「ドラマのこのシーンってありえるの?」「バラエティーのあのやり方ってコンプライアンス的にどうなの?」……テレビを見ていて感じた疑問を弁護士に聞いてみる、テレビ好きのための法律相談所。
<今回の番組>
『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』(フジテレビ系)
<今回の疑問>
不倫は1度目と2度目で罪の重さが違う?
2014年にフジテレビ系で放送され、上戸彩演じる平凡な主婦・紗和と斉藤工演じる既婚の高校教師・北野の禁断の恋を描いたドラマ『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』は、最高視聴率16.7%を記録し社会現象を巻き起こした。6月10日から公開される、この映画版では、ドラマ最終回から3年後、偶然再会してしまった2人が再び禁断の恋に堕ちてゆくというストーリーになっている。もし、同じ相手と2度不倫をした場合、不倫相手の配偶者から、慰謝料を1度目より多く請求される可能性はあるのか? アディーレ法律事務所の村松優子弁護士に聞いた。
まず、慰謝料の法的な定義として、請求額は不倫をされた側次第で決まると村松弁護士は述べる。
「同じ相手と2度不倫をした場合、事情や状況で増減されますが、やはり2度目ということであれば、不倫された側(不倫相手の配偶者)の怒りも相当である可能性も高く、1度目よりも多い金額が請求される公算が大きいです。最終的に、いくら認められるかについては、1回目の不貞時の合意内容や不貞相手(不倫相手)の支払い状況によって、かなり変わります。仮に、1度目は慰謝料なしで合意をしている場合、請求がなかった場合も含め、2回目の際には離婚しない場合の相場は数十万円~100万円、この件で離婚に至る場合は100~300万円の慰謝料に加え、1度猶予をもらっておきながら不貞行為を再開させるのは悪質であるとして、数十万円程度上乗せした金額が認められる可能性があります。
反対に、1回目に相手方夫婦が離婚をしていないにもかかわらず200~300万円という相場を越える高額な慰謝料の支払いをしている場合には、2回目については、少額しか支払わなくてもよいと判断されるケースもあります。もっと踏み込んで、1回目の不貞発覚ですでに夫婦関係が破綻していると判断された場合には、それ以降の不貞行為については責任が発生しない場合もあります。
いずれにせよ、被害者に対し、共同不法行為者である不貞相手が1度目のときに慰謝料の支払いをしている場合には、その分、自分の支払うべき義務が減少または消滅していると主張できることになります」
では、ドラマの最終回で、紗和は、北野と今後一切の接触を禁止され、違約した場合は北野の妻・乃里子に毎月30万円の慰謝料を死亡するまで支払うことを命じられるシーンがあったが、現実にこのような誓約内容はありえるのだろうか?
「裁判でそのような内容の誓約を強制されることはありませんが、当事者が真に納得の上、合意をすればありえると言えます。もっとも、接触禁止については、不可抗力や正当な理由がある接触までは法律上禁止できないため、合理的理由がない限りという留保付きの接触禁止と解されます。また、毎月30万円を死亡するまでという内容は死亡時期にもよりますが、平均余命まで生きた場合には相場を大きく超える金額となるため、支払う側が争えば、誓約自体が無効と判断される可能性があります」
現実でも起こりうる不倫愛の復活劇。上戸演じる紗和に慰謝料を支払う能力は到底なさそうだが、果たして映画版ではどのような結末を迎えるのか、そこにも注目が集まりそうだ。
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