広瀬すずは『anone』で開花する──“大先輩”田中裕子の芝居にも呑まれない「影の魅力」

 広瀬すずが連続ドラマで初主演を務めたのは、2015年の学園ドラマ『学校のカイダン』(日本テレビ系)だった。あれから3年を経て、女優としてみるみる成長しており、人気・実力ともに10代の若手女優の中ではダントツの存在だと言っても過言ではない。

 すでに19年上半期のNHK連続テレビ小説『夏空-なつぞら-』のヒロインも決定しており、女優としての彼女をとりまく環境が、今後、より大きなものとなっていくことは間違いないだろう。

 おそらく所属事務所が長期的な視点で彼女を女優として成長させたいと考えているのだろう。彼女の出演作を見ていると、女優としての将来を考えた上で、役が選択されていると感心する。

 映画では『ちはやふる』(16~18年)や『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』(17年)のような若者向け青春映画に出演する一方、『海街diary』(15年)や『怒り』(16年)のような、作家性の強い文学的なドラマにも出演している。

 中でも、是枝裕和監督の『海街diary』に出演したことは、彼女にとって大きかったように思う。それ以前も女優としての勘の良さや華やかさはあったのだが、『海街diary』以降は、役に没入する力が以前よりも深くなった。その意味で、女優としての大きなターニングポイントだったと言える。こういう作品に定期的に出会えるのは、彼女にとって、とても幸福なことだ。

 そして、次の幸運な作品となりそうなのが、現在、日本テレビ系で水曜夜10時から放送中のドラマ『anone』である。

 本作は『最高の離婚』(フジテレビ系)や『カルテット』(TBS系)で知られる坂元裕二が脚本を手がけるドラマだ。チーフ演出は、作り込んだ重厚な映像に定評のある水田伸生。

 坂元と水田は、同枠で過去に芦田愛菜の出世作となった『Mother』、満島ひかりが貧困に苦しむシングルマザーを演じた『Woman』の2作を手がけている。重厚な社会派ドラマとして高い評価を受けるこのシリーズは、広瀬すずもファンだったそうだが、まさか自分が出演することになるとは思っていなかったらしい。

 広瀬すずが演じるのは、辻沢ハリカという少女。

 両親のいないハリカは、特殊清掃員のアルバイトをしながら、ネットカフェで暮らしていた。

 ハリカには、スマホのゲームアプリで交流している病気の友達がいた。入院中の少年・カノンが手術するには、多額のお金が必要だが、ハリカには何もしてあげることができない。

 そんなある日、ネットカフェで暮らす女友達が、海辺で現金の入ったカバンを見つけたという。ハリカたちはお金を探しに海辺へと向かうのだが、そこから物語は大きく転換していく。

 舞台は日本だが、映像自体はどこか無国籍感があるためか、リアルでありながらもどこかファンタジックな作品だ。物語も二転三転しており、まだ全貌は見えないのだが、この続きがまったく読めない不穏なムードが、物語に強い緊張感を与えていて目が離せない。

 ハリカを演じるにあたって、広瀬は髪をばっさりと切った。ハリカの姿は少女にも少年にも見える中性的なたたずまいだ。まるで、彼女の持つスケボーに描かれている天使のようで、ファンタジックな本作の象徴のような存在である。

 その意味でも、今までにも増して難しい役柄である。彼女自身、どう演じていいのか迷ったらしいが、次屋尚プロデューサーから「今までの広瀬すずでいい」と言われたことで開き直り、今の演技になったという。

 華やかなキャリアを重ねている彼女だが、実は広瀬すずの魅力は光よりも影の部分、今にも消え去ってしまいそうな弱々しさの中にあるのではないかと思う。

『anone』は、そんな彼女の影の部分がとても際立っていて、無表情でぽつんと立っているだけで見ている側を切なくさせる。

 それがよく出ているのが、ハリカの今にも消え去ってしまいそうな自信なさげに語られるか細いナレーションだろう。

 弱々しい声で切ないナレーションをさせると一番上手いと思う女優は深津絵里だと思っていたが、本作の広瀬すずの声は、深津に匹敵する切なさがある。

 カノンとチャットで会話するゲーム場面で、文字を読み上げるダイアローグに感情移入できるのは、彼女の今にも消え去りそうな声があってのものだ。

『anone』が広瀬すずにとって幸運なのは、阿部サダヲ、小林聡美、瑛太、田中裕子といった実力のある先輩俳優と共演できることだろう。

 特に田中裕子との芝居は、彼女にとって大きな経験となるのではないかと思う。

 田中の芝居は圧倒的で掴みどころがないため、我の強い俳優ほど、自分のリズムを崩して田中の世界に呑み込んでしまうところがあるのだが、第2話で広瀬が絡んだ際には、田中の芝居に対し善戦していたように見えた。これは、広瀬の演技が、いい意味で主張が弱いからだろう。

 広瀬を見ていると、主演女優に必要なのは自分を押し通す我の強さではなく、全体を包み込むような、おだやかな輝きだと実感する。ハリカを演じることで、その資質はより開花するはずだ。

 本作で彼女が女優としてどこまで成長するのか? 注目である。
(文=成馬零一)

●なりま・れいいち
1976年生まれ。ライター、ドラマ評論家。ドラマ評を中心に雑誌、ウェブ等で幅広く執筆。単著に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)がある。

◆「女優の花道」過去記事はこちらから◆

山崎賢人と門脇麦に恋愛フラグ立ちまくり! わかりきった展開も、面白味がどんどん増す『トドメの接吻』

 21日放送の山崎賢人主演『トドメの接吻』(日本テレビ系)第3話の平均視聴率は7.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、第2話から0.6ポイント回復! 

