映画『少女は卒業しない』が描く青春の愛おしさ…『桐島』と共通する魅力

 2月23日より『少女は卒業しない』が公開されている。本作は朝井リョウの小説を原作にした高校を舞台にした青春群像劇であり、その時点で映画ファンから根強い支持を得る『桐島、部活やめるってよ』が好きな人におすすめできる。

 しかも描かれるのは「キラキラしているばかりじゃない青春」でもあった。劇中のキャラクターと同年代の若者に観てほしいのはもちろん、同じような青春の記憶がある全ての大…

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『怪盗グルーのミニオン危機一発』に込められた水野晴郎イズム

 先週の一作目に続き、2週連続の放送となる今夜の日本テレビ系『金曜ロードショー』はシリーズ2作目『怪盗グルーのミニオン危機一発』が登場!

 

 前作で月を盗み出すという、最大の大仕事をやってのけた世界一の大怪盗グルーは孤児院から三姉妹を引き取って彼女らの親代わりとなり、大悪党としての過去を捨て去って暮らしていた。そんなグルーの元に悪党としての腕前を見込んで、ある仕…

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『逆転のトライアングル』松本人志が撮るかもしれなかった「有害な男らしさ」

あ、これ「トカゲのおっさん」だ

 カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)受賞、ゴールデングローブ賞作品賞・女優賞受賞、アカデミー賞作品賞・監督賞・脚本賞ノミネート(2023年2月時点)。スウェーデンの監督リューベン・オストルンドの最新作『逆転のトライアングル』に対する輝かしい評価である。そんな同作を観て思った。ダウンタウンの松本人志が、映画初監督作…

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『アントマン&ワスプ:クアントマニア』期待と不安が激しく入り混じるMCUフェーズ5が始動!

 本格的にマルチバース(多元宇宙)の設定を持ち込むための環境作りとして機能させていたのか、それとも世界観を広げ過ぎて迷子にさせていたのか? イマイチ不明だったマーベルのフェーズ4が終了し、ついにフェーズ5~6にかけて展開される「マルチバース・サーガ」に突入!

 そんな重要な1作目に選ばれたのが、2月17日より公開中のマーベル・スタジオ最新作『アントマン&ワスプ:クアント…

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“嘱託殺人”を題材にした犯罪映画『タスカー』絶望の先にあるものは何か?

 ジャン=リュック・ゴダールが死んだ。ヌーベルヴァーグの巨匠は、スイスの自宅で安楽死を選んだ。彼の最期を看取った家族や看護士に「ありがとう、みんな。この最期を実現してくれて……」という言葉を残したそうだ。2022年9月、ゴダールは91歳の生涯にみずから幕を下ろした。尊厳死をテーマにしたフランソワ・オゾン監督のフランス映画『すべてうまくいきますように』も、日本で現在公開されている。安楽死を望む…

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東出昌大、”狩猟生活”が演技に滋味を与える…あの監督の次回作に出演の噂

 2月14日に都内で開催された映画『Winny』の先行上映舞台挨拶に、東出昌大が登壇した。主人公であるファイル共有ソフト「Winny」の開発者である金子勇を演じた東出は、この作品のために18kg増量してえいる。

「唐田えりかとの不倫騒動からの杏との離婚を経て、一時的に活動ペースが鈍化してしまった東出さんですが、演技に対してはこれまで以上に真摯に向き合っています。ハードな役作りも…

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『怪盗グルー』が仕掛けたディズニーではできなかったこと

 今週からの日本テレビ系『金曜ロードショー』は、2週連続ミニオンズだ! まずはシリーズ一作目の『怪盗グルーと月泥棒』をご覧ください。悪党グルーがかわいい(?)子分のミニオンズを率いて、月を盗む悪事に挑むアニメ映画です。

 自称・世紀の大悪党グルーは彼の相棒であるマッドサイエンティスト、ネファリオ博士がバナナ(日本語吹き替え版。原語ではシリアル)から産み出した子分のミニオンズを従…

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木村拓哉『レジェンド&バタフライ』初登場首位も辛辣な評価――映画館動員ランキング

 木村拓哉が主演を務める時代劇エンタテインメント大作『レジェンド&バタフライ』が、全国の映画館動員ランキング(興行通信社調べ、1月27日~2月2日)で1位を獲得した。

 同作は、『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督がメガホンを取り、戦国武将の織田信長の壮絶な人生を、濃姫との関係を軸に描き出す超大型時代劇。濃姫役を綾瀬はるか、濃姫の侍従・福富平太郎貞家役を伊藤英明、濃姫の筆頭侍女・各務野役を中谷美紀がそれぞれ演じている。織田信長という鉄板の題材に加え、木村と綾瀬はじめ豪華キャスティングも話題で、興収もすでに10億円に到達している。

