それは誰もが、はたと足を止める魅力を放っていた。
10月初頭の夕刻、秋葉原の雑踏。ふと、手に入れたい本があるのを思い出して、秋葉原駅に降りた。電気街口の改札を抜ける。買い物に訪れた観光客の笑顔。待ち人の元へと逸る足音。メイド喫茶の客引きの乙女の甲高い声。それらをかき分けて目指したのは、同人ショップ・とらのあな秋葉原店A。ひとまず、新刊の並んだ1階をぐるりと一周眺めてみる。それから、エレベーターの前に立つ。ちょうど扉は閉まって、上へ上がっていく。間の悪さに、ふっとため息をついて、横にある階段を眺める。雑居ビル前とした、狭っ苦しい階段。目指す7階までは、遙か摩天楼の上のよう。
一度7階まで昇った後に、再び降りてくるエレベーターを待つべきか。いや、そんな無為な時間を過ごすのはイヤだ。第一、一度目の前で扉が開いたエレベーターは、地下1階へと降りていくに違いない。
短い人生に、待ちの時間はもったいない。階段に足をかけ、少し早足で上へ上へ。こんな時には、何も考えないのが正解。無心にならなければ、途中で荒い息を吐き出して、気分も逆立ってしまうもの。18禁の揃ったフロアで荒い息をしているのは、センスがない。途中、乱れたネクタイを直しながら、2階、3階。
まだまだ、半分も登ってない。
でも、ようやくたどり着いた4階フロア。そこで、片手を手すりについたまま、ふっと足が止まる。もう、体力が尽きたのではない。そこの陳列に、瞬時に心を奪われたのだ。
『嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい本』
そんな文字と、文字そのままに、女のコたちが嫌な顔をしながら、パンツを見せているイラスト。そして、写真。
ああ、そうだ。これは、全年齢向けなのだ。当たり前だ。描かれているのは、パンツを見せている姿だけ。セックスはもちろん、キスだって描かれてはない。
こんなにも売れているのか。
フロアの入口を埋め尽くすように、縦と横とに積まれた同人誌と写真集の山。イラスト集が3つ。マンガが1つに、写真集が1つ。それに、コラボしたエロライトノベル。店が全力で売りたいと励む作品。そして、売れると判断した作品。多くの人が欲しがる作品。その迫力を見て、思う。
「もう一度、明日のインタビューを練り直さなくてはいけないな……」
いきなり足を止めたためか。息はずっと荒かった。
どうにも会ってみたくなる作品と作者との出会いは、いつも偶然。『嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい本』も、やっぱりそう。昨年の夏のコミックマーケット。いつもの買い物を終えて、何かないかと漫然と会場の人混みに揉まれていた。そんな時、目に飛び込んできたのが、シリーズの第2作。巫女さんが、こちらに背中を向けながら、嫌な顔してパンツを見せている作品。
「ちょっと見せて下さい」
一言断って、ページをパラパラとめくる。すぐに、ポケットから千円札を取り出した。
これは、買うべき本である。
それが、今回インタビューすることになった40原(しまはら)の<現在の>代表作である『嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい本』との出会いである。
すぐに千円札を取り出した理由は、極めて単純。ハッとしたのは、ページの構成だ。単にパンツを見せているイラストだけではない。嫌な顔のイラストを描いているだけでもない。右ページに、書名通りのイラストを配置。そして、左ページには、描かれた女のコたちの日常っぽい顔。職業などのプロフィール。そして、パンツを見せている時の台詞。それらが、一つの塊となって目に飛び込んでくる。M男向けだろうか。いや、そんなに単純ではない。単なるM男向けという要素を超えている。左ページの日常風景のような表情。そんな顔を見せているであろう日常は、プロフィールによって、さらに想像力を喚起する。見開きのページが、妄想スイッチを全開にして、見ているだけでどんどんと、ワクワク感が募ってくる。
単なる性的な興奮ではない。もっと複雑で、楽しい何か。自宅に帰って、パラパラとめくるたびに、その独特の楽しさを何度も味わえる。楽しめるエロティシズム。直接的な「実用」とは違う、独特の満足感。以来、この同人誌は、ずっと本棚の中でも「保存する用」を分類している一角に刺さっている。
夏には3冊目も発行され、その安定感のある作画とキャラクター設定に、また興奮した。グッズや、フィギュア化などの情報も見てはいた。でも、ぐっと作者に会って話を聞きたい<ひっかかり>ができたのは、写真集の発売である。タイトルは、やっぱり『嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい写真集』(一迅社)。1日に一度はチェックしているニュースサイト・アキバブログで、その表紙を見て瞬時に<ひっかかり>ができた。写真集のカメラマンは青山裕企。フェテッシュな能の痺れを生む『スクールガール・コンプレックス』『絶対領域』で知られる人物。カメラマンの腕か、モデルの力量か。とにかく、ルーティンでやっている雰囲気ではない、まさにイラストの世界が三次元になったらこうなるという姿がそこにはあった。
