しいように感じた。

 

 ちなみに「既読をつけたら、すぐにちゃんとした返事をしなければいけない」と思い、なんだかんだ未読にしてしまうというケースもあるが、ママ友は仕事の関係者ではないだけに、そこまで徹底しないでもよいと思う。最近はPTAのLINEグループでも、スタンプで返信をするママは普通にいる。何かと忙しい現代のママは、返信用スタンプを常備しておくのも手かもしれない。

 

 ママ友は生活圏が近いので、未読スルーしていた相手に近所でばったり遭遇なんてケースは珍しくない。ママ友とぎくしゃくしないためにもLINEの未読スルーには気をつけたほうがいいだろう。

子どもの預かり、ママ友へのお礼の正解は? マックカードを受け取り拒否され困惑!

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

 保育園や学童が休みの日曜日に、どうしても外出が必要となった場合、預け先に困るママは多い。実家が遠方で親には頼れない、突発的に対応してくれる地域のサポートセンターや保育園などは数が少なく、利用料も高いなるべく選択肢から外したい――そんなママにとって、子どもを預かってもらう最後の頼みの綱はママ友なのではないか。

 今回は、ママ友に子どもを預かってもらったというあるお母さんが、相手への「お礼」に頭を悩ませたという話を取り上げる。

私の休日出勤と夫の出張が重なって……ママ友が子どもを預かってくれることに

 綾香さん(仮名・34歳)は、百貨店で接客業をしながら小学3年生になる女児を育てている。夫は平日出勤のサラリーマンとして働いており、綾香さんが残業したり、土日出勤をする際は、ワンオペで子どもを見ているそうだ。

「娘は、小3の時に学童に入ることができなかったので、放課後はお稽古や公文などに通わせています。夫はIT系の企業に勤務していて、コロナ禍はリモートワークも併用していたので、私の帰りが遅い時には娘の送迎を頼んでいました。でもこの4月から、夫も出勤が増え、しかも土日に地方出張の仕事が入るようになってしまったんです」

 綾香さんは、娘と同い年の女児のママである菫さん(仮名・33歳)に、自分の出勤日と夫の出張日がかぶったある土曜日、娘の預かりを頼んだという。

「菫さんの娘とうちの子は保育園時代から仲が良く、一緒にスイミングスクールに通っています。私が娘の預かりをどうしようと悩んでいると、菫さんが『土曜はスイミングがあるから、一緒に送っていくよ。終わったらそのままうちに遊びに来て』と言ってくれたんです。これまでも、私の迎えが遅くなった時、短い時間ですが預かってもらったこともあるのですが、スイミングの送迎から夕方まで預けることになったので、さすがにお礼をしなければと悩みました」

 自宅で夫の家業の手伝いをしている菫さんは、自分があまり家を空けられないのもあって、人を招くことが好きだそうだ。

「菫さんが面倒見のいい性格なのもあって、毎日のように家に誰かが遊びに来ている感じなんです。うちの娘も、しょっちゅうお邪魔していますよ。菫さんの家では猫を飼っているんですが、わが家はペット不可のマンションなのもあって、猫好きな娘が行きたがるんですよね。これまでも、娘が学校帰りに菫さんの家に寄り道していたことがあり、『家に帰る前にお邪魔するのはいけない』と言い聞かせました。でもその時も、菫さんは『別に気にしないで』と言ってくれましたね」

 綾香さんは、菫さんの家にばかり負担をかけていることが気がかりだった。

「わが家は狭いマンションなので、菫さんの娘を呼びづらい。そのため、預かることができないので、向こうにばかり娘の面倒を見てもらうのは悪いなって感じていました。子どもが遊びに行くときは、ちょっとしたお菓子を持たせていたのですが、食べずに持って帰ってきたことも。でも今回は、休みの日にわざわざ預かってもらうので、マクドナルドで使えるギフトカードを渡したんです」

 しかし、そんな綾香さんの気遣いが裏目に出てしまったという。

「娘を迎えに行った時、マックカードを渡したところ、菫さんに『金品はいらない』と、受け取りを拒否されてしまいました。学童のような場所に預けたらお金がかかるわけだし、こちらも預けっぱなしだと心苦しいので、受け取ってほしかったんですが……。しかも娘が『おなか空いた』と言い、焼きそばまで食べさせてもらったと聞いて、『ごはん代だけでも!』と代金を渡そうとしたものの、『家にあったものだから気にしないで』と言われました」

 綾香さんは菫さんがお礼を受けとらない理由を聞いて、困惑した。

「菫さんは、『うちも預かってもらうことがあるかもしれないから、気にしないで』と言うんです。娘は、菫さんの子と仲が良いので、『私の家にも遊びに来てね』とよく話しているようですが、うちは狭いし、夫がリモートワークで在宅していることもあるので気軽には呼べない……。どうせなら、ギフトカードを受け取ってもらったほうが、気が楽でした。こちらはお礼として渡しているので、いったんは受け取るのが暗黙のルールじゃないでしょうか」

 休日の子どもの預け先について、頭を悩ませているママは少なくない。ほんの数時間の預かりのために、民間の学童サービスやシッターを使うと、利用料だけでその日の収入がなくなってしまうケースもある。しかし、子どもを1人で留守番をさせておくのも防犯上、不安が残るものだ。

 その場合、家が近く、気心の知れているママ友に頼むというのは一つの手だろう。子どもが未就学児童の場合、おむつ替えや食事などで手間がかかるだけに、相手にも敬遠されがちだが、小学生になれば身の回りのことは自分で行えるようになるので、比較的受け入れてもらいやすいだろう。

 ただ、その際のお礼となると、明確な答えはない。今回の菫さんは、善意で子どもを預かっており、むしろ「娘の友達が遊びに来てくれた」という感覚なのではないか。その場合、金品のようなものを受け取るのは荷が重いのだろう。また、金額によってはお返しをしなければならないと考えたのかもしれない。

 しかし、綾香さんが、「うちも預かってもらうことがあるかもしれないから、気にしないで」という言葉にかえって困ってしまうのであれば、「うちは狭いし、夫がリモートワークをしていることもあって、なかなか預かることができない」と伝えた上で、子どもを迎えに行く時ではなく、送りに行く際、「娘を預かってもらっている間、みんなで食べられるものを差し入れしたい」というような言い方で、マクドナルドのギフトカードや食べ物、飲み物を渡せば、菫さんにも受け取ってもらいやすいのではないか。

 ママの中には、確かに「ママ友の子どもを預かったら、今度は自分の子どもを預けてもいい」と考えている人もいる。その際、トラブルにならないように、相手に謝意を伝えながら、家庭の事情を説明し、どうすればお礼を受け取ってもらいやすいかを考える。それが子どもの預かりをめぐる暗黙のママ友ルールといえる。

タワマンで暮らすママ友のSNS投稿にモヤモヤ……私とのファミレスランチは“なかったこと”に?

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

タワマンで暮らすママ友のSNS投稿にモヤモヤ……私とのファミレスランチは“なかったこと”に?

