野生動物を狩る“トロフィーハンティング”の実態! キリンが解体される現代のモンド映画『サファリ』

 これは現代の首狩り族の物語だ。現代の首狩り族は肌がとても白く、高性能ライフルを持ち歩き、シマウマやヌーといった野生動物を見つけては安全な距離から仕留めてみせる。野生動物の死体を前にした記念写真を誇らしげに撮った後は、束の間の休暇を終えて遠い母国へと帰っていく。戦利品となる野生動物の首や剥ぎ取られた毛皮は、現地人によってきれいに加工され、後ほど輸送されるか、現地にて保管されることになる。ハンティングを主宰する白人オーナー宅は、野生動物たちの剥製ですでにいっぱいだ。ドキュメンタリー映画『サファリ』は、裕福な欧米人たちの高貴な趣味である“トロフィーハンティング”の実態を明らかにしていく。

 アフリカの草原に棲息するライオンやキリンなどの野生動物は狩猟が禁じられていると思いきや、それはかつて狩りを行なうことで生活の糧としていた地元住民に対してのみ。バカンスに来た欧米人たちが数百万円もの料金(動物の希少度によって料金は変動)を支払えば、狩猟は合法的に許可される。狩猟地帯では白人ガイドが付きっきりで獲物となる野生動物を探し、撃つ場所や引き金を引くタイミングまで教えてくれる。しかも、客が仕留めた瞬間、「やった! 大物だ! あんたは誇りだ!」とヨイショまでしてくれる。生きた標的を倒した客は恍惚感に酔いしれ、その間にも白人ガイドの助手をしている地元スタッフが雑草を刈り、死体を動かし、記念写真が撮りやすいように整える。ヌー、ウォーターバック、シマウマたちが次々とトロフィーハンティングの餌食となる。カメラはその様子を淡々と映し出していく。

 本作を撮ったのは、ケニアを舞台にした『パラダイス:愛』(12)などで知られるオーストリア在住の国際派監督ウルリヒ・ザイドル。野生動物たちが狩られるトロフィーハンティングに対し、ザイドル監督が否定的なことはスクリーン越しに伝わってくる。でもなぜ、欧米人は中世の貴族的な狩猟行為を好むのか。その謎を、ザイドル監督のカメラはあぶり出そうとする。白人ハンターは主張する。「我々がお金を払うことで、発展途上国の人々は経済的に潤うことになる。両者にとって有益ではないか」と。まだ幼い面影を残す若いハンターは言う。「年老いた動物や病気の動物がいなくなることで、彼らの繁殖の役にも立っているんだ。ハンティングは動物たちにとっての救済みたいなものだよ」。

 アフリカ諸国へトロフィーハンティングを目的に訪ねるハンターたちの数は年間1万8,500人。アフリカ諸国の収益は年間217億円にもなる。そのため、どの国も積極的にハンティングの許可を出している。収益金は野生動物の保護費に回すというのが建前だが、実際は関係者たちが私服を肥やしているというのが実情らしい。

 アフリカを舞台にした本作を観て思い出すのは、クリント・イーストウッド監督&主演作『ホワイトハンター ブラックハート』(90)だ。『ホワイトハンター』でのイーストウッドは、ハリウッド黄金期の大監督ジョン・ヒューストンに扮している。ヒューストンは冒険活劇『アフリカの女王』(51)の撮影のためにアフリカ南部を訪れるが、巨大なアフリカゾウを狩ることに夢中になっていく。黒人差別やユダヤ人叩きをとことん嫌うリベラリストのヒューストンながら、地上でもっとも高貴な生き物であるゾウを自分の手で仕留めたいという願望から逃れられなくなってしまう。野生動物を狩ることはこの世の罪であることを認めながら、「許可書さえ買えば、誰でも犯せる罪だ。だからこそ、その罪を犯してみたくなる」と心の中に渦巻くドス黒い衝動を抑えることができない。

 ジョン・ヒューストン、そしてクリント・イーストウッドの心の中でとぐろを巻く黒い欲望の正体に、本作のカメラは迫っていく。アフリカゾウは姿を見せないものの、大草原きっての優雅さを誇る大きなキリンが倒されるシーンが後半には待っている。かつては神獣扱いされていたキリンが絶命する瞬間、スクリーンの中の空気は巨大な神木が切り倒れたかのように、おごそかなものになる。だが、空気が凝縮したのは一瞬であり、仕留めた白人ハンターと彼が同伴した美しい妻が満足げな表情で記念撮影を始め、空気はどんよりと弛緩していく。彼ら白人ハンターの普段の職業は本作では明かされないが、トロフィーハンティングに関する資料を読むと、裕福な欧米人、特に医者が多いとある。医者たちは多くの人々の命を救った手で、ライフルを握り、大草原で生きる高貴な野生動物たちを狩っているわけだ。

 カメラはさらにトロフィーハンティングの暗部へと進んでいく。すでに冷たくなった野生動物はトラックに乗せられ、プレハブ風の小屋へと運び込まれる。解体作業に従事するのは地元の人々だ。シマウマの縞模様の毛皮は剥ぎ取られ、大地を駆った頑強な脚は斬り落とされる。そしてキリンはお腹を割かれ、大きな大きな内臓が取り出される。狩りを終えた白人ハンターたちが必要なのは勝利者トロフィーとしての猛獣たちの首、角、毛皮だけであり、残された肉塊は解体作業で汗を流した地元スタッフへの報酬として与えられる。余計なナレーションによる解説はなく、黒い肌をした地元民が黙々と肉をほおばる姿が流れるのみである。白人ハンターたちが雄弁なのに対し、彼らは冷たい視線でカメラをただじっと見つめ返す。

 これは現代の首狩り族の物語だ。多くの欧米人は、心の中に首狩り族を飼っている。そして年に一度か二度のバケーションの際に、心の中の首狩り族を異境の大草原で解き放ってみせる。文明社会から解放された喜びに溢れ、首狩り族は実弾を込めた祝砲を次々と撃ち続ける。心の中に首狩り族を飼っているのは、欧米人だけではない。きっと日本人の心の中にも、黒い衝動は隠されているはずだ。
(文=長野辰次)

『サファリ』
監督/ウルリヒ・ザイドル 脚本/ウルリヒ・ザイドル、ヴェロニカ・フランツ
配給/サニーフィルム 1月27日(土)より渋谷シアター・イメージフォーラム、2月3日(土)よりシネ・リーブル梅田ほか全国ロードショー
WDR Copyrights(c)Vinenna2016
https://www.movie-safari.com

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作家・鈴木光司と貞子は背中合わせの関係だった!! 原作者が語る『リング』が生まれた原風景とは?

 2018年は劇場版『リング』(98)が日本中を震撼させてから20年となる。呪いのビデオから這い出てきた貞子はその後増殖を続け、韓国版やハリウッド版も生まれ、恐怖のウイルスは世界各地へと広まっていった。ハリウッド版の新作『ザ・リング/リバース』の日本公開を1月26日(金)に控え、貞子の生みの親である作家・鈴木光司氏が、『リング』シリーズがロングランヒットする秘密と貞子が誕生した原風景について語った。

──中田秀夫監督が撮った劇場版第1作『リング』で、テレビ画面の中から貞子が這い出てくるシーンはあまりにもインパクトがありました。原作者である鈴木さんは、Jホラーブームを巻き起こしたあの第1作を、どのようにご覧になったんでしょうか?