そこまで、カメラマンやモデルを本気にさせる作品力。それが、同人誌で発売された3冊のイラスト集。そして、1冊のマンガにはあるのだと、確信させる。そんなことに気づけば、インタビューをせずにはいられない。
どんな人が描いてるのだろう。
どうやって、このテーマにたどり着いたのか。
どんなパンツが好きなのか。
こんなに人気を得ていることを、どう思っているのか。
これまでどんな人生を送ってきたのか。
聞いてみたいことは次々と浮かぶ。何よりも、イラストを見た時に改めて感じる燃えるようなもの。フィギュアやグッズ、写真集へと、次々と燃え広がっていく、熱いものの根源を見たいと思ってやまなかったのだ。
午前中。前日に、とらのあなで見た、圧倒的な話題作であることを、ひと目で理解させる陳列を思い出しつつ、質問項目を整理する。整理しながら、改めてイラストを見る。そして、マンガも。
「こんな、グッと引き込まれてしまう世界を生み出せる人がいるのか」
いったい、どんな人がこれを描いているのだろう。その好奇心は止まるところを知らない。
あまりに、やる気があったのか。
待ち合わせが2時なのに、1時間も早く到着してしまった都内某所の珈琲店。インタビューの相手に、都合のよい待ち合わせ場所を聞いて、池袋を指定される。必ず使うのは、だいたい、この店になる。入口の間口の狭さに反して、地下に広がるフロアは広い。混雑しているはずなのに、だいたいいつも、待たずに案内される。喫茶店で待ち合わせる時には、30分前と決めている。でも、1時間前は、さすがに早すぎだ。
20代前半くらいの、笑顔がチャーミングなショートヘアのウエイトレスに案内されて席につく。アイスコーヒーを注文し、じっと待つことにする。机の上には、付箋をつけた同人誌。レコーダー。ボールペンとノート。レコーダーの電池を確認した後は、何もしないでじっと待つ。突然、相手が後ろから来るかもしれないから、スマホを弄るのも厳禁。
存外に早く来たような気もしたが、ノートにメモした質問項目を改めて見ていると、すぐに時間は経っていく。
時計を見ると14時。それから5分ほどして、電話が鳴る。
「いま、入口にいるのですが、どちらにいらっしゃいますか?」
礼儀正しい電話の声。席を立って、通路に出ると、清廉な雰囲気の青年の姿を見つけた。
席に座って、互いに名刺交換をしていると、ウェイトレスが注文を取りに来る。40原は、少し考えてからアイスティーを注文する。
「お待ちくださいませ」
うわべだけではない、心のこもった丁寧なしぐさ。でも、ふっとテーブルの上に目をやって「しまった」と、心の中で呟く。テーブルに置かれた『嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい本』。シリーズ1冊目の表紙に描かれている嫌な顔をした女のコはメイド。デザインが異なるとはいえ、この珈琲店のウェイトレスの制服は、レトロなメイド風味。自ずと少しばつが悪い顔をしてしまう瞬間。その空気を変える40原の一言。
「ボクも、この店を打ち合わせでよく使ってるんです。フィギュアのサンプルとかも広げたりしてますしね」
裏表のない笑顔が、場の空気を一瞬で穏やかなものに変える。刹那、あたりを見回す。隣のテーブルには、出張らしき気の張ったサラリーマンが2人。あとは、かしましい老女たちのグループに、老人たち。賑やかな店の中で、このテーブルは、とりわけ和んだ雰囲気があった。
それは、40原の立ち振る舞い。口から出る言葉や態度は、もう10も20も年齢を重ねているかのように落ち着いている。同人誌は合計4タイトルで7万部以上売れている。商業出版になった写真集も話題沸騰。ときどき新作イラストがアップされるTwitterのフォロワー数は10万人に届こうとしている。ありきたりだが、若くして実力を認められて、名声も収入も得ている……という表現が、もっともしっくりくる。
だが、数字で具体的に示される評価を前にしても、彼は極めて謙虚だ。自分の仕事の面白さと情熱を語る言葉は膨大。でも、自分の誇ろうとする天狗の鼻は片鱗も見えない。
「こんなに売れると生活が変わったりするんじゃありませんか?」
「それが、この本の売り上げは、ほとんどテをつけていないのです。同人誌の印刷費と、アシスタントしてくれた友人とかに支払っているだけです。売上は、活動を支援してくれるためのものだと思っています。だから、贅沢する……もっといい部屋に住むとか、贅沢な旅行に行くとかはないんですよね。このお金を使って、新しいことをやりたい。ほら、お金を使わないとできないこともあるじゃないですか、人の力を借りなければいけないプロジェクトを立ち上げるとか……」