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

 ママ友とSNS上でつながり、交流しているという人は少なくないだろう。それがきっかけでより仲が深まることもある一方、 中には投稿への「いいね!」欲しさに、自慢が過ぎてしまうママもいるなどして、ママ友の間に不穏な空気が漂うケースも あるようだ。

今回は、キラキラしたママアカウントを見て落ち込んでしまうというあるお母さんの話 を取り上げる。

飲食店勤務の彼氏とでき婚……コロナで収入がピンチ

 飲食店のパートタイマーとして働いている由香里さん(仮名・35歳)は、5歳になる男児のママ。夫は何度か転職を繰り返した影響からか、収入は同年代の平均を下回るという。

「新卒採用時に、100社近くエントリーしたのですが、結局内定がもらえたのはチェーン系の飲食店だけでした。入社してみると、同期は自分が卒業した大学より、偏差値的には下の大学を出た人ばかり。たいしたキャリアにもならないし、早く転職しようと思っていました 」

 由香里さんは数年後、IT企業に転職したが、毎晩終電近くまで働かされるという過酷な職場で、結局、体調を崩してしまい退職した。

「その時に付き合っていたのが、最初の職場で出会った今の夫。彼は飲食業界を中心に転職を繰り返しており、その会社もすでに3社目でした。当時チーフマネージャーに昇格し、バイトのシフトを組んだり、採用面接をしたりと、業務が一気に増えたんですが、ほとんど昇給せず、異業種に転職しようかと話していたんです。そんな折、私が妊娠し、結婚することになったものの 、結局、夫はずるずると飲食の仕事を続けています」

 その後、由香里さん夫婦は、新型コロナウイルスという未曽有のパンデミックの影響をもろに受けた。

「夫が勤めていた飲食店は休業しなければならず、本社が経営していた業務用スーパーなどに応援へ行っていました。ほかにも、勤務していた店舗で弁当販売を始めたり、バー営業をするなどして、なんとか危機を乗り越えたんです。私は息子の育児に奔走しながら、夫の仕事に気を揉むという状況で、かなりストレスフルな日々を過ごしていました 」

 そんなある日、大学時代の同級生・奈央子さん(仮名・35歳)から連絡があった。

「奈央子は大学時代、同じサークルに入っていた友達です。コロナ禍で外出ができなくなった時、奈央子主催で仲が良かったメンバーとオンライン飲み会をして、再会。画面越しですが、懐かしい話題で盛り上がり、とても楽しい時間でしたね」

 奈央子さんは、由香里さんと同じ沿線に住んでいたため、オンライン飲み会をきっかけに、直接会うようになったそうだ。

「奈央子は、息子と同い年の男の子を育児中でした。子ども同士も仲良くなり、よく公園で遊ぶようになったので、会う機会が増えていったんです」

 奈央子さんは大学を卒業すると、テレビCMを流すような有名企業に入社。そこで知り合った年上の男性と結婚して、沿線のターミナル駅でタワマンを買ったそうだ。

「奈央子の会社はインセンティブ制度だそうで、30代でも年収は800万円台。この前、会った時には『同業他社からいい条件で引き抜きの話があった』とも言っていました。夫婦で同じ企業に勤めているので、うちより生活にかなり余裕があるのは想像できます」

 由香里さんは現在、育児中心の生活だが、パートタイマーとして働き、その収入を家計の足しにしているという。しかし、生活は決して楽ではなく、夫は退職金もないため、夫婦で貯金を心がけているそうだ。 
 
 由香里さんは、そんな奈央子さんの境遇をうらやましいと思いながらも、割り切って付き合わなければいけないと思っていたとのこと。 しかし子連れで頻繁に会うようになってから、彼女のSNS投稿が気になりだしたという。

「奈央子は地方の優秀な高校出身。一緒にスキー旅行をした時、高校時代に作ったという学校名入りのTシャツを着ていたのを覚えています。その頃からステータスのあるものが好きな子という印象でしたね。よく遊んでいる人たちは、起業したり、会計士になったりという華々しい経歴の人ばかりで……高級焼肉店などで会食している様子をSNSに上げていたんです」

 奈央子さんのSNSを見るたびに、由香里さんはモヤっとしてしまうという。

「奈央子はSNSに、日々の出来事を頻繁にアップしています。でも、経済界の有名人や政治家などに仕事で会ったり、高級ショップのレセプションに行ったり、裕福そうなママ友と子連れで遊んだ際のエピソードや写真は必ず投稿するのに、近所のファミレスで私とランチしていることには一切触れない。子どもを育てながら、パートで働いている身分の私は、そういう華やかな交流やイベントの投稿を見るたび、『同じ大学を出ているのに……』と切なくなるし、私と会っているのは隠したいことなんだなってモヤモヤするんです 」

 由香里さんは、現在、子連れで交流している大学の同級生に、奈央子さんのSNS投稿をどう感じているのか聞いてみたそうだ。

「友達に 『SNSで交友関係や仕事をひけらかしているのが気になっていた』と言われ、『あぁ私だけじゃなかった』とホッとしました。よくママ友ルールとして『自慢話はNG』というものがありますが、確かにその通りかも……実際、奈央子は私たちのグループの中で、ちょっと距離を置かれつつありますから 」

 学生時代など、ある一定期間を同じ場所で過ごした間柄というのは、つい「みんな同じ」と思ってしまいがちだ。しかし、就職や結婚などで、生活水準や環境は変わるものだけに、いつまでも「みんな同じ」というわけではない。

 ブランドアイテムのように、わかりやすい自慢ならば、興味がない場合スルーできる。しかし、SNSを通して可視化される華やかな交友関係や、責任のある仕事を任されている姿を見せつけられるのは、お金で買えるブランド物よりもつらいのではないだろうか。

 今は女性の社会進出が進み、子どもがいてもバリバリ仕事をするというのも普通となってきた。しかし、子育て中のママの中には、さまざまな事情により、そうしたくてもできない人が相変わらず多い。バリバリ働きたいけれど、軽作業のパートタイマーや専業主婦をしているという話はよく耳にするものだ。

 今回のケースだが、奈央子さんが個人のSNSアカウントの内容を制限する必要はないと思う。由香里さんも気を病むのなら、奈央子さんのアカウントをミュートすべきだろう。SNSでのトラブルは、見ないことで解決することもある。同じママという立場でも、置かれる状況は千差万別。自分の心が病まないように工夫することも手ではないだろうか。

 しかし一方で、もし奈央子さんが由香里さんらと今後も仲良くしたいという場合、少しだけ相手が自分のSNSを見たときにどう思うか(特にママ友によってSNS投稿の扱いを変える点)を考えてみるのもアリなのかもしれない。仕事での成果や社会的地位のある人との交流のみを上げていると、周りからはどうしても「自慢」と捉えかねられない。SNSの投稿内容は、大なり小なりママ友付き合いに影響をもたらすもののように思う。

中学受験生の母が、PTA委員に立候補したら……仲良しのママ友とトラブルに!?

