『トランスフォーマー/ビースト覚醒』はシリーズのミックス定食的なおいしさ

 8月4日より『トランスフォーマー/ビースト覚醒』が劇場公開中だ。本作はハスブロ社の同名の玩具を題材とした、SFアクション映画『トランスフォーマー』シリーズの通算7作目。その6作目かつスピンオフ作品『バンブルビー』の続編的な立ち位置なのだが、人間のキャラクターは一新され、物語も独立しているので、関連作品をまったく見ていなくても問題なく楽しめるだろう。

 結論から申し上げれば、小…

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カルト教団が題材のアニメ『オオカミの家』、アリ・アスター製作総指揮『骨』と同時併映

 南米チリに実在した「コロニア・ディグニダ」は、アドルフ・ヒトラーを崇拝したドイツ人パウル・シェーファーが設立したカルト系コミュニティとして知られている。入植家族や地元の子どもたちをシェーファーは巧みにマインドコントロールし、1960年代から40年以上にわたり、彼らの労働力を搾取し、児童への性的虐待を重ねた。

 この「コロニア・ディグニダ」を題材にしたストップモーションアニメが…

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新旧キービジュアルを手がけたRokin’Jelly Beanが語る映画『キラーコンドーム』

 世界18か国で翻訳されたドイツの人気コミック作家ラルフ・ケーニッヒの漫画作品を原作とし、1999年1月に日本で初公開されたモンスター映画『キラーコンドーム』。伝説のカルトホラーとして知られる本作が、HDリマスター&ディレクターズカット完全版として、8月4日より全国ロードショーされる。

 初公開当時、大きな注目を集めた本作の日本版ポスター・イラストを担当し、今回のリバイバル上映…

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『Pearl パール』で明らかになった、前作『X エックス』のタイトルの意味

『V/H/S シンドローム』や『サクラメント 死の楽園』など、奇抜な作品で知られるタイ・ウェストが監督・脚本・製作を務めた映画『X エックス』。

『X エックス』は当初から3部作構成のホラーシリーズとして発表されており、前作『X エックス』の続編にあたる今作は、前作に登場する殺人老婆パールを主人公とした前日譚となっている。

 すでに3作目の『MaXXXine』…

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『イビルアイ』の良い意味で意地が悪い、おばあちゃんが怖い系ホラー映画の魅力

 メキシコのホラー映画『イビルアイ』が7月27日より公開中。本作は“定番”と言える恐ろしさがありながら、後述する監督の作家性を生かしたツイストの効いた展開も大きな見どころとなっていた。その魅力を記していこう。

ホラーとして定番の“型”がある

 都会に住む13歳の少女ナラは、奇妙な病気にかかった妹の療養のため、家族とともに田舎の祖母の家…

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Netflix配信『ルーシー・ブラックマン事件』 日本社会の闇に消えた元英国客室乗務員

 ブロンドヘアにブルーアイズ、身長は175cm。六本木にある外国人バーでホステスとして働いていたルーシー・ブラックマンさん(当時21歳)が行方不明になる事件が、2000年7月に起きた。ルーシーさんは来日して、まだ2カ月足らずだった。シドニー五輪を9月に控え、ルーシーさんの消息を求めるポスターが都内各地に張り出されたことを覚えている人は多いのではないだろうか。

 ルーシーさんは日…

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もはや変な笑いが出てくる『ミッション:インポッシブル』最新作の魅力

 7月21日より『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』が公開中だ。すでに世界累計ではシリーズ最高のオープニング記録を樹立しており、その評価もすこぶる高く、米批評サービスRotten Tomatoesでは350人以上による批評家の支持率が96%にまで到達した。

 それも納得の面白さと完成度。トム・クルーズががんばり続ける姿がまたも“史上最高”を更新して…

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東映ビデオが放つ非キラキラ系青春映画『神回』『17歳は止まらない』

 安藤サクラが体を張ってボクシングに挑戦した『百円の恋』(14)、池松壮亮と門脇麦が地下風俗で出逢う『愛の渦』(14)、兄弟間の近親憎悪を描いた窪田正孝主演の『犬猿』(18)……。東映の子会社である東映ビデオは、メジャーな配給会社が手を出さないひと癖もふた癖もある作品をこれまで手掛けてきた。その東映ビデオが、新人監督たちのオリジナル企画の映画をこの夏に2本続けて劇場公開する。

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ピンクに染まる映画「バービー」が米国映画界に新風?徹底したマーケティング戦略

 ファッション界ではショッキング・ピンクが流行して久しいが、この夏、ピンクがさらに勢いづきそうだ。バービー人形のマテル社とタイアップしたコメディー映画「バービー」の劇場公開が7月21日、米国で始まる。

 バービー人形のテーマカラーはピンクで、映画「バービー」もピンク一色だ。バービー人形のようにピンクでコーディネートする「バービーコア」というスタイルが世界に定着し、ピンクは奇抜な…

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名ばかりの「技能実習制度」を問う社会派ブラックコメディ『縁の下のイミグレ』

 制度を作った時の崇高な理想はともかく、今、「技能実習制度」と聞いて、それが「貧しい途上国から来た若者が日本で働きながら技術を習得し、それを母国に持ち帰り、母国の発展のために寄与する仕組み」と言っても額面通りに受け取る人は少ない。

 「実習」とは名ばかりで、実際は中小企業などの人材不足の悩みを解消し、しかもネックの人件費を抑えることができる便利なシステムであることはみな、腹の底…

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