イラストレーターの仕事の合間の、自分のやりたかったことを試してみたら、たまたま大きくなっただけ。ならば、もっと喜んでもらえるものを考えていきたい。パンツをきっかけに、40原は、そんなことを考えるようになった。この成功も、たまたま思いつきで当たったわけではない。そこへ至る紆余曲折。そして今も、続く次はどんな嫌な顔でパンツを見せてもらうのかの試行錯誤は、止まることを許されない前進だ。そこに、40原は無限の喜びを感じている。
同人誌を通じて、一躍名を轟かせる40原。けれども、最初にパンツ本を頒布した2015年の冬コミまで、コミックマーケットには出展したことがなかった。コミックマーケットへの出展は「嫌な顔されながらおパンツを見せて欲しい」という新ジャンルの誕生と共に生まれた、新たなチャレンジ。
40原のpixivを見てみると、パンツ以前と以後は、まるで別人。pixivに「嫌な顔されながらメイドさんにおパンツ見せてもらいたい」が投稿されたのは、15年6月7日。それ以前のイラストも、二次創作やオリジナルまで膨大だ。精緻に描かれたイラストの美麗さはいうまでもない。けれども、そこにはパンツに見られるような、ぐっと引き込まれるような要素はない。無礼を承知でいえば、ただの上手で綺麗なイラスト……。
その壁が、40原をパンツへと導いたものだった。友人の誘いでオリジナル作品のみの同人誌即売会であるコミティアを知り、出展したのは13年の秋。その頃、既にpixivでイラストを発表していた40原は、美麗なイラストを描けることで、少しずつファンを得ていた。pixivではランキング上位の常連となり、仕事の依頼も舞い込むようになっていた。ならばと思い、最初は100部も売れればいいなと思って刷ったのは同人画集。「最初に行った時に、ゆったりしていて好きだな」と思ったコミティアで、同人誌は着実に売上を伸ばしていった。pixivの閲覧数も同様。それと共に、舞い込む仕事の数も増えてきた。自ずと生活は安定する。
「でも……」
ある日、40原は気づいた。このまま知名度が上がっていくのだろうか。よしんば、知名度が上がっていったとして、40歳になり、50歳になった時、自分は同じようなクオリティの作品を描いて、人気を保つことができているのだろうか。
「この綺麗なのをずっとやっていても、たぶん、ボクって、このままいってもなんにもなんないな……」
pixivでは、日々ランキングが更新される。デイリー、ウィークリー、マンスリー。上位にランクインするのは心地よい。新しい作品をアップロードするたびに、しばらくすると通知欄に、何位にランクインしたかが通知されるのも当たり前になった。新しく自分をフォローしてくれる人も増えていく。評価点もブックマーク(pixivアカウントの所持者が自分のお気に入り作品を保存する機能)の数もうなぎ登りで増えていく。だが、その興奮もやがて薄れて、次第に冷静になっていく。
「今は……」
そんな言葉が、頭をよぎり始める。今は、新しい作品を公開するたびにpixivのランキング上位に入ることができる。でも、pixivだけでも、描き手はどんどんと出てくる。海外に目を向けると、自分より上手いヤツはいくらでもいる。
「勝てない」
そう思った時、40原に新たな挑戦の意志が生まれた。
「もっと、自分の好きなこと、面白いこと。ちょっと自分の我を出してもいいのかなと思ったんです。綺麗なイラストばかりだったので、馬鹿なことをしてみたいな……と。息抜き程度で」
自分の我を出そうと考えた時に、40原の頭に浮かんだのは「ドMが喜びそうなもの」。確かに自分はドMである。だから、ドMが喜びそうなイラストを描くことはできる。でも、ただ女のコにいじめられるだけだでは、どうしようもない。ハードなプレイのイラストを描けば、ドMの人には受けるかもしれない。でも、それは、ニッチな閉じた世界。ドMじゃない人に、ドMの感覚を伝えることにはならない。その前に、パッとみて「自分の趣味じゃないな」と、ブラウザの画面を、そっと閉じられるだけ。そうではなく、自分の「ドMって面白いな」というメッセージを伝える方法はなにか。ああでもない、こうでもないと考えて、たどり着いたのがパンツだった。「なんかパンツってキャッチーで面白いな」と。
時代は変われど、男性が成長する過程で最初に性を意識するもの。それがパンツである。「少年ジャンプ」「コロコロコミック」「コミックボンボン」。そうしたマンガ雑誌に、手を変え品を変えてお色気要素として描かれるのがパンツ。年齢と経験を重ねて、ざまざまな性の嗜好が分岐しても、誰もが必ずといってよいほど、男性の多くが必ず興味を持つアイテム。それに、ドM要素を追加すれば、多くの人にわかってもらえるのではないか。
そして「嫌な顔をしながら」という要素。ここには、40原の独自の哲学がある。
