11月2~5日まで、インターネットテレビ「Abema TV」で放送された『稲垣・草なぎ・香取3人でインターネットはじめます「72時間ホンネテレビ」』。放送後、多くの識者が論じるほど話題となったこの番組は、テレビ関係者の目にはどう映ったのだろうか? それぞれ気になったことを挙げてもらおう。
まずは、セールスポイントでもあった3日間のぶち抜き生放送の72時間という放送尺について。
「72時間もいらなかったですね。最後の72曲の熱唱も、歌う前の意気込みを語るインタビューでかなり引っ張ったことで、SNS上では『いつ始まるんだ?』という声も少なくなかった。そういう手法は、地上波の悪いところで、それを学んでいないのは残念でしたね。また、それまで見ていなかった視聴者のためでもあるかとは思いますが、名場面を振り返るダイジェストシーンもかなり多かった。そう考えると、48時間、多くても60時間くらいでよかったのではないでしょうか」(某局ディレクター)
具体的な番組内容についてはどうだろうか? 「カラオケ72点で72万円」「バズるTwitter講座」「堺正章とホンネトーク」などいくつもの企画が放送されたが……。
「全てが面白いかというとそうではなく、『カラオケで72点出す』など地上波でもよく見る企画も多かった。ネットテレビだからこその醍醐味を見せてほしかったですね。もちろん面白い場面もいくつかありました。ちょこちょこ見ていた限りでは、草なぎ剛のプロレスデビュー、4日の早朝運動会で最下位になったチームリーダー・稲垣吾郎が格闘家に『吊り天井』固めをさせられるシーン、堺正章との対談、1996年にSMAPを脱退してオートレーサーに転身した森且行との再会などは、もしDVD化されるのであれば是非入れてほしいですね。ただ、アメリカのドナルド・トランプ大統領の来日に合わせて香取が“カトルド・トランプ”に扮していましたが、おそらくこれをフジテレビで放送したら『くだらない』『やりすぎ』『不謹慎』と叩かれているはず(笑)」(日テレ関係者)
一方、今回の放送内容について、「番組企画者のサイバーエージェント代表取締役・藤田晋氏が望んだ形だったのかはわからない」という意見もある。どういうことなのだろうか?
「同番組は、藤田社長が、『これまで一切インターネットに出ていなかった3人がネットで本音を語ったら面白いのでは』という狙いのもと、9月上旬に彼らのもとを訪ねてオファーしたことが始まりだったといいます。番組タイトルも藤田氏が決めたそうですが、実際彼らがどこまで“ホンネ”発言をしていたでしょうか? 結果的には“発言しなかった”というより、“できなかった”と言う方が正しいのでしょうが、しがらみのないと言われていたネットの世界でもそれができなかったとなれば、タイトルは過大すぎたんじゃないかと思います。オンエア前、『Twitterのトレンド世界1位を獲得することをめざす』という企画にすり替えられているのを知って、『ホンネ』はどこ行ったんだ? と拍子抜けしました」(同)
また今回、総視聴数が7,400万超と、「AbemaTV」の過去最高視聴数を記録したというが、これについても、「数字のマジックに惑わされている」と指摘する声もある。
「誤解している人も意外に多いのですが、この7,400万という数字は人数ではなく、視聴回数であること。つまり、仮に1人あたり15回チェックしていたら、視聴者数は480万人。異論もあるものの、視聴率1%を100万人と置き換えた場合、せいぜい5%です。また今年5月7日に同じ『AbemaTV』で放送されたチャレンジ企画『亀田興毅に勝ったら1,000万円』は、5時間の生放送で視聴数が1,420万でした。今回、2日午後9時からスタートした『72時間ホンネテレビ』が、この亀田の視聴数を超えたのは翌3日の午後1時過ぎ。つまり開始から15時間後のことで、亀田の番組より視聴スピードが遅いのです。最終的に7,400万という記録を樹立しましたが、3日間もやっていればそうなるのはある程度予想できたこと。また、人々はいつも聞きなれている『視聴率』ではなく、初めて触れる『視聴回数』という指標に少し踊らされている印象がある。冷静に考えなければならないところはあります」(放送作家)
さて今回、縦横無尽に企画に挑戦した3人の将来についてはどうだろう?
「もちろん本人たちもどうなるのかわかっていないでしょう。ただ、SMAP時代、ファンに飢餓感を与え、ニーズがあっても100%は売らないという戦略を通してきたアイドルが、視聴者との距離感をいきなり縮め、SNSを始めたり、気さくに写真撮影に応じる姿勢が、果たしてタレントとしての寿命を延ばすことにつながるのかが気になります。彼らに対するファンの意識が薄れないよう、新しい魅力をどんどん身に着け、新機軸を打ち出していってほしいですね」(芸能プロ関係者)
さらに、こう続ける。「『模擬結婚式』にしろカトルド・トランプにしろ、『吊り天井』固めにしろ、これが、彼らが退所してまでやりたかったことなのかと、若干違和感を覚えます。ファンは彼らの笑顔が見られればそれで良いのでしょうが……。もっとジャニーズ時代とはまったく違った姿を見せてほしかった。今やそれができる環境にあるわけですから。あわよくば、SMAPが昨年解散した大みそかにまたAbemaTVで暴れてほしいですね」(同)
いずれにしても、道なき道をゆく彼らの今後に期待したい。