 前回は、主人公であるクズなホスト“エイト”こと旺太郎(山崎賢人)が、後輩ホスト・和馬(志尊淳)に「ずっと、好きでした。一緒に死んであげます」と思いもしない形で愛の告白を受け、包丁で刺されてしまうというまさかのヤンデレBL展開&2話目にして謎のキス女(門脇麦)の名前も明らかになるという、飛ばし気味なハイスピード展開でストーリーが進行しましたが、これが功を奏したのでしょうか? 今週もあらすじから振り返っていきたいと思います。

*これまでのレビューはこちらから
 

■スピード展開は変わらずも、予定調和すぎる展開が退屈気味

 

 キス女・宰子の独白により、今話でも早速一つの謎が明らかになります。

 おそらくほとんどの視聴者が気付いていたと思いますが、やはり、宰子は12年前の船の事故で旺太郎と弟が助けた少女でした。そして、学生時代からすでにキスで人を殺め、その相手と同じように自分も7日前にタイムリープする力を持っていた彼女は、これまでなるべく人との関わりを断ち、人目を避けるようにひっそりと生きてきたのです。

 そんなとき、仕事で偶然にも訪れたホストクラブ「ナルキッソス」で、旺太郎のロッカーに毒入りドリンクを仕込む和馬を目撃した宰子は、命を救うために旺太郎にキスをしたのです。あの、ニタァ……という不気味な笑みは、旺太郎を怖がらせないようにという、彼女なりの精一杯の笑顔だったのです。宰子は殺人犯でもストーカーでもなく、人と関わるのが少し苦手な、優しい女の子でした。

 一方、病院に運ばれ一命を取り留めた旺太郎の元に、再び和馬が。テレビのニュースにバッチリ顔も出た殺人犯が、なぜ堂々と病室に入ってこられるのかは置いておいて、彼は自分に「一緒に店をやろう」と言ってくれたエイトが、翌日いきなり姿を消してしまったことに酷く傷ついたようで、そんなクズなエイトを殺すことで、その“クズさ”から解放してあげようと、間違えた優しさを発揮。心中を図るのですが、「勝手に一人で死んでくれ!」という、しごく真っ当なエイトの反論にプッツン。「エイトさんが一番欲しがってるものを一緒に連れて逝きます」と姿をくらませるのでした。

 ということで、絶賛落としにかかっている最中のご令嬢・美尊(新木優子)=100億円を守るため、そしてそんな美尊ちゃんが兄としても、男性としても慕っている様子の尊氏お兄ちゃん(新田真剣佑)からそのポジションを奪うため、脇腹を刺されたばかりでまだそんなに動けないはずの旺太郎が奔走するわけです。

 

■あれ? 不気味だった門脇麦がかわいい……王道のラブコメ展開スタート!?

 

 その後はというと、タイムリープを繰り返して要領を得た旺太郎が、「どうせ死ぬなら大切な人を救って死んでやる」「君のおかげで僕は本当の愛を知ることができたんだ」とかなんとか、かなりおサムいセリフを吐きながら美尊ちゃんを守り、和馬は警察に連行。美尊ちゃんと美尊ちゃんママからの評価を上げて、タイムリープは大成功!……と、お察しの通り今回も予定調和に物語が進行します。

 が、今話で前回から大きく変化したのが、旺太郎と宰子の関係です。これまで宰子に怯えまくっていた旺太郎は、タイムリープして過去をやり直したい一心で、真っ赤なバラの花束を持ってマンションに行ってみたり、高級車で職場まで迎えに行ってドライブに誘ったり、スイーツで気を引こうとしたり、さすがホストと言わんばかりに、あの手この手を使って宰子にキスをせがみます。

 一方、第1話では旺太郎を追い回すただのホラー的存在だった宰子。人との関わりを避けてきた彼女が今度は逃げる番になるわけなんですが、旺太郎に話しかけられるといちいちドギマギするし、歩き方もカクカクしていてぎこちない。でも、いちごとか、スイーツとか、女の子らしいものが好きな一面もあったりして、回を追うごとに人間味が増し、純粋なところがとっても可愛らしく思えてきます。“みんなが憧れるマドンナ”が美尊ちゃんならば、宰子は、“ちょっと冴えないけどなんか放っておけない気になるアイツ”的存在とでも言いましょうか。

 そんな宰子に、「どういう男がタイプなんだよ。もしかして、俺?(ドヤ顔)」と壁ドンしたり、水中で強引にキスしたり(1話ぶり2回目)、前回までとはうってかわって余裕の表情で宰子にグイグイ迫るドSな旺太郎に、女子のみなさんなら思わずときめいてしまったことでしょう。演じているのが少女マンガ原作の映画に出まくりの山崎賢人くんだけに、まるで青春ラブコメ映画を見ているような感覚です。旺太郎と宰子の攻防戦、見ていてなんだかとても微笑ましかった!