「今の萌えアニメとか萌え絵って、笑顔、愛想を振りまいているのが基本ですよね。それだけっていうのは、何かウソのような気がしていたんです。美少女って、もっといろんな表情を絶対にするじゃないですか。ずっと笑顔で愛想を振りまいているだけの女のコよりも、もっとパーソナルな部分が見えてくるのではないかと考えたんです」
そうして出来上がった、最初の作品。前述のメイドさんのイラストをTwitterにアップロードしたのは、15年5月。反応は、40原の予想を、斜め上から裏切った。それまで、1,000人程度だったフォロワーが、アップロードした、その日のうちに2,000人あまり増えた。
「何これ! みんな面白いと思ってくれているんだ」
反応が熱烈であれば、それに応えようと、創作意欲が燃え上がるのが、描き手というものである。描き手が熱をこめた作品は、ただ見るだけの人をも燃え上がらせる。燎原の火のごとき勢いは止まらない。新しい作品をひとつアップロードするたびに、フォロワーが2,000人増えるようになった。当然、スマートフォンでは通知音が鳴り続ける。音をオフにしても、バイブレーションは止まらない。通知を切って、時々チェックするようにしてみたが「え、通知ってこんな数になるんだ」と、見たこともない数字がいつも表示されるようになった。
それだけ、40原の作品が幅広く受け入れられた理由。そのもっとも重要なことに、決して18禁にはしないという縛りをかけていたことがある。18禁のイラストを描くことには、抵抗がない。でも、18禁にすれば途端にイラストを楽しむ層が絞られてしまうのではないかと考えたのだ。
「18禁にしてしまうと、当然、18歳以下には見られなくなってしまいます。でも、そういうコたちに届けたい……性癖をこじらせてあげたいという思いがあるです。ほら、ボクが小学校の時とか中学生の時に見た、あのドキドキ感。桂正和先生の『I”s』を読んだ時に感じた<なんだ、このパンツのクオリティは!>という驚き。あの感覚を演出したかったんです。それは、新しい扉を開かせるじゃないですか」
単にドM嗜好なのではない。少年の時、パンツで感じたドキドキ感を今も味わいたい。それが、40原の作品のベースになっている。そして、ドMとパンツという組み合わせが図に当たっても、忘れることのない謙虚さ。
「ボクは、人を喜ばせることを怠っていたと思うんです」
単に、当たったことがうれしいのではない。自分が本当に好きなものを、楽しんで描き、それを見た人が喜んでくれている。そこに、とてつもない喜びを感じているのだ。だから、情熱はさらに右肩上がりになっていく。夏にコミックマーケットで頒布した3冊目のイラスト集では「おパンツデータ」というページもつくった。それぞれの女のコが履いているパンツのサイズや素材。当て布の有り無しやデザインなどを、見開きページにまとめているのだ。
「イラストのもとになるパンツは、Amazonなどで買って調べているんです。それで、タグとか見ていたら、こういうのが載っていると妄想が広がると思ったんです」
このアイデアは、見事に成功している。40原の作品には、ほんのりとパンツを履いている女のコの匂いというものがある。ところが、そのデータは、そのパンツが決して架空のものではないことを読者に提示する。その瞬間、フッと読者は鼻で息を吸い込む。そう、広がる妄想が、女のコがはいているパンツ。クロッチの中からから染み出る、生々しい匂いが、あたかも目の前にあるように錯覚させる。
40原のパンツへの愛が、とりわけ色濃くでるのが、ポージングだ。下から煽るとか、正面からとか、ありきたりなポーズに拠ることはない。
「ボクの趣味が色濃く出ていると思うんですけど、ポージングフィギュアを机に置いて眺めています。それで妄想が膨らむじゃないですか。どういう角度で、どうパンツを見せてもらおうかな……。いろいろとフィギュアを動かして、こうじゃないな、腕の角度とかこうしたほうがいいとか考えています。フィギュアは、可動域が決まってるから、描くときはこうしようととか考えます。それから、基本のポージングはこうで、お尻はこうがいいなとか、書き起こして、絵的なウソへと修整していくわけです」
この「絵的なウソ」という言葉に、40原のパンツへのこだわりが込められている。絵心のある人ならば、作品をみればハッと気づく。どのイラストも、焦点の中心にはパンツがある。嫌な顔とパンツが融合した作品だが、まずはパンツありきだ。要は、見せてもらっている側=読者の視点では、こんな物語がある。
パンツが見たくて見たくてたまらない。そして、ついに意中の女のコに「パンツを見せて欲しい」と懇願してしまう。そして、驚き、呆れて、嫌な顔をしつつ、女のコはパンツを見せる。昨年末のコミックマーケットで頒布された『嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい漫画』では、その内面的が順を追って、濃厚に描写されている。