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

 今回は、PTA委員・役員決めをめぐって、ママ友との間に溝ができてしまったというお母さんの苦悩を取り上げる。

学校の当番を一緒にやりたがるママ友

 関東近県で小学5年生の隼人君(仮名・10歳)を育てている唯さん(仮名・38歳)。彼女には、子ども連れでお互いの家を行き来する仲のいいママ友・香織さん(仮名・39歳)がいる。

「隼人のクラスメイトである健くん(仮名)のママ・香織さんとは、保育園からの付き合いなので、もう10年近い仲になります。彼女には健くんのほか、3つ下に双子の女の子がいるんです。下の子の面倒をみるのに手一杯になっていた香織さんに代わって、私が健くんと隼人のプールの送り迎えをしたり、健くんを家で預かったりしていました」

 子どもが小学校に入学すると、学校行事や保護者会などが頻繁にあるため、ママ友と接する機会はぐんと増える。地域によっては、学校への欠席連絡をする際、交流のあるママ友に連絡帳を託さなければならないというルールもあり、いつでも連絡が取り合えるママ友の存在は、必要不可欠といえる。

 唯さんと香織さんは、子ども同士の仲が良く、家も近いとあって、お互いに助け合える関係だった。しかし、唯さんいわく、香織さんとの付き合いには困ってしまう部分もあったそうだ。

「ほかのママ友に『健くんを家でよく預かっている』と話すと、『大変でしょう』といわれるんですが、隼人も喜ぶので負担には感じていませんでした。それより手を焼いたのは、香織さんがなんでも“一緒にやろう”というタイプなこと。去年は、『校外委員(※)の当番が回ってきそうだから、一緒にやろう』と誘われて、香織さんに付き添いました」
※地域の見守りや旗振りなどを行う委員

 唯さんと香織さんは、子どもが5年生になるまで、PTA委員も役員もやったことがなかった。そんな中、香織さんは、「校外委員の仕事を行えば、PTAの委員や役員をしなくて済む」と思い込んでいたそうだ。しかし、校外委員の当番(係)やベルマーク集めなどの軽作業を行っただけでは、「委員をやった」と認められず、また別の委員や役員を担当しなければいけないこともある。

「うちの小学校は1学年のクラスが2クラスしかない小規模校。卒業までに通年で活動するような委員か役員をやらならければならないルールなので、ちょっと旗振りをやったくらいで免除されることはないと思ったのですが、香織さんは、『このまま逃げ切れるかも』と自信満々で……。というのも、去年まではコロナ禍の影響で、PTAの集まりはオンラインがメイン。しかも、運動会以外の大きな行事はほとんど開催できず、PTAの活動も縮小されていたんです。そのため、『楽なうちにやっておこう』という保護者の自薦が多く、抽選制になったのですが、香織さんは、今年度も同様の事態になるだろうと予想していました」

 新学期、PTAの委員・役員決めがあった際、香織さんから「自薦はしないでおこう」と声をかけられたという唯さん。PTAの自薦アンケートは「委員・役員を希望しない」を選択し、提出した。しかし、今年度の選考には異変があったという。

「そろそろ行事が復活しそうと踏んだ保護者が多かったのか、それとも香織さんと同じ考えの人が多かったのか、『委員・役員の希望者が足りなかった』というメールが届いたんです。特に高学年の学級委員や推薦委員が足りていないという話でした」

 そこで、定員に満たない委員・役員は、今まで経験のない保護者の中から抽選で選ぶことになったという。

「ただ、期日までに立候補した人がいる場合は、優先的にその人を選ぶとも書いてありました。悩んだのですが、忙しそうな委員や役員に抽選で選ばれるよりも、できるだけ楽そうなものを自分で選んだほうがいいと思ったんです」

 というのも、唯さんには、6年生でPTA委員・役員を務めるのは「どうしても避けたい」理由があった。

「隼人はいま中学受験塾に通っているんです。もし6年生で私がPTA委員か役員になったら、受験のサポートとの両立で、大変になることは目に見えている。万が一、学校に行かなければいけない日が多く、負担が大きいとうわさされている広報委員会や卒業対策委員会に選ばれたら、隼人の受験に大きな影響が出てしまいそうで……」

 唯さんは、推薦委員に希望を出し、数人の抽選を突破した。

「今まで、PTA委員も役員もやりたくないと思っていたのですが、来年のことを考えると、選ばれてホッとしました」

 しかし、香織さんに「推薦委員に決まった」とLINEしたところ、彼女を怒らせてしまったそうだ。

「『なんで相談してくれなかったの!』『抜け駆けされた』という返信が来ました。彼女がなんでも“一緒にやろう”というタイプなのは知っていましたが、うちの事情を理解してくれないんだなぁ……と。でも、いくら仲の良いママ友だからといって、なんでもかんでも一緒……というのはおかしいですよね」

 PTAの委員・役員決めのトラブルは絶えることがない。基本的には、アンケートで立候補者を募るが、最近耳にしたのが、定員よりも希望者が多い場合に行われる抽選でのトラブルだ。

 かつては最初の保護者会の後に開催されていたようだが、現在はコロナ禍の影響から、人が集まるのを避ける傾向にあるために、一部の委員だけで行われるケースが少なくない。その際、本当に公正に決めているのかと、保護者から苦情が出たという。中には、抽選の様子を動画で配信するという対応を取るところもあるそうだ。

 まさにママたちにとって重大イベントともいえるPTA委員・役員決め。実際に委員や役員になると、最低でも月1回程度の会議に出なければならないが、休んだ時のために、仲のいいママ友と一緒の委員・役員に希望を出すというケースも聞く。ただ抽選になった場合、必ずしも一緒にやれるとは限らないだけに、その際、気まずい思いをすることもあるだろう。

 今回の唯さんのケースだが、香織さんの言い分には納得しかねる一方、長年にわたり、唯さんはうやむやなまま、香織さんに合わせてきた……という面がありそうだと感じた。「PTA委員や役員をやらないで卒業できるかもしれない」という香織さんの話に同調せず、「でも、そうならないときのことも考えておいたほうがいいよ」と諭したうえで、今年度は希望を出すと先に伝えてもよかったと思う。そうしておけば、もしかしたら「一緒に希望を出そう」という話になったかもしれない。

 仲良しのママ友と、なんでも一緒にやりたがるママというのは、実際のところ結構いる。ことPTA委員・役員は、それなりの負担を強いられるものだけに、ママ友の意見に流されず、自分はどうしたいのかをしっかり伝えておく――それがママ友付き合いの暗黙のルールといえる。

「マッチングアプリでの浮気」を告白されドン引き! 距離感がおかしいママ友との付き合い方

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

 ママ友に、どこまでプライベートな話をするかという問題はなかなか難しい。何度か食事をしたり、お互いの家を行き来するようになり、仲が深まると、ママ友間で、自分や夫の職業、経済事情、家庭内のゴタゴタといったプライベートな話題が飛び交うことも珍しくない。今回は、プライベートを包み隠さず伝えてくるママ友に脅威を感じたというあるママのエピソードを取り上げる。

