<p> 数年前、世の中に遊郭ブームが巻き起こった。映画化された安野モヨコの『さくらん』(講談社)、「R‐18文学賞」を受賞し、漫画化もされた『花宵道中』(新潮社)、遊女が主人公のミステリ仕立ての小説『吉原手引草』(幻冬舎)などなど。浮き世を忘れる夢のように華やかな街と、そこで心と体をすり減らしていく女たち。ディズニーリゾートのキャラクターたちが、実は借金を負って売られてきたネズミやらクマやらで、借金返済のために観光客にひたすら身を粉にしてサービスをしていると思ったら、なんだか切ないじゃないか。そんな哀愁が遊郭にはある。自分がなるのはごめんだけど、遠くから見る分には異世界みたいで楽しいという、ワイドショー好きの心をビンビン刺激してくれるのだ。</p>