そこでは、女のコとの関係性。募っていく、パンツを見たいという想い、葛藤。いよいよ、パンツを見せて欲しいといわれた時の、女のコの戸惑いと呆れ。そして、いよいよ嫌な顔をされながら見せてもらえるパンツ。わずか12ページの中に、とてつもない濃いドラマが詰まっている。
そうしたドラマは、1枚のイラストで描かれた場合にも、必ず構築されている。イラスト集の場合は、左ページにまとめられているプロフィールや、嫌な顔をした時に吐く言葉。それらを、40原は絵を描きながら暖めていく。
最初に考えるのは、大まかなプロフィール。歯科助手、保母さんといった部分。それを考えた上で、描くキャラクターには、一つの方針ようなものがある。
「ボクは、普段はMのような王道の可愛いコたちにパンツを見せてもらいたいと思っているんです。みんなが可愛いと思う女のコたちに嫌な顔される、罵倒されるから気持ちいいと思うんですよ」
元からSの要素を持っているようなタイプではない。恋愛ギャルゲーの王道ヒロイン的な女のコが、嫌な顔をしながらパンツを見せる。そして、罵倒の言葉を投げかける。そのギャップを演出に重きが置かれている。
だから、表情を考える時の流れも特徴的だ。イラスト集の左ページでは、描かれている女のコたちが、日常で見せている表情がいくつか描かれる。日常の顔を描いてから、時間軸に沿って、嫌な顔を描いているのかと思いきや、これは逆。
「可愛いコからつくると、嫌な顔をさせにくくなるんですよね。自分でつくったキャラクターなので、嫌な顔の度合いが弱くなってしまうんです」
イラストが出来上がり、女のコの表情も描いてから、詳細なプロフィールとセリフを考える。
これは、イラストと同じく重要な部分。例えば、3冊目のイラスト集に描かれた歯科助手さんの場合、こうなっている。
歯科医院で働く20代のお姉さん。
マイペースな性格で甘い物が大好き。
学生の頃から大きな胸がコンプレックス。
気にするあまり逆に強調してしまうことも。
「歯の治療よりも人格を直した方がいいんじゃないですか?」
極めて簡潔な文章。「文章が多いとノイズになっちゃう」。あまり文章が多いと、飽きるし脳内で楽しむ部分が削がれていくというのが、40原のこだわり。
「言葉が長いと、ボク自体が萎えちゃうんですよね。妄想で補完する部分があっていいと思ってます」
だから、目指すのは、できるだけ少ない情報で最大限の表現をすること。
「イラストを描いている間に、ぼやっとイメージはあります。でも、なかなか文章にするのが下手くそで、言葉にアウトプットに時間がかかっています。で、作業を手伝ってくれる<友人>がいるんです。彼は、ぜんぜんオタクじゃなくて、サブカル寄りのキャラなんですが、ボクがばーっと言ってるのを書き留めて、アウトプットしてくれるんです」
手伝ってくれる友人とは、中学生の時からの付き合い。肉体関係でもありそうなほど、濃密な時間を共に過ごして来た仲。だから、40原の、なかなか言葉にできない情熱的なイメージを、的確に言葉にしてくれる。
そうして生まれる作品。でも、女のコの名前だとか年齢、どういう経緯で、パンツを見せる見せないの話になったかは、バッサリと省かれている。それも、40原の考えがあってのこと。今、とりわけ商業でリリースされている作品は、どんなジャンルも説明を語りすぎているのではないかと見ているから。
「長く売れている作品というのは、謎が多かったり、妄想で補完したり、あるいは友達と議論できる要素が多いと思うんです。そうやって語ることも、作品としての醍醐味の一つだと思うんですよね」
現在、40原は30歳。「嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい」にたどり着くまでの道程には、さまざまな希望と偶然とが交錯している。
生まれ育ったのは、三多摩の西武線沿線。ごくごく平凡に育った中で、唯一違っていたのは、父親がレンタルビデオ屋通いを、ほぼ日課にしていたこと。
「父親が、映画が大好きでTSUTAYAによく行ってたんです」
記憶にあるのは、まだ6歳。幼稚園だった時のこと。父親に、何か好きなものを借りていいと言われた。店内を回って、アニメコーナーへ。ふと、見つけたのが『機動警察パトレイバー』。
「パトカーがロボットになってる!」
まだ6歳の40原に『機動警察パトレイバー』が、どんな作品なのか知るよしもなかった。でも、ジャケットに描かれたパトカーと合体したかに見えるロボットは、少年ならではの、好奇心に火をつけた。凡庸な家庭なら「それは、大人のアニメだよ」などと、もっと子ども向けの作品を薦めるもの。でも、そうではなかったのが、40原の幸運だった。
家に帰って、ワクワクしながら観た『機動警察パトレイバー』。思っていたのとは違って、あまりロボットは出てこない。でも、40原は、6歳にして何かに魅入られたように、この作品にハマった。旧OVA版から、テレビ版。新OVA版に、劇場版。