コロナ禍で飲食店がピンチ! 店に食べに来てくれるママ友と親しくなったが……

都内に暮らす知美さん(仮名・40歳)は、4月から小学1年生になる男児のママ。実家は蕎麦屋を営んでおり、彼女の夫が店を継いだ。

「コロナ禍をきっかけに、高齢の両親から夫が店を引き継ぎました。短縮営業中は、知り合いの店が出していたテイクアウト弁当の販売を手伝っていたんですが、そこで知り合ったのが佑子さん(仮名・34歳)。彼女は年下ですが、3人の子どものママで、上が中1、真ん中がうちの子と同じ歳で、一番下の子はまだ3歳。佑子さんの母親が、自宅で子ども向けのピアノ教室を開いていて、普段はその手伝いをしているそうです。3人の子育ては大変そうだな……と思ったのと、ママ友ができるかもと期待したのもあって、『よかったら、お子さんと一緒に実家の蕎麦屋へ来ませんか?』と声をかけたことから、交流が始まりました」

 佑子さんは、コロナ禍で客足が遠のいていた実家の蕎麦屋によく来店してくれたそうで、「ありがたかった」と知美さん。

「佑子さんは家で教室をやっているので、顔が広いんです。彼女の紹介でうちに食べに来てくれたママさんもいて、本当に感謝しています。子ども同士も仲が良くなり、親しいママ友ができたと喜んでいたのですが……ただ、佑子さんはいつからか、うちの蕎麦屋を身内の店のように感じ始めたのか、昼営業が終わってもだらだら居座っていて……一応お客さんですし、『帰ってください』ともいえず、困っていました」

ママ友の浮気のアリバイ工作に利用され……

 知美さんは、佑子さんが昔からの友達のような口調で話しかけてくるのが、次第に気になりだした。

「佑子さんは最初、私に対して『〇〇ですよね』と丁寧な言葉遣いだったんですが、ある時、うちの両親が『いつも来てくれてありがとう』『知美はママ友がいなかったけれど、佑子さんと仲良くなれてよかった』というようなことを言ってから、だんだん、馴れ馴れしい話し方に変わっていったんです。いきなり距離を詰めてきたなと驚きました」

 さらに佑子さんは、「夫との仲はどう? お店で一緒だと窮屈じゃない?」と、知美さんのプライベートにもずかずか踏み込むようになったそうだ。

「私は、友人が少ないタイプ。ごく親しい昔からの友人とママ友は別だと考えていました。でも、佑子さんは社交的で、誰とでも仲良くしたいタイプらしく、夫や家庭の不満を私に愚痴るようになったんです。しかも彼女、結構奔放な人で……ある時、『このマッチングアプリ、知ってる? 知美さんもやってみない?』と勧めてきました。そんなこと言われても既婚者だし、使うつもりはなかったので、 興味がないことを伝えたのですが、『暇つぶしになる』『メッセージのやりとりだけなら浮気にならない』と聞く耳を持たなくて……」

 佑子さんは、マッチングアプリで遊んでいることに少なからず罪悪感を抱いており、「自分の味方を増やしたいと考えているのではないか」と、知美さんは推察する。

「佑子さんは、自らマッチングアプリの話題を出しては、『どう思う?』みたいな感じで、私に意見を求めてくるんです。否定すると『そうかな』と機嫌が悪くなるので、『そうですね』と言って受け流していました。それが最近になって、佑子さんはマッチングアプリで知り合った男性と親しくなったそう。そういう話を私にしてくるのもドン引きですが、彼女は自分を正当化するためなのか、夫の愚痴や批判をさらに口にするようになっていて……それを聞かされるのも正直かなりつらいです」
 
 その後も、佑子さんの行動はどんどんエスカレートしていった。

「あとでわかったのですが、佑子さんはアプリで知り合った男性と会う際、旦那さんに、うちの店に行くと嘘をついていたそうです。まるでアリバイ工作に協力しているみたいで、気分が悪いですよ……」

 知美さんは今、佑子さんと距離を置くようにしたいと思っている。

「とりあえず、自分からはもう誘わないですね。佑子さんは日常の出来事を、まるで日記のようにLINEしてくるんですが、それも随時返信したりせず、まとめて既読をつけ、『最近、忙しくてスマホがチェックできない』と伝えるつもりです」

 また、知美さんは今後、店にママ友を呼ばないと決めたそうだ。

「佑子さんの態度が馴れ馴れしくなったのは、店によく来るようになり、私の身内のような感覚になったからだと思うんですよね。もしママ友が来ても、あくまでお客さんとして扱おうと決めました。やっぱり、友達とママ友は別物だと思うんですよね。あくまで子どもを介した付き合いなので、ごくプライベートな話をするのはマナー違反だと思うんですが……」

 ママ友はほしいけれど、積極的に付き合うのは苦手――そういうママは多いのではないだろうか。ママ友は、学校や職場などの同じコミュニティで過ごした経験がないため、価値観も年齢もバラバラな場合がほとんど。たまたま知り合ったママ友と、子どもを抜きにしても仲良くなれるなんてことは、実はかなり稀だと思う。

 しかし、中には、ママ友と密な関係を築きたい人も存在する。例えば、日常の出来事を頻繁にLINEしたり、悩み事を何でも共有したり、頻繁に家へ遊びに行こうとしたり……まるで、学生時代の親友のような付き合いを相手に求めるタイプだ。これは筆者の所感だが、こういうタイプは、ママ友が困っていることにまで考えが及ばず、お誘いも自分主体で、「私が行きたい場所」を提案することが多い。そんな自分中心のママ友に振り回されたことがある人もいるのではないだろうか。

ママ友付き合いと一口にいえど、人によって、相手とどういう距離感で接したいかは異なるはず。だからこそ、相手に合わせるのではなく、自分から「これ以上は、入ってこないでほしい」という境界線をはっきり提示したほうがいい。空気を読まない相手には、「それは無理」とはっきり伝えなければ理解してもらえないように思う。

 よく「夫の職業や年収を聞いてくるママ友に困っている」という話を耳にする。これも、言いたくないのなら、あいまいに答えずに「そういう話はしない」ときっぱり断るべきだろう。最初に、「ママ友だけど、友達ではない」という姿勢を相手に見せることは、心情的につらいものがあるけれど、付き合いが始まってから、ずけずけとなんでも聞いてこられるよりは楽なはずだ。

 今回のケースは、知美さんが佑子さんをママ友であると同時に、店の客と認識していたがため、強い物言いができなかったことが、2人の関係性に悪影響を及ぼしてしまった。ただ見方を変えれば、お店という場所なのだから、身内のように居座る佑子さんに対して、きっぱりと「もう閉店時間なので」と伝え、「距離感を見誤らないでほしい」という意思表示をしてもよかったのではないだろうか。

 新生活が始まり、また新たなママ友付き合いがスタートする中、「何事も最初が肝心」という意識で、ストレスを感じないママ友との距離感をつかんでほしいものだ。

1歳半過ぎても発語なし、もしや発達障害……ママ友からのアドバイスに胸が苦しくなった

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

 初めての育児の場合、誰でも子どもの発達を周りと比べてしまうものだ。今はネットで簡単に情報が手に入るため、「自分の子は発達が遅いのではないか……」と、人知れず悩みを抱えてしまうママもいるのではないだろうか。

