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『後妻業』(フジテレビ系)第2話「莫大な遺産を強奪!悪女が動く運命の夜」
金持ちジジイをたぶらかして後妻に収まり、遺産を狙う「後妻業」を営む小夜子(木村佳乃)。
そのターゲットとなった中瀬耕造(泉谷しげる)は、塩気が多くて脂っこいものばっかり食べさせる、無茶な運動をやらせる、という小夜子の策略で、まんまと寝たきり状態になってしまった。
今がチャンスとばかりに小夜子は、「後妻業」のパートナー・柏木亨(高橋克典)とともに、耕造が隠し持っていた金庫を開け、預金通帳や投資信託など総額4,000万円以上をゲット。用なしとなった耕造を始末することにする。
■木村佳乃の演技に目が慣れてきた!?
泉谷しげる演じるジジイ役がなかなかいい味を出していたので、死にそうで死なない感じでしばらく引っ張ると思っていたら、予想以上にアッサリ死んで(殺されて)しまいましたな。
遺産狙いを隠そうともしないコント的な役作りで、「こんなヤツに騙される人いるか?」と違和感のあった木村佳乃の演技だが、さすがに耕造を殺すというパートではさまざまな思いが滲む、いい表情を見せていた。
あのコントじみた変なキャラも、「後妻業」に対する罪悪感をごまかすため、あえて露悪的に振る舞っている、ということなのだろう。
そんな簡単に夜中の病室に忍び込んで空気注射とか打てるの!? カメラとかないの!? 殺した後のBGMが「怒りの日」って、仰々し過ぎない!? ……などなど、いろいろと突っ込みどころはあったものの、木村佳乃の演技にもようやく目が慣れてきた。
■遺体の前でコントをはじめるな!
耕三が死ぬ前から、遺産や葬式の話を出していた小夜子もヒドイが、娘ふたりも結構ヒドイ。
耕三が元気だった頃からマンションには寄りつかず、寝たきり状態のまま自宅介護になりそうだという話が持ち上がると姉妹で押し付け合いをはじめる。転院手続きや葬式を小夜子が仕切るのもイヤだけど、自分がやるのも面倒くさい……。
濱田マリ演じる姉・西木尚子は、ただ単に何も考えていない感じだが、妹・中瀬朋美(木村多江)の方は、いろいろと闇を抱えていそうだ。
不妊が原因で籍を入れていない事実婚の夫・佐藤司郎(長谷川朝晴)は、事務所で雇った若い娘・山本英美里(田中道子)と不倫してる臭いし、小夜子の調査を依頼している大学の先輩・本多芳則(伊原剛志)からは、
「オレも籍は入れてへん。中瀬と同じや」
なーんて言われて、こっちはこっちで不倫フラグ立ちまくり。
私生活でたまりまくりの鬱屈とした思いが、小夜子への復讐に駆り立てていくのか!?
それにしても、亡くなった耕造の枕元ではじまった小夜子と朋美のどつきあいは完全にコントだった。
「耕造さ~ん!」
「お父さ~ん!」
と、耕造の遺体を奪い合う。BGMまで面白ミュージックになっており、「吉本新喜劇でこんなシーン見たことあるよ!」という感じ。
もうちょっとガチなW木村バトルが見たかったんだけど……。肝心なところで吉本新喜劇の血が流れる関西演出が入ってくるなぁ。
■どうして耕造とだけ籍を入れていなかったのか?
今回、小夜子の過去もちょこちょこ明かされていた。
耕造の前に、3人の夫と結婚しているのだが、全員入籍後2年以内に死んでいる。
しかし今回の中瀬耕造とは入籍をしておらず、3番目の夫の「武内」姓のまま内縁の妻となって遺言を書かせていたのだ。
確かに、これまでの調子で結婚しては殺して……を繰り返していたら戸籍が汚れまくってしまうので、内縁の妻ポジションで戸籍を汚さずに遺産をゲットしたいというのは分かるが、「武内」姓を残したままなのは何故なのか?
新築分譲で買ったばかりだという耕造のマンションは即売り払ってしまうのに、「武内のじいさん」から買ってもらった家は「本宅」と呼んで住み続けていることからも、「武内のじいさん」に対して何か思い入れがありそうだ。
とことん下品な銭ゲバに徹していた小夜子の、別の顔が見えてきた第2回。
第3話以降、ちょいちょい小夜子のバックボーンが明かされつつ、朋美とのバトルも激化していくことだろう。W木村による、本気のビンタ合戦あたりに期待!
(文とイラスト=北村ヂン)

