自分の郵便物なのに受け取れない? 郵便事故を防ぐ手段を日本郵便に聞いた

 Amazon、楽天などのEC、メルカリなど個人間売買も盛んになり、宅配便は国土交通省調査では約42.5億個もの取り扱いがあった(一日約1,164万個、2017年度)。一方で「宅配便は家にいないといけない」「送料が安い」などの理由で、小物は郵便でやりとりするケースも増えている。しかし、自分に届くはずの郵便物を受け取れないケースがあるのをご存じだろうか。2つの事例をもとに日本郵便に話を聞いた。

引っ越し、結婚、同棲、ルームシェア時にやらかす!

【ケース1】
 彼氏と同棲を始めたAさん。通販で送料が安いからと定形外郵便にしたところ、届きませんでした。「彼氏と苗字が違うから届かなかったのだろうか」とAさん。

日本郵便 郵便物等は実際にご本人が居住している「あて所」に配達します。今回の事例は同棲相手の方の家とのことで、郵便局において居住が確認できている方が「同棲相手の方のみ」であったと推測されます。

 同棲相手の方のお宅に居住している旨の「転居届」を郵便局に提出いただき、居住の事実が確認された場合、配達を開始します。

――もし同棲でなく結婚で、苗字が同じになっていたとしても、Aさんは「転居届」を出す必要があったのでしょうか?

日本郵便 はい。他人様の郵便物を配達してしまう可能性等がございますので、居住確認をさせていただいています。

「転居届」は郵便局内にありますが、インターネットでいつでもお申し込みいただける「e転居」もありますので、ご利用いただければと思います。

【ケース2】
 Bさんは、東京都中央区日本橋蛎殻町に住んでいます。マンションの地図上の正式名称は「日本橋蛎殻町第百十ビルヂング」。しかし建物の入り口には「ラーク日本橋」と書かれており、不動産サイトにも通称が使われていて、普段は通称で郵便物を受け取っています。

 Bさん自身マンションの正式名称を知ったのは転居時でした。役所に転入届を出した際、区役所職員が地図で確認したところ地図上は正式名称で記載されており、保険証の住所には長い正式名称が使われることになりました。

「よく見たら入り口脇に小さく正式名称も書いてあった。おそらく正式名称では「日本橋蛎殻町」が2回も出てきて鬱陶しいからだろう」とBさん。

 後日、Bさん宅に書留が不在通知で届き郵便局に取りに行ったところ、提示した保険証のマンション名(正式名称)と、その郵便物に記載されたマンション名(通称)が異なり、局員から「渡すことができない。先方に返します」と言われてしまいました。

「その後、発送元に説明し再送してもらいとても大変だった。身分証を提示しなくていい自宅なら受け取れたはずだ」とBさんは悔やみます。

日本郵便 自宅ではなく郵便局の窓口において郵便物等を交付する際は、申出人(名宛人)の運転免許証、健康保険証等の本人確認資料の提示を求めております。郵便物等に記載された「住所」、「氏名」を確認することで、郵便物等の正当受取人であるかを確認しています。

 窓口での交付は、郵便物に記載されたあて所への配達と異なり、郵便物の正当受取人であることの確認を、提示された本人確認資料のみで実施する必要があります。

 よって、名称が異なるマンション名では、郵便物等に記載されたマンションと判断できないことがあります。同一住居表示にも異なるマンションが存在する場合もあるのです。

――同一住所に2つのマンションが存在するということもあるんですね。

日本郵便 はい。そのため、郵便物等へのマンション名の記載は、俗称ではなく正しい名称をご記載くださいますようお願いします。

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 Bさんは今後、通称は捨て長い正式名称を使うか、もしくは郵便局に取りに行くのをあきらめるか、ダメ元で役所に保険証の住所を通称に直してもらうかだろう。

 昨今「古い」「長い」とマンション名を変更する動きが特にオーナー変更時にあるようだが、オーナーは住民に余計な手間を増やさないようしっかりと変更手続きを踏んでほしい。

※マンション名は架空のものです。

(文/石徹白未亜 [http://itoshiromia.com/])

