『副業愛人 年収300万円で囲えるオンナの素顔28』(徳間書店)の著者・中山美里氏に「パパ活女子」について聞く今回のインタビュー。後編ではパパ側の意識やパパ活のリスクについての話を聞いた。
“お金を介在する男女関係”であることに変わりはない
――SNS上では「1時間デートして5,000円」など、女子高生が相手を募集している投稿も見かけます。これらもパパ活なのでしょうか?
中山 それはたぶん、「JKビジネス」の派生ですね。JKビジネスは「ハグして2,000円」とか「一緒にプリクラを撮って1,500円」という感じなので、パパ活とはシステムもお金の価値も違います。パパ活は、たとえ最初は食事だけだったとしても、男性側は内心セックスを期待しているので、そういった面からも、JKビジネスよりもうちょっと大人の女性のものかなと。
――その子たちは、どんな感覚でやっているんですか?
中山 18歳未満はバイト代がとても安いので、「それよりはいい」みたいな感覚だと思います。もしかしたら危険な目に遭うかもしれない、みたいなことは一切考えていなくて、ハグしたり1時間食事するだけだからいいかって、軽く考えている節はありますね。仲間ができるというか、コミュニティがすぐできるというあたりも、パパ活とは違います。愛人に援助交際、パパ活、JKビジネスの派生とさまざまな男女の形があるんですね。
確かにそれぞれ特徴のようなものはありますが、一方で、誰かがネーミングしたからそれらがあるだけで、基本的には全部「お金を介在する男女関係」です。あとはその時代によって定義が若干変わっているだけで、一概に「愛人はこう」「パパ活はこう」などと言い切れないと思います。
――つまり、それぞれ時代を反映した特徴はあるものの、根底は同じということでしょうか?
中山 そうだと思います。愛人という言葉自体は昔からありますが、時代によって“妾”だったり“副業愛人”だったり、関係性は移り変わっていますよね。パパ活や援助交際も、最初にそういった男女の関係性が現れたときと数年たったあとでは、関係性が変わっています。例えばパパ活は、初めはセックスなしだったのが、今ではセックス込みが当たり前とかね。なので、この先も形を変えていくでしょうし、パパ活に代わる新しい呼び名が出てくる可能性も十分にあると思いますよ。
――男性側の意識についても聞かせてください。彼らはパパ活をする女性にどのようなことを求めているのでしょうか?
中山 例えば個人売春であれば「抜きたい」ですよね。デリヘルや風俗で仕事っぽい塩対応をされるからイヤっていう感覚の人が、出会い系や立ちんぼといった選択肢の中の一つにするのかなって。その中でも、定期的に会ったり、最初の時点から継続性を期待している男性は、パパ活女子を選ぶのではないでしょうか。
――継続性を求める男性は、どのような女性を好むんですか?