鈴木 シナリオを事前に読んでいたので、当然、内容は知っていました。面白いことを考えつくなぁと思いましたね。原作小説には貞子がテレビから出てくるシーンはないんです。小説で描いても、貞子の怖さは伝わってきませんしね。映像のよさが活かされた劇場版でした。映像から這い出てきたことで、貞子というキャラクターが定着していったといえるでしょうね。

──そんな貞子の怖さは、ウイルスのように世界へと広まっていった。中田監督が撮った『ザ・リング2』(05)以来となるハリウッド版『ザ・リング/リバース』は、若手のF・ハビエル・グティエレス監督が『リング』シリーズの面白さを汲み取った上で、現代的にアップデートしたものになっています。

鈴木 僕が書いた小説を、ハビエル監督はしっかり読んで研究したなと思いました。ナオミ・ワッツが主演したハリウッド版第1作『ザ・リング』(02)の頃は、まだ僕の小説の英訳が出てなかったんですが、今では英語版も出ているので、今回は、かなり原作を読み込んできたなという印象を受けます。貞子(ハリウッド版ではサマラ)に対する愛情も感じさせ、薄型テレビから出てくるシーンがちゃんと用意されていますしね。

■オカルト現象と科学とのボーダーに潜むもの

 

──主演の若手俳優マチルダ・ルッツとアレックス・ローが序盤は延々といちゃいちゃしているシーンが続くんですが、中盤以降は愛する恋人を呪いによって失うかもしれないという恐怖へと転じていく。実は『リング』シリーズは愛の物語だったことに改めて気づかされました。

鈴木 主演の2人は初々しいカップルで、とてもよかった。確かに『リング』は愛をめぐる物語なんです。原作小説は妻と娘を守るために懸命に闘う父親の物語でした。これを中田監督の劇場版は松嶋菜々子さん演じる母親を主人公にして、母親が息子を呪いから救おうとするドラマにアレンジしたわけです。今回のハリウッド版は恋人を救うためのストーリーになっています。やっぱり、『リング』は愛する人を失うかもしれないという恐怖が描かれているから、多くの人を魅了したんだと思います。小説って、読者の想像力をどれだけ刺激できるかが面白さの決め手になるんです。自分自身の記憶に置き換えることで、物語がリアルに感じられるわけです。映画版も同じで、自分の大切な人がもし残り1週間の命だったらどうしようと考えるから怖く感じるんです。

──コケ脅し的な怖さではないから、『リング』シリーズはロングラン人気を誇っているわけですね。

鈴木 そう思います。愛する人を失うかもしれないという恐怖が、『リング』の骨格なんです。僕は言ってみれば“貞子遣い”なわけなんだけど、貞子自体は別に怖くはないんです。すでにプロ野球のマウンドに登板するようにもなっているわけで(12年と13年のパ・リーグの始球式イベントに貞子が登場)。もう、貞子は面白キャラになっちゃってますからね(笑)。

──今回の逆輸入版『ザ・リング/リバース』は、そんな貞子のキャラぶりを再度ひっくり返してみせたと。今回、オカルト現象を科学的に証明しようとする大学の研究チームが現われるあたりが面白く感じられました。

鈴木 かつてはオカルトと呼ばれたものも、近年は科学的に実証できるようになってきたわけです。例えば大昔、雷は神さまの怒りだと恐れられていたけれど、自然界に発生した静電気だと今ではみんな知っている。でも、科学で全部証明できると信じている人はアホです。まだまだ科学で証明できていないものは、いくらでもあります。

──リアル・高山竜司(『リング』シリーズに登場する天才学者)のレクチャーを受けているような気分になってきました。

鈴木 ハハハ! 宇宙を構成しているのは、ダークマターとかダークエネルギーと呼ばれているものが99%を占めているんです。ですから、我々が理解していると思っている物体も、実はわけのわからないものなんです。そのことが2000年になってから発覚した。大ショックですよ。これまで否定的に見られてきたオカルト現象ですが、科学的に証明できることも充分あると思いますよ。虫の知らせって、あるでしょ? 僕は実際に2度ほど体験しています。大切な人が亡くなる瞬間に、離れた場所にいても、眠っていても胸騒ぎがするわけです。この虫の知らせが宇宙空間だとどうなるんだろうということに、僕は興味があるんです。論理的に考えれば、情報が伝達するのは光よりも速いスピードでは不可能なはず。では5光年先の宇宙で宇宙飛行士が亡くなった場合、虫の知らせは5年の歳月を要するのか、それとも一瞬で感じるのか。もし、一瞬で虫の知らせを感じたのなら、これまでの物理の理論は成り立たなくなります。アインシュタインの相対性理論の上を行くモデルをつくらないと証明することができない。最近の量子力学なんて、以前ならオカルトと呼ばれた世界ですよ。僕が小説にするネタは、まだまだいっぱいある(笑)。

■『リング』に関わった人間はみんな幸せになる!?

 

──劇場版の『リング』シリーズに登場した女優ですが、竹内結子、松嶋菜々子、中谷美紀、深田恭子、仲間由紀恵、石原さとみ……。韓国版ではペ・ドゥナ、ハリウッド版ではナオミ・ワッツと、貞子に関わった後、みんな人気女優となっています。貞子って、実は幸福をもたらす女神じゃないんでしょうか?

鈴木 みんなを幸せにしているのは貞子ではなく、僕なんですよ(笑)。僕は自称「人間パワースポット」なんです。『人間パワースポット 成功と幸せを“引き寄せる”生き方』(角川書店)なんて本も出しています。僕の初代編集担当者は、今では角川映画の責任者ですよ。僕と関わると、みんな売れっ子になるんです。僕がね、いつも心掛けていることは、なるべくみんなが明るくなれるように現場を盛り上げ、いい仕事をして、仕事終わりに旨い酒を呑むための雰囲気づくりです。いい雰囲気の場所から、いいものが生まれる。大相撲みたいに、閉鎖的なことをやってちゃダメ。僕は、小説を書いているとき以外は、どうすればみんなが明るくなるかということばっかり考えているんです。また、そういうことばかり考えていることが人間パワースポットに繋がっているように思います。

──底抜けに明るい性格だから、『リング』のようなホラー小説が書けるんですね。

鈴木 そうですよ。作家の柳美里さんが「あんなに怖い話を書く人は、心の中に暗く不吉なものがあるに違いない」と言ったそうですが、僕の編集担当が「鈴木さんの頭の中は、どこを探しても暗いものがない。天然で明るいだけ」と説明したそうです。「僕の頭の中を空っぽみたいに言うなよ」と、そのとき思ったけど、実際に僕にはコンプレックスがひとつもなく、なんでこんなにいろんなことがうまくいくんだろうと思っている人間なんです。逆に、僕には明るい家族の話が書けません(笑)。

──作家・鈴木光司と貞子は“背中合わせ”の関係なんですね。小学生の頃に文章を書くようになったきっかけがあったそうですが……。

鈴木 小学5~6年のときに初めて小説らしきものを書いて、それが僕の作家デビュー作『楽園』のもとになっています。文章を書くようになったきっかけは、小学4年生の頃にクラスでいじめがあって、その輪の中に僕は入ることができず、疎外感を感じていたんです。そんなとき宮沢賢治の伝記を読んだら、賢治もいじめに遭遇して同じような心境になっていた。自分と同じように感じていた人がいたことがうれしく、それから賢治を真似て詩を書くようになったんです。

──小学校時代の体験が、作家・鈴木光司としての原点であり、『リング』誕生の原風景にもなったといえそうですね?