出会ったのは、ちょうど劇場版2が公開される1年ほど前。劇場版2のレンタルが始まった時も、父親に借りてもらおうと楽しみにTSUTAYAに向かった。でも、何度出かけても、すべて貸し出し中。その焦燥感は、少年の胸の中に、期待値をどんどん貯め込んでいった。
「あんなの、6歳くらいの子どもが見るようなものじゃないですよね。でも、レンタルできてからは、何度も見ました。ラストのバトルだけ何回も見たりだとか……」
今でも、押井守は大好きだという40原。
振り返って見た結果といってしまえば、それまでだけれども、もう少年の進むべき人生は、ある程度決まっていたのだと思う。都心のターミナルへつながる最寄り駅の周囲は、少しばかりのチェーン店と古ぼけた商店街。その周囲に、ずっと広がるのは団地と住宅地。三多摩地域の風景は、23区とはまったく違う。都会とも地方都市ともつかない街で、友人たちとつるみながら少年は成長していった。
とりわけ、40原の記憶にあるのは中学生の時に5人ばかりの友人とつくった「プラモデル部」。集まって、ただひらすらにプラモデルを作り続ける、勝手に立ち上げた部活動。高校に進み、水彩画に熱中するようになってからも、やはり集まる仲間は、何か創作をすることに喜びを感じるヤツが多かった。漠然としていた将来の進路も、次第に固まってくる。
「進路を決める時期になって、何人かがアートの専門学校にいく。だったら自分もそうしようと手を挙げたんです」
池袋にある創形美術学校で、3年の学びを終えて、40原が職を得たのはアニメ制作会社だった。まだ20代になって間もない40原がなりたかったのは、イラストレーターであなく、アニメーターだった。だからといって、単に業界の片隅に席を置くことができれば満足なんて、矮小な気持ちはなかった。
自分の力で、アニメーションでひとつの作品をつくりたい。そのための技術が欲しかった。作りたい作品の方向性は、当時の流行からは、かけ離れていた。
「『ロボットカーニバル』とか『迷宮物語』とか。大友克洋とか今敏の作品が、ものすごく好きだったんです」
でも、その第一歩となる動画マンとしての仕事で、彼は早くも挫折した。いや「挫折」ではなく、自分が向いてないと気づいたのだ。まず、動画から原画になるまで1年か2年。そこまでは、下積みの日々。原画も、動画検査があって、二原があって、ようやくたどり着くところ。そこから、キャラクターデザインとか、演出へと進む。自分の作品をつくることができる可能性のあるところまで、たどり着くのは40歳半ば。「長いな。これは飽きちゃう気がするな」。40原の望みは、作品を作ること。おまけに初任給も5万円。コンビニでバイトしたほうがいい金額なのに、先輩からは怒られる。こんな安い給料は、おかしいはずなのに、みんな妙に納得していて、おかしいとすら思わない。
「向いてない。向いてないから……辞めよう」
決断は早かった。
でも、これからどうすればいいのか。
とりえあえず、バイト暮らしの日々が始まった。最初は、個人営業のビデオレンタル店。やたらとアダルトビデオコーナーの大きい店では、興味を惹かれる人間模様が渦巻いていた。毎週1回、必ずアダルトビデオを10本借りていく客。週末になると、仲むつまじげに来ているカップル。その男性のほうが、平日にこっそりとアダルトビデオをレンタルする。家族連れで訪れる父親も、やっぱり一人で来た時には、アダルトコーナーに直行する。そこには、秘め事を覗き見ているような楽しさがあった。
地域では、アダルトビデオの品揃えでは、どこにも負けていなかったその店も、時代の流れと大手チェーンには抗しきれず、あえなく閉店。次に始めたのは、イタリアンが売りのファミレスの厨房。
「1年くらいピザを捏ねていたんですけど、そうすると、次第に責任ができてきて……」
ピザを捏ねるだけなら、楽なアルバイト。でも、バイトでも古株になっていくと、必然的にやるべき仕事は増えていく。釜から出された熱々のピザを素手で皿に載せて、見栄えよく飾り付けする。パスタやら何やらと、どっちを向いても熱くてつらい。フライパンの中で飛び跳ねる油は、時給には見合わない。
これは、やっていられない。
意を決した40原は、就職が決まったとか、なんだかんだ理由をつけて辞めることにした。店長や同僚たちに「おめでとう」と見送られ、むずかゆい思いもしたけど、とにかく脱出には成功した。
次はどうしようと考えて見つけたのは、大型スーパーの品出しだった。深夜の店内で、配送されてきた食品や雑貨を陳列する仕事。深夜のアルバイトで働く同僚には、一風変わった人が多かった。今まで出会ったことのない人々との交流に、少し興味がわきながらバイトしている頃に、震災があった。
「これから、経済も悪くなるから、うちで就職しなよ」
社員の気持ちはうれしかったが、そうしてしまうと、もう絵を仕事にすることができないような気がした。また、なんだかんだ理由をつくって辞めた。
