三木聡監督の新作は“違和感を楽しむファンタジー” あの『大怪獣』についても語る

 ゆる~いギャグの連打についつい気を許してしまうと、いつしか奇妙な異世界の沼にどっぷりハマってしまうことになる。上野樹里主演作『亀は意外と速く泳ぐ』(05年)、麻生久美子主演作『インスタント沼』(09年)などのコメディ映画で知られる三木聡監督の作品はミニシアター系で公開され、熱烈なファンを生み出してきた。オダギリジョー主演の深夜ドラマ『時効警察』シリーズ(テレビ朝日系)も人気を博した。『音量…

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韓国×タイ合作ホラー『女神の継承』ファウンドフッテージ映画を“メタ的”に楽しむ?

『哭声/コクソン』(2016)で知られる韓国の鬼才ナ・ホンジンが原案・プロデュースを務め、タイの監督バンジョン・ピサンタナクーンとタッグを組んだ“祈祷ホラー”映画『女神の継承』が、7月29日から公開される。

 今作は『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(1999)や『パラノーマル・アクティビティ』(2007)、そして今夏話題のNetflix台湾映画『呪詛』(2022)など、いわゆ…

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ナチス体験者が語る『ファイナル アカウント』 怪物よりも恐ろしい存在とは?

 この世界には、モンスターよりも恐ろしいものがいる。そんな現実世界に実在する、モンスターよりも恐ろしいものの正体を暴いてみせたのが、ドキュメンタリー映画『ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言』(原題『Final Account』)だ。第二次世界大戦中、600万人ものユダヤ人が大量虐殺された「ホロコースト」の目撃者たちの証言集となっている。

 アドルフ・ヒトラー率いるナチ党…

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吉岡里帆が盲信的な女性を熱演する、凄惨な沖縄戦を描く力作『島守の塔』

 7月22日より『島守の塔』が公開されている。本作は約20万人、実に県民の4人に1人が犠牲となったという、太平洋戦争末期の沖縄戦を描いた映画だ。

 本作で重要なのは、『二十四の瞳』(1952)や『この世界の片隅に』(2016)がそうだったように、戦争に参加する軍人ではなく、知事や警察部長や県職員、つまりは「…

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『トップガン マーヴェリック』が『タイタニック』超え、『トイ・ストーリー』他アニメ作品がTOP5を席巻! 映画動員ランク

 1986年に公開されたトム・クルーズの代表作『トップガン』の36年ぶりとなる続編『トップガン マーヴェリック』が、全国の映画館動員ランキング(興行通信社調べ、7月2〜8日)で1位に輝いた。

 同作の全米興収は、7月3日の時点でパラマウント・ピクチャーズの歴代記録を保持する『タイタニック』(1997年)を超えて6億192万ドル(約782億円)を突破。日本でも公開7週目にして84億円を突破するなど、大ヒット中だ。

 公開8週目に入っても勢いは止まりそうにないが、夏休み期間中の7月から8月にかけては、邦画・洋画ともに注目作が続々と公開される。はたして、いつまで1位をキープできるだろうか?

 そんな注目作の一つが、今回2位に初ランクインした長編アニメ『バズ・ライトイヤー』だろう。同作は、ディズニーとピクサーが共同制作するフルCGアニメ映画で、『トイ・ストーリー』の人気キャラクターであるバズ・ライトイヤーを主役に据えたスピンオフ作品。7月10日までに動員50万人、興収7億円のヒットを記録し、好調な滑り出しを切っている。

 『トイ・ストーリー』は子どもも楽しめる作品だったが、『バズ・ライトイヤー』について、ネット上では「内容的には、とても大人向けの映画に思える」「アニメ映画というか、SF映画だった! 大人が見たほうが楽しめそう」などと、大人に鑑賞を勧めるような声が多い。

 一方で、「子どもにはわかりづらいけど、大人には物足りない。どっちつかずな感じ」「面白かったけど、もっと大人向けに寄せてもよかったのでは?」などと“中途半端”な印象を持った人も少なくない様子。人気作のスピンオフとあって、いいスタートダッシュを切ったものの、今後の勢いにはやや心配が残るかもしれない。

 3位には、公開2週目の『映画 ゆるキャン△』がランクイン。同名アニメ(テレビ東京系)の劇場版で、女子高生たちが“ゆるくキャンプをする”物語だ。7月16日、山梨県に「道の駅しもべオートキャンプ場〜ゆるキャン△の⾥」がオープンしたほか、静岡県「つま恋リゾート彩の郷」でも同作とのコラボが行われており、劇場以外の場所でもファンを楽しませているようだ。

 続く4位は、伝説のロックシンガー・エルヴィス・プレスリーの生涯を描く、オースティン・バトラー主演作『エルヴィス』が初ランクイン。ネットの評判が高く、「エルヴィスの存在は知っているが、彼の生い立ちは映画で初めて知った」「スターだからこそ波瀾万丈の人生だったんだなあ……」など、エルヴィスを知るきっかけになったという人の声も多い。

 5位は公開4週目の『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』が入っており、TOP5に3本のアニメ作品がランクインする結果となった。

 6位は、是枝裕和監督がソン・ガンホらと韓国で作り上げた『ベイビー・ブローカー』が公開3週目で入った。公開から17日間で興収6億840万円を記録しているが、前週3位からランクダウンしており、動員の伸びは芳しくない様子。

 7月6日配信のニュースサイト「文春オンライン」によれば、韓国では7月7日までに約125万人を動員したものの、観客からは「低評価」が付けられているとか。こうした状況も、日本の興行に影響を与えているのだろうか?

 続く7位には、クリス・ヘムズワースがマーベルの人気キャラクター“ソー”を演じる映画『マイティ・ソー』シリーズの第4弾となる『ソー:ラブ&サンダー』が初ランクインした。同作は、マーベルコミックスにおける“最凶最悪の悪役・サノス”との激闘の後、地球を離れて宇宙で自分探しの旅を続けるソーの前に、全宇宙の神々殲滅を誓う“神殺しのゴア”が現れ、再び壮絶な戦いに身を投じていくさまを描く。

 全米興収は1億4300万ドルを記録し、『トップガン マーヴェリック』を抜いて初登場首位に輝くなど、アメリカでの評判は上々。日本でも、累計動員35万9000人、興収5億8600万円とまずまずのスタートを切っているが、ネット上では「期待はずれだった」「最近のマーベル作品はイマイチだなあ」といった辛らつなコメントも多い。公開が始まったばかりだが、国内ではどこまで記録を伸ばせるだろうか。

 なお、8位は公開8週目のアニメ作品『映画 五等分の花嫁』、9位には公開9週目の『シン・ウルトラマン』が入っており、どちらもロングヒット中。10位には公開3週目の『それいけ!アンパンマン ドロリンとバケ~るカーニバル』がランクインした。

【全国映画動員ランキングトップ10(7月2日~7月8日 、興行通信社調べ)】

1位 トップガン マーヴェリック
2位 バズ・ライトイヤー 
3位 映画 ゆるキャン△
4位 エルヴィス
5位 ドラゴンボール超 スーパーヒーロー
6位 ベイビー・ブローカー
7位 ソー:ラブ&サンダー
8位 映画 五等分の花嫁
9位 シン・ウルトラマン
10位 それいけ!アンパンマン ドロリンとバケ~るカーニバル

本物の元刑事が主演! 迷宮入りした実在の殺人事件を劇映画の中で暴く『とら男』

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※本稿には若干の作品へのネタバレがあります。