鈴木 そうですね。確かに、そういう部分はあるかもしれませんね。

──いじめって、どんなに時代を経てもなくなりません。

鈴木 いじめがなくなることはないでしょうね。昔は単純に貧富の差や容姿の違いから起きていたものだったと思いますが、今はいじめの構造が変わってきています。娘たちが通っていた学校でもいじめ問題があったので、ずっと考えていた時期があったんです。いじめの原因がどこにあるかは明白です。家族の問題なんです。いじられる側もいじめる側も、どちらも家庭に問題があることがほとんどで、家庭の崩壊がいじめの原因に繋がっている。いじめは子どもが学校に入学する前から根が張っている深い問題です。それが学校に上がって、ひとクラス30~40人が同じ輪になったときに、いろんな問題が顕在化してくる。いじめる側といじめられる側の立場が、逆転することもありえます。学校の先生が「いじめはダメ」と押さえつけても効果はありません。人間パワースポットみたいな根っから明るい子をうまく輪の中に配置することで、クラスの雰囲気は変わってきます。子どもたちからのボトムアップが重要です。先生がそのことをうまく理解して、子どもたちを配置できればいいんですが、今の先生たちは多忙すぎて、なかなか手が回らないというのが現状でしょう。

──いろんな状況を、作家として論理的に見つめているんですね。『リング』誕生から四半世紀が経ちますが、鈴木さんが感じる“恐怖”に変化はありますか?

鈴木 僕がいちばん怖いのは、やはり愛する家族を失うということ。そういう点では、恐怖の対象は変わっていないように思います。物理的に怖いのは、僕はヨットでよく航海するんですが、夜間に台風に遭遇したときですね。あらがいようのない大自然の怖さは、オカルトどころではないです。ヨットで航海しているときは、船の性能や自分の航海技術や能力で乗り切るしかない。小説や映画の世界で描かれる妄想の怖さは、またそれとは別物でしょうね。妄想は実態がないから、対処のしようがありませんから。『ザ・リング/リバース』で描かれた恐怖は、僕の原作にとても近い。その分、すごく怖いですよ。
(取材・文=長野辰次)

『ザ・リング/リバース』
原作/鈴木光司、映画『リング』
監督/F・ハビエル・グティエレス 脚本/デヴィッド・ルーカ、ヤコブ・アーロン・エステス、アキヴァ・ゴールズマン
出演/マチルダ・ルッツ、アレックス・ロー、ジョニー・ガレッキ、ヴィンセント・ドノフリオ
配給/KADOKAWA 1月26日(金)より全国ロードショー
C)2017 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
http://thering-movie.jp/

●鈴木光司(すずき・こうじ)
1957年静岡県生まれ。慶應大学文学部卒業後、90年に日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞した『楽園』(新潮社)で小説家デビュー。91年に発表した『リング』(角川書店)は横溝正史賞最終選考に残り、ベストセラーに。その続編『らせん』(角川書店)は吉川英治文学新人賞を受賞。『リング』『らせん』は98年に同時映画化され、Jホラーブームを巻き起こした。『リング』はハリウッドで『ザ・リング』として2002年にリメイクされるなど、世界的な人気シリーズとなった。映画原作となった作品に『仄暗い水の底から』『バースデイ』『エス』(いずれも角川書店)などがある。

 

鳥肌実に“Gカップグラドル”葉加瀬マイが嫌悪感……「本当に気持ちが悪かった」

 Gカップのバストで人気急上昇中のグラビアアイドル・葉加瀬マイ。バラエティだけでなく、映画『LIAR GAME』や『踊る大捜査線 THE FINAL』などにも出演し、演技派グラドルとして知られる彼女がついに映画初主演! 『LADY NINJA~青い影~』で、セクシーな忍者姿でアクションを果敢にこなしているのだ。

 この公開を記念して、プロレスラーの坂口征夫や、芸能レポーターながら本作に俳優として出演している阿部祐二らの共演者とともに舞台挨拶に登壇。しかし、同じく共演した鳥肌実に対し、嫌悪感をあらわにした……。

「演技もままならず、不安な要素もたくさんありましたが、精一杯演じさせていただきました」という葉加瀬だが、この役作りのために坂口の道場に足繁く通い、アクションシーンの特訓を受けていたという。

「普通の映画では、アクションシーンで実際に殴ることはありませんが、今回は坂口さんに対して実際に殴る蹴るのアクションをさせていただきました」と、撮影を振り返る。そんな努力の甲斐もあって、初めてとは思えないほどリアルなアクションシーンが完成! 共演する女子プロレスラーの赤井沙希も「葉加瀬さんはバレエの経験があるので、アクションの所作がとてもキレイ。勉強になりました」と、そのセンスに目を丸くした。

 今をときめくGカップ美女の相手役を努めたのが、カルト芸人として知られる鳥肌実。「今回、キ○ガイ博士役を演じました鳥肌です」と、のっけから放送コードに引っかかる発言で笑いを誘うが、肝心の役名が思い出せず「なんだっけ……池田大作じゃなくて……」と、きわどいボケを連発し、関係者をハラハラさせる一幕も。しかし、そんな鳥肌の俳優としての実力はいかがなものか?

「鳥肌さんから発せられる『圧』がものすごくて、本当に気持ちが悪かった……。怖かったです」と撮影時の鳥肌の演技を語る葉加瀬。そんな、“褒め言葉”に対して、鳥肌は「持ち前の変態性を全面に出し、集中してマイさんにまとわりつく演技をしようとしたのに、本当に嫌悪感を抱かれてしまった……」と、落ち込んだ様子を見せていた。

 

鳥肌実に“Gカップグラドル”葉加瀬マイが嫌悪感……「本当に気持ちが悪かった」

 Gカップのバストで人気急上昇中のグラビアアイドル・葉加瀬マイ。バラエティだけでなく、映画『LIAR GAME』や『踊る大捜査線 THE FINAL』などにも出演し、演技派グラドルとして知られる彼女がついに映画初主演! 『LADY NINJA~青い影~』で、セクシーな忍者姿でアクションを果敢にこなしているのだ。

 この公開を記念して、プロレスラーの坂口征夫や、芸能レポーターながら本作に俳優として出演している阿部祐二らの共演者とともに舞台挨拶に登壇。しかし、同じく共演した鳥肌実に対し、嫌悪感をあらわにした……。

「演技もままならず、不安な要素もたくさんありましたが、精一杯演じさせていただきました」という葉加瀬だが、この役作りのために坂口の道場に足繁く通い、アクションシーンの特訓を受けていたという。

「普通の映画では、アクションシーンで実際に殴ることはありませんが、今回は坂口さんに対して実際に殴る蹴るのアクションをさせていただきました」と、撮影を振り返る。そんな努力の甲斐もあって、初めてとは思えないほどリアルなアクションシーンが完成! 共演する女子プロレスラーの赤井沙希も「葉加瀬さんはバレエの経験があるので、アクションの所作がとてもキレイ。勉強になりました」と、そのセンスに目を丸くした。

 今をときめくGカップ美女の相手役を努めたのが、カルト芸人として知られる鳥肌実。「今回、キ○ガイ博士役を演じました鳥肌です」と、のっけから放送コードに引っかかる発言で笑いを誘うが、肝心の役名が思い出せず「なんだっけ……池田大作じゃなくて……」と、きわどいボケを連発し、関係者をハラハラさせる一幕も。しかし、そんな鳥肌の俳優としての実力はいかがなものか?

