
人気アイドルグループ・嵐の櫻井翔が私立高校の校長役を演じるドラマ『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)の第6話が18日に放送され、平均視聴率8.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.6ポイントアップとなりました。
その前回、オープンキャンパスを成功させたことで鳴海涼介(櫻井翔)が率いる京明館高等学校の評価はうなぎ昇り。以前は門前払いも同然だった銀行からの融資もすんなり得られることになり、鳴海は意気揚々と間近に迫った学校説明会の準備を進めます。
その一方、鳴海の出向元である樫松物産の専務・加賀谷圭介(高嶋政伸)は、以前から目の敵にしている鳴海の活躍が気に入りません。何か妨害の手立てを考えようと、京明館高校の教師の中で鳴海・反対派である郷原達輝(荒川良々)を本社に呼びつけます。そして、鳴海の学校改革によって自分の居場所が失われるのではないかと怯える郷原の様子を見たことである計画を思いつき、学校説明会の参加者リストを送るよう郷原に命じるのです。
そうとは知らず学校説明会に臨んだ鳴海は、学力の底上げだけでなく部活動にも積極的に取り組んでいくという理念を語り、集まった保護者たちから好感を得ます。しかし、質疑応答の段になると保護者のひとりから、学力アップのために在職教師のリストラを考えているかどうかという質問を突き付けられてしまうのです。
実はこの質問、加賀谷が指示したもの。京明館高校への出向以前、数々の赤字会社を立て直した実績がある鳴海ですが、リストラは一度もしたことがないのです。しかし、京明館高校の偏差値を今までの44から50に引き上げて進学校にしようというのであれば、教師の質も変わらなければならないハズ。加賀谷は、ビジネスマンとして非情に徹しきれない鳴海の弱点を、他の教師たちも居並ぶ場で攻撃しようという策略を練っていたのでした。
しかし、鳴海は動じません。生徒だけでなく教師の成長も目標に掲げ、リストラは一切考えていないと断言するのです。鳴海の揺るぎない信念を感じ取った質問者が納得し、今後も居場所があるのだと郷原が安心&感動したところで今回は終了となりました。
さて感想。前々回から授業にアクティブ・ラーニング(課題を与えて生徒たちの間で相談させ問題を解かせる教育法)を導入したことで学校全体が活性化されましたが、少しトントン拍子にいきすぎなのではないかと思っていました。そして前回のオープンキャンパスの成功を受けての今回は、さらに話がうまく運び過ぎだと感じてしまいました。オープンキャンパスをきっかけに後輩(中学生)たちからの目を気にするようになり、身だしなみをキレイにするなど在校生たちの意識が変わったという描写がありましたが、高校生ってそんなに単純なものでしょうか。あまりにも素直過ぎると思います。
また、周辺の中学校や予備校での評価が上がるのはまだいいとしても、銀行が手のひらを返したように融資に積極的になるのは違和感がありました。銀行員の対応があまりに一変したため、裏で加賀谷が何か良からぬことを画策したのではないかと訝ったのですが、そんなことはないようです。これまで芳しくなかった評価がたった数ヶ月で劇的に変わったのだとしたら、鳴海はとんでもない敏腕経営者ということになります。
そんな鳴海の有能さを妬んでいるのか、あるいはまだ明かされていない過去の因縁があるためか執拗に妨害工作を行う加賀谷ですが、今回の嫌がらせはかなり含みをもたせた前フリをしていただけに、リストラについての質問だとわかると拍子抜けしてしまいました。わざわざ加賀谷が根回ししなくても、保護者から発せられて然るべき質問なのではないでしょうか。進学率を上げる、部活動を活発化させるなどといった鳴海の大言壮語に対して、「どうやって?」という質問が出ずに感嘆の声ばかりが上がる様子は、まるでマルチ商法のセミナーか何かのようで、リアリティーが感じられませんでした。
雇われ校長として充実した日々を送る鳴海ですが、プライベートでは恋人・松原聡子(多部未華子)のことがおろそかになりがちになってきているようです。そして、その聡子は前回のオープンキャンパスで2年3組担任の真柴ちひろ(蒼井優)と鳴海の関係を疑い、そのちひろは鳴海に好意を抱き始めた様子。しかし、2年2組担任の島津智一(瀬戸康史)と食事をしたことにより生徒の間で交際のウワサを立てられ……と、今回はこれまで以上に各々の恋愛模様が描かれるシーンが多く、それだけ散漫になってしまった印象を受けました。
物語の幅を広げるという意味では恋愛要素も少しは必要かも知れませんが、このドラマに関してはいかにして鳴海が学校改革を推し進めていくかがミソだと思うので、次回以降はあまり脇道に逸れないことを願いたいです。
(文=大羽鴨乃)
