悪女キャラでブレークした菜々緒が、“人事の悪魔”と呼ばれる強烈な人事コンサルタント役で主演を務めるドラマ『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』(日本テレビ系)の第1話が14日に放送され、平均視聴率9.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。まずまずのスタートを切りました。
幼い頃に父親が脚をケガし、保険金のおかげで生活に困らずに済んだ斉藤博史(Sexy Zone・佐藤勝利)は、自分と同じような境遇の人々の助けになるべく、大手損害保険会社・共亜火災に入社。緊張の面持ちで入社式に臨みます。
その入社式で新人研修の担当官として登壇したのが、フリーの人事コンサルタント・椿眞子(菜々緒)。スーパーモデルのようなルックスに、博史をはじめ新入社員たちはテンションが上がります。
そして始まった研修ですが、眞子は最初の挨拶で、独自の判断により新入社員50名のうち40名のクビを切ることを宣言。さらに、新人の“最大にして唯一の特権”であるという退職願をいつ提出しても構わないと言い放つのです。
博史たちに動揺が走る中、研修は問答無用でスタート。マラソンや穴掘りなどの単調かつ過酷な運動で体力を消耗させられる一方、互いの欠点を指摘し合うプログラムやスマホの禁止ルールなどで精神的にも追い詰められ、リタイアする者が続出します。
さらにこの研修、敵は眞子だけではありません。サバイバルゲームと化したため、仲間同士でつぶし合いに発展。その中でも特に、博史の友人の南雲(前田航基)は、日下部(森永悠希)に暴力を振るわれるなどして精神的に追い詰められ、飛び降り自殺を図ってしまいます。
幸いなことに木がクッションとなり、南雲は命を取り留めます。その南雲を含めて残り11名となり、最後の脱落者1名を決めるべく、眞子は博史たちに投票させることに。つまり、仲間のクビを切れと命じるのです。
このやり方に憤った博史は、投票用紙に眞子の名前を書いて反感の意を示すのですが、これはスルーされてしまいます。そして、結果的に票が割れてしまい、眞子が最後の1名を選ぶことになり、日下部を指名。南雲を殴りつけている姿を捉えた隠し撮り映像を見せ、暴力を理由に解雇したのです。
かくして無事に入社した博史ですが、配属先の人材活用ラボという部署の上司は眞子であることが発覚。投票時に反旗を翻したことを根に持たれ、この先どうなることやら、といったところで今回は終了となりました。
今や悪女役を演じたら右に出る者がいないほどの活躍を見せる菜々緒が、“悪女を超えた悪魔になる”がコンセプトということで、放送前から話題を集めていた本作。公式サイトのメインビジュアルでは、濃いめのメイク&スーツでビシッと決めた菜々緒が大鎌を持ち、ダークな雰囲気を醸し出した姿を見せているため、新たな代表作になるのではないかと、筆者も期待していました。
しかし、眞子のしゃべり方には抑揚がなく常にフラット状態。アメリカ帰りを意識したというバッチリメイクも相まって、悪魔というよりは“ケバいアンドロイド”といった感じ。新入社員のクビ切りを独断したのも、その裏に何かワケがあるのかと思いきや、人事費の削減が目的というひねりのなさ。これでは単なるクビ切りロボットにしか思えません。
研修の最初、退職願について言及した際、眞子は博史たちに向かって、「(企業での)死に方を学んでください」と語りかけたんですよ。2015年に電通の女性新入社員が過労自殺したことをきっかけに、ブラック企業についての報道が多い昨今ですから、“自殺するぐらいなら退職しろ”というメッセージを込めたストーリーになるのかな、と思ったのですが、そうではなかった。
というよりもむしろ、南雲が自殺未遂を起こしちゃってる。たいして大きな木なんてない場所なのに、木がクッションになって打撲だけで済んだという展開も驚きでしたが、それ以上に眞子が淡々としていることに衝撃を受けました。
なぜ問題に発展しないのか。報道陣が駆けつけて、大騒動になるレベルの出来事だと思うのですが。強引な解雇宣告や肉体的なしごきも含めて、“24時間、働けますか。”のキャッチフレーズが流行った、ひと昔前の感覚で制作されているような気がしてなりません。
時代感覚のズレでいえば、安室奈美恵が1995年にリリースしたシングル「Body Feels EXIT」(avex trax)が主題歌なのも謎。なぜこれが選ばれたのでしょう? ドラマの内容に合っているならまだしも、全然合ってない。意味不明のタイアップです。
否定的なことばかり書きましたが、まだ初回。眞子が冷徹なクビ切り女になったのには、何か深いワケがあるのでしょう。何もないとしたら、ただ単に菜々緒のスタイルの良さをアピールするためだけの作品ということになってしまいます。佐藤勝利の棒演技の改善も含め、次回以降に期待したいと思います。
(文=大羽鴨乃)