「鳥肌さんから発せられる『圧』がものすごくて、本当に気持ちが悪かった……。怖かったです」と撮影時の鳥肌の演技を語る葉加瀬。そんな、“褒め言葉”に対して、鳥肌は「持ち前の変態性を全面に出し、集中してマイさんにまとわりつく演技をしようとしたのに、本当に嫌悪感を抱かれてしまった……」と、落ち込んだ様子を見せていた。

 

知らなかったでは済まない人種差別の深すぎる闇! 警官が丸腰の市民を虐殺した史実『デトロイト』

 スプリームス、ジャクソン5、スティーヴィー・ワンダーら人気アーティストを擁したモータウン・サウンドは、広く多くの人に愛され続けている。自動車の街(モーター・タウン)デトロイトが発祥の地であり、白人向けのポップスと黒人音楽であるソウルミュージックを融合させたモータウンは、自動車産業で栄えたデトロイトを象徴する文化だった。だが、1972年にはモータウンはLAへとレーベルを移し、80年代には日本車ブームの煽りを受け、デトロイトは次第に活気を失っていく。クリント・イーストウッド監督が『グラン・トリノ』(08)で描いたような荒廃した街へと変わってしまう。米国を代表する大都市だったデトロイトは、どのようなきっかけで坂道を下り始めたのか? キャスリン・ビグロー監督の最新作『デトロイト』は、その元凶となった“デトロイト暴動”の真相をリアルに描き出している。

 1967年に起きたデトロイト暴動は死者43名、負傷者1,100人以上に及んだ大規模暴動だった。この事件の引き金は、92年に起きたロス暴動と同じく“人種差別”をめぐる軋轢だった。自動車産業の発展は南部を離れた黒人層などの安い労働力の流入を招き、そのことを嫌った白人層が街を出たため、都市中心部の空洞化、スラム化が進んでいた。白人警官たちは街に新たに住み始めた黒人たちを蔑視し、ことあるごとに警察犬をけしかけ、警棒で殴りつけた。ベトナム戦争から帰還した黒人兵を慰労するパーティーの場で、両者の遺恨が爆発する。警察の横暴な取り締りに対し、黒人たちは投石や白人が経営する店への放火で応じた。たちまち街は戦場さながらの大混乱に陥り、ミシガン州兵が出動する騒ぎに発展していく。

 大晦日の『絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時』(日本テレビ系)でダウンタウン浜田が扮していたのは、『ビバリーヒルズ・コップ』(84)に主演していた頃のエディ・マーフィーだった。『ビバリーヒルズ~』でのエディ・マーフィーは、デトロイト市警所属の不良あがりのはみだし刑事という役どころ。デトロイト暴動のさなか、このデトロイト市警が犯した大問題が「アルジェ・モーテル事件」である。デトロイト市警の白人警官たちは、アルジェ・モーテルに泊まっていた無抵抗の黒人男性たちを次々と射殺している。モーテルにいた黒人男性客のひとりが、道路で待機していた州兵に向かって悪戯心でおもちゃの拳銃を鳴らしたため、「スナイパーが潜んでいる」と勘違いした白人警官たちが雪崩れ込み、モーテルに偶然居合わせた客たちは恐怖のドン底を味わう。

 キャスリン・ビグロー監督は、イラク戦争を舞台にした『ハート・ロッカー』(08)ではいつ作動するかわからない爆破装置の解除にあたる米軍爆弾処理班の命懸けの作業を、『ゼロ・ダーク・サーティ』(12)ではビン・ラディン一家が米軍特殊部隊によって殺戮される様子を、息が詰まるほどの超リアリズム演出で再現してみせた。本作でもアルジェ・モーテルで起きた白人警官たちによる尋問という名の虐待行為を、40分間にわたって延々と描く。実際に事件現場に居合わせたサバイバーたちの証言をもとに、“薮の中”を照らし出してみせる。

 アルジェ・モーテルに駆け付けた白人警官クラウス(ウィル・ポールター)は普段から差別的言動が問題視されていたが、暴動で人手が足らずに現場へ駆り出されていた。おもちゃのピストルを鳴らしただけなのに、大騒ぎになったことにビビった黒人青年カール(ジェイソン・ミッチェル)が逃げ出そうとするのを見て、クラウスは背後から問答無用で射殺してしまう。だが、モーテル内をいくら探しても、本物の銃はどこにもない。クラウスは落ち着いた仕草で、カールの死体の横にナイフを置く。「ナイフで襲ってきたので、仕方なく撃った。正当防衛だった」と言い訳するためだ。無政府状態となった街では、暴力だけが正義だった。

 この日、デトロイトきっての大劇場でステージデビューを果たす予定だった男性グループ「ドラマティックス」のリードボーカルであるラリー(アルジー・スミス)も、このモーテルにいた。ステージを成功させれば、モータウン・レーベルのお偉いさんに認められ、メジャー契約できるはずだった。だが、ラリーの思い描いていたアメリカンドリームは、はかない夢で終わってしまう。暴動の余波でステージが中止となり、さらに混乱を避けるために逃げ込んだモーテルで次々と黒人客が殺される現場に立ち会ってしまう。白人のために、もう歌は歌えない。そう思わせるほど、白人警官たちによる暴行は陰惨さを極めていた。

 その夜、地獄の恐怖を味わったのは黒人客だけではなかった。モーテルに泊まっていた若い白人女性のジュリー(ハンナ・マリー)とカレン(ケイトリン・デヴァー)もまた辱めを受ける。モーテルの一室で白人女性が若い黒人と一緒にいたことが、クラウスたち白人警官には許せなかったのだ。だが、これはクラウスの個人的な感情ではなかった。米国南部では「ジム・クロウ法」という州法が1960年代前半まで定められており、黒人と白人との結婚や性行為は禁じられ、白人が利用するホテルやレストランに黒人が入ることも許されていなかった。ジム・クロウ法は人種隔離を公然と認めた悪法であり、また白人が顔を黒塗りして演じた大衆演劇「ミンストレル・ショー」の中での無知な黒人キャラクターの名前がジム・クロウだった。日本人タレントのブラックフェイス・パフォーマンスに欧米人が顔をしかめるのは、このことを連想させるからだ。

 悪戯がきっかけで根深い差別意識が首をもたげ、さらには事件を口封じするために、モーテルに泊まっていた黒人たちは血祭りにされていく。事件に巻き込まれるのを嫌って、現場にいた州兵たちはさっさと引き揚げていった。近くのスーパーマーケットの警備員をしていた黒人男性のディスミュークス(ジョン・ボイエガ)は、この事態を最小限に食い止めようと努めるが、逆に殺人罪の濡れ衣を着せられるはめに陥る。裁判になれば、クラウスたち白人警官はもう安泰だった。裁判所の判事も陪審員たちも、みんな白人。黒人を射殺した白人警官に有罪判決が下ることはまずなかった。

 リンカーン大統領による奴隷解放宣言が1862年。それから約100年後の1964年に公民権法が成立し、悪法ジム・クロウ法はようやく廃止される。だが、依然として差別意識は残り、デトロイトほか各地で暴動が起きてしまった。公民権運動を指導したマーティン・ルーサー・キング牧師は、デトロイト暴動の翌年1968年に貧困階級の白人男性に射殺されてしまう。キング牧師は「私には夢がある。いつの日か、私の幼い子どもたちが肌の色ではなく、人格の中身によって評価される国で暮らすという夢が」という有名な言葉を残したが、その夢は依然として叶えられてはいない。