事実上、玄関先へ荷物を放置!? 人手不足と再配達のコストの中で「ゆうパック」が考える新たなサービス

 人手不足に苦しむ宅配便業界。ついに業界では禁じ手も是認する動きが始まっている。「ゆうパック」が、事実上、玄関先へ荷物を放置するサービスを計画しているのだ。

「ゆうパック」を運営する日本郵便が、来春にも導入を予定しているサービスは「指定場所配達サービス」というもの。今のところ明らかになっている情報によれば、受取人が不在だった場合、あらかじめ指定した場所であれば自宅の玄関先や車庫などに荷物を置いておくことができるようになるという。

 宅配便業界において、玄関前への放置は、まずあり得ない行為。これまで、受取人が要求しても盗難の恐れがあり責任も取れないことから、行ってはならない行為とされてきた。

 今回の日本郵便が進めるサービスでも、盗難のリスクを考え、当面利用できるのは、同意を得た特定の事業者の荷物だけになる予定。とはいえども、これは宅配便業界において、大きな変化だ。

 同様のサービスは、昨年、アスクルが個人向け通販「LOHACO」で導入。これは購入金額3万円以下に限り、ユーザーがあらかじめ指定しておくと玄関の前や物置の中などに配達した荷物を置いてもらうことができる。

 ここ数年間、宅配便業界における人手不足や、再配達によるコスト増は大きな問題となっている。2016年度の国内の宅配便の取扱個数は約40億1,900万個。その9割以上をヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の3社が占めている。

 業界内でのシェアが増えれば、利益もうなぎのぼりのはず。しかし、そう単純にはいかない。すでに3社ともにキャパシティを大幅に超えているのだ。

「人手を確保するために各社とも時給は、どんどん高くなっています。ヤマト運輸なんて都内では、配達を担うフィールドキャストの時給が1,500円以上のところも。それでも人手は足りていません。ヤマト運輸よりも時給の安い日本郵便が、もっと悲惨なのは当然です」(郵便局関係者)

 そんな状況の中で、もっとも無駄な労力を割かれるのが再配達。すでに、日本郵便では依頼がなければ再配達をしないとして、コスト削減に取り組んでいる。

 わずかな金額で指定した日の指定した時間に、間違いなく荷物が届くのが当たり前となってきた宅配便業界。でも、それ自体が「奇跡」だったということか。
(文=是枝了以)

真偽はいかに?「1位が非正規で2位の正社員に海外旅行贈呈」ツイートに、日本郵便は「事実ではない」

 郵便局が、正社員と非正規との間に差別的な待遇をしていた?

 ひとつのツイートが、真偽をよそに注目を集めている。このツイートは、以下のようなものだ。

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ある年、「年賀ハガキ販売成績全国1位の人には海外旅行が贈られます」と、本社からお達しが来た → 年明けに、「成績1位の人は非正規だったので2位の正社員に旅行が贈呈されました」と、お知らせが来たことがあった #郵便局の思い出

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 郵便局においては、正社員と非正規の間の格差がしばしば問題化しており、これまで幾度となく報道されている。それらがリアリティを持たせたのだろうか。このツイートには、さまざまな「怒り」の反応が寄せられた。

 いわく「それじゃあ、非正規には年賀状とかのノルマ課すなよ?って思うよね」「どんなにがんばっても報われない社会の縮図」というものである。中には「年賀ハガキボイコット運動指導しようかな?」というものまで。

 郵便局では、非正規雇用の社員が正社員に昇格するために、年賀ハガキなどを大量に自腹購入する「自爆営業」が存在したり、正規・非正規を問わず厳しい販売ノルマを命ぜられる場合もあるという。

 とはいえ、発端となったツイートのような、ひどい差別待遇が存在するのだろうか。

 日本郵便株式会社の経営企画部広報室に、この件を問い合わせたところ、ツイートについては全く関知していなかった。いったん、調べた上で連絡する旨を告げられた後、返ってきた反応はこうだった。

「記載のようなことが、行われた事実はありません」

 各郵便局で、販売に対して報奨を行うことはあるが、記載されているようなことが行われた事実はないという。一部ニュースサイトでは、冒頭で示したツイートをもとに日本郵便に批判的な記事が掲載されている。いったい、真相はどこにあるのだろうか。
(文=特別取材班)