今回は、子どもの発育具合に不安を覚えたあるお母さんの「周りに言われたくない苦悩」を取り上げる。

◎1歳半の息子は発語ナシ、ママ友の子は2語文を話すのに……

 地方で野菜の袋詰めなど軽作業のパートをしている雅美さん(仮名・31歳)は、先日1歳半を迎えた男児のママ。夫は船員として働いているため、長い時には3カ月ほど家を空けることがあるという。

「夫は国内の荷物を運ぶ貨物船で働いています。まとまった休みは1カ月ほど取れるのですが、船員不足のため休暇が長く取れない時も。私のほうは週4勤務で、息子は0歳の頃から保育園に預けています。本当は息子と長く一緒にいたかったのですが、ワンオペ育児はつらいので、保育園に入るために働いている感じですね。仕事がない平日は、地元にある地域センターの乳幼児が集まる時間帯に子どもを連れて行っていました」

 地域センターでは、同じ月齢の男児のママである桃花さん(仮名・31歳)と親しくなった。

「桃花さんは私のパート先の経営者と、親戚だったんです。彼女は専業主婦で、幼稚園に入れるまでは自宅育児予定。私の夫が長期間不在なのを知っているので、『働きながらワンオペで子育てするなんて大変だね……』と親身になって話を聞いてくれました。いつからか地域センター以外でも会うようになりました」

 桃花さんと子連れで頻繁に会うようになってから、雅美さんは息子の大介くん(仮名)の発達が気になりだしたという。

「うちの子は1歳過ぎてからすぐ歩けるようになり、保育園の園庭でもよく走り回っていると先生から聞きます。ただ、桃花さんの息子の翔太くん(仮名)と比べると、大介は発語が遅い気がしてきたんです。翔太くんはまだ1歳半なのに『ママ、ワンワン』と2語文を話すこともあって……気にしすぎなのかもしれないのですが、うちの子はまだ『ううー』とか、喃語しか話さないので、だんだん不安になってきました。でも桃花さんは『男の子は言葉が遅いから、気にしなくていいよ』って言ってくれたんです」

雅美さんは、大介君の発語がないことを心配して保育士に相談した。

「保育士さんからは、『まだ1歳半なので大丈夫ですよ』って言われました。2歳児検診で指摘されたら、病院などで診てもらえばいいとのことで。うちの地域では赤ちゃんの発達についての専門医もいない。『もしも、言語の遅れが発達障害だったらどうしようか……』と悩んでいました」

◎ママ友の家で見つけたフラッシュカード……うちの子の発語が遅いのを指摘された?
 そんな中、雅美さんは桃花さんの家に遊びに行った際、気まずい思いをしたという。

「桃花さんは、早期教育をしている幼稚園を希望し、2歳からのプレの入学に向けて、園選びをするなど、子どもの教育に熱心なタイプ。家に遊びに行った時に、絵が描いてあるカードがあったので、何気なく触ったら、『それはフラッシュカードといって、言葉を覚えるためのカードなの。でも早い時期からやっていないと効果がないから、大介君もやったほうがいいよ』と勧めてきたんです。もちろん悪気はないでしょうが、口では『発語が遅くても気にしないで大丈夫』と言っていたのに……なんとなく大介の言葉が遅いのを指摘されたみたいでモヤっとしました」

 桃花さんの何気ない一言が気になったと言う雅美さん。その後、職場である衝撃的な出来事が起こる。

「桃花さんが彼女の親戚に、大介の発語がまだないという話をしたようなんです。ある日、職場にいる桃花さんの親戚の女性から、『ちょっと話があるのだけれど』と呼び出され、『〇〇市の小児科の先生は、子どもの発達に詳しいよ』と教えてくれて……。『うちの子は発達障害ではありません』とも言えず、『そうなのですね』とだけ答えました。もう少し様子を見て、やはり発語がない場合は、何よりも大介のために専門の病院を受診しなければと考えていましたが、今の段階で、大介が発達障害と決めつけられたようなアドバイスに、胸が苦しくなりました」

 雅美さんは、桃花さんに「もしかして、大介の発語の話をした?」とLINEで訊ねたという。

「桃花さんからは、『〇〇さん(親戚の女性)は、子どもを3人育てていて病院にも詳しいから聞いてみた』『“うちの子は言葉より先に手が出てしまう”と悩んでいる知り合いのママさんにも、その先生を勧めた』と返信がありました。うちの子は言葉が出ないので、嫌なことがあると『う~う~』とうなることはありますが、友達を叩いたりなどのトラブルはまだないのに……。桃花さんは翔太くんと大介の発達具合を比べていたのだなと思うと、モヤモヤしました。ほかの家庭の子どもの発達具合に首を突っ込みすぎるのは、ママ友のルール違反ではないでしょうか」

◎ママ友ウォッチャーが解説!
発達に関する余計なアドバイスは厳禁

 育児の悩みは、明確な正解があるわけではないので、ママたちは常に「これで大丈夫なのだろうか」と迷うものだ。ネットや育児雑誌に書いてあることと、子どもの様子が違うと、より不安を感じてしまうし、最近は、発達障害に関する情報があふれているため、「もしかしたら自分の子どももそうかも……」と当てはめ、悩んでいるママは多い。

しかし、実際にママ友から子どもを「発達障害の症状がありそう」と言われて、良い気持ちがする人は皆無だろう。一方、安易に「大丈夫」と励まされることも嫌だという意見も少なくない。身内が障害の可能性を不安視するのは自然だが、他人が首を突っ込んであれこれ言うのはよろしくないと思う。

今回のケースの場合、雅美さん自身は、子どもの発語が遅いことを気にしてはいるが、まだ様子を見ようと考えていた。桃花さんのように勝手に親戚に相談し、さらにその人が雅美さんに病院を紹介するというのは絶対にやめるべき行為だったのではないか。

ただ、桃花さんが言っていたように、“言葉の発達が遅いために手が出てしまう”など、ほかの子に危害を加えることがある場合は、話は別だろう。もしそのことにママが気づいてなければ、直接ではなく、保育園の先生などを通して、やんわりと伝えてもらうのもアリだと思う。

ただ、繰り返しになるが、やはり発達に関することは、ママ同士、首を突っ込みすぎない――余計なアドバイスは厳禁というのが暗黙のルールといえる。

娘が、買い与えた覚えのない「ちいかわ文房具」を持っていた――塾のママ友からの高額プレゼントに困惑

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

 ちょっとしたプレゼントを贈り合うことは、人間関係を円滑にするために効果的だ。バレンタインやクリスマス、誕生日の際は、子ども同士でもプレゼントを渡すことはよくあり、実際にお金を出す保護者が、その“相場”に頭を悩ますことも多い。今回はプレゼント交換に負担を感じるというあるママのエピソードを取り上げる。

中学受験塾の友達からちいかわ文房具をもらっていた娘――恥ずかしい思いをしたワケ

 首都圏に暮らす美幸さん(仮名・39歳)は、4月から小学6年生になる女児のママ。娘が小5になったタイミングで、地元にある進学塾に入塾させた。

「娘の愛理(仮名・11歳)が通っている小学校は、クラスの3分の1くらいが中学受験をします。うちは中学受験を考えていなかったものの、愛理が都内にある私立の女子校に通いたいと言い出し、入塾を決意。周りが低学年から塾通いをしている中、小5でのスタートはかなり遅いほうですが、なんとか授業にはついていけているようです」