 デトロイト暴動後、「ドラマティックス」は地元のモータウンではなく、別のレーベルからメジャーデビューを果たす。だが、メジャーデビューしたメンバーの中に、リードボーカルだったラリーの姿はなかった。ラリーは商業音楽の世界で歌うことをやめ、教会のゴスペルシンガーとして活動することになる。ラリーにとって、音楽は神に捧げるための神聖なものだった。1967年の夏に起きた暴動は、ラリーの人生を、そしてデトロイトという街そのものを大きく変えてしまった。
(文=長野辰次)

『デトロイト』
監督/キャスリン・ビグロー 脚本/マーク・ボール
出演/ジョン・ボイエガ、ウィル・ポールター、アルジー・スミス、ジェイコブ・ラティモア、ジェイソン・ミッチェル、ハンナ・マリー、ケイトリン・デヴァー、ジャック・レイナー、ベン・オトゥール、ネイサン・デイヴィス・ジュニア、アレックス・スミス、デヴィッド・ケリー
配給/ロングライド 1月26日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開
C)2017 SHEPARD DOG, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
http://www.longride.jp/detroit

 

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知らなかったでは済まない人種差別の深すぎる闇! 警官が丸腰の市民を虐殺した史実『デトロイト』

 スプリームス、ジャクソン5、スティーヴィー・ワンダーら人気アーティストを擁したモータウン・サウンドは、広く多くの人に愛され続けている。自動車の街(モーター・タウン)デトロイトが発祥の地であり、白人向けのポップスと黒人音楽であるソウルミュージックを融合させたモータウンは、自動車産業で栄えたデトロイトを象徴する文化だった。だが、1972年にはモータウンはLAへとレーベルを移し、80年代には日本車ブームの煽りを受け、デトロイトは次第に活気を失っていく。クリント・イーストウッド監督が『グラン・トリノ』(08)で描いたような荒廃した街へと変わってしまう。米国を代表する大都市だったデトロイトは、どのようなきっかけで坂道を下り始めたのか? キャスリン・ビグロー監督の最新作『デトロイト』は、その元凶となった“デトロイト暴動”の真相をリアルに描き出している。

 1967年に起きたデトロイト暴動は死者43名、負傷者1,100人以上に及んだ大規模暴動だった。この事件の引き金は、92年に起きたロス暴動と同じく“人種差別”をめぐる軋轢だった。自動車産業の発展は南部を離れた黒人層などの安い労働力の流入を招き、そのことを嫌った白人層が街を出たため、都市中心部の空洞化、スラム化が進んでいた。白人警官たちは街に新たに住み始めた黒人たちを蔑視し、ことあるごとに警察犬をけしかけ、警棒で殴りつけた。ベトナム戦争から帰還した黒人兵を慰労するパーティーの場で、両者の遺恨が爆発する。警察の横暴な取り締りに対し、黒人たちは投石や白人が経営する店への放火で応じた。たちまち街は戦場さながらの大混乱に陥り、ミシガン州兵が出動する騒ぎに発展していく。

 大晦日の『絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時』(日本テレビ系)でダウンタウン浜田が扮していたのは、『ビバリーヒルズ・コップ』(84)に主演していた頃のエディ・マーフィーだった。『ビバリーヒルズ~』でのエディ・マーフィーは、デトロイト市警所属の不良あがりのはみだし刑事という役どころ。デトロイト暴動のさなか、このデトロイト市警が犯した大問題が「アルジェ・モーテル事件」である。デトロイト市警の白人警官たちは、アルジェ・モーテルに泊まっていた無抵抗の黒人男性たちを次々と射殺している。モーテルにいた黒人男性客のひとりが、道路で待機していた州兵に向かって悪戯心でおもちゃの拳銃を鳴らしたため、「スナイパーが潜んでいる」と勘違いした白人警官たちが雪崩れ込み、モーテルに偶然居合わせた客たちは恐怖のドン底を味わう。

 キャスリン・ビグロー監督は、イラク戦争を舞台にした『ハート・ロッカー』(08)ではいつ作動するかわからない爆破装置の解除にあたる米軍爆弾処理班の命懸けの作業を、『ゼロ・ダーク・サーティ』(12)ではビン・ラディン一家が米軍特殊部隊によって殺戮される様子を、息が詰まるほどの超リアリズム演出で再現してみせた。本作でもアルジェ・モーテルで起きた白人警官たちによる尋問という名の虐待行為を、40分間にわたって延々と描く。実際に事件現場に居合わせたサバイバーたちの証言をもとに、“薮の中”を照らし出してみせる。

 アルジェ・モーテルに駆け付けた白人警官クラウス(ウィル・ポールター)は普段から差別的言動が問題視されていたが、暴動で人手が足らずに現場へ駆り出されていた。おもちゃのピストルを鳴らしただけなのに、大騒ぎになったことにビビった黒人青年カール(ジェイソン・ミッチェル)が逃げ出そうとするのを見て、クラウスは背後から問答無用で射殺してしまう。だが、モーテル内をいくら探しても、本物の銃はどこにもない。クラウスは落ち着いた仕草で、カールの死体の横にナイフを置く。「ナイフで襲ってきたので、仕方なく撃った。正当防衛だった」と言い訳するためだ。無政府状態となった街では、暴力だけが正義だった。

 この日、デトロイトきっての大劇場でステージデビューを果たす予定だった男性グループ「ドラマティックス」のリードボーカルであるラリー(アルジー・スミス)も、このモーテルにいた。ステージを成功させれば、モータウン・レーベルのお偉いさんに認められ、メジャー契約できるはずだった。だが、ラリーの思い描いていたアメリカンドリームは、はかない夢で終わってしまう。暴動の余波でステージが中止となり、さらに混乱を避けるために逃げ込んだモーテルで次々と黒人客が殺される現場に立ち会ってしまう。白人のために、もう歌は歌えない。そう思わせるほど、白人警官たちによる暴行は陰惨さを極めていた。

 その夜、地獄の恐怖を味わったのは黒人客だけではなかった。モーテルに泊まっていた若い白人女性のジュリー(ハンナ・マリー)とカレン(ケイトリン・デヴァー)もまた辱めを受ける。モーテルの一室で白人女性が若い黒人と一緒にいたことが、クラウスたち白人警官には許せなかったのだ。だが、これはクラウスの個人的な感情ではなかった。米国南部では「ジム・クロウ法」という州法が1960年代前半まで定められており、黒人と白人との結婚や性行為は禁じられ、白人が利用するホテルやレストランに黒人が入ることも許されていなかった。ジム・クロウ法は人種隔離を公然と認めた悪法であり、また白人が顔を黒塗りして演じた大衆演劇「ミンストレル・ショー」の中での無知な黒人キャラクターの名前がジム・クロウだった。日本人タレントのブラックフェイス・パフォーマンスに欧米人が顔をしかめるのは、このことを連想させるからだ。

 悪戯がきっかけで根深い差別意識が首をもたげ、さらには事件を口封じするために、モーテルに泊まっていた黒人たちは血祭りにされていく。事件に巻き込まれるのを嫌って、現場にいた州兵たちはさっさと引き揚げていった。近くのスーパーマーケットの警備員をしていた黒人男性のディスミュークス(ジョン・ボイエガ)は、この事態を最小限に食い止めようと努めるが、逆に殺人罪の濡れ衣を着せられるはめに陥る。裁判になれば、クラウスたち白人警官はもう安泰だった。裁判所の判事も陪審員たちも、みんな白人。黒人を射殺した白人警官に有罪判決が下ることはまずなかった。