 今話のラストでは、旺太郎が宰子に着飾ったホストとしての「エイト」ではない、ダサいジャージにメガネ姿というありのままの姿をアッサリ見せ、「キスをしたら宰子の望みを一つ叶える」という、好きも嫌いもない“成り上がるためだけ”の契約を提案するのですが、これ、フラグ立ちまくりじゃないですか? 公式が“邪道ラブストーリー”を謳っている理由がここでようやくしっくりきました。今後は12年前に船で出会った少年少女であることをまだ知らない2人の関係がどう発展していくのかにも注目です。

 そして今回、もう一つ特筆しておきたいのは、女優・門脇麦の恐ろしさ(褒めてる)。

「こんな力があるせいでみんな私を怖がるしバレたら私は嫌われる。だから私のことを誰も知らないところに引っ越してなるべく人と関わらないで済む仕事をして静かに暮らしていたのに、あなたと関わったばっかりにこんなことになって、それでもあなたを助けたことにはきっと意味があるだって自分に言い聞かせてみたけど、あなたはこんなご馳走を食べられるほどお金を持っているのにそれ以上に欲深くて、静かに暮らしていた私の世界に土足で上がりこもうとするのはやめて!」

 と、宰子が旺太郎に超絶早口で言い放つシーンがあるのですが、宰子のオドオドした感じでなおかつ力強く、セリフも聞き取りやすくてスッと入ってくる。このシーン、まさに圧巻でした(大拍手)。

 

■尊氏、お前も黒なのか……?

 

 さて、前回、怪しげな発言をしていた尊氏お兄ちゃんと、社長秘書であり尊氏の叔父でもある郡次(小市慢太郎)。12年前、社長から破棄するように言われた海難事故の証拠となる防犯カメラのテープを未だに持っていた郡次は、社長が危篤なのをいいことに、テープの存在をチラつかせ、社長となり自分を副社長にするよう尊氏を脅します。きっと、テープには尊氏が他の人には知られたくない“何か”が映っているのでしょう。「父さんが亡くなったら僕は籍を抜いて養子を解消するつもりです」「美尊、結婚しよう」と、サラッとプロポーズをしてみせました。いやぁ、“ゲス”なのは旺太郎だけではなかったようですね。

 12年前の事件の真実に迫っていく一方、今話をキッカケに、今後は“ラブ”展開も大きく動いていきそうな予感の『ドメキス』。来週もどうせタイムリープして、またうまいことやるんでしょ感は拭えませんが、旺太郎、宰子、美尊、尊氏の複雑な恋愛模様を生暖かい目で見守っていきたいと思います。
(文=どらまっ子TAROちゃん)

『メレンゲ』久本雅美“不要論”勃発!? インフル欠席でわかったテレビ業界の率直な意見

 インフルエンザの猛威が芸能界にも吹き荒れている。昨年12月28日に行われた『第30回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞』授賞式をインフルエンザのため欠席したのは、『石原裕次郎新人賞』を受賞した俳優・竹内涼真。その後も感染者が続出し、TOKIO・国分太一は人生初の罹患で『ビビット』(TBS系)を1月5日の生放送から欠席(8日に復帰)。同17日にはフジテレビの海老原優香アナウンサーが『とくダネ!』(フジテレビ系)を欠席、週明けの22日にスタジオに戻ってきた。

 そんな中、また1人、芸能界の大物タレントがインフルエンザに罹患した。それが久本雅美だ。

「1月20日放送の『メレンゲの気持ち』(日本テレビ系)で発覚しました。番組冒頭、スタジオにいたのは、いとうあさこ、Hey!Say!JUMP・伊野尾慧、村上佳菜子の3人だけ。いとうが、『さあ、ここで皆さんに間違い探しです。何か間違ってるね……。答えは? せーの!』と声をかけ、観客からの『久本さんがいなーい』という返事を誘導。その後、久本がインフルエンザであることを明かしました。ちなみに久本が番組を休演するのは、1996年4月のスタート以来初めてのことだそう」(芸能ライター)

 いとうは「この3人で大丈夫?」と、久本がいない不安を口にしていたが、その仕切りぶりは堂に入っていたと、業界内で高評価だという。

「久本は独特の“圧”というか、クセが強いので、どうしても『久本ショー』になりがちです。いとうには、それがないのでゲストもフランクに会話ができていました。また、昨年10月から出演している村上は、VTR振りなどを噛んでしまうことがよくあるのですが、この日はスムーズに言えてました。もちろん経験が浅いこともありますが、普段は隣に久本がいるため緊張しているのかもしれません。さらに伊野尾も、いつもより幾分リラックスしていたように感じます」(放送作家)

 視聴率は7.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、前週の8.6%から0.8ポイント落としてしまったが、「普段からこの程度の上げ下げはあるので誤差の範囲内」だそうだ。

「久本以外の『メレンゲ』MC陣は定期的に交代しています。初代の高木美保と菅野美穂から始まり、松本明子や松浦亜弥、ももいろクローバーZの百田夏菜子など合計で18人も代わってきていますが、いとうは、11年10月から登場して今年で8年目。久本を除いた歴代の司会者の中で最も長くレギュラー出演しています。これは、スタッフがいとうに信頼を置いている何よりの証拠でしょう」(業界関係者)

 また、いとうの業界評について、こんな声も。

「いとうは売れっ子になってからも、昔からの仕事は投げ出さずに行っていました。例えば、コミュニティFMであるレインボータウンFM放送の『いとうあさこのはっぴいParty』。後期にはスケジュールの調整がつかず収録が重なりましたが、売れない頃からお世話になっているからと、ほかの仕事が終わった深夜からでも収録に臨んでいた。ただ、やはりその後、スタッフにこれ以上迷惑をかけられないとやむなく卒業しましたが、若いうちにブレークすることの多い女芸人の中で、彼女は12年以上、下積みを重ねてきた苦労人。おごり高ぶることもありません」(放送作家)

 『メレンゲ』は2本撮りのため、27日放送回も久本はお休みだという。メインを務めるいとうは、さらに評価を上げることになりそうだ。
(村上春虎)

Sexy Zone・中島健人の『ぐるナイ』ゴチ加入は『24時間テレビ』出演への布石か?