 一方で、純粋に“歴史もの”として同作を見た人からは辛辣な意見も出ており、ネット上では「見に行くと後悔する」といった感想も。一部報道では興収目標が50億円との情報も入っているが、どこまで数字を伸ばせるかに注目だ。

 公開67日を迎えた『THE FIRST SLAM DUNK』は2位にランクイン。『レジェンド&バタフライ』に首位こそ譲ったが、興収100億円、累計動員数はすでに687万人に達し、まだまだ人気を維持している。3位の『すずめの戸締まり』、4位の『ONE PIECE FILM RED』と共に、今後も上位にしぶとく名を連ねそうだ。

 5位は韓国のボーイズグループ・BTSが、昨年10月に釜山で行ったコンサートを収録した『BTS:Yet To Come in Cinemas』が入った。同作は14台のシネマティック専用カメラで撮影されたコンサート映像に加え、生中継時にはなかったメンバーの接近ショットなどを収録。BTSファンにはたまらない内容だろう。

 浅見理都氏の同名コミックを実写化した竹内豊、黒木華主演の『映画 イチケイのカラス』は6位。同作は公開24日間で動員69万人、興収8億9081万円を突破。なお、『エヴァンゲリオン』シリーズなどで知られる庵野秀明監督が友情出演していることも話題になっている。

 7位には人気少女漫画家・岩本ナオ氏の同名コミックをマッドハウス制作でアニメ映画化した『金の国 水の国』が入った。同作は激しく敵対する隣同士の2つの国を舞台に、それぞれの国の思惑に巻き込まれ、偽りの夫婦を演じることになった男女が、両国の戦争を回避しようと奔走するハートフル・ファンタジー・ラブストーリー。賀来賢人と浜辺美波が声優を務めており、SNS上では「2人とも声の演技がうまい」「ハマり役」といった称賛が目立つ。

 ジェームズ・キャメロン監督の最新作『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は8位と前週5位からランクダウン。公開52日間で動員222万人、興収40億円と、数字だけを見ると悪くはないが、世界での興収が2月5日(米国時間)午前の時点で15億3,800万ドルを記録し、『タイタニック』を上回る歴代3位のヒットとなっている。日本国内での興行はやや物足りない結果といえる。

 9位には二宮和也主演の『ラーゲリより愛を込めて』が入った。2月5日時点で興収は22億6688万円を記録しており、最終興収25億も視野に入っているよう。今週はランクインしなかったが、『Dr.コトー診療所』も52日間で動員179万人、興収23億を記録しており、アニメ全盛の時代であることを考えると、邦画の実写作品も健闘しているようだ。

 10位にはS・S・ラージャマウリ監督がインド映画史上最高の製作費を投じて撮り上げたアクション・アドベンチャー超大作『RRR』がランクイン。同作は英国植民地時代のインドを舞台に、それぞれ大きな使命を負う2人の男が出会い、深い友情と過酷な宿命の狭間で繰り広げる“葛藤”と“闘争”の行方を描き出す。同作のヒットをきっかけに、国内でインド映画を見られる機会が増えることにも期待したい。

【全国映画動員ランキングトップ10(1月27日~2月2日 、興行通信社調べ)】
1位  レジェンド&バタフライ
2位  THE FIRST SLAM DUNK
3位  すずめの戸締まり
4位  ONE PIECE FILM RED
5位  BTS:Yet To Come in Cinemas
6位  映画 イチケイのカラス
7位  金の国 水の国 
8位  アバター:ウェイ・オブ・ウォーター
9位  ラーゲリより愛を込めて
10位 RRR

実際にあった修道女の同性愛裁判を描いた映画『ベネデッタ』の圧倒的なエンタメ性

 2月17日よりフランス映画『ベネデッタ』が公開されている。監督は『ロボコップ』や『スターシップ・トゥルーパーズ』などのポール・ヴァーホーベン。17世紀にレズビアン主義で告発された修道女のベネデッタ・カルリーニを追う「実話から着想を得た物語」となっている。
直接的な性描写のためにR18+指定がされており、パッと見のイメージからお堅い印象を持つかもしれないが、さすがはヴァーホーベ…

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『タイタニック』25周年3Dリマスター、満席御礼でも映画関係者は苦笑いのワケ

 日本の映画の歴代興行収入ランキングを眺めると、『鬼滅の刃』『千と千尋の神隠し』『アナと雪の女王』『君の名は。』など、アニメが上位を占めている。その中でポツンと輝くのが、1997年公開の『タイタニック』だ。興行収入262億円で歴代3位に輝く同作の3Dリマスターが現在上映中(2月23日まで)だが、これがとんでもなく混んでいる。

 ネットには、

「どの日もどの時間帯も…

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