 リンカーン大統領による奴隷解放宣言が1862年。それから約100年後の1964年に公民権法が成立し、悪法ジム・クロウ法はようやく廃止される。だが、依然として差別意識は残り、デトロイトほか各地で暴動が起きてしまった。公民権運動を指導したマーティン・ルーサー・キング牧師は、デトロイト暴動の翌年1968年に貧困階級の白人男性に射殺されてしまう。キング牧師は「私には夢がある。いつの日か、私の幼い子どもたちが肌の色ではなく、人格の中身によって評価される国で暮らすという夢が」という有名な言葉を残したが、その夢は依然として叶えられてはいない。

 デトロイト暴動後、「ドラマティックス」は地元のモータウンではなく、別のレーベルからメジャーデビューを果たす。だが、メジャーデビューしたメンバーの中に、リードボーカルだったラリーの姿はなかった。ラリーは商業音楽の世界で歌うことをやめ、教会のゴスペルシンガーとして活動することになる。ラリーにとって、音楽は神に捧げるための神聖なものだった。1967年の夏に起きた暴動は、ラリーの人生を、そしてデトロイトという街そのものを大きく変えてしまった。
(文=長野辰次)

『デトロイト』
監督/キャスリン・ビグロー 脚本/マーク・ボール
出演/ジョン・ボイエガ、ウィル・ポールター、アルジー・スミス、ジェイコブ・ラティモア、ジェイソン・ミッチェル、ハンナ・マリー、ケイトリン・デヴァー、ジャック・レイナー、ベン・オトゥール、ネイサン・デイヴィス・ジュニア、アレックス・スミス、デヴィッド・ケリー
配給/ロングライド 1月26日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開
C)2017 SHEPARD DOG, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
http://www.longride.jp/detroit

 

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永井豪の伝説コミックが完全アニメーション化!! 湯浅版『デビルマン』がヤバすぎるその秘密は?

 カルト的人気を誇る永井豪の伝説コミック『デビルマン』が連載終了から45年の歳月を経て、初めて完全アニメーション化された。平和をむさぼる現人類と2万年の眠りから目覚めた先住人類であるデーモン(悪魔)との壮絶なるサバイバルウォーを描いたSFコミックだが、スケールの大きさから過去にテレビアニメ化(1972年)、実写映画化(2004年)されたものの、衝撃的なエンディングまでを描き切ることはできなかった。だが、1月5日からNetflixにて全世界配信が始まった『DEVILMAN crybaby』(全10話)では、人間の心と悪魔の能力を持った不動明ことデビルマンとサタン率いるデーモン軍団との最終戦争(ハルマゲドン)までを怒濤の展開できっちり描いてみせている。

 映像化不可能と思われていた『デビルマン』の完全アニメーション化をなし得たのは湯浅政明監督。『マインド・ゲーム』(04)で長編監督デビューを果たして以来、数々の傑作アニメーションを生み出してきた天才アニメーターだ。アヌシー国際アニメーション映画祭最高賞受賞作『夜明け告げるルーのうた』(17)でも見せた奔放な演出は、今回も存分に発揮されている。テレビアニメ『ピンポンTHE ANIMATION』(14)でも湯浅監督とタッグを組んだアニプレックス社の新宅洋平プロデューサーに、本作の企画が成立した経緯とテレビアニメとは異なるネット配信アニメの特性について聞いた。

新宅洋平(以下、新宅)「松本大洋さんの人気コミックを原作にした『ピンポン』を終えたとき、通常のコミック原作のアニメ化より一歩先へ行けた手応えを感じたんです。湯浅監督と『また、ぜひやりましょう』という話になったのですが、松本さんの『ピンポン』を上回るような作品はそうそうありません。しばらくは企画会議と称してちょくちょく話し合い、そうして出てきた企画のひとつが『デビルマン』でした。湯浅監督が全世界配信であるNetflixで新作をやるのも面白いんじゃないかと思い、Netflixに湯浅版『デビルマン』を提案したんです。企画が成立したのが2015年ごろ。永井豪先生が2018年で漫画家デビュー50年を迎えるというタイミングも重なり、また永井先生も『この企画なら、僕も観てみたい』と快諾してもらえたんです」

 永井豪原作の『デビルマン』を映像化する上で、セクシャル&バイオレンスな描写は避けて通れない。この点に関してもNetflixを表現の場に選んだことは正解だった。CMを流す企業からのスポンサー料で成り立つ民放テレビと違い、Netflixは視聴者がスポンサーとなり、好きな動画を楽しむことができる。地上波テレビと比べ、表現に関する規制はかなり少ない。

新宅「公共の電波であるテレビでは、深夜枠であっても、流血シーンや人体破壊シーンの表現は難しい。その点、ネット配信であるNetflixは自由度がとても高い。Netflixの担当者から『うちはクリエイターの表現を大切にする』と言ってもらえたのも、心強かったですね。キャラクターを縦横無尽に動かす湯浅監督の魅力を大いに活かすことができたと思います。テレビと違って放送のフォーマットが厳しく決まってないことも良かった。テレビアニメの場合、放送枠に収まらず、大事なシーンを調整せざるを得ないこともあるんですが、今回それはありませんでした。各エピソード24分程度でまとめていますが、第9話では石野卓球さんと七尾旅人さんが歌う特別エンディング曲『今夜だけ』が流れたり、尺の自由度があります。また、完成した第1話を観たときに、あまりに過激な内容だったので驚いたのですが、湯浅監督から『これでも、まだアクセル踏むのは抑えたつもりだよ』と平然と言われ、さすがだなと思いました(笑)。テレビアニメでは不可能なセクシャル&バイオレンスな表現もありますが、あくまでもデビルマンのかっこさよさを描くためのものなんです」

 湯浅監督が2013年に立ち上げたアニメ制作会社「サイエンスSARU」が『DEVILMAN crybaby』の制作を一括受けしていることも注目ポイントだ。「サイエンスSARU」は小さなアニメスタジオながら作業効率のアップに意欲的に取り組んでおり、2017年だけで劇場アニメ『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』、そして『DEVILMAN crybaby』と画期的な3本の長編アニメを完成させている。

新宅「通常のテレビアニメだと、放送スケジュールに間に合うように原画担当、動画担当……と分業化して多くのスタッフで作業を進めていくのですが、『サイエンスSARU』ではアニメーション用ソフトのフラッシュが大きく活用されています。炎や波など同じ動きを表現する場合は、フラッシュを使うことでスピーディーに仕上げることができわけです。『DEVILMAN crybaby』の第1話と第2話はすべてフラッシュで作られています。第3話以降はフラッシュと通常のアニメーションづくりとのハイブリットスタイルですね。『SARU』のプロデューサーがうまく割り振ってくれています。第4話はコンテ・演出・原画を霜山朋久さんが、第9話は小嶋崇史さんが原画のすべてをそれぞれ1人で手掛けました。第5話はデビルデザインも手掛けた押山清高さんが、ほぼ1人で描いています。才能のあるクリエイターにひとつのエピソードの中の多くを託すことによって、クオリティーの高いものに仕上がったのだと思います」

 原作コミックでは描かれなかった主人公・不動明の両親が登場する第4話「明、来て」、原作でも人気の高い妖鳥シレーヌとデビルマンとの死闘を描いた第5話「シレーヌ、君は美しい」、そしてヒロイン・牧村美樹がフィーチャリングされる第9話「地獄へ堕ちろ、人間ども」は、それぞれ“神回”と呼べる迫力がみなぎっている。