『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)の人気企画「ゴチになります!」に新メンバーとしてSexy Zoneの中島健人と橋本環奈の加入が発表された。

「ゴチ」では昨年末に、TOKIO・国分太一と、ナインティナイン・矢部浩之の“クビ”が発表されている。番組のルールにより矢部は1年間の休業となるが、国分は19年間続けたレギュラー枠を卒業となった。

 中島の加入により、ネット上では「ジャニーズ枠あるのか」「なんか、できすぎだな」といった声も聞こえる。なによりセクゾは、日テレと“蜜月”にあるジャニーズアイドルグループである。

「中島は『BAD BOYS J』(13)、『黒崎くんの言いなりになんてならない』(15)と、日本テレビ系のドラマにおいて相次いで主演しています。さらに、セクゾのほかのメンバーでも菊池風磨が『吾輩の部屋である』(17)、佐藤勝利が『49』(13)と日テレ系のドラマで主演していますね」(放送作家)

 こうした露出の多さに加え、今回の中島の「ゴチ」加入で可能性が高まったのが、夏の恒例番組『24時間テレビ』へのセクゾ登場だろう。

「『24時間テレビ』では、毎年ジャニーズタレントがメインパーソナリティを務めています。昨年は櫻井翔、亀梨和也、小山慶一郎の並びですが、通常は特定のグループが務めます。嵐やHey! Say! JUMPはすでに経験していますから、ジャニーズ事務所としては、そろそろSexy Zoneをお披露目したいところでしょう」(同)

 中島の「ゴチ」加入は、本人にバラエティ対応力をつけさせたいのはもちろん、『24時間テレビ』に向けての地ならしといえるかもしれない。
(文=平田宏利)

TOKIO・城島茂の『笑点』司会就任は既定路線!?「ジャニーズにも日テレにも好都合」

 TOKIOのリーダーである城島茂が日本テレビ系の長寿人気番組『笑点』7代目司会者に急浮上という情報が流れている。

 一昨年、『笑点』の5代目司会者の桂歌丸の跡目をめぐって、三遊亭円楽をはじめとするレギュラーメンバー間での熾烈な争いが起こったが、同年5月には春風亭昇太が6代目を継ぐことが決定し、一件落着した。昇太が司会者に就任した直後の視聴率は良かったが、ここにきて、多少だが落ち始めている。日曜夕方のお茶の間の人気をほぼ独占してきた番組だけに、日テレは警戒心を強め、視聴者離れが本格的に起きないうちに、昇太に代わる7代目司会者の選任に着手しだしたという。

 そんな中、急浮上したのが、正月に放送される特番の『笑点』の常連メンバーで、司会者ぶりも板についているTOKIOの城島だった。彼は知る人ぞ知る、落語好きでダジャレ好き。しかし、落語家でもないタレントが、「大喜利」の司会を務めることができるのか?

『笑点』は放送開始から今年で52年目を迎えるが、初代司会者の立川談志に続いて、2代目を務めたのは、放送作家の前田武彦だった。3代目もコメディアンの三波伸介が務めている。一昨年の歌丸引退に伴う、6代目司会者は最終的には昇太に決まったが、当初はタモリをはじめ、所ジョージ、伊集院光、高田文夫らの名前が挙がっていた。

 そもそも『笑点』はビートたけしも暴露しているように、番組のメーン企画である大喜利の台本は複数の放送作家が作り上げて、台本に沿って進行。各落語家もアドリブで回答する必要がなく、噺家としての才能は要求されていない。すでにバラエティ番組や情報番組の司会をこなしている城島には、たやすい仕事といえるだろう。

 問題は、城島がジャニーズ事務所のベテランタレントの一人だけに、事務所が果たしてOKするかだといわれている。しかし、昨今のジャニーズは、タレントの新たな活動分野を模索しているだけに、問題はないだろう。音楽市場が縮小する一方、所属タレントが増え続けている状況下で、ジャニタレは、ドラマやバラエティだけでなく、報道・情報番組のキャスターや司会者という分野にまで進出。嵐の櫻井翔やV6の井ノ原快彦、TOKIOの国分太一、それに昨年の10月からはテレビ朝日系の『サンデーLIVE!!』に東山紀之をキャスターとして送り込んでいる。それだけに、新たな分野として、『笑点』のようなコテコテのお笑い番組に進出してもおかしくない。

 しかも、『笑点』を放送する日テレと、ジャニーズを実質的に仕切っている藤島ジュリー景子副社長は蜜月関係といわれているだけに、実現の可能性は高そうだ。日テレにとっても、話題性があり、新たな視聴者獲得にもつながるかもしれない城島の就任は、都合がいい。6代目の司会者を決める際には、レギュラーメンバーが所属する各一門の間で熾烈な争いが繰り広げられたという面倒な事態があったため、司会者に落語家以外のタレントを持ってくることも十分にありえる話だろう。城島の『笑点』司会者就任情報の行方に注目したい。
(文=本多圭)