 愛理ちゃんは、駅前にある大手塾の系列塾に通っている。1学年60人ほどが、成績順で3クラスに振り分けられ、愛理ちゃんはこれまで、一番下か真ん中のクラスのどちらかに在籍してきたという。

「同じクラスに、別の小学校に通っている女の子のグループがあるんです。みんな小3、小4から通っていて、とても仲が良いそうで、愛理は途中から仲間に加わった形でした」

 そんなある日、愛理ちゃんが見たことのない「ちいかわ」の文房具を使っていることに気づいた美幸さん。

「娘の字で名前と学年も書いてあって……私は買った記憶がなかったので、『これどうしたの?』と聞いたところ、『塾の友達にもらった』って言うんです」

 愛理ちゃんの塾では、親しい間柄の女の子同士が、プレゼントを贈り合う文化があるそうだ。

「うちの小学校では、たとえバレンタインや誕生日だとしても、友達へのプレゼントを学校に持ってくるのはNG。でも、塾にはそういったルールがないため、プレゼント交換がよく行われているそうです。愛理に鉛筆やノートをくれた女の子は、ちいかわのキャラクターグッズを『おそろいで持ちたいから!』と言って、プレゼントしてくれたらしく……。お互いの家を行き来するような親しいお友達がいない愛理は、初めて同い年の子から贈り物をもらい、とても喜んでいました」

 美幸さんは塾のお迎えの時に、プレゼントをくれた女の子の母・里香さん(36歳・仮名)にお礼を伝えたという。

「里香さんは、『ささやかなものなので、気にしないでください』と言っていました。ただ、愛理によくよく話を聞いたところ、『お礼に使っていた鉛筆キャップをあげた』と……。まさか使い古しのものを渡しているとはつゆ知らず、恥ずかしかったですね」

 その後も、里香さん親子からの“ささやかなプレゼント”は続いた。

「私の迎えが遅れた際、里香さんが自分の娘以外のお友達にも自販機でジュースを買ってくれていたんです。1本120円とはいえ、4人で500円ほどになるじゃないですか。慌てて『払います』と代金を渡そうとしたのですが、断られてしまいました」

 美幸さんいわく、里香さんは「ただただ純粋に、プレゼントを贈るのが好きなタイプ」。しかし、それがあまりに続くと、「こちらは恐縮するばかり」とため息をつく。

「愛理の誕生日には、『Canバッチgood!』という缶バッチが製作できるおもちゃをもらいました。子どもが交換する誕生日プレゼントなんて、せいぜい500円前後と思っていたのに、調べてみたら4,000円もするので驚いてしまって……。里香さんは私に気を使ってか、『私も娘も、プレゼントを選ぶのが好きなの』と言っていましたが、正直『同額のお返しをしなければいけないのか』と気が重くなりました。愛理の友達関係にヒビが入りそうで、誕生日プレゼントを断わることもできませんし」

 ちなみに美幸さんは先日、里香さんからのある提案を受け、金銭感覚の違いを痛感したそうだ。

「まだ先の話ですが、『中学受験が終わったら、子どもだけでディズニーランドに行こう』と娘たちが盛り上がっているんです。里香さんにその話をしたら、今はディズニーランドのパークチケットだけでもかなり高額なのに、『おこづかいは3万円くらいかな』と言われ、衝撃を受けました。金銭感覚が違うママ友と付き合うには、どうすればよいのか……と、頭を悩ませてしまいます。子どもの誕生日プレゼントにしても、ディズニーランドのおこづかいにしても、ある程度みんなの意見を聞いて、予算を決めるのが、ママ友の暗黙のルールなんじゃないですか?」

 小学校高学年ともなると、子ども同士の付き合いでも、なにかとお金がかかるものだ。友達間でプレゼントを交換する場合、その出どころは親であるため、各家庭の金銭感覚の違いに頭を悩ますケースは珍しくないだろう。

 ただ、同じ小学校の子同士の場合は、そういった問題が露呈することは少ないと思う。同じ地域に住んでいること、また付き合いが長いことから、保護者同士がお互いの経済状況や家庭の方針をなんとなく把握しており、プレゼントの“相場”が共有されているものだ。

 むしろ、習い事で出会った友達間で、この問題に悩むママが多い気がする。特に進学塾や、発表会があるバレエ、ピアノなど、費用がかかる習い事では、経済的に余裕のある家庭の子も多く、高額なプレゼントを贈り合う文化が根付いているケースがあるのではないか。

 今回、美幸さんが語ったママ友の暗黙ルールだが、普段の会話の中で、美幸さん側から、子どものおこづかいやお年玉の金額などの話を振り、自身の金銭感覚をそれとなく伝えておいてもよかったのかもしれない。そうすることで、あまり高額なプレゼントは交換しない方針だとわかってもらえたのではないか。

 もしくは、帰宅後にプレゼントの値段をネットで検索した後、使う前にお礼の言葉とともに「気になって金額を調べたら高額だったけれど、もらって大丈夫か」と相手に確認する心遣いしてみてもよかったかもしれない。そして今回限りはと割り切り、誕生日などを待たず、もらった金額相応の物をすぐお返しし、やんわりと「我が家では子ども同士の誕生日プレゼント交換は、おこづかいの範囲で贈れるものにしている」というふうに伝えるのもいいと思う。

 やはり、お互いの金銭的負担や、お返しをどうすればよいのかと悩む手間を考えるならば、なるべくトラブルにならないように、子ども同士のプレゼント交換は少額で――それを暗黙のルールにできるような素地づくりが大切ではないだろうか。

PTA活動を欠席しまくるワーママと、負担大の専業主婦――仲良しのママ友関係に亀裂が入ったワケ

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

 共働き夫婦が一般的となり、平日の日中を忙しく過ごす母親が増えた令和の時代。それでも、PTA活動はなくなることがないようだ。コロナ禍になり、これまで対面で行っていた会議がオンラインになるなど、徐々に保護者が活動しやすい仕組みができ上がりつつあるが、学校行事にボランティアスタッフとして駆り出される機会はいまだ多く、PTA活動を面倒だと感じる人は少なからずいるだろう。

 今回は、共働きで自分の時間がないというあるお母さんの「PTA活動をめぐる苦悩」を取り上げる。

夫が単身赴任、娘が中学受験――自分の時間がないワーママのPTA事情

 首都圏で訪問介護の仕事をしている介護士の美沙子さん(仮名・39歳)は、この春、小学6年生になる女児のママ。夫が単身赴任をしているため、平日はほぼワンオペで家事や娘の世話をしているという。

「建築業者の夫は、地方で単身赴任をしています。今の事業が終わるのが来年なので、それまでは戻ってこない予定です。一方、娘は今、中学受験に向けて勉強に励んでいる身。うちの地域は、都内ほどではないものの中学受験が盛んで、娘も周りの友達が塾通いをしているのを見て行きたがるようになり、小5に上がるタイミングで入塾しました」