「原作を読んだことのない若い世代に、永井先生が20代の頃に描いた『デビルマン』という素晴しい作品があることを知ってもらい、長く受け継いでもらえるようなアニメーションにしようと湯浅監督と企画当初に確認した」と新宅プロデューサーが語る『DEVILMAN crybaby』はかくして完成した。世界190か国(7言語吹替え、字幕23言語対応)に向けて現在配信中で、番組公式ツイッターには、英語、韓国語、フランス語、スペイン語など様々な言葉で熱い感想が届いているという。湯浅監督と新宅プロデューサーとのタッグ歴だけに限らず、日本のアニメーション界においてもマイルストーンな作品となりそうだ。
(取材・文=長野辰次)

『DEVILMAN crybaby』
原作/永井豪『デビルマン』 監督/湯浅政明 脚本/大河内一楼 音楽/牛尾憲輔 キャラクターデザイン/倉島亜由美 デビルデザイン/押山清高 アニメーション制作/サイエンスSARU
主題歌/電気グルーヴ「MAN HUMAN」
特別エンディング/卓球と旅人「今夜だけ」
声の出演/内山昂輝、村瀬歩、潘めぐみ、小清水亜美、田中敦子、小山力也、アヴちゃん(女王蜂)、津田健次郎、KEN THE 390、木村昴、YOUNG DAIS、般若、AFRA
Netflixにて世界同時配信中
c)Go Nagai-Devilman Crybaby Project
devilman-crybaby.com

 

永井豪の伝説コミックが完全アニメーション化!! 湯浅版『デビルマン』がヤバすぎるその秘密は?

 カルト的人気を誇る永井豪の伝説コミック『デビルマン』が連載終了から45年の歳月を経て、初めて完全アニメーション化された。平和をむさぼる現人類と2万年の眠りから目覚めた先住人類であるデーモン(悪魔)との壮絶なるサバイバルウォーを描いたSFコミックだが、スケールの大きさから過去にテレビアニメ化(1972年)、実写映画化(2004年)されたものの、衝撃的なエンディングまでを描き切ることはできなかった。だが、1月5日からNetflixにて全世界配信が始まった『DEVILMAN crybaby』(全10話)では、人間の心と悪魔の能力を持った不動明ことデビルマンとサタン率いるデーモン軍団との最終戦争(ハルマゲドン)までを怒濤の展開できっちり描いてみせている。

 映像化不可能と思われていた『デビルマン』の完全アニメーション化をなし得たのは湯浅政明監督。『マインド・ゲーム』(04)で長編監督デビューを果たして以来、数々の傑作アニメーションを生み出してきた天才アニメーターだ。アヌシー国際アニメーション映画祭最高賞受賞作『夜明け告げるルーのうた』(17)でも見せた奔放な演出は、今回も存分に発揮されている。テレビアニメ『ピンポンTHE ANIMATION』(14)でも湯浅監督とタッグを組んだアニプレックス社の新宅洋平プロデューサーに、本作の企画が成立した経緯とテレビアニメとは異なるネット配信アニメの特性について聞いた。

新宅洋平(以下、新宅)「松本大洋さんの人気コミックを原作にした『ピンポン』を終えたとき、通常のコミック原作のアニメ化より一歩先へ行けた手応えを感じたんです。湯浅監督と『また、ぜひやりましょう』という話になったのですが、松本さんの『ピンポン』を上回るような作品はそうそうありません。しばらくは企画会議と称してちょくちょく話し合い、そうして出てきた企画のひとつが『デビルマン』でした。湯浅監督が全世界配信であるNetflixで新作をやるのも面白いんじゃないかと思い、Netflixに湯浅版『デビルマン』を提案したんです。企画が成立したのが2015年ごろ。永井豪先生が2018年で漫画家デビュー50年を迎えるというタイミングも重なり、また永井先生も『この企画なら、僕も観てみたい』と快諾してもらえたんです」

 永井豪原作の『デビルマン』を映像化する上で、セクシャル&バイオレンスな描写は避けて通れない。この点に関してもNetflixを表現の場に選んだことは正解だった。CMを流す企業からのスポンサー料で成り立つ民放テレビと違い、Netflixは視聴者がスポンサーとなり、好きな動画を楽しむことができる。地上波テレビと比べ、表現に関する規制はかなり少ない。

新宅「公共の電波であるテレビでは、深夜枠であっても、流血シーンや人体破壊シーンの表現は難しい。その点、ネット配信であるNetflixは自由度がとても高い。Netflixの担当者から『うちはクリエイターの表現を大切にする』と言ってもらえたのも、心強かったですね。キャラクターを縦横無尽に動かす湯浅監督の魅力を大いに活かすことができたと思います。テレビと違って放送のフォーマットが厳しく決まってないことも良かった。テレビアニメの場合、放送枠に収まらず、大事なシーンを調整せざるを得ないこともあるんですが、今回それはありませんでした。各エピソード24分程度でまとめていますが、第9話では石野卓球さんと七尾旅人さんが歌う特別エンディング曲『今夜だけ』が流れたり、尺の自由度があります。また、完成した第1話を観たときに、あまりに過激な内容だったので驚いたのですが、湯浅監督から『これでも、まだアクセル踏むのは抑えたつもりだよ』と平然と言われ、さすがだなと思いました(笑)。テレビアニメでは不可能なセクシャル&バイオレンスな表現もありますが、あくまでもデビルマンのかっこさよさを描くためのものなんです」

 湯浅監督が2013年に立ち上げたアニメ制作会社「サイエンスSARU」が『DEVILMAN crybaby』の制作を一括受けしていることも注目ポイントだ。「サイエンスSARU」は小さなアニメスタジオながら作業効率のアップに意欲的に取り組んでおり、2017年だけで劇場アニメ『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』、そして『DEVILMAN crybaby』と画期的な3本の長編アニメを完成させている。

新宅「通常のテレビアニメだと、放送スケジュールに間に合うように原画担当、動画担当……と分業化して多くのスタッフで作業を進めていくのですが、『サイエンスSARU』ではアニメーション用ソフトのフラッシュが大きく活用されています。炎や波など同じ動きを表現する場合は、フラッシュを使うことでスピーディーに仕上げることができわけです。『DEVILMAN crybaby』の第1話と第2話はすべてフラッシュで作られています。第3話以降はフラッシュと通常のアニメーションづくりとのハイブリットスタイルですね。『SARU』のプロデューサーがうまく割り振ってくれています。第4話はコンテ・演出・原画を霜山朋久さんが、第9話は小嶋崇史さんが原画のすべてをそれぞれ1人で手掛けました。第5話はデビルデザインも手掛けた押山清高さんが、ほぼ1人で描いています。才能のあるクリエイターにひとつのエピソードの中の多くを託すことによって、クオリティーの高いものに仕上がったのだと思います」

 原作コミックでは描かれなかった主人公・不動明の両親が登場する第4話「明、来て」、原作でも人気の高い妖鳥シレーヌとデビルマンとの死闘を描いた第5話「シレーヌ、君は美しい」、そしてヒロイン・牧村美樹がフィーチャリングされる第9話「地獄へ堕ちろ、人間ども」は、それぞれ“神回”と呼べる迫力がみなぎっている。

「原作を読んだことのない若い世代に、永井先生が20代の頃に描いた『デビルマン』という素晴しい作品があることを知ってもらい、長く受け継いでもらえるようなアニメーションにしようと湯浅監督と企画当初に確認した」と新宅プロデューサーが語る『DEVILMAN crybaby』はかくして完成した。世界190か国(7言語吹替え、字幕23言語対応)に向けて現在配信中で、番組公式ツイッターには、英語、韓国語、フランス語、スペイン語など様々な言葉で熱い感想が届いているという。湯浅監督と新宅プロデューサーとのタッグ歴だけに限らず、日本のアニメーション界においてもマイルストーンな作品となりそうだ。
(取材・文=長野辰次)

『DEVILMAN crybaby』
原作/永井豪『デビルマン』 監督/湯浅政明 脚本/大河内一楼 音楽/牛尾憲輔 キャラクターデザイン/倉島亜由美 デビルデザイン/押山清高 アニメーション制作/サイエンスSARU
主題歌/電気グルーヴ「MAN HUMAN」
特別エンディング/卓球と旅人「今夜だけ」
声の出演/内山昂輝、村瀬歩、潘めぐみ、小清水亜美、田中敦子、小山力也、アヴちゃん(女王蜂)、津田健次郎、KEN THE 390、木村昴、YOUNG DAIS、般若、AFRA
Netflixにて世界同時配信中
c)Go Nagai-Devilman Crybaby Project
devilman-crybaby.com

 

「主人公がバカ」「ドラマの意味ない」ドラマ化でうんざりされた“人気映画”4作は?