文字通り、浮き草のような時間。「要は、挫折しちゃっていた」と、40原は思い出す。絵を描きたいという思いはあった。だから、絵は描いていた。イラストなのか落書きなのか、自分でもよくわからないものを描いていた。
ただ、幸運にもスキルアップする機会があった。卒業した専門学校からのつながりで、アートプロジェクトを運営する会社でアルバイトをすることになった。
仕事は、所属アーティストのアシスタント。仕事の合間に、自分も絵を描いているといえば、当然、見せる話になる。持参したいくつかの作品を見てもらった。どんな評価を下されるのか、心臓が昂ぶる沈黙の時間。すっと顔をあげたアーティストは、こう言った。
「上手いけど、パソコンの使い方をわかっていないから、教えてあげるよ」
すでに多くの作品で世界的な評価を得ているアーティストにマンツーマンで教わる、CGアートの基礎。それまでは、半ば見よう見まねの自己流だった描き方は、技術を得て、みるみるうちに上達していった。
それでも、まだ浮き草は、根を下ろさなかった。
「これから、どういう風に生きていこうか」
そんな時、作業の合間にネットサーフィンをしていて、ふと一つの取材記事にたどり着いた。それは、マンガ家・西原理恵子が自身の上京してからの青春期を語っているインタビュー記事だった。
美大の門を開いたら、自分が最下位。この世界で勝負するのは無理だっていう、そのくらいの客観性は持ってましたね。
イラストレーターは無理。イラストレーターはもっといい雑誌で絵を描くでしょ。だから、イラストじゃなくてカット描きをやろうと思った。
ミニスカパブでバイトしていると歌舞伎町のスゴイ現実もたくさん目にする。お金がなくて、ああなったらどうしようという気持ちは、後ろからエイリアンが追いかけてくるようなものだから、とりあえず、何も考えずに、「売り込みしかねぇぇぇー」と、ただ焦っていたわけです。
絵の仕事で月30万稼ぐことが目標だった。
それが大学の3年の時にできた。ほんとにうれしかったですね。これで東京でやっていける。もうミニスカパブに行かなくていいんだって。
当時は、1カット600円ぐらいから始まって、次第に1枚3000円ぐらいになった。それを月に100枚描くと30万円。
(nikkei BPnet こうして逆境を越えた
西原理恵子:エロ本のカット描きから始まった仕事。プライド捨てて「売り込みしかない」http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090526/155497/?P=1)
一度最後まで読んで。もう一度頭から読み直して。そして、同じところだけを何度も読んだ。
専門学校を卒業してから、数年間の自分のやってきたことを思い出した。
「ボクは、こんなんじゃダメだ。考え方が間違っている」
自分のふがいなさを嘆いていたのではない。感動していたのだ。アニメーターをやっていた時の自分には、西原のような考え方はなかった。1枚動画を描けば200円。それを月に1,000枚描けば……なんて、考えたこともなかった。何も根拠もないままに「自分の限界はここだ」と心の中で線を引いて、その外へと挑戦していこうとする気概もなかった。
「自分のやりたいことで、食べていこうなんて思うのは間違っている」
自分のやりたいことで食べていくんじゃない。まずは、絵でお金をもらって食べていく。そのことを感がなくてはいけないと思った。
にわかに自信が湧いてきた。「自分と西原さんを比べた時にはどうだろう」。描いている絵のスキルだけで比べたならば、自分のほうがスキルがある。自分のほうが、綺麗で上手な絵を描いているのは間違いない。「西原さんは、自分よりもスキルがないのに、のし上がっている」。だったら……。
「自分は、どうにか食べていく道があるはずだ」
西原が、食べるためにと必死に描いていたのは、エロ雑誌のカット描き。なら、現代にそれに匹敵するものはなんなのだろう。西原は、イラストレーターではなく、カット描きだといっている。そうなのだ。自分には、その視点が描けていた。アルバイトの合間に描いている絵も、作家性のようなものを重視していて、流行の絵がどんなものかなんて、考えたことがなかった。「西原さんが、やったように、今、もっとも使ってもらいやすそうな絵柄とジャンルを探そう」。それは、すぐに見つかった。
40原が、西原の人生に感動をしていた、その頃。すなわち12年頃、急激に市場を拡大させていたのがソーシャルゲーム業界であった。この年の1月に矢野経済研究所が発表した資料では、11年の市場規模は、前年度比1.8倍の2,570億円。さらに、この年には3,429億円まで拡大すると試算されていた。しかも、この金額は広告収入を除いた金額である。拡大する、新興の開拓地であるソーシャルゲーム業界には、次々と資本が投じられ、新しいゲームが開発されていた。一部のゲームでの射幸心を煽るシステムは批判され「廃課金」などといった言葉がネットで見られるようになっていた。批判が殺到するのは、市場が急激に拡大し、誰もが無視できない存在になっていることとコインの裏表だった。