 美沙子さんは、娘の週4回の塾通いに付き添うため、時短勤務をしているが、会社からは「もっと勤務時間を増やしてほしい」と言われているそうだ。

「うちは10人くらいの小規模事業所なので、1人休むだけでも仕事が回らなくなるんです。今は、結婚していないスタッフが遅い時間帯を担当し、長時間労働をしてくれているのですが、子どもがもう高学年なので、上司から『もっと働いてほしい』と言われています」

 そんな中、美沙子さんは今年度、PTAの文化委員を担当したという。

「実は私はこれまでPTAの役員も委員も経験がなかったんです。積極的にPTA活動をしているママがいたので、今回も逃げ切れるかなと思ったら、なんと在学中に一度も委員や役員をしていない人から選ぶことに。娘は中学受験をするつもりなので、保護者の負担が大きいと聞く学級委員は絶対に避けようと思い、人数が多い文化委員を希望しました」

 学校によって名称は違うが、文化委員は、主に学内で配られる広報誌を作ったり、ベルマークの集計を行ったりする。ママたちの間では「地味だけど大変」と言われている委員だ。

「確かに、『大変』という話は小耳に挟んだのですが、今はコロナ禍で行事が少なく、広報誌の発行回数も減ったそう。何より、大人数のグループで作業を行う文化委員なら、出席回数が少なくても大丈夫そうと思ったんです」

 こうして、文化委員の最初の集まりに参加した美沙子さん。そこでは、広報誌担当とベルマーク担当のグループ分けがあったそうだ。

「意外とベルマークを希望するママさんが多くて、じゃんけんになりました。みんな楽そうだと思ったんでしょうね。ただ話を聞いていると、結構、忙しい係であることがわかったんです。なんでも、前年度は新型コロナがはやっていたため、なかなか保護者が集まる機会を持てず、集計が終わっていないベルマークが何袋分もあるそう。定期的に集まってベルマークを集計し、集めたベルマークで交換する商品を選ぶなど、思っていたより活動に時間が取られるみたいでした」

 美沙子さんのママ友・有希奈さん(仮名・39歳)も文化委員のメンバーだったという。

「有希奈さんは2回目の文化委員で、周りからの推薦を受け、委員長を務めることになりました。彼女はPTA活動に慣れているし、専業主婦で時間にも余裕がある。しかも、子どもが中学受験をする予定もなかったので、適任だと感じたんです。私は有希奈さんと仲がいいのもあって、事前に『仕事と娘の受験で忙しいから、あまり活動に参加できない』と伝えていました」

 美沙子さんいわく、会社に無理を言って時短勤務にしてもらっている立場だけに、PTAの活動のために仕事を休むことには抵抗があったという。

「最初の顔合わせは土曜だったので、参加しました。でも活動自体は平日の昼間で、主に学校の授業が終わった午後3~6時。その時間、仕事を中抜けするのは無理なんですよ。それに娘の塾の送りもありますしね。委員活動の連絡は、基本的にLINEで行われているので、集まりがある日に『今日はいけません』と一通送り、参加を断っていました」

 PTA活動は任意であり、参加は義務ではない。そのため、必ず出席するママと、欠席が当たり前になっているママが出てきたという。

「ベルマーク集計の際、私同様、仕事を理由にして毎回のように参加を断るママもいました。そうすると、どうしても専業主婦のママさんが主体となって活動する形になっていったんです」

 そんな中、娘の運動会で、久しぶりに有希奈さんと顔を合わせたという美沙子さん。その時、ある“異変”を感じたそうだ。

「有希奈さんたちのママ友グループを発見したのですが、すごくよそよそしかったんです。こちらを見てあいさつはしてくれるものの、会話には加われない感じで……。以前はみんなと仲良く雑談できていたのに、おかしいなって思いました。あとで別のママ友に聞いたのですが、有希奈さんは、自分ばかりが委員の仕事を任されていることに不満を感じていたそう。私がずっと活動に参加していないことを、周りに愚痴っていたみたいなんですよね……」

 その後、有希奈さんから文化委員のグループチャットに、「夏休みの期間は、これまで参加していなかった人を中心に、ベルマークの集計を行うように」という連絡が来たという。

「まるで私たちワーママが、“さぼっている”みたいな言い方でした。確かに、有希奈さんほか専業主婦のママは、ワーママより学校に行って作業する機会は多かったですが、もともとPTAはやりたい人がやるものだと思うんです。私のように働いている人は、活動がどうしても難しい。PTAは時間に余裕のある専業主婦が主となって活動する……これって暗黙のルールなのではないでしょうか」

 PTA活動は具体的に月何回という決まりがないため、実際に活動を始めたら「思っていたよりも大変」と感じる人は大勢いるのではないだろうか。そんな中、稼働量の格差、不公平さをめぐって、PTA委員や役員から不満が出るケースは珍しくない。

 今回のように、ワーママより専業主婦のほうに負担がいきがちという話以外にも、例えば、「子どもが中学受験をする予定で、今後地域との関わりがなくなるから」という理由で、ほかの保護者の目も気にせず、PTA活動を途中でフェードアウトするママが現れた……という話を聞いたことがある。このようにPTA活動では、さまざまなケースの“不公平な出来事”が起こるものだ。

 その是正のために、委員活動にあまり参加していなかったワーママが、代わりに動いていた専業主婦のママから、一気に作業を振られるのもよくある話で、そうなると今度はワーママ側から不満が出てきてしまう。PTA活動業務で生じる格差は、なかなかに根深い問題といえるだろう。

 今回、美沙子さんは、「PTAは時間のある専業主婦が主となって活動する」を暗黙のルールと考えており、実際にそれが常態化しているPTAは少なくないように思う。しかし、有希奈さんら専業主婦の不満は当然だろう。加えて、美沙子さんは、親しいママが委員長だったため、参加しなくても許されると思い込んでいた節がある。その点も有希奈さんは納得できなかったのではないか。

 では、こういった不公平を解消するにはどうすればいいのだろう。ワーママが増えた今の時代、仕事を調整できるように、できるだけ事前に活動日を設定したり、専業主婦ばかりに作業を偏らせないため、シートで作業分担するなど、誰もが効率良く活動できる仕組みづくりが必要だと思う。それこそが委員長のやるべき仕事なのかもしれない。一方、任期は1年だけだからと割り切り、たとえ不満を覚えてもやりすごす――これも一つの手なのかもしれない。

 PTAが誕生した昭和の時代とは違い、今は共働き家庭が増えた。一方、少子化で1人の子どもにかける教育費が増え、複数の塾や習い事に通う子も多い分、防犯面でのリスクが高まっている今、「その付き添いで平日は忙しい」という専業主婦も少なくない。誰しも余裕がないことを前提に、PTA活動の体制を整える――それが暗黙のルールになってほしいと感じた。

