家庭内セックスは惰性なのか? 家族だからこその生々しい性愛を描いた『愛妻日記』

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『愛妻日記』/講談社

■今回の官能小説
『愛妻日記』重松清(講談社)

 どんなに激しく愛しあった恋人も、入籍して結婚をすれば“家族”になる。同じ家へ帰り、同じ食事を食べ、共に眠る生活――そこには、かつて恋人同士として過ごしたロマンチックな時間とは異なる、安住の時間が流れる。

 ではセックスはどうだろう? 家族同士のセックスは、「最上級の愛情表現」だったはずの恋人同士のそれとは質が違うのではないだろうか。家族同士のセックスは、セックスレスが立派な離婚の原因にもなってしまうことも考えると、惰性や義務の行為にもなりえてしまうのだ。「家族同士のセックス」という聞くと、反射的に目を背けたくなる人も多いだろう。真っ先に思い浮かぶのは、実の両親のその姿のはずだから。