 2018年1月期の“月9ドラマ”としてスタートする、芳根京子主演の『海月姫』(フジテレビ系)。東村アキコの同名漫画を原作に、アニメ化・実写映画化に次ぐ映像化となったが、ファンからは不安視する声が相次いでいる。

「映画『海月姫』が公開されたのは14年12月。主演に能年玲奈(現・のん)を迎えたほか、女装美男子役の菅田将暉、“童貞エリート”役の長谷川博己ら人気俳優が集結しました。またヒャダインこと前山田健一が音楽を手がけ、SEKAI NO OWARIが主題歌・劇中歌を提供したことも話題に。個性的なキャラクターや世界観が一部で評価を受けただけに、再実写化に抵抗を覚えるファンは多いようで、『今回のキャストはイマイチ華がないんだよな』『映画化されたばかりなのに、ドラマまで見ようとは思えない』『映画がヒットしたわけじゃないのになぜドラマ化しようと思ったのか』と、放送前からネガティブな声が目立ちます」(テレビ誌ライター)

『海月姫』と同じように映画公開から短いインターバルで18年にドラマ化されるのが、7月期スタートの土屋太鳳主演ドラマ『チア☆ダン』(TBS系)。

「17年3月に公開された『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』は、チアダンス部の栄光を描いた実話ベースの映画。広瀬すずを主演に迎えた同作は“観客満足度96.9%”(東宝調べ)と評価も高く、興行収入は13憶円を記録しました。しかし、土屋が所属する事務所公式サイトによると、同作は“オリジナルストーリー”になるそうで、ファンからは『なんでオリジナルストーリーでドラマ化するの?』『キャストも内容も違うのに『チア☆ダン』としてドラマ化する意味あるの?』『映画は実話だったから良かったのに』といった声が出ています」(同)

 大ヒットした映画を連続ドラマ化し、批判を浴びた作品はこれまでにもあった。

「一大ブームを巻き起こした漫画『DEATH NOTE』(集英社)は、06年に前・後編で実写映画が公開されており、後編は興行収入52億円という大ヒットを記録。のちにスピンオフ作品も公開されるなど、大きな話題を呼びました。そんなヒットコンテンツを15年にドラマ化したのが日本テレビでしたが、ドラマ化に際して夜神月やL、ニアといった主要人物に設定変更が施されてファンが激怒。『最高につまらないんですけど』『主人公がバカすぎて本当につらい』といった痛烈な感想が相次ぎました」

 同じように映画が興行収入40億円に迫るヒットを記録しながら、低視聴率にあえいだ作品が、08年のドラマ『恋空』(TBS系)だ。

「映画『恋空』は同名ケータイ小説を原作に、新垣結衣と三浦春馬の共演で大ヒットして圧倒的な支持を得ました。それから1年が経過して、同じ監督・脚本家を起用して臨んだドラマ化は、初回視聴率がまさかの5.6%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と大爆死。『正直言ってつまらない』『ありえない展開とありえないキャラのオンパレードだな』『ドラマとして質を上げてほしい』といった評価が並び、そっぽを向かれてしまいました」(同)

 映画が評価されたとしても、安易な“使い回し”のドラマ化ではファンの関心は得られない様子。真摯なドラマ作りを目指してもらいたい。

「主人公がバカ」「ドラマの意味ない」ドラマ化でうんざりされた“人気映画”4作は?

 2018年1月期の“月9ドラマ”としてスタートする、芳根京子主演の『海月姫』(フジテレビ系)。東村アキコの同名漫画を原作に、アニメ化・実写映画化に次ぐ映像化となったが、ファンからは不安視する声が相次いでいる。

「映画『海月姫』が公開されたのは14年12月。主演に能年玲奈(現・のん)を迎えたほか、女装美男子役の菅田将暉、“童貞エリート”役の長谷川博己ら人気俳優が集結しました。またヒャダインこと前山田健一が音楽を手がけ、SEKAI NO OWARIが主題歌・劇中歌を提供したことも話題に。個性的なキャラクターや世界観が一部で評価を受けただけに、再実写化に抵抗を覚えるファンは多いようで、『今回のキャストはイマイチ華がないんだよな』『映画化されたばかりなのに、ドラマまで見ようとは思えない』『映画がヒットしたわけじゃないのになぜドラマ化しようと思ったのか』と、放送前からネガティブな声が目立ちます」(テレビ誌ライター)

『海月姫』と同じように映画公開から短いインターバルで18年にドラマ化されるのが、7月期スタートの土屋太鳳主演ドラマ『チア☆ダン』(TBS系)。

「17年3月に公開された『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』は、チアダンス部の栄光を描いた実話ベースの映画。広瀬すずを主演に迎えた同作は“観客満足度96.9%”(東宝調べ)と評価も高く、興行収入は13憶円を記録しました。しかし、土屋が所属する事務所公式サイトによると、同作は“オリジナルストーリー”になるそうで、ファンからは『なんでオリジナルストーリーでドラマ化するの?』『キャストも内容も違うのに『チア☆ダン』としてドラマ化する意味あるの?』『映画は実話だったから良かったのに』といった声が出ています」(同)

 大ヒットした映画を連続ドラマ化し、批判を浴びた作品はこれまでにもあった。

「一大ブームを巻き起こした漫画『DEATH NOTE』(集英社)は、06年に前・後編で実写映画が公開されており、後編は興行収入52億円という大ヒットを記録。のちにスピンオフ作品も公開されるなど、大きな話題を呼びました。そんなヒットコンテンツを15年にドラマ化したのが日本テレビでしたが、ドラマ化に際して夜神月やL、ニアといった主要人物に設定変更が施されてファンが激怒。『最高につまらないんですけど』『主人公がバカすぎて本当につらい』といった痛烈な感想が相次ぎました」

 同じように映画が興行収入40億円に迫るヒットを記録しながら、低視聴率にあえいだ作品が、08年のドラマ『恋空』(TBS系)だ。

「映画『恋空』は同名ケータイ小説を原作に、新垣結衣と三浦春馬の共演で大ヒットして圧倒的な支持を得ました。それから1年が経過して、同じ監督・脚本家を起用して臨んだドラマ化は、初回視聴率がまさかの5.6%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と大爆死。『正直言ってつまらない』『ありえない展開とありえないキャラのオンパレードだな』『ドラマとして質を上げてほしい』といった評価が並び、そっぽを向かれてしまいました」(同)

 映画が評価されたとしても、安易な“使い回し”のドラマ化ではファンの関心は得られない様子。真摯なドラマ作りを目指してもらいたい。