吉高由里子が4月期に日テレ「水10」ドラマで主演! 絶対にコケられないワケとは……

  久しくテレビから遠ざかっていた吉高由里子が、4月期に日本テレビ系「水10」枠で放送される連続ドラマ『正義のセ』で主演を務めることがわかった。吉高のドラマ出演は昨年1月期に同枠でオンエアされた『東京タラレバ娘』以来、1年3カ月ぶりとなる。

 同ドラマの原作は、作家、タレントとして活動する阿川佐和子のベストセラー小説シリーズ『正義のセ』(角川文庫)。吉高が演じるのは、横浜地検で働く2年目の若手検事・竹村凜々子役。不器用だが、なにごとにも一生懸命な主人公が、周りを巻き込みながらも、まっすぐに事件に取り組み、検事として女性として成長していく姿を描いた作品だという。

 吉高といえば、ヒロインを務めた2014年前期のNHK連続ドラマ小説『花子とアン』が平均22.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)の大ヒットを飛ばした。その後、しばらく休養したが、『東京タラレバ娘』で主演し、平均11.4%とまずまずの視聴率をはじき出した。『正義のセ』は、それ以来のドラマ出演となるが、絶対にコケられない事情があるようだ。

「松坂桃李とのコンビで、昨年9月に公開された吉高の主演映画『ユリゴコロ』は歴史的な大爆死となり、吉高の業界評は急落してしまいました。それだけに、今度の主演ドラマでは高視聴率をマークする必要がありそうです。『正義のセ』が放送を終えた後の8月には、ヒロインを務める映画『検察側の罪人』の公開を控えています。この映画は、木村拓哉と嵐・二宮和也が夢の共演を果たす作品で、ジャニーズ事務所としてもコケるわけにはいかないのです。公開前に、吉高が主演ドラマで爆死などしていたら、映画への注目度も下がり、作品自体の価値を下げかねません」(映画ライター)

 吉高は16年夏に、関ジャニ∞・大倉忠義との熱愛が発覚。双方の所属事務所は別れるように諭したようだが、昨年8月には、寿司店での食事デートが報じられ、交際が続いていたことが明らかになっている。

 この交際に反対しているジャニーズ事務所の主力タレントが主演する映画に、ヒロインで起用されているだけに、吉高へのプレッシャーも生半可ではなさそう。大倉との結婚を熱望しているともいわれる吉高だけに、『検察側の罪人』のヒットに貢献して、ジャニーズ側の心証を良くしたいはず。そのためにも、『正義のセ』を高視聴率で終えて、映画公開にいい流れをつくりたいところだろう。
(文=田中七男)

吉高由里子が4月期に日テレ「水10」ドラマで主演! 絶対にコケられないワケとは……

  久しくテレビから遠ざかっていた吉高由里子が、4月期に日本テレビ系「水10」枠で放送される連続ドラマ『正義のセ』で主演を務めることがわかった。吉高のドラマ出演は昨年1月期に同枠でオンエアされた『東京タラレバ娘』以来、1年3カ月ぶりとなる。

 同ドラマの原作は、作家、タレントとして活動する阿川佐和子のベストセラー小説シリーズ『正義のセ』(角川文庫)。吉高が演じるのは、横浜地検で働く2年目の若手検事・竹村凜々子役。不器用だが、なにごとにも一生懸命な主人公が、周りを巻き込みながらも、まっすぐに事件に取り組み、検事として女性として成長していく姿を描いた作品だという。

 吉高といえば、ヒロインを務めた2014年前期のNHK連続ドラマ小説『花子とアン』が平均22.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)の大ヒットを飛ばした。その後、しばらく休養したが、『東京タラレバ娘』で主演し、平均11.4%とまずまずの視聴率をはじき出した。『正義のセ』は、それ以来のドラマ出演となるが、絶対にコケられない事情があるようだ。

「松坂桃李とのコンビで、昨年9月に公開された吉高の主演映画『ユリゴコロ』は歴史的な大爆死となり、吉高の業界評は急落してしまいました。それだけに、今度の主演ドラマでは高視聴率をマークする必要がありそうです。『正義のセ』が放送を終えた後の8月には、ヒロインを務める映画『検察側の罪人』の公開を控えています。この映画は、木村拓哉と嵐・二宮和也が夢の共演を果たす作品で、ジャニーズ事務所としてもコケるわけにはいかないのです。公開前に、吉高が主演ドラマで爆死などしていたら、映画への注目度も下がり、作品自体の価値を下げかねません」(映画ライター)

 吉高は16年夏に、関ジャニ∞・大倉忠義との熱愛が発覚。双方の所属事務所は別れるように諭したようだが、昨年8月には、寿司店での食事デートが報じられ、交際が続いていたことが明らかになっている。

 この交際に反対しているジャニーズ事務所の主力タレントが主演する映画に、ヒロインで起用されているだけに、吉高へのプレッシャーも生半可ではなさそう。大倉との結婚を熱望しているともいわれる吉高だけに、『検察側の罪人』のヒットに貢献して、ジャニーズ側の心証を良くしたいはず。そのためにも、『正義のセ』を高視聴率で終えて、映画公開にいい流れをつくりたいところだろう。
(文=田中七男)

明石家さんまの唐突すぎる“キムタク上げ”は「フラストレーションの爆発」だった!?