中山 ラウンジで女の子を探す男性は、お金を持っている人が多いから、ぶっ飛んでいる子や、ちょっと変わった子が好きという人が多いです。すごく清楚に見えるのに、ハプニングバーやSMプレイに興味津々みたいな。セックスに対するポテンシャルが高い子や、酒豪でべろんべろんになっちゃう子、すごくよく食べる子とか、見ていて楽しい、一緒にいたいって思わせる女性だと長続きするみたいです。
――素人らしい女性を求める男性が多いと思っていたので、ちょっと意外でした。
中山 一概には言えませんが、少ないお給料やなけなしのお小遣いで養える“都度払い愛人”を求めている男性だと、素人らしい普通の女性を求める人も多いみたいです。風俗のようにいかにも“お仕事”のような塩対応を受けることもないですし。それに、風俗だとソープ以外は本番ができないし、そもそもデートっぽさがない。でも、キャバクラだとセックスまでにいくらかかるかわからないので、確実にセックスできて、見た目も好みの女性と恋人っぽく過ごせるという面で、パパ活女子はすごくコスパがいいんです。あとは、お金が発生している関係なので、女性より優位に立てて自尊心も満たせるし、不倫より別れるときのリスクも低いから。ただ、やっぱり飽きちゃうんですよね。なので、金品だけに固執して、男性を喜ばせる精神がないようなパパ活女子は、どちらにしても続かないようです。
――パパ活女子として求められ続けるのは、簡単なことではなさそうですね。
中山 「良い思いして、お金をもらいたい」という中途半端な子だと難しいでしょうね。例えばお金ためならなんでもできる“振りきってる”子だと、「ビルのあいだで、5万円で手コキした」とか、すごい武勇伝を持っていたりするんですよ。お金のためだからサクッとしていて、「時給にしたらすごくないっすか?」みたいに、ほかの男性客にも話しちゃうから、男性は「面白い! 俺もやってよ」みたいになって新たなパパとのつながりができる。その子のキャラとか、営業力もあると思いますが、パパ活女子の勝ち組コースですね。
――パパ活は個人で行うものだけに、性病感染や危険な目に遭うリスクも高いのではないでしょうか?
中山 性病の検査はしていない子がほとんどではないでしょうか。風俗などなら、勤め先で性病の検査をしてくれるところもあるし、危険な目に遭いそうになっても助けを求められるけれど、パパ活女子は個人なので危険性は常に隣り合わせですね。実際、男性の家に着いて行ったら部屋の中にもう一人男性がいたとか、ご主人様とSMプレイをしていてケガをしたとか、そういった話もよく耳にします。しかも、警察に行くと、売春で補導されたり親にバレたりするリスクがあるので、相談もしづらいんです。
――日々の営業や、危険性から考えても、風俗よりも大変そうですね。
中山 大変だと思いますよ。それで生計を立てるとなると、なおさら。相手も自分で探さなきゃいけないし、営業して、つなぎとめておこうにもネタも尽きてくるでしょうしね。あと、アプリで知り合った相手だとドタキャンやすっぽかし率も高いので、交通費と時間の無駄になることも多く、そんなことが続くと割に合わなくなってくるし、疲れちゃうんですよ。だから、パパ活ができる年齢は何歳まで……といったことではなく、本人が続けたいかどうか次第で、何年もパパ活だけで稼いでいる女性は非常にレアケースです。パパ活は愛人よりハードルが下がっていますが、そのぶん、うまくやり続けるには手腕が必要なんですよ。そんな感じだから、やったりやらなかったり、副業くらいがちょうどいいってなっているのではないかと思います。
――現在パパ活をしている女性に向けて、中山さんから注意喚起などがあれば教えてください。
中山 実際のところ、注意喚起はあまりないんです。危険だと思うことはありますが、当人がそれを選んだことには、それなりの理由があるのでしょうから。否定はできないなって。パパ活がらみの殺人事件のニュースを見ると、うーんって思うけど、目先の生活を守ることって大切じゃないですか。すごく“刹那的”なんですけど、日々生きていくことというか、そこを守りたい気持ちはよくわかるので、それで痛い目に遭っても自業自得とは思えないですね。殺人は被害者の女性ではなく、殺す人が悪いんです。
ただ、リスクがあるということを天秤にかけた上で踏み切るんだから、痛い目に遭った時に、誰のせいにもできないということは、頭の片隅くらいに入れておいた方がいいと思います。誰かのせいにすると、お金に困ったら誰かに頼るような生活を続けたり、承認欲求が低いままで人として成長できないと思うので。
中山美里(なかやま・みさと)
1977年、東京都生まれ。フリーライター。編集プロダクション株式会社オフィスキング取締役。『16歳だった~私の援助交際記』(幻冬舎文庫)『漂流遊女~路地裏の風俗に生きた11人の女たち~』(ミリオン出版)『高齢者風俗嬢~女はいくつまで性を売れるか』(洋泉社)などがある。