ママ友ランチ会トラブル! 2歳児が生クリームを口に……自然派ママに非難された話

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

  「食育」という言葉が一般化して久しいが、ママにとっては、特に初めての育児の場合、子どもに何を食べさせればいいのか迷うケースがほとんどだろう。離乳食ひとつとっても、完全手作りにこだわるママもいれば、レトルト食品で済ませるママもいる。

 周りから見たら大差がないように見える家庭の食卓にも、ママたちそれぞれの葛藤が渦巻いているものだ。今回は、そんな「子どもが食べるもの」をきっかけに、ママ友間にちょっとしたトラブルが発生し、頭を悩ませているというお母さんの話を取り上げる。

キッズカフェに2歳児の食べ物を持ち込む“自然派”のママ友

 都下で2歳になる男児を育てている薫さん(仮名・36歳)は、週2回程度のパートをしながら、プレ幼稚園に息子を預けている。

「息子が通っているのは、教育方針に惹かれて遠方からの通園も多い人気園。家庭訪問や、平日の親子参加行事もあるので、ママさんは専業主婦がメインですね。私はどうしてもこの園に通わせたかったので、2歳のプレから息子を預けることに。そうすると、持ち上がりでそのまま園の年少クラスに入れますからね。実際、そういうご家庭が多いんですよ」

 2歳クラスは午前だけで終わることも多いため、近所のファミレスでママたちとランチをすることもあるという。そのメンバーの一人が愛理さん(仮名・38歳)。彼女は、薫さんと同じ2歳の男児と小1になる女児を育児中だ。

「ファミレスでランチをする時には、小学生の子どもがいる愛理さんが、“先輩ママ”として、みんなの育児に関する悩みや心配事を聞いてくれるんです。愛理さんの娘さんは保育園に通っていたそうですが、当時、愛理さんは仕事が忙しく、あまり面倒を見られなかったため、息子さんが生まれたのを機に退職。今は専業主婦で、息子さんを幼稚園に通わせていると言っていました」

 愛理さんの息子・K君は、アトピー体質のため、食べ物には相当、気を使っているそうだ。

「愛理さんは料理を作るのが好きで、マヨネーズなども手作りにこだわっていました。うちの園の給食は、園で栽培している野菜を使っていて、それが『選んだ決め手』とも言っていましたね。もともと愛理さんは、都心に住んでいたものの、上の子が小学校に入学するタイミングで、自然が多い都下に引っ越してきたそうなので、自然派の育児に熱心なママさんという印象はずっとありました」

 そんな愛理さんは、子連れでファミレスやキッズカフェに行くとき、K君が食べるものを持ち込んでいたという。

「愛理さんの息子は、食物アレルギーではないのですが、なるべく化学調味料や添加物が入っていない料理を食べさせたいみたい。まれにお店のメニューから注文する時も、2歳のK君に離乳食のおかゆを選んでいました」

 そんなある日、薫さんと愛理さんは、ママ友の家で行われる持ち寄りの子連れランチ会に参加。薫さんは、愛理さんが食育にこだわっていることを知っていたが、2人を招いたママは、愛理さんとはあまり交流がなかったという。

「家に招待をしてくれた早苗さん(仮名・35歳)は、息子が通っていた親子水泳教室で一緒だったママさん。早苗さんは2歳になる息子を、私たちが通っている園に入れたいと思っていたそうで、『幼稚園の雰囲気を教えてほしい』と、ランチ会を企画したんです」

 薫さんはこのランチ会を楽しみにしていたというが、スタート時から冷ややかな空気が漂ってしまった。

「早苗さんが用意したジュースを、『家では子どもに、甘い飲み物を与えていない』と断ったんです。その時、早苗さんに、愛理さんが子どもの食べるものにこだわりがあることをそれとなく伝えればよかったのですが……ママ同士の会話が盛り上がる中、ちょっとしたトラブルが起きてしまって」

 それは、愛理さんの娘が遊びに飽きてぐずりだした際に起こったという。

「気を利かせた早苗さんは、『おやつ食べる?』と言って、用意していたシュークリームをお姉ちゃんに出していました。おなかが空いていたのか、勢いよくシュークリームをほおばるお姉ちゃんを見て、K君も一緒に生クリームをペロっと舐めてしまったんです」

 その様子を見た愛理さんは、慌ててK君からシュークリームを取り上げた。「『2歳で生クリームなんてまだ早いのに』と怒りながら、K君の口元を拭いていました」と語る薫さん。しかし、愛理さんの怒りは収まらなかったそうだ。

「帰り道、愛理さんから『私が子どもの食べ物に気を付けているというのを、早苗さんに伝えておいてほしかった』と非難されました。『だいたい2歳児に甘いものを与えないのは、当たり前じゃない』と、早苗さんにも怒りの矛先を向けていたんです。でも、それは家庭によって違うはず。実際、うちは甘いものも結構食べさせちゃっていますし、早苗さんが悪いわけではない。愛理さんは『2歳児のいる会に甘いものを用意するほうがおかしい』みたいな口ぶりでしたけど、そういう暗黙のルールはないと思うんです……」

 乳幼児に何を食べさせるのか、頭を悩ませているママは多い。食物アレルギーがある場合は当然だが、初めての育児では慎重になってしまうものだ。しかし一方で、特に気にしていないというママもおり、子どもが口にするものをめぐっては、人によって考え方がまったく異なるといえるだろう。

 特に生クリームやチョコレートといった甘いものは、小学校に入学するまで控える家庭もあれば、1歳の誕生日から解禁という家庭もある。育児書ではよく、「1歳から少量ずつ与え始めてもよい」というアドバイスが載っているが、「なぜそうなのか」という明確な指針がないので、ママも振り回されやすいのだろう。

 今回のケースの場合、家に招いた側の早苗さんは、薫さん、愛理さん親子をもてなそうと思って、ジュースやシュークリームを用意していた。最初に「おやつに甘いものを出そうと思っているけれど、食べられるか」という一言があればよかったが、愛理さんと特に親しいわけではない早苗さんは、確認ができなかったのだろう。

 ママ友付き合いが長いと、おやつや飲み物に何を出せばよいのか、それとなく暗黙のルールが出来上がるものだが、初めての訪問の場合、それはやはり難しい。愛理さんがキッズカフェに食べ物を持ち込むほど、K君の食べるものに神経を使っていたのを知っていたならば、やはり薫さんが早苗さんにその旨を伝えるべきだったと思う。

 今回、薫さんが話してくれたエピソードは、ママ友間でよく起こるトラブル。ファミレスのように個別でメニューを頼むような場面は別にして、ママ友宅での集まりや公園でのピクニックなどでは、子どもの年齢や、食べられないもの、与えていないものを事前に確認する――これは面倒であってもママ友付き合いにおいては重要だ。乳幼児以外でも、小学校低学年ならば、「子どもに炭酸飲料を飲ませているか否か」など、トラブルになりそうな火種はいくつもある。

 愛理さんは「2歳児のいる会に甘いものは用意しない」が暗黙のルールだというが、それは、薫さんが言うように家庭ごとで方針が違うので、ややズレた考え方のように思う。ただ、子どものおやつや飲み物について、相互で確認し合うのは、ママ友間の付き合いを円滑にするための暗黙のルールといえよう。