そんなゲームに欠かせないのが、キャラクターの描かれたカード。その描き手がまったく足りず、常に「誰かいないか」という状態。ちょとでも可愛い女のコが描けるならば、瞬く間に引っ張りだこになることができる、まさに「バブル」。そして、このバブルは、企業・エンジニア・イラストレーターなどなど、さまざまな人々が、雲を掴み駆け上がることのできる、またとない機会を与えていた。
「ソーシャルゲームでは、可愛い女のコの絵が足りていない。だったら、それをやろうと思ったんです」
もちろん、自分が可愛い女のコを描くことができるという自信などなかった。むしろ、さまざまなイラストを見ると、自分よりも可愛い女のコを描くことができる人は山のようにいた。でも……。
「この人たちよりも、自分は背景を上手く描くことができるじゃないか」
だから、全体のクオリティでは、可愛い女のコを描くことができる。それを、自分の売りにしよう。
2年余りの間、水面を漂っていた浮き草が、少しずつ根を下ろしていった。
数時間続いたインタビューの中で、40原はずっと楽しそうだった。
自分も大好きなパンツをきっかけに、世界が無限に広がっていっている。大勢の人から寄せられる感想。それをきっかけに、自分では気づかなかった視点を知ることができる。そんな日が続くのが、楽しくて仕方がないようだった。もちろん、普通に絵を楽しんでくれるのもよい。でも、読者一人一人が、違った楽しみ方をしてくれることに、俄然、興味が沸いてくるのだ。
本来、作品はドM向きにつくったつもりである。ところが、ある自分はドSだという人は「女のコは、脅されて嫌々見せているという想像をして楽しんでいる」という感想をくれた。そういう、自分の気づかない楽しみ方をしてくれているのが、とにかくうれしかった。
「いろんな楽しみ方ができるじゃないですか、そういうので妄想して楽しんで欲しい。<今回は、こういう妄想で楽しみました>とか感想がくると、すごくうれしいんです」
自身の作品であるイラストを超えて、フィギュアや、エロライトノベル、写真集と世界は膨張を止めない。自分の作品をあれこれと、他人に使われることに嫌な気持ちなどない。それは、とてもうれしいこと。そして、もしも自分よりも優れた作品「原作よりもよかった」と感想が舞う作品になっても、嫉妬は微塵もない。
「そのほうがコラボした甲斐があるじゃないですか。1+1が2になるんじゃなくて、どんどん大きくしていきたいんです。ラノベは、パラレルワールドと考えて、元ネタにして自由にやってもらいました。こんなコラボを、もっとやりたい」
自分がパイオニアとして、頂点に立とうという欲望などは微塵もない。その世界で、大勢の人が自由に遊んでくれる未来が、40原の目には映っているのだ。やりたいことは、無限に広がる。さまざまな描き手による「嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい」をテーマにしたイラストやマンガ。このテーマだけの同人誌即売会など、アイデアの泉は枯れることを知らない。
「冬コミでは、いろんな作家さんとコラボして合同本を出す予定です」
その目的は、このテーマの「布教」だけではない。「嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい」をきっかけに、さまざまな描き手がいることを知って欲しいのだ。
「ボクの同人誌を買った人は、初めて同人誌を買ったという人もたくさんいます。その中には、普段、同人誌を買わない人が、SNSで知って買っているのも多いんです。同人誌ショップには行くけど、普段は同人誌は買わないという人も買ってるから7万部までいってるのだと思う。そういう人たちに対して、ボクの同人誌だけで満足しないで欲しいんです。いろんな作家さんがいていろんな世界がある。で、同人沼にハマって欲しいと思っています」
さまざま、人生に紆余曲折はあったけれども、自分の原点は、偶然手に取った『機動警察パトレイバー』。少年の頃の自分のように「嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい」を、手に取った人が、それをきっかけに、どんなに面白い作品を生み出してくれるのだろう。未来への期待が、40原に更なる創作へとかき立てている。7万部を超えた同人誌の売上は、もっと大勢の人に楽しいものを伝える機会を提供してくれている。
もちろん、一度は「挫折」した、アニメーションへの意欲も、決して忘れてはいない。
40原は、この上なく瞳を輝かせて言う。
「アニメも、やりたくて仕方がないんです……」
(取材・文=昼間たかし)