 明石家さんまが1月14日放送の『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)の特番に出演し、元SMAP木村拓哉とのエピソードを披露した。

 食事マナーの話になり、食べている途中もしゃべり続けるさんまは、どうしても食べ物が飛んでしまうと述べた。そのため『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)の「ビストロSMAP」出演時に、木村から「きちんと食べてないでしょ」と注意されたという。

 これを受けネットでは、さんまの唐突な「木村アゲ」に話題が集まっている。

「たまたま出た話題なのかもしれませんが、今のテレビでSMAPに言及すれば何かと注目を浴びてしまうのは確かでしょう。特にさんまは、中居正広と木村拓哉双方に通じた人物として知られます。ここで木村の話題を出すのは、なんらかのメッセージと取られても仕方ないでしょう」(業界関係者)

 さんまと木村はこの1月に、2年ぶりにお正月に放送された『さんタク』(同)で共演している。とはいえ年末の『明石家サンタ史上最大のクリスマスプレゼントショー』(同)では、一切SMAPについては言及されていない。

「フジテレビは『スマスマ』の放送局であり、もともとジャニーズ事務所と密接な関係を築いてきた放送局です。そのためSMAP関係の話題にはセンシティブになっていたのでしょう。ここへきて日本テレビ系の『行列のできる法律相談所』でSMAP関連の話題が“解禁”されたのは注目に値します。ただ、どんな話題でも笑いに変える、ある意味“お笑い怪獣”のさんまだけに、フラストレーションが爆発しただけともいえるかもしれません」(同)

 解散から2年目を迎えても、依然としてSMAP関連の話題は尽きることがない。今後もさんまの発言には注目が集まりそうだ。
(文=平田宏利)

2話目にしてクライマックス!?  『トドメの接吻』ヤンデレ・志尊淳の“重すぎる愛”に山崎賢人が……

 イケメン俳優・山崎賢人がチュッチュしまくりのドラマ『トドメの接吻』(日本テレビ系)。第1話の平均視聴率は7.4%(関東地区、ビデオリサーチ調べ/以下同)と、初回から不穏な空気が漂いまくりでしたが、14日放送の第2話では、6.5%という0.9ポイントダウンの残念な結果に。

「愛なんか求めるから人は不幸になる」と、金と権力のためだけに女を弄ぶホスト“エイト”こと堂島旺太郎(山崎賢人)が、ある日突然目の前に現れた謎の女(門脇麦)にキスをされ命を落とし、7日前にタイムリープしてしまう……という“邪道ラブストーリー”が展開する本作ですが、主人公の度重なるタイムリープに、視聴者が飽きてしまった感も否めませんでした。これからどう『ドメキス』ファンを囲っていくのでしょうか……。第2話のあらすじから振り返っていきたいと思います。

*前回のレビューはこちらから

 

■「死」あるところに「キス女」アリ

 旺太郎は、自分のボディガード役を買って出た後輩ホスト・和馬(志尊淳)と行動を共にすることに。キス女に怯える日々を送りながら、年商100億円のホテルグループのお嬢様・美尊(新木優子)に近づく策を練っていました。ある日、旺太郎が働くホストクラブ「ナルキッソス」にやってきた美尊の友人たちを接客していると、突然、旺太郎が控室に置いておいた精力ドリンクを飲んだ同僚ホストが倒れ、救急車で運ばれる騒ぎに。どうやら、ドリンクには毒が盛られていたようで、さらに旺太郎のロッカーから毒物が見つかったことから、旺太郎は殺人未遂の容疑者として逮捕されてしまいました。

 和馬の助けにより、なんとか警察署から逃げ出した旺太郎ですが、キス女から呼び出され、向かった先で今度は何者かにナイフで刺されてしまいます。しかし、そこに現れたキス女の口付けで、毒入りドリンク騒動の前にタイムリープ。事件をなんとか防ぎ、美尊の家の乗馬倶楽部が開く初乗り会にルンルンで参加しますが、肝心の美尊ちゃんとはお近づきになれず、やはりそこでも倒れてきた木材の下敷きになり、死……にそうになりますが、またも現れたキス女にブチュっとかまされ(以下略)。

 こうしてタイムリープを繰り返した旺太郎は、過去の経験を活かし、美尊に本音が言えずに悩む友人・真凛(唐田えりか)を脅迫しながらも、彼女たちの仲を取り持ったことで、美尊との距離を縮めることに成功するのです。めでたしめでたし! と思いきや……。

■ヤンデレ・和馬の重~い「愛」

 美尊とちょっぴり“イイ感じ”になった旺太郎の元へ、和馬から電話が。キス女が「佐藤宰子(さいこ)」という名前であることは突きとめていた旺太郎ですが、なんと、和馬は彼女の住所がわかったというのです。猛ダッシュで和馬が待つアパートに駆けつけた旺太郎。恐る恐る部屋のドアを開けると、そこに待っていたのは宰子ではなく、壁一面に貼られた旺太郎の隠し撮り写真と、その真ん中に赤い文字で書かれた「愛」という文字(しかも超達筆)。顔面蒼白の旺太郎。ハンガーには、見覚えのある女装用の衣装。そう、ここは宰子の部屋ではなく、和馬の部屋だったのです。

「ずっと、好きでした。一緒に死んであげます」とヤンデレ度高めのセリフとともに包丁を向けてくる和馬。逃げる旺太郎ですが、ブスッと思いっきり腹部を刺されてします。今回ばかりは宰子も来てくれません。絶体絶命の旺太郎の元へやってきたのは、ストリートミュージシャン・春海(菅田将暉)でした。彼は、息も絶え絶えの旺太郎を見ながら「な、言ったろ。宰子はエイトを助けてるって」と笑い転げるばかりで、止血したり救急車を呼ぶ素振りは見せません。「おらは生き返っただ~♪」と意味ありげに口ずさんでいました。と、今週はここまで。

 2話目にして衝撃展開の連続だった今話。まずは、旺太郎を狙っていた犯人である和馬。単に売れっ子ホストであるエイトを尊敬し、キャンキャンと子犬のように懐いているだけかと思っていましたが、旺太郎の家に行く時はスキップしながら「フゥ~!」ってテンションアゲアゲだったし、何気なく旺太郎が発した「結婚」というワードに反応してみたり、「その女グセは死ななきゃ治んないのかもな」ってつぶやいてみたり。その裏にはエイトへの「愛」があったんですね。そんな人を殺そうとしてしまうくらいですから、彼、かなりこじらせちゃっています。1話で旺太郎を橋の上からつき落としたのも、きっと彼なんでしょうね。和馬のこの裏切り行為により、愛を必要としない旺太郎は、さらに愛を信じられなくなってしまいそうです……。

 そういえば、和馬役の志尊くんは、16年に同枠で放送された『そして、誰もいなくなった』でも、藤原竜也演じる主人公のかわいい後輩でありながら、最終的に裏切る“悪男”を演じていました。今作でも、そのかわいらしいルックスからは想像もつかないような、黒~い演技を見せてくれています。来週は、和馬の殺意が美尊ちゃんに向けられるとか。悪役を演じる志尊くん、素顔とのギャップがあって個人的に好きなので、来週も密かに彼に期待しています。

■謎の女はキスで命を救うヒーローだった!

 さてさて、もうひとつは、実にあっさり名前と仕事を旺太郎に知られてしまった“キス女”こと佐藤宰子。旺太郎も途中で気が付いたように、やはり彼女は、旺太郎を「キスで殺す」のではなく、「キスで助けていた」ようです。今話冒頭でも、「あなた、狙われてる……かっ」と、和馬が旺太郎を殺そうとしていることを警告していましたし、思い返せば1話でも「ア、アナタ、シヌ」とメッセージを送っていました。毒入りドリンクのことを知らせるよう、店のロッカーに「デンジャラス」と書かれたメモを残したのも、彼女の仕業だったのでしょう。

 では、いったいなぜ彼女は旺太郎を助けるのか? なぜキスでタイムリープさせられるのか? そして、旺太郎のタイムリープと宰子を知るストリートミュージシャンの春海とはどういう関係なのか? 謎はまだまだありますが、なんたってまだまだ序盤ですから、今後描かれていくだろう宰子という人物のバックボーンも楽しみです。

 このように、1話での伏線がサラッと回収され、怒涛の展開をみせた今話。前回のレビューで、「タイムリープの回数が多くて飽きる」と書きましたが(http://www.cyzo.com/2018/01/post_147811.html)、初回が強烈すぎて慣れたのか、今回はさほど退屈には感じませんでした。というのも、1話ではストーリーの展開の速さについていくことだけに集中してしまっていたため、物語に隠された伏線を見逃してしまっていたからだと今話を見て気がついたからです。

 旺太郎がタイムリープをすればするほど、各所に散りばめられた伏線に気がつき、自分なりの推理を楽しむことができるので、旺太郎のタイムリープは決して無駄ではないのだと思います(ただし、尺の長さは気になりますが)。“間違い探し”や“謎説き”が好きな人の知的好奇心をくすぐるドラマなのではないでしょうか。この先物語がどう展開していくのか、繰り返されるシーンでも、気を抜かずに画面に集中したいと思います。

 さて、次週からは、宰子のキスによって生かされ、タイムリープしていたことに気が付いた旺太郎が、今度は自ら宰子の元へキスを求めに行くようです。これまで受身だった旺太郎が、グイグイ積極的に宰子に迫っていく姿は、女性なら胸キュン間違いなしでしょう。個人的には、12年前の船の事故と関わりがありそうな美尊の兄・尊氏(新田真剣佑)の動向にも注目したいと思います。
(文=どらまっ子TAROちゃん)

日テレの「物置の中身を全部出す」特番は、テレ東のアレを参考に制作された!? だが、ミラクルが起こって亜流に終わらず

 毎年1月にNHKで放送されている『新春TV放談』。前年を振り返り、テレビのあり方を語り合うのがこの番組の趣旨だが、1月2日に放送された“2018年版”で話題になったのは、テレビ東京系で定期的に放送されている特番『緊急SOS! 池の水ぜんぶ抜く大作戦』であった。

 内容は、番組名のとおり「池の水を全部抜く」だけ。シンプルながらも、池の水を全部抜くまで何が出てくるかわからないドキドキ、ワクワクが視聴者の心をつかみ、この特番は2017年に計5回放送されている。

 同番組の“生みの親”であるテレビ東京・伊藤隆行プロデューサーは「ニュース映像で、警察が池の中を捜索している場面を観て発想した」と、立ち上げの経緯を明かしている。

 結果、『池の水をぜんぶ抜く』は見事に大成功! 現在、各テレビ局では「あの番組みたいな感じの企画書出せ」というお達しが、放送作家らへの“宿題”として出されているという。

 

■「池の水をぜんぶ抜く」のではなく「物置の品をぜんぶ出す」

 

 上記の“宿題”を受けて制作されたと思われるバラエティーを、民放各局で探し出すことは容易だ。その中の一つとして挙げられるのは、1月4日に放送された日本テレビ系の『物置開けてみませんか?』。

 番組のコンセプトは、単純明快。長年開けていなかった物置に足を踏み入れると、そこには心躍る“何か”が眠っているのでは……? そんな、興奮の「物置宝探し」を試みるプログラムである。

 事実、昨年9月に岐阜県のとある民家の物置では希少なフェラーリ「デイトナ」が40年ぶりに見つかり、オークションで2億3,000万円の値が付いたこともあった。これは、期待ができそうか!?

 というわけで、番組は日本全国の物置へと赴いている。例えば、山梨の民家にある築50年以上の物置をオープンしてみると、そこには江戸時代の火縄銃や勝海舟が明治時代に書いたとされる(真偽不明)掛け軸が発見された。また、岐阜県の物置には、フレームにダイヤが散りばめられた約1,000万円の眼鏡や、およそ総額3億円の宝石箱が眠っていた。

 愛知県にある蔵付き物件(母屋とは別に昔ながらの物置である『蔵』が付いている物件)に訪れた際は、大仕事だった。蔵が2階建てという大きなサイズとなるため、埋蔵品はなんと1万点を超えていたのだ。

 そこで番組は引っ越し業者に依頼し、5時間をかけて蔵から物を一気に出すことを決意! まさに、『池の水ぜんぶ抜く大作戦』を彷彿とさせるやり方である。しかし、これらの膨大な品々から“お宝”を発見することは叶わなかった。山部赤人の木彫りや南部鉄瓶などが発見されたにもかかわらず、鑑定士による鑑定額は総額40万円……。

 でも、メゲない。今回の作業に参加し“お宝発掘”を期待していた地元の郷土研究会会長は「お宝とは、その家にとって価値のある物。自分の気持ちの中に『お宝』があると感じました」と思いを語っており、単なる「物置宝探し」ではない次のフェーズに番組がヴァージョンアップしたことを感じさせる。

■中学時代のカミナリによる露骨な“下ネタコントビデオ”が発掘される

 

 番組は、お笑いコンビ「カミナリ」の竹内まなぶの実家物置へも訪れている。彼の両親は茨城でスーパーマーケットを経営し、見事に成功。立派な家と、家のサイズに匹敵する物置を所有していた。

 さっそく、カミナリの2人が7年ぶりに物置を開けてみると、そこには幼なじみである2人が中学時代に撮ったプリクラや、相方の石田たくみがまなぶとの出会いの感謝を綴った卒業文集が保管されていた。

 しかし、彼らは芸人だ。決して、いい話だけでは終わらない。まず、まなぶが中学時代に好きだった「伊藤愛美さん」の顔やお尻を隙を見て激写した“盗撮写真”が不意に発見されてしまう。

 続いて、何が撮影されたか不明の8ミリビデオテープも発見。このテープには、どんな映像が収録されているのだろう? 竹内家全員でそのテープを視聴すると、登場したのは中学時代のカミナリの2人である。

 若き日のまなぶが自分の部屋に入ると、そこには若き日のたくみがいる。まなぶはたくみに「勉強やるよ」と促すのだが、なぜかたくみは勉強しながらまなぶの股間に手を持っていく。そして、たくみはまなぶに襲いかかり、お互いが上半身裸になってベッド上で強制的な性行為に至ってしまう……というコントが、そこには録画されていた。

 お笑いマニアにとっては「これがカミナリの“笑いの原点”か」と感慨深くもあるが、シチュエーションが悪すぎた。家族全員が観ている前で再生される、あまりにも露骨なエロ展開。顔を赤くしながら「家族、観るなー!」と絶叫するたくみであったが、時すでに遅しだ。

 

■番組が一人歩きし、亜流に収まらない

 

 松本人志はかつて、著書『松本』(朝日新聞社)にて、「テレビのバラエティー番組で、何か新しいことをやろうとしても、必ず過去の何かに似てきてしまう」「何もかもやりつくされたこのご時世で、新しいものを作るのは大変な作業」「パターンを利用して、自分たちの新しいアレンジを駆使してやっていけばいい」と綴っている。

 繰り返すが、この番組は『池の水ぜんぶ抜く大作戦』にインスパイアされ、出来上がった企画のはず。池の水を全部抜く代わりに、物置にある品々を全部外に出す……という発想だと予想される。だが、ミラクルが起こったことで、着地点は想定外にスゴいことになってしまった。

 加えて、ゲスト出演した六角精児によるコメントが秀逸だ。カミナリのVTRを観終わるや「物を捨てちゃうと、こうはならない。置いとくと、こういうオモロイことが色々と起こる。これが、物置の良さですよねぇ」と、感想を述べたのだ。

 単なる「物置宝探し」で終わるかと思いきや、唐突に昨今の“断捨離ブーム”に異を唱えだした六角。番組は、制作陣の意図する着地点にことごとく収まらない。

 番組の展開が一人歩きし、ゲストのコメントは想定外のものとなり、結果的に亜流の域を脱した『物置開けてみませんか?』。第2回放送は、果たしてあるだろうか?
(文=寺西ジャジューカ)